JP6365061B2 - 放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクターおよび放電灯駆動方法 - Google Patents
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Description
本発明の放電灯駆動装置の一つの態様は、電極を有する放電灯に駆動電力を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を実行可能であり、前記制御部は、所定の設定タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記第1実行情報に従って前記放電灯駆動部を制御し、前記放電灯が点灯してから前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加する第1立上期間と、前記第2駆動電力が前記放電灯に供給される第2立上期間と、を有し、前記第1立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加したときに、前記第2立上期間に移行され、前記制御部は、前記第2立上期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御することを特徴とする。
本発明の放電灯駆動装置の一つの態様は、電極を有する放電灯に駆動電力を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、前記電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動と、を実行可能であり、前記制御部は、所定の設定タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記第1実行情報に従って前記放電灯駆動部を制御し、前記制御部は、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行することを特徴とする。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、放電灯の劣化の度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、高電力駆動時における電極先端の突起の溶融度合いに応じて、その後の高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、高電力駆動時における電極先端の突起の溶融度合いに応じて、その後の高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、高電力駆動に関する第1情報と、設定タイミングにおける放電灯の点灯状態に関する第2情報と、に基づいて高電力駆動の第1実行情報を設定できるため、より適切に高電力駆動を実行できる。
この構成によれば、放電灯の劣化の度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、1回の点灯毎に第1立上期間での電極間電圧を参照するため、定常点灯駆動時の電極間電圧を精度良く推定でき、放電灯の劣化の程度を的確に検出することができる。
この構成によれば、放電灯の劣化の度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて、より適切に高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて、より適切に高電力駆動の第1実行情報を設定できる。
この構成によれば、放電灯の劣化の程度をより的確に検出できる。
この構成によれば、前回の点灯時に記憶済みの電極間電圧を次回の点灯時に参照するため、定常点灯駆動時の電極間電圧を容易に推定でき、放電灯の劣化の程度を的確に検出することができる。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて、適切に高電力駆動の実行を抑制できる。
この構成によれば、高電力駆動の実行後、電極先端の突起が十分に成長するまで次の高電力駆動が実行されることを抑制できる。
この構成によれば、高電力駆動の実行後、電極先端の突起の成長度合いに応じて、次の高電力駆動の駆動パラメーターを適切に設定できる。
この構成によれば、高電力駆動の第2駆動電力を制御することで、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制できる。
この構成によれば、高電力駆動の駆動電流波形を制御することで、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制できる。
この構成によれば、高電力駆動の実行時間を制御することで、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制できる。
この構成によれば、高電力駆動を行った際に、放電灯がちらつくことを抑制できる。
この構成によれば、電極先端の突起を適度に溶融させることができ、突起の形状を維持することができる。
この構成によれば、放電灯の点灯状態を把握しやすく、高電力駆動の第1実行情報をより適切に設定できる。
この構成によれば、劣化が進行していない放電灯に対して第2駆動電力を相対的に小さく、劣化が進行している放電灯に対して第2駆動電力を相対的に大きくすることにより、放電灯の電極先端の突起が過度に溶融することを抑制し、突起の形状を維持することができる。
この構成によれば、高電力駆動を実行した後で、かつ、定常点灯駆動を実行する前に、放電灯の電極先端の突起の成長を促進する突起形成駆動が実行される。そのため、高電力駆動で扁平化した突起が、突起形成駆動によって成長し、先鋭化する。これにより、突起の形状が扁平化した状態で定常点灯駆動に移行することが抑制され、その結果、放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。
この構成によれば、突起形成駆動において電極先端の突起の成長を促進できる。
この構成によれば、突起形成駆動において電極先端の突起の成長をより促進できる。
この構成によれば、突起が細くなり、電極間距離が大きくなることが抑制される。
この構成によれば、駆動電力が急激に変化することが抑制され、放電灯にかかる負荷が低減される。
この構成によれば、駆動電力が急激に変化することがより抑制され、放電灯にかかる負荷がより低減される。
この構成によれば、高電力駆動における電極先端の突起の溶融度合いに応じて、突起形成駆動を制御できるため、より放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。
この構成によれば、放電灯の劣化状態に応じて、適切に突起形成駆動の第2実行情報を設定できる。
この構成によれば、放電灯の劣化状態を把握できる。
この構成によれば、電極先端の突起が扁平化した状態で定常点灯駆動が実行されることを抑制できる。
この構成によれば、電極先端の突起が扁平化した状態で定常点灯駆動が実行されることを抑制できる。
