JP5331501B2 - 二輪自動車用タイヤ - Google Patents

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本発明は、二輪自動車用タイヤに関する。
タイヤは、様々な部材で構成される。この構成部材のひとつに、インナーライナーがある。このインナーライナーはカーカスの内側に沿って延在しており、タイヤの内圧を保持する役割を果たしている。このインナーライナーは、ゴム組成物が架橋されて形成される。気体遮蔽性の観点から、このゴム組成物に含まれる基材ゴムにはハロゲン化ブチルゴムが用いられる。このハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。
軽量化の観点から、上記インナーライナーが排除された空気入りタイヤが、特開2002−103906公報に開示されている。このタイヤでは、内側に位置するカーカスプライのトッピングゴムに、気体遮蔽性に優れるゴム組成物が用いられている。このゴム組成物の基材ゴムには、天然ゴム及びブタジエンゴムのようなジエン系ゴム以外に、ハロゲン化ブチルゴム又はイソブチレン−パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物が含まれている。
特開2002−103906公報
上記ハロゲン化ブチルゴムを含むインナーライナーの厚みは通常、1mm程度とされる。このインナーライナーの質量のタイヤ質量に対する比率は、約7%である。軽量化の観点から、このインナーライナーの厚みが低減されると、気体遮蔽性が阻害されてしまう。
ハロゲン化ブチルゴムの損失正接(tanδ)は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムのようなゴム成分のそれよりも大きい。ハロゲン化ブチルゴムを含むインナーライナーは、タイヤを発熱させるから、転がり抵抗に影響する。空気遮蔽性を損なうことなく軽量化及び低燃費を達成し、環境への影響が配慮されたタイヤを得ることは難しい。
本発明の目的は、空気遮蔽性を損なうことなく、軽量化及び低燃費が達成された二輪自動車用タイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、一対のビードと、両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスの内側に沿って延在するインナーライナーとを備えている。このインナーライナーは、多数の並列されたコードとトッピングゴムとを有するプライを備えている。それぞれのコードは、モノフィラメントからなる。このコードは、有機繊維からなる。
好ましくは、この二輪自動車用タイヤでは、上記コードの幅の、このコードのピッチに対する比率は90%以上である。好ましくは、上記コードは扁平である。好ましくは、上記コードは赤道面に対して交差している。この交差角度の絶対値は、20°以上90°以下である。好ましくは、上記コードを構成する材質の比重は0.8以上1.2以下である。好ましくは、上記有機繊維の材質はナイロンである。好ましくは、上記トッピングゴムの比重は1.0以上1.2以下である。好ましくは、上記トッピングゴムは基材ゴムを含むゴム組成物から形成されている。この基材ゴムは、ハロゲン化ブチルゴム以外のゴムである。好ましくは、上記プライの厚みは、0.4mm以上1.5mm以下である。
本発明に係る二輪自動車用タイヤでは、インナーライナーに含まれるコードに有機繊維からなるモノフィラメントが採用されている。このコードは、気体の透過を阻害する。このタイヤでは、このインナーライナーがタイヤの空気遮蔽性に寄与しうる。このタイヤでは、空気遮蔽性の観点から、インナーライナーを構成するトッピングゴムに、タイヤの質量及び転がり抵抗に影響するハロゲン化ブチルゴムを用いる必要はない。このインナーライナーは、タイヤの軽量化及び低燃費に寄与しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された平面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、バンド12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面18を備えている。このトレッド面18は、路面と接地する。このトレッド面18には、溝が刻まれていない。このトレッド面18に溝が刻まれて、トレッドパターンが形成されてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア20と、このコア20から半径方向外向きに延びるエイペックス22とを備えている。コア20は、リング状である。コア20は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス22は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス22は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ24からなる。カーカスプライ24は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ24は、コア20の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。なお、このカーカス10が、2枚のカーカスプライ24を備えてもよい。
