JP4550553B2 - レーシングカート用の空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、レーシングカートに装着される空気入りタイヤに関する。
レーシングカートは一人乗りの車体を備えており、この車体には外径が350mm以下であってアスペクト比が0.5以下であるタイヤが装着されている。カートレースでは、ラップタイムが競われる。このレーシングカートは低重心でかつ軽量なので、カートレースにおける旋回スピードは速い。旋回時にカートが片輪走行となる場合もある。レーシングカート用タイヤには、極めて大きな横方向の力が加わる。ラップタイム短縮のため、レーシングカート用タイヤには、大きな横剛性と優れた復元性とが求められる。
タイヤは、バイアスタイヤとラジアルタイヤとに大別される。レーシングカート用のタイヤは、レギュレーションにより、バイアスタイヤであることが規定されている。レーシングカートには、2枚のカーカスプライが用いられている。カーカスプライは、赤道面に対して傾斜したカーカスコードを備えている。一方のカーカスプライにおけるコードの角度は、他方のカーカスプライにおけるコードの角度とは逆である。この2枚のカーカスプライによって、レーシングカート用タイヤに剛性が付与されている。このようなタイヤは、例えば特開平6−255304号公報に開示されている。
特開平6−255304号公報
レーシングカートのエンジンの排気量は、大きくない。このエンジンのパワーは小さいので、レーシングカートでは、タイヤの質量が走行速度に大きく影響する。ラップタイムの観点から、軽いタイヤが有利である。簡便な構造が採用されれば軽量なタイヤが得られうるが、この場合はタイヤの横剛性が不足する。横剛性が不十分なタイヤは、旋回時の操縦性に劣る。小さな質量と大きな横剛性との両立には、困難が伴う。
本発明の目的は、構造が簡便で、かつ横剛性が大きなレーシングカート用タイヤの提供にある。
本発明に係るレーシングカート用タイヤは、その外面がトレッド面を形成するトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びておりコア及びエイペックスを備えた一対のビードと、1枚のカーカスプライからなるカーカスとを備える。このカーカスプライは、赤道面に対する角度が25°以上38°以下である多数のカーカスコードとトッピングゴムとを備える。このカーカスプライは、本体と、この本体に連続しておりビードのコアの周りを軸方向内側から外側に向かって巻き上げられることで形成された一対の巻き上げ部とを備える。一方の巻き上げ部の端と他方の巻き上げ部の端との距離は、50mm以下である。このタイヤは、本体の外周面に沿って位置しており厚みが0.2mm以上1.0mm以下であるインスレーションをさらに備える。このインスレーションのゴムの100%伸張時の引張応力Miは、カーカスプライのトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上300%以下である。エイペックスのゴムの100%伸張時の引張応力Maは、10MPa以上である。
好ましくは、エイペックスのゴムの、温度が70℃であり周波数が10Hzであり振幅が2%である条件下で測定された動的貯蔵弾性率E’は、100MPa以上である。好ましくは、エイペックスの上端の高さは、タイヤの高さの40%以上70%以下である。
本発明に係る他のレーシングカート用タイヤは、その外面がトレッド面を形成するトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びておりコア及びエイペックスを備えた一対のビードと、1枚のカーカスプライからなるカーカスとを備える。このカーカスプライは、赤道面に対する角度が25°以上38°以下である多数のカーカスコードとトッピングゴムとを備える。このカーカスプライは、本体と、この本体に連続しておりビードのコアの周りを軸方向内側から外側に向かって巻き上げられることで形成された一対の巻き上げ部とを備える。一方の巻き上げ部の端と他方の巻き上げ部の端との距離は、50mm以下である。このタイヤは、本体の外周面に沿って位置しており厚みが0.2mm以上1.0mm以下であるインスレーションをさらに備える。このインスレーションは、ゴムとこのゴムに分散した短繊維とを含む。
好ましくは、インスレーションのゴムの100%伸張時の引張応力Miは、カーカスプライのトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上300%以下である。
好ましくは、ンスレーションの短繊維含有率は、2質量%以上15質量%以下である。好ましくは、サイドウォール近傍の短繊維の配向方向は半径方向であり、トレッド近傍の短繊維の配向方向は周方向である。
このレーシングカート用タイヤは、カーカスプライを1枚のみ備える。このタイヤの構造は、簡便である。このタイヤでは、軽量化が達成されうる。このタイヤでは、インスレーションにより、十分な横剛性が達成されうる。このタイヤは、旋回時の操縦性にも優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーシングカート用タイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面と垂直な方向がタイヤ2の周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2の外径は、350mm以下、特には300mm以下である。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、インナーライナー12及びインスレーション14を備えている。このタイヤ2は、空気入りチューブレスタイヤである。
