JP6401965B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、二輪自動車のための空気入りタイヤに関する。
二輪自動車は、その車体を傾斜して旋回する。旋回容易の観点から、二輪自動車用タイヤのトレッドは小さな曲率半径を有する。
このタイヤでは、直進走行時、トレッドの赤道面の部分(センター部)が接地する。旋回走行においては、このセンター部よりも軸方向外側の部分が接地する。レースにおいてライダーは、たびたび二輪自動車を極限まで傾斜させて旋回させる。この状態は、「フルバンク」と称されている。このフルバンクにおいては、トレッドの端の部分(ショルダー部)が接地する。
サーキットのストレートでは、ライダーは二輪自動車を高速で走行させる。この二輪自動車をコーナーに進入させるとき、ライダーはこのコーナーの手前でこの二輪自動車を減速させる。レースでは、ライダーは、二輪自動車に制動をかけるタイミングを可能な限り遅らせ、減速のための区間を短くする。コーナーの直前で二輪自動車は急減速させられるので、特にフロントタイヤには過大な荷重が作用する。
コーナーに進入すると、ライダーは車体を傾ける。この傾斜角度(バンク角とも称される。)の増加に伴い、制動時にタイヤに作用した荷重は減少していく。しかしこのバンク角の増加に伴い、タイヤのサイドウォールの部分(サイド部とも称される。)に作用する荷重は増大していく。
大きな荷重が作用するタイヤには、ある程度の剛性が必要である。剛性が不足すると、車体を支持することができないからである。剛性確保の観点から、様々な検討がなされている。この検討の例が、特開2008−110637公報及び特開2008−155658公報に開示されている。
特開2008−110637公報 特開2008−155658公報
剛性の確保の観点から、カーカスを構成するカーカスプライの枚数を増やすことがある。このカーカスを有するタイヤは、急減速時の過大な荷重に十分に耐えうる。しかしこのカーカスは、サイド部に過大な剛性を招来する。このため、バンク角の付与によりサイド部に作用する荷重が増大しても、このサイド部の撓みは小さい。このタイヤは、吸収性及び旋回性に劣る。
前述された、特開2008−110637公報では、タイヤのサイド部にストリップが設けられている。このストリップは、サイド部に過大な剛性を招来することがある。サイド部が過大な剛性を有すると、タイヤの吸収性及び旋回性が低下する恐れがある。
さらにこのタイヤでは、ストリップの半径方向内側端は、トレッドの端からこの内側端までの半径方向高さの、このトレッドの端からビードベースラインまでの半径方向高さに対する比が1/2以下となるように配置される。このため、このタイヤに大きな荷重が作用した場合に、この内側端が屈曲の起点になることがある。この場合、バンク角の付与によりサイド部に作用する荷重が増大しても、タイヤはサイド部の撓みを十分に確保できない。このタイヤは、吸収性及び旋回性に劣る。
前述された、特開2008−155658公報では、タイヤのサイド部にサイド補強ゴム層が設けられている。このサイド補強ゴム層は、サイド部に過大な剛性を招来することがある。サイド部が過大な剛性を有すると、タイヤの吸収性及び旋回性が低下する恐れがある。
通常カーカスプライは、ビードの周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。これにより、カーカスプライには折返し部が形成される。この折返し部の端が、特開2008−155658公報に記載のタイヤのように、半径方向においてトレッドの端とリムフランジ上端との間に設けられることがある。この折返し部の端は、バンク角の付与によりサイド部に作用する荷重が増大した場合に、屈曲の起点になりやすい。屈曲点の存在は、サイド部の撓みに影響する。撓みを十分に確保できないタイヤでは、良好な吸収性及び旋回性は得られない。
車体の支持のために、タイヤはある程度の剛性を必要とする。この剛性はタイヤの撓みに影響する。タイヤは多数の部材を組み合わせて構成されているため、この構成もタイヤの撓みに影響する。旋回性及び吸収性の観点から、荷重の変化に対して撓みが略一様に変化していくタイヤが求められている。
本発明の目的は、旋回性及び吸収性に優れた空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、インナーライナー及び一対のインスレーションを備えている。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドから半径方向略内向きに延びている。それぞれのビードは、上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。上記インナーライナーは、上記カーカスの内側において、一方のビードの側から他方のビードの側に向かって延在している。それぞれのインスレーションは、軸方向において離間して配置されており、上記サイドウォールの軸方向内側において上記インナーライナーの内面と接合されている。上記トレッドには、路面と接触するトレッド面が形成されている。上記ビードは、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えている。上記カーカスは、第一プライを備えている。この第一プライは、上記コアの周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、この第一プライには、第一主部と第一折返し部とが形成されている。上記インスレーションは架橋ゴムからなる。