JP4548519B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極を有する放電ランプを備える光源装置及びその駆動方法、並びに、かかる光源装置を組み込んだプロジェクタに関する。
放電発光型の光源装置に組み込まれる超高圧水銀ランプの電極は、点灯時間とともに消耗し、アークの長さや位置が変化し、放電の起点が一箇所に安定せず、フリッカを発生する。これを解決するために、定常時に電流量を一時的に大きくして、電極先端を溶融することによって表面を平滑化し、そこに新たに突起を形成する技術が知られている(特許文献1参照)。
特許第3840054号公報
しかし、定常電力での点灯動作中に電流値を変化させると、光源の照度が連動して変化するため、投影像の明るさが変化し、映像機器としての性能に悪影響を及ぼすおそれがある。また、劣化があまり進行していない段階では、電極先端が比較的正常な形状であり、この時に電極先端の溶融を行うと、不必要にアーク長を長くする結果となる。
そこで、本発明は、定常電力での点灯動作中に照度変動が生じることを抑制しつつ、電極の状態を改善することを可能にする光源装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述の光源装置を組み込んだプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の光源装置は、
相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、
前記第1電極及び前記第2電極に交流でエネルギーを供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的エネルギーを供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極と前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間に該電極に供給する累積エネルギーを前記定常動作中よりも大きくする溶融駆動を含む初期動作とを行う駆動部と
を備え、
前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時のうち少なくとも前記定常動作に切り替わる直前の期間を含む立上動作期間において、前記少なくとも一方の電極に供給される電流値を、時間と共に増加させる。
本発明に係る第2の光源装置は、
相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、
前記第1電極及び前記第2電極に交流でエネルギーを供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的エネルギーを供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極と前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間に該電極に供給する累積エネルギーを前記定常動作中よりも大きくする溶融駆動を含む初期動作とを行う駆動部と
を備え、
前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時において、前記少なくとも一方の電極に供給される電流値を、前記初期動作の始期より後に設けた立上動作の終期に増大させる。
本発明の他の形態としての光源装置は、(a)相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、(b)第1電極及び第2電極に定常的エネルギーを供給する定常動作と定常動作を行う前に定常動作とは異なる動作で第1電極及び第2電極にエネルギーを供給する初期動作とを行う駆動部と、を備え、(b1)駆動部が、前記初期動作において、第1電極及び第2電極のうち少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積を、定常動作中の定格駆動時における少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積よりも大きくする溶融駆動を行う。
上記光源装置では、駆動部が初期動作において第1電極及び第2電極の少なくとも一方の電極の先端側を溶かす溶融駆動を行うことができる。この溶融駆動では、初期動作中のいずれかのタイミングにおいて、少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積を、定常動作中の定格駆動時における当該少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積よりも大きくするので、点灯開始の期間を利用した電極の補修や修復が可能になる。つまり、初期動作中の溶融駆動により、一方の電極の先端側に形成された突起状の先端部やその周辺の先端側領域の表面を溶かして滑らかにすることができ、フリッカやアークジャンプの発生を抑えることができる。また、初期動作中の溶融駆動により、一方の電極の先端側に形成された突起状の先端部やその周辺を溶かして滑らかにするとともに突起状の先端部を再生することができ、フリッカやアークジャンプの発生を抑えることができる。結果的に、光源装置からの照明光の照度を維持できるとともに、光源装置を長寿命化できる。以上において、定常動作を中断又は変更することなく電極の溶融体積を増大させるので、定常動作中に溶融駆動によって光源光又は投射像の明るさが変動することを防止できる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、初期動作の溶融駆動と、定常動作の定格駆動とが、いずれも第1電極及び第2電極に交流でエネルギーを供給し、初期動作の溶融駆動時において、少なくとも一方の電極の陽極期間に当該少なくとも一方の電極に供給される累積エネルギーを、定常動作中の定格駆動時における当該少なくとも一方の電極の陽極期間に当該少なくとも一方の電極に供給される累積エネルギーよりも大きくすることによって、溶解部の体積を大きくする。この場合、溶融駆動時における少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時に比較して相対的に増大させることで、少なくとも一方の電極の先端部の温度を確実に高めることができ、先端側の溶解部の体積を所望の程度に増大させることができる。なお、少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される累積エネルギーの調整によって、当該少なくとも一方の電極の先端部の最大温度を高くすることができれば、その溶解部の体積を増加させることができるものと考えられる。さらに、累積エネルギーの調整によって、当該少なくとも一方の電極の陽極期間中の平均温度を高くすることができれば、その溶解部の体積を増加させることができるものと考えられる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、初期動作の通常初期駆動及び溶融駆動と、定常動作の定格駆動とが、いずれも第1電極及び第2電極に交流でエネルギーを供給し、初期動作の溶融駆動時において、少なくとも一方の電極が陽極であるときに当該少なくとも一方の電極の先端部に供給される累積エネルギーを、定常動作中の定格駆動時における当該少なくとも一方の電極の先端部に供給される累積エネルギーよりも大きくすることによって、溶解部の体積を大きくする。この場合、少なくとも一方の電極の先端部に供給される累積エネルギーを定格駆動時に比較して相対的に増大させることで、少なくとも一方の電極の先端部の温度を確実に高めることができ、先端側の溶解部の体積を所望の程度に増大させることができる。なお、少なくとも一方の電極の陽極期間の後半に少なくとも一方の電極に供給される累積エネルギーの調整によって、当該少なくとも一方の電極の先端部の最大温度を高くすることができれば、その溶解部の体積を増加させることができるものと考えられる。さらに、少なくとも一方の電極の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーの調整によって、1サイクル中の平均温度を高くすることができれば、その溶解部の体積を増加させることができるものと考えられる。
本発明の別の態様では、初期動作の溶融駆動と、定常動作の定格駆動とが、いずれも第1電極及び第2電極に交流でエネルギーを供給し、初期動作の溶融駆動時において、少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される電流の最大値を、定常動作中の定格駆動時における当該少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される電流の最大値よりも大きくすることによって、溶解部の体積を大きくする。この場合、溶融駆動時における少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される電流の最大値を定格駆動時に比較して相対的に増大させることで、少なくとも一方の電極の先端部の温度を確実に高めることができ、先端側の溶解部の体積を所望の程度に増大させることができる。なお、少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される電流の最大値の調整によって、当該少なくとも一方の電極の先端部の最大温度を高くすることができれば、その溶解部の体積を増加させることができるものと考えられる。さらに、少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される電流の最大値の調整によって、当該少なくとも一方の電極の陽極期間中又は1サイクル中の平均温度を高くすることができれば、その溶解部の体積を増加させることができるものと考えられる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動時のうち少なくとも定常動作に切り替わる直前の期間を含む立上動作期間において、少なくとも一方の電極に供給される電流値を、時間ととともに増加させる。この場合、少なくとも一方の電極の温度が立上動作中徐々に増加し、当該少なくとも一方の電極において、先端側の溶解部の体積を増大させることができる。
本発明のさらに別の態様では、発光管の消耗の程度を判断する判断部をさらに備え、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、立上動作期間中に少なくとも一方の電極に供給される電流値の増加率を、判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる。この場合、立上動作において、電極の先端側に形成された凹凸が経時劣化に伴って溶かされにくくなる傾向に対処することができる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、少なくとも一方の電極に供給される電流値を、初期動作の始期より後に設けた立上動作の終期に増大させる。この場合、少なくとも一方の電極の温度が立上動作の最終段階で急増し、少なくとも一方の電極において先端側の溶解部の体積を増大させることができる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、第1電極及び第2電極間の電圧が所定電圧値に達した場合に、少なくとも一方の電極に供給される電流値を、所定電圧値に達する前に比較して一時的に増大させる。これにより、電極が十分に予熱された状態で更に温度を上昇させることが可能となり、確実に溶融体積を増大させることができる。
本発明のさらに別の態様では、発光管の消耗の程度を判断する判断部をさらに備え、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、立上動作の終期に少なくとも一方の電極に供給される電流値を、判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる。この場合、立上動作において、電極の先端側に形成された凹凸が経時劣化に伴って溶かされにくくなる傾向に対処することができる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、第1電極及び第2電極間の一方の電極に対する電流に関する陽極デューティ比を定常動作時の定格駆動時よりも大きくする。この場合、当該一方の電極に対する供給エネルギーを相対的に増加させることが出来、溶解体積を確実に増大させることができる。