図示されていないが、カーカスプライ24は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バイアス構造のカーカス10が採用されてもよい。
バンド12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。このバンド12は、トレッド4とカーカス10との間に位置している。図示されていないが、このバンド12は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド12は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このバンド12は、走行時にタイヤ2に作用する遠心力の影響を抑制しうる。このバンド12は、外径の増大を抑制しうる。このタイヤ2は、高速走行時の直進安定性に優れる。コードは、有機繊維又はスチールからなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。なお、このタイヤ2では、このバンド12に換えて、赤道面に対して傾斜するコードを含むベルトが用いられてもよいし、このバンド12とカーカス10との間にこのようなベルトが用いられてもよい。
インナーライナー14は、カーカス10の内側に位置している。インナーライナー14は、このカーカス10に沿って延在している。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。このインナーライナー14は、外側プライ26及び内側プライ28を備えている。外側プライ26は、カーカス10の内周面に接合されている。内側プライ28は、この外側プライ26のさらに内側に位置している。なお、このインナーライナー14が1枚のプライから構成されてもよい。
図2は、図1のタイヤ2の一部が示された平面図である。この図2には、インナーライナー14を構成する外側プライ26及び内側プライ28の一部が示されている。図中、一点鎖線CLは赤道面を表している。
外側プライ26は、並列された多数のコード30とトッピングゴム32とからなる。トッピングゴム32は、これらコード30を覆う。これらコード30は、トッピングゴム32により拘束される。これらコード30のそれぞれは、赤道面に対して交差している。より詳細には、このコード30は赤道面に対して傾斜している。このコード30を含む外側プライ26は、タイヤ2の剛性感に寄与しうる。このタイヤ2は、操縦安定性に優れる。図2中、一点鎖線L1は上記コード30の中心線を表している。角度αは、赤道面CLに対してこの中心線L1がなす角度を表している。この角度αは、外側プライ26に含まれるコード30の交差角度である。操縦安定性の観点から、この交差角度αの絶対値は、20°以上が好ましく、90°以下が好ましい。
このコード30は、モノフィラメントである。このコード30の単位長さあたりの質量は、複数のモノフィラメントが撚り合わされて形成されたコードのそれよりも小さい。このコード30を含む外側プライ26は、軽量化に寄与しうる。
このコード30は、有機繊維からなる。このコード30は、気体の透過を阻害する。このコード30を含む外側プライ26は、タイヤ2の気体遮蔽性に寄与しうる。このタイヤ2では、内圧が適切に保持されうる。この有機繊維の材質としては、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート及びナイロンが例示される。気体遮蔽性の観点から、ナイロンが好ましい。
軽量化の観点から、このコード30を構成する材質の比重は、1.0以下が好ましい。剛性感の観点から、このコード30を構成する材質の比重は、0.8以上が好ましく、1.2以下が好ましい。この比重は、JIS K 7112の規定に準拠して計測される。後述する内側プライ28のコードについても同様にして計測される。
このコード30の断面形状としては、円、楕円、正方形及び長方形が例示される。軽量化及び気体遮蔽性の観点から、このコード30の断面形状としては長方形が好ましい。換言すれば、コード30は扁平であるのが好ましい。コード30の断面形状として長方形が選定される場合、このコード30はその長辺がタイヤ2の内面に沿うように外側プライ26に配置されるのが好ましい。
トッピングゴム32は、ゴム組成物から形成される。このゴム組成物の基材ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。カーカス10との接着性並びにタイヤ2の軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与するという観点から、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムが好ましい。