このタイヤをリムに組み込み、正規内圧となるようにこのタイヤに空気を充填して得られる、このタイヤとこのリムとの接触面の半径方向外側縁に対応する、このタイヤの外面上の位置が第一基準位置とされ、この第一基準位置から半径方向外側に5mm離れた、このタイヤの外面上の位置が第二基準位置とされたとき、上記第一折返し部の端の位置は上記第二基準位置と半径方向において一致している、又は、この第一折返し部の端はこの第二基準位置よりも半径方向内側に位置している。上記インスレーションの内端の位置は上記第一基準位置と半径方向において一致している、又は、このインスレーションの内端はこの第一基準位置よりも半径方向内側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記インスレーションの外端の位置は上記トレッド面の端の位置と半径方向において一致している、又は、このインスレーションの外端はこのトレッド面の端よりも半径方向外側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記インナーライナーの厚さに対する、上記インスレーションの厚さの比は、0.5以上1.5以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記インスレーションの複素弾性率は3.0MPa以上10MPa以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記カーカスは第二プライをさらに備えている。上記第二プライは、上記第一プライの外側に位置している。この第二プライは、上記コアの周りにて、軸方向外側から内側に向かって折り返されている。この折り返しにより、この第二プライには、第二主部と第二折返し部とが形成されている。半径方向において、上記第二折返し部の端は上記第一折返し部の端と上記コアとの間に位置している。
本発明に係る空気入りタイヤでは、インスレーションはサイドウォールの軸方向内側においてインナーライナーの内面に接合されている。このインスレーションは、架橋ゴムからなるので、圧縮方向の変形を抑えつつ、この変形に伴うエネルギーを散逸させる。このタイヤでは、インスレーションは、タイヤが撓んだ時に最も圧縮させられる位置に配置されている。このインスレーションは、圧縮方向の変形の抑制と、この変形に伴うエネルギーの散逸とに、有効に機能する。しかもこのタイヤでは、インスレーションの内端及び第一折返し部の端が、屈曲の起点とならないよう、適切な位置に配置されている。このタイヤでは、荷重の変化に対して略一様に変化していく撓み、すなわち、リニアな撓みが達成される。このタイヤは、旋回性及び吸収性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの使用状態(直進走行)が示された断面図である。 図3は、図1のタイヤの使用状態(旋回走行)が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。この図1には、このタイヤ2の周方向に対して垂直な断面が示されている。
このタイヤ2は、リムRに組み込まれている。このリムRは、正規リムである。このタイヤ2には、空気が充填されている。このタイヤ2の内圧は、正規内圧である。本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
リムRに組み込まれたタイヤ2では、その一部がリムRと接触している。図1における符号P1は、タイヤ2の外面上にある、特定の位置を表している。この位置P1は、このタイヤ2とこのリムRとの接触面の半径方向外側縁に対応している。この接触面は、タイヤ2をリムRに組み込み、正規内圧となるようにこのタイヤ2に空気を充填して得られる。本願においては、この位置P1は第一基準位置と称される。
この図1において、実線BBLはビードベースラインである。ビードベースラインは、このタイヤ2が装着されるリムRのリム径(JATMA参照)を規定する線である。このビードベースラインは、軸方向に延びる。両矢印D1は、このビードベースラインから第一基準位置P1までの半径方向高さを表している。この高さD1は通常、15〜25mmの範囲にある。
図1における符号P2は、タイヤ2の外面上にある、前述された第一基準位置P1とは別の、特定の位置を表している。この位置P2は、第一基準位置P1から半径方向外側に5mm離れた、タイヤ2の外面上の位置である。本願においては、この位置P2は第二基準位置と称される。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14及び一対のインスレーション16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。詳細には、このタイヤ2は、レース用の二輪自動車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接触するトレッド面18を形成する。このトレッド4には、溝は刻まれていない。このトレッド4に溝が刻まれて、トレッドパターンが形成されてもよい。トレッド4は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。図1において、符号PTはトレッド面18の端を表している。
