JP4550301B2 - 施錠装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピッキングの実質上不可能な施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、玄関ドアをはじめ各種の開閉ドアに広く取り付けられている施錠装置の代表的なものとしてディスクタンブラ錠がある。このディスクタンブラ錠は、メインロータとメインシリンダとの間に両者のロック手段として、例えば、複数のばねとドライバを介してタンブラが配置され、メインロータの中心部に設けられたキー孔にメインキーを挿入することにより、タンブラを介しドライバを移動させてメインロータを回転可能とし、メインキーを回転させることによりメインロータを介しその先端に設けられた角芯を回転させて、ドアをロックしている閂状のロックバーを作動可能にするようにしたものである。
【0003】
しかし、前記のディスクタンブラ錠は、メインロータ内に放射方向に動くタンブラを直線的に配置しているためピッキングにより開錠されやすく、また、キー孔にマイナスドライバを差し込んで強引に回転させることにより、施錠装置内部のタンブラやドライバを破壊して開錠される可能性もあり、防犯上大きな問題点を有していた。
【0004】
このピッキングを防止するために、最近、タンブラを四方向から出るようにしたディンプルキー方式や、従来のディスクシリンダーを改良してタンブラの動きを回転式にした回転式シリンダ錠等各種の施錠装置が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近開発された各種の施錠装置についても、一つのキーで施錠と開錠を行うものであるため、従来より時間は要するがピッキングにより開錠される可能性があり、また、限られたスペース内に複雑な機構を無理に組み込むことになるため、ロック手段としての高い強度が得られないといった種々の問題点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メインシリンダと、前記メインシリンダに対して回転可能であるメインロータと、これらの間に介在された第1のロック手段と、前記第1のロック手段のロック状態を解除するためのメインキーと、を備えた第1のロック機構と、
ドアに取り付けられたベース盤と、前記ベース盤に設けられた係合ボックスと、前記第1のロック手段の前記メインロータに連結された遮蔽円板と、前記遮蔽円板に対して相対的に回転可能であるサブロータと、前記係合ボックスと前記サブロータとの間に介在された第2のロック手段と、前記第2のロック手段のロック状態を解除するためのサブキーと、前記ベース盤に取り付けられ、前記遮蔽円板を覆うカバーと、を備えた第2のロック機構と、を具備し、
前記第1のロック機構の前記メインロータには、前記メインキーが挿入されるキー孔が設けられており、
前記第2のロック機構の前記遮蔽円板には、前記サブキーが挿入されるキーボックスが設けられ、前記カバーには、前記キーボックスに対応してキー窓が設けられており、
前記第1のロック手段の施錠角度位置において前記第1のロック機構の前記メインロータの前記キー孔に前記メインキーを挿入すると、前記第1のロック手段のロック状態が解除されて前記メインシリンダに対する前記メインロータの回動が許容され、この状態において前記メインキーを回動すると、前記第1のロック機構の前記メインロータを介して前記第2のロック機構の前記遮蔽円板が回動され、前記メインキーをサブキー挿入角度位置まで回動させると、前記第2のロック機構の前記カバーの前記キー窓と前記遮蔽円板の前記キーボックスとが合致し、この状態において前記キー窓を通して前記キーボックスに前記サブキーを挿入して前記メインキーを前記第2のロック手段の施錠角度位置まで回動すると、前記第2のロック手段のロック状態が解除されて前記サブロータの回動が許容され、この状態から前記メインキーを前記第2のロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、前記サブキーとともに前記サブロータが移動して前記第2のロック手段のロック状態が解除されるとともにこの状態が維持されることを特徴とする施錠装置である。
【0007】
この本発明に従えば、施錠装置は、第1のロック機構と第2のロック機構とを具備し、第1のロック機構はメインシリンダ、メインロータ、第1のロック手段及びメインキーを備え、第2のロック機構は、遮蔽円板、カバー、サブロータ、第2ロック手段及びサブキーを備えており、第1のロック機構のロック状態はメインキーを用いてロック解除し、第2のロック機構のロック状態はサブキーを用いてロック解除するように構成されている。それ故に、第1のロック機構の第1のロック手段に対し、仮にピッキングが成功してメインロータが回転可能になったとしても、このメインロータの回転だけでは第2のロック機構の第2のロック手段のロック状態を解除することはできない。従って、ピッキング等などによって施錠装置のロック状態、換言すると第1及び第2のロック機構のロック状態を実質上解除することができず、かくしてこの施錠装置を取り付けたドア等を開閉することは実質上不可能である。
【0008】
また、仮に、ピッキング等によってメインロータを回転させて第2のロック機構の遮蔽円板のキーボックスとカバーのキー窓とを一致させたとしても、キーボックスに挿入するサブキーを所持していなければ、第2のロック機構のロック状態を解除することができない。即ち、サブキーを所有していないと、サブロータを回動させることはできないため、第2のロック機構のロック状態を解除することは実質上不可能となる。
【0009】
さらに、第1のロック手段の施錠角度位置においては、第2のロック機構における遮蔽円板のキーボックスは、カバーに設けられたキー窓から外れた位置に位置し、このキー窓自体も遮蔽円板により塞がれて外部から隠れており、それ故に、キーボックスに対する異物の挿入などのいたずら行為が防止できる。
また、本発明では、前記第1のロック機構の前記メインシリンダに関連して、ドアと係合しているラッチボルトを移動させるためのスピンドルが設けられており、また、前記第2のロック機構の前記サブロータに関連して、ドアをロックするためのロックバーを作動する角芯が設けられており、前記メインキーを前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置まで回動すると、前記第2のロック手段のロック状態が解除されて前記角芯が回動され、この角芯の回動により前記ロックバーが移動して前記ロックバーのロック状態が解除され、この状態において前記第1のロック機構の前記メインシリンダを回動すると、前記スピンドルを介して前記ラッチボルトが移動され、これによって前記ラッチボルトのドアとの係合状態が解除されてドアが開閉できることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、メインキーを第2のロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、第2のロック手段のロック状態が解除されるとともに角芯が回動してロックバーのロック状態が解除されるため、この状態において第1のロック機構のメインシリンダを回動すると、スピンドルを介してドアと係合しているラッチボルトが移動され、ドアを開放することができる。
【0011】
また、本発明では、前記第2のロック機構の前記サブロータには、ドアをロックするためのロックバーが連結されており、前記メインキーを前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置まで回動すると、前記サブロータの回動によって前記ロックバーが移動され、これによって前記ロックバーのロック状態が解除されることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、メインキーを第2ロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、サブロータを介して、ドアをロックするためのロックバーが移動され、これによってロックバーのロック状態を解除してドアを開放することができる。
