JP4186578B2 - 高圧放電ランプ点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高圧放電ランプ点灯装置に関する。特に、本発明は、発光管内に0.15mg/mm3 以上の水銀が封入され点灯時の水銀蒸気圧が110気圧以上の交流点灯型の超高圧放電ランプであって、投射型プロジェクター装置などの投射用光源として使用するに好適な超高圧放電ランプとその点灯装置からなる高圧放電ランプ点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投射型プロジェクター装置は、矩形状のスクリーンに対して均一に、しかも十分な演色性を追って画像を照明させることが要求され、このため、光源としては水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われている。また、最近は、より一層の小型化、点光源化が進められ、電極間距離も極めて小さいものが実用化されてきている。
このような背景のもと、近時、メタルハライドランプに代わり、極めて高い水銀蒸気圧、例えば200バール(約197気圧) 以上をもつ高圧放電ランプが使用されている。これは、水銀蒸気圧を高くすることで、アークの広がりを絞り込むとともに、一層の光出力の向上を図ったランプである。
最近は、より一層小型のプロジェクター装置が注目されつつある。上記プロジェクター装置用の放電ランプは、高い光出力や照度維持率が要求される反面、プロジェクター装置の小型化に伴い放電ランプもより小型が求められ、装置の小型化、電源の小型化が進み、始動時の電圧を小さくすること、換言すれば易始動性が望まれている。
【0003】
上記ランプとしては、例えば、石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm3 以上の水銀と、希ガスと1×10-6〜1×10-2μmo1/mm3 の範囲でハロゲンを封入した超高圧放電ランプが使用される(例えば特許文献1,特許文献2参照)。
この種の放電ランプおよびその点灯装置は、例えば特許文献3に開示されている。
特許文献3に開示される高圧放電ランプは、定常点灯時の管内水銀蒸気圧が15Mpa〜35Mpaで、発光管内に1×10-6〜1×10-2μmo1/mm3 の範囲でハロゲン物質を封入したものであり、発光管内に一対の電極を設け、電極先端部の中心付近に突起部を設けることによりアークジャンプ現象の発生を抑制するようにしたものである。そして、DC/DCコンバータとDC/ACインバータと高圧発生装置から構成される点灯装置により、上記一対の電極間に交流電圧を印加して点灯させる。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−148561号公報
【特許文献2】
特許第2980882号公報
【特許文献3】
特開2001−312997号公報
【0005】
この種の超高圧放電ランプは、発光管内において対向するタングステン製電極の先端に、点灯時間の経過に伴い、突起が形成成長するという現象が起こる。特に、電極間距離が1.5mm以下、水銀量0.15mg/mm3 以上、臭素などのハロゲン量10-6μmo1/cm3 〜10-2μmo1/cm3 を交流点灯させる上記突起は顕著に発生、成長する。
電極先端に突起が形成される現象は、必ずしも明らかではないが、以下のような推測できる。
この種の放電ランプにおいては、発光管内にハロゲンガスが封入されている。主目的は発光管の失透防止であるが、これにより、いわゆるハロゲンサイクルが生じる。ランプ点灯中に電極先端付近の高温部から蒸発したタングステンは、発光管内に存在するハロゲンや残留酸素と結合して、例えばハロゲンがBrならWBr、WBr2 、WO、WO2 、WO2 Br、WO2 Br2 などのタングステン化合物として存在する。そして、それらの化合物は電極先端付近の気相中の高温部においては分解してタングステン原子または陽イオンとなる。温度拡散(気相中の高温部=アーク中から、低温部=電極先端近傍に向かうタングステン原子の拡散) 、および、アーク中でタングステン原子が電離して陽イオンになり、陰極動作しているとき電界によって陰極方向へ引き寄せられる(=ドリフト) ことによって、電極先端付近における気相中のタングステン蒸気密度が高くなり、電極先端に析出し、突起を形成するものと考えられる。
【0006】
このような突起は成長しなければ、アーク起点が当該突起に固定するという意味で、アークジャンプを防止できるという効果を有する。しかしながら、ランプの継続点灯に伴い、突起が成長すると電極間距離が短くなり、アーク輝点の位置が変化して光出力が低下するなどの問題を生じる。
前記した特許文献3には、上記突起部の形成によりランプ電圧が変動(低下)することが示されており、また突起部の形成によりランプ電圧(電極間距離)が変化した場合、両電極間に流れる電流量を調整したり、点灯周波数を第1の周波数から第2の周波数に切り換えることにより突起部の形成によるランプ電圧変動分を補正することが開示されている。