本発明のさらに別の態様では、発光管の消耗の程度を判断する判断部をさらに備え、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、当該一方の電極に関する陽極デューティ比を、判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる。この場合、立上動作において、電極の先端側に形成された凹凸が経時劣化に伴って溶かされにくくなる傾向に対処することができる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動において、第1電極及び第2電極間に供給する交流電流に、当該一方の電極の陽極と同じ極性の直流電流を重畳する。この場合、当該一方の電極の陽極と同じ極性の直流電流を交流電流に重畳するので、当該一方の電極に対する供給エネルギーを相対的に増加させることができ,溶解体積を確実に増大させることができる。
本発明のさらに別の態様では、発光管の状態を判断する判断部をさらに備え、駆動部は、初期動作の溶融駆動において、第1電極及び第2電極間に供給する交流電流に重畳する直流電流を、判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる。この場合、立上動作において、電極の先端側に形成された凹凸が経時劣化に伴って溶かされにくくなる傾向に対処することができる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動時において、少なくとも一方の電極に対して供給する電流波形を矩形波に三角形状の波形を重畳させ半周期の間に電流が漸増する重畳波とし、溶融駆動時の電流波形の当該少なくとも一方の電極の陽極期間における平均電流値に対する最大電流値の割合は、定常動作の定格駆動における少なくとも一方の電極の陽極期間における平均電流値に対する最大電流値の割合よりも大きい。この場合、一方の電極の温度を相対的に増加させることができ,溶解体積を増大させることができる。
本発明のさらに別の態様では、発光管の状態を判断する判断部をさらに備え、駆動部は、初期動作の溶融駆動時において、溶融駆動時の電流波形の少なくとも一方の電極の陽極期間における平均電流値に対する最大電流値の割合を、判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる。この場合、立上動作において、電極の先端側に形成された凹凸が経時劣化に伴って溶かされにくくなる傾向に対処することができる。
本発明のさらに別の態様では、駆動部が、初期動作の溶融駆動の態様として、1回の溶融駆動につき、第1電極の先端側を第2電極の先端側よりも溶かす第1溶融駆動と、第2電極の先端側を第1電極の先端側よりも溶かす第2溶融駆動のいずれか一方を行うことができ、また、駆動部は、前回の初期動作の溶融駆動として第1溶融駆動を行った場合に今回の初期動作の溶融駆動として第2溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2溶融駆動を行った場合に今回の初期動作の溶融駆動として第1溶融駆動を行うことによって、第1電極及び第2電極を交互に主な溶融対象にする。この場合、第1電極の先端側と第2電極の先端側とをバランスよく溶融することができ、平滑化、修復、又は再生が偏って実行されることを回避できる。
本発明の光源装置の駆動方法は、放電発光型の発光管の第1電極及び第2電極に定常的エネルギーを供給する定常動作と、定常動作を行う前に定常動作とは異なる動作で第1電極及び第2電極にエネルギーを供給する初期動作とを行う光源装置の駆動方法であって、初期動作において、第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積を定常動作中の定格駆動時における少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積よりも大きくする溶融駆動を行う。
上記駆動方法では、初期動作中のいずれかにおいて、少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積を、定常動作中の定格駆動時における少なくとも一方の電極の先端側の溶解部の体積よりも大きくするので、点灯開始の期間を利用した電極の補修や修復が可能になる。よって、光源装置からの照明光の照度を維持できるとともに、光源装置延いてはプロジェクタを長寿命化できる。この際、定常動作を中断することなく電極の溶融体積を増大させるので、実質的な使用開始後に光源光又は投射像の明るさが変動することを防止できる。
なお、溶融部の体積の増加は、発光管内で発生している現象である。そのため、溶融部の体積の増加しているか否かを確実に把握することは、必ずしも容易でない。しかしながら、本発明は、以下の態様の光源装置として把握することができる。また、本発明は、これらの光源装置のみならず、光源装置の駆動方法としての態様で実現することも可能である。
本発明に係る光源装置は、相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、前記第1電極及び前記第2電極に交流でエネルギーを供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的エネルギーを供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極と前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間に該電極に供給する累積エネルギーを前記定常動作中よりも大きくする初期動作とを行う駆動部とを備えるものとしても良い。このように、少なくとも一方の電極の陽極期間に供給される累積エネルギーを定常駆動時よりも大きくすることにより、初期駆動時における当該電極の先端部の温度を高めることができる。そのため、点灯開始の期間を利用して、電極の先端側に形成された突起状の先端部やその周辺の先端側領域の表面を溶かして滑らかにし、フリッカやアークジャンプの発生を抑えることができる。
また、本発明に係る光源装置は、相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、前記第1電極及び前記第2電極に交流でエネルギーを供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的エネルギーを供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極及び前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間の後半に該電極に供給する累積エネルギーを前記定常動作中よりも大きくする初期動作とを行う駆動部とを備えるものとしても良い。このように、少なくとも一方の電極の陽極期間の後半に当該電極に供給する累積エネルギーを大きくすることにより、初期駆動時における当該電極の先端部の温度を高めることができる。そのため、点灯開始の期間を利用して、電極の先端側に形成された突起状の先端部やその周辺の先端側領域の表面を溶かして滑らかにし、フリッカやアークジャンプの発生を抑えることができる。
さらに、本発明に係る光源装置は、相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、前記第1電極及び前記第2電極に交流電流を供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的な電流を供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極及び前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間に供給する電流の最大値を前記定常動作中よりも大きくする初期動作とを行う駆動部とを備えるものとしても良い。このように、少なくとも一方の電極の陽極期間に供給する電流の最大値を大きくすることにより、初期駆動時における当該電極の先端部の温度を高めることができる。そのため、点灯開始の期間を利用して、電極の先端側に形成された突起状の先端部やその周辺の先端側領域の表面を溶かして滑らかにし、フリッカやアークジャンプの発生を抑えることができる。
本発明のプロジェクタは、(a)上述の光源装置と、(b)光源装置からの照明光によって照明される光変調装置と、(c)光変調装置によって形成された像を投射する投射光学系とを備える。
上記プロジェクタでは、上述の光源装置を用いているので、点灯開始の期間を利用した電極の補修や修復が可能になる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である光源装置の構造、動作等について説明する。
〔光源装置の構造及び動作〕
図1は、光源装置100の構造を概念的に説明する断面図である。光源装置100において、放電ランプである光源ユニット10は、放電発光型の発光管1と、楕円型の主反射鏡であるリフレクタ2と、球面状の副反射鏡である副鏡3とを備える。また、光源駆動装置70は、詳細は後述するが、光源ユニット10に交流電流を供給して所望の状態で発光させるための電気回路である。
光源ユニット10において、発光管1は、中央部が球状に膨出した透光性の石英ガラス管から構成され、照明用の光を放射する封体である本体部分11と、この本体部分11の両端を通る軸線に沿って延びる第1及び第2封止部13,14とを備える。
本体部分11内に形成される放電空間12には、タングステン製の第1電極15の先端部分と、同様にタングステン製の第2電極16の先端部分とが所定距離で離間配置されており、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。この本体部分11の両端に延びる各封止部13,14の内部には、本体部分11に設けた第1及び第2電極15,16の根元部分に対し電気的に接続されるモリブデン製の金属箔17a,17bが挿入され、両封止部13,14は、それ自体或いはガラス材料等によって外部に対して気密に封止されている。これらの金属箔17a,17bに接続されたリード線18a,18bに光源駆動装置70により交流パルス状の電力を供給すると、一対の電極15,16間でアーク放電が生じ、本体部分11が高輝度で発光する。
副鏡3は、発光管1の本体部分11のうち、第2電極16がある光束射出前方側の略半分を近接して覆っている。この副鏡3は、石英ガラス製の一体成形品であり、発光管1の本体部分11から前方に放射された光束を本体部分11に戻す副反射部3aと、この副反射部3aの根元部を支持した状態で第2封止部14の周囲に固定される支持部3bとを備える。支持部3bは、第2封止部14を挿通させるとともに、副反射部3aを本体部分11に対してアライメントした状態で保持している。なお、副鏡3は、光の利用効率をあまり問題としない用途において省略することができる。
リフレクタ2は、発光管1の本体部分11のうち、第1電極15がある光束射出後方側の略半分に対向して配置されている。このリフレクタ2は、結晶化ガラスや石英ガラス製の一体成形品であり、発光管1の第1封止部13が挿通される首状部2aと、この首状部2aから拡がる楕円曲面状の主反射部2bとを備える。首状部2aは、第1封止部13を挿通させるとともに、主反射部2bを本体部分11に対してアライメントした状態で保持している。
発光管1は、主反射部2bの回転対称軸又は光軸に対応するシステム光軸OAに沿って配置されるとともに、本体部分11内の第1及び第2電極15,16間の発光中心Oが主反射部2bの楕円曲面の第1焦点F1位置と一致するように配置される。発光管1を点灯した場合、本体部分11の発光中心O周辺のアークから放射された光束は、主反射部2bで反射され、或いは副反射部3aでの反射を経て主反射部2bでさらに反射され、楕円曲面の第2焦点F2位置に収束する光束となる。つまり、リフレクタ2及び副鏡3は、システム光軸OAに対して略軸対称な反射曲面を有し、一対の電極15,16は、その軸心である電極軸をシステム光軸OAと略一致させるように配置されている。
発光管1は、例えば石英ガラス管中に金属箔17a,17bの先端に固定された第1及び第2電極15,16を支持し、両封止部13,14に対応する部分で石英ガラス管を周囲からバーナで加熱して軟化、収縮させるシリンクシールによって作製される。発光管1は、リフレクタ2の首状部2aに第1封止部13を挿入した状態で、無機接着剤Cを注入及び充填して固化することにより固定され、副鏡3は、発光管1の第2封止部14支持部3b挿通させた状態で、無機接着剤Cを注入及び充填して固化することにより固定される。
図2は、図1に示す光源ユニット10を所望の状態で点灯動作させるための光源駆動装置70の構成を模式的に示すブロック図である。