図1から明らかなように、トレッド面18のプロファイルは略円弧状を呈している。前述したように、このタイヤ2は二輪自動車に装着される。旋回容易の観点から、このトレッド面18のプロファイルを表す円弧は小さな曲率半径を有する。このため、このタイヤ2では、直進走行においては、トレッド4の赤道面の部分(以下、センター部C)が路面と接触する。旋回走行においては、このセンター部Cよりも軸方向外側の部分(以下、ミドル部M)が路面と接触する。フルバンクにおいては、トレッド面18の端PTの部分(以下、ショルダー部Sh)が路面と接触する。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、カーカス10の軸方向外側に位置している。このサイドウォール6は、カーカス10の損傷を防止する。
それぞれのビード8は、サイドウォール6よりも半径方向内側に位置している。ビード8は、コア20と、このコア20から半径方向外向きに延びるエイペックス22とを備えている。コア20はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス22は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス22は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、2枚のプライ24からなる。2枚のプライ24は、両側のビード8の間に架け渡されている。2枚のプライ24は、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。2枚のプライ24のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス10が、1枚のプライ24から形成されてもよい。このカーカス10が3枚以上のプライ24で構成されてもよい。質量及び剛性の観点から、このカーカス10は2枚のプライ24で構成されるのが好ましい。
カーカス10をなす2枚のプライ24のうち、内側に位置するプライ24は、第一プライ26と称される。外側に位置するプライ24は、第二プライ28と称される。第二プライ28は、第一プライ26の外側に位置している。
第一プライ26は、コア20の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第一プライ26には、第一主部30と第一折返し部32とが形成されている。第一折返し部32の端32aは、半径方向において、第一基準位置P1の近くに位置している。
第二プライ28は、コア20の周りにて、軸方向外側から内側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第二プライ28には、第二主部34と第二折返し部36とが形成されている。第二折返し部36の端36aは、第一折返し部32の端32aよりも半径方向内側に位置している。第二折返し部36の端36aは、コア20よりも半径方向外側に位置している。半径方向において、第二折返し部36の端36aは第一折返し部32の端32aとコア20との間に位置している。
このタイヤ2では、第二主部34は第一主部30の外側に位置している。この第二主部34は、第一折返し部32よりも軸方向外側に位置している。この第二主部34は、第一折返し部32の端32aを覆っている。このようなカーカス10の構造は、「1−1」構造として表される。この「1−1」構造のカーカス10における第二プライ28は、フローティングプライとも称される。前述したように、第二プライ28は、コア20の周りにて、軸方向外側から内側に向かって折り返されている。第二折返し部36は、第一主部30よりも軸方向内側に位置している。
このタイヤ2では、第二主部34が第一折返し部32よりも軸方向内側に位置するように、このカーカス10が構成されてもよい。このカーカス10の構成では、第二プライ28はコア20の周りにて折り返されてもよいし、折り返されなくてもよい。第二プライ28が折り返されない場合は、この第二プライ28には第二折返し部36は形成されない。このカーカス10の構造は「1+1」構造として表される。2枚のプライ24がコア20の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返されることにより、このカーカス10が構成されてもよい。このカーカス10の構造は「2−0」構造として表される。
タイヤ2のサイドウォール6の部分(以下、サイド部S)では、カーカス10は軸方向外向きに凸な形状を呈している。このため、タイヤ2が撓むと、このサイド部Sの内面側には圧縮方向の力が作用し、その外面側には引張方向の力が作用する。このタイヤ2では、カーカス10の第二プライ28はフローティングプライであるため、この第二プライ28の第二主部34は外面に近い位置に配置される。そしてこのタイヤ2のカーカス10はラジアル構造を有しているので、第二主部34に含まれるコードは前述の引張方向に概ね延在している。タイヤ2が撓むと、第二主部34のコードには、十分なテンションが掛けられる。しかもこのタイヤ2では、第二プライ28(フローティングプライ)はコア20の周りにて折り返されているので、この第二主部34のコードにはさらに十分なテンションが掛けられる。このカーカス10は、タイヤ2を十分に補強する。このタイヤ2は、コーナー直前での急減速による過大な荷重に十分に耐えうる。このタイヤ2は、制動性能に優れる。
図1に示された「1−1」構造のカーカス10においては、「1+1」構造のカーカス10及び「2−0」構造のカーカス10に比べて、サイド部Sの外面により近い位置に、第二プライ28が配置される。「1−1」構造における第二プライ28は、カーカス10の剛性に効果的に寄与する。この観点から、このタイヤ2では、「1−1」構造のカーカス10を採用するのが好ましい。
