JP4992994B2 - 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ - Google Patents

高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ Download PDF

Info

Publication number
JP4992994B2
JP4992994B2 JP2010086699A JP2010086699A JP4992994B2 JP 4992994 B2 JP4992994 B2 JP 4992994B2 JP 2010086699 A JP2010086699 A JP 2010086699A JP 2010086699 A JP2010086699 A JP 2010086699A JP 4992994 B2 JP4992994 B2 JP 4992994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
period
electrode
current
discharge lamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010086699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011138742A (ja
JP2011138742A5 (ja
Inventor
宏二 山田
貴紀 鮫島
高史 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2010086699A priority Critical patent/JP4992994B2/ja
Priority to TW099132824A priority patent/TWI406593B/zh
Priority to KR1020100120557A priority patent/KR101255440B1/ko
Priority to US12/926,616 priority patent/US8525431B2/en
Priority to CN2010105730341A priority patent/CN102088816B/zh
Publication of JP2011138742A publication Critical patent/JP2011138742A/ja
Publication of JP2011138742A5 publication Critical patent/JP2011138742A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4992994B2 publication Critical patent/JP4992994B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B41/00Circuit arrangements or apparatus for igniting or operating discharge lamps
    • H05B41/14Circuit arrangements
    • H05B41/26Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc
    • H05B41/28Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc using static converters
    • H05B41/288Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc using static converters with semiconductor devices and specially adapted for lamps without preheating electrodes, e.g. for high-intensity discharge lamps, high-pressure mercury or sodium lamps or low-pressure sodium lamps
    • H05B41/2881Load circuits; Control thereof
    • H05B41/2882Load circuits; Control thereof the control resulting from an action on the static converter
    • H05B41/2883Load circuits; Control thereof the control resulting from an action on the static converter the controlled element being a DC/AC converter in the final stage, e.g. by harmonic mode starting
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B41/00Circuit arrangements or apparatus for igniting or operating discharge lamps
    • H05B41/14Circuit arrangements
    • H05B41/26Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc
    • H05B41/28Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc using static converters
    • H05B41/288Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc using static converters with semiconductor devices and specially adapted for lamps without preheating electrodes, e.g. for high-intensity discharge lamps, high-pressure mercury or sodium lamps or low-pressure sodium lamps
    • H05B41/292Arrangements for protecting lamps or circuits against abnormal operating conditions
    • H05B41/2928Arrangements for protecting lamps or circuits against abnormal operating conditions for protecting the lamp against abnormal operating conditions
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

本発明は、高圧放電ランプ点灯装置およびこの高圧放電ランプ点灯装置を搭載したプロジェクタに関する。特に、発光管内に水銀が封入され、点灯時の水銀蒸気圧が高い交流点灯型の高圧放電ランプと、このランプに電力を供給する給電装置とを備えた高圧放電ランプ点灯装置およびこの高圧放電ランプ点灯装置を搭載したプロジェクタに関する。
液晶プロジェクタや、DLP(Digital Light Processing、商標)プロジェクタといった投射型プロジェクタは、大画面表示が可能であり、表示画像のリアリティや迫力を再現する上で効果的なディスプレイ装置である。図7にこのプロジェクタの構成例を示す。
プロジェクタは、反射ミラーを備えた高圧放電ランプ10およびランプに電力を供給する給電装置30を備えた高圧放電ランプ点灯装置、プロジェクタ制御部31、液晶パネル等から構成される光変調素子32、および、光変調素子32に表示された画像を拡大表示するための投影レンズなどからなる拡大装置33などを基本的に備えて構成されており、拡大装置33により拡大された画像がスクリーン34に投影表示される。
プロジェクタ制御部31は、パソコンあるいはテレビなどの外部装置35から与えられた画像信号を受信、処理する画像制御部31aと、高圧放電ランプを点灯するための給電装置30に対して点灯指令および点灯電力指令を送出する点灯制御部31bとを備えている。
近年、プロジェクタは、いっそうの小型化、簡便化が進み、商業利用に限らず、一般家庭でも用いられるようになってきている。これに伴い、使用環境の明るさや、投影する映像の種類に合わせた画面の明るさに対しても配慮が要求されるようになり、いわゆる「調光機能」と称される機能を有するプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献3)。この調光機能とは、高圧放電ランプを定格点灯電力よりもずっと低い電力で点灯させることにより、ランプの明るさ調整、低消費電力化等を図ろうとする機能であり、具体的に調光機能で動作する際の電力値は、高圧放電ランプの定格電力に対しておよそ25〜80%程度である。
なお、そもそもこのプロジェクタにおいては、定格電力を供給して動作させる「定格電力点灯」と、この「定格電力点灯」の概ね80%程度の電力で動作させるいわゆる「エコ電力点灯」の二つのモードを備えたものが一般的である。しかしながらこのような「定格電力点灯」と「エコ電力点灯」とは、概ね類似の点灯波形を有することが一般的であり、以下の説明においては「定格電力点灯」あるいは「エコ電力点灯」でランプを点灯させることを「定常電力点灯」と総称する。また、その際の点灯モードを「定常電力点灯モード」と称する。
また、本明細書において上述した調光機能を用いてランプを動作させることを「調光電力点灯」といい、その際の点灯モードを「調光電力点灯モード」という。
この調光機能を用いた調光電力点灯においては、ランプの電力を極限まで低くできることがより望ましいとされている。この理由は、低い電力で点灯することで、ランプからの発熱が低減されるため、プロジェクタの騒音の主原因である冷却ファンの駆動を停止したり、ファンの回転数を小さくしたりすることができるので、この影響を小さくすることができるからである。また更には、低い電力で点灯させることで、ランプの熱的な負荷を軽減することができ、さらにランプ寿命を伸ばすことが可能になる。なおランプの熱的な負荷とは、ランプを構成する発光管や電極に対する熱的な負荷であり、これらもまた投入電力を低くするほど小さくすることが可能になる。
このようなプロジェクタの要請に従い、高圧放電ランプ点灯装置においては、調光機能を実現するため、すなわち、低電力点灯を実現するため、種々の提案がなされている。
以下、このような技術について説明する。
プロジェクタの光源を構成するランプとしては、極めて高い水銀蒸気圧、例えば20MPa(約197気圧)以上をもつ高圧放電ランプが使用されている。これは、石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと10−6μmol/mm〜10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプである(例えば特許文献1参照)。この種の放電ランプおよびその点灯装置は、例えば特許文献2に開示されている。
特許文献3に開示される高圧放電ランプは、定常電力点灯時の管内水銀蒸気圧が15MPa〜35MPaであり、発光管内に10−6μmol/mm〜10−2μmol/mmの範囲となるようハロゲン物質を封入したものである。発光管内に一対の電極を設け、電極先端部の中心付近に突起部を設けることにより、電極間に発生する放電アークの位置が電極先端の中央部や周辺部の間で安定せず、移動するいわゆるアークジャンプ現象の発生を抑制するようにしたものである。そして、DC/DCコンバータとDC/ACインバータと高圧発生装置から構成される給電装置により、この高圧放電ランプに交流電圧を印加して点灯させる。
このような高圧放電ランプおよび給電装置を用いて、調光電力点灯を行う場合、定常電力点灯モードと同じ矩形波交流電流の周波数を維持し、単に電力を定格消費電力の70〜80%程度に下げて動作させようとすると、いわゆるフリッカ現象が生じ始める。これは電極の温度が下がり、安定した熱電子放出が得られなくなることが理由と考えられる。
このような問題を解決するため、高圧水銀ランプの点灯中、電極先端部に、消灯時には形成されない微小な突起を形成させ、アークの安定化を図ることが試みられている。このような技術は例えば特許文献4に記載されている。特許文献4記載の技術は、ランプ電圧あるいはランプ点灯電力に応じて、定常周波数に低周波を間欠的(周期的)に挿入するとともに、低周波期間における周波数や波の数を変化させて、アーク起点となる突起を維持し、これにより、ランプを安定させて動作するというものである。
特開平2−148561号公報 特表2009−527871号公報 特開2000−131668号公報 特開2006−332015号公報
しかしながら、このような技術を採用したとしても、さらにランプに供給する電力を下げた場合にはランプの安定化を図ることは不可能であり、アーク輝点が安定せずフリッカ現象に至ってしまう。また、さらには、ランプ発光管に黒化が生じることがある。以下、これらの現象について詳細に説明する。
本発明者らは調光電力点灯状態のフリッカ現象が発生する様子を観察するため、交流駆動動作で電力を徐々に低下させた場合のアーク輝点部分を観察することを行った。例えば、定格消費電力が180Wの高圧放電ランプを用い、これを定格電力(180W)で動作し、徐々に電力を変化させて点灯させたることを試みた。この結果、定格動作と同じ周波数(以下、これを「定格周波数」という。)で点灯した場合には、150Wまでは安定してランプを駆動させることができるが、これより低下させると電極先端の突起部分が変形していくことが判明した。突起を安定化させるため、上述した特許文献4に記載の技術のように、調光時の動作周波数(これを、「調光周波数」という)を、定格動作周波数よりも低い周波数となるよう周波数を選択し、さらには間欠的に低周波を挿入することで、さらに130Wまでは安定してランプを動作させることが可能であった。しかしながら、さらに電力を下げた場合にはどの周波数を選択しても突起部分が変形していくことが判明した。
この突起部分の変形について、図28を参照して説明する。図28は高圧放電ランプの電極先端部分を模式的に示したものであり、20a,20bは電極、21は電極先端の突起、Aは電極20a,20b間に形成されているアークである。高圧放電ランプを定格電力で点灯する場合においては、電極材料であるタングステンが点灯時の熱で蒸発するが、発光管内に封入したハロゲン物質の存在により、蒸発したタングステンはハロゲンと化合し、対流でアークプラズマに戻ってきたときに解離してプラスイオンとなって、陰極フェーズ側の電極先端の電界集中点であるアークスポットを中心とする領域に引き寄せられ、そこへ堆積する。次に、この電極が陽極フェーズに反転すると、電極先端の全体に電子が衝突し、電極温度は上昇し、陰極フェーズで堆積したタングステンは再び蒸発する。
定格電力点灯時は、この堆積と蒸発のバランスが、電極先端に適度な突起を維持できるレベルで安定している(図28(a))。
しかしながら、調光動作時、即ち定常点灯電力よりも低い電力で点灯している場合には、陰極フェーズ状態の電極先端部の温度が定常電力点灯時よりも低くなるため、いわゆるディヒューズモード(Diffuse−Mode)からスポットモード(Spot−Mode)と呼ばれる電子放出形態に変化し、電極先端の電界集中点であるアークスポットが突起先端21の一部分に限定されるようになる(図28(b))。即ち、突起部の中でも特に電界集中しやすいポイントとそうではないポイントが生じる。アークスポット部分は極めて高温であるため、陰極フェーズであるがタングステンが蒸発し、形状が変形する(図28(c)21’)。変形した形状によってはアークスポット部分の温度が低下し、次にアークスポットを形成しやすい場所へと移動する(図28(d))。こういった現象を繰り返すことで突起全体が台形状に変形し、輝点位置の移動、いわゆるアークジャンプを繰り返し、これが投射画面上においてフリッカとして視認されてしまう。
すなわち、調光電力点灯において電極におけるアークの輝点の位置が不安定になる問題の現象をまとめると、以下のように言える。
電力の低下に伴い、各々電極への入熱エネルギーが減少することにより、電極先端温度が低くなると、陰極フェーズでの熱電子放出が不安定になり、ディヒューズモードからスポットモードに移行し、輝点移動(アークジャンプ)を生じやすくなる。
また、電極先端温度が低くなると、電極先端表面層が溶融されなくなり、電極先端が丸くなるために放電位置が不安定になり、放電位置が不安定になることでタングステンが堆積する場所(アークアタッチメント)が狭い範囲に集中せずに拡散するために突起成長効率の低下を引き起こし、電極先端温度の低下をさらに増長させる。このようなタングステン堆積場所が拡散した状態では、アークは特に極性反転の都度、電極温度が高いポイントの選択位置を変え、アークジャンプによるちらつきを生じやすくなる。
次に、先の従来技術例における定常電力点灯時の点灯波形を用いて調光電力点灯を行った。しかしながら、いずれも上記問題を解決できないことがわかった。
例えば、特許文献3記載の技術では、DC点灯に擬似した電流波形を与えることで、極力、極性反転の頻度を少なくしてアークのジャンプの機会を減らすことができ、ちらつきの程度を少なくすることができる。しかしながら、一方の電極の温度が上昇しないために、根本的に、極性反転時のアークジャンプによるちらつきは回避することができない。