本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、上記の光源装置を備えるため、放電灯の放電を安定して維持することができる。
本発明の放電灯駆動方法の一つの態様は、放電灯に駆動電力を供給して前記放電灯を駆動させる放電灯駆動方法であって、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動を実行するステップと、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動を実行するステップと、を備え、所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定することを特徴とする。
本発明の放電灯駆動方法の一つの態様は、放電灯に駆動電力を供給して前記放電灯を駆動させる放電灯駆動方法であって、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動を実行するステップと、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動を実行するステップと、を含み、所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記放電灯が点灯してから前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加する第1立上期間と、前記第2駆動電力が前記放電灯に供給される第2立上期間と、を有し、前記第1立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加したときに、前記第2立上期間に移行され、前記高電力駆動を実行するステップは、前記第2立上期間において実行されることを特徴とする。
本発明の放電灯駆動方法の一つの態様は、放電灯に駆動電力を供給して前記放電灯を駆動させる放電灯駆動方法であって、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動を実行するステップと、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動を実行するステップと、前記放電灯の電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動を実行するステップと、を含み、所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行することを特徴とする。
また、本発明の放電灯駆動方法の一つの態様によれば、上記と同様にして、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制し、放電灯の電極間距離が広がることを抑制できる。
この駆動方法によれば、上記と同様にして、放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ(光変調素子)330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系350と、を備えている。
図3は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、図1に示した光学系の他、画像信号変換部510と、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置570と、CPU(Central Processing Unit)580と、を備えている。
図4は、放電灯点灯装置10の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と、制御部40と、記憶部44と、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を備えている。
なお、本明細書において「設定タイミング」とは、第1実行情報を設定する瞬間のみを意味するものではなく、各種情報の参照等、制御部40が第1実行情報を設定するために作動する期間全体を意味するものとする。
また、本明細書において、第1実行情報とは、高電力モードの実行情報である。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形、変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されている。
第1情報は、高電力モードに関係するあらゆる情報を含む。第1情報としては、例えば、高電力モードにおける、駆動電流Iの波形、駆動電力(リフレッシュ電力Wr)、実行時間、ランプ電圧、駆動リフレッシュ効果や、高電力モードが終了した時刻、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間における放電灯90の点灯時間、等が挙げられる。駆動リフレッシュ効果は、第1電極92および第2電極93に加えられる熱負荷の大きさである。詳細については、第7実施形態において述べる。
高電力モードの第1実行情報は、高電力モードを実行するために必要なあらゆる情報を含む。第1実行情報としては、例えば、高電力モードの実行が抑制される高電力モード抑制時間(抑制時間)や、高電力モードの実行の有無、高電力モードの駆動パラメーター等が挙げられる。
図6(a),(b)は、第1電極92および第2電極93の動作状態を示す図である。
図6(a),(b)には、第1電極92および第2電極93の先端部分が示されている。第1電極92および第2電極93の先端にはそれぞれ突起552p,562pが形成されている。第1電極92と第2電極93との間で生じる放電は、主として突起552pと突起562pとの間で生じる。
図7は、本実施形態の駆動電力の波形を示す図である。図7において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図7では、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。
第1立上期間PH11の長さ、および第2立上期間PH12の長さ(実行時間tr1)は適宜設定することができる。
放電灯90が点灯開始されて(ステップS01)、第1立上期間PH11内においてランプ電圧を参照するまでの時間、すなわち、ランプ電圧を参照する時刻Taを予め設定しておく。時刻Taは、例えば、ランプ点灯開始から20秒後の時点とする。制御部40は、放電灯90の点灯が開始してから時刻Ta(20秒)が経過したか否かを判断する(ステップS02)。
なお、[表2]では、時刻Taでのランプ電圧値と定常点灯期間PH2でのランプ電圧との関係に加え、[表1]に示したリフレッシュ電力Wrとの関係も組み合わせて示している。
なお、前回の放電灯点灯時のランプ電圧は、後述する第4実施形態における第3情報に相当する。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、制御部40が前回の高電力モードの点灯状態に関する第1情報に基づいて高電力モード抑制時間を設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
