JP5257286B2 - 露光装置および当該露光装置に使用されるランプの点灯電力制御方法 - Google Patents
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Description
一般に、液晶カラーフィルタは、1枚のワーク上に複数枚製作される。液晶カラーフィルタ製造においては、例えばフィルタの画素パターンを製作するために露光を利用する。その場合、ワーク全体を一括で露光する方法と、製作する液晶カラーフィルタ毎に分割して露光する方法とがある。
なお、必要とされる光路長と装置の寸法上の制約により、途中に第2平面鏡、第3平面鏡を設ける場合もある。
露光装置100から出射した光は、マスクMを介してワークステージWS上に載置・固定されたワークWに照射される。
露光装置100とワークWとの間にはマスクパターンを形成したマスクMが配置されている。ワークWがワークステージWS上に載置されると、マスクMのマスクパターンがワークWの所定の位置に露光されるように、マスクMとワークWとの位置合わせが行われる。
この位置合わせは、マスクMに印されたマスクアライメントマークとワークWに印されたワークアライメントマークとをアライメント顕微鏡7で検出し、互いのマークを重ね合わせるように、ワークステージWSに取り付けられたXYθステージSTを移動させて行う。
ワークWに対し所定の露光量を与えて露光が終了すると、シャッタ5を閉じ、ワーク搬送機構によりワークWをワークステージWSから搬出する。
これらのランプは、点灯開始後にランプ内の水銀が蒸発し、安定した光が得られるまでに数分間〜十数分間を要する。また、ランプの点灯開始時には、絶縁破壊のために高電圧を電極に印加するので、電極への負担が大きく、何度もランプ点灯開始動作を行うと電極が磨耗するおそれがある。そのため、これらのランプは、図12のタイムチャート112に示すように、いったん点灯すると、原則としてランプの寿命時間に達するまで消灯せず、定格電力で点灯を続ける。
露光処理を行わないときには、タイムチャート111に示すように、シャッター5によりランプ1を点灯した状態で遮光するようにしている。
したがって、従来の露光装置においては、ランプの点灯時間が長くなるにつれ、タイムチャート115に示すように、露光面における照度が低下し、スループットが低下する、という問題があった。
そのため、高出力のランプを長時間にわたり点灯させた場合でも、ランプの電極間に形成されるアークが電極中心軸方向に広がることがなく、ランプの輝度が経時的に低下することがない。
したがって、本発明の露光装置および露光装置における点灯電力制御方法によれば、高出力のランプを長時間にわたり点灯させた場合でも、ランプの輝度が経時的に低下することがなく、露光面における照度が一定となり、ひいては、スループットの低下を抑制することができる。
同図に示すように、ランプ1の後方には、ランプ1から発した光を出射する前方開口2Aを有する碗状の集光鏡2が設けられている。集光鏡2は、例えば回転楕円反射面を有する楕円反射鏡である。
集光鏡2の前方開口2Aから出射する光の光路上には、当該光路に対して斜め45°に傾斜するように第1の平面鏡3が配置されている。
第1の平面鏡3によって反射される光の光路上には、インテグレータレンズ4が配置されている。
インテグレータレンズ4によって集光される光の光路上には、露光光を遮光するシャッター5が配置されている。シャッター5は、シャッターコントローラ40からの指令を受けることによって開閉される。
シャッター5の前方には、インテグレータレンズ4によって集光された露光光をマスクMの方向へ反射するコリメータレンズ6が配置されている。
マスクMは、所定の露光パターンが形成されるとともに、ワークWに対して所定の位置に位置合わせを行うために使用するマスクアライメントマークが印されている。
ワークWは、例えば液晶カラーフィルタ、PDP基板、プリント基板および半導体基板等の基板であり、マスクMとの位置合わせを行うためのワークアライメントマークが印されている。ワークWは、ワークステージWS上に載置され、ワークステージWSに固定されている。