トレッド4は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な円弧状である。トレッド4の外面は、路面と接地するトレッド面16を構成する。トレッド面16には、溝は刻まれていない。このタイヤ2は、いわゆるスリックタイヤである。トレッド面16が、溝、ブロック等からなるトレッドパターンを備えても良い。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。ビード8は、コア18と、このコア18から半径方向略外向きに延びるエイペックス20とからなる。コア18は環状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)からなる。エイペックス20は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ22からなる。カーカスプライ22は、本体24と、一対の巻き上げ部26とからなる。本体24は、トレッド4、サイドウォール6及びビード8の内面に沿うように、両側のビード8の間に架け渡されている。巻き上げ部26は、本体24に連続しており、ビード8のコア18の周りを軸方向内側から外側に向かって巻き上げられている。巻き上げ部26の端30は、トレッド4の中央近傍まで至っている。
図示されていないが、カーカスプライ22は、並列する多数のコードと、トッピングゴムとから構成されている。コードは、トッピングゴムに埋設されている。コードは、赤道面CLに対して傾斜している。傾斜の角度(絶対値)は、25°以上38°以下である。本体24におけるコードの傾斜方向は、巻き上げ部26におけるコードの傾斜方向とは逆である。コードは、好ましくは、有機繊維からなる。有機繊維の具体例としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維及び芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。
このタイヤ2は、カーカスプライ22を1枚のみ備えているので、その構造は簡便である。このタイヤ2では、軽量化が達成されうる。このタイヤ2では、巻き上げ部26の端30がトレッド4の中央近傍まで至っているので、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、適正なプロファイルが得られる。
図1において両矢印Lで示されているのは、一方の巻き上げ部26の端30と他方の巻き上げ部26の端30との距離である。距離Lは50mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましく、15mm以下が特に好ましい。理想的には、距離Lはゼロである。
インナーライナー12は、カーカス10の内面に接合されている。インナーライナー12は、架橋ゴムからなる。インナーライナー12には、空気透過性の少ないゴムが用いられている。インナーライナー12は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
インスレーション14は、架橋ゴムからなる。インスレーション14は、一方のコア18の軸方向内側から、他方のコア18の軸方向内側にまで至っている。コア18からエイペックス20の上端32までの間では、インスレーション14は、本体とビード8とに挟まれている。エイペックス20の上端32から巻き上げ部26の端までの間では、インスレーション14は、本体24と巻き上げ部26とに挟まれている。換言すれば、インスレーション14は、本体24の外周面の全体を覆っている。インスレーション14が、本体24の外周面を部分的に覆うように設けられてもよい。この場合、本体24の外周面の50%以上、特には70%以上が、インスレーション14によって覆われることが好ましい。
インスレーション14のゴムの100%伸張時の引張応力Miは、カーカスプライ22のトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上である。換言すれば、インスレーション14は高弾性である。このインスレーション14により、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、十分な横剛性が達成される。横剛性の観点から、引張応力Miは引張応力Mcの200%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、引張応力Miは引張応力Mcの300%以下が好ましい。引張応力Miは、3MPa以上12MPa以下が好ましい。
本発明において引張応力は、「JIS−K 6251」の規定に準拠して、下記に示される条件で測定される。
引張試験機:東洋精機製作所の商品名「ストログラフT型」
試験片形状:ダンベル3号
試験片厚み:2mm
引張速度:500mm/min
この試験片は、タイヤ2から切り出される。切り出しが困難な場合は、試験対象のゴム組成物と同一のゴム組成物からなるスラブから試験片が打ち抜かれる。温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、スラブが得られる。
