JP6136246B2 - プロジェクター、および、プロジェクターの制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、放電管を備えたプロジェクターにおいて効果的に省電力化を達成することを目的とする。
本発明によれば、放電管に供給する電力を省電力レベルにすることで省電力化を図ることが可能となる。また、放電管の供給電力を省電力レベルから通常時の所定電力レベルにする場合に電力レベルの変化を抑制し、急峻な電力レベルの変化を防止する。これにより、放電管の寿命への影響が懸念される電力レベルまで供給電力を低下させても、通常時の電力レベルに復帰する場合の放電管のダメージを防止できる。従って、放電管の供給電力を従来よりも大幅に低下させることが可能となり、効果的にプロジェクターの省電力化を達成できる。
この場合、通常時の供給電力レベルである所定電力レベルと省電力レベルとの間に中間電力レベルを設定し、供給電力を中間電力レベルから所定電力レベルに変化させる間に、電力レベルの変化を抑制する。つまり、供給電力を省電力レベルから中間電力レベルに変化させる間は電力レベルの変化を抑制しない制御が可能である。このため、放電管の寿命に影響を与えないように電力レベルの変化を抑制する制御と、放電管の寿命に影響しない範囲で速やかに電力レベルを変化させる制御とを両立できる。従って、効果的な省電力化を達成するとともに、放電管へのダメージを防止し、かつ、省電力モードから通常モードに移行するために要する時間を短縮できる。
この場合、放電管の供給電力を、中間電力レベルから所定電力レベルに上昇させる速度を、省電力レベルから中間電力レベルに上昇させる速度よりも低速にする。このため、省電力レベルを放電管の定格電力より大幅に低くした場合であっても、放電管のダメージを防止できる。従って、省電力レベルをより低くして、効果的な省電力化を達成できる。
この場合、放電管に供給する電力を省電力レベルにする際に、電力レベルの変化を抑制し、急峻な電力レベルの変化を防止する。これにより、放電管の寿命への影響が懸念される電力レベルまで供給電力を低下させても、電力レベルを低下させる過程での放電管のダメージを防止できる。従って、放電管の供給電力を従来よりも大幅に低下させることが可能となり、効果的にプロジェクターの省電力化を達成できる。
この場合、通常時の供給電力レベルである所定電力レベルと省電力レベルとの間に、低輝度レベルを設定し、供給電力を低輝度レベルから省電力レベルに低下させる間に、電力レベルの変化を抑制する。言い換えれば、供給電力を所定電力レベルから低輝度レベルに変化させる間は電力レベルの変化を抑制しない。このため、放電管の寿命に影響を与えないように電力レベルの変化を抑制する制御と、放電管の寿命に影響しない範囲で速やかに電力レベルを変化させる制御とを両立できる。従って、効果的な省電力化を達成するとともに、電力レベルを低下させる過程での放電管へのダメージを防止し、かつ、省電力モードに移行するために要する時間を短縮できる。
この場合、放電管を消灯させる過程を含むような制御が行われる場合に、放電管の供給電力を省電力レベルとする。例えば、省電力レベルを放電管の定格電力より大幅に低くした場合であっても、その後に放電管を消灯させる場合には放電管のダメージの心配がない。従って、省電力レベルを定格電力レベルより大幅に低くしても放電管へのダメージを回避できるので、より効果的な省電力化を達成できる。
この場合、ミュート動作、スリープ動作、またはカバー対応動作を行う場合に放電管を消灯させる前に、放電管の供給電力を低くして、効果的に省電力化を達成できる。また、ミュート動作、スリープ動作、またはカバー対応動作から通常の動作状態に復帰する場合には、電力レベルの変化が抑制されるため、省電力レベルを低く設定した場合であっても放電管の寿命への影響を防止できる。
この場合、スリープ動作が開始されてから短時間で操作が行われ、スリープ動作から通常の動作状態に復帰する場合の待ち時間を短縮できる。
この場合、ミュート動作、スリープ動作、またはカバー対応動作が実行される際に放電管への供給電力を低下させるか否かを設定できる。このため、省電力モードから通常モードに復帰する場合の待ち時間とユーザーの使用傾向とを考慮した最適な動作を行わせることができる。これにより、利便性を損なうことなく、より効果的にプロジェクターの省電力化を達成できる。
