JP5994272B2 - 光源装置、放電灯の駆動方法およびプロジェクター - Google Patents
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Description
このような放電灯は、例えば、高周波数の交流電流を駆動電流として供給する駆動方法により駆動される(例えば、特許文献1参照)。この駆動方法によれば、放電の安定性が得られ、放電灯本体の黒化や失透等を防止することができ、放電灯の寿命の低下を抑制することができる。
例えば、プロジェクターの用途では、光の利用効率を向上させるために、電極間が狭い状態を維持し、発光の大きさを小さくすることが好ましい。点灯中に電極間が広がることは、光の利用効率を低下させることになり、好ましくない。
しかしながら、この駆動方法では、放電灯本体の黒化や失透等が生じ、放電灯の寿命が低下するという問題がある。
また、特許文献3には、周波数が60〜1000Hzの定常点灯周波数の交流電流と、この定常点灯周波数よりも周波数が小さく、その周波数が5〜200Hzの低周波数の交流電流とを交互に1対の電極に供給して放電灯を点灯する点灯装置が開示されている。
本発明の光源装置は、1対の電極を有する放電灯と、
前記1対の電極に駆動電流を供給する駆動装置と、
前記1対の電極の電極間電圧を検出する電圧検出手段と、
時間を計測する時間計測手段と、を有し、
前記駆動装置は、周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記駆動装置は、
前記時間計測手段により計測された前記第1の交流電流供給区間の期間が所定の期間Aに到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が閾値に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記閾値に到達せずに前記時間計測手段により計測された前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Bに到達した場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする。
これにより、第1の交流電流供給区間では、放電灯の黒化を抑制し、また、後述する第2の交流電流供給区間において黒化した放電灯のその黒化を回復させることができる。
このような第1の交流電流供給区間と第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返すことにより、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持し、放電灯を駆動することができる。
そして、特に、放電灯の黒化の回復がし難い放電灯の点灯の初期においても、第1の交流電流供給区間で、放電灯の黒化を回復させることができる。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができる。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができる。
本発明の光源装置では、前記期間Aは、前記期間Bよりも長いことが好ましい。
これにより、より確実に、第1の交流電流供給区間で、放電灯の黒化を回復させることができる。
これにより、より確実に、第1の交流電流供給区間で、放電灯の黒化を回復させることができる。
本発明の光源装置では、前記期間Bは、1分以上60分以下であることが好ましい。
これにより、より確実に、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができる。
これにより、光量の変動を抑制することができる。
本発明の光源装置では、前記駆動装置は、前記第2の交流電流供給区間においては、前記第2の交流電流の振幅を経時的に増大させることが好ましい。
これにより、光量の変動を抑制することができる。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制することができる。
本発明の光源装置では、前記第2の交流電流の波形は、矩形状をなしていることが好ましい。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制することができる。
これにより、放電灯の黒化を抑制することができる。
本発明の光源装置では、前記第2の交流電流を供給することにより、前記1対の電極の電極間距離を減少させることが好ましい。
これにより、第1の交流電流供給区間において広がった1対の電極の電極間距離を狭くすることができ、その電極間距離を一定の距離に保持することができる。
これにより、第1の交流電流供給区間における光量と、第2の交流電流供給区間における光量とを同じにすることができる。
周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記第1の交流電流供給区間の期間が所定の期間Aに到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が閾値に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記閾値に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Bに到達した場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする。
これにより、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持し、放電灯を駆動することができる。