インスレーション14のゴムの硬度HSiは、カーカスプライ22のトッピングゴムの硬度HScの115%以上である。換言すれば、インスレーション14は高硬度である。このインスレーション14により、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、十分な横剛性が達成される。横剛性の観点から、硬度HSiは硬度HScの125%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、硬度HSiは硬度HScの150%以下が好ましい。硬度HSiの値は、72以上90以下が好ましい。硬度HSi及び硬度HScは、「JIS K 6301」の規定に準拠して、スプリング式A型硬度計によって測定される。
横剛性の観点から、インスレーション14の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上が特に好ましい。路面追従性の観点から、インスレーション14の厚みは1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下が特に好ましい。
エイペックス20のゴムの100%伸張時の引張応力Maは、10MPa以上である。換言すれば、このエイペックス20は高弾性である。このエイペックス20により、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、十分な横剛性が達成される。横剛性の観点から、引張応力Maは8MPa以上がより好ましい。路面追従性の観点から、引張応力Maは15MPa以下が好ましい。
エイペックス20には、動的貯蔵弾性率E’が100MPa以上であるゴムが用いられている。このエイペックス20は、極めて高硬度である。タイヤ2に横方向の力が加わる場合、このエイペックス20によって大きな反力が生じる。このタイヤ2では、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、十分な横剛性が達成される。横剛性の観点から、貯蔵弾性率E’は105MPa以上がより好ましく、110MPa以上が特に好ましい。路面追従性の観点から、貯蔵弾性率E’は150MPa以下が好ましい。
貯蔵弾性率E’は、「JIS−K 6394」の規定に準拠して、下記に示される条件で、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社の「VES・F−3型」)によって測定される。
初期歪み:10%
振幅:2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
開始温度:−100℃
終了温度:100℃
昇温速度:3℃/min
測定温度:70℃
粘弾性スペクトロメーターによる測定に供される試験片は板状であり、その長さは45mmであり、幅は4mmであり、厚みは2mmである。この試験片の両端部がチャックされて、測定がなされる。試験片の変位部分の長さは、30mmである。この試験片は、エイペックス20から切り出される。切り出しが困難な場合は、エイペックス20のゴム組成物と同一のゴム組成物からなるスラブから試験片が打ち抜かれる。温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、スラブが得られる。
図1において、両矢印H1で示されているのはタイヤ2の高さであり、両矢印H2で示されているのはエイペックス20の上端32の高さである。横剛性の観点から、高さH1に対する高さH2の比率は40%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、高さH1に対する高さH2の比率は70%以下が好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部位の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
このタイヤ2では、巻き上げ部26が長いこと、引張応力Miが大きなインスレーション14の存在並びにエイペックス20の引張応力Ma及び動的貯蔵弾性率E’が大きいことにより、大きな横剛性が達成される。このタイヤ2は、操縦性に優れる。
図2は、本発明の他の実施形態に係るレーシングカート用タイヤ34の一部が示された断面図である。このタイヤ34の外径は、350mm以下、特には300mm以下である。このタイヤ34は、図1に示されたタイヤ2と同様、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10及びインナーライナー12を備えている。このタイヤ34は、空気入りチューブレスタイヤである。
カーカス10は、カーカスプライ22からなる。カーカスプライ22は、本体24と、一対の巻き上げ部26とからなる。本体24は、トレッド4、サイドウォール6及びビード8の内面に沿うように、両側のビード8の間に架け渡されている。巻き上げ部26は、本体24に連続しており、ビード8のコア18の周りを軸方向内側から外側に向かって巻き上げられている。巻き上げ部26の端30は、トレッド4の中央近傍まで至っている。
図示されていないが、カーカスプライ22は、並列する多数のコードと、トッピングゴムとから構成されている。コードは、トッピングゴムに埋設されている。コードは、赤道面CLに対して傾斜している。傾斜の角度(絶対値)は、25°以上38°以下である。本体24におけるコードの傾斜方向は、巻き上げ部26におけるコードの傾斜方向とは逆である。コードは、好ましくは、有機繊維からなる。有機繊維の具体例としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維及び芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。