本発明によれば、放電管に供給する電力を省電力レベルにすることで省電力化を図ることが可能となる。また、放電管の供給電力を省電力レベルから通常時の所定電力レベルにする場合に電力レベルの変化を抑制し、急峻な電力レベルの変化を防止する。これにより、放電管の寿命への影響が懸念される電力レベルまで供給電力を低下させても、通常時の電力レベルに復帰する場合の放電管のダメージを防止できる。従って、放電管の供給電力を従来よりも大幅に低下させることが可能となり、効果的にプロジェクターの省電力化を達成できる。
図1は、実施形態に係るプロジェクター1の全体構成を示すブロック図である。プロジェクター1は、パーソナルコンピューターや各種映像プレーヤー等の外部の画像供給装置(図示略)に接続され、この画像供給装置から入力される入力画像データS1をスクリーンSC等の投射面に投射する装置である。上記の画像供給装置としては、ビデオ再生装置、DVD再生装置、テレビチューナー装置、CATVのセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の映像出力装置、パーソナルコンピューター等が挙げられる。本実施形態では、画像供給装置から画像処理部15に、動画像のデジタル画像データが入力画像データS1として入力される場合を例に挙げて説明する。このデジタル画像データには、画像データ自体とともに、当該デジタル画像データのフォーマット(立体映像のフォーマットや、フレームレート等を含む)に関する情報が含まれる。
プロジェクター1は、静止画像および動画像(映像)のいずれであっても表示可能である。以下の説明では、画像供給装置から入力される動画像を表示出力する場合を例に挙げて説明するが、以下の説明において入力画像データS1を表示する処理は、静止画像を表示する場合にもそのまま適用可能である。
光変調装置42は、光源部41から射出された光を画像データに基づいて変調する変調手段に相当する。光変調装置42は、例えば、RGBの各色に対応した3枚の透過型または反射型の液晶ライトバルブを用いた方式、3枚のデジタルミラーデバイスを用いた方式等により構成される。また、光変調装置42は、光源が発した白色光に含まれる光のうちRGBの光を透過するカラーホイールと、1枚のデジタルミラーデバイス(DMD)とを組み合わせたDMD方式を採用してもよい。
本実施形態では、光変調装置42を、液晶ライトバルブを用いた構成とする。この光変調装置42は、複数の画素をマトリクス状に配置した透過型液晶パネルを備え、これら複数の画素により画像を形成し、放電管45が発した光を変調する。光変調装置42は、後述する光変調装置駆動部17によって駆動され、マトリクス状に配置された各画素における光の透過率を変化させることにより、画像を形成する。
投射部40には、制御部10の制御に従って投射光学系43が備える各モーターを駆動する投射光学系駆動部18、及び、制御部10の制御に従って光源部41が備える光源を駆動する光源駆動部19(放電管駆動手段)が接続されている。
また、カバー検出部31は、レンズカバー30が閉位置Cにあるか否かを示す検出値を出力可能なものであってもよい。この場合、制御部10は、カバー検出部31の検出値を取得して、レンズカバー30が閉位置Cにあるか否かを判定し、レンズカバー30の位置を特定してもよい。つまり、制御部10は、レンズカバー30が閉位置Cにあればレンズカバー30が閉じられていると判定し、レンズカバー30が閉位置Cになければ(閉位置C以外の位置にある場合は)、開位置Oにあると判定する。
さらに、カバー検出部31が、レンズカバー30が開位置Oにあるか閉位置Cにあるかを示す検出値を出力してもよい。この場合、制御部10は、カバー検出部31の検出値に基づき、レンズカバー30が開位置Oにあるか閉位置Cにあるかを判定する。
記憶部11は、制御部10が処理するデータや制御部10が実行するプログラム等を記憶する。
入力処理部13は、操作パネル51及びリモコン受光部52を介した操作を検出して、検出した操作に対応する操作信号を制御部10に出力する。
画像処理部15は、制御部10の制御に従って入力画像データS1を処理する。画像処理部15は、入力画像データS1に基づいてフレームメモリー16にフレーム毎の画像を描画し、描画した画像を表示するための画像信号を生成して光変調装置駆動部17に出力する。光変調装置駆動部17は、画像処理部15から出力される画像信号に基づいて光変調装置42を駆動して描画を行う。