ワークWが載置・固定されたワークステージWSには、XYθステージSTが連結されている。
マスクMとワークWとの位置合わせは、アライメント顕微鏡7によって、各々に形成されたマスクアライメントマークとワークアライメントマークとを重ね合わせることによって行われる。この位置合わせは、ワークWを、ワークステージWSを介して、XYθステージSTによって移動させることによって行われる。
シャッターコントローラ40は、露光装置制御部30から露光開始指令を受けた場合にシャッター5を開き、一方、露光装置制御部30から露光停止指令を受けた場合にシャッター5を閉じる。
同図に示す露光装置100は、ランプ1をその寿命に達するまで消灯させずに連続して点灯させ、シャッター5が開いたときにワークWの露光を実行し、シャッター5が閉じたときにワークWの交換・位置調整等を実行する。
ランプ1は、例えば石英ガラス等の透光性材料より構成される容器10を有している。容器10は、外観が略球状となるように形成されるとともに内部空間Sを有する発光部11と、発光部11の両端のそれぞれに連続して円柱状に形成された封止部12Aおよび12Bとを備える。
封止部12Aおよび12Bの端部には、それぞれ、有底円筒形状を有する導電性の口金15Aおよび15Bが装着されており、ランプ1への給電が可能とされている。
発光部11の内部空間Sには、陽極13および陰極14が対向して配置されている。陽極13は、先端に向かうに従って次第に外径が縮小する回転円錐台形状を有する先端部13Aと、先端部13Aに続く円柱状の胴部13Bと、胴部13Bに続く胴部よりも外径の小さい円柱状の軸部13Cとからなる。先端部13Aおよび胴部13Bが内部空間S内に臨出し、軸部13Cの一部が封止部12Aに埋設されている。
陰極14は、先端部13Aよりも鋭利な回転円錐台形状を有する先端部14Aと、先端部14Aに続く円柱状の胴部14Bと、胴部14Bに続く胴部よりも外径の小さい円柱状の軸部14Cとからなる。先端部14Aおよび胴部14Bが内部空間S内に臨出し、軸部14Cの一部が封止部12Bに埋設されている。
発光部11の内部空間Sには、発光物質としての水銀が封入されている。水銀の封入量は、ランプ1を高出力とするために例えば1〜70mg/ccとされる。なお、水銀とともにキセノンガス等の希ガスを封入しても良い。ランプ1は、陽極13および陰極14に電力が供給されることにより、陽極13と陰極14との間で絶縁破壊が生じてプラズマが生成され、波長365nmの紫外光が放射される。
図2に示すランプ1は、点灯開始後にランプ内の水銀が蒸発し、安定した光が得られるまでに数分間〜十数分間を要する。また、ランプ1の点灯開始時には、絶縁破壊のために高電圧を電極に印加するので、電極への負担が大きく、何度もランプ点灯開始動作を行うと電極が磨耗するおそれがある。このような理由から、ランプ1は、いったん点灯すると、原則としてランプの寿命時間に達するまで消灯せず、連続して点灯を続ける。
したがって、ランプ1は、点灯時間が経過するにつれ、特に陰極14が磨耗することによって、陽極13と陰極14との間の距離X0(以下、電極間距離という)が次第に広がるという性質を有する。点灯時間が経過するにつれランプ1の電極間距離が広がると、電極間に形成されるアークが広がるためにランプ1の輝度が低下し、ひいては、露光面であるワークにおける放射照度が低下するという弊害がある。
以下に説明する実施例1は、このようなランプ1における電極間距離の広がりに起因して発生する弊害を防止するものである。
ランプ電源20は、商用電源21が設けられている。商用電源21から供給される交流電圧は、整流回路22によって整流される。整流回路22から得られる直流電圧は、スイッチング回路23に供給される。
スイッチング回路23は、複数のスイッチング素子により構成される。スイッチング回路23は、電力制御部25に接続されている。スイッチング回路23は、電力制御部25からの指令に応じて、各スイッチング素子がオン/オフすることによって、高周波出力を発生する。スイッチング回路23が出力する高周波は、平滑回路24により直流に変換され、ランプ1に供給される。