例えば、上記両電極間に流れる電流量については、ランプ電圧(電極間距離)が正規の値より低下した場合に、両電極間に流れる放電アーク電流を増大させることにより突起部の長さが縮小してランプ電圧が回復し、また、ランプ電圧(電極間距離)が正規の値より増加した場合に、放電アーク電流を減少させることにより突起部の長さが回復することが示されている。
このような考え方に基づき、特許文献3に記載の点灯装置では、検出したランプ電圧が基準電圧より低い場合に、高めの放電アーク電流を流し、また、ランプ電圧が基準電圧より高い場合に、放電アーク電流を減少させるように前記DC/DCコンバータをフィードバック制御し、ランプ電圧の変動を抑制している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献3に記載されるように電極間距離の変化を放電アーク電流で調整しても、特定の場合には有効であると考えられるものの、良好に突起の成長を制御できないことが多々発生するということが判明した。
すなわち、前記特許文献3においては、検出したランプ電圧値が基準電圧より低い場合に高めの放電アーク電流を流し、また、ランプ電圧値が基準電圧より高い場合に放電アーク電流を減少させるように制御しているが、本発明者らが検討した結果、このような制御では必ずしも良好に突起の成長を制御できないことが分かった。特に、同文献には放電電流を2段階的に変化させる方法が開示されているが、このような制御では、ランプ電圧の変化が急激に起こるため、ランプ電圧および電極間距離を安定に維持することが困難になるものと考えられる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、石英ガラスからなる放電容器に一対の電極が1.5mm以下の間隔で対向配置して、この放電容器に0.15mg/mm3 以上の水銀と、10-6μmo1/mm3 〜10-2μmo1/mm3 の範囲の臭素が封入される超高圧放電ランプのランプ電圧、電極間距離を安定に維持することができる高圧放電ランプ点灯装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、電極先端に突起が形成されて電極間距離が変化した場合、前記特許文献3に記載のように、放電電流を制御したり、点灯周波数を切り換えるのではなく、ランプ電圧(点灯電圧)に応じて、放電ランプに供給する電力(放電電力)を連続的に制御することが効果的であることを見い出した。
すなわち、本願発明においては、以下の(i) 〜(ii) のように前記超高圧放電ランプ(以下では、放電ランプ、あるいは、単に、ランプという)の放電電力を制御する。
(i) 放電ランプの点灯電圧が減少した場合に放電電力を減少させるように制御するとともに、前記放電ランプの点灯電圧が増加した場合に放電電力を増加させるように制御し、これら放電電力の制御を、前記電圧の変化に対して連続的に行なう。
すなわち、放電ランプの点灯電圧を検出し、該点灯電圧が増加したらそれに応じて放電電力を連続的に増加させ、また、点灯電圧が減少したら放電電力をそれに応じて連続的に減少させる。
(ii)上記(i) において放電電力制御を、0.2W/V〜1.0W/Vの範囲で行なう。
【0009】
ここで、前記特許文献3に記載のものでは、検出したランプ電圧値が基準電圧より低い場合に、高めの放電アーク電流を流し、また、ランプ電圧値が基準電圧より高い場合に、放電アーク電流を減少させるように制御している。
具体的には、前記特許文献3の表5および段落0061〜0064等に、初期ランプ電圧が平均61.2Vであったランプを放電電流2.45Aで10時間点灯すると、ランプ電圧が平均55.1Vまで低下し、引き続き、放電電流2.75Aで10時間点灯すると、ランプ電圧は平均57.4Vにまで回復したと記載されている。
これを電力で考えると、初期ランプ電圧が61.2Vで放電電流が2.45Aであるので最初にランプに供給された電力は約150Wであり、最初の10時間で、ランプ電圧が平均61.2Vから平均55.1Vまで低下(電極間距離が減少)し、最初の10時間の点灯終了時の電力は平均55.1V×2.45A=135Wとなっている。
また、次の10時間点灯開始時の電力は平均55.1V×2.75A=152W(>135W)であり、放電電流2.75Aで10時間点灯させることにより、ランプ電圧が平均57.4Vまで回復しており、このときの電力は158Wとなっている。
すなわち、前記特許文献3に記載のものは、電極間距離の減少により放電電流を増加して電極間距離を大きくしようとするものであるが、上記のように、電力で見ると、ランプ電圧を回復させる(電極間距離を大きくする)際には、135W→152Wと電力が上昇している。
【0010】