プロジェクター1は、ユーザーが操作するリモコン5を有する。リモコン5は各種のボタンを備えており、これらのボタンの操作に対応して赤外線信号を送信する。プロジェクター1の本体には、リモコン5が発する赤外線信号を受光するリモコン受光部52が配置されている。リモコン受光部52は、リモコン5から受光した赤外線信号をデコードして、リモコン5における操作内容を示す操作信号を生成し、制御部10に出力する。
制御部10は、プロジェクター1の各部を制御する際に設定データ11Bを参照し、この設定データ11Bの設定内容に従って動作する。
投射制御部101は、画像処理部15、光変調装置駆動部17、投射光学系駆動部18、及び光源駆動部19を制御して、入力画像データS1に基づく画像をスクリーンSCに投射させる。以下の説明において、通常の投射状態とは、放電管45が点灯し、光変調装置42により何らかの画像が形成され、投射光がスクリーンSCに達している状態を指す。また、通常の投射状態では、光源駆動部19が放電管45に対し、放電管45の定格電力を供給する構成としてもよい。
AVミュート動作の実行中、投射制御部101は、リモコン5または操作パネル51の操作によりAVミュートの解除が指示された場合に、通常の投射状態に復帰する。それ以外の操作が行われても、投射制御部101はAVミュート動作を継続する。
投射制御部101は、カバー閉動作の実行中に、レンズカバー30が開位置Oにあると判定した場合に、通常の投射状態に復帰する。投射制御部101は、入力画像データS1が入力されても、リモコン5または操作パネル51の操作が行われても、レンズカバー30が開位置Oにあると判定するまでカバー閉動作を継続する。そして、カバー検出部31の検出値に基づいてレンズカバー30が開位置Oにあると判定した場合に、通常の投射状態に復帰する。このため、投射制御部101は、例えばカバー閉動作中に、カバー検出部31の検出値を取得してレンズカバー30の位置を判定する機能を除き、制御部10の機能を停止させてもよい。さらに、画像処理部15、光変調装置駆動部17、投射光学系駆動部18及び光源駆動部19の機能を停止させてもよい。この場合、レンズカバー30が閉じられている間の消費電力を低減できる。
投射制御部101が実行するスリープモードの動作、AVミュート動作、及びカバー閉動作を、非投射制御と呼ぶ。
放電管45は、定格レベルの電力が供給されると仕様を満足する輝度で発光するが、定格レベルより少し低いレベルの電力を供給して、仕様より低輝度で発光させることも可能である。さらに、放電管45に、定格レベルより大幅に低い電力を供給して、より低輝度で発光させることも可能である。
本発明者らは、上述のように、放電管45の供給電力を定格レベルより大幅に低いレベルにしても、その状態の継続時間が所定時間以内であれば不具合を回避できることに着目した。また、供給電力を定格レベルに上昇させる場合の、電力変化の速度を調整すれば、不具合を回避できることに着目した。
さらに、電力制御部102は、放電管45の不具合を防止するため、省電力モードの継続時間を制限する機能と、省電力モードから供給電力のレベルを上昇させる速度を制限する機能とを備えている。すなわち、電力制御部102は、省電力モードが予め設定された時間以上継続されないように、省電力モードを開始してからの時間を監視し、予め設定されたOFF時間に達した場合にプロジェクター1の電源をオフにする。
また、電力制御部102は、省電力モードから通常モードまたは低輝度モードに移行する場合に、放電管45への供給電力のレベルを変化させる速度を抑制する。この速度は、放電管45への供給電力のレベルを低輝度モードから通常モードに上げる速度よりも低速となる。
続いて、電力制御部102は、放電管45への供給電力のレベルを、時刻t1からt2までの期間T1で、レベルN’からレベルLに変化させる。この期間T1における供給電力のレベルの変化速度は、上述した通常の速度より遅く、予め定められた速度(例えば10W/秒程度)である。図2(A)に示す制御は、例えば、投射制御部101がAVミュート動作やカバー閉動作を実行する際に、電力制御部102により行われる。