また、本発明では、前記第1のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを所定方向と反対方向に回動すると前記サブキー挿入角度位置に位置し、前記サブキー挿入角度位置から前記メインキーを前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記施錠角度位置に位置し、前記第2のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを前記所定方向にさらに回動すると前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置に位置することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、第1のロック手段の施錠角度位置からメインキーを所定方向と反対方向に回動してサブキー挿入角度位置に位置付け、その後所定方向に回動して第2のロック手段の施錠角度位置に位置付け、その後更に所定方向に回動して第2のロック手段のロック解除維持角度位置に位置付けるので、メインキーの回転角度範囲を比較的小さくして、施錠装置の施錠解除操作を比較的に容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明では、前記第1のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを所定方向に回動すると前記サブキー挿入角度位置に位置し、前記サブキー挿入角度位置から前記メインキーをさらに前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記施錠角度位置に位置し、前記第2のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーをさらに前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置に位置することを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、第1のロック手段の施錠角度位置からメインキーを所定方向に回動してサブキー挿入角度位置に位置付け、その後所定方向に回動すると第2のロック手段の施錠角度位置に位置し、その後さらに所定方向に回動すると第2のロック手段のロック解除維持角度位置に位置するので、メインキーを所定方向に回動することによって、施錠装置の施錠状態を解除することができる。
【0016】
さらに、本発明は、メインシリンダと、前記メインシリンダに対して回転可能であるメインロータと、前記メインロータを回動させる回動操作具と、ドアに取り付けられたベース盤と、前記ベース盤に設けられた係合ボックスと、前記メインロータに連結された遮蔽円板と、前記遮蔽円板に対して相対的に回転可能であるサブロータと、前記係合ボックスと前記サブロータとの間に介在されたロック手段と、前記ロック手段のロック状態を解除するためのキーと、前記ベース盤に取り付けられ、前記遮蔽円板を覆うカバーと、を備えたロック機構と、を具備し、
前記メインロータには、前記回動操作具が挿入される操作孔が設けられており、 前記ロック機構の前記遮蔽円板には、前記キーが挿入されるキーボックスが設けられ、前記カバーには、前記キーボックスに対応してキー窓が設けられており、
前記メインロータの前記操作孔に前記回動操作具を挿入して回動すると、前記メインロータを介して前記ロック機構の前記遮蔽円板が回動され、前記回動操作具をキー挿入角度位置まで回動させると、前記ロック機構の前記カバーの前記キー窓と前記遮蔽円板の前記キーボックスとが合致し、この状態において前記キー窓を通して前記キーボックスに前記キーを挿入して前記回動操作具を前記ロック手段の施錠角度位置まで回動すると、前記ロック手段のロック状態が解除されて前記サブロータの回動が許容され、この状態から前記回動操作具を前記ロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、前記キーとともに前記サブロータが移動して前記ロック手段のロック状態が解除されるとともにこの状態が維持されることを特徴とする施錠装置である。
【0017】
この発明に従えば、前記第1のロック手段が省略されており、メインキーに代わる回動操作具にてメインロータを回動させることにより、前記第2のロック機構のみから成るロック機構のロック手段が解除されることを特徴とする。従って、構造が簡単で価格の低廉化が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う施錠装置の実施形態について説明する。
実施の形態1
図1〜図6は本発明に従う施錠装置の構成の第1の実施形態を示すもので、図1は、施錠装置の分解斜視図であり、図2は、第2のロック手段を解除した状態の縦断側面図(図3の(b)におけるA−A断面図)であり、図3は、作動手順を示す説明図で、(a)は平面図、(b)〜(e)は図2におけるB−B断面図であり、図4は、第2のロック手段におけるタンブラ部分の拡大断面図であり、図5は、図4のC−C断面図、図6は、ロータ本体の内面図である。
【0019】
図1において、図1(a)は、シリンダ錠本体2を示し、このシリンダ錠本体2は、メインロータ4と、その外周に位置するメインシリンダ6とからなり、これら両者の間には、第1のロック手段として、図2に示すような複数のタンブラ8とドライバ10がばね12を介して配置されている。メインロータ4にはキー孔14が設けられており、キー孔14へのメインキー15の挿入によりタンブラ8を介して前記メインロータ4とメインシリンダ6との間に跨って位置しているドライバ10が移動し、これらドライバ10の移動によってシアライン18が開放されて第1のロック手段のロック状態が解除され、これによって、メインロータ4に対するメインシリンダ6の相対的回動が許容される。前記メインロータ4の下部はメインシリンダ6の下部より突出させて首部20とその下方の細径の連結部24とが設けられ、この連結部24にリング溝22が設けられている。なお、符号26はメインシリンダ6の下面に設けられている連結孔であり、28は首部20の下面に設けられているねじ孔である。
【0020】
図1の(b)は、前記メインシリンダ6と後記するスピンドル52とを連結する連結リング30を示し、この連結リング30の内径は前記メインロータ4下部の首部20との間に一定の間隙を保って嵌る大きさである。連結リング30は環状のリング本体32を備え、このリング本体32の上面に複数の連結ピン34が設けられ、またリング本体32の内周の一部に切欠凹部36が形成されている。
この連結ピン34がメインシリンダ6の下面に設けられている前記連結孔26に嵌合されて結合される。
【0021】
図1(c)は、下面が開放された円筒キャップ状のカバー38を示し、このカバー38の天板40の中央部に穴42が設けられると共に、この穴42に突出パイプ44が設けられ、この突出パイプ44の外周部にほぼ90度にわたって円弧状孔46が設けられ、また、天板40の外周部に、スカート48を備えたキー窓50が設けられている。このキー窓50の平面形状は、図示例の場合、断面盃状でカバー38の中心側に位置する内面が円弧49に形成された形態のものであり、このキー窓50の上方から同形断面の後記するサブキー130を挿入したときにこのサブキー130がカバー38の中心に対して放射方向に移動しない形態となっている。キー窓50とサブキー130の断面形状は図示の形状に限定されるものではなく、前記の放射方向に移動しない形態の適宜の形状、例えば両側部がくびれた鼓状などでもよい。このカバー38は、後述する遮蔽円板60を覆うように配設される。
【0022】
図1(d)は、前記メインシリンダ6の回動と共に回動するスピンドル52を示し、図示のスピンドル52は、円弧状のスピンドル本体54を具備し、このスピンドル本体54の上部に側面視コの字状のスピンドルアーム56が設けられ、その先端上部に前記連結リング30の切欠凹部36に嵌る円弧状突起58が設けられており、この円弧状突起58が前記切欠凹部36に嵌め込まれてビス37にて固定され、円弧状のスピンドル本体54が後記するベース盤106の円弧孔120に通されて一定範囲にわたって回動するように取り付けられる。
【0023】
図1(e)は、前記キー窓50を遮蔽する遮蔽円板60を示し、この遮蔽円板60は、円形状の円板本体62を備え、この円板本体62の外周部下面にキーボックス64が設けられているとともに、円板本体62の、キーボックス64と反対側の部位に、作動棹66が設けられている。また、円板本体62の略中央部には、前記メインロータ4の首部20に嵌る孔68と、この孔68の外周側にビス孔70が設けられている。前記キーボックス64は、前記カバー38のキー窓50と同形の縦孔状、その内面が円弧72に形成され、円板本体62の下部のキーボックス64において、この円弧72の部分は開口部74となっている。また、このキーボックス64には、開口部74の両側端縁にそれぞれ外方に向けたタンブラ用の押圧ガイド75が設けられている。なお、76は前記遮蔽円板60と後記のサブロータ80との間に介在させる座金である。
【0024】
図1(f)は、サブロータ80を示し、このサブロータ80は、扇形板82と、扇形板82の外周縁の一端に下方に向けて設けた一定長さの肉厚円弧状のロータ本体84と、その他の外周縁下部に設けた円弧板状のロータガイド86と、一端の側縁下方に設けたロータピン88とからなり、扇形板82の要部には前記メインロータ4の首部20に嵌る孔90が形成されている。このロータ本体84の外周円弧部92は、前記キー窓50の内側円弧49やキーボックス64内側の円弧72と実質上同一の曲率半径になっている。なお、94は前記サブロータ80と後記の連結リング102との間に介在させる座金である。
【0025】
図1(g)は、ドアをロックするためのロックバー駆動用の角芯96を示し、この角芯96の上端部には、前記メインロータ4下部の連結棹24と実質上同形の円形鍔98が設けられ、この円形鍔98の下方にアーム100が角芯96と一体的に設けられている。