以上のように、前記特許文献3に記載のものでは、電極間距離を大きくしようとするとき、放電電流を増加させており、その結果放電電力が増大しているのに対し、本願の請求項1の発明では、前記したように、放電ランプの点灯電圧が減少した場合(電極間距離が小さくなった場合)に放電電力を減少させて、電極間距離を回復させ、また、放電ランプの点灯電圧が増加した場合(電極間距離が大きくなった場合)に放電電力を増加させて、電極間距離が小さくなるようにしている。
この相違は、前記文献に記載された放電ランプと本発明の放電ランプにおける電極の熱的な設計や封入ハロゲン量の差異によるものと推察されるが、本発明の放電ランプにおいては、放電電流よりもむしろ放電電力の方が突起部の形成に強く影響しているものと考えられ、本発明者らの実験結果によれば、放電電力を制御することにより、効果的に電極間距離を制御することができた。
なお、前記特許文献3では、放電電流を増加させることによって電極先端部の温度が増大し、突起部の長さが縮小してランプ電圧が回復するとしているが、本発明の発明者らは、電極先端部の温度が増大すると気相へのタングステンの供給が増大し、電極先端部へのタングステンの付着が増えて突起部の形成が促進されるため、ランプ電圧はむしろ低下するものと解釈している。
【0011】
上記のように、本願の請求項1の発明では、放電ランプの点灯電圧に応じて放電電力を制御しており、具体的には、放電ランプの点灯電圧を検出する電圧検出器と、放電ランプに流れる電流を求める電流検出器と、該電圧検出器と電流検出器の出力から放電ランプに供給される電力を算出する手段と、上記電圧検出器により検出さた点灯電圧に応じて変化する基準電力信号を発生する基準信号発生器と、該基準電力信号と、上記算出された電力を比較する比較器を設け、該比較器の出力に基づき点灯装置を制御している。
上記のように放電電力を点灯電圧に応じて制御する際の、点灯電圧変化に対する放電電力の変化の割合(点灯電圧の変化に対する上記電力設定信号の傾き)は、前記(ii)に示したように、0.2W/V〜1.0W/Vの範囲とするのが望ましい。
これは、後述する実験結果に基づき得られた値であり、このような値に設定することにより、効果的に電極間距離を制御することができた。
なお、後述するように、上記点灯電圧変化に対して放電電力を必ずしも直線的に変化させる必要はなく、上記の範囲内であれば点灯電圧値に応じて上記傾きを変化させてもよい。また、点灯電圧値がある値以上、あるいは、ある値以下、また、ある範囲内にあるとき、点灯電圧変化に対して電力設定信号が一定になるようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1(a)に本発明の交流点灯型超高圧放電ランプの全体構成を示す。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された概略球形の発光部11を有し、この発光部11には、一対の電極1が互いに対向して配置する。また、発光部11の両端部から伸びるよう封止部12が形成され、これらの封止部12内には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔13が、例えばピンチシールにより気密に埋設されている。一対の電極1は軸部が、金属箔13に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔13の他端には、外部に突出する外部リード14が溶接されている。
発光部11には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm3 以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
【0013】
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入され、点灯始動性を改善するためのものである。ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、10-6〜10-2μmo1/mm3 の範囲から選択される。その機能はハロゲンサイクルを利用した長寿命化も存在するが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、このようなハロゲンを封入することが放電容器の失透防止を主目的としている。
放電ランプの数値例を示すと、例えば、発光部の最大外径9.5mm、電極間距離1.5mm、発光管内容積75mm3 、定格電圧80V、定格電力150Wであり交流点灯される。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクター装置に内蔵されるものであり、装置の全体寸法が極めて小型化される一方で高い光量が要求されることから、発光管部内の熱的影響は極めて厳しいものとなり、ランプの管壁負荷値は0.8〜2.0W/mm2 、具体的には1.5W/mm2 となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することがプロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器に搭載された場合に、演色性の良い放射光を提供することができる。