光源駆動装置70は、図1等に示す一対の電極15,16間で放電を行うための交流電流を発生させるとともに、両電極15,16に対する交流電流の供給状態を制御する。光源駆動装置70は、点灯装置70aと、制御装置70bと、DC/DCコンバータ70cとを備える。ここでは、一例として、光源駆動装置70が、外部電源を使用する場合について説明する。つまり、光源駆動装置70は、AC/DCコンバータ81に接続されており、AC/DCコンバータ81は、商用電源90に接続されている。AC/DCコンバータ81は、商用電源90から供給される交流電流を直流に変換する。
点灯装置70aは、図1の光源ユニット10を点灯駆動させる回路部分である。点灯装置70aにより、光源駆動装置70から出力される駆動波形が調整される。ここで、駆動波形は、出力電流又は電圧の周波数、振幅、デューティ比、正負の振幅比、波形特性等を要素とするものであり、点灯装置70aから光源ユニット10に対して、例えば矩形波、三角波、それらの重畳波等の任意の波形特性を有する駆動電流が出力される。
制御装置70bは、例えば、マイクロコンピュータ、メモリ、センサ、インターフェース等から構成される回路ユニットであり、電源であるDC/DCコンバータ70cにて生成された適切な駆動電圧により駆動される。制御装置70bは、点灯装置70aの動作状態を制御する駆動制御部74と、発光管1の状態を判断する判断部75と、点灯装置70aの動作態様すなわち給電条件等の各種情報を記憶するデータ収納部76とを備える。また、制御装置70bは、発光管1の累積点灯時間を計測するためのタイマ77と、発光管1への印加電圧を検出する電圧センサ78とを備える。
駆動制御部74は、データ収納部76等に保管されたプログラムに従って動作する部分である。駆動制御部74は、通常動作において、データ収納部76に保管された初期動作用給電条件及び定常動作用給電条件から発光管1の現状に適合するものを選択するとともに、選択された給電条件に従った初期動作や定常動作を点灯装置70aに行わせる。なお、駆動制御部74は、点灯装置70aと協働して、発光管1に給電して必要な点灯動作を行わせるための駆動部として機能する。本実施形態において、第1電極15及び第2電極16に定常的エネルギーを供給する動作を定常動作とし、定常動作を行う前に定常動作とは異なる動作で第1電極15及び第2電極16にエネルギーを供給する動作を初期動作とする。
判断部75は、発光管1の累積点灯時間がどのレベルにあるかや、発光管1への印加電圧がどのレベルにあるかを判断する部分である。具体的には、発光管1の累積点灯時間が発光管1の劣化段階のどの段階に該当するかや、発光管1への印加電圧が発光管1の劣化段階のどの段階に該当するかを判断する。
データ収納部76は、駆動制御部74の動作用プログラム等のほか、発光管1の初期動作の態様として複数の初期用給電条件を記憶し、発光管1の定常動作の態様として複数の定常用給電条件を記憶する。前者の初期用給電条件には、2以上の初期駆動用給電条件が含まれており、後者の定常用給電条件には、1以上の定常駆動用給電条件が含まれている。具体的には、データ収納部76は、初期動作に含まれる始動時や立上げ時の電流値、周波数等の設定値、増加率、増加タイミング、陽極デューティ比、直流電流の重畳量、矩形波に重畳する各種波形等の各種パラメータを記憶する。また、データ収納部76は、定常動作の定格駆動での電流値、周波数,三角波跳ね上げ率等を記憶する。ここで三角波跳ね上げ率とは,矩形波に三角波を重畳させた重畳波の半周期における、平均電流値に対する最大電流値の割合を指す。
タイマ77は、発光管1の点灯時間をチェックしており、毎回の点灯時間を累積した累積点灯時間を保持する。電圧センサ78は、点灯装置70aを介して発光管1の第1及び第2電極15,16間にかかっている電圧を検出・保持する。
図3は、発光管1内に封入された第1及び第2電極15,16の先端部分の拡大図である。第1及び第2電極15,16は、先端部15a,16aと、本体部15b,16bと、コイル部15c,16cと、芯棒15d,16dとをそれぞれ備える。第1及び第2電極15,16の先端側に塊状の本体部15b,16bを設けることで、熱容量を大きくすることができる。なお、第1及び第2電極15,16の先端部分は、例えば封入前の段階で、芯棒15d,16dにタングステンを巻き付け、これを加熱・溶融することにより形成される。この際、巻き付けられたタングステンのうち溶融されなかった残りの部分がコイル部15c,16cとなる。
図4(A)〜4(C)は、両電極15,16のうち第1電極15に対する溶融駆動時の第1電極15への作用を説明する概念図である。
図4(A)に示す第1電極15の場合、先端部15aの周囲の先端側領域15gにおいて、複数の凹凸61が不規則に発生している。また、先端部15aの表面に、使用の継続によって複数の微小な凹凸63も発生している。この場合、先端部15aと凹凸61,63との間で放電起点が移動する現象、つまりフリッカやアークジャンプが発生する。ここで、フリッカは放電の起点の移動が連続的に起こるものであり、アークジャンプは、当初の放電起点位置から放電起点が完全に移動するものである。フリッカやアークジャンプは、画面のちらつきや照度低下を発生させる。発光管1の初期動作のうち立上げ時において少なくとも第1電極15に対して溶融駆動を行なうと、このような凹凸61,63の表面は、図4(B)に示すように、第1電極15の先端側の温度を上昇させることによって溶かされて溶融部64が形成される。つまり、立上げ時に、光源駆動装置70により、発光管1の現状に適合する溶融駆動が選択されて通電動作が行われることにより、先端部15a等の温度が増加する。ここで行われる溶融駆動は、比較的低レベルの溶融駆動であり、先端部15aや先端側領域15gの適度な温度上昇を確保することができる。これにより、先端部15aを略残したままでの溶融部64を形成することができ、凹凸61,63を平滑化することができる。この際、第1電極15の先端側の溶融部64の体積は、後述する定常動作中の定格駆動時における第1電極15の先端側の溶融部の体積よりも大きくなっている。なお、詳細は省略するが、第1電極15に対向する第2電極16の先端部16aの表面も溶融しているが、この場合、第2電極16に対しては溶融駆動が行なわれておらず通常初期駆動の通電動作が行われており、溶融部の体積が少なく形状が変化しない程度になっている。以上の溶融駆動は、初期動作中に行なわれるので、映像機器としての性能に重大な影響を及ぼすものではない。
以上のような溶融駆動による動作の後は、初期動作を終了して定常動作に移行する。定常動作では、定格駆動が行なわれ、図4(C)に示すように、電極先端部15aの形状が維持される。
なお、以上の説明は、第1電極15についてのものであったが、第2電極16についても、経時的に同様の凹凸61,63が形成されるので、上記と同様の溶融駆動で通電動作させることによって凹凸61,63を平滑化することができる。
また、第1及び第2電極15,16の通電時間が長くなると、両電極15,16が消耗して凹凸61,63の平滑化が必要になるにも関わらず、凹凸61,63は、次第に溶融しにくくなる。そこで、光源駆動装置70の動作により、発光管1の初期動作のうち立上げ時における第1及び第2電極15,16の先端側の温度上昇量を例えば累積点灯時間の増加に伴って徐々に大きくする。これにより、点灯時間が長くなっても凹凸61,63の溶融量を確保することができるので、先端部15a,16aの形状維持が妨げられることを防止できる。ここで、電極15,16の先端側の温度上昇量を増加させる手法としては、例えば(1)初期動作のうち少なくとも定常動作に切り替わる直前の期間を含む立上げ期間に両電極15,16に供給する電流増加率の増大、(2)初期動作の始期より後に設けた立上げ期間の終期における電流設定値の増大、(3)初期動作時の両電極15,16のうち対象とする電極に関する陽極デューティ比の増加、(4)初期動作時の交流電流に対する直流電流の重畳量の増加、(5)初期動作時の矩形波に重畳する各種波形の重畳割合の調整、(6)初期動作時に両電極15,16に供給する電流周波数の低下等が考えられる。以上の手法の(1)〜(6)については、初期動作の溶融駆動時における各電極15,16の陽極期間に供給される累積エネルギーを、定常動作中の定格駆動時における対応電極15,16の陽極期間に供給される累積エネルギーよりも大きくすることで可能にする。また、上記手法(1)〜(6)は、初期動作の溶融駆動時における各電極15,16の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーを、定常動作の定格駆動における対応電極15,16の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーよりも大きくすることで可能にする。また、上記手法(1)〜(6)は、初期動作の溶融駆動時における各電極15,16の陽極期間に供給される電流の最大値を、定常動作の定格駆動における対応電極15,16の陽極期間に供給される電流の最大値よりも大きくすることで可能にする。
図5(A)〜5(C)は、両電極15,16のうち第1電極15に対する修復動作を説明する概念図である。
図5(A)に示す第1電極15の場合、累積点灯時間が増加して劣化が進行し、修復が必要な重度の劣化状態となっている。具体的には、本体部15bの先端側領域15gにおいて、先端部15aに匹敵するサイズの複数の凹凸65が不規則に発生した状態となっている。この場合も、先端部15aと凹凸65との間で放電起点が移動する現象、すなわちアークジャンプやフリッカが発生する。このように第1電極15の劣化が進行した状態になった場合、図5(B)に示す溶融駆動と、図5(C)に示す再生駆動とを選択して実行することによって、第1電極15を劣化前の状態に近い状態に戻すことができる。
具体的には、図5(B)に示すように、初期動作時に、光源駆動装置70により、溶融駆動で通電動作が行われることにより、第1電極15の先端部15a等の温度が増加する。つまり、フリッカやアークジャンプの原因となる凹凸65が発生した第1電極15を通常初期駆動や図4(B)に示す比較的低レベルの溶融駆動の場合以上に加熱する。ここで行われる溶融駆動は、特別動作に対応する比較的高レベルの溶融駆動であり、第1電極15の凹凸65及び先端部15aを溶かして平滑化し、平坦に広がる溶融部62を形成することができる。以上の溶融駆動は、初期動作中に行なわれるので、映像機器としての性能に重大な影響を及ぼすものではない。初期動作において比較的高レベルの溶融駆動を行なった場合は、定常動作において先端部15aを成長させる再生駆動が行なわれる。定常動作の再生駆動では、図5(C)に示すように、発光管1に供給する駆動波形の調整により、図5(B)の平坦な溶融部62中央から良好な形状の先端部15aを成長させることができる。つまり、定常動作時に、光源駆動装置70により、通常動作に対応する定格駆動でなく特別動作に対応する再生駆動を選択して行わせる。この再生駆動により、比較的良好な形状を有し十分な大きさを有する先端部15aを再成長させることができる。以上の再生駆動は、先端部15aを大きく成長させる工程であり、アーク長の緩やかな減少に伴って光源ユニット10の輝度が徐々に増大して投影像の明るさが増していくと考えられるので、ユーザが修復動作の進行を感じる可能性は少なく、映像機器の表示動作が修復に伴って急激に変動する視覚的な意味での表示性能の劣化を防止できる。
なお、以上の説明は、第1電極15についてのものであったが、第2電極16についても、経時的に同様の凹凸65が形成されるので、上記と同様の特別動作に対応する比較的高レベルの溶融駆動で通電動作させることによって凹凸65及び先端部16aを溶かして平滑化するとともに、定常動作において上記と同様の特別動作の再生駆動で通電動作させることによって、比較的良好な形状を有し十分な大きさを有する先端部16aを再成長させることができる。
また、第1及び第2電極15,16の通電時間が長くなると、両電極15,16が消耗して凹凸65の平滑化が必要になるにも関わらず、先端部15a,16aに形成された凹凸65は、次第に溶融しにくくなる。そこで、光源駆動装置70の動作により、発光管1の初期動作における第1及び第2電極15,16の先端側の温度上昇量を例えば累積点灯時間の増加に伴って徐々に大きくする。これにより、発光管1の点灯時間が長くなっても凹凸65の溶融量を確保することができるので、先端部15a,16aの良好な成長が妨げられることを防止できる。ここで、電極15,16の先端側の温度上昇量を増加させる手法としては、例えば(1)初期動作のうち少なくとも定常動作に切り替わる直前の期間を含む立上げ期間に両電極15,16に供給する電流増加率の増大、(2)初期動作の始期より後に設けた立上げ期間の終期における電流設定値の増大、(3)初期動作の両電極15,16のうち対象とする電極に関する陽極デューティ比の増加、(4)初期動作の両電極15,16に対する直流電流の重畳量の増加、(5)初期動作の矩形波に重畳する各種波形の重畳割合の調整、(6)初期動作の時に両電極15,16に供給する電流周波数の低下等が考えられる。上記手法は図4に示す低レベルの溶融駆動に類似するが、低レベルの溶融駆動による電極の先端側の溶融部の体積よりも、高レベルの溶融駆動による電極先端側の溶融部の体積の方が大きくなるように、溶融駆動時に電極に供給されるエネルギーが適宜調整される。
