JP6003075B2 - 光源装置、放電灯の駆動方法およびプロジェクター - Google Patents
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Description
このような放電灯は、例えば、高周波数の交流電流を駆動電流として供給する駆動方法により駆動される(例えば、特許文献1参照)。この駆動方法によれば、放電の安定性が得られ、放電灯本体の黒化や失透等を防止することができ、放電灯の寿命の低下を抑制することができる。
例えば、プロジェクターの用途では、光の利用効率を向上させるために、電極間が狭い状態を維持し、発光の大きさを小さくすることが好ましい。点灯中に電極間が広がることは、光の利用効率を低下させることになり、好ましくない。
しかしながら、この駆動方法では、放電灯本体の黒化や失透等が生じ、放電灯の寿命が低下するという問題がある。
しかしながら、特許文献3に記載の点灯装置では、定常点灯周波数の交流電流、低周波数の交流電流のいずれも周波数が小さすぎて、放電灯本体の黒化や失透等が生じ、放電灯の寿命が低下するという問題がある。また、放電灯が点灯している際、1対の電極の先端部に突起が形成されるが、長時間、例えば、数百もしくは数千時間、点灯しているうちに、電極が少しずつ消耗しゆき、所定の大きさまで突起を大きくすることができなくなってしまう。
本発明の光源装置は、1対の電極を有する放電灯と、
前記1対の電極に駆動電流を供給する駆動装置と、
前記1対の電極の電極間電圧を検出する電圧検出手段と、
時間を計測する時間計測手段と、を有し、
前記駆動装置は、周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記駆動装置は、
前記電圧検出手段によって検出された前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記電圧検出手段によって検出された前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記時間計測手段によって計測された前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Tになった場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする。
一方、第2の交流電流供給区間では、1対の電極の先端部に突起が形成され、その突起が大きくなり、これにより、第1の交流電流供給区間において広がった1対の電極の電極間距離を狭くすることができる。
このような第1の交流電流供給区間と第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返すことにより、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持し、放電灯を駆動することができる。
本発明の光源装置では、前記駆動装置は、前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が前記期間Tになったときの前記1対の電極の電極間電圧の絶対値をV3とした場合、前記上限値V1を、前記初期値よりも下記(1)式で示される増加量ΔVだけ大きい値に変更することが好ましい。
ΔV=a・(V3−V2) ・・・(1)
但し、0.1≦a≦1
本発明の光源装置では、前記駆動装置は、前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達して前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更する場合、且つ前記上限値V1が前記初期値から変更されている場合、前記上限値V1を前記初期値に戻すことが好ましい。
これにより、光量の変動を抑制することができる。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができる。
本発明の光源装置では、前記上限値V1と前記下限値V2との差は、15V以下であることが好ましい。
これにより、光量の変動を抑制することができる。
これにより、光量の変動を抑制することができる。
本発明の光源装置では、前記駆動装置は、前記第2の交流電流供給区間においては、前記第2の交流電流の振幅を経時的に増大させることが好ましい。
これにより、光量の変動を抑制することができる。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制することができる。
本発明の光源装置では、前記第2の交流電流の波形は、矩形状をなしていることが好ましい。
これにより、より確実に、放電灯の黒化を抑制することができる。
これにより、放電灯の黒化を抑制することができる。
本発明の光源装置では、前記第2の交流電流を供給することにより、前記1対の電極の電極間距離を減少させることが好ましい。
これにより、第1の交流電流供給区間において広がった1対の電極の電極間距離を狭くすることができ、その電極間距離を一定の距離に保持することができる。
これにより、第1の交流電流供給区間における光量と、第2の交流電流供給区間における光量とを同じにすることができる。
周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Tになった場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする。
本発明の放電灯の駆動方法は、放電媒質が封入された空洞部を含む発光容器、端部が前記空洞部内で対向して配置される1対の電極、を有する放電灯の駆動方法であって、