電極の先端には図1(b)に示すように突起1aが形成される。なお、電極は先端の球部の後方にコイル1bが形成されている。このコイル1bは点灯始動性と、定常点灯時における放熱作用のためであって、本発明においては必須のものではない。
【0014】
図2に本発明の実施例の点灯装置(給電装置) の構成例を示す。同図は、前記したように点灯電圧に応じて点灯電力を制御する点灯装置の構成例を示している。
図2に示す点灯装置100は、スイッチ素子S1がパルス巾制御されることによって電力が制御されるスイッチング部101と、そのスイッチング部101の直流電力を交流矩形波電力に変換するスイッチ素子S2〜S5からなるフルブリッジ回路102、および、これらスイッチング部101およびフルブリッジ回路101をそれぞれを制御する制御部103とから構成される。
放電ランプ10には、直列にイグナイタ用のトランスTR1が接続され、また、放電ランプ10とトランスTR1に直列にコンデンサC3が接続されており、放電ランプ10とトランスTR1の直列回路にフルブリッジ回路102から交流矩形波を供給し放電ランプを点灯させる。なお、以下では、放電ランプ10、トランスTR1、コンデンサC3から構成される回路を、まとめて放電ランプ10と呼ぶ。
【0015】
スイッチング部101は、コンデンサC1と、制御部103の出力によりスイッチング動作をするスイッチ素子S1と、ダイオードD1とインダクタンスL1と平滑コンデンサC2から構成され、制御部103のPWM部26により上記スイッチング素子S1のオン/オフ比が制御され、フルブリッジ回路102を介して放電ランプ10に供給される電力(放電電力)が制御される。
また、スイッチング部101から放電ランプ10に供給される電流を検出するため、電流検出用抵抗R1が、スイッチング部101とフルブリッジ回路102の間に設けられている。
フルブリッジ回路102は、ブリッジ状に接続されたトランジスタやFETからなるスイッチ素子S2〜S5と、該スイッチ素子S2〜S5に逆並列に接続されたダイオードD2〜D5から構成される。
上記スイッチ素子S2〜S5は、制御部103に設けられたフルブリッジ駆動回路22により駆動され、放電ランプ10に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ10を点灯させる。
すなわち、スイッチ素子S2、S5、スイッチ素子S3、S4を交互にオンにして、スイッチング部101→スイッチ素子S2→放電ランプ10→スイッチ素子S5→スイッチング部101、および、スイッチング部101→スイッチ素子S4→放電ランプ10→スイッチ素子S3→スイッチング部101の経路で放電ランプ3に交流矩形波を供給し、放電ランプ10を点灯させる。
【0016】
制御部103は、フルブリッジ駆動回路21を備え、フルブリッジ駆動回路21は、スイッチ素子S2〜S5の駆動信号を発生する。
また、乗算器22と、基準電力信号発生器23を備え、基準電力信号発生器23は、コンデンサC1の両端の電圧(点灯電圧V)に応じた基準電力信号〔Wref=F1 (V)〕を出力する。乗算器22は前記電流検出抵抗R1により検出されたランプ電流と、ランプ電圧(点灯電圧)とを乗算して放電ランプ10に供給される電力を算出する。
比較器24は上記乗算器22により算出された電力と、上記基準電力信号発生器23が出力する基準電力信号Wrefを比較し、比較結果をPWM部25に送る。PWM部25は、上記算出された電力と基準電力値が等しくなるようなデューティのパルス信号を発生し、スイッチ素子S1をPWM制御する。
【0017】
本実施例の点灯装置により、放電ランプに供給される電力(放電電力、以下ではランプ電力ともいう)は次のように制御される。
コンデンサC1の両端の電圧(点灯電圧)と電流検出抵抗R1の両端の電圧から乗算器23により、放電ランプ10に供給される電力を算出する。
乗算器23により算出された放電ランプ10に供給される電力に比例した電圧信号と、基準電力信号発生器24によって作られる上記点灯電圧に対応して、目標とする放電電力に比例する基準電力信号Wrefが比較器25に与えられる。
比較器25の出力電圧はスイッチ素子S1をパルス巾制御するPWM部26に与えられ、PWM部26は比較器25の出力電圧がゼロになるようにスイッチ素子S1のパルス巾制御を行う。
スイッチング回路101の出力は、フルブリッジ回路102に与えられ、フルブリッジ回路102で交流矩形波に変換され放電ランプ10に供給される。
その結果、点灯電圧に対応した、目標とする電力が放電ランプ1に与えられることになる。
【0018】
図3に、上記基準電力信号発生器24が発生する電力制御曲線の一例を示す。
同図において、横軸はランプ電圧(V)、縦軸はランプ電力(基準電力信号Wref)であり、本実施例においては、同図の実線に示すようにランプ電圧Vの変化に対して、0.66W/Vの割合で直線的にランプ電力を変化させた。なお、同図の点線は定電力制御をする場合の電力制御曲線である。
