JPH0738605Y2

JPH0738605Y2 - 車両用ドアロック装置

Info

Publication number: JPH0738605Y2
Application number: JP13139789U
Authority: JP
Inventors: 重宣黒木; 淳剛篠原; 正美田中
Original assignee: 株式会社本田ロック
Priority date: 1989-11-10
Filing date: 1989-11-10
Publication date: 1995-09-06
Anticipated expiration: 2004-11-10
Also published as: JPH0374765U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、車両用ドアロック装置に関するものである。

（従来技術）従来、この種の車両用ドアロック装置においては、降車
時の操作性を向上させるべく、ロック状態でもロックノ
ブを解錠することなしにインサイドハンドルの引操作の
みでドアが開放すると共に、ロック状態からアンロック
状態にさせるようにしたものが知られている。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、上記従来のものでは、インサイドハンド
ルを引くと、解錠（ロッキングレバーがロック位置から
アンロック位置へ回動）と開扉とを同時に行うため、車
外へ出た後に車両から離れる場合には、再度キーによる
施錠あるいはキーレスロックによる施錠を行う必要があ
り、操作上煩雑になるという不具合がある。

（課題を解決するための手段）本考案は、従来技術の上記のような問題点を解決するこ
とを目的とするものであり、その手段として、ロック状
態のときにはアウトサイドハンドルを操作しても開扉不
能であるが、インサイドハンドルを操作すると開扉可能
である車両用ドアロック装置において、ラチェットを開
扉方向に変位させるオープンレバーとインサイドハンド
ルに連結するインレバーとは常に連携するように連結す
ると共に、ロック状態でインサイドハンドルを引いたと
きには、オープンレバーは開扉方向にラチェットを変位
させるが、ロッキングレバーはロック位置からアンロッ
ク位置へ反転しないようにしたものである。また、エン
ジンキーがキースイッチに挿入された状態でかつドアが
開放された状態では、ロッキングレバーをアンロック位
置に回動させる駆動手段を設けるようにしたものであ
り、これにより車内にキーを置き忘れたままドアを施錠
してしまうことを防止するようにしたものである。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係る車両用ドアロック装置におけるド
ア閉，ロック状態を示す背面図、第２図は第１図におけ
るＡ−Ａ断面図、第３図はドア閉，ロック状態を示す正
面図である。

第３図に示すように、車両のドア側に組み込まれるドア
ロック本体の合成樹脂製のボディ１の表側には、その略
中央部に車両側のピラーに固設されたストライカ２を進
入させるための進入路３と凹所４とが形成されており、
該凹所４内には、前記ストライカ２に係合して閉扉方向
（反時計方向）に回動するラッチ５と、該ラッチ５の外
周面に設けた係合段部（後述するハーフ係合段部６また
はフル係合段部７）に係合してラッチ５を閉扉位置に保
持するラチェット８とが前記進入路３を挟んでそれぞれ
配設されている。

前記ラッチ５は、シャフト９により回動自在に軸支され
ている。ラッチ５の背面にはピン10が突設されており、
該ピン10は前記ボディ１に形成された円弧溝11内に摺動
自在に配置されている。そして、該円弧溝11の一端面と
前記ピン10との間には、スプリング12が圧縮状態で保持
されており、これによりラッチ５は常に閉扉方向（時計
方向）に付勢されている。このラッチ５は、公知の略円
板状の回転ラッチであり、ドア閉時に前記ストライカ２
が係入すべくその半径方向には係合溝13が穿設されてお
り、該係合溝13を挟んで形成される２つの脚部には、後
述するラチェット８の係止面14に噛合するハーフ係合段
部６とフル係合段部７とが各々形成されている。前記ラ
チェット８もまた、略円板状をしており、前記ラッチ５
との対向面は、ラッチ５の回動軌跡に沿って円弧状に切
欠いたカム面15と、該カム面15に連続して円周方向に形
成された係止面14と、該係止面14の端部より半径方向に
突出した突部16とから成っている。ラチェット８の下方
には、該ラチェット８の外周に沿ってスプリング取付け
溝17が形成されている。そして、該スプリング取付け溝
17の一端面と前記突部16の下面との間には、スプリング
18が圧縮状態で保持されており、これによりラチェット
８は常にラッチ５と係合する方向（反時計方向）に付勢
されている。尚、このラチェット８には、その背面にシ
ャフト19を挟んで係止面14と対向する側にラチェットピ
ン20が植設されており、該ラチェットピン20はボディ１
の切欠穴21より背面側に臨ませてある（第１図参照）。

第１図，第２図に示すように、前記ボディ１の背面側に
は、バックプレート22が取り付けられており、該バック
プレート22には、一端がアウトサイドハンドル（図示せ
ず）に連結されるアウトレバー23と、一端がインサイド
ハンドル（図示せず）に連結されるオープンレバー25と
が同軸上に軸支されており、その下側には、一端がドア
シリンダ錠（図示せず）に連結され他端がロックノブ
（図示せず）に連結されるロッキングレバー24が軸支さ
れている。