このような結果に基き、再び交流駆動の場合を検討した。ランプを交流駆動すると、必ず電極温度が上昇する陽極フェーズと低下する陰極フェーズが交互に発生することから高周波で点灯した場合は温度上昇量にも限界があることが推測されるため、こういったアークジャンプの問題を回避する為に低周波を間欠的に挿入し、電極先端の温度を上昇させることは有効であると考えられるが、調光電力点灯状態では、スポットモードの輝点の移動によるちらつきが多発して不十分である。
この原因について、図29および図30を参照しながら、推測される電極先端温度の挙動について説明する。
図29および図30は、特許文献4の技術に基いて本発明者らが検討した点灯波形の一例であり、高い周波数fHでの点灯中に、低い周波数fLを間欠的に挿入した場合の、時間に対する電流および電極先端温度の変化を示す図である。図29は定常電力点灯時における電流および電極先端温度の変化であり、図30は調光電力点灯時における電流および電極先端温度の変化である。なお、図29,図30において横軸は時間であり、縦軸は(a)は対向する一方の電極から他方の電極に流れる電流を示し、(b)は電極20aの温度Ta、(c)は電極20bの温度Tbである。
図29の定常電力点灯時において、電極は、陽極フェーズの際に電子の衝突を受け、この際にプラズマ中の電子温度と陽極降下電圧で与えられる電子の運動エネルギーを受けることにより加熱される。陰極フェーズの際には陰極降下電圧で与えられる陽イオンの衝突によるエネルギーも受けるが、電子放出による冷却の寄与が高く、電極先端温度は低下すると考えられる。すなわち、陽極フェーズの際に電極先端温度の上昇が、陰極フェーズでの温度低下が、電流周波数に応じて繰り返し行われていると考えられる。
つまり、各電極は、図29(b)および(c)に示すように、低周波の際に、最高到達温度Tamax.および最低温度Tamin.の温度をそれぞれ経験することになる。定常電力点灯時においては、低周波によってこの最高到達温度Tamax.が、電極先端突起を溶融させる温度Tmを優に超過しており、十分に輝点位置の安定が図られる。
次に、図30の調光電力点灯時について説明する。この場合点灯電力が低下するため、低周波を挿入しても、いずれも最高到達温度Tamax.’,Tbmax.’が、電極先端突起を溶融させる温度Tm、すなわち輝点を安定させるに必要な温度に未達である可能性がある。電極温度をここで、さらに、挿入する低周波の数を増やすことでより電極温度を上昇させることができると考えられるが、しかしながら、さらには低周波の周波数を低くし過ぎた場合、例えば10Hz程度とした場合、極性が反転するときの電流の変化が視認されることで投影した画面が明滅したように見える別事象のフリッカ現象が発生してしまう。
また、低周波のみで点灯した場合は、電極が陽極フェーズで電子から入熱した熱の拡散長が長くなるために、電極の広範囲にわたって温度が上昇し、電極先端の突起の広い範囲が溶融して、点灯時間の経過とともに電極先端突起が太くなっていく傾向が確認された。これは広い範囲で融けたタングステンを長い期間の陰極フェーズで広い範囲に凝集させることによるものと考えている。この突起が太くなることによって、点灯時間の経過につれて電極先端突起の熱容量が増加して温度が上昇しにくくなり、陰極フェーズでの電極先端の温度が低くなり、前述の輝点移動によるフリッカが生じてしまうことがわかった。
つまり、調光電力点灯モードにおける最も根本的な問題は、陰極フェーズ状態の電極先端突起部の温度が定常電力点灯時よりも低くなるために生じるスポットモードの輝点移動によるフリッカといえるが、単純矩形波での高周波点灯では電極先端突起部の最高到達温度が不十分である。低周波点灯では最高到達温度は高くすることが可能だが、前述した極性反転時の電流変化によるちらつきの問題と、点灯時間の経過とともに電極先端の突起の肥大化が生じ、結局、寿命経過後に輝点移動の問題を抱えてしまう。よって、いずれにしろ問題を解決することができない。
この発明が解決しようとする課題は、調光電力点灯モードの場合においても、放電ランプのアーク輝点を安定させることができランプ発光管の黒化の発生を抑制しつつ点灯することができる高圧放電ランプ点灯装置を提供することを目的とする。また、定常電力点灯モードと調光電力点灯モードとを備えたプロジェクタにおいて、高圧放電ランプの電力を極限まで小さくできるとともに、高圧放電ランプの寿命末期まで投射画像のちらつきを抑制することができるプロジェクタを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らは、調光電力点灯時においても、輝点位置を安定させるために電極先端の突起表層を溶融させて丸くさせるプロセスを含み、陰極フェーズ開始時点での電極先端温度を高くしてスポットモードによる輝点移動を抑制する技術を検討した。
本発明においては、以下のようにして上記目的を達成する。
(1)
石英ガラスからなる放電容器の内部に一対の電極が対向配置されてなる高圧放電ランプと、この放電ランプに交流電流を供給して給電装置を具備してなる高圧放電ランプ点灯装置において、
前記給電装置は、定常電力点灯モードと、
前記定常電力点灯モードよりも低い電力で電流を供給する調光電力点灯モードとを備え、
前記調光電力点灯モードにおいて、第一の期間(τ1)と第二の期間(τ2)とを備えてなる矩形波交流を供給するものであり、
前記第一の期間(τ1)では高周波電流であって、一方の電極(20a)が陽極フェーズの際に流れる平均電流値(I1a)が、他方の電極(20b)が陽極フェーズの際に流れる平均電流値(I1b)よりも高くなるように供給し、
前記第二の期間(τ2)では、前記他方の電極(20b)が陽極フェーズの状態で、前記高周波電流の半周期期間(τ0)よりも長い期間、前記平均電流値(I1a)よりも低い電流(I2)を供給することを特徴とする。
(2)
また、前記第一の期間(τ1)に供給される前記高周波電流は2周期以上であるのがよい。
(3)
また、前記第一の期間(τ1)において、前記一方の電極(20a)に供給される平均電流値(I1a)は前記他方の電極(20b)に供給される平均電流値(I1b)の100〜450%であるのがよい。
(4)
また、前記第一の期間(τ1)における前記高周波電流の周波数は80Hz以上であるのがよい。
(5)
また前記第二の期間(τ2)においては極性の切り替えが行われないのがよい。
(6)
また、前記第二の期間(τ2)において、前記他方の電極(20b)に電流が供給される期間は前記第一の期間(τ1)に前記一方の電極(20a)に供給される高周波電流の半周期期間(τ0)を整数倍したものであるのがよい。
(7)
また、前記第一の期間(τ1)と前記第二の期間(τ2)の和(τ1+τ2)が25[ms]以下であるのがよい。
(8)
また、前記第一の期間(τ1)を前記第二の期間(τ2)で除した値(τ1/τ2)が0.2〜10.5の範囲であるのがよい。
(9)
また、前記第一の期間(τ1)において、前記一方の電極(20a)に偏重して投入される電力の総和ΔSa[A・ms]と、前記第二の期間(τ2)において前記他方の電極(20b)に偏重して投入される電力の総和ΔSbとの関係が以下の関係を満足するのがよい。
(式) 0.27≦ΔSa/ΔSb≦10.5
(10)
また、前記給電装置は、前記第一の期間(τ1)に供給する高周波電流及び前記第二の期間(τ2)に供給する電流の極性を切り替え可能とする切替手段を備えているのがよい。
(11)
ランプ電圧、ランプ電流もしくはランプ電力によって、前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)を変更するのがよい。
(12)
また、前記給電装置は、前記調光電力点灯モードにおいて、前記半周期期間(τ0)、前記第一の期間(τ1)および前記第二の期間(τ2)のうち少なくとも1つの期間に対し、供給される電流波形を複数備え、
前記少なくとも1つの期間、ランプの点灯状態に基づいて前記複数の電流波形から選択し、電流を供給するのがよい。
(13)
また、前記給電装置は、調光電力点灯モードが一定時間経過するごとに、一定期間、当該調光電力点灯モードにおける電力よりも高い電極修復用電力に切り替えることを特徴とする。
(14)
また、前記電極修復用電力は、前記定常電力点灯モードにおける電力よりも低い電力であるのがよい。
(15)
また、前記給電装置は、
前記電極修復用電力が供給される期間において、
調光電力点灯モードの電力から前記電極修復用電力まで徐々に電力を上昇させるとともに、
前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)を下げ、
一定期間、前記電極修復用電力を保持し、
その後、前記第2の電力から調光電力点灯モードの電力まで徐々に電力を下降させるとともに、
前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)を徐々に上げるよう制御するのがよい。
(16)
また、前記給電装置は、
前記電極修復用電力が供給される期間において、
前記第二の期間(τ2)の半周期期間を徐々に変整するよう制御するのがよい。
(17)
また、前記給電装置は、
前記電極修復用電力供給後、調光電力点灯モードにおける第二の期間(τ2)に供給する電極の極性を反転させるのがよい。
(18)
また、前記給電装置は、前記調光電力点灯モードおよび/または前記電極修復用電力が供給される期間において、前記半周期期間(τ0)、前記第一の期間(τ1)および前記第二の期間(τ2)のうち少なくとも1つの期間に対し、供給される電流波形を複数備え、
前記少なくとも1つの期間において、ランプの点灯状態に基づいて前記複数の電流波形から選択し、電流を供給するのがよい。
(19)
また、前記給電装置は、
電極修復用電力供給後であり、前記調光電力点灯モードへ移行するときおよび/または、前記調光電力点灯モード移行後の所定の期間、
前記調光電力点灯モードの期間における半周期期間(τ0)、第一の期間(τ1)および第二の期間(τ2)のうちいずれかの期間(τ0、τ1またはτ2)が、その期間(τ0、τ1またはτ2)に対応する電極修復用電力供給時における当該期間(τ0、τ1またはτ2)よりも短くなるよう制御するのがよい。
(20)
また、前記給電装置は、
前記電極修復用電力供給期間において、前記電流偏重率(I1a/I1b)が高い側の電極が陽極フェーズで入力される積算電力を、他方の電極bにおける陽極フェーズで入力される積算電力よりも大きくするよう制御するのがよい。
(21)
また、本発明に係るプロジェクタは、上記いずれかに記載の高圧放電ランプ点灯装置と、
画像信号を処理する画像制御部及び前記高圧放電ランプの点灯を制御する点灯制御部を備える制御部と、
光変調素子と、
拡大装置とを備えてなることを特徴とする。
本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置によれば、調光電力点灯モードにおいて、第一の期間(τ1)と第二の期間(τ2)とを備えてなる矩形波交流を供給し、第一の期間(τ1)では高周波電流であって、一方の電極(20a)が陽極フェーズの際に流れる平均電流値(I1a)が、他方の電極(20b)が陽極フェーズの際に流れる平均電流値(I1b)よりも高くなるように供給し、前記第二の期間(τ2)では、前記他方の電極(20b)が陽極フェーズの状態で、前記高周波電流の半周期期間(τ0)よりも長い期間、前記平均電流値(I1a)よりも低い電流(I2)を供給するようにしたので、アークの輝点の移動を少なくすることができるとともに、両方の電極(20a,20b)の先端の到達温度を電極の溶融温度(Tm)以上の温度に到達させることが可能になる。この結果、突起の変形を抑制することができるので、アークジャンプの発生を抑えることができるとともに発光管の黒化の発生を抑制することができ、ちらつきが少なく、使用寿命の長い高圧放電ランプ点灯装置とすることができる。
また、本発明に係るプロジェクタによれば、使用状況に応じた明るさで高圧放電ランプを点灯することができ、かつ調光電力点灯時において電力を極限まで小さくすることができるとともに、高圧放電ランプの寿命末期まで投射画像のちらつきを抑制することができて鮮明な映像を投射することができる。
本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる高圧放電ランプの一例を示す断面図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる高圧放電ランプの電極の一例を示す図である。 本発明の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプに供給される電流波形の例を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプに供給される電流波形を用いた場合の、電極温度の挙動の一例を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、調光電力点灯モード時における電極突起が変化する様子を説明する図である。 プロジェクタの構成を説明する図である。 高圧放電ランプ点灯装置にかかる、実験例の結果を示す図表である 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、一実施形態であるランプ電圧と電流偏重率との関係を簡略化して示した図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、一実施形態であるランプ設定電力と電流偏重率との関係を簡略化して示した図である 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプへの電流波形と電圧波形の一実施形態を示す、簡略化されたタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプの電極形状を簡略化して示す模式図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプに供給される電流波形と電圧波形の一実施形態である簡略化したタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプに供給される電流波形の一実施形態である、簡略化されたタイミング図と高圧放電ランプの電極を簡略化して示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプへの電流波形の実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプへの電流波形の実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる高圧放電ランプへ供給する電流波形の実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、複数の電流波形を選択して組みあせて点灯した場合の電極先端部分の状態を説明する説明図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、高圧放電ランプへの電流波形で選択される2つの波形を示す実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、他の実施形態を示す(a)電圧波形、(b)電流波形を示すタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、他の実施形態を示す(a)電圧波形、(b)電流波形を示すタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、他の実施形態を示す(a)周波数の波形、(b)電流波形の一例を示すタイミング図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、他の実施形態を示す(a)周波数の波形、(b)電流波形の一例を示すタイミング図である。 実験の過程で得た、単一の電流波形を用いて点灯した場合の電極の様子を模式的に示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかるタイミング図を示しており、(a)は電圧波形、(b)は周波数波形、(c)は電流波形をそれぞれ示している。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、電極修復用電力供給時の点灯波形の一例を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置にかかる、調光電力点灯モードから定常電力点灯モードへ移行する場合の電力波形とそのタイミング図である。 従来技術にかかる高圧放電ランプ点灯装置にかかる、電極突起が変形する様子を示す説明図である。 従来技術にかかる高圧放電ランプの電流波形と電極温度の挙動の一例を示す図である。 従来技術に係る高圧放電ランプの調光電力点灯モード時の電流波形と電極温度の挙動の一例を示す図である。
以下、本発明の本実施形態に係る高圧放電ランプおよびプロジェクタの構成例を、図1〜図17参照して説明する。なお、本発明のプロジェクタの説明においては、ブロック図で示す構成においては従来技術で説明したものと相違がないため、先に用いた図7を参照して説明する。
図7において、プロジェクタは反射ミラーを備えた高圧放電ランプ10と、この高圧放電ランプ10に対して電力を供給する給電装置30と、プロジェクタ本体の駆動状態を制御する制御部31(以下、プロジェクタ制御部31という)と、液晶素子等から構成される光変調素子32と、光変調素子32に表示された画像を拡大表示する投影レンズなどからなる拡大装置33から構成される。拡大装置33により拡大された画像は、スクリーン32に投影表示される。プロジェクタ制御部31は、パソコン等の外部装置35から与えられる画像信号を処理する画像制御部31aと、上述した高圧放電ランプ点灯装置30に、点灯指令および点灯電力指令を送出する点灯制御部31bを備える。なお、同図では光変調素子として液晶素子の例を示したが、DMD(デジタルミラーデバイス)(商標)を使ったDLP(デジタルライトプロセッサ)(商標)を使用しても良い。