ベルト12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側層38、中間層40及び外側層42からなる。図1から明らかなように、内側層38の幅は中間層40の幅よりも若干大きい。中間層40の幅は、外側層42の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層38、中間層40及び外側層42のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層38のコードの赤道面に対する傾斜方向は、中間層40のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。中間層40のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層42のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト12の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。
このタイヤ2では、3層構造のベルト12が採用されている。このベルト12は、路面と接触するトレッド4の部分を十分に補強する。このタイヤ2は、コーナー直前での急減速による過大な荷重に十分に耐えうる。このタイヤ2は、制動性能に優れる。
インナーライナー14は、カーカス10の内側に位置している。インナーライナー14は、カーカス10の内面に接合されている。インナーライナー14は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー14の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する。
図1に示された断面において、インナーライナー14は、カーカス10の内側に沿って、一方のビード8の側から他方のビード8の側に向かって延在している。このタイヤ2では、インナーライナー14はカーカス10の内面全体を覆っている。特異な剛性を有する部分の形成を防止するとの観点から、このインナーライナー14は、一方のビード8の側から他方のビード8の側までのゾーンにおいて、一様な厚みを有しているのが好ましい。
それぞれのインスレーション16は、軸方向において離間して配置されている。インスレーション16は、サイドウォール6の軸方向内側において、インナーライナー14の内面に接合されている。このタイヤ2では、インスレーション16の内端44は第一基準位置P1の近くに位置している。このインスレーション16の外端46は、トレッド面18の端PTの近くに位置している。特異な剛性を有する部分の形成を防止するとの観点から、このインスレーション16は、全体として、一様な厚みを有しているのが好ましい。剛性の段差の形成が防止されるとの観点から、インスレーション16の内端44の部分が半径方向略内向きに先細りとされてもよい。このインスレーション16の外端46の部分が半径方向略外向きに先細りとされてもよい。
このタイヤ2では、インスレーション16はゴム組成物を架橋することによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。ジエン系ゴムの具体例としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)及びポリクロロプレン(CR)が挙げられる。ジエン系ゴムには、共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル系モノマーとの共重合体が含まれる。この共重合体の具体例としては、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体(S−SBR)及び乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体(E−SBR)が挙げられる。
インスレーション16のゴム組成物は、軟化剤を含むことができる。好ましい軟化剤として、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等のプロセスオイル及びひまし油、綿実油、あまに油、なたね油等の植物油脂が挙げられる。インスレーション16の軟質の観点から、軟化剤の量は基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましい。インスレーション16の強度の観点から、軟化剤の量は40質量部以下が好ましい。
インスレーション16のゴム組成物は、カーボンブラックを補強剤として含むことができる。このカーボンブラックとしては、例えば、FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等のファーネスブラックが用いられうる。
カーボンブラックは、インスレーション16の強度に寄与する。この観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して30質量部以上が好ましく、35質量部以上がより好ましく、40質量部以上が特に好ましい。加工性の観点から、この量は100質量部以下が好ましい。
インスレーション16のゴム組成物は、前述された、基材ゴム、軟化剤及び補強剤以外に、通常ゴム工業で使用される、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、硫黄、加硫促進剤等の薬品を適宜含むことができる。
図2には、二輪自動車が直進走行している場合の、タイヤ2の使用状態が示されている。前述したように、直進時においては、センター部Cが路面48と接触する。