なお、本明細書において、累積エネルギーとは、電極に流入する投入エネルギーP1(後述する)の所定の期間内における時間積分値であり、電流値あるいは陽極期間の増大に伴って増加する。また、後述するように、陽極期間中における投入エネルギーP1は、駆動波形(電流)に単位電流当たりの投入エネルギーである係数αを乗じた値となっている。この係数αは、電極の状態、発光管1内の圧力や、あるいは発光管1の動作状態等によって定まる。そのため、本実施形態では、陽極期間における電流値や陽極期間の長さを調整することにより累積エネルギーを調整している。
〔第1動作例〕
以下、図1に示す光源装置100の溶融駆動での第1動作例について説明する。図6は、本動作例における、発光管1の初期動作から定常動作にかけての光源駆動装置70による通電状態を概念的に説明するグラフである。グラフにおいて、横軸は点灯開始からの経過時間を示し、縦軸は発光管1に供給される電圧(一点鎖線)、電力(破線)、及び電流(実線)を示す。なお、グラフ中、通常初期駆動の通電動作をグラフ中に二点鎖線で示している。
この第1動作例では、60数秒程度の初期動作期間が設けられており、次に定常動作期間が設けられている。初期動作期間は、発光管1に過渡的エネルギー(具体的には過渡的電力)を供給するための期間であり、定常動作期間は、発光管1に定常的エネルギー(具体的には定常的電力)を供給するための期間である。この場合、初期動作期間については、数秒程度の始動期間と、その後の60秒程度の立上げ期間とが設けられている。電圧については、初期動作期間中は徐々に増加し、定常動作期間中は一定値に飽和する。また、電力については、初期動作期間中の立上げ期間において徐々に増加し、定常動作期間中は通常一定値に保たれる定格動作に設定されている。さらに、電流については、絶縁破壊後の初期動作期間中の立上げ期間において一定の割合で徐々に増加し(図中領域A1)、その後の定常動作の開始時に一旦減少し(図中領域A2)、その後の定常動作期間中は略一定値に維持される(図中領域A3)。
この場合、初期動作のうち少なくとも定常動作に切り替わる直前の期間を含む立上げ期間中の領域A1において、第1及び第2電極15,16に供給される電流値を時間ととともに増加させるので、第1及び第2電極15,16の温度が徐々に増加し、立上げ期間の最終段階において、第1及び第2電極15,16の先端側の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時に比較して増大させることができる。なお、図示を省略しているが、図5(B)に示す高レベルの溶融駆動の場合、図4(B)に示す低レベルの溶融駆動に比較して電流増加の勾配を相対的に適宜大きくすることによって溶融体積を大きくする。
なお、以上の説明は、第1及び第2電極15,16の双方について溶解部62,64の体積を増加させるものであったが、第1電極15又は第2電極16のいずれか一方のみについて溶解部62,64の体積を増加させることができる。この場合、図7に示すように、発光管1に供給される交流電流は、例えば第1電極15が陽極となる側でのみ、図6に示されるL11からL13のいずれかのように漸増しており、第2電極16が陽極となる側では図6において二点鎖線で示される通常動作の値B0に保たれている。このように第1電極15及び第2電極16のいずれか一方に対してのみ溶融駆動を行なう場合は、前回の初期動作において第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合は、今回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合には、今回の初期動作の溶融駆動として第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動行うことによって、第1電極15及び第2電極16を交互に主な溶融対象にする。
また、第1及び第2電極15,16の通電時間が長くなって発光管1の劣化が進行すると先端部15a,16aに形成された凹凸61,63,65が次第に溶融しにくくなることを考慮して、累積点灯時間の増加に伴って徐々に電流増加率を大きくすることができる。図6のグラフに示すように、領域A1において、第1及び第2電極15,16に対する電流特性L11は、発光管1の劣化が初期段階の低レベルの溶融駆動に対応するもので、電流増加率(勾配)が最も小さくなっている。また、電流特性L12は、発光管1の劣化がある程度進んだ低レベルの溶融駆動に対応するもので、電流増加率(勾配)が少し大きくなっており、電流特性L13は、発光管1の劣化が更に進んだ低レベルの溶融駆動に対応するもので、電流増加率(勾配)が更に大きくなっている。以上により、発光管1の劣化が進行し溶融しにくくなった電極15,16の先端側の溶融体積を確保するのに十分なエネルギー量が供給されるように発光管1の劣化段階に応じた低レベルの溶融駆動の動作が設定されるので、発光管1の劣化の程度に応じた初期動作が行われることになる。
以上では、説明の便宜上、定常動作期間中すなわち領域A3において通常の定格駆動が行われるものとしているが、必要に応じて、領域A3において再生駆動(図5(C)参照)を行うことができる。
〔第2動作例〕
以下、溶融駆動での第2動作例について説明する。図8は、本動作例における、発光管1の初期動作から定常動作にかけての光源駆動装置70による通電状態を概念的に説明するグラフである。
この第2動作例でも、60数秒程度の初期動作期間が設けられており、次に定常動作期間が設けられている。この場合、供給電流は、絶縁破壊後の初期動作期間中の始期から中盤において比較的大きな一定値に保たれ(図中領域A1)、その後の立上げ時の終期に一旦ピーク状に増加し(図中領域A2)、その後の定常動作期間中において略一定値に維持される(図中領域A3)。第1及び第2電極15,16に対する供給電流の増加タイミングは、例えば第1及び第2電極15,16間の電圧値が予め定めた値に達した時とすることもできるが、点灯すなわち初期動作の開始時刻から予め定めた時間が経過した時とすることもできる。
この場合、立上動作の終期である初期動作の最終段階の領域A2において、第1及び第2電極15,16に供給される電流値を一時的に急増させるので、第1及び第2電極15,16の温度が一時的に上昇し、第1及び第2電極15,16の先端側の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時に比較して増大させることができる。なお、図示を省略しているが、図5(B)に示す溶融駆動の場合、図4(B)に示す溶融駆動に比較して電流増大量を相対的に適宜大きくすることによって溶融体積を大きくする。
なお、以上の説明は、第1及び第2電極15,16の双方について溶解部62,64の体積を増加させるものであったが、第1電極15又は第2電極16のいずれか一方のみについて溶解部62,64の体積を増加させることができる。この場合、図9に示すように、発光管1に供給される交流電流は、例えば第1電極15が陽極となる側でのみ増加しており、第2電極16が陽極となる側で通常動作の値B0に保たれている。このように第1電極15及び第2電極16のいずれか一方に対してのみ溶融駆動を行なう場合は、前回の初期動作において第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合は、今回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合には、今回の初期動作の溶融駆動として第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動行うことによって、第1電極15及び第2電極16を交互に主な溶融対象にする。
また、第1及び第2電極15,16の通電時間が長くなって発光管1の劣化が進行すると先端部15a,16aに形成された凹凸61,63,65が次第に溶融しにくくなることを考慮して、累積点灯時間の増加に伴って徐々に電流値のピーク値を大きくすることができる。図8のグラフに示すように、領域A2において、第1及び第2電極15,16に対する電流特性L21は、発光管1の劣化が初期段階の低レベルの溶融駆動に対応するもので、ピーク時の電流値が最も小さくなっている。また、電流特性L22は、発光管1の劣化がある程度進んだ低レベルの溶融駆動に対応するもので、ピーク時の電流値が少し大きくなっており、電流特性L23は、発光管1の劣化が更に進んだ低レベルの溶融駆動に対応するもので、ピーク時の電流値が更に大きくなっている。以上により、劣化が進行し溶融しにくくなった電極15,16の先端側の溶融体積を確保するのに十分なエネルギー量が供給されるように発光管1の劣化段階に応じた低レベルの溶融駆動の動作が設定されるので、発光管1の劣化の程度に応じた初期動作が行われることになる。
以上では、説明の便宜上、定常動作期間中すなわち領域A3において通常の定格駆動が行われるものとしているが、必要に応じて、領域A3において再生駆動を行うことができる。
〔第3動作例〕
以下、溶融駆動での第3動作例について説明する。図10は、本動作例における、発光管1の初期動作を概念的に説明するグラフである。グラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。また、実線は通常初期駆動初期動作を示し、点線及び一点鎖線の電流特性L31,L33は溶融駆動の初期動作を示す。この第3動作例の場合、溶融駆動の立上げ期間中、第1電極15に対する陽極デューティ比を定格駆動における第1電極15の陽極デューティ比に比較して相対的に増加させている。このような駆動波形によって、溶融駆動時における第1電極15の陽極期間の供給される累積エネルギーを、定格駆動時における第1電極15の陽極期間に供給される累積エネルギーよりも大きくできると共に、溶融駆動時における第1電極15の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における第1電極15の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーよりも大きくでき、第1電極15の先端側の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時に比較して確実に増大させることができる。なお、点線の電流特性L31は、発光管1の劣化が初期段階の少し溶融しにくくなった電極に対する低レベルの溶融駆動に対応するもので、一点鎖線の電流特性L33は、発光管1の劣化が更に進行してかなり溶融しにくくなった電極に対する低レベルの溶融駆動に対応する。
なお、以上の説明は、第1電極15のみについて溶解部62,64の体積を増加させるものであったが、駆動波形の極性を反転させるだけで、第2電極16のみについて溶解部62,64の体積を増加させることもできる。また、初期動作と定常動作とを複数サイクル繰り返す際に、各初期動作の単位で、第1及び第2電極15,16に対して交互に立上げ期間中の陽極デューティ比を増加させることにより、両電極15,16先端側の溶解部62,64の体積を交互に増加させることができる。または、各初期動作の単位で、第1電極15及び第2電極16のいずれか一方に対してのみ溶融駆動を行なう場合は、前回の初期動作において第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合は、今回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合には、今回の初期動作の溶融駆動として第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動行うことによって、第1電極15及び第2電極16を交互に主な溶融対象にする。
図11は、溶融駆動において陽極デューティ比を増加させる効果を具体的に説明するグラフである。図11(A)は、図10同様に駆動波形の一例を示し、図11(B)は、第1電極15の先端部15aの温度を示す。図11(A)において、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。この場合、駆動波形の周波数は100Hzとし、第1電極15に対する陽極デューティ比を60%としている。また、平均の電力は170Wとなっている。図11(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。また、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。