給電装置30は、上述したように高圧放電ランプの定格消費電力に対して80〜100%程度の電力を供給して点灯する「定常電力点灯動作モード」と、同じくこの定格消費電力に対して25〜80%程度の電力を供給して点灯する「調光電力動作モード」の切り替えを行うことができるものである。この切替動作については後段で詳細に説明する。
プロジェクタにおける光源を構成する高圧放電ランプは、例えば図1に示すものであり、以下、図面を参照してこの高圧放電ランプについて説明する。
高圧放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された概略球形の発光部11を有する。この発光部11の中には一対の電極20a,20bが2mm以下という極めて小さい間隔で対向配置している。また、発光部11の両端部には封止部12が形成される。この封止部12には、モリブデンよりなる導電用の金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。金属箔13の一端には電極20a,20bの軸部が接合しており、また、金属箔13の他端には外部リード14が接合し、給電装置(30)から電力が給電される。
発光部11には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmの放射光を得るためのものであり、具体的数値でいうと0.15mg/mm以上封入されている。この封入量は温度条件によっても異なるが、点灯時における発光管内部の圧力を200気圧以上という高い蒸気圧を実現するものである。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧250気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタに適した光源を実現できる。
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入される。その機能は点灯始動性を改善することにある。ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀あるいはその他の金属と化合物の形態で封入される。ハロゲンの封入量は、10−6μmol/mm〜10−2μmol/mmの範囲から選択される。ハロゲンの機能は、いわゆるハロゲンサイクルを利用した長寿命化であるが、本発明の高圧放電ランプのように極めて小型で極めて高い点灯蒸気圧のものは、放電容器の失透防止という作用もある。
高圧放電ランプの数値例を示すと、例えば、発光部の最大外径9.4mm、電極間距離1.0mm、発光管内容積55mm、定格電圧70V、定格電力180Wであり交流点灯される。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクタに内蔵されるものであり、全体寸法として極めて小型化が要請させる一方で高い発光光量も要求される。このため、発光部内の熱的影響は極めて厳しいものとなる。ランプの管壁負荷値は0.8〜2.5W/mm、具体的には2.4W/mmとなる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することがプロジェクタやオーバーヘッドプロジェクタのようなプレゼンテーション用機器に搭載された場合に、演色性の良い放射光を提供することができる。
図2は、図1に示す電極の先端を模式化して示したものであり、ランプ動作時に電極先端に形成される突起を説明する説明図である。電極20a,20bは、それぞれ球部201と軸部202から構成され、球部201の先端に突起21が形成されている。この突起21は、ランプ点灯時、電極先端において溶融したタングステンが凝集して形成されるものである。
なお、電極20は、図2(b)で示すような形状であっても構わない。同図に示す電極では、先端の形状が球に比べて鋭角に尖っているが、これは輝度の高い部分の光束利用率を改善するための形状であって、太い径を有した部分が201に相当し、先端に突起21が形成されていることは同様である。
このような電極先端に突起21を形成することにより、突起21を起点としてアーク放電が発生するため、アークからの光が電極の球部201によって遮られにくくなり、光の利用効率を向上させることができる。この結果、プロジェクタにおいては明るい映像が得られるという利点を生じる。なお、図2は模式化した図面ではあるが、通常、軸部202の先端には、軸径より大きい径を有する球部に相当する要素を有している。
続いて、高圧放電ランプを点灯するための給電装置を、図3を参照して説明する。
給電装置(30)は、直流電圧が供給される降圧チョッパ回路1と、降圧チョッパ回路1の出力側に接続され直流電圧を交流電圧に変化させて放電ランプ10に供給するフルブリッジ型インバータ回路2(以下、「フルブリッジ回路」ともいう)と、放電ランプに直列接続されたコイルL1、コンデンサC1、およびスタータ回路3と、上記フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4を駆動するドライバ4と、制御部5から構成される。
制御部5は例えばマイクロプロセッサ等の処理装置で構成することができ、図3ではその機能構成をブロック図で示している。
図3において、降圧チョッパ回路1は、直流電圧が供給される+側電源端子に接続されたスイッチング素子QxとリアクトルLxと、スイッチング素子QxとリアクトルLxの接続点と−側電源端子間にカソード側が接続されたダイオードDxと、リアクトルLxの出力側に接続された平滑コンデンサCxと、平滑コンデンサCxの−側端子とダイオードDxのアノード側の間に接続された電流検出用の抵抗Rxから構成される。
上記スイッチング素子Qxを所定のデューティで駆動することにより、入力直流電圧Vdcをこのデューティに応じた電圧に降圧する。降圧チョッパ回路1の出力側には、電圧検出用の抵抗R1,R2の直列回路が設けられている。
フルブリッジ回路2は、ブリッジ状に接続したスイッチング素子Q1〜Q4から構成され、スイッチング素子Q1、Q4、スイッチング素子Q2、Q3を交互にオンにすることにより、スイッチング素子Q1、Q2の接続点と、スイッチング素子Q3、Q4の接続点間に矩形波状の交流電圧が発生する。
スタータ回路3は、抵抗R3とスイッチング素子Q5の直列回路と、コンデンサC2とトランスT1から構成される。
スイッチング素子Q5をオンにすると、コンデンサC2に充電されていた電荷がスイッチング素子Q5、トランスT1の一次側巻線を介して放電し、トランスT1の二次側にパルス状の高電圧が発生する。この高電圧が放電ランプ10の補助電極Etに印加され、ランプ10が点灯する。
上記回路において、最小の時間単位を時間幅τ0で構成されるように動作させるにはフルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周期を調整することで達成でき、また、出力電圧は降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxの動作デューティを調整することで達成できる。
降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxは、ゲート信号Gxのデューティに応じてオン/オフし、ランプ10に供給される電力が変化する。すなわち、電力アップならQxのデューティを下げるなどして、その入力された電力調整信号値に合致する電力値になるようにゲート信号Gxの制御を行う。
これにより、出力される電流波形の一例を図4に示す。なお同図における横軸は時間、縦軸は電流値である。
制御部5は、駆動信号発生手段51とコントローラ52から構成される。
駆動信号発生手段51は、例えば交流信号発生部51a,51bと、最小の時間単位は時間幅τ0で構成されるように駆動期間が非対称な矩形波を発生させる非対称矩形波信号発生部51cと、これらの出力を選択するセレクタ51dから構成されており、交流信号発生部51a,51b、非対称矩形波発生部51cの出力を選択的に出力し、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4を駆動するための駆動信号を発生する。
コントローラ52は、ランプ10の点灯動作を制御する点灯動作制御部52aと、外部からの点灯電力指令に応じて、降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxを設定されたデューティで駆動し、ランプ電力を制御する電力制御部52cを備える。
また、上記スイッチング素子Q1〜Q4の駆動信号を設定するため、定常電力点灯モードと、0.8×P(W)以下の電力で動作させる調光電力点灯モードの切り替えに応じて、上記駆動信号発生手段51のセレクタ51dに周波数選択指令を送出する周波数選択部52bを備える。
電力制御部52cは、電流検出用の抵抗Rxの両端電圧と、電圧検出用の抵抗R1、R2により検出された電圧から、ランプ電流I、ランプ電圧Vを求めてランプ電力を演算し、この電力が点灯電力指令に一致するような降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxのデューティを制御する。
セレクタ51dは、周波数選択部52bからの指令に応じて、交流信号発生部51a,51b、非対称矩形波信号発生部51cの出力を選択的にドライバ4に送出する。
なお、周波数選択部52bから出力される非対称比率増減信号に応じて、非対称矩形波信号発生部51cから出力される矩形波の時間幅τ0を増減してもよい。
ここで、定常電力点灯から調光電力点灯に移行する際には、定格消費電力に対して80%以下の電力から徐々に電力を低下させながら調光点灯電力に移行しても良い。そうすることで、電極温度の急激な変化をさらに抑えることができる。この場合には降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxのデューティを制御して電力を徐々に減じながら、調光電力点灯に移行することで実現することができる。
また、後述するように、調光電力点灯から定常電力点灯に移行する際においては、徐々に動作電力を増大させたり、陽極動作していた電極側の陽極駆動期間を徐々に小さくしながら行う。例えば、電力制御部52cでランプに供給する電力を徐々に増加させたり、非対称矩形波信号発生部51cに送出される非対称比率増減信号により、矩形波の非対称率を制御する。
図4は、高圧放電ランプ10および給電装置30による調光電力点灯モードにおける電流波形の一例である。具体的には、図4は調光点灯時における時間に対する電流および電極先端温度の挙動を示すタイムチャートであり、電流波形を(a)、これに伴う電力の挙動を(b)に示している。また、図5(a)に調光電力点灯時の電流波形の別の例を示し、また、このときの各電極20a、20bの先端温度Ta、Tbの挙動を、それぞれ図5(b)(c)に示す。
調光電力点灯モードでは、図4(a),図5(a)で示すように、極性の一方に電流の偏重を加え、半周期の時間がτ0となる高周波電流を与える第一の期間をτ1とし、第一の期間における電流偏重と逆の極性に低周波電流の半波を与える第二の期間をτ2とする。この第一の期間τ1と第二の期間τ2とを交互に行う。
第一の期間(τ1)に電極20aが陽極フェーズの際に流れる電流値をI1aとし、電極20bが陽極フェーズの際に流れる電流値をI1b(<I1a)とする。I1aは点灯電源の供給できる電流に制限を受けるが、定常電力点灯時の電流IHを超えても構わない。
第二の期間(τ2)に電極20bが陽極フェーズとなる電流をI2とするが、図4(a)のようにI2=I1bであっても構わない。詳細は後述するが、点灯制御のプログラム上、出力電流値を電流偏重されている区間Hと電流偏重されない区間Lに2値化できるために簡便にできる。
このように、調光電力点灯モードにおいて、第一と第二の期間を有し、第一の期間に極性の一方に電流の偏重を加えた高周波電流を与え、第二の期間には第一の期間における電流偏重と逆の極性に低周波電流の半波(半波電流)を与える。通常の調光電力での平均電流では輝点が安定する電極温度に未達であるため突起の修復が行われないが、このような波形を備えることによって、電流偏重が行われ、一方の電極先端温度を輝点安定温度に到達させることができ、また低周波電流の半波(半サイクル)によって、他方の電極先端温度を輝点安定温度に到達させることができるようになる。
ここで、一方と他方の電極20a,20bに供給する電流値(I1a,I1b)の偏りをI1a/I1bを用い、%で表したものを「電流偏重率」と規定する。つまり、電流偏重率は電流値(I1a,I1b)が同じである場合100%であり、一方の電流値(I1a)が他方の電流値(I1b)の2倍である場合200%となる。
本発明において、第一の期間における電流偏重率I1a/I1bは、100%〜450%の範囲が好ましく、より好ましくは150%〜450%の範囲であり、最も好ましくは250%〜350%の範囲である。
また、第一の期間(τ1)における高周波電流の周波数は80Hz以上であることが好ましく、かつ、複数回加えられることが好ましい。
この理由は、調光電力点灯モードにおいては、電力が定常時より小さくなるため、電流偏重を一定以上加えることが、一方の電極先端温度を輝点安定温度に到達させるために必要だからである。
調光電力点灯モードにおける電極の形状について、図6を参照して説明する。
ここで、電極20aは電流偏重時陽極側となる電極、電極20bは電流偏重時陰極側となる電極である。調光電力点灯モードにおいては、図6(b)に示す通り、電極先端突起21よりも小さい22aのような二次突起を形成して、アークの付着領域を狭い範囲で必要温度に到達させることが効果的であるが、電流偏重率が高い電流を長時間加えた場合には、熱拡散長が長くなって突起溶融範囲が広くなり、二次突起22aが溶融し過ぎて、図6(c)の22a’のように肥大化してしまう。この肥大した突起は、熱容量の増大と温度の低下を招いて、結果的に交流における陰極フェーズの際にちらつきを生じさせる。このような問題を避けるために、電流の偏重を加えて高めた電流は、極力短時間の間に加えることが好ましい。
本発明者らが調光電力点灯モードにおける第一の期間の波形の適正な周波数範囲を検討したところ、200〜1000Hzの範囲が好ましいことがわかった。この理由は、第一の期間の波形の周波数は、この範囲より周波数が低すぎると突起先端の輝点が集中せず、周波数が高すぎると電極先端突起の表面の荒れが大きくなる事象が確認されたためである。
また、第一の期間における高周波電流の周波数範囲を200〜1000Hzの範囲とする場合でも、ただ一回の電流で必要温度に到達せしめようとすると、電流偏重比I1a/I1bを大きく設定しなければならない。ところが、電流値が上がり過ぎると、電極先端突起の形状が肥大して先が割れたような異状なものとなって、まれに突起形状に修復が効かないほどの変形や電極材料の蒸発、飛散が発生することにより、発光管に黒化が生じることがあり、問題となる。また、言うまでもないが、電流偏重比I1a/I1bを小さくし過ぎた場合は、電極の加熱効果が得られなくなる。さらに、このような用途で用いられる点灯電源においては、低コスト・小型化の要求が高く、耐電流性の高い部品の採用は市場要求と逆行するため、点灯電流値には上限がある。
このようなことを総合して考察すると、複数回にわたってある所定電流値以下の高周波を投入し、繰り返し電極を加熱することが、実用的であり望ましい。
このような電流波形を採用することで、電極先端に小さい二次突起を形成して維持することができ、高周波における輝点の安定性を高めることができる。
また、第二の期間における電力(又は電流平均値)は、第一の期間における電力(又は電流平均値)よりも低いことが望ましい。
これは、先に示した図6の(b)を用いて説明すると、第一の期間において一方の電極側の電流に偏重を加えることと相俟って、第二の期間における電力(または平均電流)を第一の期間よりも低くすることで、第一の期間と第二の期間とを積算した平均電力を、要求される調光時点灯電力を実現することができるよう、低い電力とするものである。つまり、瞬間的に電力を必要最小限に投入して、一方の電極上に調光電力点灯に見合った小さな二次突起を形成することができる。
なお、この電力変動においては、人の目視で視認できない周波数で行うことでちらつきを回避することが望ましい。この実施例については後述する。
発明者らの知見によると、第二の期間に加熱される電極(20b)においては、突起の変形やタングステンの蒸発・飛散による黒化の発生或いは点灯電源のコストアップに関しては問題が少なく、第一の期間に加熱される電極(20a)と比較して安定しても電極形状を維持できる。
問題となるのは、電極温度低下による輝点の不安定によるちらつきの発生である。一方の電極20aの場合、第一の期間の間に高く偏重された電流により電極を高い温度に到達させることで、第二の期間における陰極フェーズの開始時点で輝点の移動を抑制することができる。
他方の電極20bの場合、第二の期間において輝点移動を抑制するための温度に到達させねばならない。
本発明者らは、この第二の期間に一方向に極性を概ね固定し、第一の期間における高周波での陽極フェーズ周期よりも十分長く電流を投入することで、他方の電極20bを輝点が安定状態となる温度に到達せしめることができることを確認した。
具体的には、図6(d)に示すように、電極20bの輝点は、電極20aの先端突起の前面に形成される輝点に比べて若干広い範囲で形成されており、輝点の移動を抑制することができる。さらに言うと、第二の期間では極性切替の頻度が少ないため、輝点移動の機会を少なくできることから、ちらつきを抑制できる点において高い効果を期待することができる。
以上の結果として、第二の期間、電極20bは、電極突起形状の変化を最小に抑えることができ、点灯初期の良好な突起形状を安定に維持できていることがわかった。この理由は、第一期間での陰極フェーズの期間が短いために、タングステンイオンのドリフト期間が短く、タングステンの堆積量が少なくなり、突起の成長や肥大化が抑制され、また第二の期間での陽極フェーズでは、低電流での長い陽極期間により徐々に穏やかに全体に加熱されるため、局所的な電極の蒸発や損耗および突起成長や肥大化が生じず、電極先端の表面に堆積したタングステンの荒れを全体的に溶融させて表層を滑らかにするに留まっているためと考えられる。