そして、特に、放電灯の黒化の回復がし難い放電灯の点灯の初期においても、第1の交流電流供給区間で、放電灯の黒化を回復させることができる。
前記光源装置から出射した光を画像情報に基づいて変調する変調装置と、
前記変調装置により変調された光を投射する投射装置と、を有することを特徴とする。
そして、特に、放電灯の黒化の回復がし難い放電灯の点灯の初期においても、第1の交流電流供給区間で、放電灯の黒化を回復させることができる。
<光源装置>
図1は、本発明の光源装置の実施形態を示す断面図(ブロック図も含まれる)、図2は、図1に示す光源装置の放電灯を示す断面図、図3は、図1に示す光源装置を示すブロック図、図4は、図1に示す光源装置の駆動電流を示す図、図5は、図1に示す光源装置の電極間電圧の絶対値を示す図、図6は、図1に示す光源装置の制御動作を示すフローチャートである。なお、図2では、副反射鏡の図示は省略されている。
放電灯500は、放電灯本体510と、凹状の反射面を有する副反射鏡520とを備えている。副反射鏡520は、放電灯本体510の主反射鏡112と反対側、すなわち平行化レンズ114側であって、放電灯本体510の外周面から所定距離離間した位置に配置されている。放電灯本体510と副反射鏡520とは、放電灯本体510と副反射鏡520との間に設けられた無機接着剤522により接着されている。また、副反射鏡520は、放電灯500側の面(内面)が反射面となっており、この反射面は、図示の構成では、球面をなしている。
各電極610、710は、放電空間512に収納されている。すなわち、各電極610、710は、その先端部が放電灯本体510の放電空間512において、互いに所定距離離間し、互いに対向するように配置されている。
図2に示すように、前記電極610は、芯棒612と、コイル部614と、本体部616とを有している。この電極610は、放電灯本体510内への封入前の段階において、芯棒612に電極材(タングステン等)の線材を巻き付けてコイル部614を形成し、形成されたコイル部614を加熱・溶融することにより形成される。これにより、電極610の先端側には、熱容量が大きい本体部616が形成される。電極710も前記電極610と同様に、芯棒712と、コイル部714と、本体部716とを有しており、電極610と同様に形成される。
なお、各電極610、710の構成材料としては、例えば、タングステン等の高融点金属材料等が挙げられる。
放電開始用ガスとしては、例えば、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス等が挙げられる。また、発光に寄与するガスとしては、例えば、水銀、ハロゲン化金属の気化物等が挙げられる。また、その他のガスとしては、例えば、黒化を防止する機能を有するガス等が挙げられる。黒化を防止する機能を有するガスとしては、例えば、ハロゲン(例えば、臭素等)、ハロゲン化合物(例えば、臭化水素等)、またはこれらの気化物等が挙げられる。
放電灯500の一方の電極端子730は、上述するように、放電灯本体510に対して主反射鏡112と反対の側において、電極710と接続部材720を介して電気的に接続されて導出されている。同様に、放電灯500の他方の電極端子630は、放電灯本体510に対して主反射鏡112の側において、電極610と接続部材620を介して電気的に接続されて主反射鏡112の背面側に導出されている。そして、放電灯500の電極端子630、730は、それぞれ放電灯駆動装置200の出力端子に接続されており、放電灯駆動装置200は、放電灯500に高周波数の交流電流(交流電力)を含む駆動電流(駆動電力)を供給する。すなわち、放電灯駆動装置200は、電極端子630、730を介して電極610、710に上記の駆動電流を供給することにより放電灯500に電力を供給する。電極610、710に上記の駆動電流が供給されると、放電空間512内の1対の電極610、710の先端部の間でアーク放電(アークAR)が生じる。アーク放電により発生した光(放電光)は、そのアークARの発生位置(放電位置)から全方向に向かって放射される。副反射鏡520は、上述したように、放電灯本体510に対して、主反射鏡112が配置される側と反対側の曲面を覆うように配置されているので、一方の電極710の方向に放射される光を、主反射鏡112に向かって反射する。このように、電極710の方向に放射される光を主反射鏡112に向かって反射することにより、電極710の方向に放射される光を有効に利用することができる。なお、本実施形態において、放電灯500は副反射鏡520を備えているが、放電灯500は副反射鏡520を備えていない構成であってもよい。
図3に示すように、放電灯駆動装置200は、直流電流を発生する直流電流発生器31と、直流電流発生器31から出力された直流電流の正負の極性を切り替える極性切替器32と、制御部(制御手段)33とを備えており、極性切替器32により直流電流の極性を切り替えて所定の周波数の交流電流(直流交番電流)を生成し、その交流電流を駆動電流として放電灯500の1対の電極610、710に供給する装置である。なお、直流電流発生器31、極性切替器32および制御部33により、第1の交流電流供給部および第2の交流電流供給部が構成される。
これにより、前述したように、1対の電極610、710の先端部の間でアーク放電が生じ、放電灯500が点灯する。また、放電灯500の点灯中は、前記冷却装置が作動し、発光容器511が冷却される。
但し、第2の交流電流供給区間42では、放電灯500が黒化する。
但し、第1の交流電流供給区間41では、第2の交流電流供給区間42において電極610、710の先端部に形成された突起618、718が小さくなり、これにより電極間距離が広がってゆく。