一方、図12(A)は、比較のためのグラフであり、定常動作の定格駆動時での駆動波形の一例を示し、図12(B)は、図12(A)の駆動波形を用いた場合の第1電極15の先端部15aの温度を示す。この場合、図12(A)から分かるように、第1電極15に対する陽極デューティ比を50%としている。また、図12(B)において、図11(B)と同様に、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。図12(B)と図11(B)とを比較すれば明らかなように、第1電極15に対する陽極デューティ比を60%とした場合の方が、陽極デューティ比を50%とした場合に比較して、先端部15aの陽極時の温度(ピーク値及び平均値)、先端部15aの一周期平均の温度が上昇しており、先端部15a及びその周辺の溶融部62,64の体積を増加させ得ることが分かる。
以下、図11(B)及び12(B)に示す温度上昇のシミュレーションの具体的な算出方法について説明する。
図13(A)は、第1電極15の先端側を模式化し、熱の流れを説明する図である。第1電極15の先端部15aには、単位時間当たり、投入エネルギーP1が流入し、境界15hの接触面積Sを経て本体部15bに伝達エネルギーP2として流出する。ここで、投入エネルギーP1は、第1電極15に供給されるエネルギーのうち熱エネルギーになるものであり、伝達エネルギーP2は、先端部15aから本体部15bに熱伝導されるエネルギーである。投入エネルギーP1は、発光管1に供給される駆動波形と連動した値であり、駆動波形と同じように時間変化する。例えば第1電極15が陽極時の投入エネルギーP1は、陽極時の駆動波形に係数αを乗じたものであり、第1電極15が陰極時の投入エネルギーP1は、陽極時の駆動波形に係数βを乗じたものとできる。また、伝達エネルギーP2は、先端部15aと本体部15bとの温度差によって生じる熱の流れである。
図13(B)は、第1電極15に対する交流型の駆動波形を示すグラフである。図示のように、駆動波形は、周期がPであり、一周期を例えば数10分の1である単位時間Δtに分割して考える。ここで、n番目の分割部分について着目すると、先端部15aにおける熱のやり取りを考えるため、この分割部分の初めの時点における先端部15aの温度をTnとし、この分割部分の終わりの時点における先端部15aの温度をTn+1とする。ここで、n番目の分割部分における投入エネルギーP1nとし、n番目の分割部分における伝達エネルギーP2とすると、先端部15aに流入する熱量の合計は、P1n×Δtとなり、先端部15aから流出する熱量の合計は、P2n×Δtとなるので、先端部15aに蓄積される熱量の合計は、(P1n−P2n)×Δtとなる。ここで、先端部15aの熱容量をCとすると、蓄積された熱量による先端部15aの温度変化ΔTnは、
ΔTn=(P1n−P2n)×Δt/C … (1)
となる。よって、
Tn+1=Tn+ΔTn=Tn+(P1n−P2n)×Δt/C … (2)となり、各分割部分における温度上昇を算出することができる。実際に温度を計算する際には、T1を適当な値に定め、上記式(1),(2)からT1,T2,T3,…の順に温度上昇を計算する。また、伝達エネルギーP2を計算する際には、接触面積Sや熱伝導率λを考慮するとともに、境界条件として本体部15bの温度を適当な値に定める。なお、図11(A)や11(B)の温度を算出する際には、本体部15bの温度を3500Kとした。以上により、先端部15aの一周期の温度変化特性を算出することができる。温度変化特性は、駆動波形のパターンに応じて変化するものであり、駆動波形のパターン毎の温度変化状態を相対的に比較することができる。
〔第4動作例〕
以下、溶融駆動での第4動作例について説明する。図14は、本動作例における、発光管1の初期動作を概念的に説明するグラフである。グラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。また、実線は通常初期駆動の初期動作を示し、点線及び一点鎖線の電流特性L41,L43は溶融駆動の初期動作を示す。この第4動作例の場合、溶融駆動の立上げ期間中、直流電流を重畳することによって、第1電極15に対する電流値をC0からC1,C2に増加させている。これに伴い,第2電極16に対する電流値は,2C0−C1,2C0−C2に減少させている.このような駆動波形によって、溶融駆動時における第1電極15の陽極期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における第1電極15の陽極期間に供給される累積エネルギーよりも大きくできると共に、溶融駆動時における第1電極15の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における第1電極15の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーよりも大きくでき、さらに、溶融駆動時における第1電極15の陽極期間に供給される電流の最大値を、定常動作中の定格駆動時における第1電極15の陽極期間に供給される電流の最大値よりも大きくすることができる。これにより、第1電極15の先端側の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時に比較して確実に増大させることができる。なお、点線の電流特性L41は、発光管1の劣化がある程度進行して少し溶融しにくくなった電極に対する低レベルの溶融駆動に対応するもので、一点鎖線の電流特性L43は、発光管1の劣化が更に進行してかなり溶融しにくくなった電極に対する低レベルの溶融駆動に対応する。
なお、以上の説明は、第1電極15のみについて溶解部62,64の体積を増加させるものであったが、駆動波形の極性を反転させるだけで、第2電極16について溶解部62,64の体積を増加させることもできる。また、初期動作と定常動作とを複数サイクル繰り返す際に、各初期動作の単位で、第1及び第2電極15,16に対して交互に立上げ期間中に重畳する直流電流の極性を変えることにより、両電極15,16先端側の溶解部62,64の体積を交互に増加させることができる。または、各初期動作の単位で、第1電極15及び第2電極16のいずれか一方に対してのみ溶融駆動を行なう場合は、前回の初期動作において第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合は、今回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合には、今回の初期動作の溶融駆動として第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動行うことによって、第1電極15及び第2電極16を交互に主な溶融対象にする。
図15は、溶融駆動において直流電流を重畳する効果を具体的に説明するグラフである。図15(A)は、図14同様に駆動波形の一例を示し、図15(B)は、第1電極15の先端部15aの温度を示す。図15(A)において、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。この場合、駆動波形の周波数は100Hzとし、第1電極15が陽極となる側に元の矩形波の10%の大きさの直流電流を重畳している。また、平均の電力は170Wとなっている。図15(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。また、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。なお、図15に対する比較例としての、直流電流の重畳のないグラフは、図12に示す定常動作の定格駆動の駆動波形等と同じものとなっている。
図15(B)と図12(B)とを比較すれば明らかなように、第1電極15側に10%の直流電流を重畳した場合の方が、直流電流の重畳のない場合に比較して、先端部15aの陽極時の温度(ピーク値及び平均値)、先端部15aの一周期平均の温度及び陽極期間の平均温度が上昇しており、また先端部15aの陽極時の温度が後半で全体的に上昇しており、先端部15a及びその周辺の溶融部62,64の体積を増加させ得ることが分かる。
〔第5動作例〕
以下、溶融駆動での第5動作例について説明する。図16(A)は、本動作例における、発光管1の初期動作を概念的に説明するグラフである。グラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。この第5動作例の場合、溶融駆動の立上げ期間中、矩形波に漸増する三角波を重畳させた重畳波が供給されており、その平均電流値は、D0に維持されているが、重畳波のピーク値は、D1になっている。ここで、平均電流値D0に対するピーク値D1の比を重畳波の三角波跳上げ率とすると、三角波跳上げ率D1/D0は、矩形波の三角波跳上げ率1よりも増加している。三角波跳上げ率の調整により、第1及び第2電極15,16の陽極時の後半に両電極15,16の温度を所望の程度に高めることができる。このような重畳波によって、溶融駆動時における第1電極15及び第2電極16のそれぞれの陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における対応電極の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーよりも大きくでき、第1電極15及び第2電極16の先端側の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時に比較して確実に増大させることができる。なお、図16(B)において、点線の電流特性L52は、発光管1の劣化がある程度進行して少し溶融しにくくなった電極に対する低レベルの溶融駆動に対応する重畳波型の駆動波形を示し、一点鎖線の電流特性L53は、発光管1の劣化が更に進行してかなり溶融しにくくなった電極に対する低レベルの溶融駆動に対応する重畳波型の駆動波形を示す。
なお、以上の説明は、第1及び第2電極15,16の双方について溶解部62,64の体積を増加させるものであったが、第1電極15又は第2電極16のいずれか一方のみについて溶解部62,64の体積を増加させることができる。この場合、第1電極15又は第2電極16のいずれか一方が陽極となる際の重畳波の三角波跳上げ率のみを増加させる。さらに、各初期動作の単位で、第1及び第2電極15,16に対して交互に立上げ期間中の三角波跳上げ率を増加させるならば、両電極15,16の先端側を交互にバランス良く加熱することができる。または、各初期動作の単位で、第1電極15及び第2電極16のいずれか一方に対してのみ溶融駆動を行なう場合は、前回の初期動作において第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合は、今回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合には、今回の初期動作の溶融駆動として第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動行うことによって、第1電極15及び第2電極16を交互に主な溶融対象にする。
図17は、溶融駆動において三角波を重畳する効果を具体的に説明するグラフである。図17(A)は、図16(A)同様に駆動波形の一例を示し、図17(B)は、第1電極15の先端部15aの温度を示す。図17(A)において、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。この場合、駆動波形の周波数は100Hzとし、重畳波の三角波跳上げ率を20%としている。また、平均の電力は170Wとなっている。図1(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。また、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。
一方、図18(A)は、比較のためのグラフであり、定常動作の定格駆動の駆動波形の一例を示し、図18(B)は、図18(A)の駆動波形を用いた場合の第1電極15の先端部15aの温度を示す。この場合、図18(A)から分かるように、重畳波の三角波跳上げ率10%としている。また、図18(B)において、図17(B)と同様に、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。図18(B)と図17(B)とを比較すれば明らかなように、三角波跳上げ率20%とした場合の方が、三角波跳上げ率10%とした場合に比較して、先端部15aの陽極時の温度(ピーク値及び平均値)、及び先端部15aの一周期平均の温度が上昇しており、また先端部15a,16aの陽極時の温度が後半でより大きく上昇しており、先端部15a,16a及びその周辺の溶融部62,64の体積を増加させ得ることが分かる。