なお、本実施形態において参照されるランプ電圧は、前回実行された高電力モード時のランプ電圧である。
図10は、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御手順の一例を示すフローチャートである。
表4に示すルックアップテーブルでは、前回の高電力モードの終了時点から次の設定タイミングまでにおける放電灯90の劣化度合いが大きくなるにしたがい、高電力モード抑制時間が大きくなる。すなわち、ランプ電圧の上昇に応じて高電力モード抑制時間が設定される。
その後、制御部40は、時刻Tcから点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS15)。
これに対して、本実施形態によれば、立上期間PH1において高電力モードが実行される。そのため、定常点灯期間PH2において駆動電力Wが大きくなることが抑制され、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。
第3実施形態は、第2実施形態に対して、設定タイミングにおいて放電灯90の点灯状態に関する第2情報を取得し、前回の高電力モードに関する第1情報と第2情報とに基づいて高電力モードの第1実行情報を設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
図11に示すように、放電灯90が点灯開始され(ステップS20)、制御部40は、第2実施形態と同様に、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS21)。
なお、[表5]では、時刻Taでのランプ電圧値と定常点灯期間PH2でのランプ電圧との関係に加え、高電力モード抑制時間との関係についても示している。
第4実施形態は、第2実施形態に対して、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間に実行される点灯モードに関する第3情報に基づいて高電力モード抑制時間を設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
直前の点灯モードは、例えば、定常点灯モード、高電力モード、低電力モード、調光モード、待機モード等のプロジェクター500に設定されている各種点灯モードを含む。
図12に示すように、制御部40は、放電灯90が点灯開始され(ステップS30)、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報、および直前の点灯モードに関する第3情報が記憶されているかどうか判定する(ステップS31)。
本実施形態においては、ステップS31〜S33が、高電力モードの第1実行情報を設定する設定タイミングに相当する。
第5実施形態は、第3実施形態に対して、高電力モードの第1実行情報として駆動パラメーターを設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
図13に示すように、制御部40は、放電灯90が点灯開始され(ステップS40)、第2実施形態と同様に、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS41)。記憶部44に第1情報が記憶されている場合(ステップS41:YES)には、制御部40は、次にランプ点灯開始から所定時間が経過したかどうかを判定する(ステップS42)。
ランプ電圧の値が大きいと、電極間に流れる駆動電流Iが小さくなるため、第1電極92の突起552pが溶融しにくい。これにより、前回の高電力モードにおける突起552pの溶融の度合いは小さくなる。したがって、高電力モードの駆動電力を大きく設定することにより、突起552pを適切に溶融させることができる。
図14は、高電力モードにおける駆動電流波形の一例を示す図である。縦軸は、駆動電流Iを示しており、横軸は時間Tを示している。
図14に示すように、本実施形態の駆動電流波形は、サイクルC1とサイクルC2とが交互に設けられている。
交流期間P1aは、駆動電流Iとして、電流値Im1と電流値−Im1との間で極性が反転される交流電流が放電灯90に供給される期間である。本実施形態においては、交流期間P1aにおける交流電流は、矩形波交流電流である。直流期間P1bは、駆動電流Iとして、電流値Im1の直流電流が放電灯90に供給される期間である。本実施形態においては、直流期間P1bにおける直流電流は、電流値が一定(Im1)の第1極性を有する直流電流である。
交流期間P2aは、サイクルC1の交流期間P1aと同様である。直流期間P2bは、駆動電流Iとして、電流値−Im1の直流電流が放電灯90に供給される期間である。本実施形態においては、直流期間P2bにおける直流電流は、電流値が一定(−Im1)の第2極性を有する直流電流である。
波形Aにおける交流期間P1a,P2aの長さt1,t3は、それぞれ15周期分である。波形Aにおける直流期間P1b,P2bの長さt2,t4は、それぞれ2ms(ミリ秒)である。波形AにおけるサイクルC1,C2に含まれる混合期間P1,P2の数は、1である。
図15は、高電力モードの駆動パラメーターとして高電力モードの実行時間tr1(図9参照)を設定した場合における制御部40の放電灯駆動部230の制御手順について示すフローチャートである。
図15に示すステップS50からステップS54は、図13に示したステップS40からステップS44と同様である。
第6実施形態は、上記説明した第2実施形態から第5実施形態に対して、定常点灯期間PH2において、高電力モードが実行される点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
図17に示すように、制御部40は、まず定常点灯期間PH2(ステップS60)において、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS61)。制御部40は、記憶部44に第1情報が記憶されている場合(ステップS61:YES)には、現在の点灯状態、すなわち、定常点灯期間PH2における点灯状態に関する第2情報を測定し(ステップS62)、その測定結果に基づいて、例えば、高電力モードの第1実行情報として高電力モード抑制時間を設定する(ステップS63)。
本実施形態における設定タイミングは、例えば、所定の点灯時間が経過する度に設けられてもよいし、定常点灯期間PH2中、常に設けられていてもよい。
設定タイミングを定常点灯期間PH2中、常に設ける場合には、定常点灯期間PH2における放電灯90の点灯状態に関する第2情報を常に取得し、第2情報と、前回の高電力モードに関する第1情報とに基づいて適宜高電力モードを実行する。
第7実施形態は、上記説明した第1実施形態に対して、突起形成期間PH4が設けられ点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
本実施形態においては、突起形成モードにおいて放電灯90に供給される交流電流の周波数を、突起552pの成長を促進する周波数に設定し、その交流電流が放電灯90に供給される期間の割合を大きくすることによって、突起形成モードにおいて突起552pの成長を促進させている。