周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返してなり、前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達すると、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更され、前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達するか、または前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Tに到達すると、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更され、前記第2の交流電流供給区間の期間が前記期間Tに到達して前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更する場合は、前記第2の交流電流供給区間の期間が前記期間Tに到達したときの前記1対の電極の電極間電圧の絶対値をV3としたとき、前記上限値V1が該上限値V1の初期値よりも下記(1)式で示される増加量ΔVだけ大きい値に変更されるよう構成された駆動電流を生成し、
前記駆動電流を前記1対の電極に供給することを特徴とする。
ΔV=a・(V3−V2) ・・・(1)
但し、0.1≦a≦1
そして、1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達せずに第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に変更する場合は、上限値V1がその初期値よりも増加量ΔVだけ大きい値に変更されるので、早期に上限値V1と第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に切り換るときの1対の電極の電極間電圧の絶対値V3とが一致または接近しすぎて放電灯が駆動不能となってしまうことを防止することができ、光源装置の寿命を長くすることができる。
前記光源装置から出射した光を画像情報に基づいて変調する変調装置と、
前記変調装置により変調された光を投射する投射装置と、を備えたことを特徴とする。
これにより、放電灯の黒化を抑制し、1対の電極の電極間距離を許容範囲内の距離に保持し、放電灯を駆動することができ、これによって、消費電力を低減でき、また、安定した良好な画像を表示することができる。
そして、1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達せずに第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に変更する場合は、上限値V1をその初期値よりも増加量ΔVだけ大きい値に変更するので、早期に上限値V1と第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間に切り換るときの1対の電極の電極間電圧の絶対値V3とが一致または接近しすぎて放電灯が駆動不能となってしまうことを防止することができ、光源装置の寿命を長くすることができる。
<光源装置>
図1は、本発明の光源装置の実施形態を示す断面図(ブロック図も含まれる)、図2は、図1に示す光源装置の放電灯を示す断面図、図3は、図1に示す光源装置を示すブロック図、図4は、図1に示す光源装置の駆動電流を示す図、図5は、図1に示す光源装置の電極間電圧の絶対値を示す図、図6は、図1に示す光源装置の制御動作を示すフローチャートである。なお、図2では、副反射鏡の図示は省略されている。
なお、主反射鏡112の反射面の形状は、前記の形状には限定されず、その他、例えば、回転放物面等が挙げられる。また、主反射鏡112の反射面が回転放物面である場合は、放電灯500の発光部を回転放物面のいわゆる焦点に配置すれば、平行化レンズ114を省略することができる。
この放電灯本体510には、1対の電極610、710と、1対の導電性を有する接続部材620、720と、1対の電極端子630、730とが設けられている。電極610と電極端子630とは、接続部材620により電気的に接続されている。同様に、電極710と電極端子730とは、接続部材720により電気的に接続されている。
電極610と電極710との間の最短距離である電極間距離は、1μm以上5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。
なお、各電極610、710の構成材料としては、例えば、タングステン等の高融点金属材料等が挙げられる。
また、放電空間512には、放電媒体が封入されている。放電媒体は、例えば、放電開始用ガス、発光に寄与するガス等を含んでいる。また、放電媒体には、その他のガスが含まれていてもよい。
また、放電灯点灯時の放電灯本体510内の気圧は、0.1atm以上300atm以下であることが好ましく、50atm以上300atm以下であることがより好ましい。
図3に示すように、放電灯駆動装置200は、直流電流を発生する直流電流発生器31と、直流電流発生器31から出力された直流電流の正負の極性を切り替える極性切替器32と、制御部(制御手段)33とを備えており、極性切替器32により直流電流の極性を切り替えて所定の周波数の交流電流(直流交番電流)を生成し、その交流電流を駆動電流として放電灯500の1対の電極610、710に供給する装置である。なお、直流電流発生器31、極性切替器32および制御部33により、第1の交流電流供給部および第2の交流電流供給部が構成される。
これにより、前述したように、1対の電極610、710の先端部の間でアーク放電が生じ、放電灯500が点灯する。また、放電灯500の点灯中は、前記冷却装置が作動し、発光容器511が冷却される。
但し、第2の交流電流供給区間42では、放電灯500が黒化する。
但し、第1の交流電流供給区間41では、第2の交流電流供給区間42において電極610、710の先端部に形成された突起618、718が小さくなり、これにより電極間距離が広がってゆく。
ここで、放電灯500の定格電力は、用途等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、10W以上5kW以下であることが好ましく、100W以上500W以下であることがより好ましい。
また、第1の交流電流の周波数が10GHzよりも大きいものは、コストが高くなる。
また、第1の交流電流の周波数が100kHzよりも大きく、3MHzよりも小さいと、他の条件によっては、音響共鳴効果により放電が不安定となる。
第2の交流電流の周波数が1kHzを超えると、突起618、718が形成されない。また、第2の交流電流の周波数が10Hzよりも小さいと、他の条件によっては、突起618、718が溶解して潰れてしまい、また、黒化がより生じ易くなる。