なお、第5動作例においては、矩形波に漸増する三角波を重畳させることにより、重畳波のピークの位置を陽極期間の終端にしているが、ピークの位置を陽極期間中の任意のタイミングにすることも可能である。例えば、矩形波に漸減する三角波を重畳して、ピークの位置が陽極期間の前端となるようにしても良い。この場合、第1電極15及び第2電極16のそれぞれの陽極期間の前半期間に供給される累積エネルギーは、溶融駆動時において定格駆動時よりも大きくなる。一般に、陽極期間の少なくとも一部において電極に供給される累積エネルギーを定格駆動時よりも高くすることにより、電極15,16の温度を所望の程度に高めることができる。そのため、第1電極15及び第2電極16の先端側の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時に比較して確実に増大させることができる。但し、陽極から陰極に切り替わる際の電極15,16の温度をより高くし、アークの位置をより安定化することができる点で、重畳波のピークの位置を陽極期間の終端とするのがより好ましい。
〔第6動作例〕
以下、溶融駆動での第6動作例について説明する。図19(A)は、本動作例における、発光管1の初期動作を示し、図19(B)は、第1電極15の先端部15aの温度を示す。図19(A)において、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。この場合、駆動波形の周波数は100Hzとし、矩形波の前後半周期の後端部分に前半の40%の高さを有するパルス波を重畳した駆動波形なっている。また、平均の電力は170Wとなっている。一方、図19(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。また、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。
一方、図20(A)は、比較のためのグラフであり、定常動作の定格駆動の駆動波形の一例を示し、図20(B)は、図20(A)の駆動波形を用いた場合の第1電極15の先端部15aの温度を示す。この場合、図20(A)から分かるように、矩形波の前後半周期の後端部分に前半の20%の高さを有するパルス波を重畳した駆動波形になっている。また、図20(B)において、図19(B)と同様に、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。図20(B)と図19(B)とを比較すれば明らかなように、40%の突起を重畳した場合の方が、20%の突起を重畳した場合に比較して、先端部15a,16aの陽極時の温度のピーク値が上昇しており、先端部15a,16a及びその周辺の溶融部62,64の体積を増加させ得ることが分かる。つまり、矩形波の後端にパルス波を重畳した駆動波形により、溶融駆動時における第1電極15及び第2電極16の各陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における対応電極の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーよりも大きくでき、さらに、溶融駆動時における第1電極15及び第2電極16の各陽極期間に供給される電流の最大値を、定常動作中の定格駆動時における第1電極15及び第2電極16陽極期間に供給される電流の最大値よりも大きくすることができる。これにより、定格駆動時に比較して溶融駆動時の溶融部62,64の体積を増加させ得る。
なお、以上の説明は、第1及び第2電極15,16の双方について溶解部62,64の体積を増加させるものであったが、第1電極15又は第2電極16のいずれか一方のみについて溶解部62,64の体積を増加させることができる。この場合、第1電極15又は第2電極16のいずれか一方が陽極となる際の矩形波のみに突起を重畳する。このように、第1電極15及び第2電極16のいずれか一方に対してのみ溶融駆動を行なう場合は、前回の初期動作において第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合は、今回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として第2電極16の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動を行った場合には、今回の初期動作の溶融駆動として第1電極15の先端側の溶融部62,64の体積を増加させる溶融駆動行うことによって、第1電極15及び第2電極16を交互に主な溶融対象にする。
また、発光管1の劣化がある程度進んだ電極に対する低レベルの溶融駆動においては、矩形波の前後半周期の後端部分に重畳するパルス波の高さや幅をより大きくすることにより、先端部15a,16a及びその周辺の溶融部62,64の体積を確保することができる。
〔第7動作例〕
以下、溶融駆動での第7動作例について説明する。図21(A)は、本動作例における、発光管1の初期動作を示し、図21(B)は、第1電極15の先端部15aの温度を示す。図21(A)において、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。この場合、駆動波形の周波数は80Hzとし、平均の電力は170Wとなっている。一方、図21(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。また、グラフ中の実線は突起状の先端部15aのシミュレーション温度を示し、点線は先端部15aの一周期平均の温度を示し、一点鎖線は先端部15aの陽極期間の平均温度を示している。なお、図21に対する比較例としての、周波数100Hzのグラフは、図12に示す定常動作の定格駆動の駆動波形等と同じものとなっている。
図21(B)と図12(B)とを比較すれば明らかなように、周波数を低くした方において、先端部15aの陽極時の最大温度及び先端部15aの陽極期間の平均温度が上昇しており、また先端部15a,16aの陽極時の温度が後半で全体的に上昇しており、先端部15a,16a及びその周辺の溶融部62,64の体積を増加させ得ることが分かる。つまり、矩形波等の周波数を低下させた駆動波形により、溶融駆動時における第1電極15及び第2電極16の各陽極期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における対応電極の陽極期間に供給される累積エネルギーよりも大きくできると共に、溶融駆動時における第1電極15及び第2電極16の各陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーを、定格駆動時における対応電極の陽極期間の後半期間に供給される累積エネルギーよりも大きくできる。これにより、定格駆動時に比較して溶融駆動時の溶融部62,64の体積を増加させ得る。
また、発光管1の劣化がある程度進んだ電極に対する低レベルの溶融駆動においては、周波数をさらに小さくすることにより、先端部15a,16a及びその周辺の溶融部62,64の体積を確保することができる。
〔具体的制御例〕
図22,23は、光源駆動装置70の動作を説明するフローチャートである。まず、電源投入後の点灯開始前、判断部75は、データ収納部76の光源ユニット10の前回の点灯時の動作情報を読み出して、光源ユニット10の前回の点灯において、定常動作から消灯動作に切り替わる時点に図5(B)及び5(C)に例示するような特別動作に対応する再生駆動を実施中であったか否かを判断する(ステップS11)。
ステップS11で前回の光源ユニット10の点灯において、定常動作から消灯動作に切り替わる時点に再生駆動を実施中であったと判断された場合は、データ収納部76に保管した駆動制御テーブルから、初期動作の給電条件中の通常初期駆動用給電条件が読み出され、定常動作の給電条件中の再生駆動用給電条件が読み出される(ステップS12)。前回の点灯で再生駆動が中断された場合、改めて溶融駆動から実行することなく先端部の再生を再開し、適切な修復動作が実行されるようにしたものである。
次に、制御装置70bは、ステップS12で読み出した初期動作の通常初期駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の始動から立ち上げ動作を含む初期動作の通常初期駆動を制御する(ステップS13)。
次に、制御装置70bは、ステップ12で読み出した定常動作の再生駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の定常動作の再生駆動を制御する(ステップS14)。
ここで、判断部75は、定常動作中において、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号が入力されたか否かを判断する(ステップS15)。このような割込要求信号の入力があった場合、再生駆動中であっても処理を中断し、定常動作から消灯動作に切り替わる時点に再生駆動を実施中であったことをデータ収納部76に記録し消灯動作に移行させる。
ステップS15で、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号の入力がないと判断された場合、判断部75は、再生駆動が完了しているか否かを判断する(ステップS16)。再生駆動が完了していない場合、すなわち再生駆動中の場合、制御装置70bは、ステップS14に戻って、再生駆動を継続する。なお、再生駆動は、定常動作の最初に実行されるものであり、両電極15,16のうち対象電極の先端側に大きな先端部15a,16aが成長した場合、再生駆動が完了したと判断する。
ステップS16で再生駆動が完了していると判断した場合、制御装置70bは、再生駆動が完了したことをデータ収納部76に記録し、データ収納部76に保管された駆動制御テーブルから、定常動作の通常定常駆動用の給電条件を読み出す(ステップS31)。具体的には、定常動作時の通常定常駆動用の、電流値、周波数、三角波跳上げ率、デューティ比等の設定値が読み出される。
ステップS11で前回の光源ユニット10の点灯において、定常動作から消灯動作に切り替わる時点に再生駆動を実施中でなかった場合は、判断部75は、データ収納部76の光源ユニット10の前回の点灯時の動作情報を読み出して、発光管1の初期動作において特別動作を実行すべきか否かを判断する(ステップS21)。
具体的には、前回の点灯終了時において累積点灯時間が所定の値を超え図5(A)に例示するように、発光管1の劣化が進行して電極先端部の完全な修復が必要な要修復状態となった場合、初期動作において高レベルの溶融駆動を実行すべきと判定される。なお、このステップS21では、前回の点灯終了前の定常動作時に発光管1に供給されていた電圧が、図5(A)に例示するような発光管1の劣化が進行して電極先端部の完全な修復が必要な要修復状態を示す電圧以上に高くなっていたか否かで補修用又は修復用の溶融駆動を実行すべきか否かを判断することもできる。
次に、判断部75は、ステップS21の付随処理として、第1電極15と第2電極16とのいずれに対して溶融駆動を行うかを判定する。具体的には、前回特別動作に対応する高レベルの溶融駆動が実行された際に、第1電極15の先端側(先端部15a等)を第2電極16の先端側(先端部16a等)よりも溶融する第1高レベル溶融駆動が実行されていた場合には、今回の高レベル溶融駆動としては、第2電極16の先端側(先端部16a等)を第1電極15の先端側(先端部15a等)よりも溶融する第2高レベル溶融駆動を実行すべきと判定するとともに、この情報をデータ収納部76に保管する。つまり、判断部75は、特別動作に対応する高レベル溶融駆動を行なう際は、第1高レベル溶融駆動と第2高レベル溶融駆動とが交互に行なわれるように、今回の特別動作に対応する高レベル溶融駆動では第1高レベル溶融駆動と第2高レベル溶融駆動とのうちどちらを実行するか判断する。
その次に、判断部75は、ステップS21の付随処理として、第1電極15と第2電極16とのどちらの先端側に特別動作の再生駆動を行うかを判断する。具体的には、特別動作の高レベル溶融駆動において第1電極15側で溶融部62(図5(B)参照)を形成する第1高レベル溶融駆動が実行される判断された場合には、特別動作の定常駆動において第1電極15の先端部15aを再生する第1再生駆動を実行すべきと判断し、溶融駆動において第2電極16側で溶融部62(図5(B)を形成する第2高レベル溶融駆動が実行される判断された場合には、特別動作の定常駆動において第2電極16の先端部16aを再生する第2再生駆動を実行すべきと判断する。