電力制御部25は、露光装置制御部30から入力される露光開始指令または露光停止指令を受けて、スイッチング回路23の駆動を制御する。即ち、電力制御部25は、露光開始指令を受けたときにスイッチング回路23の駆動を開始し、露光停止指令を受けたときにスイッチング回路23の駆動を停止するように制御する。
また、電力制御部25は、電圧計27から送られる電圧データと、電流計28から送られる電流データとに基づき、ランプ1に供給される電力が一定になるように定電力制御を行う。
記憶部26は、不揮発性メモリのように書換可能である記録媒体によって構成され、ランプ1の特性に応じた初期電圧データV0が格納されている。初期電圧データV0は、ランプ1の点灯初期に取得した電圧データであり、予め記憶部26に格納される。
記憶部26に格納された初期電圧データV0は、ランプの仕様により個々のランプ毎に異なるので、ランプを交換する毎に適宜書換えられる。
(式1) ΔV=〔(V−V0)/V0〕×100
電力制御部25は、電圧上昇幅ΔVが所定値(例えば0.7%)を超えるかを判定し、電圧上昇幅ΔVが所定値を超えると判定したときに、電力変調処理を実行する。
なお、測定される電圧データVがノイズの影響を受けて変動が大きい場合は、フィルタ回路を通したり、移動平均法を利用して電圧データVを平滑化しても良い。極間の変化に伴う電圧の変化は通常の電極では比較的緩やか(一時間当たり0.2〜1.0μ程度)であるため、数秒〜数分程度の時間では極間が変化することは殆どない。
電力変調処理が実行されると、図2に示す陽極13の先端部13Aにおける温度差が大きくなり、図7(C)に示すように、突起部13Xが陽極13の先端部13Aから陰極14に向けて伸び出るように形成される。
したがって、図7(C)に示すように、電力変調処理を実行した後の電極間距離は、陽極13に形成された突起部13Xの全長X2に相当する分が縮小されるため、図7(A)に示す点灯初期の電極間距離に概ね等しくなるように補正される。
電力変調条件は、例えば、周波数が0.1〜20Hz、振幅が定格電力の10〜100%の範囲で適宜設定される。
電力変調処理をシャッター5が開いたとき(つまり、露光時)に実行することは、露光時でありながら、電極間距離が変動することに伴ってランプ1に形成されるアークの大きさが変動し、露光面であるワークWにおける放射照度が一定でなくなり、ワークWに露光ムラが生じるため好ましくない。
電力変調処理をシャッター5が閉じているときに実行すれば、ワークWに悪影響を与えることなく、電極間距離が点灯初期の電極間距離と同等となるように補正することができるため、ワークWにおける放射照度を一定にすることができる。
初期電圧データV0 : 83.7V(ボルト)
周波数データf0 : 2Hz
単位変調時間データt0 : 5秒
振幅データw0 : 50%
中断データs0 : 電力変調処理を開始してから中断するまでの実行時間データ
(ステップS101)
露光装置制御部30が露光停止指令をシャッターコントローラ40に送出する。
(ステップS102)
シャッターコントローラ40は、露光装置制御部30から送られる露光停止指令を受け、シャッター5を閉じる。
(ステップS103)
電力制御部25は、電圧計27によって測定された電圧データVを取得する。
(ステップS104)
電力制御部25は、記憶部26に格納された初期電圧データV0を取得し、初期電圧データV0とステップS103で取得した電圧データVとを比較して、電圧上昇率ΔVを求める。
電力制御部25は、電圧上昇幅ΔVが0.7%を超えるかを判定する。電圧上昇幅ΔVが0.7%を超えると判定したときは、ステップS105に進む。電圧上昇幅ΔVが0.7%を超えないと判定したときは、ステップS106に進む。
(ステップS105)
電力制御部25は、記憶部26に格納された電力変調条件である周波数データf0、単位変調時間データt0および振幅データw0を取得し、取得した電力変調条件に基づき電力変調処理を実行する。電力変調条件の一例を挙げると、周波数が2Hz、単位変調時間が5秒、振幅が50〜100%である。