直進時においては、荷重の作用により、センター部Cの内面側は矢印Aで示された方向に引っ張られる。このタイヤ2のサイド部Sにおいては、その内面側が矢印Bで示された方向に圧縮される。
このタイヤ2では、一対のインスレーション16は軸方向に離間して配置されている。センター部Cにおいては、インスレーション16は設けられていない。このタイヤ2では、センター部Cの内面に近い位置に、カーカス10が位置している。そしてこのカーカス10を補強するように、ベルト12が位置している。このタイヤ2では、直進時においては、カーカス10及びベルト12がセンター部Cを効果的に補強する。接地面が十分に確保されるので、このタイヤ2はトラクション性能に優れる。
このタイヤ2では、そのサイド部Sの内面側にインスレーション16が設けられている。インスレーション16は、架橋ゴムからなるので、圧縮方向の変形を抑えつつ、この変形に伴うエネルギーを散逸させる。このインスレーション16は、タイヤ2が撓んだ時に最も圧縮させられる位置に配置されている。このインスレーション16は、圧縮方向の変形の抑制と、この変形に伴うエネルギーの散逸とに、有効に機能する。このタイヤ2では、荷重の変化に対して略一様に変化していく撓み、すなわち、リニアな撓みが達成される。このタイヤ2は、吸収性に優れる。
図3には、二輪自動車が旋回走行している場合の、タイヤ2の使用状態が示されている。前述したように、旋回時においては、主に、ミドル部Mが路面48と接触する。
旋回時においては、荷重の作用により、ミドル部Mの内面側は矢印Cで示された方向に引っ張られる。路面48に近い、このタイヤ2のサイド部Sにおいては、その内面側が矢印Dで示された方向に圧縮される。
このタイヤ2では、ミドル部Mにもインスレーション16は設けられていない。このタイヤ2では、ミドル部Mの内面側に近い位置に、カーカス10が位置している。そしてこのカーカス10を補強するように、ベルト12が位置している。このタイヤ2では、旋回時においても、カーカス10及びベルト12がミドル部Mを効果的に補強する。接地面が十分に確保されるので、このタイヤ2はトラクション性能に優れる。
前述したように、このタイヤ2では、そのサイド部Sの内面側にインスレーション16が設けられている。インスレーション16は、架橋ゴムからなるので、圧縮方向の変形を抑えつつ、この変形に伴うエネルギーを散逸させる。このインスレーション16は、旋回時においても、最も圧縮させられる位置に配置されている。このインスレーション16は、圧縮方向の変形の抑制と、この変形に伴うエネルギーの散逸とに、有効に機能する。このタイヤ2では、旋回時においても、リニアな撓みが達成される。このタイヤ2は、旋回性及び吸収性に優れる。
図1に示されているように、このタイヤ2では、インスレーション16の内端44はこの第一基準位置P1よりも半径方向内側に位置している。このタイヤ2では、インスレーション16の内端44の位置は、第一基準位置P1と半径方向に一致していてもよい。つまり、このタイヤ2では、インスレーション16の内端44の位置は、第一基準位置P1と半径方向に一致している、又は、このインスレーション16の内端44はこの第一基準位置P1よりも半径方向内側に位置している。このタイヤ2では、インスレーション16の内端44に歪みは集中しにくい。このタイヤ2では、インスレーション16の内端44が、屈曲の起点とならないよう、適切な位置に配置されている。このインスレーション16の内端44の配置は、リニアな撓みに寄与する。このタイヤ2は、旋回性及び吸収性に優れる。
このタイヤ2では、インスレーション16の外端46の位置は、トレッド面18の端PTと半径方向に一致している、又は、このインスレーション16の外端46はこのトレッド面18の端PTよりも半径方向外側に位置しているのが好ましい。これにより、インスレーション16の外端46への歪みの集中が防止される。このタイヤ2では、インスレーション16の外端46は屈曲の起点となりにくい。このインスレーション16の外端46の配置は、リニアな撓みに寄与する。このタイヤ2では、旋回性及び吸収性の一層の向上を図ることができる。
このタイヤ2では、第一折返し部32の端32aの位置は、第二基準位置P2と半径方向に一致している、又は、この第一折返し部32の端32aはこの第二基準位置P2よりも半径方向内側に位置している。このタイヤ2では、第一折返し部32の端32aに歪みは集中しにくい。このタイヤ2では、第一折返し部32の端32aが、屈曲の起点とならないよう、適切な位置に配置されている。この第一折返し部32の端32aの配置は、リニアな撓みに寄与する。このタイヤ2は、旋回性及び吸収性に優れる。
前述したように、このタイヤ2では、第二折返し部36の端36aは第一折返し部32の端32aよりも半径方向内側に位置している。このため、この第二折返し部36の端36aに歪みは集中しにくい。このタイヤ2では、第二折返し部36の端36aが、屈曲の起点とならないよう、適切な位置に配置されている。この第二折返し部36の端36aの配置は、リニアな撓みに寄与する。このタイヤ2は、旋回性及び吸収性に優れる。
このように、このタイヤ2では、サイド部Sの内面に設けられたインスレーション16は、圧縮方向の変形を抑えつつ、この変形に伴うエネルギーを散逸させる。このインスレーション16は、直進時及び旋回時において、タイヤ2が撓んだ時に最も圧縮させられる位置に配置されている。このインスレーション16は、圧縮方向の変形の抑制と、この変形に伴うエネルギーの散逸とに、有効に機能する。しかもこのタイヤ2では、インスレーション16の内端44及び外端46、並びに、第一折返し部32の端32a及び第二折返し部36の端36aが、屈曲の起点とならないよう、適切な位置に配置されている。このタイヤ2では、リニアな撓みが達成される。このタイヤ2は、旋回性及び吸収性に優れる。前述したように、このタイヤ2は制動性能に優れる。本発明によれば、旋回性及び吸収性を損なうことなく、制動性能の向上が達成される。