ステップS21で発光管1の初期動作として特別動作の高レベル溶融駆動を実行すべきであると判断された場合、制御装置70bは、データ収納部76に保管した駆動制御テーブルから、ステップ21の判定結果に応じて、初期動作の給電条件中の特別動作高レベル溶融駆動用給電条件を読み出し、ステップ21の判断結果に応じて、定常動作の給電条件中の特別動作再生駆動用給電条件を読み出す(ステップS22)。具体的には、高レベル溶融駆動のための電流値、周波数、デューティ比等の設定値が読み出され、再生駆動のための電流値、周波数、三角波跳上げ率、デューティ比等の設定値が読み出される。
次に、制御装置70bは、ステップS22で読み出した初期動作の高レベル溶融駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の始動から立ち上げ動作を含む初期動作の高レベル溶融駆動を制御する(ステップS23)。
次に、制御装置70bは、ステップ22で読み出した定常動作の再生駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の定常動作の再生駆動を制御する(ステップS24)。
ここで、判断部75は、定常動作中において、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号が入力されたか否かを判断する(ステップS25)。このような割込要求信号の入力があった場合、再生駆動中であっても処理を中断し、定常動作から消灯動作に切り替わる時点に再生駆動を実施中であったことをデータ収納部76に記録し消灯動作に移行させる。
ステップS25で、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号の入力がないと判断された場合、判断部75は、再生駆動が完了しているか否かを判断する(ステップS26)。再生駆動が完了していない場合、すなわち再生駆動中の場合、制御装置70bは、ステップS24に戻って、再生駆動を継続する。なお、再生駆動は、定常動作の最初に実行されるものであり、両電極15,16のうち対象電極の先端側に大きな先端部15a,16aが成長した場合、再生駆動が完了したと判断する。
ステップS26で再生駆動が完了していると判断した場合、制御装置70bは、再生駆動が完了したことをデータ収納部76に記録し、データ収納部76に保管された駆動制御テーブルから、定常動作の通常定常駆動用の給電条件を読み出す(ステップS31)。具体的には、定常動作時の通常定常駆動用の、電流値、周波数、三角波跳上げ率、デューティ比等の設定値が読み出される。
次に、制御装置70bは、ステップS31で読み出した定常動作の通常定常駆動の給電条件に基づいて、点灯装置70aの動作状態すなわち発光管1の定常動作の通常定常駆動を制御する(ステップS32)。
ここで、判断部75は、定常動作中において、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号が入力されたか否かを判断する(ステップS33)。このような割込要求信号の入力があった場合、現在の累積点灯時間、現在の発光管1に供給されている電圧等、現在の発光管1の状態を示す情報をデータ収納部76に記録し、消灯動作に移行させる。
ステップS21で発光管1の初期動作において特別動作を実行すべきではないと判断された場合は、判断部75は、データ収納部76の光源ユニット10の前回の点灯時の動作情報を読み出して、発光管1の初期動作において低レベルの溶融駆動を行なうべきか否かを判断する(ステップS41)。
具体的には、前回の点灯終了時において、図4(A)に例示するように、発光管1の劣化が進行して凹凸61,63が発生し、このままでは第1電極15の先端部15a及び先端側領域15gの形状を維持することが困難になってきたと判断された場合、初期動作において低レベルの溶融駆動を実行すべきと判定される。なお、このステップS41では、前回の点灯終了前の定常動作時に発光管1に供給されていた電圧が、図4(A)に例示するような発光管1の劣化が進行して電極先端部の形状維持が必要な状態を示す電圧以上に高くなっていたか否かで低レベルの溶融駆動を実行すべきか否かを判断することもできる。なお、発光管1の劣化が進行し第1電極15及び第2電極16の先端部15a,16aが溶解しにくくなった場合には、各電極15,16の先端部15a,16aの温度を高める駆動波形(図6の電流特性L12,L13、図8の電流特性L22,L23、図10の電流特性L31,L33、図14の電流特性L41,L43、図16(B)の駆動波形等)を実行すべきと判断するようにもできる。これにより、先端部15a,16a及びその周辺の溶融部62,64の体積を確保することができる。
次に、判断部75は、ステップS41の付随処理として、第1電極15と第2電極16とのいずれに対して溶融駆動を行うかを判定する。具体的には、前回低レベルの溶融駆動が実行された際に、第1電極15の先端側(先端部15a等)を第2電極16の先端側(先端部16a等)よりも溶融する第1低レベル溶融駆動が実行されていた場合には、今回の低レベル溶融駆動としては、第2電極16の先端側(先端部16a等)を第1電極15の先端側(先端部15a等)よりも溶融する第2低レベル溶融駆動を実行すべきと判定するとともに、この情報をデータ収納部76に保管する。つまり、判断部75は、低レベル溶融駆動を行なう際は、第1低レベル溶融駆動と第2低レベル溶融駆動とが交互に行なわれるように、今回対応する低レベル溶融駆動では第1低レベル溶融駆動と第2低レベル溶融駆動とのうちどちらを実行するか判断する。
ステップS41で発光管1の初期動作として低レベル溶融駆動を実行すべきであると判断された場合、制御装置70bは、データ収納部76に保管した駆動制御テーブルから、ステップS41の判定結果に応じて、初期動作の給電条件中の低レベル溶融駆動用給電条件を読み出し、定常動作の給電条件中の通常定常駆動用給電条件が読み出す(ステップS42)。具体的には、低レベル溶融駆動のための電流値、周波数、デューティ比等の設定値が読み出され、通常定常駆動のための電流値、周波数、三角波跳上げ率、デューティ比等の設定値が読み出される。
次に、制御装置70bは、ステップS42で読み出した初期動作の低レベル溶融駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の始動から立ち上げ動作を含む初期動作の低レベル溶融駆動を制御する(ステップS43)。
ステップS21で発光管1の初期動作において特別動作を実行すべきではないと判断され、さらにステップS41で発光管1の初期動作において低レベル溶融駆動を実行すべきではないと判断された場合は、判断部75は、データ収納部76に保管した駆動制御テーブルから、初期動作の給電条件中の通常初期駆動用給電条件を読み出し、定常動作の給電条件中の通常定常駆動用給電条件を読み出す(ステップS44)。具体的には、通常初期駆動のための電流値、周波数、デューティ比等の設定値が読み出され、通常定常駆動のための電流値、周波数、三角波跳上げ率、デューティ比等の設定値が読み出される。
次に、制御装置70bは、ステップS44で読み出した初期動作の通常初期駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の始動から立ち上げ動作を含む初期動作の通常初期駆動を制御する(ステップS45)。
次に、ステップ43で低レベルの溶融駆動を行なうかステップS45で通常初期駆動を行なった後、制御装置70bは、ステップ42又はステップS44で読み出した定常動作の通常定常駆動用の給電条件に基づいて点灯装置70aを制御し、発光管1の定常動作の通常定常駆動を制御する(ステップS46)。
ここで、判断部75は、定常動作中において、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号が入力されたか否かを判断する(ステップS47)。光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号の入力がないと判断された場合、制御装置70bは、ステップS46に戻って、通常定常駆動を継続する。
ステップS47で、割込要求信号の入力があった場合、現在の累積点灯時間、現在の発光管1に供給されている電圧等、現在の発光管1の状態を示す情報をデータ収納部76に記録し、消灯動作に移行される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の光源装置100では、制御装置70bが溶融駆動で動作可能であり、この溶融駆動では、初期動作中のいずれかのタイミングにおいて、第1電極15又は第2電極16の溶解部62,64の体積を、定常動作中の定格駆動時における第1電極15又は第2電極16の先端側の溶解部の体積よりも大きくする。よって、点灯開始の期間を利用した電極15,16の補修や修復が可能になり、フリッカやアークジャンプの発生を抑えることができる。また、電極先端部を良好な形状に維持し、光源装置の照度を高く保つことで、長寿命化を図ることができる。以上において、定常動作を中断することなく第1電極15又は第2電極16の溶融体積を増大させるので、実質的な使用開始後に光源光又は投射像の明るさが変動することを防止できる。
〔プロジェクタ〕
図24は、図1の光源装置100を組み込んだプロジェクタの構造を説明するための概念図である。プロジェクタ200は、光源装置100と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調部40と、クロスダイクロイックプリズム50と、投射レンズ60とを備える。ここで、光変調部40は、同様の構造を有する3つの液晶ライトバルブ40a,40b,40cを含む。
上記プロジェクタ200において、光源装置100は、図1に示した光源ユニット10と、光源駆動装置70とを備え、照明光学系20等を介して光変調部40すなわち液晶ライトバルブ40a,40b,40cを照明するための照明光を発生する。
照明光学系20は、光源光の光束方向を平行化する平行化レンズ22と、光を分割して重畳するためのインテグレータ光学系を構成する第1及び第2フライアイレンズ23a,23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイレンズ23a,23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25と、光の光路を折り曲げるミラー26とを備え、これらにより均一化された略白色の照明光を形成する。照明光学系20において、平行化レンズ22は、光源ユニット10から射出された照明光の光束方向を略平行に変換する。第1及び第2フライアイレンズ23a,23bは、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、第1フライアイレンズ23aを構成する要素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光し、第2フライアイレンズ23bを構成する要素レンズによって第1フライアイレンズ23aからの分割光束を適当な発散角にして射出させる。偏光変換素子24は、PBS、ミラー、位相差板等を一組の要素とするアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。重畳レンズ25は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置である液晶ライトバルブ40a,40b,40cの被照明領域に対する重畳照明を可能にする。
色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bと、反射ミラー32a,32b,32cと、3つのフィールドレンズ33a,33b,33cとを備え、照明光学系20により均一化された照明光を赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうちR光を透過させG光及びB光を反射する。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GBの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。次に、この色分離光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、反射ミラー32aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aで反射され、さらに、第2ダイクロイックミラー31bでも反射されたG光は、入射角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1,LL2及び反射ミラー32b,32cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。