(ステップS106)
電力制御部25は、露光装置制御部30から送られる露光開始指令の有無を確認し、露光開始指令を受けたときは電力変調処理を終了する。
電力制御部25が露光装置30から送られる露光開始指令を受けていないときは、ステップS103に進む。
このように、ステップS103〜S105に示す手順が、ステップS106において露光開始指令を受けるまで繰り返し実行される。
(ステップS1051)
電力制御部25は、電力変調処理の実行中において、露光装置制御部30から送られる露光開始指令の有無を常時確認する。
電力変調処理中に露光開始指令が入力されなかった場合は電力変調処理が完了する。電力変調処理中に露光開始指令が入力された場合はステップS1052に進む。
(ステップS1052)
電力制御部25は、電力変調処理を中断しステップS1053に進む。
(ステップS1053)
電力制御部25は、電力変調処理を開始してから中断するまでの実行時間データである中断データs0を記憶部26に記録する。
(ステップS1054)
シャッターコントローラ40は、露光装置制御部30から送られる露光開始指令を受けシャッター30を開く。
(ステップS1055)
電力制御部25は、露光装置制御部30から送られる露光停止指令の有無を確認し、露光停止指令を受けたときはステップS1056に進む。
電力制御部25が露光停止指令を受けていない場合は、ステップS1055に戻る。
(ステップS1056)
シャッターコントローラ40は、露光装置制御部30から送られる露光停止指令を受けシャッター30を閉じる。
(ステップS1057)
電力制御部25は、記憶部26に保存された中断データs0を取得する。
(ステップS1058)
電力制御部25は、ステップS1057で取得した中断データs0に基づき電力変調処理を再開する。ステップS1058の電力変調処理は、単位変調時間データt0から中断データs0を引いた時間にわたって実行される。
タイムチャート51でシャッター5が閉じている状態では、タイムチャート52に示すように、電力変調処理が実行される。電力変調条件は、周波数が2Hz、単位変調時間が5秒、振幅が定格電力の50〜100%である。なお、タイムチャート52では、タイムチャート51でシャッター5が閉じた時刻に、図4のフローチャートに示すΔVが所定値以上になっていると仮定する。
タイムチャート52で電力変調処理が実行されると、タイムチャート53に示すように、電極間距離が次第に縮小され所定の時刻に一定になり、タイムチャート54に示すように、ランプ電圧が次第に低下していき所定の時刻に一定になる。
露光面仮想照度は、タイムチャート52で電力変調処理が実行されると、タイムチャート55に示すように次第に上昇していき所定の時刻に一定になる。なお、タイムチャート51でシャッター5が閉じているときの露光面照度は零であるため、タイムチャート55では、シャッター5が開いていると仮定した場合の露光面における照度を露光面仮想照度とし破線で示す。
ランプ1の点灯初期における電極間距離はX0である。ランプ1の点灯開始から所定時間が経過した後は、図7(B)に示すように、陰極14が損耗し陰極14の全長がX1縮小する。電極間距離は、図7(B)に示すように、陰極14の全長がX1縮小することによって、X0+X1に広がる。
電力変調処理が実行された後は、図7(C)に示すように、陽極13の温度差が大きくなることにより、陽極13の先端に突起部13Xが形成され陽極13の全長がX2延長する。電力変調処理が実行された後の電極間距離は、図7(C)に示すように、陽極13の全長がX2延長することによって、X0+X1−X2となる。
即ち、電力変調処理が実行された後は、陽極13の先端に突起部13Xが形成されることにより、電極間距離が点灯初期の状態に近付くように補正される。