なお、本明細書において、第2実行情報とは、突起形成モードの実行情報である。
図18は、本実施形態の駆動電力の波形を示す図である。図18において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図18では、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。
突起形成期間PH4は、突起形成モードが実行される期間である。本実施形態の突起形成期間PH4において、駆動電力Wは、リフレッシュ電力Wrより小さく、定常点灯電力Wsよりも大きい突起形成電力(第3駆動電力)Wmである。本実施形態においては、突起形成期間PH4における駆動電力Wの値は一定(Wm)である。
また、リフレッシュ電力Wrは、第2実施形態と同様に、動作検出部60により検出される放電灯90のランプ電圧の値に応じて設定されてもよい。具体的には、例えば、第2実施形態において示した[表3]のように設定できる。
本実施形態の各期間における駆動電流Iの波形は、第5実施形態において図14に示した駆動電流Iの波形と同様にできる。
図19は、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態においては、突起形成モードの第2実行情報として、実行時間tc1を設定する。
例えば、[表11]のように突起形成モードの実行時間tc1が設定されることにより、突起形成期間PH4において突起552pを十分に成長させることができる。
突起形成期間PH4においては、上記設定された第2実行情報に基づいて突起形成モードが実行される。制御部40は、実行時間tc1が経過した時点で、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS74)。
一方、図20(B)に示すように、高電力モードによって突起552pが溶融されると、突起552pは扁平化し、突起552pの先端の形状が平らな状態となる。この場合においては、放電の輝点の位置が突起552pの先端において定まりにくい。
しかし、突起552pが扁平化した状態のまま、定常点灯モードが実行されると、第1電極92の温度が低下し、放電の輝点の位置は不安定となり、放電灯90のちらつきを生じる場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合が、第2立上期間PH12に対する交流期間P1a,P2aの割合、および定常点灯期間PH2に対する交流期間P1a,P2aの割合よりも大きく設定されている。そのため、第2立上期間PH12および定常点灯期間PH2における突起552pの成長度合を、突起形成期間PH4における突起552pの成長度合に比べて小さくできる。したがって、本実施形態によれば、突起552pが細くなり、電極間距離が大きくなることを抑制できる。
[表12]に示すように、駆動リフレッシュ効果が大きいほど、また、リフレッシュ電力Wrが大きいほど、突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合は大きく設定される。これにより、突起形成期間PH4において突起552pを十分に成長させることができる。ここで、交流期間P1a,P2aの割合が100%であることは、すなわち、直流期間P1b,P2bが設けられないことを意味する。
図21は、本実施形態における駆動電力波形の他の一例を示す図である。図21において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図21では、図18と同様に、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。
突起形成期間PH5の長さ、すなわち、突起形成モードの実行時間tc2は、突起形成期間PH4と同様に設定される。
第8実施形態は、第7実施形態に対して、突起形成モードの第2実行情報が、放電灯90の劣化情報に基づいて設定される点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
図22に示すように、放電灯90が点灯開始され(ステップS80)、制御部40は、ランプ点灯開始から所定時間が経過したかどうかを判定する(ステップS81)。所定時間は、ランプ点灯開始からランプ電圧を参照するまでの時間であり、図18において時刻Taとなる時間である。時刻Taの値は、例えば、予め記憶部44に記憶されている。
また、上記第1実施形態から第8実施形態は、互いに干渉しない範囲内で、適宜組み合わせることができる。
Claims (25)
- 電極を有する放電灯に駆動電力を供給する放電灯駆動部と、
前記放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、
前記放電灯駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を実行可能であり、
前記制御部は、所定の設定タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記第1実行情報に従って前記放電灯駆動部を制御し、
前記放電灯が点灯してから前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加する第1立上期間と、前記第2駆動電力が前記放電灯に供給される第2立上期間と、を有し、
前記第1立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加したときに、前記第2立上期間に移行され、
前記制御部は、前記第2立上期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 電極を有する放電灯に駆動電力を供給する放電灯駆動部と、
前記放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、
前記放電灯駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、前記電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動と、を実行可能であり、
前記制御部は、所定の設定タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記第1実行情報に従って前記放電灯駆動部を制御し、
前記制御部は、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行することを特徴とする放電灯駆動装置。 - 前記突起形成駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の第1交流電流を含み、
前記高電力駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の第2交流電流を含み、
前記突起形成駆動の実行時間に対して前記第1交流電流が供給される時間の割合は、前記高電力駆動の実行時間に対して前記第2交流電流が供給される時間の割合よりも大きい、請求項2に記載の放電灯駆動装置。 - 前記定常点灯駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の第3交流電流を含み、
