JP5541192B2 - 紫外線照射装置 - Google Patents
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Description
制御部91には、上記ランプ81に電力を供給するランプ電源回路92、シャッタ85の開閉を制御するシャッタコントローラ93、上記冷却風を制御する冷却風コントローラ94、および、露光装置全体を制御する露光装置制御部95が設けられる。また、ランプ電源回路92には、ランプ81に供給する電力を切り替える切換回路92aが設けられ、これによりランプの点灯状態を「フル点灯状態(ランプを定格で点灯させる状態)」、「スタンバイ点灯状態(ランプを定格以下で点灯させる状態)」に切り替える。
例えば、露光時は定格電力で0.1〜10秒点灯させ、待機時は定格電力よりも小さい待機電力で0.1〜100秒点灯させるということが繰り返される。
照射時、待機時ともに同じ波長の水銀の輝線スペクトルが観測されるが、全体の波形の形状は異なるものである。
露光に用いられる光は、特定の波長範囲の紫外線の露光量が十分であることが必要なので、例えばピーク波長の照度が同程度だとしても、露光量としては十分ではないということがある。
このことは、ピークのみが鋭く観測される波形、例えばより低い入力電力の状態から高い定格電力に戻したときに顕著であった。
また、前記紫外線照射装置は、波長300〜800nmの発光を利用することを特徴とする。
また、前記スタンバイ点灯モード時の前記高圧水銀ランプより放射される波長525nmの照度Isを前記ランプ点灯装置より供給する電力によって調整することを特徴とする。
そして、このようなIs/Ifの範囲で電力等を調整することができ、可能な限りより省電力な紫外線照射装置とすることができる。
また、本発明の紫外線照射装置は、高圧水銀ランプを光源としているため、特に波長300〜800nmの範囲の積算露光量が時間的に安定するという効果がある。
また、上記Is/Ifは、ランプ点灯装置によれば、電力を調整することで適切に調整することができる。
高圧水銀ランプ20は、例えば石英ガラス等の透光性材料より構成される発光管を有している。
発光管は、外観が略球状となるように形成されるとともに内部空間Sを有する発光部21と、発光部21の両端のそれぞれに連続して円柱状に形成された封止部22、22を備える。
封止部22および22の端部には、それぞれ口金25および25が装着されており、高圧水銀ランプ20への給電が可能とされている。
発光部21の内部空間Sには、陽極24および陰極23が対向して配置されているとともに、発光物質としての水銀が封入されている。水銀の封入量は、高圧水銀ランプ20を高出力とするために、例えば1〜70mg/ccとされる。なお、水銀とともにキセノンガス等の希ガスを封入しても良い。
発光部の内壁に対する入力電力の比で表される管壁負荷は、例えば10〜30W/cm2である。
高圧水銀ランプ20は、陽極24および陰極23に電力が供給されることにより、陽極24と陰極23との間で絶縁破壊が生じてプラズマが生成され、例えば波長365nmの紫外線が放射される。
点灯制御装置41には、上記高圧水銀ランプ20に電力を供給するランプ点灯回路42、シャッタ35、紫外線照射装置全体を制御する照射装置制御部45が設けられる。
ランプ点灯回路42には、高圧水銀ランプ20に供給する電力を切り替える、後述する切換部43が設けられ、これによりランプの点灯状態を「フル点灯モード(ランプを定格で点灯させる状態)」、と「スタンバイ点灯モード(ランプを定格以下で点灯させる状態)」とに切り換える。
これにより、例えば、露光時は定格電力で0.1〜60秒点灯させ、待機時は定格電力よりも小さい待機電力で0.1〜120秒点灯させるということが繰り返される。
このランプ点灯回路42は、商用電源50から供給される交流電圧を、例えば、全波整流回路とコンデンサから構成される整流平滑回路51により直流電圧に整流・平滑する。
整流平滑回路51から得られる直流電圧は、複数のスイッチング素子から構成されるフルブリッジ型のスイッチング回路52に供給される。
スイッチング回路52に含まれるスイッチング素子(不図示)の各ベースはPWM制御部54の出力に接続されており、PWM制御部54の出力により各スイッチング素子がオン/オフし、スイッチング回路52から高周波電圧を出力させる。
スイッチング回路52の出力は、トランスTにより昇圧されて、不図示のダイオード、インダクタンス、コンデンサから構成される整流平滑回路53により直流電圧に変換され、起動器55を介して、高圧水銀ランプ20に供給される。
シャッタ35については、詳細は図示しないが、シャッタ駆動機構とシャッタ35から構成され、スタンバイ点灯モードにおいてはシャッタ35が光路中に挿入され、露光光が遮断される。
具体的には、PWM制御部54は、各スイッチング素子のオン時間とオフ時間との比率(デユーティ比)を制御することにより、高圧水銀ランプへの供給電力が調整される。
すなわち、スタンバイ点灯モード基準電力発生部62の基準電力値がスタンバイ点灯モード用の基準電力値として上記と同様の制御が行われる。
以上により、照射装置制御部45からの指令により、ランプ点灯回路42から高圧水銀ランプ20へ供給される電力を切り替え制御することができる。
前述のように、露光の際には、特定の波長範囲の紫外線の露光量が適切であるかどうかが重要である。
具体的に露光量は、例えば、波長300〜550nmの範囲で区切られた光の照度の積分値で表される積算光量と、照射された時間によって決まる。ランプ点灯時にこの積算光量の時間的変動が激しいと、一定時間露光したときの露光量がばらついてしまうため、積算光量の時間的変動がなく一定であることが好ましい。例えば、レジストを硬化させる用途においては、露光量が足りないとレジストが適正に硬化せず、所望のパターンが得られないなどの不具合が生じるからである。
フル点灯モードのみを継続する場合には、照度が安定するのを待ってシャッタを開けるなどすればよいが、フル/スタンバイ点灯を頻繁に切り換える点灯方法にあっては、点灯モードを切り替えるごとに照度が安定するのを待っていてはスループットが低下する。
実験に用いたのは、図1に示した高圧水銀ランプであり、発光管内には0.026mg/cm3の水銀と、0.9hPaのキセノンとを封入したものを用いた。
陰極と陽極との電極間距離は21mmであり、定格電力は25kW、発光管内壁に対する管壁負荷は25W/cm2である。
高圧水銀ランプをスタンバイ点灯し、フル点灯に切換えた直後の照度を照度計により一定時間測定した。そして、照度計より得られた波長300〜550nmの範囲の照度を積分し、その積分値を積算光量とした。観測した期間の積算光量の変動率(積分値の最大値と最小値の差を、最大値と最小値の和で除して%表示したもの)が±3%以下である場合は、積算光量の時間的安定性があるとして○、±3%を超えた場合を安定性に欠けるとして×とした。
波長525nmは、水銀の輝線スペクトル波長に該当しない連続スペクトル部分である。上述のごとく積算光量は、ある波長範囲の照度の積分値であるから、積分すると蒸気圧に影響されにくい輝線スペクトルとその周辺部分の照度よりも、蒸気圧に依存して変化する連続スペクトル部分の照度が、安定性において重要である。
したがって、波長525nmを選択したのは、輝線スペクトルから離れていてその影響が少なく、連続スペクトル部分の評価をするのに優れているという理由からである。
Is/If比を変化させるには、例えばスタンバイ点灯モードの入力電力を変化させることにより調整可能である。具体的には、予め波長525nmの照度を測定して得られたIsを図3に示したスタンバイ点灯モード基準電力発生部62にスタンバイ点灯モード時の電力として設定するなどして調整可能である。
Is/Ifが10%、20%のときは、発光管内に未蒸発の水銀が観測され、変動率も±3%を超えてしまい積算光量が安定しなかった。
一方、Is/Ifが30%〜80%のときは、発光管内に未蒸発の水銀は観測されず、変動率も±3%以下であり、積算光量が安定していた。
さらに図示はしていないが、Is/Ifが80%を超え、100%未満である範囲についても、変動幅が非常に小さいことは上記の実験結果より技術的に明らかである。
したがって、Is/Ifが30%以上、100%未満であるときは、スタンバイ点灯モードからフル点灯モードへ切換えても、所定の範囲の照度の積算光量が時間的に安定しており、発光管内の水銀の未蒸発もなく、結果として露光量のばらつきが無かった。
この結果より、Is/Ifが30%以上、100%未満となる範囲においてスタンバイ点灯するべきことを規定した。
そして、このようなIs/Ifの範囲で電力等を調整することができ、可能な限りより省電力な紫外線照射装置とすることができる。
また、本発明の紫外線照射装置は、高圧水銀ランプを光源としているため、特に波長300〜800nmの範囲の積算路光量が時間的に安定するという効果がある。
また、上記Is/Ifは、ランプ点灯装置によれば、電力を調整することで適切に調整することができる。
21 発光部
22 封止部
23 陰極
24 陽極
25 口金
32 集光鏡
33 第一平面鏡
34 インテグレータレンズ
35 シャッタ
36 コリメータミラー
41 点灯制御装置
42 ランプ点灯回路
43 切換部
45 照射装置制御部
50 商用電源
51 整流平滑回路
52 スイッチング回路
54 PWM制御部
55 起動器
56 電力測定回路
61 フル点灯モード基準電力発生部
62 スタンバイ点灯モード基準電力発生部
81 ランプ
82 集光鏡
83 第一平面鏡
84 インテグレータレンズ
85 シャッタ
86 コリメータミラー
90 光照射装置
91 制御部
92 ランプ電源回路
92a 切換回路
93 シャッタコントローラ
94 冷却風コントローラ
95 露光装置制御部
S 内部空間
T トランス
Claims (3)
- 発光管内に水銀が封入され、管壁負荷が10〜30W/cm2である高圧水銀ランプと、
該高圧水銀ランプに供給する電力を、定格電力によって点灯させるフル点灯モードと、該フル点灯モードよりも低い電力によって点灯させるスタンバイ点灯モードとを切換可能に駆動できる点灯制御装置とを備える紫外線照射装置において、
前記フル点灯モード時の前記高圧水銀ランプより放射される波長525nmの照度Ifと、スタンバイ点灯モード時の該高圧水銀ランプより放射される波長525nmの照度Isとの比をIs/If(%)とし、
Is/Ifが30%以上、100%未満であることを特徴とする紫外線照射装置。 - 前記紫外線照射装置は、波長300〜800nmの発光を利用することを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
- 前記スタンバイ点灯モード時の前記高圧水銀ランプより放射される波長525nmの照度Isを前記点灯制御装置より供給する電力によって調整することを特徴とする請求項2に記載の紫外線照射装置。
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