このタイヤ2では、コード30が気体の透過を阻害するので、タイヤ2の質量及び転がり抵抗に影響するクロロブチルゴム及びブロモブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴムを用いる必要はない。このトッピングゴム32に含まれる基材ゴムは、ハロゲン化ブチルゴム以外のゴムであるのが好ましい。カーカス10との接着性並びにタイヤ2の軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与するという観点から、このハロゲン化ブチルゴムの基材ゴムに対する質量の比率は、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。特に好ましくは、この比率は0%である。
軽量化の観点から、このトッピングゴム32の比重は、1.0以上1.2以下であるのが好ましい。この比重は、JIS K 6268の規定に準拠して計測される。後述する内側プライ28のトッピングゴムについても同様にして計測される。
内側プライ28は、並列された多数のコード34とトッピングゴム36とからなる。トッピングゴム36は、これらコード34を覆う。これらコード34は、トッピングゴム36により拘束される。これらコード34のそれぞれは、赤道面に対して交差している。より詳細には、このコード34は赤道面に対して傾斜している。図示されているように、このコード34の傾斜方向は、上記外側プライ26に含まれるコード30の傾斜方向とは逆である。このコード34を含む内側プライ28は、タイヤ2の剛性感に寄与しうる。このタイヤ2は、操縦安定性に優れる。図2中、一点鎖線L2は上記コード34の中心線を表している。角度βは、赤道面CLに対してこの中心線L2がなす角度を表している。この角度βは、内側プライ28に含まれるコード34の交差角度である。操縦安定性の観点から、この交差角度βの絶対値は、20°以上が好ましく、90°以下が好ましい。
このコード34は、モノフィラメントである。このコード34の単位長さあたりの質量は、複数のモノフィラメントが撚り合わされて形成されたコード34のそれよりも小さい。このコード34を含む内側プライ28は、軽量化に寄与しうる。
このコード34は、有機繊維からなる。このコード34は、気体の透過を阻害する。このコード34を含む内側プライ28は、タイヤ2の気体遮蔽性に寄与しうる。このタイヤ2では、内圧が適切に保持されうる。この有機繊維の材質としては、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート及びナイロンが例示される。気体遮蔽性の観点から、ナイロンが好ましい。
このコード34の断面形状としては、円、楕円、正方形及び長方形が例示される。軽量化及び気体遮蔽性の観点から、このコード34の断面形状としては長方形が好ましい。換言すれば、コード34は扁平であるのが好ましい。コード34の断面形状として長方形が選定される場合、このコード34はその長辺がタイヤ2の内面に沿うように内側プライ28に配置されるのが好ましい。
軽量化の観点から、このコード34を構成する材質の比重は、1.0以下が好ましい。剛性感の観点から、このコード34を構成する材質の比重は、0.8以上が好ましく、1.2以下が好ましい。
トッピングゴム36は、ゴム組成物から形成される。このゴム組成物の基材ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。タイヤ2の軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与するという観点から、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムが好ましい。
このタイヤ2では、コード34が気体の透過を阻害するので、タイヤ2の質量及び転がり抵抗に影響するクロロブチルゴム及びブロモブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴムを用いる必要はない。このトッピングゴム36に含まれる基材ゴムは、ハロゲン化ブチルゴム以外のゴムであるのが好ましい。カーカス10との接着性並びにタイヤ2の軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与するという観点から、このハロゲン化ブチルゴムの基材ゴムに対する質量の比率は、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。特に好ましくは、この比率は0%である。
軽量化の観点から、このトッピングゴム36の比重は、1.0以上1.2以下であるのが好ましい。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。この図3には、外側プライ26の、コード30の延在方向に垂直な断面の一部が示されている。
図3において、両矢印WAはコード30の幅を表している。この幅WAは、コード30aの一端38aから他端38bまでの距離が計測されることにより得られる。両矢印WBは、一のコード30aの隣に位置する他のコード30bとの間に位置するトッピングゴム32の幅を表している。この幅WBは、一のコード30aの他端38bから他のコード30bの一端38cまでの距離を計測することにより得られる。両矢印PAは、コード30のピッチを表している。このピッチPAは、コード30の幅WAとトッピングゴム32の幅WBとの和で示される。両矢印TAは、外側プライ26の厚みを表している。両矢印TBは、コード30の厚みを表している。