図1(h)は、前記メインロータ4の下端と角芯96の上端の円形鍔98とを包むように連結する断面コの字型で半割状の連結リング102を示し、この連結リング102は、メインロータ4のリング溝22と角芯96上端の円形鍔98の下部との間に嵌り込んで両者を回転可能な状態に連結する。
【0026】
図1(i)は、ベース盤106を示し、このベース盤106は、円板状のベース盤本体108と、このベース盤本体108の上面に設けられた係合ボックス110、円弧板状のタンブラガイド112、ストッパ114及び円弧板状のキーガイド116とからなり、ベース盤本体108の中心部には前記角芯96が嵌って回転する貫通孔118が形成され、その外周部には前記スピンドル52の円弧状のスピンドル本体54が嵌って一定範囲にわたって回動する円弧孔120が形成されている。また、ベース盤本体108の下面には、ドアの内側のメインシリンダ固定板208と連結する二本の連結パイプ122が設けられている。
【0027】
前記係合ボックス110の外周面は、前記サブロータ80のロータガイド86の内面と実質上同一の曲率半径になっており、また、円弧板状のタンブラガイド112は、係合ボックス110の外周面と実質上同一の曲率半径でその一端から図3に示すように反時計方向に約100度の範囲にわたって延びている。また、キーガイド116は、前記サブロータ80の外周円弧部92と実質上同一の曲率半径でその一端から図3に示すように前記タンブラガイド112と反対側に約120度の範囲にわたって延びている。また、ストッパ114は磁石製で前記タンブラガイド112の端部近傍の外方に設けられており、前記サブロータ80の当たりとなっている。このストッパ114は磁石製でなくてもよく、前記サブロータ80の側端部が当接した際に一定の力、即ち、後記する図3(c)の状態からサブキー130を移動させて離す際に、サブロータ80がサブキー130に付いて共に移動せず、且つ、メインキー15の回転力では容易に離れて移動するものであればよい。
【0028】
また、前記ベース盤本体108下面の二本の連結パイプ122は、図2に示すように、ドア210の錠前取付孔216の外方に設けられている二つのパイプ孔218に通されて、ドアの内側のノブ固定板208とねじ220にて連結固定されるが、この際角芯96とスピンドル本体54もドアの錠前取付孔216に挿入され、ドア210の内側に突出している角芯96の先端にサムターン222が固定され、その後、前記ノブ固定板208に内側ノブ224がねじ込まれる。
【0029】
前記の角芯96とスピンドル本体54をドアの錠前取付孔216に挿入するに当たっては、ロックバー212とラッチボルト213とが並列に装着された状態において予めドア内に嵌め込まれた錠本体ケース211内の前記ロックバー212を操作するための作動カム中心に設けられた角穴に角芯96が挿入され、ラッチボルト213を操作するための板カムに設けられた円弧穴にスピンドル本体54が挿入される。前記錠本体ケース211内におけるロックバー212とラッチボルト213及びこれらを操作するための作動カムや板カム等の構成については、前記錠本体ケース211が広く一般に各種のドアに用いられている周知のものであるため詳細な説明は省略する。
【0030】
図1(j)は、前記キー窓50からキーボックス64に挿入される横断面盃型をした柱状のサブキー130を示し、このサブキー130の内側面は前記キー窓50の内側の円弧49及びキーボックス64の内側の円弧72と実質上同一の曲率半径であって、その円弧状の内側面には上下方向に複数のキー溝134、36及び138と、これら複数のキー溝の側部に縦長状の駆動溝140が形成され、またその上面に釣孔142が設けられている。
【0031】
前記サブロータ80のロータ本体84とベース盤106の係合ボックス110及びサブキー130との関係は下記のように構成されている。即ち、サブロータ80のロータ本体84の内面には、図4〜図6に示すように、ロータ本体84の内面側(図4において下側)に角型の横長状タンブラ溝154、156及び158が回転方向に少し位相がずれて上下に設けられていると共に、その側部に縦長角板状の駆動板198の溝160が設けられ、各タンブラ溝154、156,158の奥部の外周円弧部92側に角型のピン溝164、166及び168が設けられ、駆動板198の溝160の奥部の外周円弧部92側に縦長角型状のスリット170が設けられている。一方、ベース盤106の係合ボックス110には、その外面に前記サブロータ80に設けた各タンブラ溝154、156及び158に対応して実質上同形の深孔状のドライバ溝174、176及び178が、また、前記駆動板198の溝160に対応して実質上同形の深孔状のドライバ溝180が設けられている。
【0032】
前記の各ドライバ溝174、176及び178には、例えば、それぞれ実質上同形で角型のサブドライバ182がばね184と共に装填され、また、前記各タンブラ溝154、156及び158にも先端に角型細径のサブタンブラピン186を有するサブタンブラ188が装填されている。そして、この各ドライバ溝174、176及び178と各タンブラ溝154、156及び158とが図4のように合致した場合、ばね184の作用により各サブドライバ182と各サブタンブラ188が二点鎖線にて示すように外方に移動して各サブドライバ182によりサブロータ80と係合ボックス110間のシアライン190を跨いで、サブロータ80の回転がロックされるように構成されている。
【0033】
また、図4における上方の前記ドライバ溝180には、ばね194を介してサブドライバ192が装填され、また、駆動板の溝160には、先端に細幅の駆動ピン196を有する縦長板状の駆動板198が装填され、このドライバ溝180と駆動板の溝160とが図4に示すように合致した場合、サブキー130の有無に関係なく、サブドライバ192はサブロータ80と係合ボックス110間のシアライン190を跨がないようになっている。そして、前記駆動板196の先端は、前記複数のいずれのキー溝の底の位置より外方に突出するように形成されている。
【0034】
また、前記サブキー130の各キー溝134、136及び138は、それぞれ、前記サブロータ80のピン溝164、166及び168に対応して設けられ、各キー溝134、136及び138の側部にすり鉢状の傾斜部139を備えている。また、前記サブキー130に設けられている縦長状の駆動溝140は、図4に示すように、時計回り側(図4において上側)がスリット170に沿う直角面200に形成され、反対の反時計回り側には傾斜面202が形成されていて、その高さは、図5に示すように、上下方向に設けられている複数のキー溝134、136及び138の上下位置の寸法より高いものである。
【0035】
この第1の実施形態においては、タンブラ8、ドライバ10及びばね12が第1のロック手段を構成し、この第1のロック手段、メインロータ4、メインシリンダ6及び第1のロック手段のロック状態を解除するためのメインキー15が第1のロック機構を構成している。また、サブタンブラ188、サブドライバ182及びばね184が第2のロック手段を構成し、この第2ロック手段、ベース盤106、遮蔽円板60、サブロータ80、サブキー130及びカバー38が第2のロック機構を構成する。
【0036】
次に、主として図2を参照しながら、第1の実施形態の施錠装置の組立て順序について説明する。
(イ)シリンダ錠本体2におけるメインシリンダ6の下面の連結孔26に連結リング30の連結ピン34を嵌入固定する。
(ロ)スピンドル52上部の円弧状突起58をカバー38の円弧孔46から上方に突出させ、遮蔽円板60の円板本体62をスピンドルアーム56の内部上方に沿わせた状態にてカバー38の突出パイプ44をメインロータ4下方の首部20に挿入すると共に、円弧状突起58を連結リング30の切欠凹部36に嵌め込み、ビス37にて円弧状突起58を切欠凹部36に固定する。
【0037】
(ハ)遮蔽円板60の円板本体62の中央の孔68をメインロータ4の首部20に嵌め込み、円板本体62のビス孔70にビス71を通し首部20下面のねじ孔28にビス71をねじ込んで遮蔽円板60をメインロータ4の下部に連結固定する。
(ニ)遮蔽円板60の下面に座金76を介してサブロータ80の孔90をメインロータ4の首部20に嵌め込むと共に、その下面にも座金94を嵌め込んだ後、角芯96上部の円形鍔98を連結部24の下面と合わせ、連結リング102にてメインロータ4と角芯96とを個々に回転可能に連結する。
【0038】
(ホ)ベース盤106の貫通穴118を角芯96の下方から挿入すると共に、円弧孔120をスピンドル52の円弧状のスピンドル本体54に通して、ベース盤本体108をカバー38の下端部に固定する。
第1の実施形態における前記各部材の組立てに関する回転方向の位置関係は、図2に示すように、ロックバー212が框214に嵌り込んでロックされている状態において、図3の(a)に示すように、ベース盤106の係合ボックス110とサブロータ80のロータ本体84とが施錠角度位置Xにて対応し、カバー38のキー窓50が前記施錠角度位置Xに対して時計方向約80度のサブキー挿入角度位置Yに位置し、遮蔽円板60のキーボックス64が前記施錠角度位置Xとサブキー挿入角度位置Yのほぼ中間に位置し、角芯96のアーム100が前記施錠角度位置Xに対して反時計方向約45度の角芯ロック角度位置Wに位置し、スピンドル52のスピンドルアーム56が前記角芯96のアーム100の位置より反時計方向約90度に位置している。