なお、上記したような良好な結果をもとにさらに検討を進めれば、第二の期間内に極性を反転させたり電流を停止する期間をごく短い期間含んだりすることによっても、概ね同様の効果が得られるであろうことを付記しておく。
さらに、本発明においては、第一の期間τ1と第二の期間τ2の合計τkが25ms以下(すなわち周波数40Hz以上)であることが望ましい。この理由は、低周波点灯で最高到達温度を高くするために低周波の周期が長くなると、電流の極性切替が生じる頻度が低くなり、光量の変動が視認されやすくなってしまう問題があるため、電流の変動が生じる周期を長くするには制限があるからである。また、プロジェクタの光変調素子(32)として液晶素子が使用されている場合、液晶素子との中間階調との兼ね合いが問題になることがあるため、τkは12.5ms以下(=周波数80Hz以上)であることが好ましい。
また、第二の期間のτ2は、第一の期間の波形の半周期τ0の倍数であることが好ましい。この理由は、極性反転のためのフルブリッジを駆動するソフトプログラム上、最小の時間単位を第一の期間における高周波波形の半周期期間τ0とすることが好ましいためである。また、プロジェクタの液晶の駆動周波数、修復レートとの兼ね合いによっては、いわゆるスクロールバーと呼ばれる画面上のムラが問題となることがあり、それらを回避することが可能となる。
第1の期間、一方の電極(20a)に入熱する電力[A・ms]から他方の電極(20b)に入熱する電力[A・ms]を引いた値、換言すると、第一の期間、一方の電極(20a)に偏重して投入される電力ΔSa[A・ms]と、第二の期間において他方の電極(20b)に投入される電力(つまり、他方の電極(20b)に偏重して投入される電力)のΔSbの関係においては、ΔSa/ΔSbが以下の範囲であることが望ましい。
0.27≦ΔSa/ΔSb≦10.5
より望ましくは、以下の範囲である。
0.3≦ΔSa/ΔSb≦3
このような関係を備えることで、両電極20a,20bの温度バランスを適正に維持することができる。
ところで、本願発明に係る高圧放電ランプ点灯装置においては、ランプ電圧、ランプ電流、ランプ電力のいずれかのパラメータを用いて第一の期間における高周波電流波形の電流偏重率(I1a/I1b)を変更すればよい。ランプ電圧、ランプ電流もしくはランプ電力の絶対値もしくは変化速度を検知し、これに基いて電極先端突起形状の損耗程度を判断する。第一の期間の波形(第一の波形)の電流偏重率を適切に選択し、変更することによって、電極先端突起形状が変形することを回避し、ちらつきや電極間距離の拡大や黒化の発生等を抑制することができる。
上述した本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置によれば、調光電力点灯モードであってもフリッカの発生を抑制し、安定して動作させることができる。しかしながら、長時間にわたって同じモードで点灯した場合、僅かながら電極先端が変形し、先端部の突起の位置が変化する(ずれる)場合がある。突起は非常に狭い領域で溶融するものの、溶融部はある大きさを有しており、長時間点灯する間に僅かながら突起の先端部が変形し、狭い領域で徐々に突起の位置が変化(ずれ)していく。わずかな突起位置のずれは電極間距離が2.0mmよりも長い場合はその変形量の問題は相対的に大きくない。しかしながら、電極間距離が2mm以下の極めて短い電極間距離の場合、突起の位置がずれることが、スクリーン照度に影響を及ぼし始める。特にはLCDパネルやDMD(デジタルミラーデバイス)の小型化により、このような僅かな変形も長時間の使用に影響する。このような、長時間同じモード(極性)で点灯した場合に生じる電極先端の不具合については、例えば以下の技術を用いることによって改善(修復)することができる。
電極形状を修復するには、簡単には、調光電力点灯モードにおける極性を適時に反転させることである。この極性を切り替える手段については、例えば図3に示すドライバ4によりフルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4の駆動を反転させるよう制御することで、簡単に切り替えることができる。なお、このような極性の切り替えは、偏重される電極が切り替わることから、微小ながら輝点の移動を伴うため、頻繁すぎると反ってちらつきとして視認されてしまう。よって、電極先端の突起を維持できる期間においてはこのような切替は極力行わないことが望ましい。実用においては数100sに一度程度となるよう行うことが好ましい。
以上、本発明にかかる高圧放電ランプ点灯装置の説明を、第一の期間と第二の期間の各波形からもたらされる効果に基づいて行ってきた。
ここで、本発明にかかる高圧放電ランプ点灯装置において、第一の期間の波形と第二の期間の波形を組み合わせなければならない理由について説明する。具体的には、第一の期間の波形のみを対向する電極に交互に加えた場合、また第二の期間の波形のみを対向する電極に交互に加えた場合に生じる問題点を以下述べる。
(第一の期間を繰り返す場合)
第一の期間の波形を対向する電極に交互に加えた場合、つまり、一方の電極が得る電流と同等の電流を他方の電極に与えるよう、単に極性を交互に切り替えた場合、電極の温度変化が平均化されることで必要な温度(電極の溶融温度Tm)に到達できないせいか、輝点の移動を抑制することができない。
また、第一の期間の波形のみを複数回繰り返すことをセットとして、対向する電極に交互に加えた場合には、小さい二次突起を形成してアークの付着領域を狭い範囲で必要温度に到達せしめることは可能である。しかしながら、このセットの極性を反転させる際に、偏重電流によって一方に形成されていた集中した強い輝点が対向する電極に移行して輝度分布の変化が大きくなる。このような輝度分布の変化は、光学系のインテグレーションの性能、および光学系のアパーチャーすなわち光束の取り込み範囲によるが、現状の一般的なプロジェクタ用の光学系では、ちらつきとして視認されてしまう。
これに対し、本発明のように第一の期間と第二の期間とを繰り返す波形では、集中した強い輝点は主に電流偏重を受ける電極側に継続して存在し、前述した図6(d)のような形態を維持することができ、輝度分布の変化によるちらつきの問題を生じない。しかも、相互において電極先端の温度を必要な温度(電極の溶融温度Tm)に到達させることができ、突起を維持することができる。
(第二の期間を繰り返す場合)
次に、第二の期間の波形のみを対向する電極に交互に加えた場合、対向する両電極において十分周期の長い低周波を加えることになり、この極性反転時の電流変化が生じる周波数が40Hzを下回ると、ちらつきとして視認されやすくなる。例えば調光点灯電力50%を実現しようとして、平均点灯電流を50%とした場合、一方の電極の温度を必要な温度に到達させるには周波数40Hz以下の低周波が必要であり、電極の輝点移動が抑制できても、周波数が低いために電流変化がちらつきとして視認されてしまう(別事象のフリッカ現象)。
なお、本願のような第一の期間と第二の期間の合計が25ms以下、すなわち第一の期間と第二の期間の移行が40Hz以上で行われる場合には、電流変化によるちらつきの問題を生じない。
以下、本発明の高圧放電ランプ点灯装置による実験例を以下に説明する。
図1で示す基本的な構成に基づいて定格消費電力180W高圧放電ランプ1〜34を作製し、給電装置において下記(ア)〜(ケ)のパラメータを様々に変更してランプを点灯し、ちらつき(および電極先端形状の変形)、発光管の新たな黒化の発生状態を確認した。
(ア)定格周波数(定常電力点灯時の基本周波数)[Hz]
(イ)第一の期間(τ1)に入る高周波電流の半周期期間(τ0)の矩形波の数[個]
(ウ)第二の期間(τ2)に入る第一の期間の高周波電流の半周期期間(τ0)の矩形波の数[個]
(エ)第一の期間(τ1)における陽極側電極(20a)の電流値(I1a)[A]
(オ)第一の期間(τ1)における陰極側電極(20b)の電流値(I1b)[A]
(カ)電流偏重率(I1a/I1b*100)[%]
(キ)第二の期間(τ2)における陰極側電極(20b)の電流値(I2)[A]
(ク)挿入間隔(τK(=τ1+τ2))[ms]
(ケ)ΔSa/ΔSb比
なお、ΔSa[A・ms]は一方の電極(20a)に偏重して投入される電力であり、ΔSbは他方の電極(20b)に偏重して投入される電力である。
この結果を図8に示す。
この結果から明らかなように、第一の期間(τ1において)電流を偏重させて一方の電極に供給するとともに、第二の期間において、第一の期間(τ1)に一方の電極に供給した電流値よりも低い電流を所定の期間、他方の電極に供給することで、高圧放電ランプにちらつきが少なく、発光部において黒化が発生しにくい状態に点灯することができ、高圧放電ランプの使用寿命を長くすることができる高圧放電ランプ点灯装置とすることができる。
なお、ここで示す実験例においては、高圧放電ランプの定格周波数が全て740Hzであったが、本発明はこの仕様に限定されるものではないことは言うまでもない。
図9〜図11を参照して、電流偏重率I1a/I1bの具体的な実施例について説明する。
図9は、本発明の放電ランプ点灯装置の実施例の一形態であるランプ電圧と電流偏重率との関係を簡略化して示した図である。同図において、縦軸は放電ランプに流れるランプ電流であるI1a/I1bの電流偏重率であり、横軸は放電ランプに印加されるランプ電圧を表す。
高圧放電ランプへの電源供給は通常電力を一定とするようにフィードバック制御が行われるから、ランプ電圧が非常に低い場合においてはランプ電流が多く流れる。ランプ電流が多い場合においては、高圧放電ランプの電極は十分に温められるから、アークのアタッチメント部分は前述したスポットモードの動作ではなく、安定した幅広いアークが確保される。このような安定したアーク放電状態においては、フリッカは存在しないから電流偏重の機能を必要としない。その一方、ランプ電圧が上昇している場合においては、ランプ電流は減少することから起点移動を生じるリスクが増加し、フリッカを引き起こす。特に50%近辺の電力で高圧放電ランプを放電する場合においては、この現象が顕著に現れる。これはランプ電流が少ないほど、即ち、ランプ電圧が増加するほどフリッカ発生の確率は増加するから、これを抑制するためにランプ電圧の増加と伴に電流偏重比率を増加させることが好適である。
図9においては電流偏重率の下限値として100%と記載したがその限りではなく、フリッカを生じさせない最低の電流偏重比率に調整されるものである。また同様に電流偏重比率を100%となるランプ電圧値(VmMIN)に関してもフリッカを生じさせない最低の電流偏重比率が得られるように設定されるものである。
また、同図では電流偏重比率に上限値(BSTMAX)を設けて、電流偏重比率が例えば過剰な値になることを防止することを目的として上限値を設けている。この上限値を制御することで、例えば、後述する最大電流偏重比率を放電ランプへの設定電力値に応じて制御、変更することができる。
なお、ここではランプ電圧と電流偏重比率との関係について説明しているが、各々ランプ平均電流値と電流重畳比率との関係に置き換えて解釈してもよく、その場合は本図の横軸の右方向が「ランプ平均電流が小さくなる」方向となる。
図10は、本発明の放電ランプ点灯装置の実施例の一形態であるランプ設定電力と電流偏重率との関係を簡略化して示した図である。同図において、縦軸は図9における電流偏重比率の上限値(BSTMAX)であり、横軸は高圧放電ランプに設定されるランプ電力値を表す。
高圧放電ランプへの電力供給量を増加するように設定するとランプ電流が多く流れる。高圧放電ランプへの供給電力が高ければ、即ちランプ電流が多いことになるから、当該高圧放電ランプの電極は十分に温められる。そのためアークのアタッチメントは前述したスポットモードの動作から安定した幅広いアークが確保される。何となれば、高圧放電ランプは定格電力あるいは、80%レベルの減光電力付近においては電流偏重比率が100%であったとしても、フリッカは生じないからである。本図における電力値(WmMAX)は、電流偏重比率の上限値(BSTMAX)が100%であったとしてフリッカが発生しない最適な電力値を設定するものである。図9を用いて再度説明すると、電流偏重比率の上限値(BSTMAX)が100%である場合においては、ランプ電圧が如何様であったとしても、100%となるから電流偏重は行われない。
さて、その一方、設定電力値が小さい場合においては、ランプ電圧が大きく変化しないものとすると、ランプ電流は減少することになり、起点移動を生じるリスクが増加しフリッカを引き起こす。これはランプ電流が少ないほど、即ち、ランプ電力が減少するほどフリッカ発生の確率は増加するから、これを抑制するためにランプ電圧の増加と伴に電流偏重比率の上限値(BSTMAX)を増加させることが好適である。図9を用いて再度説明すると、電流偏重比率の上限値(BSTMAX)が設定電力により決定されるため、同じランプ電圧であったとしても、設定電力値が小さければ電流偏重率が増加する制御となる。言い換えれば、ランプ電流が低下するほどに電流偏重率が増加する制御とも言うことができる。
したがって、ランプの特性や設定電力に応じて、最低の電力値(WmMIN)における電流偏重比率の上限(BSTTOP)を設定すればよい。
図11は、本発明の放電ランプへの電流波形と電圧波形の実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。同図(a)の縦軸は高圧放電ランプへの電流波形、横軸は時間であり、(b)の縦軸は高圧放電ランプの電圧波形、横軸は時間である。図11を用いて放電ランプに流す電流波形と電流値(I1a、I1b)を決定する方式について説明する。
各電極(20a,20b)に供給される電流値(I1a、I1b)は、点灯電源装置に実装されたマイクロコンピュータやDSP(デジタルシグナルプロセッサ)の演算処理により求めることが容易であり、その処理方法の概念について説明する。
図11におけるランプ電流波形では、第一の期間(τ1)に形成される高周波と第二の期間(τ2)に形成される低周波とを組み合わせた1セットとした期間(τK)を単位とした波形を表すものであって、偏重されている区間(H)と偏重されない区間(L)が存在する。偏重されている区間(H)は合計4区間、偏重されない区間(L)の合計は11区間、前記1セット内で合計11区間となっていることがわかる。
さて、高圧放電ランプを電力制御する場合は、まずランプ電圧を取得して、予め設定された電力値から取得したランプ電圧で除することで所望する目標ランプ電流値を算出し、ランプ電流を、目標ランプ電流値と一致すべく制御する。ただし、この時点での目標ランプ電流値は平均のランプ電流値である。本実施例ではランプ電流を偏重しているから、前記目標ランプ電流値を各々の区間(H,L)において個別に設定する必要があり、さらに詳細に説明する。
まず、ランプ電圧を所得する過程について説明する。本図に記載の通り、ランプ電流値を偏重している区間とランプ電流値を偏重していない区間において各々のランプ電圧が異なっている。放電ランプは、ランプ電流が増加すると短期的にはランプ電圧が減少する特性を有すものであるから、本実施例においては目標ランプ電流値を決定するためのランプ電圧を所得するタイミングが重要となる。そのため、平均の電圧を所得することが望ましく、前述したように本図でのランプ電流波形では、高周波と低周波を組み合わせた1セットである期間(τK)を単位とした波形を表すものであるから、1セットにおける期間(τK)全体のランプ電圧の平均値を所得することが望ましい。本図では期間(τ0)ごとにランプ電圧情報を所得、合算して、1セットにおける期間(τ0)の合計である15で前記合算した値を除することにより平均ランプ電圧を得ることができる。これを用いてさらに移動平均手法を用いて逐次、最新の平均ランプ電圧を所得するようにしても良い。これにより常に1セットにおける期間(τK)全体のランプ電圧の平均値を所得することができる。
次に、設定された電力値から前記した平均ランプ電圧を除することで目標ランプ電流値を得ることができる。ただし、この時点の目標ランプ電流値は平均の値であるから、偏重する区間(H)のランプ電流値(I1a)と偏重を行わない区間(L)のランプ電流値(I1b)の各々の目標電流を個別に算出する必要がある。さらに、図10で説明したように、設定されているランプ電力の値から電流偏重率の上限値(BSTMAX)が決定されるとともに、図9で説明したように、所得した平均ランプ電圧情報から現在の最適な電流偏重率が選択される。この計算は、計算式に基づいて実施しても良く、あるいはマイクロコンピュータやDSPでのテーブルで記載した値を選択的に採用しても良い。
さて、本実施例において、目標ランプ電流とランプ電流値(I1a)とランプ電流値(I1b)に関し、
(式1)平均の目標電流値={I1a×Hの個数4 + I1b×Lの個数11}/15
(式2)I1a=I1b×電流偏重率
の関係が成り立つから、これらよりランプ電流値(I1a)とランプ電流値(I1b)の各々の目標電流を容易に算出することができる。
ただし、ランプ電圧値が非常に小さい場合においては、そもそも平均の目標電流値が大きくなるから、偏重されている区間(H)の電流値(I1a)が非常に大きな値が算出される結果となり、点灯電源が回路都合上許容する最大電流を越えることがある。これは電流偏重率が高ければ、演算上そのような値になるが、その場合は、電流値(I1a)を点灯電源が許容できる最大電流値に設定した上で以下の式で再び演算することで電流値(Ib)を算出すれば良い。
また、
(式3)平均の目標電流値={最大電流値×Hの個数4 + I1b×Lの個数11}/15
により、ランプ電流値を制限できるから、点灯電源装置の保護という目的においても有用である。
ここまで、電流偏重による電流値(I1a、I1b)の決定の過程について説明してきたが、前述したように電流偏重率の制御を付加することで複合的に本発明の作用をより効果的に作用させることができる。
続いて、電極形状を修復するための点灯方法について説明する。ここでは、電力を増大させることにより電極先端形状を修復する方法について説明する。なお本明細書においては、電極先端形状を修復する際に供給される電力について「電極修復用電力」と称する。