上記幅WAの上記ピッチPAに対する比率は、90%以上である。この比率が90%に設定されることにより、外側プライ26がタイヤ2の気体遮蔽性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2では、内圧が適切に保持される。この観点から、この比率は95%以上がより好ましい。トッピングゴム32がコード30を適切に拘束しうるという観点から、この比率は99%以下が好ましい。
上記厚みTAは、0.4mm以上1.5mm以下であるのが好ましい。この厚みTAが0.4mm以上に設定されることにより、外側プライ26がタイヤ2の気体遮蔽性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2では、内圧が適切に保持される。この外側プライ26は、加工性に優れる。この観点から、この厚みTAは0.6mm以上がより好ましい。この厚みTAが1.5mm以下に設定されることにより、この外側プライ26のタイヤ2の質量への影響が抑制される。この観点から、この厚みTAは1.3mm以下がより好ましい。
気体遮蔽性及び汎用性の観点から、上記幅WAは0.5mm以上が好ましく、1.5mm以下が好ましい。上記厚みTBは、0.2mm以上が好ましく、0.5mm以下が好ましい。
図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。この図4には、内側プライ28の、コード34の延在方向に垂直な断面の一部が示されている。
図4において、両矢印WDはコード34の幅を表している。この幅WDは、このコード34aの一端40aから他端40bまでの距離が計測されることにより得られる。両矢印WEは、一のコード34aの隣に位置する他のコード34bとの間に位置するトッピングゴム36の幅を表している。この幅WEは、一のコード34aの他端40bから他のコード34bの一端40cまでの距離を計測することにより得られる。両矢印PBは、コード34のピッチを表している。このピッチPBは、コード34の幅WDとトッピングゴム36の幅WEとの和で示される。両矢印TCは、内側プライ28の厚みを表している。両矢印TDは、コード34の厚みを表している。
上記幅WDの上記ピッチPBに対する比率は、90%以上である。この比率が90%に設定されることにより、内側プライ28がタイヤ2の気体遮蔽性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2では、内圧が適切に保持される。この観点から、この比率は95%以上がより好ましい。トッピングゴム36がコード34を適切に拘束しうるという観点から、この比率は99%以下が好ましい。
上記厚みTCは、0.4mm以上1.5mm以下であるのが好ましい。この厚みTCが0.4mm以上に設定されることにより、内側プライ28がタイヤ2の気体遮蔽性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2では、内圧が適切に保持される。この内側プライ28は、加工性に優れる。この観点から、この厚みTCは0.6mm以上がより好ましい。この厚みTCが1.5mm以下に設定されることにより、この内側プライ28のタイヤ2の質量への影響が抑制される。この観点から、この厚みTCは1.3mm以下がより好ましい。
気体遮蔽性及び汎用性の観点から、上記幅WDは0.5mm以上が好ましく、1.5mm以下が好ましい。上記厚みTDは、0.2mm以上が好ましく、0.5mm以下が好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表1に示された仕様を備えた実施例1の二輪自動車用タイヤを得た。このタイヤのサイズは、「190/50 ZR17」である。このタイヤのインナーライナーは、外側プライ及び内側プライからなる。外側プライの厚みTAは、0.5mmである。外側プライに含まれるコードは、モノフィラメントである。このコードの交差角度αは、60°である。このコードの材質は、ナイロンである。このコードの幅WAは0.9mmであり、厚みTBは0.3mmである。この外側プライに含まれるトッピングゴムの基材ゴムには、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴムは含まれていない。この外側プライにおいて、幅WAのピッチPAに対する比率(WA/PA)は、90%である。内側プライの厚みTCは、0.5mmである。内側プライに含まれるコードは、モノフィラメントである。このコードの交差角度βは、−60°である。このコードの材質は、ナイロンである。このコードの幅WDは0.9mmであり、厚みTDは0.3mmである。この内側プライに含まれるトッピングゴムの基材ゴムには、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴムは含まれていない。この内側プライにおいて、幅WDのピッチPBに対する比率(WD/PB)は、90%である。
[実施例2から4]
交差角度α及び交差角度βを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例8]