そしてこのタイヤ2では、サイド部Sの外面により近い位置に、第二プライ34(フローティングプライ)の第二主部34が設けられている。タイヤ2が撓むと、このサイド部Sの外面側には、引張方向に力が作用する。このサイド部Sでは、第二主部34のコードは概ね半径方向に延在しているので、この第二主部34は引張方向の変形を効果的に抑えうる。このタイヤ2では、サイド部Sの内面側においては、インスレーション16が圧縮方向の変形を抑えつつ、この変形に伴うエネルギーを散逸させるとともに、その外面側においては、第二主部34が引張方向の変形を効果的に抑える。このインスレーション16及び第二主部16の相乗作用は、リニアな撓みの達成に寄与する。これにより、このタイヤ2では、旋回性及び吸収性の一層の向上が果たされている。
このタイヤ2では、インスレーション16の複素弾性率E*は3.0MPa以上10MPa以下が好ましい。この複素弾性率E*が3.0MPa以上に設定されることにより、インスレーション16がタイヤ2の剛性に寄与する。圧縮方向の変形が効果的に抑制されるので、このタイヤ2は制動性能及び旋回性に優れる。この観点から、この複素弾性率E*は3.5MPa以上がより好ましい。この複素弾性率E*が10MPa以下に設定されることにより、タイヤ2の剛性が適切に維持される。変形に伴うエネルギーが効果的に散逸されるので、このタイヤ2は吸収性に優れる。
本発明では、インスレーション16の複素弾性率E*は、「JIS K 6394」の規定に準拠して、下記の測定条件により、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製の商品名「VESF−3」)を用いて計測される。この計測では、インスレーション16のゴム組成物から板状の試験片(長さ=45mm、幅=4mm、厚み=2mm)が形成される。この試験片が、計測に用いられる。なお、後述するインスレーション16の損失正接(tanδ)も、同様にして得られる。
初期歪み:10%
振幅:±2.0%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
このタイヤ2では、インスレーション16の損失正接は0.15以上0.30以下が好ましい。この損失正接が0.15以上に設定されることにより、インスレーション16が変形に伴うエネルギーを効果的に散逸させる。このタイヤ2は、吸収性に優れる。この観点から、この損失正接は0.18以上がより好ましい。この損失正接が0.30以下に設定されることにより、インスレーション16における発熱が効果的に抑制される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この損失正接は0.25以下がより好ましい。
図1において、両矢印DAは第一基準位置P1から第一折返し部32の端32aまでの半径方向距離を表している。本発明では、第一折返し部32の端32aが第一基準位置P1よりも半径方向外側に位置する場合、この距離DAは正の数で表される。第一折返し部32の端32aが第一基準位置P1よりも半径方向内側に位置する場合、この距離DAは負の数で表される。この距離DAが0mmである場合は、半径方向において、第一折返し部32の端32aの位置は第一基準位置P1と一致していることを表す。
前述したように、このタイヤ2では、第一折返し部32の端32aが屈曲の起点となりにくいとの観点から、第一折返し部32の端32aの位置は、第二基準位置P2と半径方向に一致している、又は、この第一折返し部32の端32aはこの第二基準位置P2よりも半径方向内側に位置している。したがって、距離DAは5mm以下である。このタイヤ2では、第一折返し部32の端32aが第二基準位置P2よりも半径方向外側に位置していなければよいので、この距離DAの好ましい下限値は設定されない。ただし、第一主部30が半径方向外向きに押し上げられた際にこの第一折返し部32が半径方向内向きにずれることを防止するために、この第一折返し部32の端32aはビード8のコア20よりも半径方向外側に位置しているのが好ましい。これにより、高品質なタイヤ2が安定に生産されるとともに、カーカス10に含まれるコードに十分なテンションが掛けられる。この観点から、第二折返し部36の端36aも、このコア20よりも半径方向外側に位置しているのが好ましい。
図1において、両矢印DBは第一基準位置P1からインスレーション16の内端44までの半径方向距離を表している。本発明では、インスレーション16の内端44が第一基準位置P1よりも半径方向外側に位置する場合、この距離DBは正の数で表される。インスレーション16の内端44が第一基準位置P1よりも半径方向内側に位置する場合、この距離DBは負の数で表される。この距離DBが0mmである場合は、半径方向において、インスレーション16の内端44の位置は第一基準位置P1と一致していることを表す。
前述したように、このタイヤ2では、インスレーション16の内端44が屈曲の起点となりにくいとの観点から、インスレーション16の内端44の位置は、第一基準位置P1と半径方向に一致している、又は、このインスレーション16の内端44はこの第一基準位置P1よりも半径方向内側に位置している。したがって、距離DBは0mm以下である。