また、第1の交流電流および第1の交流電流の波形は、それぞれ、矩形状(矩形波)をなしている。これにより、より確実に、放電灯500の黒化を抑制することができる。
なお、第1の交流電流および第1の交流電流の波形は、それぞれ、矩形状に限定されず、例えば、波状等であってもよい。
また、第2の交流電流の周期をa2、電流の極性が正の区間44の期間をb2したとき、その周期a2と期間b2の比b2/a2(デューティー比)は、10%以上90%以下であることが好ましく、20%以上80%以下であることがより好ましく、50%であることがさらに好ましい。これにより、電極610、710に、互いに対称に突起618、718を形成することができる。
また、第1の交流電流供給区間41における光量と、第2の交流電流供給区間42における光量とを同じにする場合は、第1の交流電流供給区間41での第1の交流電流の大きさの平均値(振幅の平均値)と、第2の交流電流供給区間42での第2の交流電流の大きさの平均値とは、同じ値に設定される。
そして、図5に示すように、制御部33は、検出された電極間電圧と、計測された第2の交流電流供給区間42の期間とに応じて、第1の交流電流供給区間41と、第2の交流電流供給区間42とを切り替える。
但し、上記(1)式において、0.1≦a≦1である。
これにより、早期に上限値V1と第2の交流電流供給区間42から第1の交流電流供給区間41に切り換るときの電極間電圧の絶対値V3とが一致または接近しすぎて放電灯500が駆動不能となってしまうことを防止することができ、光源装置1の寿命を長くすることができる。
これにより、上限値V1の単位時間当たりの増加量が、第2の交流電流供給区間42から第1の交流電流供給区間41に切り換るときの電極間電圧の絶対値V3の単位時間当たりの増加量よりも小さくなるので、早期に電極間電圧が高くなりすぎて照度が低下してしまうことを防止することができ、光源装置1の寿命を長くすることができる。
また、上限値V1の初期値および下限値V2は、それぞれ、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定される。本実施形態では、下限値V2は、放電灯500の点灯後、1対の電極610、710に供給する電力が定格電力に達するときの電極間電圧の絶対値に設定される。なお、前記下限値V2として、これ以外の値に設定してもよいことは言うまでもない。
また、期間Tは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1分以上60分以下であることが好ましく、5分以上30分以下であることがより好ましい。これにより、より確実に、突起618、718を成長させることができ、電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができる。
なお、第2の交流電流供給区間42の期間が第1の交流電流供給区間41の期間よりも長くてもよく、また、第1の交流電流供給区間41の期間と第2の交流電流供給区間42の期間とが同じであってもよい。
また、期間Bは、1分以上60分以下であることが好ましく、1分以上10分以下であることがより好ましい。これにより、より確実に、電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができる。
まず、駆動電流を第1の交流電流供給区間41に設定し、第1の交流電流を1対の電極610、710に供給し、放電灯500を点灯する(ステップS101)。従って、突起618、718は、小さくなってゆき、電極間電圧は、漸増する。なお、前述したように、第1の交流電流は、供給する電力が一定になるように漸減させる。
ステップS103において、電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達していない場合には、ステップS102に戻り、再度、ステップS102以降を実行する。
また、ステップS103において、電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達した場合は、駆動電流を第2の交流電流供給区間42に設定し、第2の交流電流を1対の電極610、710に供給する(ステップS104)。従って、突起618、718は、大きくなってゆき、電極間電圧は、漸減する。なお、前述したように、第2の交流電流は、供給する電力が一定になるように漸増させる。
ステップS107において、電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達していない場合には、第2の交流電流供給区間42の期間が期間Tに到達したか否かを判断する(ステップS108)。
また、ステップS106において、第2の交流電流供給区間42の期間が期間Tに到達した場合は、電極間電圧を検出し(ステップS109)、その電極間電圧の絶対値V3と、下限値V2とを前記(1)式に代入し、増加量ΔVを求め、上限値V1の初期値にその増加量ΔVを加算し、上限値V1の初期値よりも増加量ΔVだけ大きい新たな上限値V1を求める(ステップS110)。
次いで、上限値V1を前記新たな上限値V1に変更し(ステップS111)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
ステップS112において、上限値V1が初期値である場合は、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
また、ステップS112において、上限値V1が初期値でない場合は、上限値V1を初期値に戻し、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。これにより、電極間電圧の絶対値が許容範囲内に保持され、電極間距離は、許容範囲内に保持される。
以上説明したように、この光源装置1によれば、放電灯500の黒化を抑制し、長寿命化を図ることができる。また、電極610、710に突起618、718が形成され、電極間距離を許容範囲内の距離に保持することができ、放電灯500を効率良く駆動することができる。
図7は、本発明のプロジェクターの実施形態を摸式的に示す図である。