前記アウトレバー23の一端部とバックプレート22の上方
に設けた係止部26との間には、スプリング27が係止され
ており、これによりアウトレバー23は常に閉方向（時計
方向）に付勢されている。そして、このアウトレバー23
はアウトサイドハンドルの操作により連結ロッド28を介
して反時計方向に揺動させることができるようにされて
いる。

前記オープンレバー25は、その略中央部が前記アウトレ
バー23に重合して同軸上にバックプレート22に軸支さ
れ、一端はラチェット８の前記ラチェットピン20に当接
している。また、オープンレバー25には、その他端側に
長孔25aが穿設されており、該長孔25aには後述するリン
ク29の一端に突設したロッド29bが摺動自在に嵌入され
ている。

前記ロッキングレバー24は、バックプレート22に軸支さ
れ３つのアーム24a,24b及び24cが形成されている。ロッ
キングレバー24のアーム24cは、揺動レバー31を介して
ドアシリンダ錠（図示せず）に連結されており、該ドア
シリンダ錠を操作することによりロッキングレバー24を
ロック位置IIあるいはアンロック位置Ｉに回動させてド
アロック装置の施解錠を行うことができるようにされて
いる。また、ロッキングレバー24のアーム24bは、ロッ
ド33を介してドアの内側に設けたロックノブに連結され
ており、該ロックノブを操作することにより、ロッキン
グレバー24をロック位置IIあるいはアンロック位置Ｉに
回動させてドアロック装置の施解錠を行うことができる
ようにされている。

また、ロッキングレバー24のアーム24bには、車内のマ
ニュアルスイッチ37によって制御される電動ドアロック
装置の電磁ソレノイド34により駆動される駆動ロッド34
aが連結されており、該駆動ロッド34aを上下動させるこ
とにより、ロッキングレバー24をロック位置IIあるいは
アンロック位置Ｉに回動させることができるようにされ
ている。

また、ロッキングレバー24のアーム24aには、リンク29
の一端が回動自在に連結されており、該リンク29の他端
より垂下してアウトレバー23とオープンレバー25との回
動軌跡内に臨ませたロッド29bはオープンレバー25の前
記長孔25aに摺動自在に嵌入されている。このため、ロ
ッキングレバー24を回動させれば、リンク29の前記ロッ
ド29bをオープンレバー25の長孔25a内で変位させること
ができる。そして、ロッキングレバー24がアンロック位
置Ｉにあるときには、リンク29のロッド29bは前記長孔2
5aの左端に位置している。この場合には、アウトサイド
ハンドルを操作することにより、アウトレバー23をスプ
リング27の付勢力に抗して反時計方向に揺動させ、アウ
トレバー23の押当部23aによってリンク29のロッド29bを
下動させれば、オープンレバー25を揺動させることがで
きる。従って、オープンレバー25にラチェットピン20を
介して連結されているラチェット８を回動させることが
できるので、ラッチ５とラチェット８との係合を解くこ
とができる。一方、ロッキングレバー24がロック位置II
にあるときには、リンク29のロッド29bはアウトレバー2
3の切欠23bとの対向位置に移動しているので、アウトサ
イドハンドルを操作してアウトレバー23を開方向（反時
計方向）に揺動させても、ロッド29bはアウトレバー23
に形成した切欠23bに嵌入するだけでリンク29（すなわ
ちオープンレバー25）を揺動させることができない。従
って、オープンレバー25にラチェットピン20を介して連
結されているラチェット８を回動させることはできない
ので、ラッチ５とラチェット８との係合を解くことはで
きず、所謂空振りロックされた状態となる。

また、前記バックプレート22には、その立上げ部22aに
インサイドハンドルに連結するインレバー32が回動軸38
により枢支されている。インレバー32の一端は連結ロッ
ド（図示せず）を介してインサイドハンドルに連結され
ており、他端はオープンレバー25の一端に当接した状態
にされている（第２図）。これにより、インサイドハン
ドルの引操作を行えば、インレバー32の先端が、オープ
ンレバー25の一端に設けられた折曲片25bを介してオー
プンレバー25を押し上げ、切欠穴21内のラチェットピン
20を上動させる。従って、ラチェット８は第３図におけ
る時計回りに回動してラッチ５を開放する。すなわち、
インサイドハンドルの引き操作では、ロッキングレバー
24の状態に関わりなく直接オープンレバー25を回動させ
ることができる。