このタイヤ34は、カーカスプライ22を1枚のみ備えているので、その構造は簡便である。このタイヤ34では、軽量化が達成されうる。このタイヤ34では、巻き上げ部26の端30がトレッド4の中央近傍まで至っているので、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、適正なプロファイルが得られる。
図1において両矢印Lで示されているのは、一方の巻き上げ部26の端30と他方の巻き上げ部26の端30との距離である。距離Lは50mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましく、15mm以下が特に好ましい。理想的には、距離Lはゼロである。
このタイヤ34はさらに、一対の第一インスレーション36及び1つの第二インスレーション38を備えている。第一インスレーション36と第二インスレーション38とは、点Pにおいて連続している。第一インスレーション36は、一方のコア18の軸方向内側から点Pにまで至っている。コア18の軸方向内側からエイペックス20の上端32までの領域において、第一インスレーション36は、ビード8と本体24とに挟まれている。エイペックス20の上端32から点Pでの領域において、第一インスレーション36は、本体24と巻き上げ部26とに挟まれてる。換言すれば、第一インスレーション36は、サイドウォールの近傍に位置する。点Pから巻き上げ部26の端30までの領域において、第二インスレーション38は、本体24と巻き上げ部26とに挟まれている。第二インスレーション38は、トレッドの近傍に位置する。
第一インスレーション36は、ゴムとこのゴムに分散した短繊維とを含む。短繊維は、半径方向に配向している。この第一インスレーション36により、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、大きな横剛性が達成される。横剛性の観点から、第一インスレーション36における短繊維含有率は2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、含有率は15質量%以下が好ましい。好ましい短繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、コットン繊維、セルロース樹脂繊維、結晶性ポリブタジエン繊維等の有機繊維及び金属繊維、ウィスカ、ボロン繊維、ガラス繊維等の無機繊維が挙げられる。短繊維の好ましい長さは、0.01mm以上5mm以下である。短繊維の好ましいアスペクト比は、50以上500以下である。
第一インスレーション36のゴムの100%伸張時の引張応力Miは、カーカスプライ22のトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上である。換言すれば、第一インスレーション36は高弾性である。この第一インスレーション36により、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、十分な横剛性が達成される。横剛性の観点から、引張応力Miは引張応力Mcの200%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、引張応力Miは引張応力Mcの300%以下が好ましい。引張応力Miは、6MPa以上9MPa以下が好ましい。
横剛性の観点から、第一インスレーション36の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上が特に好ましい。路面追従性の観点から、第一インスレーション36の厚みは1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下が特に好ましい。
横剛性の観点から、本体24の外周面の15%以上、特には30%以上が、第一インスレーション36に覆われることが好ましい。
第二インスレーション38は、ゴムとこのゴムに分散した短繊維とを含む。第一インスレーション36の短繊維と同様の短繊維が、第二インスレーション38に用いられうる。短繊維は、周方向に配向している。この第二インスレーション38により、トラクションが高められる。トラクションの観点から、第二インスレーション38における短繊維含有率は2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、含有率は15質量%以下が好ましい。
第二インスレーション38のゴムの100%伸張時の引張応力Miは、カーカスプライ22のトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上である。換言すれば、第二インスレーション38は高弾性である。この第二インスレーション38により、カーカスプライ22の枚数が1枚であるにもかかわらず、十分なトラクションが得られる。トラクションの観点から、引張応力Miは引張応力Mcの200%以上がより好ましい。路面追従性の観点から、引張応力Miは引張応力Mcの300%以下が好ましい。引張応力Miは、3MPa以上12MPa以下が好ましい。
トラクションの観点から、第二インスレーション38の厚みは0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上が特に好ましい。路面追従性の観点から、第二インスレーション38の厚みは1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下が特に好ましい。
トラクションの観点から、本体24の外周面の25%以上、特には40%以上が、第二インスレーション38に覆われることが好ましい。
このタイヤ34では、巻き上げ部26が長いこと及び短繊維が配合された第一インスレーション36の存在により、大きな横剛性が達成される。このタイヤ34は、操縦性に優れる。
