JP4551499B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、インクジェットキャリッジ装置を用いたインクジェット記録装置等の画像形成装置に関する。

インクジェット記録装置等の画像形成装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジをガイドロッドで案内しつつ用紙に対して所定の走査方向に沿って走査する走査手段を有し、キャリッジの走査中に画像データに基づいて記録ヘッドを駆動して画像を形成する。このようなインクジェット記録装置等には、通常、印字ヘッドの位置を検知するための目盛りが刻まれたリニアスケールと、リニアスケールに沿って移動しながらこの目盛りを読み取る読取センサが備えられている。リニアスケールは、キャリッジの走査方向に延びる細長いフィルム状のもので、目盛りは、非常に狭い間隔（例えば３００ｄｐｉであれば０．０８４ｍｍ）をなしている。
特許第２９５８１３１号公報

ところで、上述のようなインクジェット記録装置等の画像形成装置では、多くの構成部品、構成部材等を交換可能にして装置寿命を例えば１０倍といったように大幅に延ばす工夫が種々行われている。これに関連して、キャリッジを取り外して交換する、あるいはエンコーダセンサを構成する発光部と受光部とを交換する必要などが生じている。これは寿命が延びたこと等に起因して、インクミストでエンコーダセンサが、具体的には発光部と受光部とが汚れ、位置検出が正確に行えない等の不具合が生じ得るようになってきているためである。

そのような交換作業を行うには、まずキャリッジをガイドロッドから外す必要があるが、その際、従来の構造ではリニアスケールも取り外さなければならない。しかしながら、リニアスケールの目盛りは極微小間隔で並んでいるため、作業者の手が触れる等の事象が生じてはならない。すなわち、手で触ることによって皮脂が付着し、リニアスケールの目盛りが読めなくなってしまうからである。したがって、従来の構造では実際にキャリッジを取り外して交換するという作業は不可能に近かった。

本発明はこの従来の問題点にかんがみ、キャリッジやエンコーダセンサを交換する際にリニアスケールを取り外さずに済み、したがって作業者が手で触れてしまうおそれがない状態で作業できる技術を提供しようとするものである。

本発明に係るインクジェットキャリッジ装置のうち請求項１に係るものは、エンコーダセンサを、キャリッジ本体から取り外し可能なセンサ保持部に取り付けて備えることを特徴とする。

同請求項２に係るものは、請求項１に記載のインクジェットキャリッジ装置において、前記エンコーダセンサを前記センサ保持部に対して着脱可能に備えることを特徴とする。

同請求項３に係るものは、請求項１または２に記載のインクジェットキャリッジ装置において、前記センサ保持部は前記エンコーダセンサにリニアスケールを通すためのガイドを有することを特徴とする。

本発明は、キャリッジやエンコーダセンサを交換する際にリニアスケールを取り外さずに作業でき、リニアスケールに作業者が手で触れたりしにくくなるという効果がある。

以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。

図１は、本発明に係る画像形成装置の一実施例であるインクジェット記録装置を示す斜視図、図２は、図１に示すインクジェット記録装置の機構部の側面図である。図示の例のインクジェット記録装置は、記録装置本体１の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ１３、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド１４、記録ヘッドへインクを供給するサブタンク（インクカートリッジ）１２等で構成される印字機構部２等を収納し、記録装置本体１の下方部には前方側から多数枚の用紙３を積載可能な給紙カセット４（あるいは給紙トレイ）を着脱自在に装着し、給紙カセット４から給送される用紙３を取り込み、印字機構部２によって所要の画像を記録した後、後面側に装着した排紙トレイ６に排紙するようになっている。

印字機構部２は、図示しない左右の側板に架設したガイド部材である主ガイドロッド１１でキャリッジ１３を主走査方向（図２の紙面垂直方向）に摺動自在に保持し、このキャリッジ１３にはイエロー（Ｙ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、ブラック（Ｂｋ）の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド１４を、インク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ１３の上側には記録ヘッド１４に各色のインクを供給するための各サブタンク１２を装着している。

また各色のサブタンク１２は、インク供給チューブ１６を介して、交換可能に装着された各色のインクタンク１５と接続され、インクタンク１５からインクの供給を受ける。そしてキャリッジ１３は、後方側（用紙搬送方向下流側）を主ガイドロッド１１に摺動自在に嵌装している。そして、このキャリッジ１３を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ１７で回転駆動される駆動プーリ１８と従動プーリ１９との間にタイミングベルト２０を張装し、このタイミングベルト２０をキャリッジ１３に固定している。