このタイヤ2では、距離DBは、インスレーション16のボリュームに影響する。大きなボリュームを有するインスレーション16は、タイヤ2の質量に影響し、軽快性が低下する恐れがある。この場合、旋回性及び吸収性が損なわれることが懸念される。軽快性、旋回性及び吸収性が適切に維持されるとの観点から、この距離DBは−10mm以上が好ましい。
図1において、両矢印DCはトレッド面18の端PTからインスレーション16の外端46までの半径方向距離を表している。本発明では、インスレーション16の外端46がトレッド面18の端PTよりも半径方向外側に位置する場合、この距離DCは正の数で表される。インスレーション16の外端46がトレッド面18の端PTよりも半径方向内側に位置する場合、この距離DCは負の数で表される。この距離DCが0mmである場合は、半径方向において、インスレーション16の外端46の位置はトレッド面18の端PTと一致していることを表す。
前述したように、このタイヤ2では、インスレーション16の外端46が屈曲の起点となりにくいとの観点から、インスレーション16の外端46の位置は、トレッド面18の端PTと半径方向に一致している、又は、このインスレーション16の外端46はこのトレッド面18の端PTよりも半径方向外側に位置しているのが好ましい。したがって、距離DCは0mm以上である。
このタイヤ2では、距離DCは、インスレーション16のボリュームに影響する。大きなボリュームを有するインスレーション16は、タイヤ2の質量に影響し、軽快性が低下する恐れがある。この場合、旋回性及び吸収性が損なわれることが懸念される。軽快性、旋回性及び吸収性が適切に維持されるとの観点から、この距離DCは10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。
図1において、両矢印TEはインナーライナー14の厚さを表している。この厚さTEは、赤道面に沿って計測される。符号PWは、カーカス10の軸方向幅が最大となる位置を表している。実線LWは、この位置PWを通り軸方向に延びる直線である。両矢印TWは、インスレーション16の厚さを表している。この厚さTWは、直線LWに沿って計測される。この厚さTWは、カーカス10の最大幅におけるインスレーション16の厚さである。
このタイヤ2では、厚さTWの厚さTEに対する比(TW/TE)は0.5以上1.5以下が好ましい。この比が0.5以上に設定されることにより、インスレーション16がタイヤ2の剛性に寄与するとともに、このインスレーション16により変形に伴うエネルギーが効果的に散逸される。このタイヤ2は、旋回性及び吸収性に優れる。この比が1.5以下に設定されることにより、インスレーション16による剛性への影響が効果的に防止される。このタイヤ2では、良好な吸収性が適切に維持される。この観点から、この比は1.3以下がより好ましい。
このタイヤ2では、厚さTEは0.5mm以上1.0mm以下が好ましい。この厚さTEが0.5mm以上に設定されることにより、インナーライナー14がタイヤ2の内圧を効果的に保持する。この観点から、この厚さTEは0.6mm以上がより好ましい。この厚さTEが1.0mm以下に設定されることにより、インナーライナー14による剛性への影響が効果的に抑制される。このタイヤ2では、インスレーション16が旋回性及び吸収性の向上に有効に作用する。この観点から、この厚さTEは0.8mm以下がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、125/80R420である。この実施例1では、「1−1」構造のカーカスが採用された。この実施例1では、第二プライ(フローティングプライ)がコアの周りにて折り返されている。このことが、表の「FP折り返し」の欄に「Y」で表されている。ビードベースラインから第一基準位置P1までの半径方向高さは、18mmであった。インナーライナーの厚さTEは、0.8mmであった。
[比較例1及び2]
インスレーションを設けずに距離DAを下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例1及び2のタイヤを得た。この比較例1及び2は、従来のタイヤである。
[実施例2]
第二プライ(フローティングプライ)をコアの周りにて折り返さなかった他は実施例1と同様にして、実施例2のタイヤを得た。この実施例2では、第二プライの端はコアよりも半径方向内側に配置された。フローティングプライをコアの周りにて折り返さなかったことが、表の「FP折り返し」の欄に「N」で表されている。
[実施例3]
「2−0」構造のカーカスを採用した他は実施例1と同様にして、実施例3のタイヤを得た。この実施例3では、第二折返し部は第一折返し部よりも軸方向内側に位置している。
[実施例4−5及び比較例3]
距離DAを下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4−5及び比較例3のタイヤを得た。
[実施例6−8及び比較例4]
距離DCを下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−8及び比較例4のタイヤを得た。
[実施例9−11及び比較例5]
距離DBを下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例9−11及び比較例5のタイヤを得た。
[実施例12−16]
インナーライナーの厚さTEに対するインスレーションの厚さTWの比(TW/TE)を下記の表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例12−16のタイヤを得た。
[実施例17−22]
インスレーションの複素弾性率E*を下記の表6の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例17−22のタイヤを得た。