内側プライを設けず1枚のプライでインナーライナーを構成させ、交差角度αを下記表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例7及び9から10]
比率(WA/PA)を下記表1及び表2の通りとした他は実施例8と同様にして、タイヤを得た。
[実施例5から6]
交差角度αを下記表1の通りとした他は実施例8と同様にして、タイヤを得た。
[実施例11から14]
厚みTAを下記表2の通りとした他は実施例8と同様にして、タイヤを得た。
[比較例1]
比較例1は、市販されている従来のタイヤである。このタイヤのインナーライナーは、カーカスの内周面に接合された外層と、この外層の内側に位置する内層とから構成されている。この外層の厚みは0.7mmであり、内層の厚みは0.7mmである。なお、この外層は、クロロブチルゴムを基材ゴムに含むゴム組成物から形成されている。
[空気保持性]
試作タイヤをリムに組み込み、その内部に空気を充填した。タイヤ内圧P0は、290kPaとされた。充填後、温度が25℃に調整された保管庫に、試作タイヤが静置された。90日経過後、この試作タイヤの内圧P1を測定し、内圧P0と内圧P1との差の、内圧P0に対する比率を算出した。この比率が、下記表1及び表2に示されている。この比率が小さいほど、良好であることが示される。
[実車走行評価]
排気量が1000ccである市販の二輪自動車(4サイクル)の後輪に、試作タイヤが装着された。リムはMT17×6.00、タイヤの空気内圧は290kPaとした。なお、前輪には、市販されている従来タイヤが装着されている。この前輪のタイヤサイズは、「120/70 ZR17 58W」である。リムはMT17×3.50、タイヤの空気内圧は250kPaである。ドライアスファルト路で構成されたサーキットコースで、ライダーによる剛性感に関する走行評価が行われた。この結果が、指数値で示されている。この数値が大きいほど、剛性感が大きいことが示される。この結果が、下記表1及び表2に示されている。
[タイヤの質量評価]
試作タイヤの質量を計測し、この計測値に基づいて、評価を行った。この評価結果が、比較例1を100とした指数値で表されている。この値が小さいほど、タイヤ質量が小さいことが示される。この結果が、下記表1及び表2に示されている。
[転がり抵抗]
試作タイヤを正規リムに組み込み、この試作タイヤに空気を充填して内圧を200kPaとした。この試作タイヤを、転がり抵抗試験機に装着し、4.3kN(正規荷重の80%)の荷重を試作タイヤに負荷した。この試作タイヤを、80km/hの速度で走行させ、転がり抵抗を測定して、この測定値の逆数を得た。この逆数に基づいて、評価を行った。この結果が、比較例1を100とした指数値で表されている。この値が大きいほど、転がり抵抗が小さいことが示される。この結果が、下記表1及び表2に示されている。
Figure 0005331501
Figure 0005331501
表1及び表2に示されるように、実施例では、比較例に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、種々の二輪自動車に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・バンド
14・・・インナーライナー
24・・・カーカスプライ
26・・・外側プライ
28・・・内側プライ
30・・・コード
32・・・トッピングゴム
34・・・コード
36・・・トッピングゴム

Claims (7)

  1. 一対のビードと、両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスの内側に沿って延在するインナーライナーとを備えており、
    このインナーライナーが、多数の並列されたコードとトッピングゴムとを有するプライを備えており、
    それぞれのコードが、モノフィラメントからなり、
    このコードが、有機繊維からなり、
    上記コードの幅の、このコードのピッチに対する比率が、90%以上であり、
    上記コードが、赤道面に対して交差しており、
    この交差角度の絶対値が、20°以上90°以下である
    二輪自動車用タイヤ。
  2. 上記コードが、扁平である請求項1に記載の二輪自動車用タイヤ。
  3. 上記コードを構成する材質の比重が、0.8以上1.2以下である請求項1又は2に記載の二輪自動車用タイヤ。
  4. 上記有機繊維の材質が、ナイロンである請求項1からのいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  5. 上記トッピングゴムの比重が、1.0以上1.2以下である請求項1からのいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  6. 上記トッピングゴムが、基材ゴムを含むゴム組成物から形成されており、
    この基材ゴムが、ハロゲン化ブチルゴム以外のゴムである請求項1からに記載の二輪自動車用タイヤ。
  7. 上記プライの厚みが、0.4mm以上1.5mm以下である請求項1からのいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
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