この電極修復用電力は、調光電力点灯モードにおける設定電力値より大きい電力値であって、電極先端温度を当該電極の修復が可能な温度域に上昇できるような電力値を有するかもしくはその電力値において電極の修復が可能となる点灯波形に基づいて供給された電力である。したがって、電極修復用電力は、調光電力点灯モード点灯時における電力に対してどれくらいの大きさをもっているか、あるいは、絶対的な大きさについて制限があるというものではない。
図12は、本発明の高圧放電ランプの電極を簡略化して示す図である。図12(a)は、放電ランプの電極の初期状態を表している。図12(b)は、(a)の電極状態において、本発明にかかる調光電力点灯モードによる電流波形を採用し、定格電力の略50%の電力で偏重比率を300%程度に設定して放電ランプへ数時間連続して印加し続けた状態を模式的に表している。
本実施例では、図11で説明した電流が偏重されている区間(H)に陽極側となる電極(E1)の形状が本図の如く片側のみ皿状の形に変化する。この現象は、短期的、例えば数秒から数十秒程度では現れないものであるが、数分にわたり、前述した波形を印加することで少しずつ皿状の電極形状が進行する。この形状は当然のことながら電流偏重時の電流値(I1a)の値や各波形の周波数や偏重が行われる頻度に依存する。電極(E1)が陽極動作である電極先端の温度は上昇するから、電流値(I1a)が多く設定されれば、さらに電極(E1)の先端の温度は上昇しタングステン蒸発量が助長する。そして蒸発した気相中のタングステンは放電アーク中に入るとタングステンイオンに電離分解され、電極先端(W1)が陰極動作である時に前記タングステンイオンが回収される。さらに、電極先端(W1)の周囲に対しても気相中のタングステンが堆積するように作用している。
また、本発明の電流波形で定格電力の略50%の電力で偏重比率を略300%と設定して放電ランプを駆動した場合、偏重作用により、電極(E1)側の電極が陽極側動作になる時の電極(E1)の温度のほうが、電極(E2)が陽極動作する時の電極(E2)の温度より高くなる。そのためか電極(E2)より電極(E1)からのタングステンが気相中へ供給されるほうが多いものと考えられる。次に、電極(E1)は陰極側動作になる時間が、電極(E2)が陰極側動作になる時間よりも多いため、気相中のタングステンは主に電極(E1)側に回収されているものと考えられ、特に突起の上にもう一段小さな突起(W1)を成型する。これらから言えることは、主に電極(E1)側でタングステンの蒸発と回収のハロゲンサイクルが行われるものと考えられる。もう一段小さな突起が形成されれば、そこを中心にアークアタッチメントが得られるから、アークスポットの移動を抑制する効果が得られることになる。その結果、本発明の電流波形を最適な形態で印加することにより、アークスポットの移動を抑制しつつ、かつ電極の突起の成長を促し、より一層のアーク放電の安定化に寄与できるから本発明の利点を最大に享受することができる。本図では説明のために前記皿状の突起を意図的に大きく描画しているが、好ましくは、これが過剰に大きくならないよう電流偏重時の電流値(I1a)の値や各波形の周波数や偏重が行われる頻度を最適化することが望ましい。何となれば、前記皿状の突起のサイズが余りに大きすぎれば、小さな突起とは無関係にアークのスポットが安定しにくくなりフリッカを引き起こすからである。
一方、電極(E2)側においては、本発明の電流波形を用いた場合は、陽極動作になる時間のほうが陰極動作になる時間よりも長くなるから、基本的には電極(E1)から放出される熱電子を受けて、時間とともに電極(E2)の表面が荒れる状態が進行する。
ここまで、電極状態の図12(b)における各電極の動作について説明してきたが、放電ランプに印加する電流波形そのものが非対称であるため、結果的に電極(E1,E2)が非対称な電極状態となることがわかる。
さて、図12(c)は、電極状態の図12(b)の状態から、定格電力の略80%の電力で電流偏重を行わず略370Hzの対称電流波形を数秒間、放電ランプへ印加し続けた状態を表している。数秒間ではあるが、非対称であった電極形状をほぼ初期状態に戻ることが実験より確認された。しかしながら80%のレベルにおいては、電極先端部をすべて溶融した突起形成ができる熱量に達しないため、例えば前述した堆積したタングステン塊(W3)をも溶融吸収できるほどには至らない。しかしながら、この先端部のみを溶融した際の突起の長さ(D1’)は、図12(a)の突起の長さ(D1)よりも長くなっており、突起が成長していることが確認された。これは対向する電極の距離を短くすることであるから、放電ランプのランプ電圧が低下することを意味しており、これは実験による測定結果からも確かめられた。ランプ電圧が低くなれば、ランプ電流値は増加するから偏重比率も低減でき、アークが安定する。本発明の波形を採用することで突起が成長し、さらに電圧が低減される作用があり、アークの安定化をさらに助長すべく突起が制御されることになり、本発明の利点を最大限に享受することができる。
電極状態図(d)は、電極状態(c)から定格電力を投入した状態を示す。付着堆積したタングステン塊(W3)を含む形で電極先端部(W4)に溶融し吸収されることが実験より確認された。
図12で説明した内容によれば、電極(E1、E2)の形状が非対称になるにも拘らず、一定以上の電力を放電ランプに数秒間供給することで電極先端の形状を修復する作用を持つことを示している。
図13は、本発明の放電ランプへの電流波形と電圧波形の実施例の一形態の簡略化したタイミング図である。本図を用いて、放電ランプに数秒間供給することで電極先端の形状を修復する作用を利用した更なる実施例について説明する。
前述したように定格電力の略80%の電力で電流偏重を行わず略370Hzの対称電流波形で、数秒間、放電ランプへ印加すれば電極形状が修復できるから、例えば定格電力の50%の電力を供給している時に、放電ランプへの供給電力の増強を定時的に割り込むことが提案される。
本発明の高圧放電ランプはプロジェクタに使われることを前提とすると、電力を増加すること自体が画質上、極力わからないように緩やかに実施することが重要である。そのため、本実施例においては期間(τh)の時間を掛けて略50%の電力から略80%の電力に移行させている。
図10においても説明をしたが、電力を増加させれば、電力電流偏重比率を下げることができるから、本図における期間(τh)においては、電力を緩やかに上げつつ、同時に電流偏重比率を緩やかに下げることが試される。
また、電極の形状を修復するために必要な期間(τj)において略80%の電力を継続する必要があるし、電極の形状が過剰にいびつな形状になる前に修復を行えるよう間隔(ti)を決定する必要がある。前記図13に実測された波形を記載した本発明の一つの形態の実施例における、具体的な数値パラメータの設定は、以下の通りである。
・ランプ:定格180W高圧水銀ランプ
・電極修復時:定格電力80%
・定常時:定格電力50%
・期間(τi):600秒
・期間(τj):50秒
・期間(τh、τh’):3秒
これらから、放電ランプに供給される平均の使用電力を算出すると概ね52.3%程度の電力となる。例えば、本来50%の電力での駆動を目的とするものであった場合、電極修復時の電力を加算すると定格電力の2〜3%程度の電力が必要と言うことになる。逆に電極修復時の電力を100%にすれば、急激に明るさが変化するようになるし、平均の使用電力も増加してしまい、好ましい形態とは言えない。近年、省エネルギーが課題となっており、この電極修復時の電力値は可能な限り高くない電力であることが望ましいことになる。
また、放電ランプを長い期間使用することにより、放電ランプを構成する発光管の透明度が落ち黒くなる現象が発生する。これは放電ランプを構成する発光管の内面壁に気相中のタングステンが付着する現象であり、特に、概ね定格電力の60%を下回る低い電力を放電ランプに供給する場合は、発光管の内面壁の温度が十分に上昇しにくくなるから、結果的に、気相中のタングステンが発光管に触れたときに凝固し付着しやすくなる。しかしながら、一度、タングステンが付着した後であったとしても、放電ランプに高い電力を再び投入することで発光管の内面壁の温度を高めて再び蒸発させることができる。したがって本図に示すように定期的に50%より高い電力を投入することにより、電極形状の補修だけではなく、むしろ前述したタングステンの付着量を減少して放電ランプの透明度を確保することができるという副次的利点が得られる。なお、ここでは代表的に50%点灯時における説明を行ったが、この電力値以外の場合においても、任意に設定した調光電力点灯モードにおける電力よりも高い第2電力に切り替える制御を行うことで、電極修復機能が得られることは言うまでもない。
図14は(a)高圧放電ランプへの電流波形の実施例の一形態を簡略化して示すタイミング図と、(b)高圧放電ランプの電極を簡略化して示す図である。
先に図12(b)で示したように非対称な電極形状となる要因は、電流波形が非対称の波形であることであった。これを改善する更なる実施例として、非対称となる極性を反転させる方式を提案することができる。これによれば電極(E1、E2)の偏りを軽減することが可能である。本図では時点(tm)において、非対称の電流波形の極性を反転している様子を示している。この反転を行う動作は、数秒ごとに実施しても良いし、あるいは数分おきに実施しても良い。
ただし、アークの安定という側面においては、この反転を行う時点(tm)を切欠として極短い時間に限定してアークのスポットが移動する現象が生じることがある。
この現象はついて図14(b)を用いてさらに説明する。なお、本図における電極(E2)の先端は説明のため歪んだ形のものとしている。放電ランプに非対称波形の極性反転を行う前でのアークスポットは起点(Ex)に存在するものとして以下を説明する。この状態において非対称波形の極性反転を行った後は、アークスポットが起点(Ex’)に移ったものとする。アークスポットが発生する位置は最も熱電子が放出しやすい箇所、すなわち最も温度が高い、あるいは対向する電極からの距離の短い箇所になり、電極(E1)ではスポットの位置が固定されているから、非対称性を反転する度に、本図に示すようにアークが維持される位置が変化する現象が生じてしまう。
本発明の高圧放電ランプはプロジェクタに使われることを前提とすれば、アークスポットが2つの電極間を交互に移動する現象が、画質上悪影響を及ぼすレベルであってはならないが、本実施例においてはフリッカが生じたとしても、それは極短期的なものである。しかし、この問題をさらに改善した実施例について以下に詳細に説明するが、図13で説明したように放電ランプに供給する電力を所定の電力値まで増加させれば電極形状が修復され、さらに放電ランプのアークアタッチメントもスポットモードからディヒューズモードとなるから、この状態に移行してから、非対称の波形の反転することで解決を見出すことができる。
続いて、調光電力点灯モードから電力を上げて定常電力点灯モードに移行するときの留意点について説明する。
一般的に高圧放電ランプに使用される電極は主にタングステンで構成されており、照度寿命特性を改善する目的で99.999%以上の極めて高純度のタングステンが使用される。高純度のタングステンは不純物が少ないという意味で長寿命を期待できる半面、結晶粒が粗大化するため、脆いという欠点を有している。特に先端部は極めて高温になることから結晶粒が粗大化しやすい。熱的なストレスが急激に加わることで熱応力により結晶粒界間で割れが生じるなどの不具合が生じる。よって、設定電力の増加とともに電流偏重率が緩やかに小さくなるような配慮が必要となる。
図15は、本発明の放電ランプへの電流波形の実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。電極状態を修復するために設定電力値を増加していく過程における本発明であるランプ電流波形の変化を(a)から(e)に向かって波形を所定の時間をかけて変化させる様子を表している。図13で説明したように、電極形状を修復するために緩やかに電力を変調する必要があり、例えば(a)が50%電力時の波形で(e)が70%電力時のランプ電流波形を表したものである。図15に示す例では、設定電力の増加とともに電流偏重率が緩やかに小さくなるようしてあり(e)の時点における電流偏重率は100%としている。これは図9で説明したように電流偏重比率の上限値(BSTMAX)が設定電力により決定されるため、同じランプ電圧であったとしても、設定電力値が小さければ電流偏重率が増加する制御となるからである。その結果、本発明のランプ電流波形を用いれば、たとえ、電流偏重率が100%、供給電力が略70%〜80%の電力であってもフリッカの発生を低減して安定したアーク放電を維持することができる。
また当然のことであるが電力を緩やかに低減する場合においては(e)から(a)に向かって波形が変化していくことになる。電力設定値を変化させる過程において、その設定電力値それぞれに応じた区間(τ1、τ2)あるいは区間(τ1)での周波数を本発明の範囲内で最適な値に変更してもよい。
なお、80%以上の電力値である場合においては、放電ランプのアークアタッチメントもスポットモードからディヒューズモードとなることから、従来通りの非対称ではない対称波形、例えば50Hz〜1000Hzの矩形波を供給するだけで良い。
図15では電力を増強の際について動作波形の変化の様子を描画しているが、電極の修復の必要性などがなければ、電力を一定としたまま、例えば50%の電力を維持したままに電流偏重率を少しずつ低減してもよい。そして電流偏重率が低減された状態で以下に説明するように非対称波形の極性を反転するようにしても良い。
更に、図16を参照して極性を反転する際の波形の例を説明する。
図16は、本発明の放電ランプへの電流波形の実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。本図の波形は非対称の波形の極性を反転させるために(a)から(i)に向かって波形を所定の時間をかけて変化させる様子を表している。なお、同図は、例えば略70%程度に電力を増加した際の波形であって、電流偏重比率は100%となっているものとし、非対称波形の極性の反転を少しづつ行われるように制御したものである。
本発明に係る第一の期間(τ1)と第二の期間(τ2)とを備えた調光電力点灯モードのランプ電流波形を用いれば、たとえ、電流偏重率が100%で略70%の電力であったとしてもフリッカの発生を低減して安定したアーク放電が維持できること、さらに、電極形状が修復されつつ、さらに放電ランプのアークアタッチメントもスポットモードからディヒューズモードとなるから、起点の移動を気にすることなく、非対称の波形の反転することができる。つまり、設定電力を可能な限り50%に近い電力レベルで電極形状を修復するとともに、同時に非対称波形の極性を反転することが可能となる。
その際は、図16の(a)の状態を数秒維持し、その後、概ね数秒間かけて(i)にまで到達し、(i)の状態を数秒維持する。特に(a)(i)の波形を数秒の間、維持する目的は、電流(I1a、I1b)が同じとすれば、非対称な電流波形であるから片側の電極だけが陽極動作となる時間が長くでき、その結果、一方の電極のみに熱を集中する効果があり、この時に各電極を溶融し修復することが可能だからである。したがって、(a)ないし(i)の状態を数秒間維持することにより両方の電極に対して略70%の電力で電極の修復と非対称波形の極性の反転が実現できるものである。
さらに、図13の説明においては電極形状を修復する際の電力値を80%程度の電力であって対称の電流としていたが、本発明の波形を用いることにより70%まで下げた場合でも電極の修復状態も現状の80%時と同様の結果が得られることが確認されており、また70%まで低減することにより、前述した平均の電力使用量も低減されることになる。さらに言えば50%近傍の電力で電極形状を修復できるのであれば、その限りではなく、さらに、電極の形状がいびつな形状になる以前に積極的に本図のように非対称波形の極性を切り替えても良い。
続いて、定常電力点灯モードから調光電力点灯モードに移行する際の電力について一例をあげる。
図17は、高圧放電ランプの電力を100%から50%に移行する場合の簡略化されたタイミング図である。定格電力の状態では電極先端の形状は太くなる傾向があり、例えば80%程度の電力で駆動すると図12(c)で説明したように電極の先端のさらに先端部分のみ溶融され、先端が細い突起形状となることが知られており、この現象を利用するものである。本図においては定格電力から50%電力へ移行する際の実施例について示すものであるが、定格電力から即座に50%の電力に移るものではなく、一旦、中間である例えば前述した80%あるいは70%の電力を期間(tg)の間、経由して目的の50%の電力に移行させる。
このように定常電力点灯モード点灯時における電力値よりも低く、調光電力点灯モード点灯時における電力値よりも高くなるような任意に設定される電力(第2電力)を経由するように電力を制御することにより、電極先端の形状がシャープになり、起点移動の範囲を低減できるからになるから、50%電力への切り替え直後においても、より一層フリッカの発生を低減することができる。
なお、上記実施例の説明の中では、各点灯モードの間において中間的に保持される第2電力の設定の値として50%、70%、80%という値を用いて具体的に説明をしてきたが、これらの値についてはこの限りではなく、使用されるランプを用いた実験や計算により求められる値であり、都度調整され、最適な値に調整した上で設定されるものである。
さて、上記説明の中において、調光電力点灯モードにおける極性を適時に反転させて修復を図る技術に関して説明を行った。電極の形状は、この方法による修復の前後においては若干形状が異なって現れるため、修復現象の開始時期と終了時期、またその移行中において、この修復に必要とする電極への負荷のかけ方は、随時その電極状態に応じて適宜調整されることが望ましい。また、形状ズレが大きく、大きな修復が要求される場合には、電極の熱負荷の高い点灯波形で点灯させ、電極形状の修復が完了してきたら熱負荷は必要最小限度に留めて、整形力を重視した波形で点灯させるようにするのが望ましい。このような、電極形状の大幅な修復が必要となることが予測される場合には、電極の仕様などを考慮した上で、2種類以上の点灯波形を予め用意しておき、ランプの点灯状態(点灯履歴)に基づいて適宜選択をし、組み合わせて点灯させることで、電極形状をより意図したものに修復することができる。