第一インスレーション36における短繊維の配向方向と第二インスレーション38における短繊維の配向方向とが同一であってもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1から4]
下記表1に示される仕様を備えたレーシングカート用タイヤを製作した。このタイヤのサイズは、「11×7.10−5」である。このタイヤでは、外径は280mmであり、接地幅は160mmである。
[比較例]
比較例として、市販のレーシングカート用タイヤを用意した。このタイヤのサイズは、「11×7.10−5」である。このタイヤは、2枚のカーカスプライを備えている。カーカスプライは、赤道面に対する角度が30°であるカーカスコードを備えている。巻き上げ部の端は、サイドウォール近傍に位置している。このタイヤは、インスレーションを備えていない。
[走行試験]
タイヤに「8.0×5」のリムを組み込み、タイヤの内圧を80kPaとした。このリムをレーシングカートに後輪として装着し、全長が716mであるカートコースを10周した。このときの3周目及び6周目のラップタイムを測定した。この結果が、下記の表1に示されている。
Figure 0004550553
表1に示されるように、実施例のタイヤでは、ラップタイムが短い。これは、旋回時の横力に対抗するに十分な横剛性が達成されているからである。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、レーシングカートの後輪用タイヤのみならず、前輪用タイヤにも適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーシングカート用タイヤの一部が示された断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係るレーシングカート用タイヤの一部が示された断面図である。
符号の説明
2、34・・・レーシングカート用タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
16・・・コア
18・・・エイペックス
22・・・カーカスプライ
24・・・本体
26・・・巻き上げ部
36・・・第一インスレーション
38・・・第二インスレーション

Claims (7)

  1. その外面がトレッド面を形成するトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びておりコア及びエイペックスを備えた一対のビードと、1枚のカーカスプライからなるカーカスとを備えており、
    このカーカスプライは、赤道面に対する角度が25°以上38°以下である多数のカーカスコードとトッピングゴムとを備えており、
    このカーカスプライは、本体と、この本体に連続しておりビードのコアの周りを軸方向内側から外側に向かって巻き上げられることで形成された一対の巻き上げ部とを備えており、
    一方の巻き上げ部の端と他方の巻き上げ部の端との距離が50mm以下であり、
    本体の外周面に沿って位置しており厚みが0.2mm以上1.0mm以下であるインスレーションをさらに備えており、
    このインスレーションのゴムの100%伸張時の引張応力Miが、カーカスプライのトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上300%以下であり、
    エイペックスのゴムの100%伸張時の引張応力Maが10MPa以上であるレーシングカート用の空気入りタイヤ。
  2. 上記エイペックスのゴムの、温度が70℃であり周波数が10Hzであり振幅が2%である条件下で測定された動的貯蔵弾性率E’が100MPa以上である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記エイペックスの上端の高さがタイヤの高さの40%以上70%以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. その外面がトレッド面を形成するトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びておりコア及びエイペックスを備えた一対のビードと、1枚のカーカスプライからなるカーカスとを備えており、
    このカーカスプライは、赤道面に対する角度が25°以上38°以下である多数のカーカスコードとトッピングゴムとを備えており、
    このカーカスプライは、本体と、この本体に連続しておりビードのコアの周りを軸方向内側から外側に向かって巻き上げられることで形成された一対の巻き上げ部とを備えており、
    一方の巻き上げ部の端と他方の巻き上げ部の端との距離が50mm以下であり、
    本体の外周面に沿って位置しており厚みが0.2mm以上1.0mm以下であるインスレーションをさらに備えており、
    このインスレーションがゴムとこのゴムに分散した短繊維とを含んでいるレーシングカート用の空気入りタイヤ。
  5. 上記インスレーションのゴムの100%伸張時の引張応力Miが、カーカスプライのトッピングゴムの100%伸張時の引張応力Mcの150%以上300%以下である請求項4に記載のタイヤ。
  6. 上記インスレーションの短繊維含有率が2質量%以上15質量%以下である請求項4又は5に記載のタイヤ。
  7. 上記サイドウォール近傍の短繊維の配向方向が半径方向であり、トレッド近傍の短繊維の配向方向が周方向である請求項4から6のいずれかに記載のタイヤ。
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