ここで、放電灯500の定格電力は、用途等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、10W以上5kW以下であることが好ましく、100W以上500W以下であることがより好ましい。
また、第1の交流電流の周波数が10GHzよりも大きいものは、コストが高くなる。
また、第1の交流電流の周波数が100kHzよりも大きく、3MHzよりも小さいと、他の条件によっては、音響共鳴効果により放電が不安定となる。
第2の交流電流の周波数が1kHzを超えると、突起618、718が形成されない。また、第2の交流電流の周波数が10Hzよりも小さいと、他の条件によっては、突起618、718が溶解して潰れてしまい、また、黒化がより生じ易くなる。
なお、第1の交流電流および第2の交流電流の波形は、それぞれ、矩形状に限定されず、例えば、波状等であってもよい。
また、第1の交流電流の周期をa1、区間43の期間をb1したとき、その周期a1と期間b1の比b1/a1(デューティー比)は、10%以上90%以下であることが好ましく、20%以上80%以下であることがより好ましく、50%であることがさらに好ましい。
また、第1の交流電流供給区間41における光量と、第2の交流電流供給区間42における光量とを同じにする場合は、第1の交流電流供給区間41での第1の交流電流の大きさの平均値と、第2の交流電流供給区間42での第2の交流電流の大きさの平均値とは、同じ値に設定される。
また、放電灯500の点灯中、検出器35により、1対の電極610、710の電極間電圧を検出し、その検出された電極間電圧は、制御部33に送出される。また、放電灯500の点灯中、制御部33は、時間計測器36により、第1の交流電流供給区間41の期間および第2の交流電流供給区間42の期間をそれぞれ計測する。
すなわち、制御部33は、第1の交流電流供給区間41において、時間計測器36により第1の交流電流供給区間41の期間を計測し、その第1の交流電流供給区間41の期間が期間Aになると、第1の交流電流供給区間41から第2の交流電流供給区間42に変更する。また、制御部33は、第2の交流電流供給区間42において、時間計測器36により第2の交流電流供給区間42の期間を計測するとともに、検出器35により電極間電圧を検出し、その第2の交流電流供給区間42の期間が期間Bになるか、またはその電極間電圧の絶対値が閾値になると、第2の交流電流供給区間42から第1の交流電流供給区間41に変更する。これにより、電極間距離を所定の許容範囲内に制限することができる。
そして、時間の経過とともに、第1の交流電流供給区間41では、放電灯500の黒化の回復がし易くなり、突起618、718が減少し難くなる。また、第2の交流電流供給区間42では、放電灯500が黒化し難くなり、突起618、718は成長し難くなる。
また、電極間電圧の絶対値α1の単位時間当たりの増加量が電極間電圧の絶対値α2の単位時間当たりの増加量よりも小さいので、早期に電極間電圧が高くなりすぎて照度が低下してしまうことを防止することができ、光源装置1の寿命を長くすることができる。
また、期間AおよびBは、それぞれ、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、期間Aは、1分以上60分以下であることが好ましく、5分以上30分以下であることがより好ましい。これにより、より確実に、第1の交流電流供給区間41で、放電灯500のその黒化を回復させることができる。
また、期間Aと期間Bの比A/Bは、0.5以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。これにより、放電灯500の黒化の抑制と、電極間距離を許容範囲内の距離にすることの両立を図ることができる。
また、電極間電圧の絶対値の閾値は、電極間電圧の絶対値の許容範囲の下限値であり、本実施形態では、放電灯500の点灯後、1対の電極610、710に供給する電力が定格電力に達するときの電極間電圧の絶対値に設定される。なお、前記閾値として、これ以外の値に設定してもよいことは言うまでもない。
まず、第1の交流電流供給区間41に設定し、第1の交流電流を1対の電極610、710に供給し、放電灯500を点灯する(ステップS101)。従って、突起618、718は、小さくなってゆき、電極間電圧は、漸増する。なお、前述したように、第1の交流電流は、供給する電力が一定になるように漸減させる。
ステップS103において、第1の交流電流供給区間41の期間が期間Aを経過していない場合には、ステップS103に戻り、再度、ステップS103以降を実行する。つまり、計測された第1の交流電流供給区間41の期間が、予め適宜定めた所定の値の期間Aを経過するまで一対の電極への第1の交流電流の供給が継続される。
ステップS106において、第2の交流電流供給区間42の期間が期間Bを経過していない場合は、電極間電圧を検出し(ステップS107)、検出された電極間電圧の絶対値が、閾値未満の値であるか、閾値に到達した値であるかを判断する(ステップS108)。
また、ステップS106において、2の交流電流供給区間42の期間が期間Bを経過した場合には、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
また、ステップS108において、電極間電圧の絶対値が閾値に到達した値になった場合には、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。これにより、電極間電圧の絶対値が許容範囲内に保持され、電極間距離は、許容範囲内に保持される。
以上、本発明の光源装置および放電灯の駆動方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