調光電力点灯モードにおける2種類以上の波形を選択して駆動する場合の、波形の実施例とその効果について説明する。
図18は、本発明の説明図であり、異なる複数の電流波形を選択し、組み合わせて点灯した場合における、電極先端部分の状態を説明する図である。
図18(a)の電極先端の二次突起22a’のように、電極形状の変形が電極軸中心からずれるように生じる場合、点灯波形の極性反転周期を長くすることにより、図18(c)の電極先端の二次突起22a−1のように、電極先端の溶融範囲を電極軸中心に修正することができる。この理由は、電極が陽極となるフェーズにおいて、電子が電極に衝突して入熱されたエネルギーの拡散長が拡がることで、電極表面を広範囲から略均一的に溶融もしくは蒸発させるためと推測される。
また、蒸発した電極材料であるタングステンは、アークに取り込まれた後、アーク中でプラズマとなり、イオン化したタングステンが電気的に引き寄せられて、電極におけるアーク接触位置を中心とした範囲に凝集し、電極の先端突起の一部を形成する。この凝集範囲は、点灯波形の極性反転の周期に依存して限定されるが、この際、電極先端形状が図18(b)の二次突起22a’−1のようにいびつな変形をしていて、アークが接する位置が所望する位置、概ね電極軸中心にない状態では、図18(b)の二次突起22a’−2のようにいびつな変形を助長させる問題を引き起こす。
つまり、電極形状の修復・整形については、まず図18(c)の二次突起22a−1に示すように溶融蒸発範囲を広くとり、電極軸中心に溶融形状を整え、しかる後に、気相中のタングステンの凝集範囲を限定することで、図18(d)の二次突起22a−2のように電極軸からズレの少ない電極先端突起を成長させ、形状を修復させることができる。
さらには、このプロセスを適度な配分で、連続的または定期的に繰り返すことによって、長期間において電極形状の安定維持を図ることができる。
ここで、本発明において、偏重時電流値を維持しつつ波形を切り替える技術を、図11を参照して説明する。
図11で説明したように、ランプ電流波形では、第一の期間(τ1)に形成される高周波と第二の期間(τ2)に形成される低周波とを組み合わせた1セットとした期間(τK)を単位とした波形を表すものであって、そこには偏重されている区間(H)と偏重されない区間(L)が存在する。本発明では、この偏重された区間(H)の全期間(τI1a)と偏重されない区間(L)の全期間(τI1b)との比率を同一として波形に切り替えるのがよい。
前述したように、マイクロコンピュータやDSPを用いて制御される場合においては、まずランプ電圧を取得して、予め設定された電力値から取得したランプ電圧で除することで所望する目標ランプ電流値を算出し、偏重時の電流値(I1a)と非偏重時の電流値(I1b)を算出しなければならない。ランプ電圧は、時間とともに刻々と変化するため、本演算処理を常時行う必要がある。
調光電力点灯モードにおいて、高圧放電ランプへの電力を一定とする条件であっても、波形の切り替えを行えば、当然のことながら再度の演算処理が必要となる。波形を切り替えた直後に演算を行っていては、実際の波形に反映させることが間に合わなくなるから、前もって前記した演算を済ませておく必要がある。しかしながら、現在選択されている波形での演算を行っている中で、次に選択される波形のための計算を並行して行わなくてはならず、プログラムの処理が著しく困難となる。
無論、上記演算を予め行っておき、波形に切り替えた瞬間に偏重時の電流値(I1a)と非偏重時の電流値(I1b)を切り替えることを考えることができる。しかしながら、本発明者らによる検証によれば、そのようにした場合、フリッカや輝点移動が生じることを避けられないと判明した。このようなフリッカ等が発生する理由は、電流値が変化したことによって電極先端の局所的な温度が変化することが要因であると考えられる。それは、電力が一致している条件で波形を切り替えたとしても、偏重時の電流値(I1a)が変化する、すなわち波高値が変化することで電極先端の到達温度も大きく変化してしまい、この結果、例えば、小さな突起が瞬時に溶融したり、起点の温度のポイントが変化したりするからである。
また、偏重時の電流値(I1a)を増加するよう変化させた場合、その瞬間においても高圧放電ランプの平均電圧はそれほどに変化しないため、その瞬間において電力は高くなる。このため、輝度は一瞬上昇することになり、結果として光の変動として視認されることがある。
プロジェクタのような画像装置においては、このような輝度の変動は決して好ましいものではない。
図19は、本発明の高圧放電ランプへの電流波形で選択される2つの波形を示す実施例の一形態の簡略化されたタイミング図である。図19(a)(b)は、予め準備された2つの電流波形を示す。波形の両者では、第一の期間(τ1)、第二の期間(τ2)、および1セット期間(τK)が異なった波形からなっている。ここで電流波形(a)における偏重されている区間(H)と偏重されない区間(L)の数で見ると、Hの個数が4ヶ、Lの数が10ヶとなる。これを比率として現すと、
H:L = 4:10
となる。
一方、波形(b)における偏重を示す区間(H)と偏重を行っていない区間(L)の数で見ると、Hの個数が2ヶ、Lの数が5ヶとなる。
H:L = 2:5
であるから、すなわちこれは前記した4:10と同義である。
ここで、偏重されている区間(H)における合計期間を期間(τI1a)とし、偏重されない区間(L)における合計期間を期間(τI1b)とすると、電流値(I1a)と電流値(I1b)は以下の(式)により求められる。
(式5)平均の目標電流値={I1a×τI1a + I1b×τI1b}/τK
(式6)I1a=I1b×電流偏重率
(式7)平均の目標電流値=設定電力値/ランプ電圧値
これによれば、設定電力値が同じで、1セット期間(τK)内における電流値(I1a)が供給される全期間(τI1a)と電流値(I1b)が供給される全期間(τI1b)の比率が同一であれば、当然のことながら、電流値(I1a)と電流値(I1b)の値は同一であることが言える。したがって、上述した例における2つの電流波形では、両者とも、
H:L = 4:10
であるため、両者における電流値(I1a)と電流値(I1b)の値は同一である。
逆に、偏重されている区間(H)と偏重されない区間(L)の数量の比率が2つの波形の間で異なれば、電流値(I1a)と電流値(I1b)は2つの波形で異なる値となることは、式(5)からも明らかである。
このように、電流値(I1a)が供給される全期間(τI1a)と電流値(I1b)が供給される全期間(τI1b)との比率を同一とすることにより、高速に再度の演算処理が行う必要がなくなり、次に選択される波形のための計算を並行して行う必要もなくなる。そして、供給電力が同一とした状態で、電流値(I1a、I1b)を維持しつつ、波形の切り替えを実現することができるから、瞬間的な電力の変動を低減できるようになる。
なお、説明の便宜上、本図における偏重されている区間(H)と偏重されない区間(L)について、期間(τN)を基準とした数量単位の整数倍として説明しているが、必ずしもその限りではなく、前記したように時間的な比率がほぼ同一であれば、任意の値に設定することができる。
また、本図では、偏重されている区間(H)の数を4ヶ、偏重されない区間(L)の数を10ヶである電流波形(a)と、区間(H)の数を2ヶ、区間(L)の数を5ヶである電流波形(b)にて比較したが、区間(H)の数と区間(L)の数は変えずに、基準の期間(τN)だけを変化させたもの、即ち周波数を変化させたものであっても、前記したように時間的な比率が同一である。
このように、前述した演算処理を切り替えタイミングに同期して行わなくても、そのままの計算値を採用することができ、制御プログラムを複雑にすることなく、さらに、高圧放電ランプからの光出力の変動を最小限に抑えつつ、波形の切り替えが可能となり、本発明の利点を享受することができる。
さらに、第一の期間(τ1)と第二の期間(τ2)とを合計した1セット期間(τK)の設定について補足して説明する。本発明の電流波形を高圧放電ランプに供給すると、前記1セット期間(τK)の周波数、すなわち1/τKで光が変動することになる。人間が光の変動を視認できる感度は周波数に依存しており、そのピーク周波数は概ね8Hz〜10Hz程度である。したがって、前記1/τKを少なくともこれらの周波数より大きくすることが、必須である。
さらに言えば、液晶パネルを用いたデータプロジェクターに搭載する高圧放電ランプである場合においては、液晶パネルの画像リフレッシュレートは略60Hzであるから、本発明の波形の1/τKの周波数と干渉しないよう選択されなければならない。好ましくは1/τKの値は60Hzより上に25Hz程度は離れた周波数、すなわち1/τKとしては85Hz以上で設定されることが望ましい。
ここで、調光電力点灯モードにおいて、2種類以上の波形を選択し駆動する場合に、その波形の選択方法について説明する。
ランプの寿命特性を向上させるためには、ランプの電極間距離を維持することが重要となる。ランプの電極間距離が現在、どのようになっているかを最も簡易的かつ有効的に判断できるのは、ランプ電圧(もしくはランプ電流)を検出することである。ランプの電極間距離は、ランプ電圧(もしくはランプ電流)と強い相関関係を持っている。言い換えれば、ランプ電圧はランプの電極間距離を観察するための最も簡易的かつ有効な判断材料である。
ランプ電圧が低い、すなわち電極間距離が短い場合、積極的に電極間距離を広げるような波形を選択し、ランプ電圧を上昇させることが望ましい。
対して、ランプ電圧が高い、すなわち電極間距離が長い場合、積極的に電極間距離を縮める波形を選択することでランプ電圧を低下させることが望ましい。
つまり、ランプ電圧の変化を基点に駆動波形を選択することにより、任意のランプ電圧(言い換えれば任意の電極間距離)に維持させることが可能となる。
図20、図21を参照し、ランプ電圧の変化によって、2種類もしくは3種類の駆動波形が選択されることの一例を示す。
図20中、(a)においてランプ電圧が低い場合は、(b)における期間τkの波形を、所望のランプ電圧値Vaとなるまで選択を続ける。所望のランプ電圧値Vaに達した後、期間τk’の波形を選択し、ランプ電圧が再度下降してくるまで選択を続ける。その後、ランプ電圧が所望のランプ電圧Vaまで下降してくれば、再度期間τkの波形を選択する。
ここで、期間τk’で示す波形選択後にランプ電圧が下降しなかった場合、つまり図21(a)で示すように上昇してしまった場合は、さらに図中bの期間τk”の波形を選択し、電圧を下降させる。
なお、図20(b)および図21(b)で示したものでは、相似形ではない2種類の波形の組み合わせで説明を行っているが、当然のことながら、相似形の2種類の波形の組み合わせで実施しても同様の効果は得られる。
前記のような波形の選択を行うことで、ランプ電圧を所望の値に維持させることができる。言い換えれば所望の電極間距離を維持することができ、その結果、ランプの寿命特性の向上に効果を与えることができる。
本実施例の一例を以下に示す。なお、下記の数値例は図20で示したタイミング図の点灯条件と一致するものである。
・ランプ 定格180W
・τk 10.8ms τk’ 8.3ms
・Va 80V
次に2種類以上の波形を選択し駆動する場合に、点灯経過時間による駆動波形の選択方法について図を用いて説明する。
図22、図23は、本発明の他の実施形態を説明する(a)周波数の波形、(b)電流波形の一例を示す図である。
ここでは、ランプの諸特性によらず、点灯モードの経過時間によって、2種類以上の波形が選択されることを示す。ここで、同図(a)の縦軸は、期間τkやτk’中の期間τ、τ’の周波数fb、faを表したものであり、fbは1/(τ×2)、faは1/(τ’×2)である。
図22では、比較的低い周波数fbで、期間τkの波形を、ある期間Tc1の間持続させ、その後、比較的高い周波数faで期間τk’の波形に離散的に切り替え、ある期間Tc2の間持続させ、それらを周期的に繰り返す態様を示している。
また、図23では、比較的低い周波数fbである期間τkの波形から、比較的高い周波数faである期間τk”’の波形まで連続的に切り替える態様を示している。
図22で示したタイミング図では、期間Tc1とTc2を周期的に繰り返すことを説明しているが、ランプ電力、電極の大きさなどで、期間Tc1、Tc2の時間的割合を変化させたり、周期的ではなく例えば低周波波形から高周波波形へ段階的に切り替えても良い。
無論、図23で示したタイミング図でも同様であり、2種類以上の波形を周期的に切り替えたり、低周波波形から高周波波形、高周波波形から低周波波形、また低周波波形から高周波波形へ移行後、再度低周波波形へ戻るなどの波形選択を行っても良い。
前述にて、複数の電流波形を備え、これを適宜選択することによって、電極先端に与える熱拡散長は大きく異なることを述べた。例えば、比較的高周波の波形で点灯させると、熱拡散長は短く、電極先端の表層部のみしか溶融しないため、比較的細い突起が形成される。対して、比較的低周波の波形で点灯させると、熱拡散長は長く、電極先端の深部まで溶融するため、比較的太い突起が形成される。
このように電極先端の溶融部に時間的な変化を与えることで、電極先端部の温度を時間的に変化させることが可能となり、その結果、突起の太さ、大きさをある程度コントロールすることが可能となる。突起の太さをコントロールすることで、以下の効果を行うことができる。
前記調光電力点灯モードで長時間点灯していると、突起が移動する場合がある。上述したように、調光電力点灯モードで点灯後、適当な段階で電極修復用電力を供給することで、突起の移動を抑制することが可能であるが、以下に説明する方式により、より一層改善することが見出された。
ここで、単一波形での調光電力点灯モードで点灯を続けた場合の電極先端形状について、図24を用いて説明する。図24(a)は定格点灯モードでの点灯した場合の突起状態であり、同図(b)、(c)は調光電力点灯モードで点灯した場合を示している。同図においてE1,E2は電極であり、補助線Pは電極の中心軸を示している。なお、W1,W2は調光電力点灯モード点灯時の突起である。
調光電力点灯モードでの点灯時間が長くなれば、電極E1の先端に形成された突起W1は(b)から(c)のように定格点灯時の突起位置(補助線P)から大きく移動する場合がある。これは、比較的高い周波数の波形を用いて点灯し、形成された細い突起である場合に、多く確認される。本発明者らは、740Hz以上の高周波のみで点灯させた場合に突起が比較的細く形成され、しかもその突起は電極の中心位置から移動し易くなることを確認した。
このような電極先端の突起(W1)の移動を抑制するには、熱拡散長が長い、すなわち比較的低周波の波形を選択して、突起(W1)の深部まで溶融させ、突起(W1)が移動しにくい肥大化した突起を形成させることが効果的である。
しかしながら、肥大化した突起のままでは、突起部に十分な温度を与えることが難しくなり、輝点が移動することがある。本発明者らの検討によれば、480Hz以下の低周波で点灯させると、突起は太く、移動しにくくなることが判明した。突起を必要以上に肥大化させないためには、熱拡散長が短い、すなわち比較的高い周波数の波形を選択し、突起の表層面のみ溶融させ細い突起を形成させればよい。このように、突起の肥大化に由来して発生する輝点移動と、突起が細くなり中心部からずれることは、トレードオフの関係となる。
このような知見に基づき、本発明者らが検討を重ねた結果、突起の肥大化から発生する輝点移動と、突起が細くなるために発生する突起の移動を抑制するためには、まず、調光電力点灯モード時に比較的低い周波数の波形で点灯させて、突起根元部を移動しにくい太い突起部を形成し、その後、比較的高い周波数の波形で点灯させて、根元は太く、先端部は細い突起部を形成させることによって、実現することができると判明した。
つまり、2種類以上の波形を連続的、もしくは離散的に繰り返し、なおかつ前記の波形の繰返しを周期的に行うことで、突起部に与える温度を周期的に変化させることができ、移動しにくい突起、いわば突起の安定維持に効果を与えることができる。
なお、本発明は、2種類以上の波形を離散的に切り替えたもので説明したが、連続的に切り替えたものでも同様の効果を得られる。この実施形態の一例を以下に示す。なお、下記の数値例は先に図22で示したタイミング図の点灯条件と一致するものである。
・ランプ 定格180W
・波形τk 10.8ms τk‘ 8.3ms
・期間Tc1 5秒 Tc2 15秒
・周波数 f a 740Hz fb 480Hz
次に、前述までに説明した点灯経過時間によって波形の選択を周期的に行う期間をランプ電圧(もしくはランプ電流)によって選択した実施例について具体的に説明する。
ここまでに、2種類の波形を経過時間によって周期的に切り替えることで、突起の移動を抑制することができる効果について説明を行った。さらに、波形の選択をランプ電圧(もしくはランプ電流)を判断材料として行うことで、電極間距離の維持に効果があることを説明した。
以下に説明する実施例は、波形選択は経過時間によって周期的に切り替えを行い、その周期性をランプ電圧によって変化させることで、突起の安定維持、ランプの寿命特性の向上に効果を与えることができる例である。
図25は、本発明の他の実施形態に係るタイミング図を示しており、(a)は電圧波形、(b)は周波数波形、(c)は電流波形をそれぞれ示している。
図25(a)において、ランプ電圧がある目標値Va以上の場合は、同図(b)のように周波数が異なる2種類の波形を選択し、同図(c)のようにその波形の選択時間を期間Tc1、Tc2とし、それを周期的に繰り返す。目標値であるVaに到達すれば、波形の選択時間を期間Tc3、Tc4とし、それを周期的に繰り返し、再度目標電圧であるVaに到達するまで継続する。このように、波形選択は経過時間によって周期的に切り替えを行い、その周期性をランプ電圧によって変化させることで、突起の安定維持、ランプの寿命特性の向上に効果を与えることができる。