図3に示すように、ランプ電圧が増加したとき、それに応じて連続的にランプ電力を増加させ、ランプ電圧が低下したとき、それに応じて連続的にランプ電力を減少させることにより、ランプ1の電極先端に突起が形成されても、電極間距離を一定に制御することができた。
図4に、上記電力制御曲線によりランプ電力を制御した場合の、ランプ電圧(V)とランプ電力(W)の変化を示し、横軸は経過時間(h)であり、Aがランプ電圧、Bがランプ電力を示す。
同図は、定格200W−70Vの放電ランプを、電力制御(0.66W/V,点灯周波数150HZ ) によって約100時間点灯したときの放電ランプの点灯電力、点灯電圧の状態を表す。同図より、ランプ電圧Vは、概略、70±10Vの範囲内に制御されていることがわかる。なお、同図でランプ電圧および電力の曲線が不連続なのは、実用を考慮して2時間30分点灯−30分消灯の点滅を行ったからである。
同図から、ランプ電圧に応じてランプ電力を制御することにより、ランプ電圧が一定に落ち着く、すなわち、電極先端に突起が形成しても電極間距離が一定に制御されることが分かる。
【0019】
図5〜図6に電力制御曲線の他の例を表す。
図5は、所定のランプ電圧を70Vとし、ランプ電圧に応じて前記図3と同様6.6W/10Vの割合で直線的にランプ電力を変化させる場合の電力制御曲線の一例を示したものであり、同図では、過大なランプ電力によるランプの劣化を避けるため、上限電力値(図では220W) を設けている。
なお、最低限の光出力を確保するため下限電力(例えば、180W) を設けてもよい。
図6は、ランプ電圧の変化速度が緩やかである場合の電力制御曲線の一例を示したものであり、同図に示すように、ランプ電圧の変化速度が緩やかである場合には、所定電圧付近で一定電力になるような電力制御でもよい。このような一定電力の範囲は、例えば、所定電圧値の±10V程度である。
さらに、他の電力制御曲線として、ランプ電圧の変化速度の性質によっては、電力制御を上記のように直線的ではなく曲線的に行うことができる。
すなわち、所定の電圧付近でのランプ電圧の変化速度が緩やかであれば、そこでは緩やかな電力制御を行う。また、所定の電圧を越えるとランプ電圧が加速度的に上昇するような場合は、所定電圧以上で上に凸の電力制御曲線を用いることもできる。
さらに、所定の電圧を下回るとランプ電圧が加速度的に低下するような場合は、所定電圧以下で、下に凸の電力制御曲線を用いることができる。
また、これら電力曲線に、上記と同様の理由により、ランプ電力の上限または下限の少なくとも一方を設けてもよい。また、電力制御曲線が直線部と曲線部との組み合わせによって形成されていてもよい。
【0020】
上記実施例と比較するため、従来の定電力点灯によるランプ電圧の変化を調べた。
図7、図8に約100時間点灯させた場合のランプ電圧の変化を示す。同図の横軸は経過時間(h)、縦軸はランプ電圧である。
図7、図8は、前記図4と同様、定格200W−70Vの放電ランプを、ランプ電力200W、点灯周波数150Hzの一定に制御した場合の、放電ランプの点灯電圧の状態を表す。なお、前記図4と同様、2時間30分点灯−30分消灯の点滅を行っている。
同図より、大局的にはランプ電圧は上昇傾向(図7)または下降傾向(図8)を示し、100時間経過でランプ電圧は110Vまたは50Vに達した。
なお、ランプ電圧の曲線が不連続なのは、前記図4と同様、2時間30分点灯−30分消灯の点滅を行ったからである。
【0021】
次に、電極間距離を効果的に制御することができる電力制御曲線(前記図3、図5、図6)の傾きの範囲について調べた。
前記高圧ランプを用い、ランプ電圧に対して点灯電力を変化させる割合を変えて、ランプ電圧の変化を調べる実験を行いランプ電圧との数値関係を調べた。
ここで用いたランプは、ランプ入力が、ランプ入力200W、標準電圧70V、標準のアーク長1mmの超高圧水銀ランプであり、内容積100mm3 、単位容積あたりの封入水銀量0.25mg/mm3 、封入臭素量6×10-4μmol/mm3 のものである。
実験は、ランプ電圧に対して点灯電力を0.1W/V、0.2W/V、0.66W/V(前述した図4)、1.0W/V、1.5W/Vの割合で直線的に変化させる場合について、ランプ電圧の変化を調べたものである。尚、点灯周波数はいずれも150Hzである。
上記0.1W/V、0.2W/V、1.0W/V、1.5W/Vの割合で変化させた場合の結果を、図9〜図12にそれぞれ示す。
【0022】
まず、点灯電力を0.1W/Vの割合で変化させた場合(図9)では、一定電力で点灯した場合とほとんど同じで、ランプ電圧は大局的には上昇傾向を示しており、ランプ電圧を制御できないことが分かった。
次に、点灯電力を0.2W/V、0.66W/Vおよび1.0W/Vの割合で変化させた場合(図10、前述の図4、図11)では、点灯電力を変化させる割合が大きいほどランプ電圧の大局的な変動幅は大きくなるものの、いずれのもランプ電圧を所定の70V前後に制御できていることが分かる。