図7は、本発明のプロジェクターの実施形態を摸式的に示す図である。
図7に示すプロジェクター300は、前述した光源装置1と、インテグレータレンズ302および303を有する照明光学系と、色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ84と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ85と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ86と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面811および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面812が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)81と、投射レンズ(投射光学系)82とを備えている。
液晶ライトバルブ85は、液晶パネル16と、液晶パネル16の入射面側に配置された第1の偏光板(図示せず)と、液晶パネル16の出射面側に配置された第2の偏光板(図示せず)とを有している。液晶ライトバルブ84および86も、液晶ライトバルブ85と同様の構成をなしている。これら液晶ライトバルブ84、85および86の各液晶パネル16は、それぞれ、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
なお、このプロジェクター300では、液晶ライトバルブ84、85、86および駆動回路により、光源装置1から出射した光を画像情報に基づいて変調する変調装置の主要部が構成され、投射レンズ82により、その変調装置により変調された光を投射する投射装置の主要部が構成される。
まず、光源装置1から出射した白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一化される。
インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図7中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図7中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図7中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー308で図7中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図7中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ86に入射する。
この際、液晶ライトバルブ84の液晶パネル16の各画素は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路により、スイッチング制御(オン/オフ)され、また、液晶ライトバルブ85の液晶パネル16の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路により、スイッチング制御され、また、液晶ライトバルブ86の液晶パネル16の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路により、スイッチング制御される。
前記液晶ライトバルブ84により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ84からの赤色光は、入射面813からダイクロイックプリズム81に入射し、ダイクロイックミラー面811で図7中左側に反射し、ダイクロイックミラー面812を透過して、出射面816から出射する。
また、前記液晶ライトバルブ86により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ86からの青色光は、入射面815からダイクロイックプリズム81に入射し、ダイクロイックミラー面812で図7中左側に反射し、ダイクロイックミラー面811を透過して、出射面816から出射する。
以上説明したように、このプロジェクター300によれば、前述した光源装置1を有しているので、消費電力を低減でき、また、安定した良好な画像を表示することができる。
(実施例1)
図1に示され、下記の構成の光源装置を作成した。
そして、放電灯の点灯の際は、第1の交流電流供給区間の期間が期間Aに到達すると、第1の交流電流供給区間から第2の交流電流供給区間に変更し、第2の交流電流供給区間の期間が期間Bに到達するか、または1対の電極の電極間電圧の絶対値が閾値に到達すると、第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に変更する制御を行った。
放電灯本体内の封入物:アルゴン、水銀、臭素メチル
放電灯本体内の点灯時の気圧:200atm
電極の構成材料:タングステン
電極間距離:1.1mm
定格電力:200W
第1の交流電流(高周波電流)の周波数:5kHz
第1の交流電流のデューティー比(b1/a1):50%
第1の交流電流の波形:矩形状
第2の交流電流(低周波電流)の周波数:135Hz
第2の交流電流のデューティー比(b2/a2):50%
第2の交流電流の波形:矩形状
駆動電流:電力が200Wになるように電流を制御
期間A:10分
期間B:10分
閾値:68V
下記の制御に変更した他は、前記実施例1と同様の光源装置を作成した。