なお、上記では2種類以上の波形を選択する期間(モード)が、調光電力点灯モードにおいて点灯している場合について説明してきたが、これは、調光時に限らず、電極修復用電力を供給して点灯している場合においても、上記、つまり、半周期期間(τ0)、前記第一の期間(τ1)および前記第二の期間(τ2)のうち少なくとも1つの期間に対し、供給される電流波形を複数備え、その少なくとも1つの期間、ランプの点灯状態に基づいて前記複数の電流波形から選択し、電流を供給することで、いっそうの効果が得られるようになる。
以下、この内容について説明する。
電極形状の修復・整形については、まず、溶融蒸発範囲を広くとって、電極軸中心に溶融形状を整え、その後、気相中のタングステンの凝集範囲を限定することで、電極軸からズレが生じるのを抑制できる、電極先端突起を成長させ、形状を修復させることが肝要である。
電極修復用電力を供給することで、電極への入力電力を上げて、図18(c)で示す二次突起22a−1のように電極先端の溶融範囲を電極軸中心に修正するとともに、タングステンを気相中に潤沢に供給させた状態とする。その後、電極修復電力から調光電力点灯モードへ移行時および移行後の所定の期間において、半周期期間(τ0)、前記第一の期間(τ1)および前記第二の期間(τ2)のうち少なくとも1つの期間に対し、供給される電流波形を複数用意し、前記少なくとも1つの期間において、ランプの点灯状態に基づいてそれら複数の電流波形から選択し、電流を供給する。
このようにすると、電流波形を複数気相中の潤沢なタングステン材料の凝集範囲が限定され、図18(d)で示す二次突起22a−2のように電極軸に対して対称な電極先端突起を形成することができる。この結果、高い修復効果が得られるようになる。
さらに、本発明においては、電極修復用電力の供給期間において、電流偏重率(I1a/I1b)の高い電極(a)における陽極フェーズで入力される積算電力を、他方の電極(b)における陽極フェーズで入力される積算電力よりも大きくするよう制御するのがよい。以下、この内容について、図18、図15を参照しながら説明する。
電極先端を点灯波形とともに詳細に観察すると、突起形状の変形は、多くは、電流変調率の高い電流(I1a)を受ける電極20a側において発生する。よって、電極20aを優先的に修復することが電極修復の効率、効果の点を鑑みても望ましい、つまり、電極修復用電力供給時において、主に電極20aを選択して、修復を施すのがよい、と考えられる。
しかしながら、電極修復用電力供給時において、第一の期間(τ1)と第二の期間(τ2)の比を、所定の値に保った状態で、電流または電力を徐々に電極修復用電力まで上昇させた場合には、図15(e)で示したような波形を経由することになり、この場合、電極20aよりもむしろ電極20bの負荷が著しく大きくなってしまう。
つまり、電力が上昇すると、前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)は下がるが、第一の期間(τ1)<第二の期間(τ2)は維持されているため、結果的に、第一の期間(τ1)の積算電力<第二の期間(τ2)の積算電力となってしまう。この場合、電流変調率の高い側の電極20aよりもむしろ低い側の電極20bにおいて、優先的に修復が行われるのが好ましい。
そもそも電極修復用電力を設定する意義は、あくまで放電ランプの電極の品質を維持することが目的であり、いわばランプ都合の点灯モードである。よって、必ずしも、ユーザーのニーズに合致したものではないため、極力、電極修復用電力で点灯する期間は、必要最小限に留めることが望ましい。
また、電極修復時には、電極の溶融・蒸発を多少なりとも伴うので、ランプの黒化、短寿命といった観点からも、電極修復用電力を供給する期間および頻度は適度に留めるのが望ましい。
以上の事項を総合的に勘案し、電極修復用電力を供給する場合においては、より効率的、効果的に行うため、以下のことが言える。
すなわち、電極修復用電力を供給する場合、調光電力点灯モード時において電流偏重率(I1a/I1b)が高い側の電極(20a)が陽極フェーズで入力される積算電力を、他方の電極(20b)が陽極フェーズで入力される積算電力よりも大きくするよう制御して、この電極(20a)を優先的に修復するよう供給電力(電流)を設定するのがよい。
以下、この実施形態について、図26、図18を参照して説明する。
図26は、本実施形態を説明する電極修復用電力供給時における電流波形を示しており、縦軸は電流値横軸は時間である。なお、一方の電極(20a)の電流をI1aとして他方の電極(20b)の電流をI1bとしている。
電極修復用電力を供給期間、その電流波形は代表的に図26(a)〜(c)に大別することができる。各電極(20a,20b)における陽極フェーズで入力される積算電力は、それぞれ図26(a)で示す波形の場合、電極20aより電極20bのほうがΔSb−2だけ大きく、図26(b)では同等、図26(c)では電極20aより電極20bのほうがΔSa−2だけ小さい。
ここで、電極修復用電力を供給する間の、前記第一の期間(τ1)において前記一方の電極(20a)に偏重して投入される電力の総和ΔSa−2[A・ms]の積算と、前記第二の期間(τ2)において前記他方の電極(20b)に偏重して投入される電力の総和ΔSb−2の積算との関係が、以下の関係を満足するのがよい。
(式8) ∫ΔSa−2・dt/∫ΔSb−2・dt≦1
上記関係によって、電極先端突起形状の変形が多い電極20aの修復をより効率的・効果的に行うことができる。なお、ここでの電力の積算とは、ランプ電圧がほぼ一定であるので、電流の積算値と置き換えても同義である。
この実施例に関して以下に示す。
電極修復用電力で点灯する期間における点灯波形を、図16(a)〜(i)のように徐々に移行させる場合においては、先に説明した(段落0089)ように、所定の波形、例えば図16(i)で数秒間維持させても構わない。また、図16(a)〜(d)(すなわち図26(a))のような波形を実施するのを短時間で済ませ、図16(f)〜(i)(すなわち図26(c))のような波形に移行する段階で時間をかけてゆっくりと連続的に移行させるようにしてもよい。
つまり、電極修復用電力を供給する期間において、図26(a)の波形を実施する期間と同図(c)の波形を実施する期間とを比較したときに、同図(c)の波形を実施する期間をより長く実施することで、上記関係式(式8)を満足させることができる。
さて、定常電力点灯モードから調光電力点灯モードに移行する際、定常電力点灯モード点灯時における電力値よりも低く、調光電力点灯モード点灯時における電力値よりも高い電力を一旦経由する例について既に説明を行った。
ここでは、逆に、調光電力点灯モードからその他のモードへ移行する方式について、図27を用いて説明する。
図27は、調光電力点灯モードから定常電力点灯モードへ移行する場合の簡略化された電力とそのタイミング図である。本発明の調光電力モードをプロジェクタに使われることを前提とすれば、所定の調光電力点灯モードの状態から他の点灯モード(例えば定常電力点灯モード)にも移行できるようにしなければならない。
本発明の調光電力モードで継続的に放電ランプを点灯すると、放電ランプにおける電極先端の突起の形状は、前述したようにいびつな形状となる可能性がある。そのような状態となった場合には、上述した調光電力点灯モードにおける電力よりも高い電力値からなる電極修復用電力を採用して放電ランプを駆動することで、電極形状を修復することができる。ただし、電極修復用電力と同等あるいはそれ以上に修復する効果が見込める電力による点灯モード、例えば定常電力点灯モードであって非常に高い電力であれば、そのまま直接移行することができる。しかしながら、電極修復用電力よりも修復する効果が低い点灯モード(例えば、電極修復用電力よりも低い電力、調光時の設定電力値が異なる他の調光点灯電力モード、定常電力点灯モードであって低い電力モードなど)に移行する場合においては、一旦、電極形状を修復することができる電力値あるいは修復が望める電力値を所定の期間(th)の間、経由することが望ましい。
本図においては、定格電力の50%程度の調光電力モードから、前述した電極修復用電力を所定の期間(th)経てから、定常電力点灯モードの中でも低めの電力(定格電力の略75%)に移行した例を示している。電極修復用電力供給時の波形は、前記したように、低周波の極性を片方向に所定の期間、固定することで、電極を修復することに特化した波形を選択している。本実施例の電極修復用電力は75%より低い70%の電力ではあるが、電極修復効果が高い波形が選択されている。本図においては電極修復用電力を電力70%の電力としているが、その限りではなく、修復効果が見込める点灯モードを経由してから他のモードへの移行が行われば良い。その意味において、修復機能が期待できる電力としては、少なくとも、調光電力モードよりも高い電力である必要がある。また本図では瞬時に各モードに移行されるように記載されているが、電極形状が修復されるように、段階的、あるいは連続的に移行しても構わない。
仮に電極がいびつな形状となっている状態で、電極修復用電力よりも低い電力あるいは定常電力点灯モードであって本発明の偏重を行わない電流波形でやや低い電力で設定されるモード(例えば75%)に移行すると、放電ランプのアーク輝点が安定することができないから、輝点移動やフリッカが発生してしまう。そのため、電極修復用電力供給時と同等あるいはそれ以上に修復する効果が見込める点灯モードを所定の時間経由してから、その他の電力に移行することで突起の形状を安定させた上で、他の点灯モードに移行するから、これらの問題を未然に解決することができる。
なお、電極修復用電力は必ずしも電力値を規定するものではなく、その他のモード(調光電力点灯モードよりも高い電力)へ移行してから所定の期間のみ電極修復させる波形形状を選択し切り替えても良い。例えば、他の点灯モードへの移行を指示された場合においては、すぐにその指定された電力へ移行し、移行直後においては、電極形状が修復されるまでの時間、電極修復用電力供給時に代表される非対称の波形を選択し、その後は、放電ランプを駆動する一般的な対象な波形を選択するように切替えても良い。したがって、電極修復用電力は、調光電力点灯モードよりも大きい電力値でありさえすればよく、移行後のその他の点灯モードにおける電力値と同じであるケースも、当然ありうる。
ここまで説明した中で電力の変調あるいは電流波形の切り替え制御方式について図7のプロジェクタ構成を参照しつつ補足する。プロジェクタ本体に具備されたプロジェクタ制御部(31)から給電装置(30)に対して電力を設定する指令が例えばUART通信により送信される。この電力設定を行う指令は例えば0から100%の区間を例えば、64階調、あるいは128段階で設定することができ、これに基づいて給電装置(30)が電力を追従するものであって、本実施例では高圧放電ランプ(10)への供給電力とそれに付随した電流波形を、プロジェクタ制御部(31)から給電装置(30)を制御することができる。
その一方、これらの電力の変調あるいは電流波形の切り替えの制御機能、あるいはそのシーケンス機能を給電装置(30)そのものに搭載しても良く、同様に本発明の利点を享受できるものである。
また、本明細書に記載の回路構成は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の動作や機能、作用を説明するために、必要最少限のものを記載したものである。したがって、説明した回路構成や動作の詳細事項、例えば、信号の極性であるとか、具体的な回路素子の選択や追加、省略、あるいは素子の入手の便や経済的理由に基づく変更などの創意工夫は、実際の装置の設計時に遂行されることを前提としている。本発明になる高圧放電ランプ点灯装置の構成は、本明細書に記載の回路方式のものに限定されるものではない。
1 降圧チョッパー回路
2 フルブリッジ回路
3 スタータ回路
4 ドライバ
5 制御部
51 駆動信号発生手段
51a、51b 交流信号発生部
51c 非対称矩形波信号発生部
51d セレクタ
52 コントローラ
52a 点灯動作制御部
52b 周波数選択部
52c 電力制御部
10 高圧放電ランプ
11 発光部
12 封止部
13 導電用金属箔
14 外部リード
20 電極
20a 電極(電流偏重時陽極側電極)
20b 電極(電流偏重時陰極側電極)
201 球部
202 軸部
21 突起
21’ 変形した突起
22a 二次突起
22a’ 肥大化した二次突起
30 給電装置
31 プロジェクタ制御部
31a 画像制御部
31b 点灯制御部
32 光変調素子
33 拡大装置
34 スクリーン
35 外部装置
Cx、C2 コンデンサ
Dx ダイオード
Lx リアクトル
R1、R2、R3、Rx 抵抗
Q1〜Q4、Q5、Qx スイッチング素子
T1 トランス
Et 補助電極
VmMIN ランプ電圧値
VmMAX ランプ電圧値
BSTMAX 上限値
BSTTOP 上限値
WmMAX 電力値
I1a 電流値
I1b 電流値
H 区間
L 区間
τK 期間
τ0 期間
τh 期間
τj 期間
τi 間隔
Tm 時点
tg 期間
Ex 起点
Ex’ 起点
E1 電極
E2 電極
W1 電極先端
W1 電極先端
W3 タングステン塊
W4 電極先端
D1 長さ
D1’ 長さ
τ1 区間(第1の期間)
τ2 区間(第2の期間)

Claims (21)

  1. 石英ガラスからなる放電容器の内部に一対の電極が対向配置されてなる高圧放電ランプと、この高圧放電ランプに交流電流を供給する給電装置とを具備してなる高圧放電ランプ点灯装置において、
    前記給電装置は、定常電力点灯モードと、前記定常電力点灯モードよりも低い電力で電流を供給する調光電力点灯モードとを備え、
    前記調光電力点灯モードにおいて、第一の期間(τ1)と第二の期間(τ2)とを備えてなる矩形波交流を供給するものであり、
    前記第一の期間(τ1)では、高周波電流であって、一方の電極(20a)が陽極フェーズの際に流れる平均電流値(I1a)が、他方の電極(20b)が陽極フェーズの際に流れる平均電流値(I1b)よりも高くなるように供給し、
    前記第二の期間(τ2)では、前記他方の電極(20b)が陽極フェーズの状態で、前記高周波電流の半周期期間(τ0)よりも長い期間、前記平均電流値(I1a)よりも低い電流(I2)を供給する
    ことを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 前記第一の期間(τ1)に供給される前記高周波電流は2周期以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 前記第一の期間(τ1)において、前記一方の電極(20a)に供給される平均電流値(I1a)は前記他方の電極(20b)に供給される平均電流値(I1b)の100〜450%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  4. 前記第一の期間(τ1)における前記高周波電流の周波数は80Hz以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 前記第二の期間(τ2)においては極性の切り替えが行われない
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  6. 前記第二の期間(τ2)において、前記他方の電極(20b)に電流が供給される期間は前記第一の期間(τ1)に前記一方の電極(20a)に供給される高周波電流の半周期期間(τ0)を整数倍したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  7. 前記第一の期間(τ1)と前記第二の期間(τ2)の和(τ1+τ2)が25[ms]以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ装置。
  8. 前記第一の期間(τ1)を前記第二の期間(τ2)で除した値(τ1/τ2)が0.2〜10.5の範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ装置。
  9. 前記第一の期間(τ1)において、前記一方の電極(20a)に偏重して投入される電力の総和ΔSa[A・ms]と、前記第二の期間(τ2)において前記他方の電極(20b)に偏重して投入される電力の総和ΔSbとの関係が以下の関係を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
    0.27≦ΔSa/ΔSb≦10.5
  10. 前記給電装置は、前記第一の期間(τ1)に供給する高周波電流及び前記第二の期間(τ2)に供給する電流の極性を切り替え可能とする切替手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  11. ランプ電圧、ランプ電流もしくはランプ電力によって、前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  12. 前記給電装置には、前記調光電力点灯モードにおいて、半周期期間(τ0)、第一の期間(τ1)および第二の期間(τ2)のうち少なくとも1つの期間に対し、供給される電流波形が複数具備されており、
    前記給電装置は、ランプの点灯状態に基づいて、これらの波形から選択して電流を供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  13. 前記給電装置は、調光電力点灯モードが一定時間経過するごとに、一定期間、当該調光電力点灯モードにおける電力よりも高い電極修復用電力に切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  14. 前記給電装置は
    前記電極修復用電力として、前記定常電力点灯モードにおける電力よりも低い電力を供給する
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  15. 前記給電装置は、
    前記電極修復用電力が供給される期間において、
    調光電力点灯モードの電力から前記電極修復用電力まで徐々に電力を上昇させるとともに、