次に、ロック状態で車内側からドアを開放するときの作
動を説明する。

まず、第１図，第３図のドア閉・ロック状態でインサイ
ドハンドルの引操作を行うと、前述のように連結ロッド
を介してインレバー32が回動し、該インレバー32が折曲
片25bを介してオープンレバー25を第１図の反時計回り
に直接回動させる。すると、このオープンレバー25の一
端に当接するラチェットピン20を押し上げラチェット８
を第３図の時計方向に回動させることができるので、該
ラチェット８とラッチ５との係合を解いてラッチ５を開
扉位置に復帰させることができる。このように、インサ
イドハンドルを引いたときには、アウトサイドハンドル
側リンク機構を全く動かすことなく直接オープンレバー
25を回動させてドアを開扉することができる。このよう
にして、ロック状態においてもロックノブを解錠するこ
となしにインサイドハンドルの引操作のみでドアを開放
することができる。尚、上記のようにしてドアを開放し
た状態においては、ロッキングレバー24は依然としてロ
ック位置IIのままである。

上述したように、ドア閉・ロック状態で車内からインサ
イドハンドルの引操作を行うと、ドアは開放されるが、
ロッキングレバー24は依然としてロック位置IIのままで
ある。従って、このままドアを閉めさえすれば、ドアが
施錠される。

ところで、このように全く意識的な操作をすることな
く、キーを閉めるだけでドアのロックを可能としたので
は、キーを車内に置き忘れたままドアを施錠してしまう
恐れがある。かかるミス操作を回避するため本考案で
は、電気的な解錠手段を取り入れた。すなわち、ロッキ
ングレバー24のアーム24bに、前述したように電磁ソレ
ノイド34により駆動される駆動ロッド34aを連結し、電
磁ソレノイド34にドアスイッチ35とキー検出スイッチ36
とを直列に接続した。そして、エンジンキーがキースイ
ッチに挿入された状態でドアを開放すると、前記ドアス
イッチ35とキー検出スイッチ36とが共にオンとなって前
記電磁ソレノイド34にアンロック信号が送出され、これ
により電磁ソレノイド34の駆動ロッド34aが上動してロ
ッキングレバー24をアンロック位置Ｉへ回動させるよう
にした。従って、このドア開状態でロックノブを再度押
し込んでも、前述のように強制的にアンロックされるの
で、キーを車内に置き忘れてドアをロックすることを防
止することができる。この場合には、キースイッチから
エンジンを抜き取り、それからロックノブを操作してロ
ッキングレバー24をロック位置IIに回動させた後にドア
を閉じると、ドアはロックされることになる。

尚、上記実施例においては、電動ドアロック装置を電磁
ソレノイドにより構成しているが、これに限定されるも
のではなく、モータ等の他の駆動手段で構成してもよ
い。

（考案の効果）本考案では、以上のようにして車両用ドアロック装置を
構成したことにより、ロッキングレバーがロック位置に
あっても、インサイドハンドルの引き操作により開扉可
能であり、しかもロッキングレバーはロック位置からア
ンロック位置へ反転しないので、ドライバーが車外へ出
てドアを閉めるだけでドアは施錠状態となり、その結
果、あらためてキーによる施錠あるいはキーレスロック
による施錠を行う必要がないので、操作性が向上すると
共に、施錠忘れすることがなく安全であるというすぐれ
た効果がある。また、エンジンキーがキースイッチに挿
入された状態でかつドアが開放された状態では、ロッキ
ングレバーをアンロック位置に回動させる駆動手段を設
けたことにより、キーを車内に置き忘れたままドアを施
錠してしまうことを防止することができるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ドアロック装置におけるド
ア閉，ロック状態を示す背面図、第２図は第１図におけ
るＡ−Ａ断面図、第３図はドア閉，ロック状態を示す正
面図である。８……ラチェット、20……ラチェットピン 24……ロッキングレバー 25……オープンレバー、32……インレバー 34……電磁ソレノイド、34a……駆動ロッド 35……ドアスイッチ、36……キー検出スイッチ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ロック状態のときにはアウトサイドハンド
ルを操作しても開扉不能であるが、インサイドハンドル
を操作すると開扉可能である車両用ドアロック装置にお
いて、ラチェットを開扉方向に変位させるオープンレバ
ーとインサイドハンドルに連結するインレバーとは常に
連携するように連結すると共に、ロック状態でインサイ
ドハンドルを引いたときには、オープンレバーは開扉方
向にラチェットを変位させるが、ロッキングレバーはロ
ック位置からアンロック位置へ反転しないようにしたこ
とを特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項２】ロック状態のときにはアウトサイドハンド
ルを操作しても開扉不能であるが、インサイドハンドル
を操作すると開扉可能である車両用ドアロック装置にお
いて、ラチェットを開扉方向に変位させるオープンレバ
ーとインサイドハンドルに連結するインレバーとは常に
連携するように連結すると共に、ロック状態でインサイ
ドハンドルを引いたときには、オープンレバーは開扉方
向にラチェットを変位させるが、ロッキングレバーはロ
ック位置からアンロック位置へ反転しないようにする一
方、エンジンキーがキースイッチに挿入された状態でか
つドアが開放された状態では、ロッキングレバーをアン
ロック位置に回動させる駆動手段を設けたことを特徴と
する車両用ドアロック装置。