[制動性能、旋回性及び吸収性]
タイヤを排気量が1000ccであるスポーツタイプの二輪自動車(4サイクル)の前輪に装着し、その内圧が240kPaとなるように空気を充填した。前輪のリムのサイズは、3.50×420とされた。後輪には、市販のタイヤ(サイズ=200/60R420)を装着し、その内圧が170kPaとなるように空気を充填した。後輪のリムのサイズは、6.25×420とされた。HOTウォーマーでタイヤを十分に温めた後、この二輪自動車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる制動性能、旋回性及び吸収性に関する官能評価を行った。この結果が、10点を満点とした指数で下記の表1から6に示されている。数値が大きいほど好ましい。制動性能、旋回性及び吸収性の合計値を、総合性能として表している。数値が大きいほど好ましい。総合性能を24点以上とすることが目標として設定された。
Figure 0006401965
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表1から6に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたインスレーションに関する技術は、種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
14・・・インナーライナー
16・・・インスレーション
18・・・トレッド面
20・・・コア
22・・・エイペックス
26・・・第一プライ
28・・・第二プライ
30・・・第一主部
32・・・第一折返し部
32a・・・第一折返し部32の端
34・・・第二主部
36・・・第二折返し部
36a・・・第二折返し部36の端
44・・・インスレーション16の内端
46・・・インスレーション16の外端

Claims (5)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のビード、カーカス、インナーライナー及び一対のインスレーションを備えており、
    それぞれのサイドウォールが、上記トレッドから半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのビードが、上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    上記インナーライナーが、上記カーカスの内側において、一方のビードの側から他方のビードの側に向かって延在しており、
    それぞれのインスレーションが、軸方向において離間して配置されており、上記サイドウォールの軸方向内側において上記インナーライナーの内面と接合されており、
    上記トレッドには、路面と接触するトレッド面が形成されており、
    上記ビードが、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えており、
    上記カーカスが第一プライを備えており、この第一プライが、上記コアの周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されており、この折り返しにより、この第一プライには、第一主部と第一折返し部とが形成されており、
    上記インスレーションが架橋ゴムからなり、
    このタイヤをリムに組み込み、正規内圧となるようにこのタイヤに空気を充填して得られる、このタイヤとこのリムとの接触面の半径方向外側縁に対応する、このタイヤの外面上の位置が第一基準位置とされ、この第一基準位置から半径方向外側に5mm離れた、このタイヤの外面上の位置が第二基準位置とされたとき、
    上記第一折返し部の端の位置が上記第二基準位置と半径方向において一致している、又は、この第一折返し部の端がこの第二基準位置よりも半径方向内側に位置しており、
    上記インスレーションの内端の位置が上記第一基準位置と半径方向において一致している、又は、このインスレーションの内端がこの第一基準位置よりも半径方向内側に位置している、空気入りタイヤ。
  2. 上記インスレーションの外端の位置が上記トレッド面の端の位置と半径方向において一致している、又は、このインスレーションの外端がこのトレッド面の端よりも半径方向外側に位置している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 赤道面上における上記インナーライナーの厚さに対する、上記インスレーションの厚さの比が、0.5以上1.5以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記インスレーションの複素弾性率が3.0MPa以上10MPa以下である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記カーカスが第二プライをさらに備えており、
    上記第二プライが上記第一プライの外側に位置しており、この第二プライが、上記コアの周りにて、軸方向外側から内側に向かって折り返されており、この折り返しにより、この第二プライには、第二主部と第二折返し部とが形成されており、
    半径方向において、上記第二折返し部の端が上記第一折返し部の端と上記コアとの間に位置している、請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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