前記突起形成駆動の実行時間に対して前記第1交流電流が供給される時間の割合は、前記定常点灯駆動の実行時間に対して前記第3交流電流が供給される時間の割合よりも大きい、請求項3に記載の放電灯駆動装置。 - 前記制御部は、前記突起形成駆動において、前記第1駆動電力よりも大きく、かつ、前記第2駆動電力よりも小さい第3駆動電力が前記放電灯に供給されるように前記放電灯駆動部を制御する、請求項2から4のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記制御部は、前記第1情報に基づいて、前記突起形成駆動の第2実行情報を設定する、請求項2から5のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記制御部は、前記放電灯の劣化情報に基づいて、前記突起形成駆動の第2実行情報を設定する、請求項2から6のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第2実行情報は、前記突起形成駆動の実行時間を含む、請求項6または7に記載の放電灯駆動装置。
- 前記突起形成駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の第1交流電流を含み、
前記第2実行情報は、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記第1交流電流が供給される時間の割合を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。 - 前記第1情報は、前記高電力駆動の終了後から次の前記設定タイミングまでの間における前記放電灯の点灯時間を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第1情報は、前記高電力駆動時において検出された前記放電灯の電極間電圧を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第1情報は、前記高電力駆動時の前記放電灯に供給される前記第2駆動電力を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第1情報は、前記高電力駆動の駆動電流の波形を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記制御部は、前記設定タイミングにおける前記放電灯の点灯状態に関する第2情報に基づいて、前記第1実行情報を設定する、請求項1から13のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第2情報は、前記設定タイミングにおいて検出された前記放電灯の電極間電圧、および前記設定タイミングにおける前記放電灯の累積点灯時間のうち少なくとも一方を含む、請求項14に記載の放電灯駆動装置。
- 前記制御部は、前記高電力駆動の終了後から次の前記設定タイミングまでの間に実行される前記放電灯の駆動に関する第3情報に基づいて、前記第1実行情報を設定する、請求項1から15のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第3情報は、前記放電灯に供給される前記駆動電力、および前回の放電灯点灯時の前記放電灯の電極間電圧のうち少なくとも一方を含む、請求項16に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第1実行情報は、前記高電力駆動の実行が抑制される抑制時間、および前記高電力駆動の実行の有無のうち少なくとも一方を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第1実行情報は、前記高電力駆動の駆動パラメーターとして、前記高電力駆動の前記第2駆動電力、前記高電力駆動において前記放電灯に供給される駆動電流波形、および前記高電力駆動の実行時間のうち少なくともいずれかを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記制御部は、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する、請求項1から19のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 前記第2駆動電力は、前記放電灯の電極間電圧が大きくなるに従って大きく設定される、請求項1から20のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。
- 光を射出する放電灯と、
請求項1から21のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置と、
を備えることを特徴とする光源装置。 - 請求項22に記載の光源装置と、
前記光源装置から射出される光を映像信号に応じて変調する光変調素子と、
前記光変調素子により変調された光を投射する投射光学系と、
を備えることを特徴とするプロジェクター。 - 放電灯に駆動電力を供給して前記放電灯を駆動させる放電灯駆動方法であって、
前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動を実行するステップと、
前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動を実行するステップと、
を含み、
所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、
前記放電灯が点灯してから前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加する第1立上期間と、前記第2駆動電力が前記放電灯に供給される第2立上期間と、を有し、
前記第1立上期間は、前記駆動電力が前記第2駆動電力まで増加したときに、前記第2立上期間に移行され、
前記高電力駆動を実行するステップは、前記第2立上期間において実行されることを特徴とする放電灯駆動方法。 - 放電灯に駆動電力を供給して前記放電灯を駆動させる放電灯駆動方法であって、
前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動を実行するステップと、
前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動を実行するステップと、
前記放電灯の電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動を実行するステップと、
を含み、
所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、
前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行することを特徴とする放電灯駆動方法。
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