【0039】
次に、主として図3を参照して、本発明に従う施錠装置の作動手順について説明する。
図3(a)に示す状態、即ち第1及び第2のロック手段が共に施錠状態で、ドア210側のロックバー212の先端が框214側に突出し、施錠装置がロックされている状態において、メインロータ4のキー孔14にメインキー15を挿入すると、図2に示すように第1のロック手段の各タンブラ8が作動し、メインロータ4とメインシリンダ6間のシアライン18に跨って配置されていたドライバ10が移動してシアライン18を開放し、メインロータ4とメインシリンダ6は共に回転可能な状態、即ち、第1のロック手段が解除された状態となる。
【0040】
この状態からメインキー15を時計方向(この時計方向を所定方向と反対方向とする)に、サブキー挿入角度位置Yまで約40度回転させると、遮蔽円板60のキーボックス64とカバー38のキー窓50とが合致し、かく合致すると、キー窓50を通してキーボックス64にサブキー130を挿入することが許容される。
【0041】
この状態にて、キー窓50を通して別体のサブキー130をキーボックス64内に挿入した後、メインキー15を反時計方向(この反時計方向を所定方向とする)に、施錠角度位置Xまで約80度回転させると、図3(b)に示すようにキーボックス64内のサブキー130とサブロータ80のロータ本体84とが半径方向に対向する(図4、図5参照)。
【0042】
この施錠角度位置Xにおいては、第2のロック手段のサブタンブラ188先端のサブタンブラピン186がピン溝166から外方に突出し、サブキー130のキー溝136に嵌ると共に、駆動板198先端の駆動ピン196がスリット170から外方に突出し、サブキー130の駆動溝140に嵌る。従って、サブロータ80と係合ボックス110間のシアライン190が開放されて第2のロック手段が解除状態となり、係合ボックス110に対するサブロータ80の相対的回動が許容される。
【0043】
キーボックス64内に挿入したサブキー130を反時計方向(所定方向)に回転させて上記施錠角度位置Xに合致させる際には、サブロータ80の外周円弧部92より外方に突出している駆動板198先端の駆動ピン196とサブタンブラ188先端のサブタンブラピン186の先端突出部をキーボックス64の両側縁に設けられた傾斜状の押圧ガイド75により順次サブロータ80のロータ本体84内に押し込みつつ回動させることになり、そして施錠角度位置Xにおいては、図4に示すように、駆動ピン196及びサブタンブランピン186が、ばね194及び184の作用によりサブキー130の駆動溝140及びキー溝136に嵌り込むので、スムーズにサブキー130をサブロータ80と一致させて、シアライン190を開放して第2のロック手段を解除状態とすることができる。また、サブキー130の移動に際してはその内面がベース盤106上のキーガイド116の外周面に沿って移動するため、キーボックス64から外れることはない。
【0044】
図3(b)に示す施錠角度位置X、即ち、第2のロック手段が解除状態になる位置から続いてメインキー15を反時計方向(所定方向)に回してメインロータ4を回転させると、サブキー130の駆動溝140に嵌っている駆動ピン196の側面が駆動溝の直角面200にて押され、これにより、サブロータ80はサブキー130を挿入したキーボックス64と共に図3(c)に示す第2のロック手段のロック解除維持角度位置Zまで回転し、このロック解除維持角度位置Zまで回動すると、ストッパ114に当接してサブロータ130の回動が停止する。このロック解除維持角度位置Zでは、サブロータ80の下面に設けたロータピン88が共に回転し、アーム100を介して角芯96が反時計方向に回転し、この角芯96と連結されているロックバー212のロック状態が解除される。従って、この図3(c)に示す状態において、メインシリンダ6を回すことによりスピンドル52を介してラッチボルト213を作動することによりドアを開閉することができる。
【0045】
なお、サブロータ80の移動の際、ばね184、194にて外方に付勢されている係合ボックス110内のサブドライバ182、192は、サブロータ80の内面に連続的に延長して設けられている円弧状のロータガイド86により外方に突出することなく係合ボックス110内に止まっている。また、この位置では、サブロータ80の端面がベース盤106上のストッパ114に当接して仮止め状態(例えば磁石による吸着)になっている。
【0046】
図3(c)に示す状態からメインキー15を時計方向(所定方向と反対方向)に回転させて、図3(d)に示すように、キーボックス64をカバー38のキー窓50に対応する位置、即ち、サブキー挿入角度位置Yまで戻すと、別体のフック(図示せず)にてサブキー130をキーボックス64から抜き取り、その後、メインキー15を逆に反時計方向(所定方向)に回転させてキーボックス64を図3(a)に示す元の位置、即ち、施錠角度位置Xまで戻し、メインキー15をメインロータ4のキー孔14から抜く。
【0047】
サブキー130をキーボックス64と共に回転させてサブロータ80から引き離す際、サブキー130に設けられているキー溝134、136、138や駆動溝140は、図4に示すように、その一方(回転方向の後ろ側)が傾斜面139、202に形成されているので、サブタンブラピン186や駆動ピン196の先端部はこの傾斜面139、202に沿って徐々にサブロータ80の内面側に押し込められるようになり、これによって、サブキー130はスムーズに回転する。
【0048】
第2のロック手段のロック解除維持角度位置Zでは、角芯96が回動されてロックバー212によるドアのロックが解除されており、また、サブロータ80はストッパ114と仮止め状態に保持されて移動しないため、メインシリンダ6の回転によりスピンドル52を介して、ラッチボルト213を作動し、ドア210を開閉することができる。なお、この状態でキーボックス64に異物等を詰めるようないたずらをしようとしても、キーボックス64はカバー38の天板40にて遮蔽され、かつ、キー窓50とキーボックス64の位置は図のようにずれているため、錠の機能を不能にするようないたずらはできない。
【0049】
この施錠装置を施錠する場合、図3(d)に示す第2のロック手段のロック解除維持角度位置Zにおいて、メインロータ4のキー孔14にメインキー15を差し込み、時計方向(所定方向と反対方向)に約110度回転させると、遮蔽円板60と共に作動棹66が回転し、この作動棹66により図3(d)に示す状態から角芯96のアーム100が押され、続いてこのアーム100によりサブロータ80のロータピン88が押され、図3(e)に示すように、サブロータ80が図3(a)に示す施錠角度位置Xに戻る。この施錠角度位置Xに戻ると、角芯96が元の角度位置、即ちロックバー212のロック位置に戻されると共に、サブドライバ182がサブタンブラ188に作動してシアライン111を閉じ、第2のロック手段はロック状態となる。
【0050】
その後、メインキー15を逆に反時計方向(所定方向)に回してキーボックス64を施錠角度位置Xとサブキー挿入角度位置Yとの中間の位置、即ち図3(a)に示す状態の位置に位置付け、この状態にてメインキー15を引き抜くことにより、第1及び第2の両ロック手段が共にロック状態(施錠状態)となる。サブロータ80を図3(d)の状態から時計方向(所定方向と反対方向)に回転させる際、サブタンブラ188から外方に突出しているサブタンブラピン186や駆動ピン196の先端部は、係合ボックス110の外周縁に延長して設けられているタンブラガイド112の外面に沿って徐々にサブロータ80内に押し込まれながら回転し、これにより、サブロータ80をスムーズに図3(e)の元のロック状態に戻すことができる。
【0051】
前記の実施形態においては、前記第2ロック手段におけるロータ本体84と係合ボックス110間のシアライン190の面を、メインロータ4の中心より離れた位置において比較的大きく確保することができるため、サブドライバ182、192の数やその太さを大きなものとすることができ、第2ロック手段を強固なものとすることができる。従って、シアライン190を跨ぐサブドライバ182、192は、横断面が横長状、即ち、図2における上下方向の厚さに対して回転方向の幅寸法(図4における上下幅)が大きいものを採用することができ、このため回転方向の耐せん断力が大きく、破壊され難くなる。
【0052】
また、この実施形態においては、駆動ピン196の先端が、複数のいずれのキー溝の底の位置より外方に突出するように形成されているため、仮に、キーボックス64内に柔軟物質を充填してサブタンブラピン186の出没状態を型取りしたとしても、この柔軟物質をキーボックス64から引き抜くためにキー窓50の位置まで回転させる際に、前記駆動ピン196の先端部にて全てのキー型を欠き削って消してしまうようになり、それ故に、サブキー130の模造を完全に防止することができる。
【0053】
実施の形態2