特に、周波数、周期および振幅といった電力変調条件を適宜調整することにより、陽極13に形成される突起部13Xの全長X2を陰極14の縮小長さX1に等しくすることが望ましい。このようにすれば、ランプの点灯時間に係らず電極間距離が一定になり、電極間に形成されるアークの大きさが一定になるため、ランプの輝度の経時的な低下を防止することができる。
したがって、シャッター5を開いた露光時において、ランプ1の輝度が一定となり、ワークWにおける放射照度が低下しないため、ワークWの露光工程のスループットの低下を防止することができる。
上記した実施例1は、電圧データVと初期電圧データV0との差である電圧上昇幅ΔVを検知し、電圧上昇幅ΔVが所定値を超えたときに電力変調処理を実行するものであった。
次に説明する実施例2は、上記した電圧上昇幅ΔVと電力変調条件(周波数データf0、単位変調時間データt0および振幅データw0)との相関関係が規定された換算テーブルを記憶しておき、電圧上昇幅ΔVと換算テーブルとに基づき電力変調条件を取得し、取得した電力変調条件に基づき電力変調処理を実行するものである。
実施例2においては、露光装置のシステム構成は図1に示すものと共通するため、露光装置のシステム構成の説明を省略する。
即ち、電力制御部25は、電圧計27から読出した電圧データVと記憶部36から読出した初期電圧データV0とに基づき電力変調処理を実行する。即ち、電力制御部25は、電圧データVと初期電圧データV0とを比較し、電圧データVから初期電圧データV0を引いた差である電圧上昇幅ΔVが所定値(例えばV0の0.1%)を超えるときに、電力変調処理を実行する。実施例2では、電圧上昇幅ΔVを電極間距離の広がりを検知するための指標として使用する。
換算テーブルTAには、電圧上昇幅ΔVと、周波数データf0、単位変調時間データt0および振幅データw0といった電力変調条件との関係を規定したものである。一例を挙げると、換算テーブルTAには、電圧上昇幅ΔVが0.2%に対し、周波数データf0が5Hz、単位変調時間データt0が5秒、振幅データw0が90%というように規定されている。換算テーブルTAに規定された電力変調条件は、電圧上昇幅ΔVに対応して、陽極13に形成される突起部13Xの全長が電極間距離の広がりと同程度になるように設定される。
電力制御部25は、換算テーブルTAを使用してΔVに基づき電力変調条件を取得し、取得した電力変調条件で電力変調処理を実行する。
(ステップS201)
露光装置制御部30が露光停止指令をシャッターコントローラ40に送出する。
(ステップS202)
シャッターコントローラ40は、露光装置制御部30から送られる露光停止指令を受け、シャッター5を閉じる。
(ステップS203)
電力制御部25は、電圧計27によって測定された電圧データVを取得する。
(ステップS204)
電力制御部25は、記憶部36に格納された初期電圧データV0を取得し、初期電圧データV0とステップS203で取得した電圧データVとを比較し、電圧上昇幅ΔVを取得する。
電力制御部25は、電圧上昇幅ΔVが例えばV0の0.1%を超えるか判定する。電圧上昇幅ΔVがV0の0.1%を超えると判定したときは、ステップS205に進む。電圧上昇幅ΔVが0.1%を超えないと判定したときは、ステップS207に進む。
(ステップS205)
電力制御部25は、記憶部36に格納された換算テーブルTAを取得し、取得した換算テーブルTAと電圧上昇幅ΔVとに基づき電力変調条件(周波数データf0、単位変調時間データt0および振幅データw0)を取得する。
(ステップS206)
電力制御部25は、ステップS205で取得した電力変調条件に基づき、電力変調処理を実行する。
なお、図示は省略するが、電力制御部25が電力変調処理中に露光開始指令を受けた場合は、図5のフローチャートのステップS1051〜S1058に示すようにして、電力変調処理の中断および再開がなされる。
(ステップS207)
電力制御部25が露光装置制御部30から送られる露光開始指令を受けたときは、電力変調処理を終了する。
電力制御部25が露光装置30から送られる露光開始指令を受けていないときは、ステップS203に進む。