最後に、点灯電力を1.5W/Vの割合で変化させた場合(図12)では、ランプ電圧の大局的な変動幅が極めて大きくなり、ランプ電圧の高くなった時には過大な点灯電力(約230W)が投入される結果を招いている。このことは、ランプの早期の劣化を引き起こすものと考えられる。
以上から、ランプ電圧に対して点灯電力を変化させる割合は、0.2〜1.0W/Vの範囲が好ましいと判断した。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)石英ガラスからなる放電容器に一対の電極が1.5mm以下の間隔で対向配置して、この放電容器に0.15mg/mm3 以上の水銀と、10-6μmo1/mm3 〜10-2 μmo1/mm3 の範囲の臭素が封入される超高圧放電ランプの点灯装置において、放電ランプの点灯電圧が減少した場合にそれに応じて放電電力を連続的に減少させるように制御するとともに、前記放電ランプの点灯電圧が増加した場合にそれに応じて放電電力を連続的に増加させるように制御しているので、超高圧放電ランプのランプ電圧、電極間距離を安定に維持することができる。
(2)特に、上記点灯電圧に対する放電電力の変化の割合を0.2〜1.0W/Vの範囲に設定することにより、効果的に電極間距離を安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の超高圧放電ランプの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施例の点灯装置の構成例を示す図である。
【図3】電力制御曲線の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例の電力制御(0.66W/V)による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図である。
【図5】電力制御曲線の他の例を示す図(1)である。
【図6】電力制御曲線の他の例を示す図(2)である。
【図7】一定電力制御による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図(1)である。
【図8】一定電力制御による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図(2)である。
【図9】本発明の実施例の電力制御(0.1W/V)による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図である。
【図10】本発明の実施例の電力制御(0.2W/V)による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図である。
【図11】本発明の実施例の電力制御(1.0W/V)による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図である。
【図12】本発明の実施例の電力制御(1.5W/V)による点灯時のランプ電圧、ランプ電力の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 電極
10 超高圧放電ランプ
11 発光部
12 封止部
13 金属箔
14 外部リード
21 フルブリッジ駆動回路
22 乗算器
23 基準電力信号発生器
24 比較器
25 PWM部
100 点灯装置
101 スイッチング部
102 フルブリッジ回路
103 制御部

Claims (2)

  1. 石英ガラスからなる放電容器に一対の電極が1.5mm以下の間隔で対向配置して、この放電容器に0.15mg/mm3 以上の水銀と、10-6μmo1/mm3 〜10-2 μmo1/mm3 の範囲の臭素が封入される超高圧放電ランプと、この放電ランプに対して矩形波交流電流を供給して点灯させる給電装置とから構成される高圧放電ランプ点灯装置において、
    前記給電装置は、ランプ電圧を検出し、ランプ電圧に応じた基準電力信号を発生する手段と、ランプ電流を検出し上記ランプ電圧と乗算して放電電力を算出する手段と、算出された放電電力が上記基準電力信号に一致するように制御する制御手段を備え、
    前記放電ランプに対して、
    前記放電ランプの点灯電圧が減少した場合に放電電力を減少させるように制御するとともに、
    前記放電ランプの点灯電圧が増加した場合に放電電力を増加させるように制御して、
    かつ、これら放電電力の制御は、前記電圧の変化に対して連続的に行なう
    ことを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 前記放電電力制御は、0.2〜1.0W/Vの範囲で行なうことを特徴とする請求項1の高圧放電ランプ点灯装置。
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