光変調部40を構成する各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置である。液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、色分離光学系30から射出された各色光に対応してそれぞれ照明される3つの液晶パネル41a,41b,41cと、各液晶パネル41a,41b,41cの入射側にそれぞれ配置される3つの第1偏光フィルタ42a,42b,42cと、各液晶パネル41a,41b,41cの射出側にそれぞれ配置される3つの第2偏光フィルタ43a,43b,43cとを備える。第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液晶ライトバルブ40aの液晶パネル41aを照明する。第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bの双方で反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bの液晶パネル41bを照明する。第1ダイクロイックミラー31aで反射され、第2ダイクロイックミラー31bを透過したB光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライトバルブ40cの液晶パネル41cを照明する。各液晶パネル41a〜41cは、入射した照明光の偏光方向の空間的強度分布を変調し、各液晶パネル41a〜41cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル41a〜41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて、画素単位で偏光状態を調節される。この際、第1偏光フィルタ42a〜42cによって、各液晶パネル41a〜41cに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、第2偏光フィルタ43a〜43cによって、各液晶パネル41a〜41cから射出される変調光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。以上により、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、それぞれに対応する各色の像光を形成する。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cからの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a,51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、B光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aからのR光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a,51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このようにして、クロスダイクロイックプリズム50によりR光、G光及びB光が合成され、カラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系であり、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
例えば、上記実施形態では、光源ユニット10に用いるランプとしては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等種々のものが考えられる。
また、上記実施形態のプロジェクタ200では、光源装置100からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a,23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイレンズ23a,23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記プロジェクタ200において、光源装置100からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、図24に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶パネル41a〜41cを用いたプロジェクタ200の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、色分離光学系30や液晶ライトバルブ40a,40b,40c等を用いて各色の光変調を行っているが、これらに代えて、例えば光源装置100及び照明光学系20によって照明されるカラーホイールと、マイクロミラーの画素によって構成されカラーホイールの透過光が照射されるデバイスとを組み合わせたものを用いることによって、カラーの光変調及び合成を行うこともできる。
本発明の一実施形態の光源装置について説明する断面図である。 光源装置に組み込まれた電流駆動装置の構成を示すブロック図である。 一対の電極の先端周辺部について説明する拡大図である。 (A)〜(C)は光源駆動装置による電極の補修を説明する拡大図である。 (A)〜(C)は光源駆動装置による電極の修復を説明する拡大図である。 発光管の通電状態の一例を概念的に説明するグラフである。 立上げ時における駆動波形を説明するグラフである。 発光管の通電状態の別の例を概念的に説明するグラフである。 立上げ時における駆動波形を説明するグラフである。 立上げ時における別の駆動波形例を説明するグラフである。 (A),(B)は、具体的な駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A),(B)は、比較例の駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A)は、電極の先端側を模式化して熱の流れを説明する図であり(B)は、電極に対する交流型の駆動波形を示すグラフである。 立上げ時における別の駆動波形例を説明するグラフである。 (A),(B)は、具体的な駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A),(B)は、立上げ時における別の駆動波形例を説明するグラフである。 (A),(B)は、具体的な駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A),(B)は、比較例の駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A),(B)は、立上げ時における別の駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A),(B)は、比較例の駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 (A),(B)は、立上げ時における別の駆動波形と温度上昇との関係を説明するグラフである。 図1等に示す光源装置の動作を説明するフローチャートである。 図1等に示す光源装置の動作を説明するフローチャートである。 光源装置を組み込んだプロジェクタを説明する図である。
符号の説明
2…リフレクタ、 3…副鏡、 10…光源ユニット、 11…本体部分、 13…第1封止部、 14…第2封止部、 15…第1電極、 15a,16a…先端部、 15b,16b…本体部、 15c,16c…コイル部、 15d,16d…芯棒、 16g,16g…先端側領域、 16…第2電極、 20…照明光学系、 22…平行化レンズ、 23a,23b…フライアイレンズ、 24…偏光変換素子、 25…重畳レンズ、 30…色分離光学系、 31a,31b…ダイクロイックミラー、 33a,33b,33c…フィールドレンズ、 40…光変調部、 40a,40b,40c…液晶ライトバルブ、 41a,41b,41c…液晶パネル、 42a,42b,42c…第1偏光フィルタ、 43a,43b,43c…第2偏光フィルタ、 50…クロスダイクロイックプリズム、 60…投射レンズ、 61,63,65…凹凸、 62,64…溶解部、 70…光源駆動装置、 70a…点灯装置、 70b…制御装置、 70c…DC/DCコンバータ、 74…駆動制御部、 75…判断部、 76…データ収納部、 77…タイマ、 78…電圧センサ、 200…プロジェクタ、 O…発光中心、 OA…システム光軸

Claims (6)

  1. 相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、
    前記第1電極及び前記第2電極に交流でエネルギーを供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的エネルギーを供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極と前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間に該電極に供給する累積エネルギーを前記定常動作中よりも大きくする溶融駆動を含む初期動作とを行う駆動部と
    を備え
    前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時のうち少なくとも前記定常動作に切り替わる直前の期間を含む立上動作期間において、前記少なくとも一方の電極に供給される電流値を、時間と共に増加させる、光源装置。
  2. 前記発光管の消耗の程度を判断する判断部をさらに備え、
    前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時において、前記立上動作期間中に前記少なくとも一方の電極に供給される電流値の増加率を、前記判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる、
    請求項に記載の光源装置。
  3. 相互間の放電により発光を行う第1電極及び第2電極を有する発光管と、
    前記第1電極及び前記第2電極に交流でエネルギーを供給する際に、前記第1電極と前記第2電極とに定常的エネルギーを供給する定常動作と、前記定常動作に先立って前記第1電極と前記第2電極のうちの少なくとも一方の電極の陽極期間に該電極に供給する累積エネルギーを前記定常動作中よりも大きくする溶融駆動を含む初期動作とを行う駆動部と
    を備え、
    前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時において、前記少なくとも一方の電極に供給される電流値を、前記初期動作の始期より後に設けた立上動作の終期に増大させる光源装置。
  4. 前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時において、前記第1電極及び前記第2電極間の電圧が所定電圧値に達した場合に、前記少なくとも一方の電極に供給される電流値を、前記所定電圧値に達する前に比較して一時的に増大させる、請求項に記載の光源装置。
  5. 前記発光管の消耗の程度を判断する判断部をさらに備え、
    前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動時において、前記立上動作の終期に前記少なくとも一方の電極に供給される電流値を、前記判断部によって判断した消耗の程度に応じて増大させる、
    請求項及び請求項のいずれか一項に記載の光源装置。
  6. 前記駆動部は、前記初期動作の前記溶融駆動の態様として、1回の溶融駆動につき、前記第1電極の先端側を前記第2電極の先端側よりも溶かす第1溶融駆動と、前記第2電極の先端側を前記第1電極の先端側よりも溶かす第2溶融駆動のいずれか一方を行うことができ、
    前記駆動部は、前回の初期動作の溶融駆動として前記第1溶融駆動を行った場合に今回の初期動作の溶融駆動として前記第2溶融駆動を行い、前回の初期動作の溶融駆動として前記第2溶融駆動を行った場合に今回の初期動作の溶融駆動として前記第1溶融駆動を行うことによって、前記第1電極及び前記第2電極を交互に主な溶融対象にする、請求項から請求項までのいずれか一項に記載の光源装置。
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