このように、ステップS203〜S206の手順が、ステップS207で露光開始指令を受けるまで繰り返し実行される。
つまり、電圧上昇幅ΔVは電極間距離の広がりを示す指標であるから、電圧上昇幅ΔVに対応して電極間距離の広がりを補正するために最適な電力変調条件が算出されるので、ランプにおける電極間距離をより高い精度で補正することができる。
しかも、電力変調処理はシャッター5が閉じた非露光時に実行されるため、ワークWに対して露光ムラを生じることがない。
したがって、シャッター5を開いた露光時において、ランプ1の輝度が一定となり、ワークWにおける放射照度が低下しないため、ワークWの露光工程のスループットの低下を防止することができる。
次に説明する実施例3は、ランプ1の点灯時間を測定するタイマーを設け、タイマーにより検知されるランプの通算点灯時間データと、予め記憶されているランプの基準点灯時間データT0とに基づき、電力変調処理を実行するものである。実施例3では、電極間距離の広がりを検知する指標として通算点灯時間データを使用する。
実施例3においては、露光装置のシステム構成は図1に示すものと共通するため、露光装置のシステム構成の説明を省略する。
実施例3では、ランプ電圧を測定する電圧計およびランプ電流を測定する電流計が省略され、ランプ1の通算点灯時間をカウントするタイマー29が設けられている。
記憶部46には、基準点灯時間データT0、周波数データf0、単位変調時間データt0および振幅データw0が格納されている。
電力制御部25は、記憶部46に格納された基準点灯時間データT0を読出し、基準点灯時間データT0とタイマー29から送出される通算点灯時間データTとを比較し、通算点灯時間データTが基準点灯時間データT0を超えるかを判定し、通算点灯時間データTが基準点灯時間データT0を超えると判定したときに電力変調処理を実行する。
(ステップS301)
露光装置制御部30が露光停止指令をシャッターコントローラ40に送出する。
(ステップS302)
シャッターコントローラ40は、露光装置制御部30から送られる露光停止指令を受け、シャッター5を閉じる。
(ステップS303)
電力制御部25は、タイマー29によって測定された通算点灯時間データTを取得する。
(ステップS304)
電力制御部25は、記憶部46に格納された基準点灯時間データT0を読み出し、基準点灯時間データT0とステップS303で取得した通算点灯時間データTとを比較して、通算点灯時間データTが基準点灯時間データT0を超えるか判定する。通算点灯時間データTが基準点灯時間データT0を超えると判定したときは、ステップS305に進む。通算点灯時間データTが基準点灯時間データT0を超えないと判定したときは、ステップS307に進む。
(ステップS305)
電力制御部25は、記憶部46に格納された電力変調条件である周波数データf0、単位変調時間データt0および振幅データw0を取得し、取得した電力変調条件に基づき電力変調処理を実行する。
なお、図示は省略するが、電力制御部25が電力変調処理中に露光開始指令を受けた場合は、図5のフローチャートのステップS1051〜S1058に示すようにして、電力変調処理の中断および再開される。
(ステップS306)
電力制御部25はタイマー29の通算点灯時間データTをリセットして零にする。
(ステップS307)
電力制御部25が露光装置制御部30から送られる露光開始指令を受けたときは、電力変調処理を終了する。
電力制御部25が露光装置30から送られる露光開始指令を受けていないときは、ステップS303に進む。
このように、ステップS303〜S306の手順が、ステップS307で露光開始指令を受けるまで繰り返し実行される。
しかも、電力変調処理はシャッター5が閉じた非露光時に実行されるため、ワークWに対して露光ムラを生じることがない。
したがって、シャッター5を開いた露光時において、ランプ1の輝度が一定となり、ワークWにおける放射照度が低下しないため、ワークWの露光工程のスループットの低下を防止することができる。
10 容器
11 発光部
12A、12B 封止部
13 陽極
14 陰極
15A、15B 口金