次に、図7〜図12を参照して、本発明に従う施錠装置の第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態の施錠装置の分解斜視図であり、図8は、第2のロック手段を解除した状態の縦断側面図(図9(a)におけるD−D断面図)であり、図9は、作動手順を示す説明図で、(a)〜(e)は図8におけるE−E断面図であり、図10は、第2のロック手段におけるタンブラ部分の断面拡大斜視図であり、図11は、サブキーの拡大斜視図であり、図12は、図8のF−F断面図である。

図7(a)は、下面が開放する角箱状のカバー338を示し、このカバー338は天板340を備え、この天板340の中央部に穴342が設けられると共に、この天板340の右方外周部近傍にキー窓350が設けられ、また、左方の側面下部に角穴344が設けられている。このキー窓350の平面形状は、図示例の場合、上側が尖った変形楔状で、キー窓350の外側縁が前記中央の穴342を中心とする円弧349に形成されている。
【0054】
図7(b)は、前記キー窓350の下面に位置する遮蔽円板360を示し、この遮蔽円板360は円板本体362を備え、円板本体362の中央に後記するメインロータ304のキー孔314に挿入するメインキー315が嵌る長孔368とその外方下面に二本のピン370とが設けられ、またその外周部下面にキーボックス364が設けられている。前記キーボックス364は、上面が前記カバー338のキー窓350と実質上同形の縦孔状で、外面が円弧372に形成され、円板本体362下部のキーボックス364において、この円弧372の部分は開口部374となっている。また、このキーボックス364には、開口部374の時計方向端縁に、内方に向けて延びるタンブラ用の押圧ガイド375が設けられている。
【0055】
図7(c)は、長手の角筒状ケース396内に往復スライド可能に設けられたドアをロックするためのロックバー398を示し、このロックバー398には、後記のサブロータ380の連結ピン388が嵌る連結用の長孔394が後部に設けられている。
図7(d)は、サブロータ380を示し、このサブロータ380は、リング390の一部から外方に延びる帯板382の外周縁に上方に向けて設けた一定長さの肉厚円弧状のロータ本体384を備え、このロータ本体384の外周縁には、そこから時計方向に延長して延びる円弧板状のロータガイド386が設けられていると共に、帯板382と反対側には、リング390を突出させて形成した張り出し爪395が設けられ、この張り出し爪395に連結ピン388が設けられている。このロータ本体384の内周円弧部392は、前記キー窓350の外周円弧349やキーボックス364外側の円弧372と実質上同一の曲率半径になっている。
【0056】
図7(e)は、ベース盤406を示し、このベース盤406は角板状のベース盤本体408を備え、ベース盤本体408の上面右部には係合ボックス410が設けられ、またその内面には、反時計方向に外方に向かう案内傾斜板411を介して円弧板状のタンブラガイド412が設けられ、このタンブラガイド412先端部の内側にはストッパ414が設けられていると共に、このストッパ414の反時計方向やや内側にガイドストッパ418が設けられ、また前記係合ボックス410の時計方向やや内側に円弧板状のキーガイド416が設けられている。ベース盤本体408の略中心部には、メインロータ304と、その外周に位置するシリンダ306とからなるシリンダ錠本体302が設けられ、これらメインロータ304とメインシリンダ306の間には、図8に示すように第1のロック手段として、複数のタンブラ308とドライバ310がばね312を介して配置され。メインロータ304、メインシリンダ306及び第1のロック手段が第1のロック機構を構成している。
【0057】
このような構成であるので、キー孔314へメインキー315を挿入すると、第1のロック手段のタンブラ308を介して前記メインロータ304とメインシリンダ306との間に跨って位置しているドライバ310が移動し、これによって、第1のロック手段のシアライン318が開放され、第1のロック手段がロック解除状態となってメインロータ304の回動が許容される。そして、前記メインロータ304の上面には、前記遮蔽円板360下面に設けられたピン370が嵌る連結孔328が設けられている。
【0058】
なお、前記係合ボックス410は、その内周面が、前記サブロータ380のロータ本体384の外周面と実質上同一の曲率半径になっており、また、円弧板状のキーガイド416は、その内周面が、前記サブロータ本体384の内周円弧部392と実質上同一の曲率半径で、前記係合ボックス410の右端部内方から図9に示すように時計方向に約150度の範囲にわたって設けられている。また、前記タンブラガイド412の先端部内側に設けられているストッパ414は、磁石製で前記サブロータ380の当たりとなっている。このストッパ414は磁石製でなくてもよく、前記サブロータ380の側端部が当接した際に一定の力、即ち、後記する図9(c)の状態から後記するサブキー430を時計方向に移動させて離す際に、サブロータ380がサブキー430と共に移動せず、メインキー315の回転力では容易に離れて移動するものであればよい。
【0059】
図7(f)は、前記キー窓350からキーボックス364に挿入されるサブキー430を示し、このサブキー430は、横断面がほぼ楔型で柱状に形成されている。このサブキー430の外側面は前記キー窓350の外側の円弧349及びキーボックス364の外側の円弧372と実質上同一の曲率半径であって、その円弧状の外側面には、上下方向に複数のキー溝434及び436が形成され、これら複数のキー溝434及び436の側部に、縦長状の駆動溝440が形成され、その上面に釣孔442が設けられている。
【0060】
前記サブロータ380のロータ本体384、ベース盤406の係合ボックス410及びサブキー430との関係は、図10及び図12に示すように構成されている。即ち、ロータ本体384には、その外面のロータ本体384の時計方向側(図12において上側)に角型の横長状タンブラ溝454及び456が回転方向と上下方向に少し位相をずらして設けられていると共に、その奥部の内周円弧部392側に角型のピン溝464及び466が設けられている。また、前記ロータ本体384の反時計方向側(図12において下側)には、中間部に縦長状駆動板用の摺動溝460が設けられると共に、その奥部の内周円弧部392側に縦長状のスリット470が設けられている。一方、ベース盤406の係合ボックス410には、その内面に前記サブロータ380に設けた各タンブラ溝454及び456に対応して実質上同形の深孔状のドライバ溝474及び476が設けられている。
【0061】
前記サブロータ380のロータ本体384とベース盤406の係合ボックス410との間には、第2のロック手段として、例えば、各ドライバ溝474及び476に、それぞれ実質上同形で角型のサブドライバ482がばね484と共に装填され、また、前記の各タンブラ溝454及び456には、先端に角型細径のサブタンブラピン486を有するサブタンブラ488が装填され、この各ドライバ溝474及び476と各タンブラ溝454及び456とが図12のように合致すると、ばね484の作用により各サブドライバ482と各サブタンブラ488が二点鎖線にて示すように外方に移動して各サブドライバ482がサブロータ380のロータ本体384と係合ボックス410間のシアライン490を跨いで、サブロータ380の回転がロックされ、従って第2のロック手段がロック状態になる。
【0062】
また、図12における下方の前記摺動溝460には、ばね494を介して先端に細幅の駆動ピン496を有する縦長状駆動板498が装填され、この縦長状駆動板498は図12に示すように他のタンブラ溝とドライバ溝とが合致したときでも、サブキー430の有無に関係なく、サブロータ380と係合ボックス410間のシアライン490を跨がないようになっている。そして、前記駆動板498の先端は、前記複数のいずれのキー溝の底の位置より内方に突出するように形成されている。
【0063】
また、前記サブキー430の各キー溝434及び436は、それぞれ前記サブロータ380のピン溝464及び466に対応して設けられ、各キー溝434及び436の側部にすり鉢状の傾斜部439が設けられている。また、前記サブキー430に設けられている縦長状の駆動溝440は、図12に示すように、反時計方向側がスリット470に沿う直角面400に形成され、反対の時計回り側には傾斜面402が形成されていて、その高さは、側部の上下方向に設けられている複数のキー溝434及び436の上下位置の寸法より高く形成されている。
【0064】
第2の実施形態においては、上述したように、前記のメインロータ304とメインシリンダ306との間に配置されている第1のロック手段と、前記第1のロック手段のロック状態を解除するためのメインキー315が第1のロック機構を構成し、ドアに取り付けられた前記ベース盤406と、前記第1のロック手段のメインロータ304に連結された遮蔽円板360と、この遮蔽円板360に対して相対的に回転可能に配置されたサブロータ380と、前記ベース盤406とサブロータ380との間に介在された第2のロック手段と、前記第2のロック手段のロック状態を解除するためのサブキー430と、前記ベース盤406に取り付けられ、前記遮蔽円板360を覆うカバー338が第2のロック機構を構成している。
【0065】