図7に示すプロジェクター300は、前述した光源装置1と、インテグレータレンズ302および303を有する照明光学系と、色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ84と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ85と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ86と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面811および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面812が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)81と、投射レンズ(投射光学系)82とを備えている。
液晶ライトバルブ85は、液晶パネル16と、液晶パネル16の入射面側に配置された第1の偏光板(図示せず)と、液晶パネル16の出射面側に配置された第2の偏光板(図示せず)とを有している。液晶ライトバルブ84および86も、液晶ライトバルブ85と同様の構成をなしている。これら液晶ライトバルブ84、85および86の各液晶パネル16は、それぞれ、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
なお、このプロジェクター300では、液晶ライトバルブ84、85、86および駆動回路により、光源装置1から出射した光を画像情報に基づいて変調する変調装置の主要部が構成され、投射レンズ82により、その変調装置により変調された光を投射する投射装置の主要部が構成される。
まず、光源装置1から出射した白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一化される。
インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図7中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図7中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図7中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー308で図7中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図7中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ86に入射する。
この際、液晶ライトバルブ84の液晶パネル16の各画素は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路により、スイッチング制御(オン/オフ)され、また、液晶ライトバルブ85の液晶パネル16の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路により、スイッチング制御され、また、液晶ライトバルブ86の液晶パネル16の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路により、スイッチング制御される。
これにより、赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ84、85および86によって色毎に変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
また、前記液晶ライトバルブ85により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ85からの緑色光は、入射面814からダイクロイックプリズム81に入射し、ダイクロイックミラー面811および812をそれぞれ透過して、出射面816から出射する。
このように、前記液晶ライトバルブ84、85および86からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ84、85および86により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム81により合成され、これによりカラー画像が形成される。この画像は、投射レンズ82により、所定の位置に設置されているスクリーン320上に投影(拡大投射)される。
以上説明したように、このプロジェクター300によれば、前述した光源装置1を有しているので、消費電力を低減でき、また、安定した良好な画像を表示することができる。
(実施例1)
図1に示され、下記の構成の光源装置を作成した。
そして、放電灯の点灯の際は、第1の交流電流供給区間において電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達すると、第1の交流電流供給区間から第2の交流電流供給区間に変更し、第2の交流電流供給区間において、電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達するか、または第2の交流電流供給区間の期間が期間Tに到達すると、第2の交流電流供給区間から第1の交流電流供給区間41に変更する制御を行った。これを制御1とする。
また、電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達して第2の交流電流供給区間42から第1の交流電流供給区間41に変更する場合は、上限値V1が初期値から変更されている場合、その上限値V1を初期値に戻す制御を行った。これを制御3とする。
放電灯本体内の封入物:アルゴン、水銀、臭素メチル
放電灯本体内の点灯時の気圧:200atm
電極の構成材料:タングステン
電極間距離:1.1mm
定格電力:200W
第1の交流電流(高周波電流)の周波数:5kHz
第1の交流電流のデューティー比(b1/a1):50%
第1の交流電流の波形:矩形状
第2の交流電流(低周波電流)の周波数:135Hz
第2の交流電流のデューティー比(b2/a2):50%
第2の交流電流の波形:矩形状
駆動電流:電力が200Wになるように電流を制御
電極間電圧の絶対値の上限値V1の初期値:73V