一方、給紙カセット４にセットした用紙３を記録ヘッド１４の下方側に搬送するために、給紙カセット４から用紙３を分離給装する給紙ローラ２１及びフリクションパッド２２と、用紙３を案内するガイド部材２３と、給紙された用紙３を反転させて搬送する搬送ローラ２４と、この搬送ローラ２４の周面に押し付けられる搬送コロ２５及び搬送ローラ２４からの用紙３の送り出し角度を規定する先端コロ２６とを設けている。搬送ローラ２４は副走査モータ２７によってギヤ列を介して回転駆動される。

また、キャリッジ１３の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ２４から送り出された用紙３を記録ヘッド１４の下方側で案内する静電搬送ベルト２９を設けている。この静電搬送ベルト２９は、チャージャ３０により帯電することにより搬送されてきた用紙３を吸着し、用紙面と記録ヘッド面とを並行に保つ役割を担っている。静電搬送ベルト２９の用紙搬送方向下流側には、用紙３を排紙トレイ６に送り出す排紙コロ３３を配設している。

なお、記録装置本体１には用紙反転ユニット８及び給紙ユニット９を必要に応じて取り付けることができるようになっている。用紙反転ユニット８は、第２搬送ローラ３４、第３搬送ローラ３５を備え、用紙３の表面に記録ヘッド１４によって印刷した後、搬送ローラ２４を逆転させて用紙３を記録装置本体１内に引込み、用紙反転ユニット８内の第２搬送ローラ３４、第３搬送ローラ３５を経由することによって用紙３を反転させて搬送ローラ２４に送り込み、用紙３の裏面を記録ヘッド１４側に向けた状態で記録ヘッド１４の下方に搬送し、裏面印刷を行う。給紙ユニット９は、第２給紙ローラ３６、フリクションパッド３７、搬出ローラ３８等を備え、給紙カセット４に収納された用紙と同サイズあるいは異サイズの用紙を大量に収容することができ、いずれかからの用紙を適宜選択して使用することができる。

図３は、従来用いられているキャリッジ１３の一例を概念的に示す側面断面図である。図示のように、主ガイドロッド１１を通すための穴を備えている挿通部１１Ａの斜め上方位置にエンコーダセンサ４０を備えている。このエンコーダセンサ４０は、リニアスケール４１を通すための溝部４２を備えており、その内面の両側に発光部４３と受光部４４を備え、上述のようにリニアスケール４１の目盛りを読んでキャリッジ１３の位置を検出している。なお、発光部４３と受光部４４は、図示の配置形態とは逆の配置の場合もある。

図４は、本発明に係る画像形成装置の実施例を示すキャリッジの斜視図、図５は、センサ保持部材の斜視図、図６は、同概念的側面断面図である。

図示のように本実施例のキャリッジ１３は、主ガイドロッド１１を挿通する部位１３Ａの斜め上方位置にエンコーダセンサ４０を保持するためのセンサ保持部材５０を上下方向（図中矢印Ｙで示す方向）で着脱可能に備えている。具体的には、キャリッジ１３の上部にセンサ保持部材５０を挿抜するための開口部５１を備えた装着部５２を形成し、センサ保持部材５０をこの開口部５１の上方側から差し込んで装着し、あるいは装着状態から簡単に上方へ引き上げて抜けるようにしてある。

一方、センサ保持部材５０は、開口部５１を通過可能な保持部５３と、開口部５１を通らないベース板部５４とからＴ字状に構成してあり、保持部５３の下端近傍にエンコーダセンサ４０を取り付けて保持してある。具体的な説明は省略するが、エンコーダセンサ４０を保持部５３に着脱可能としておくことが望ましい。

なお、センサ保持部材５０の下端部には、エンコーダセンサ４０を受け止めるような形態で配したガイド部５５が突設してある。このガイド部５５の下端面は、キャリッジ１３の本体側が低く、エンコーダセンサ４０側が上がった斜面状に形成してある。このようにすると、センサ保持部材５０を装着するときにガイド部５５の斜面がリニアスケール４１に接触してもスライドガイドとしての役割を果たし、リニアスケール４１に対して負荷となることがない。