    前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)を下げ、
    一定期間、前記電極修復用電力を保持し、
    その後、前記第2の電力から調光電力点灯モードの電力まで徐々に電力を下降させるとともに、
    前記第一の期間(τ1)における波形の電流偏重率(I1a/I1b)を徐々に上げるよう制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  16. 前記給電装置は、
    前記電極修復用電力が供給される期間において、
    前記第二の期間(τ2)の半周期期間を徐々に変整するよう制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  17. 前記給電装置は、
    前記電極修復用電力供給後、調光電力点灯モードにおける第二の期間(τ2)に供給する電極の極性を反転させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  18. 前記給電装置には、前記調光電力点灯モードおよび/または前記電極修復用電力が供給される期間において、半周期期間(τ0)、第一の期間(τ1)および第二の期間(τ2)のうち少なくとも1つの期間に対し、供給される電流波形が複数具備されており、
    前記給電装置は、ランプの点灯状態に基づいて、これらの波形から選択して電流を供給する
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  19. 前記給電装置は、
    電極修復用電力供給後であり、前記調光電力点灯モードへ移行するときおよび/または、前記調光電力点灯モード移行後の所定の期間、
    前記調光電力点灯モードの期間における半周期期間(τ0)、第一の期間(τ1)および第二の期間(τ2)のうち、いずれかの期間(τ0、τ1またはτ2)が、その期間(τ0、τ1またはτ2)に対応する電極修復用電力供給時における当該期間(τ0、τ1またはτ2)よりも短くなるよう制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  20. 前記給電装置は、
    前記電極修復用電力供給期間において、電流偏重率(I1a/I1b)の高い電極aにおける、陽極フェーズで入力される積算電力を、他方の電極bにおける陽極フェーズで入力される積算電力よりも大きくするよう制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の高圧放電ランプ点灯装置と、
    画像信号を処理する画像制御部及び前記高圧放電ランプの点灯を制御する点灯制御部を備える制御部と、
    光変調素子と、
    拡大装置とを備えてなることを特徴とするプロジェクタ
JP2010086699A 2009-12-01 2010-04-05 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ Expired - Fee Related JP4992994B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010086699A JP4992994B2 (ja) 2009-12-01 2010-04-05 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ
TW099132824A TWI406593B (zh) 2009-12-01 2010-09-28 High pressure discharge lamp lighting device and projector
KR1020100120557A KR101255440B1 (ko) 2009-12-01 2010-11-30 고압 방전 램프 점등 장치 및 프로젝터
US12/926,616 US8525431B2 (en) 2009-12-01 2010-11-30 Modulated power lighting mode for lighting apparatus of high-pressure discharge lamp and projector
CN2010105730341A CN102088816B (zh) 2009-12-01 2010-12-01 高压放电灯亮灯装置及投影机

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009273438 2009-12-01
JP2009273438 2009-12-01
JP2010086699A JP4992994B2 (ja) 2009-12-01 2010-04-05 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011138742A JP2011138742A (ja) 2011-07-14
JP2011138742A5 JP2011138742A5 (ja) 2011-11-24
JP4992994B2 true JP4992994B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=44068634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010086699A Expired - Fee Related JP4992994B2 (ja) 2009-12-01 2010-04-05 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8525431B2 (ja)
JP (1) JP4992994B2 (ja)
KR (1) KR101255440B1 (ja)
CN (1) CN102088816B (ja)
TW (1) TWI406593B (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5472611B2 (ja) * 2009-12-16 2014-04-16 ウシオ電機株式会社 露光装置及び露光装置の点灯方法
EP2555597A4 (en) * 2010-03-30 2015-08-26 Ushio Electric Inc HIGH PRESSURE DISCHARGE LAMP LIGHTING DEVICE
US9250503B2 (en) * 2010-08-05 2016-02-02 Nec Display Solutions, Ltd. Image display device and light source cooling method
US9137881B2 (en) * 2010-12-14 2015-09-15 Ushio Denki Kabushiki Kaisha Discharge lamp lighting apparatus
JP6149351B2 (ja) * 2011-08-22 2017-06-21 セイコーエプソン株式会社 光源装置、放電灯の駆動方法及びプロジェクター
JP5849587B2 (ja) * 2011-10-06 2016-01-27 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター及びプロジェクターシステム
CN103947300B (zh) * 2011-11-28 2016-03-09 皇家飞利浦有限公司 照明设备以及操作放电灯的方法
US8952621B2 (en) * 2012-01-31 2015-02-10 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. High pressure discharge lamp lighting device, projector provided with the same, and high pressure discharge lamp lighting method
JP5994272B2 (ja) * 2012-02-10 2016-09-21 セイコーエプソン株式会社 光源装置、放電灯の駆動方法およびプロジェクター
CN104170531B (zh) 2012-03-06 2015-12-30 欧司朗股份有限公司 用于运行至少一个放电灯的电路装置和方法
JP5896152B2 (ja) * 2012-08-01 2016-03-30 ウシオ電機株式会社 高圧放電ランプ点灯装置
JP6136246B2 (ja) * 2012-12-25 2017-05-31 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター、および、プロジェクターの制御方法
JP6136317B2 (ja) * 2013-02-05 2017-05-31 セイコーエプソン株式会社 光源駆動装置、表示装置および光源駆動方法
JP6136323B2 (ja) 2013-02-07 2017-05-31 セイコーエプソン株式会社 光源駆動装置、表示装置および光源駆動方法
DE102013219694A1 (de) * 2013-09-30 2015-04-02 Automotive Lighting Reutlingen Gmbh Verfahren zum Betreiben einer Gasentladungslampe eines Lichtmoduls
DE102013223138A1 (de) * 2013-11-13 2015-05-13 Osram Gmbh Verfahren zum Betreiben einer Entladungslampe und Projektionsanordnung
JP2015145934A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター
JP6879906B2 (ja) * 2014-10-01 2021-06-02 ユミコア 電気アークガスヒータのための電力供給装置
JP2016162615A (ja) * 2015-03-03 2016-09-05 セイコーエプソン株式会社 放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクター、および放電灯駆動方法
CN106255298B (zh) * 2015-06-04 2019-03-22 精工爱普生株式会社 放电灯驱动装置、光源装置、投影机以及放电灯驱动方法
JP6589654B2 (ja) * 2016-01-20 2019-10-16 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法
DE102016105490A1 (de) * 2016-03-23 2017-09-28 Osram Gmbh Vorrichtung und Verfahren zum Betreiben einer Entladungslampe, insbesondere für Projektionszwecke
JP6548039B2 (ja) * 2016-09-01 2019-07-24 ウシオ電機株式会社 放電ランプ点灯装置
JP2018147729A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 セイコーエプソン株式会社 放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクター、および放電灯駆動方法
CN114077133B (zh) 2020-08-12 2023-05-26 中强光电股份有限公司 投影装置及其控制方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3813421A1 (de) 1988-04-21 1989-11-02 Philips Patentverwaltung Hochdruck-quecksilberdampfentladungslampe
JP2000131668A (ja) 1998-10-26 2000-05-12 Hitachi Ltd 液晶プロジェクタの光源調光装置
JP2001015289A (ja) * 1999-04-28 2001-01-19 Mitsubishi Electric Corp 放電灯点灯装置
JP2004207018A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Seiko Epson Corp 光源駆動回路、プロジェクタ、光源の点灯制御方法、及びこの方法を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラム
JP3794415B2 (ja) * 2003-06-25 2006-07-05 松下電工株式会社 放電灯点灯装置およびプロジェクタ
US7622869B2 (en) * 2004-02-24 2009-11-24 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Discharge lamp ballast and projector
JP4389623B2 (ja) * 2004-03-25 2009-12-24 ウシオ電機株式会社 高圧放電ランプ点灯装置
CN100576418C (zh) * 2004-08-02 2009-12-30 优志旺电机株式会社 高压放电灯照明装置
JP5073682B2 (ja) * 2006-02-20 2012-11-14 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ガス放電ランプを駆動する方法及び駆動ユニット
JP5145787B2 (ja) * 2007-06-20 2013-02-20 ウシオ電機株式会社 放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ
EP2104404B1 (en) * 2008-03-21 2012-01-18 Seiko Epson Corporation Discharge lamp lighting apparatus, method for controlling the same, and projector
JP4877263B2 (ja) * 2008-04-01 2012-02-15 パナソニック株式会社 高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201123985A (en) 2011-07-01
JP2011138742A (ja) 2011-07-14
US20110128508A1 (en) 2011-06-02
KR20110061496A (ko) 2011-06-09
CN102088816A (zh) 2011-06-08
KR101255440B1 (ko) 2013-04-17
US8525431B2 (en) 2013-09-03
CN102088816B (zh) 2013-08-07
TWI406593B (zh) 2013-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4992994B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ
JP5153003B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ
JP4692611B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置及びプロジェクタ
JP4983877B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置およびプロジェクタ
US9030111B2 (en) High pressure discharge lamp lighting device with electrode temperature control
JP4985690B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
JP4636169B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
JP2004296427A (ja) 超高圧水銀ランプ発光装置
JP4697326B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
JP5895977B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP2010123478A (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
JP5152229B2 (ja) 光源装置
JP5625438B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
JP2010251038A (ja) 高圧放電灯点灯装置、プロジェクタ及び高圧放電灯の点灯方法
JP6245438B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP6548039B2 (ja) 放電ランプ点灯装置
JP5692325B2 (ja) 高圧放電ランプ点灯装置
US20160323984A1 (en) Discharge lamp lighting apparatus
JP2008293934A (ja) 高圧放電ランプ装置
JP2012128995A (ja) 放電ランプ点灯装置
JP2018037339A (ja) 放電ランプ点灯装置
JP2013118105A (ja) 光源装置、放電灯の駆動方法およびプロジェクター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4992994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees