JP5472611B2 - 露光装置及び露光装置の点灯方法 - Google Patents

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本発明は、露光装置及び露光装置の点灯方法に係わり、特に、液晶カラーフィルタ、PDP基板、プリント基板等の基板の露光処理に用いられる露光装置及び露光装置の点灯方法に関する。
特許文献1には、図9に示すように、ランプ101と、ランプ101の光を集光して放射する集光鏡102と、集光鏡102からの光を反射する平面鏡103と、平面鏡103からの反射光の強度ムラを抑制するインテグレータレンズ104と、光路を開閉するシャッター105と、シャッター105が開いたときに通過する光を反射し、且つ、該光を平行光にするコリメータミラー106と、コリメータミラー106からの反射光をワーク107の所望の位置に通過させるマスク108と、ワーク107を載置するワークステージ109と、ワーク107が載置されたワークステージ109を移動制御するXYθステージ110と、ワークステージ109上のワーク107の入替を行うワーク搬送機構111とを備える露光装置が記載されている。この露光装置は、露光処理終了後にシャッター105を閉じる機能を有し、露光処理時は定格電力で点灯し、シャッター105を閉じて露光光をワーク107に出射していないときは、定格電力の70%の電力でスタンバイ点灯することが記載されている。
一方、特許文献2には、ランプを備える露光装置が記載されており、この露光装置に使用されるランプは、発光管内に0.08mg/mm以上の水銀が封入され、電極間距離が2mm以下であることが記載されている。
特開2000−181075号公報 特開2006−278907号公報 特開2006−59790号公報
ところで、特許文献2に記載されているような水銀封入量の多いランプを、消費電力を抑制する目的から、特許文献1のように、定格電力(高電力)とスタンバイ点灯(低電力)とを交互に入力することが考えられる。しかし、露光装置は、点灯時間2000時間で照度維持率を70%以上にしたいという、要望があるが、特許文献2の記載のランプを備えた露光装置においては、このような目標を達成することはできない。その理由を、本発明者らは、以下のように推測している。
特許文献2に記載の露光装置に使用されている高圧放電ランプ等は、図10に高圧放電ランプ201の一部に示すように、電極202、202間距離が近接しており、水銀の封入量が多いことから、ランプ点灯時において、陽極動作時の電極202は、その先端203の一部が溶融し、陰極動作時の電極202は、その先端204の一部が突起として成長する。しかし、この先端の溶融と突起の成長とが、定格電力時と、低電力時とでは異なっている。定格電力で点灯するときに、電極が陽極動作すると、電子流を受けて加熱され、電極先端の突起の一部が溶けてその部材(例えば、タングステン)が気化する。一方、電極が陰極動作すると、気化した部材が電極に引き寄せられ、突起を復元するように突起を成長させる。
ところが、スタンバイ点灯(以下、低電力点灯と称する)するときに、入力される電力が低くなるように、電流を下げる。この場合、低電力点灯の際、周波数制御は係わらないので、低電力点灯時の周波数は、定格電力点灯時の周波数を維持したまま、電流値を下げることになる。そうすると、低電力で点灯したときに、電極が陽極動作すると、電子流を受けて加熱されるが、電流値が下がった分、受ける電子流も少なくなるので、電極の加熱温度が定格電力時より低くなり、電極先端の溶ける量も定格電力時より少ない。一方、電極が陰極動作すると、気化した部材が電極に引き寄せられ、突起を成長させる。このように、低電力点灯時には、電極が陽極動作するときに、定格電力より溶ける量が少なかった分、電極間距離が短くなってしまうと考えられる。
ところが、低電力点灯後、ワークを露光するために、定格電力で点灯すると、電極間距離が短い状態で、定格電力時の大きな電流が流入されるため、陽極動作する電極は、大きな電子流を近距離で受けることになり、電極部材は過剰に加熱されて蒸発してしまう。このとき、過剰に蒸発した電極部材が、発光管の内部に気化して存在し、又は、発光管の内壁に付着して存在し、付着した電極部材が露光光を遮光してしまう。このように蒸発した電極部材は、点灯時間が経過すると蓄積されていくので、照度維持率を低下させるものと推測される。