すなわち本実施例でのキャリッジ１３の取り外し、交換等やエンコーダセンサ４０の取り外し、交換作業等は、まずセンサ保持部材５０のベース板部５４をキャリッジ１３の装着部５２に固定している状態を解除し、センサ保持部材５０全体を上方へ引上げ、保持部５３を開口部５１を通して抜き取る。エンコーダセンサ４０が開口部５１を通るように構成できなければ、途中までセンサ保持部材５０を引き上げておいてエンコーダセンサ４０を保持部５３から取り外せばよい。するとリニアスケール４１に触れてしまうおそれがない状態で主ガイドロッド１１を抜き、キャリッジ１３を取り外すことができるようになる。なお、このような作業の際に主ガイドロッド１１やキャリッジ１３がリニアスケール４１に触れてしまってもほとんど問題はない。またキャリッジ１３やエンコーダセンサ４０の取付け作業等は、前記手順と逆の手順で行えばよい。

また先の実施例ではセンサ保持部材５０をキャリッジ１３に対して上下方向で着脱するようにしているが、図７に示すように、キャリッジ１３の側部にセンサ保持部材５０Ａをネジ止め固定できるようにフランジ状に形成し、側方から着脱するようにしても良い。また主ガイドロッド１１との位置関係などで構造的に可能であれば、キャリッジ１３の下方や図の配置位置から見て背面側となる方向からから着脱可能としてもよい。どのような構造であっても、キャリッジ１３が主ガイドロッド１１に取り付いている状態でセンサ保持部材５０が着脱できれば構わない。

本発明の適用対象となる画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置を示す斜視図である。 図１に示すインクジェット記録装置の機構部の側面図である。 従来のキャリッジの一例を概念的に示す側面断面図である。 本発明の実施例を示すキャリッジの斜視図である。 センサ保持部材の斜視図である。 本実施例の概念的側面断面図である。 本発明の他の実施例を示すキャリッジの斜視部分図である。

符号の説明

１ 記録装置本体
２ 印字機構部
３ 用紙
４ 給紙カセット
６ 排紙トレイ
８ 用紙反転ユニット
９ 給紙ユニット
１１ 主ガイドロッド
１２ サブタンク（インクカートリッジ）
１３ キャリッジ
１３Ａ 主ガイドロッドの挿通部
１４ 記録ヘッド
１５ インクタンク
１６ インク供給チューブ
１７ 主走査モータ
１８ 駆動プーリ
１９ 従動プーリ
２０ タイミングベルト
２１ 給紙ローラ
２２ フリクションパッド
２３ ガイド部材
２４ 搬送ローラ
２５ 搬送コロ
２６ 先端コロ
２７ 副走査モータ
２９ 静電搬送ベルト
３０ チャージャ
３３ 排紙コロ
３４ 第２搬送ローラ
３５ 第３搬送ローラ
３６ 第２給紙ローラ
３７ フリクションパッド
３８ 搬出ローラ
４０ エンコーダセンサ
４１ リニアスケール
４２ 溝部
４３ 発光部
４４ 受光部
５０、５０Ａ センサ保持部材
５１ 開口部
５２ 装着部
５３ 保持部
５４ ベース板部
５５ ガイド部

Claims (3)

1. インク滴を吐出する記録ヘッドと、
   前記記録ヘッドを搭載して移動するキャリッジと、
   前記キャリッジの背面に配置され、前記キャリッジを摺動自在に保持し、主走査方向に案内するガイドロッドと、
   前記キャリッジの背面において前記ガイドロッドの上方に配置され、キャリッジの位置を検知するための目盛りが形成されたリニアスケールと、
   を備え、
   前記キャリッジは、
   前記リニアスケールの目盛りを読んで前記キャリッジの位置を検出するエンコーダセンサと、
   前記エンコーダセンサを、前記キャリッジの本体から取り外し可能に保持するセンサ保持部と、
   前記キャリッジ本体の上部位置に設けられ、前記センサ保持部を装着、挿通するための開口部と、
   を有し、
   前記センサ保持部は、
   前記リニアスケールを通すために下方を開口させた溝部と、
   前記溝部の開口内側の面に互いに対向させて配置され、前記リニアスケールを前記溝部内に配置した状態で、前記リニアスケールの目盛りを検出する発光部及び受光部と
   前記開口部を通過可能な保持部と、前記開口部を通らずに前記キャリッジ本体の上部位置に保持されるベース板部とを有し、
   前記発光部及び前記受光部は前記保持部の下端近傍に設けられた
   ことを特徴とする画像形成装置。
2. 請求項１に記載の画像形成装置において、前記エンコーダセンサを前記センサ保持部に対して着脱可能に備えることを特徴とする画像形成装置。
3. 請求項１または２に記載の画像形成装置において、前記センサ保持部材の前記保持部の下端が、斜面状に形成してあることを特徴とする画像形成装置。