放電灯の点灯の際は、1対の電極の電極間電圧の絶対値が許容範囲の上限値に到達すると、第1の交流電流供給区間から第2の交流電流供給区間に変更し、1対の電極の電極間電圧の絶対値が許容範囲の下限値に到達すると、第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に変更する制御を行った。なお、第2の交流電流供給区間において、その期間が第1の交流電流供給区間の期間と同一になったときは、1対の電極の電極間電圧の絶対値が許容範囲の下限値に到達しない場合でも、第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に変更した。
電極間電圧の絶対値の下限値:68V
電極間電圧の絶対値の上限値:73V
実施例1、比較例1の光源装置をそれぞれプロジェクターの光源装置として用い、そのプロジェクターによる連続点灯を行い、スクリーンにおける照度の変化を確認した。
その結果、実施例1では、初期から黒化を発生することがなかったため、失透の発生はなく、また、緩やかに電極が消耗していったため、点灯開始から10000時間後の照度は、初期照度の50%であった。
これに対し、比較例1では、点灯開始から1000時間までは黒化を発生することがなく、実施例1並みの照度で推移したが、その後、電極の消耗によりランプ制御範囲内で駆動することができず、そこから照度の低下が早まり、点灯開始から6000時間で初期照度の50%になった。
Claims (15)
- 1対の電極を有する放電灯と、
前記1対の電極に駆動電流を供給する駆動装置と、
前記1対の電極の電極間電圧を検出する電圧検出手段と、
時間を計測する時間計測手段と、を有し、
前記駆動装置は、周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記駆動装置は、
前記時間計測手段により計測された前記第1の交流電流供給区間の期間が所定の期間Aに到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が閾値に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記閾値に到達せずに前記時間計測手段により計測された前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Bに到達した場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする光源装置。 - 前記閾値は、前記放電灯の点灯後、前記1対の電極に供給する電力が定格電力に達するときの前記1対の電極の電極間電圧の絶対値である請求項1に記載の光源装置。
- 前記期間Bに対する前記期間Aの比A/Bは、0.5以上10以下である請求項1または2に記載の光源装置。
- 前記期間Aは、前記期間Bよりも長い請求項1ないし3のいずれかに記載の光源装置。
- 前記期間Aは、1分以上60分以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の光源装置。
- 前記期間Bは、1分以上60分以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の光源装置。
- 前記駆動装置は、前記第1の交流電流供給区間においては、前記第1の交流電流の振幅を経時的に減少させる請求項1ないし6のいずれかに記載の光源装置。
- 前記駆動装置は、前記第2の交流電流供給区間においては、前記第2の交流電流の振幅を経時的に増大させる請求項1ないし7のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第1の交流電流の波形は、矩形状をなしている請求項1ないし8のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第2の交流電流の波形は、矩形状をなしている請求項1ないし9のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第1の交流電流を供給することにより、前記放電灯の黒化を抑制する請求項1ないし10のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第2の交流電流を供給することにより、前記1対の電極の電極間距離を減少させる請求項1ないし11のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第1の交流電流供給区間での前記第1の交流電流の振幅の平均値と、前記第2の交流電流供給区間での前記第2の交流電流の振幅の平均値とは、同じである請求項1ないし12のいずれかに記載の光源装置。
- 1対の電極を有する放電灯の駆動方法であって、
周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記第1の交流電流供給区間の期間が所定の期間Aに到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が閾値に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記閾値に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Bに到達した場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする放電灯の駆動方法。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射した光を画像情報に基づいて変調する変調装置と、
前記変調装置により変調された光を投射する投射装置と、を有することを特徴とするプロジェクター。
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