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、照度維持率の低下を抑制した露光装置及び露光装置の点灯方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、封入水銀量0.08〜0.25mg/mmの高圧放電ランプを備え、ワークを露光処理する露光装置であって、該高圧放電ランプは、前記ワークを露光しない非露光時に、露光時の定格電力に比べて低電力で交流駆動するように制御し、且つ、前記低電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数を、前記定格電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数に比べて小さくするように制御する制御部を備えることを特徴とする露光装置である。
請求項2に記載の発明は、封入水銀量0.08〜0.25mg/mmの高圧放電ランプを備え、ワークを露光処理する露光装置の点灯方法であって、該高圧放電ランプは、前記ワークを露光しない非露光時に、露光時の定格電力に比べて低電力で交流駆動し、且つ、前記低電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数は、前記定格電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数に比べて小さくすることを特徴とする露光装置の点灯方法である。
請求項3に記載の発明は、前記ワークは、複数の露光箇所を有する基板であって、前記高圧放電ランプと前記ワークとの間の光路にシャッターを設け、前記非露光時は、前記ワークがある露光箇所から他の露光箇所への露光位置の移動期間を含み、該移動期間において前記シャッターで前記光路を閉じることを特徴とする請求項2に記載の点灯方法である。
本発明によれば、低電力時のときの点灯電流を定格電力のときの点灯電流よりも小さくし、且つ、低電力時のときの点灯周波数を定格電力のときの点灯周波数よりも小さくすることにより、照度維持率の低下を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 図1に示した露光装置において使用される高圧放電ランプの構成を示す図である。 露光面が4箇所あるワークの被照射面を見た図である。 露光装置の点灯方法を示すフローチャートである。 1基板(ワーク12)に4回露光を行う場合の、ランプ入力、シャッター開閉、露光面照度、及びランプ電流の状況を示す図である。 点灯条件が、ランプ電流3.0A(周波数1000Hz)、ランプ電流2.6A(周波数60Hz)、及びランプ電流2.6A(周波数1000Hz)における、電極先端温度及びランプ電流の時間的変化を示す図である。 点灯周波数が60〜1000Hzの範囲において、点灯電流値を2.6A、3.0A、3.5Aのそれぞれで周波数を変えて点灯させたときに、電極先端温度の変化をプロットし、それぞれの電流値のプロットを対数目盛りで線を引いたものである。 AC駆動の高圧放電ランプを、本発明例として、点灯周波数350Hzで3秒間の定格電力(275W)と点灯周波数60Hzで6秒間の低電力(200W)を繰り返し行ったとき(□印)と、比較例として、点灯周波数350Hz固定で3秒間の定格電力(275W)と6秒間の低電力(200W)を繰り返し行ったとき(△印)、の定格電力の照度維持率の変化を示すグラフである。 従来技術に係る露光装置の構成を示す図である。 高圧放電ランプ等における、陽極動作時の電極先端と陰極動作時の電極先端の形状の変化を説明するための図である。
本発明の一実施形態を図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
同図に示すように、この露光装置は、複数の高圧放電ランプ1aを備えた光源1と、光源1に給電する電源2と、光源1からの光を反射する平面鏡3と、平面鏡3からの反射光の強度ムラを抑制するインテグレータレンズ4と、インテグレータレンズ4から出力された光の照度を測定する照度モニタ5と、照度モニタ5の測定結果に応じて光路を開閉するシャッター6と、シャッター6を照度モニタ5の測定結果に応じてシャッター6の開閉を判断する制御部7と、制御部7からの入力によってシャッター6の開閉をコントロールするシャッターコントローラ8と、シャッター6が開いたときに通過する光を反射し、且つ、該光を平行光にするコリメータミラー9と、コリメータミラー9からの反射光の照度を測定する照度モニタ10と、を備える。
前記反射光は、マスク11によってワーク12の所望の位置に通過される。ワーク12は、ワークステージ13に載置され、ワークステージ13はXYθステージ14に載置される。ワーク12は、XYθステージ14によって移動が制御され、ワーク搬送機構15によってワークステージ13上において入替が行なわれる。
なお、露光装置としては、例えば、DMDでパターンを形成してマスクを必要としない構成も可能である。その場合は、インテグレータレンズ等は必要としないことがある。
図2は、図1に示した露光装置において使用される高圧放電ランプ1aの構成を示す図である。
同図に示すように、高圧放電ランプ1aは、略球状の発光部16と、発光部16の両端から伸びる封止部17と、発光部16の内部で対向配置される一対の電極18と、電極18に電気的に接続され、封止部17に埋設される金属箔19と、封止部17から外部に突出する外部リード20と、を備える。
この高圧放電ランプ1aは、発光部16と封止部17とからなる発光管が石英ガラスによって形成され、一対の電極18は、タングステンにより形成され、その間隔が0.8mm〜2mmで対向配置されている。金属箔19には、例えば、モリブデンにより形成され、例えば、シュリンクシールにより封止部17に気密に埋設されている。金属箔19によって電極18と外部リード20とが電気的に接続されている。
発光部16には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスとが封入されており、水銀は、必要な紫外光波長、例えば、300〜360nmの放射光を得るためのもので、0.08〜0.25mg/mm封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時80気圧以上の高い蒸気圧となる。希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入される。その機能は、点灯始動性を改善することにある。ハロゲンは、フッ素、臭素、塩素等が水銀又はその他の金属と化合物の形態で封入される。ハロゲンの封入量は、5×10−5〜7×10−3μmol/mmの範囲から選択される。ハロゲンの機能は、いわゆるハロゲンサイクロを利用した長寿命化であるが、この高圧放電ランプ1aのように極めて小型で極めて高い点灯蒸気圧のものは、発光管の失透防止という作用もある。この高圧放電ランプ1aの数値例を示すと、例えば、発光部16の最大外径12mm、電極間距離1.2mm、発光部内容積90mm、定格電圧70V、定格電力200Wであり350Hzで交流点灯される。
図3は、ワーク12の被照射面を見た図であり、この例では、露光面が4箇所あることを示している。
次に、本実施形態に係る露光装置の点灯方法を、図1〜図5を用いて説明する。
図4は、露光装置の点灯方法に係るフローチャート、図5は、1基板(ワーク12)に4回露光を行う場合の、ランプ入力、シャッター開閉、露光面照度、及びランプ電流の関係を示す図である。
図4に示したフローチャートにおいて、露光装置の点灯開始前、制御部7は、ステップS1で、シャッターコントローラ8を介してシャッター6を閉じた状態にする。制御部7は、ステップS2で、電源2を介して、高圧放電ランプ1aにランプ電力をW、周波数Xで給電を開始する。このとき、ランプ電力Wは、図5(a)に示すように、例えば、200Wであり、後述する定格電力のランプ電力Wの、例えば、270Wに対して低電力である。また、周波数Xは、60〜1000Hzの範囲から選択され、後述する定格電力時の周波数Xよりも小さい、例えば、図5(d)に示すように、60Hzである。
この低電力Wが入力されるとき、高圧放電ランプ1aに入力されるランプ電流Iは、電極間距離の電気抵抗(=ランプ電圧)とランプ電力とによって決まり、図5(d)に示すように、例えば、2.6Aで給電される。制御部7は、ステップS3で、ワーク搬送機15によってワーク12を搬入し、ワークステージ13に載置する。制御部7は、ステップS4で、ワーク12とマスク11との位置合わせをするため、XYθステージ14を移動させることで、不図示のアライメント顕微鏡で見たマスク11のアライメントマークとワーク12のアライメントマークとを合わせる。
ステップS4での位置合わせ後、制御部7は、ステップS5で、高圧放電ランプ1aの定格電力をW(270W)になるようにランプ電流Iを制御し、例えば、図5(d)に示すように、3.5Aのランプ電流を流すと共に、制御部7は、陽極動作時の電極の先端の加熱温度を、低電力時の加熱温度に対して、近似させるため、入力すべき周波数Xを、60〜1000Hzの範囲から選択し、低電力時の周波数Xより大きいX、例えば、図5(d)に示すように、1000Hzにする。ステップS5の後で、制御部7は、ランプ電流Iと周波数Xとを入力し、ランプの照度がワーク12を処理するための所期の照度になったかを、シャッター6より手前に配置した照度モニタ5で検知し、所期の照度になると、ステップS6で、図5(b)に示すように、シャッター6を開き、光をワーク12に照射する。このとき、ワーク12の照射面側に配置した照度モニタ10の検知結果が図5(c)に示され、この例においては、照度33mW/cmがワーク12に照射される。
制御部7は、ステップS7で、不図示のタイマー回路で、ワーク12を処理するために必要な設定時間の経過を測定し、設定時間が経過したら、ステップS8で、図5(b)に示すように、シャッター6を閉じる。シャッター6を閉じた後は、ワーク12には、光が照射されないので、図5(a)に示すように、ランプ電力を定格電力W(270W)より低いW(200W)にし、また周波数X(1000Hz)より小さい周波数X(60Hz)にする。
高圧放電ランプ1aには、水銀が封入され、水銀蒸気圧を利用して光を放射しているので、完全に消灯させてから、再度点灯させて、所期の照度を放射するまでには時間がかかる。露光用途においては、シャッター6が閉じている時間は、ワーク12を複数箇所露光する場合にはワーク12を他の露光箇所に移動させる時間に相当し、それは7秒程度であり、ワーク12を一括露光する場合にはワーク12を入れ替える時間に相当し、それは15秒程度必要である。このように、シャッター6が閉じている時間が短い場合は、高圧放電ランプ1aを完全に消灯するようなことはせず、定格電力より低い電力で入力する必要がある。従って、シャッター6が閉じた後、制御部7は、ステップS9で、高圧放電ランプ1aへのランプ電力を点灯初期に設定したランプ電力をWに、周波数をXに設定し、高圧放電ランプ1aを低電力で点灯する。
ランプ電力を低電力Wに設定後、図3に示したように、ワーク12の同一基板上に複数箇所の露光箇所がある場合には、ステップS4に戻って、XYθステージ14を移動させて、ワーク12の同一基板上において次の露光箇所とマスク11の位置合わせを行う。この同一基板上に複数の露光箇所があるかどうかは、制御部7が判断しても良いし、あらかじめ利用者が制御部7に設定しておいてもかまわない。
制御部7は、ステップS4の処理後、ワーク12の露光箇所が全て終わるまで、ステップS4からステップS10までの処理を繰り返す。この例においては、ワーク12の露光箇所が4箇所あり、この4箇所の露光が終わると、制御部7は、ステップS10で、Yとなり、ステップS11において、ワーク搬送機構15によってワーク12を搬出する。なお、ステップS11で、ワーク12を搬出して、新規にワーク12を処理する場合は、ステップS3に戻って、ワーク12を搬入し、ステップS10までの処理を繰り返し行なうが、この工程は、図4においては省略されている。
なお、図1に示す露光装置においては、光源1として、複数の高圧放電ランプ1aを使用する場合について説明したが、光源1として、複数の高圧放電ランプ1aに代えて、1個の高圧放電ランプ1aを使用するようにしてもよい。また、高圧放電ランプ1aの配置は、一対の電極が重力方向に対して上下方向に位置する垂直配置であっても、また一対の電極が重力方向に対して水平方向に位置する水平配置であっても、本発明において適用することができる。
次に、本発明において、点灯周波数を60〜1000Hzの範囲から、定格点灯時は周波数を1000Hz、低電力点灯時は60Hzを選択する理由について説明する。
封入水銀量0.08〜0.25mg/mmの範囲に含まれる放電ランプの特許文献として、用途は異なるが、特許文献3が知られている。この特許文献には、放電ランプの点灯周波数を60〜1000Hzから選択することが記載されており、封入水銀量0.08〜0.25mg/mmの範囲に含まれる放電ランプにおいて、点灯周波数を60〜1000Hzの範囲から選択することは知られている。
次に、本発明において、低電力時の点灯周波数を、定格電力時の点灯周波数よりも小さくすることによる、電極先端の温度変化について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、点灯条件が、ランプ電流3.0A(周波数1000Hz)、ランプ電流2.6A(周波数60Hz)、及びランプ電流2.6A(周波数1000Hz)における、電極先端温度及びランプ電流の時間的変化を示す図である。
図6を用いて、定格電力時のランプ電流Iと周波数Xとを予め決めておき、ランプ電流Iと周波数Xとに対して、低電力時のランプ電流Iと周波数Xの値によって、電極の先端温度がどうなるかについて説明する。
図6に示すように、定格電力時に、ランプ電流Iが3.0Aで、周波数1000Hzであるとき、低電力時に、ランプ電流Iだけを低下させてランプ電力を低下させた場合、図6の一点鎖線に示すように、ランプ電流2.6A、周波数1000Hzのようになる。この結果、電極が陽極動作時において、定格電力時には、3450Kまで加熱されるのに対し、電流が低くなった分、低電力時には、3300Kまでしか加熱されない。これにより、低電力時には、電極が陽極動作時に定格電力時よりも溶融量が少なくなる。すなわち、先に、発明が解決しようとする課題において説明したように、電流だけを低下させて低電力制御した場合、電極間距離が短くなって、定格電力時に近接した電極からの電子流によって、陽極動作時の電極部材(タングステン)が飛散して発光管内に気化してしまい、発光管内に気化した電極部材が存在することで、又は、発光管の内壁に気化した電極部材が付着することで、照度を低下させてしまう。
一方、定格電力Wのランプ電流Iより低いランプ電流Iにし、点灯周波数を下げて低電力Wにすることにより、電極先端の温度の変化を定格電力時と低電力時と同じようにすることができる。つまり、図6に示すように、定格電力時はランプ電流3.0A、周波数1000Hzで点灯し、低電力時はランプ電流2.6A、周波数60Hzで点灯する。これは、定格電力時に比べて低電力時は、ランプ電流が低くなる分、電極先端が加熱されにくくなるが、周波数が低周波になる分、電極が陽極動作時の時間が長くなるので、陽極動作時の電極が電子流を受けて持続的な加熱時間が長くなる。従って、定格電力時に比べ低電力時は、ランプ電流が低くなる分、電極先端の温度が低くなるが、周波数を低周波にすることによって、電極の陽極動作時の時間が長くなるのに比例して電極が加熱される時間が長くなり、定格電力時の陽極動作時の電極の温度と低電力時の陽極動作時の電極の温度とを近似させることができる。
図7は、高圧放電ランプの点灯周波数が60〜1000Hzの範囲において、電極を構成する部材をタングステンとし、点灯電流値を2.6A、3.0A、3.5Aのそれぞれで周波数を変えて点灯させたときに、電極先端温度の変化をプロットし、それぞれの電流値のプロットを対数目盛りで線を引いたものである。
同図に示すように、定格電力時に、ランプ電流3.5A、点灯周波数1000Hzで点灯させた場合、陽極動作時の電極先端の温度は、3550Kまで高温になる。この定格電力時から低電力時に移行する際、単にランプ電流を2.6Aにまで下げただけで、点灯周波数1000Hzを維持したままでは、陽極動作時の電極先端の温度は3300Kにまで低下し、低電力時における陽極動作時の電極先端の温度は、定格電力時よりも250Kも低くなってしまう。このように、低電力時に、陽極動作時の電極先端の温度が極端に低くなってしまうと、先にも述べたように、電極先端の溶ける量が減ってしまって、電極間距離が短くなってしまう。この状態で、定格電力に移行すると、電極先端に大電流が流入してしまい、電極先端が溶けてその部材を飛散させてしまう。これにより、発光部の内壁に電極部材が付着してしまって照度維持率を低下させてしまう。
そこで、本発明においては、定格電力時から低電力時に移行する際には、ランプ電流2.6A、点灯周波数60Hzにすることにより、低電力時に陽極動作時の電極先端の温度が3450Kになり、低電力時における陽極動作時の電極先端の温度は、定格電力時よりも100Kしか低下しないようすることができる。このように、低電力時の点灯周波数を、定格電力の点灯周波数よりも小さくすることにより、低電力時の点灯周波数と定格電力時の点灯周波数とを同一にしたものに比べて、電極先端の温度差が極端に生じることを抑制することができ、定格電力時の電極間距離と低電力時の電極間距離とが極端に異なることによる、照度維持率の低下を抑制することができる。なお、本発明において、照度維持率の低下を抑制できることは、後述の実験で説明する。
なお、上記のように、低電力時から定格電力時に移行する際に、低電力時の電極間距離が、定格電力時の電極間距離よりも極力短くならないようにすることが好ましく、更には、電極間距離が極力変化しないようにすることが好ましい。そのためには、低電力時における陽極動作する電極の先端温度が、定格電力時における陽極動作する電極の先端温度よりも余り低くなり過ぎないように、逆に、電極間距離が余り変化しない範囲であれば、むしろ高くなってもかまわないことになる。
具体的には、図7において、定格電力時のランプ電流3.5A、低電力時のランプ電流3.0Aとし、定格電力時の点灯周波数を1000Hzにしたとき、陽極動作時の電極先端の温度は3550Kになるが、低電力時の点灯周波数を100Hzにしたとき、陽極動作時の電極先端の温度は3600Kになり、定格電力時よりも高温になる。このとき、低電力時と定格電力時の陽極動作時の先端の温度差は50K程度と小さく、低電力時の電極間距離は、定格電力時の電極間距離よりも長くなる方向に向かうが、定格電力時の電極間距離と殆んど変わらない。この状態で、低電力時から定格電力時に移行する際、電流が増加するが、電極間距離が前回の定格電力時のものと殆んど変わらないので、流れる電流も前回の定格電力時のものと殆んど変わらず、電極を構成する部材を飛散させる量は少なくて済み、照度維持率の低下を抑制することができる。
以上のように、本発明においては、点灯周波数60〜1000Hzの範囲において、低電力時の点灯周波数を、定格電力時の点灯周波数よりも低くすることによって、照度維持率の低下を抑制することができる。
次に、本発明の上記の効果を確認するための実験結果を図8を用いて説明する。
図8は、AC駆動の高圧放電ランプを、本発明例として、点灯周波数350Hzで3秒間の定格電力(275W)と点灯周波数60Hzで6秒間の低電力(200W)を繰り返し行ったとき(□印)と、比較例として、点灯周波数350Hz固定で3秒間の定格電力(275W)と6秒間の低電力(200W)を繰り返し行ったとき(△印)、の定格電力の照度維持率の変化を示すグラフである。なお、ここで、照度維持率とは、365nmの波長の光をワーク面で見た放射照度を測定し、点灯開始時の照度に対する比率である。
この実験で使用した高圧放電ランプの発光管は、全長が60mmの石英ガラスからなり、発光部の最大内径が5mm、発光部の最大外径が12mm、発光部11の内容積が90mmで、電極はタングステンからなり、電極間距離が1.4mmである。発光部内には、0.15mg/mmの水銀、13kPaのアルゴンガス、1×10−4μmol/mmの臭素を封入した。このとき定格電力(275W)での電流はおよそ3.5A、低電力(200W)では2.6Aとなる。
比較例(△印)においては、定格電力時の陽極動作時の電極先端の最高温度が3650Kで、低電力時の陽極動作時の電極先端の最高温度が3350Kで、その温度差が300K程度ある。また、本発明例(□印)においては、定格電力時の陽極動作時の電極先端の最高温度が3650Kで、低電力時の陽極動作時の電極先端の最高温度が3450Kで、その温度差が200K程度である。
図8に示すように、比較例(△印)の場合、定格電力時と低電力時における陽極動作時の電極の最高温度の差が300Kもあり、低電力時の電極間距離が近接してしまうことで、定格電力に移行したときに、陽極動作している電極は、陰極動作している電極から近距離で電子流が流されることになり、陽極動作時の電極が飛散して、発光部内のタングステン濃度を高めてしまって、発光部内で生じる紫外線を遮光してしまうものと推測される。これにより、ランプ点灯時間が2000時間も経過すると、初期点灯時に比べて照度維持率が60%程度まで低下してしまったものと考えられる。
一方、本発明例(□印)の場合、低電力時の点灯周波数を、定格電力時の点灯周波数よりも低くすることで、周波数を変えない比較例に比べて電極先端部の温度差を小さくでき、これにより、比較例に比べてタングステンの飛散量が少なくすることができる。これにより、2000時間経過しても、点灯初期時に比べて照度維持率を70%以上を維持することができる。
よって、本発明によれば、低電力時のときの点灯電流を定格電力のときの点灯電流よりも小さくし、且つ、低電力時のときの点灯周波数を定格電力のときの点灯周波数よりも小さくすることにより、照度維持率の低下を抑制し、点灯時間2000時間においても照度維持率70%以上を確保できるものである。
1光源
1a 高圧放電ランプ
2 電源
3 平面鏡
4 インテグレータレンズ
5 照度モニタ
6 シャッター
7 制御部
8 シャッターコントローラ
9 コリメータミラー
10 照度モニタ
11 マスク
12 ワーク
13 ワークステージ
14 XYθステージ
15 ワーク搬送機構

Claims (3)

  1. 封入水銀量0.08〜0.25mg/mmの高圧放電ランプを備え、ワークを露光処理する露光装置であって、
    該高圧放電ランプは、前記ワークを露光しない非露光時に、露光時の定格電力に比べて低電力で交流駆動するように制御し、且つ、前記低電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数を、前記定格電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数に比べて小さくするように制御する制御部を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 封入水銀量0.08〜0.25mg/mmの高圧放電ランプを備え、ワークを露光処理する露光装置の点灯方法であって、
    該高圧放電ランプは、前記ワークを露光しない非露光時に、露光時の定格電力に比べて低電力で交流駆動し、且つ、前記低電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数は、前記定格電力時におけるランプ電流値及び点灯周波数に比べて小さくすることを特徴とする露光装置の点灯方法。
  3. 前記ワークは、複数の露光箇所を有する基板であって、
    前記高圧放電ランプと前記ワークとの間の光路にシャッターを設け、
    前記非露光時は、前記ワークがある露光箇所から他の露光箇所への露光位置の移動期間を含み、
    該移動期間において前記シャッターで前記光路を閉じることを特徴とする請求項2に記載の点灯方法。
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