2 集光鏡
3 平面鏡
4 インテグレータレンズ
5 シャッター
6 コリメータレンズ
7 アライメント顕微鏡
W ワーク
WS ワークステージ
ST XYθステージ
20 ランプ電源
21 商用電源
22 整流回路
23 スイッチング回路
24 平滑回路
25 電力制御部
26、36、46 記憶部
27 電圧計
28 電流計
29 タイマー
30 露光装置制御部
40 シャッターコントローラ
100 露光装置
Claims (8)
- 発光管の内部に一対の電極が対向して配置されるとともに水銀が封入されたランプと、前記ランプに電力を供給するランプ電源と、前記ランプから放射される光を開閉するシャッターとを備え、
当該ランプを連続点灯させ、前記シャッターの開時には、前記ランプから放射される光によりワークを露光し、前記シャッターの閉時には、前記ワークの交換または位置調整を行う露光装置であって、
前記ランプ電源は、前記シャッターの閉時において、前記ランプの電極間距離の広がりを検知したときに、電力変調処理を実行して電極間距離の広がりを補正することを特徴とする露光装置。 - 前記ランプ電源は、前記ランプの点灯初期における初期電圧データが格納され、ランプを点灯させた後の電圧データと前記初期電圧データとの差である電圧上昇幅を求め、求めた電圧上昇幅が所定値を超えるかを判定し、前記電圧上昇幅が所定値を超えると判定したときに、前記電力変調処理を実行することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記ランプ電源は、前記電圧上昇幅と電力変調処理に係る電力変調条件との関係が規定された換算テーブルが格納され、前記換算テーブルと前記電圧上昇幅とに基づき電力変調条件を取得し、取得した電力変調条件に基づき電力変調処理を実行することを特徴とする請求項2記載の露光装置。
- 前記ランプ電源は、前記ランプの基準点灯時間データが格納され、ランプの通算点灯時間データと前記基準点灯時間データとを比較して通算点灯時間データが基準点灯時間データを超えるかを判定し、前記通算点灯時間データが前記基準点灯時間データを超えると判定したときに、前記電力変調処理を実行することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 発光管の内部に一対の電極が対向して配置されるとともに水銀が封入されたランプを連続点灯させ、シャッターの開時には、前記ランプから放射される光によりワークを露光し、シャッターの閉時には、前記ワークの交換または位置調整を行う露光装置における点灯電力制御方法であって、
前記シャッターの閉時において、前記ランプの電極間距離の広がりを検知したときに、電力変調処理を実行して電極間距離の広がりを補正することを特徴とする露光装置における点灯電力制御方法。 - 前記ランプの点灯初期における初期電圧データと前記ランプを点灯させた後の電圧データとを使用し、前記ランプを点灯させた後の電圧データと前記初期電圧データとの差である電圧上昇幅を求め、求めた電圧上昇幅が所定値を超えるかを判定し、前記電圧上昇幅が所定値を超えると判定したときに前記電力変調処理を実行することを特徴とする請求項5記載の露光装置における点灯電力制御方法。
- 前記電圧上昇幅と電力変調処理に係る電力変調条件との関係が規定された換算テーブルを使用し、前記換算テーブルと前記電圧上昇幅とに基づき電力変調条件を取得し、取得した電力変調条件に基づき電力変調処理を実行することを特徴とする請求項6記載の露光装置における点灯電力制御方法。
- ランプの通算点灯時間データとランプの基準点灯時間データとを使用し、前記通算点灯時間データと前記基準点灯時間データとを比較して前記通算点灯時間データが前記基準点灯時間データを超えるかを判定し、前記通算点灯時間データが前記基準点灯時間データを超えると判定したときに前記電力変調処理を実行することを特徴とする請求項5記載の露光装置における点灯電力制御方法。
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