電極間電圧の絶対値の下限値V2:68V
期間T:30分
(1)式における係数a:0.8
前記実施例1における制御1〜3のうち、制御1を行い、制御2および3を行わない他は、前記実施例1と同様の光源装置を作成した。
[評価]
実施例1、比較例1の光源装置をそれぞれプロジェクターの光源装置として用い、そのプロジェクターによる連続点灯を行い、スクリーンにおける照度の変化を確認した。
その結果、実施例1では、初期から黒化を発生することがなかったため、失透の発生はなく、また、緩やかに電極が消耗していったため、点灯開始から10000時間後の照度は、初期照度の50%であった。
これに対し、比較例1では、点灯開始から1000時間までは黒化を発生することがなく、実施例1並みの照度で推移したが、その後、電極の消耗によりランプ制御範囲内で駆動することができず、そこから照度の低下が早まり、点灯開始から6000時間で初期照度の50%になった。
Claims (15)
- 1対の電極を有する放電灯と、
前記1対の電極に駆動電流を供給する駆動装置と、
前記1対の電極の電極間電圧を検出する電圧検出手段と、
時間を計測する時間計測手段と、を有し、
前記駆動装置は、周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記駆動装置は、
前記電圧検出手段によって検出された前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記電圧検出手段によって検出された前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記時間計測手段によって計測された前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Tになった場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする光源装置。 - 前記駆動装置は、前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が前記期間Tになって前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更する場合、前記上限値V1を初期値よりも大きい値に変更する請求項1に記載の光源装置。
- 前記駆動装置は、前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が前記期間Tになったときの前記1対の電極の電極間電圧の絶対値をV3とした場合、前記上限値V1を、前記初期値よりも下記(1)式で示される増加量ΔVだけ大きい値に変更する請求項2に記載の光源装置。
ΔV=a・(V3−V2) ・・・(1)
但し、0.1≦a≦1 - 前記駆動装置は、前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達して前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更する場合、且つ前記上限値V1が前記初期値から変更されている場合、前記上限値V1を前記初期値に戻す請求項2または3に記載の光源装置。
- 前記下限値V2は、前記放電灯の点灯後、前記1対の電極に供給する電力が定格電力に達するときの前記1対の電極の電極間電圧の絶対値である請求項1ないし4のいずれかに記載の光源装置。
- 前記上限値V1と前記下限値V2との差は、15V以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の光源装置。
- 前記駆動装置は、前記第1の交流電流供給区間においては、前記第1の交流電流の振幅を経時的に減少させる請求項1ないし6のいずれかに記載の光源装置。
- 前記駆動装置は、前記第2の交流電流供給区間においては、前記第2の交流電流の振幅を経時的に増大させる請求項1ないし7のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第1の交流電流の波形は、矩形状をなしている請求項1ないし8のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第2の交流電流の波形は、矩形状をなしている請求項1ないし9のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第1の交流電流を供給することにより、前記放電灯の黒化を抑制する請求項1ないし10のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第2の交流電流を供給することにより、前記1対の電極の電極間距離を減少させる請求項1ないし11のいずれかに記載の光源装置。
- 前記第1の交流電流供給区間での前記第1の交流電流の振幅の平均値と、前記第2の交流電流供給区間での前記第2の交流電流の振幅の平均値とは、同じである請求項1ないし12のいずれかに記載の光源装置。
- 1対の電極を有する放電灯の駆動方法であって、
周波数が1kHzよりも大きい第1の交流電流を前記1対の電極に供給する第1の交流電流供給区間と、周波数が1kHz以下の第2の交流電流を前記1対の電極に供給する第2の交流電流供給区間とを交互に繰り返し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が上限値V1に到達した場合、前記第1の交流電流供給区間から前記第2の交流電流供給区間に変更し、
前記1対の電極の電極間電圧の絶対値が下限値V2に到達した場合、または前記電極間電圧の絶対値が前記下限値V2に到達せずに前記第2の交流電流供給区間の期間が所定の期間Tになった場合、前記第2の交流電流供給区間から前記第1の交流電流供給区間に変更することを特徴とする放電灯の駆動方法。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の光源装置と、
前記光源装置から出射した光を画像情報に基づいて変調する変調装置と、
前記変調装置により変調された光を投射する投射装置と、を備えたことを特徴とするプロジェクター。
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