次に、第2の実施形態の施錠装置の組み立て順序を、図8及び図9を参照しながら説明する。
(ヘ)ベース盤406の中央に設けられたシリンダ錠本体302のシリンダ306の外周部に、サブロータ380のリング390を嵌め込む。
(ト)サブロータ380の連結ピン388にロックバー398の後端の長孔394を通し、ロックバー398の先端部がベース盤406の左端縁より出没するように角筒状ケース396をベース盤406の左下方に固定する。
【0066】
(チ)遮蔽円板360のキーボックス364をベース盤406のキーガイド416の内面に位置付けて、遮蔽円板360の下面のピン370をメインロータ304上面の連結孔328に嵌め込んで固定する。
(リ)最後に、カバー338の角穴344を前記角筒状ケース396に嵌め込むようにして、カバー338をベース盤406に固定する。
【0067】
前記各部材の組立てに関する回転方向の位置関係は、次の通りである。ロックバー398が框214に嵌り込んでいるロックの状態(図8に示す状態)において、図9の(a)に示すように、ベース盤406の係合ボックス410とサブロータ380のロータ本体384とが施錠角度位置Xにて対応し、カバー338のキー窓350が前記施錠角度位置Xに対して時計方向約70度のサブキー挿入角度位置Yに位置し、遮蔽円板360のキーボックス364が前記サブキー挿入角度位置Yに対して時計方向約35度に位置し、サブロータ380の連結ピン388が前記キーボックス364の位置に対してさらに時計方向約50度の位置、即ちロックバー398のロック位置Vに位置する。
【0068】
次に、第2の実施形態の施錠装置の作動手順について、図9に基づき説明する。
図9(a)に示す、第1及び第2のロック手段が共に施錠状態(ロック状態)で、ドア210側のロックバー398の先端が框214側に突出しているドアの施錠状態において、メインロータ304のキー孔314にメインキー315を挿入すると、図8に示すように、第1のロック手段の各タンブラ308が作動し、メインロータ304とシリンダ306間のシアライン318に跨って配置されていたドライバ310が移動してシアライン318が開放され、第1のロック手段がロック解除状態となって、メインロータ304とシリンダ306の回転が許容される。この状態からメインキー315を反時計方向(この反時計方向を所定方向とする)にサブキー挿入角度位置Yまで約35度回転させると、遮蔽円板360のキーボックス364とカバー338のキー窓350とが合致する。このサブキー挿入角度位置Yの状態において。キー窓350を通して別体のサブキー430をキーボックス364内に挿入し、その後、メインキー315を反時計方向(所定方向)に施錠角度位置Xまで約70度回転させると、図9(b)に示すように、キーボックス364内のサブキー430がサブロータ380のロータ本体384に対応する位置(図12参照)まで移動する。この位置においては、第2のロック手段におけるサブタンブラ488先端のサブタンブラピン486がピン溝464から内方に突出してサブキー430のキー溝434に嵌ると共に、駆動板498先端の駆動ピン496がスリット470から内方に突出してサブキー430の駆動溝440に嵌る。従って、サブロータ380と係合ボックス410間のシアライン490が開放されて、第2のロック手段がロック解除状態となり、サブロータ380と係合ボックス410との相対的回転が許容される。
【0069】
前記のキーボックス364内にサブキー430を挿入した状態にて、このサブキー挿入角度位置Yからサブキー430を反時計方向(所定方向)に回転させるに際しては、サブキー430はキーガイド416の内周面に沿って進むためにキーボックス364から外れることはなく、キーボックス364がサブロータ380の内周円弧部392に合致する手前から、キーボックス364の反時計側の側縁に設けられた傾斜状の押圧ガイド375により、ロータ本体384の内方に突出している駆動板498先端の駆動ピン496とサブタンブラ488先端のサブタンブラピン486の先端突出部を順次ロータ本体384内に押し込みつつ回動させ、これによって、上述したと同様に、スムーズにサブキー430をサブロータ380と一致させることができる。
【0070】
図9(b)に示す第2のロック手段が解除された状態から続いてメインキー315によりメインロータ304を反時計方向(所定方向)に、第2のロック手段のロック解除維持角度位置Zまで約30度回転させると、図12に示すように、サブキー430の駆動溝440に嵌っている駆動ピン496の側面が駆動溝の直角面400にて押され、これによって、サブロータ380はサブキー430を挿入したキーボックス364と共に図9(c)に示すロック解除維持角度位置Z状態まで回転する。かくロック解除維持角度位置まで回動すると、サブロータ380はストッパ414に、またキーボックス364は反時計方向先端の押圧ガイド375の先端がガイドストッパ418に当接し、その回動が停止する。この回動に伴い、サブロータ380におけるロータ本体384の反対側に設けた連結ピン388が共に反時計方向に回転し、この連結ピン388に連結されているロックバー398が右方の解除位置Uまで摺動し、ロックバー398の先端部が框214から引き抜かれて角筒状ケース396内に収まる。この位置では、サブロータ380の端面がベース盤406上のストッパ414に当接して仮止め状態(例えば磁石による吸着)に保持され、ドア210は開閉し得る状態となる。
【0071】
なお、前記サブロータ380の移動の際、ばね484にて内方に付勢されている係合ボックス410内のサブドライバ482は、サブロータ380の時計方向外面に連続的に延長して設けられている円弧状のロータガイド386により内方に突出することなく係合ボックス410内に止まっている。
図9(c)に示す状態からメインキー315を時計方向(時計方向を所定方向と反対方向とする)に回転させて、図9(d)に示すように、キーボックス364をカバー338のキー窓350の位置、即ち、サブキー挿入角度位置Yまで戻し、別体のフック(図示せず)をサブキー430上面の釣孔442に引っ掛けてサブキー430をキーボックス364から抜き取り、その後、メインキー315をさらに時計方向(所定方向と反対方向)に約35度回転させてキーボックス364を図9(a)に示す元の位置まで戻し、メインキー315をメインロータ304のキー孔314から抜く。
【0072】
前記のサブキー430をキーボックス364と共にロック解除維持角度位置Zから時計方向に回転させてサブロータ380から引き離す際、サブキー430に設けられているキー溝434及び136と駆動溝440には、図12に示すように、その一方(回転方向の後ろ側)に傾斜面439、402が形成されている故に、サブタンブラピン486及び駆動ピン496の先端部はこの傾斜面439、402に沿って徐々にサブロータ380の内部に押し込められるようになり、サブキー430をスムーズに回転させることができる。この状態においては、図9(d)に示すように、サブロータ380はストッパ414と仮止め状態に保持されていて移動しないため、ドア210はロックバー398によるロックが解かれた状態を保っており、従ってドア210を自由に開閉することができる。なお、このメインキー315を外した状態でキーボックス364に異物等を詰めるようないたずらをしようとしても、キーボックス364はカバー338の天板340にて遮蔽され、かつ、キー窓350とキーボックス364の位置は図9(a)に示すように周方向にずれているため、施錠装置の機能を不能にするようないたずらは実質上不可能となる。
【0073】
第2の実施形態の施錠装置を施錠する場合、図9(d)に示す第2のロック手段におけるサブロータ380のロータ本体384がロック解除維持角度位置Zにあり、この状態から反時計方向に約85度回転させると、遮蔽円板360と共にキーボックス364が回転し、キーボックス364の時計方向先端部にて前記ロックバー398の後端部を押圧して、ロックバー398の先端部を図9(e)に示すように角筒状ケース396から框214側へ突出してドア210を施錠状態とする。これと同時に、ロータ本体384もストッパ414から離れて時計方向に回転し、図9(a)の施錠角度位置Xに戻った際、第2のロック手段の角サブタンブラ488がサブドライバ482とばね484を介してロータ本体384の内側に突出し、サブドライバ482がシアライン490を跨ぎ、第2のロック手段が施錠状態(ロック状態)となり、ベース盤406に対するサブロータ380の相対的回転は実質上不可能となる。この施錠角度位置Xにてメインキー315を図9(a)の元の状態まで戻して引き抜くと、第1及び第2のロック手段が施錠状態となり、ドア210のロック状態が維持される。
【0074】
前記のサブロータ380をロック解除維持角度位置Zから時計方向(所定方向と反対方向)に回転させて施錠角度位置Xに移動させる際、サブロータ380のロータ本体384内のサブタンブラ488は、通常、重力により図9(d)に示す状態を保っているため特に問題はないが、このサブタンブラ488が、何らかの事情で上方(外方)に突出していた場合でも、係合ボックス410の反時計側に設けた案内傾斜板411によりサブタンブラ488はロータ本体384の内部に徐々に押し込まれながら回転するようになり、これにより、サブロータ380をスムーズに図9(e)の元のロック状態に戻すことができる。
【0075】
この第2の実施形態においても、前記第1の実施形態と同様に、前記第2ロック手段におけるロータ本体384と係合ボックス410間のシアライン490の面を、メインロータ304の中心より離れた位置において比較的大きく確保することができるため、サブドライバの数やその太さを大きなものとすることができ、第2のロック手段を強固なものとすることができる。従って、シアライン490を跨ぐサブドライバ482は、横断面が横長状、即ち、図8における上下方向の厚さに対して回転方向の幅寸法(図12における上下幅)を大きくすることができ、このため回転方向の耐せん断力が大きく、破壊されにくいものにすることができる。
【0076】
また、この第2の実施形態においても、駆動ピン496の先端が、複数のいずれのキー溝の底の位置より外方に突出するように形成されているため、仮に、キーボックス364内に柔軟物質を充填してサブタンブラピン486の出没状態を型取りしたとしても、この柔軟物質をキーボックス364から引き抜くためにキー窓350の位置まで回転させる際に、前記駆動ピン496の先端部にて全てのキー型を欠き削って消してしまうようになり、これによって、サブキー430の模造を完全に防止することができる。
【0077】
なお、前記の各実施の形態においては、メインシリンダと、前記メインシリンダに対して回転可能であるメインロータとの間に、第1のロック手段を設け、前記メインロータに前記第1のロック手段を解除するためのメインキーを挿入するためのキー孔を設け、前記キー孔にメインキーを挿入して回動することにより、前記メインロータと一体的に連結された第2のロック機構におけるキーボックスを備えた遮蔽円板を回動させて第2のロック機構における第2のロック手段を解除する形態について説明したが、前記の第1のロック手段については必ず必要とするものではない。即ち、前記メインシリンダとメインロータ間の第1のロック手段を省き、メインロータのキー孔に代えて適宜な形状の操作孔を設け、また、前記メインキーに代えて前記操作孔に嵌る回動操作具とし、この回動操作具を前記メインロータの操作孔に差し込んで回動させるようにしてもよい。この場合、第2のロック手段は、そのままの構成のものがロック手段となり、第2のロック機構は、そのままの構成のものがロック機構となる。
【0078】
また、前記の第1のロック手段を省略した形態においては、メインシリンダやメインロータを設けず、回動操作具にて直接遮蔽円板を回転させるようにしてもよい。
以上、本発明に従う施錠装置の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0079】
例えば、前記実施の形態1においては、メインキーの操作手順として、前記第1のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを所定方向と反対方向に回動すると前記サブキー挿入角度位置に位置し、前記サブキー挿入角度位置から前記メインキーを前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記施錠角度位置に位置し、前記第2のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを前記所定方向にさらに回動すると前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置に位置するようにして、メインキーの回転角度範囲を比較的小さくすることにより、施錠装置の施錠解除操作を比較的に容易に行うことができるようにしたが、これを実施の形態2のように、前記第1のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを所定方向に回動すると前記サブキー挿入角度位置に位置し、前記サブキー挿入角度位置から前記メインキーをさらに前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記施錠角度位置に位置し、前記第2のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーをさらに前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置に位置するようにしてもよい。また、前記とは逆に、実施の形態2におけるメインキーの操作手順を、実施の形態1の操作手順のようにしてもよい。
【0080】
また、図示しないが、前記実施の形態2において、ドアの内側とベース盤の本体に横長の開口を設けると共にロックバーにおける連結ピンと結合させている長孔も横長とし、前記ロックバーの下面に操作レバーを設け、ドアの内側から前記ロックバーを操作できるようにしてもよい。
さらに、前記実施の形態1、2においては、いずれも回転する形態の施錠装置について説明したが、例えば、第1のロック機構と第2のロック機構とを所定の間隔を設けて直線的に配置し、サブロータ(スライド式では「サブスライダー」となる)やキーボックスについてもキー窓を備えたチャネル状カバーの外部から直線的にスライド可能としてもよい。このスライドする形態においては、前記第1のロック手段の施錠位置において第1のロック機構のキー孔にメインキーを挿入すると、第1のロック手段のロック状態が解除されてキーボックスの移動が許容され、この状態においてメインキーを移動すると、前記第2のロック機構のキーボックスが移動され、メインキーをサブキー挿入位置まで移動させると、第2のロック機構のカバーのキー窓とキーボックスとが合致し、この状態においてキー窓を通してキーボックスにサブキーを挿入してメインキーを第2のロック手段の施錠位置まで移動すると、第2のロック手段のロック状態が解除されてサブスライダーの移動が許容され、この状態からメインキーを第2のロック手段のロック解除維持位置まで移動すると、サブキーとともにサブスライダーが移動して第2のロック手段のロック状態が解除されるとともにこの状態が維持されるようになる。
【0081】
前記スライドする形態における、第1のロック手段の施錠位置、サブキー挿入位置、第2のロック手段の施錠位置及び第2のロック手段のロック解除維持位置は、それぞれ、前記回転する形態の施錠装置における、第1のロック手段の施錠角度位置、サブキー挿入角度位置、第2のロック手段の施錠角度位置及び第2のロック手段のロック解除維持角度位置に対応し、前記各請求項に記載の「角度」を付した位置の表現は、前記スライドする形態における「角度」を付さない位置の表現を含む概念である。
【0082】
【発明の効果】
前記請求項1に記載の施錠装置においては、メインロータとメインシリンダ間に介在させた第1のロック手段に対し、仮にピッキングが成功してメインロータが回転可能になったとしても、第2のロック手段のロック状態を解除することはできない。従って、施錠装置のロック状態を実質上解除することはできず、かくしてこの施錠装置を取り付けたドア等を開閉することは実質上不可能である。また、仮に、ピッキング等によってメインロータを回転させて第2のロック機構のキーボックスとカバーのキー窓とを一致させたとしても、キーボックスに挿入する特殊形状のサブキーを所持していなければ、第2ロック機構のロック状態を解除することができない。さらに、第2ロック手段におけるロータ本体と係合ボックス間のシアラインの面を、メインロータの中心より離れた位置において比較的大きく確保することができるため、サブドライバの数やその太さを大きなものとすることができ、第2ロック手段を強固なものとすることができる。従って、本発明に係る施錠装置は、安全性が高く、防犯的にも極めて優れたものである。
【0083】
また、前記請求項2に記載の施錠装置においては、前記請求項1に記載の効果に加えて、メインキーを第2のロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、第2のロック手段のロック状態が解除されるとともに角芯が回動してロックバーのロック状態が解除されるため、この状態において第1のロック機構のメインシリンダを回動すると、スピンドルを介してドアと係合しているラッチボルトが移動され、ドアを開放することができる。
また、前記請求項3に記載の施錠装置においては、前記請求項1に記載の効果に加えて、メインキーを第2ロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、サブロータを介して、ドアをロックするためのロックバーが移動され、これによってロックバーのロック状態を解除してドアを開放することができる。
【0084】
また、前記請求項4に記載の施錠装置においては、前記請求項1に記載の効果に加えて、第1のロック手段の施錠角度位置からメインキーを所定方向と反対方向に回動してサブキー挿入角度位置に位置付け、その後所定方向に回動して第2のロック手段の施錠角度位置に位置付け、その後更に所定方向に回動して第2のロック手段のロック解除維持角度位置に位置付けるので、メインキーの回転角度範囲を比較的小さくして、施錠装置の施錠解除操作を比較的に容易に行うことができる。
【0085】
また、前記請求項5に記載の施錠装置においては、前記請求項1に記載の効果に加えて、第1のロック手段の施錠角度位置からメインキーを所定方向に回動してサブキー挿入角度位置に位置付け、その後所定方向に回動すると第2のロック手段の施錠角度位置に位置し、その後さらに所定方向に回動すると第2のロック手段のロック解除維持角度位置に位置するので、メインキーの回動方向を特に気にすることなく施錠装置の施錠状態を解除することができる。
また、前記請求項6に記載の施錠装置においては、第1のロック手段が不要となるため、構造が簡単で価格の低廉化が図れる。
このように本発明に係る施錠装置は、いずれも安全性が高く、防犯的に極めて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う施錠装置の第1の実施形態を分解して示す分解斜視図。
【図2】図1の施錠装置における第2のロック手段を解除した状態の縦断側面図(図3の(b)におけるA−A線による断面図)。
【図3】図1の施錠装置の作動手順を示す説明図で、(a)は平面図、(b)〜(e)は図2におけるB−B線による断面図。
【図4】図1の施錠装置の第2のロック手段におけるタンブラ部分を拡大して示す拡大断面図。
【図5】図4のC−C線による断面図。
【図6】図1の施錠装置のロータ本体の内面図。
【図7】本発明に従う施錠装置の第2の実施形態を分解して示す分解斜視図。
【図8】図7の施錠装置の第2のロック手段を解除した状態を示す縦断側面図。(図9の(a)におけるD−D線による断面図)。
【図9】図7の施錠装置の作動手順を示す説明図で、(a)〜(e)は図8におけるE−E線における断面図。
【図10】図7の施錠装置の第2のロック手段におけるタンブラ部分を拡大して示す断面拡大斜視図。
【図11】図7の施錠装置のサブキーを拡大して示す拡大斜視図。
【図12】図8のF−F線による断面図。
【符号の説明】
2、302 シリンダ錠
4、304 メインロータ
6 メインシリンダ
30 連結リング
38、338 カバー
50、350 キー窓
52 スピンドル
54 スピンドル本体
60、360 遮蔽円板
64、364 キーボックス
66 作動棹
75、375 押圧ガイド
80、380 サブロータ
84、384 ロータ本体
88 ロータピン
96 角芯
100 アーム
102 連結リング
106、406 ベース盤
110、410 係合ボックス
112、412 タンブラガイド
116、416 キーガイド
130、430 サブキー
211 錠本体ケース
212、398 ロックバー
213 ラッチボルト
388 連結ピン

Claims (6)

  1. メインシリンダと、前記メインシリンダに対して回転可能であるメインロータと、これらの間に介在された第1のロック手段と、前記第1のロック手段のロック状態を解除するためのメインキーと、を備えた第1のロック機構と、
    ドアに取り付けられたベース盤と、前記ベース盤に設けられた係合ボックスと、前記第1のロック手段の前記メインロータに連結された遮蔽円板と、前記遮蔽円板に対して相対的に回転可能であるサブロータと、前記係合ボックスと前記サブロータとの間に介在された第2のロック手段と、前記第2のロック手段のロック状態を解除するためのサブキーと、前記ベース盤に取り付けられ、前記遮蔽円板を覆うカバーと、を備えた第2のロック機構と、を具備し、
    前記第1のロック機構の前記メインロータには、前記メインキーが挿入されるキー孔が設けられており、
    前記第2のロック機構の前記遮蔽円板には、前記サブキーが挿入されるキーボックスが設けられ、前記カバーには、前記キーボックスに対応してキー窓が設けられており、
    前記第1のロック手段の施錠角度位置において前記第1のロック機構の前記メインロータの前記キー孔に前記メインキーを挿入すると、前記第1のロック手段のロック状態が解除されて前記メインシリンダに対する前記メインロータの回動が許容され、この状態において前記メインキーを回動すると、前記第1のロック機構の前記メインロータを介して前記第2のロック機構の前記遮蔽円板が回動され、前記メインキーをサブキー挿入角度位置まで回動させると、前記第2のロック機構の前記カバーの前記キー窓と前記遮蔽円板の前記キーボックスとが合致し、この状態において前記キー窓を通して前記キーボックスに前記サブキーを挿入して前記メインキーを前記第2のロック手段の施錠角度位置まで回動すると、前記第2のロック手段のロック状態が解除されて前記サブロータの回動が許容され、この状態から前記メインキーを前記第2のロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、前記サブキーとともに前記サブロータが移動して前記第2のロック手段のロック状態が解除されるとともにこの状態が維持されることを特徴とする施錠装置。
  2. 前記第1のロック機構の前記メインシリンダに関連して、ドアと係合しているラッチボルトを移動させるためのスピンドルが設けられており、また、前記第2のロック機構の前記サブロータに関連して、ドアをロックするためのロックバーを作動する角芯が設けられており、前記メインキーを前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置まで回動すると、前記第2のロック手段のロック状態が解除されて前記角芯が回動され、この角芯の回動により前記ロックバーが移動して前記ロックバーのロック状態が解除され、この状態において前記第1のロック機構の前記メインシリンダを回動すると、前記スピンドルを介して前記ラッチボルトが移動され、これによって前記ラッチボルトのドアとの係合状態が解除されてドアが開閉できることを特徴とする請求項1記載の施錠装置。
  3. 前記第2のロック機構の前記サブロータには、ドアをロックするためのロックバーが連結されており、前記メインキーを前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置まで回動すると、前記サブロータの回動によって前記ロックバーが移動され、これによって前記ロックバーのロック状態が解除されることを特徴とする請求項1記載の施錠装置。
  4. 前記第1のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを所定方向と反対方向に回動すると前記サブキー挿入角度位置に位置し、前記サブキー挿入角度位置から前記メインキーを前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記施錠角度位置に位置し、前記第2のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを前記所定方向にさらに回動すると前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の施錠装置。
  5. 前記第1のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーを所定方向に回動すると前記サブキー挿入角度位置に位置し、前記サブキー挿入角度位置から前記メインキーをさらに前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記施錠角度位置に位置し、前記第2のロック手段の前記施錠角度位置から前記メインキーをさらに前記所定方向に回動すると前記第2のロック手段の前記ロック解除維持角度位置に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の施錠装置。
  6. メインシリンダと、前記メインシリンダに対して回転可能であるメインロータと、前記メインロータを回動させる回動操作具と、ドアに取り付けられたベース盤と、前記ベース盤に設けられた係合ボックスと、前記メインロータに連結された遮蔽円板と、前記遮蔽円板に対して相対的に回転可能であるサブロータと、前記係合ボックスと前記サブロータとの間に介在されたロック手段と、前記ロック手段のロック状態を解除するためのキーと、前記ベース盤に取り付けられ、前記遮蔽円板を覆うカバーと、を備えたロック機構と、を具備し、
    前記メインロータには、前記回動操作具が挿入される操作孔が設けられており、 前記ロック機構の前記遮蔽円板には、前記キーが挿入されるキーボックスが設けられ、前記カバーには、前記キーボックスに対応してキー窓が設けられており、
    前記メインロータの前記操作孔に前記回動操作具を挿入して回動すると、前記メインロータを介して前記ロック機構の前記遮蔽円板が回動され、前記回動操作具をキー挿入角度位置まで回動させると、前記ロック機構の前記カバーの前記キー窓と前記遮蔽円板の前記キーボックスとが合致し、この状態において前記キー窓を通して前記キーボックスに前記キーを挿入して前記回動操作具を前記ロック手段の施錠角度位置まで回動すると、前記ロック手段のロック状態が解除されて前記サブロータの回動が許容され、この状態から前記回動操作具を前記ロック手段のロック解除維持角度位置まで回動すると、前記キーとともに前記サブロータが移動して前記ロック手段のロック状態が解除されるとともにこの状態が維持されることを特徴とする施錠装置。
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