そして、図2(B)の時刻t4から後、すなわちレベルN´からレベルLに供給電力を低下させる過程において、電力制御部102は、図2(A)の期間T1と同様に、供給電力のレベルの変化速度を抑える制御を行う。
電力制御部102は、省電力モードの電力レベルLから中間レベルMまで、供給電力のレベルを上昇させる(時刻t5)。中間レベルMは、レベルLと定格レベルNとの間の所定の電力レベルである。放電管45の供給電力がレベルLからレベルMまでの間で急峻に変動しても、放電管45にダメージを生じないことが実験的に明らかになっている。電力制御部102は、通常モードに復帰するまでの時間を短くするため、レベルMまでは急峻に供給電力のレベルを変化させる。レベルLからレベルMまでの供給電力レベルの変化速度は、上述した通常の速度であり、必ずしも瞬時にレベルLからレベルMに達しなくてもよい。なお、レベルMの具体的な値は放電管45の仕様等により決定される。また、レベルMは、放電管45の仕様等から求められる限界の値であってもよいし、所定の安全率でマージンをとった値であってもよい。
これら図2(A)〜(C)に例示したように、投射制御部101が非投射制御を実行する場合、電力制御部102は、放電管45の供給電力を制御して省電力モードに移行し、プロジェクター1の省電力化を図る。
期間T1、T2(スリープ設定時間)およびT3の長さと、OFF設定時間の長さと、期間T1およびT3における供給電力のレベルの変化速度とは、いずれも予め設定され、設定データ11Bとして記憶されている。電力制御部102は、設定データ11Bの設定内容に従って上記の制御を行う。
図3は、省電力モードの要否を設定するための設定画面60の例を示す図である。
この図3に示す設定画面60は、投射制御部101の機能により、OSD画像データ11Aに基づいて画像処理部15を制御して、スクリーンSCに表示される。
設定画面60の設定項目名「AVミュートタイマー」は、AVミュート動作の実行時に、AVミュート動作が所定時間継続した後にプロジェクター1の電源をオフにする機能を設定することを示している。「AVミュートタイマー」の設定値は「オン」と「オフ」である。設定値が「オン」の場合はAVミュートを所定時間継続するとプロジェクター1の電源がオフにされ、かつ、AVミュート動作が実行される際に電力制御部102が省電力モードに移行する。これに対し、設定値が「オフ」の場合は、AVミュート動作を所定時間より長く継続してもプロジェクター1の電源がオフにされない。さらに、設定値が「オフ」の場合は、電力制御部102は省電力モードに移行しない。「AVミュートタイマー」に関する所定時間は、放電管45の供給電力のレベルを省電力レベルにしても放電管45の不具合を招かない時間となっており、具体的には30分である。AVミュート動作中に省電力モードを実行する場合、放電管45の不具合を防止するため、AVミュート動作を30分継続したらプロジェクター1の電源をオフにする必要がある。このようなプロジェクター1の動作、すなわち30分経過したらプロジェクター1の電源をオフにするという動作をユーザーが選択した場合に、電力制御部102が省電力モードを実行可能となる。
さらに、「スリープモード」の設定値が「オン」の場合、スリープモードを一定時間実行した後にプロジェクター1の電源をオフにする機能も有効とされる。
「スリープモード時間」の設定は、「スリープモード」が「オン」に設定された場合に有効となる。「スリープモード時間」の設定値は「10分」、「20分」、「30分」となっていて、スリープモードを30分より長く継続する設定が行えない仕様である。この仕様により、電力制御部102が省電力モードを実行する時間は、最長で30分に制限される。
言い換えれば、スリープモードの継続時間が30分以下となり、その後はプロジェクター1の電源をオフにするように設定された場合に、電力制御部102が省電力モードを実行できるようになっている。
従って、省電力モードにおいて、放電管45の供給電力レベルを定格レベルより低いレベルにしても、省電力モードの継続時間が長いことに起因して放電管45の不具合を招くことがない。また、ユーザーにとっては、省電力モードを選択した場合に必要になるプロジェクター1の動作が、意図に反して実行されてしまうことがなく、ユーザーの利便性を損なうことなく、効果的に省電力化を実現できる。
上記のように、プロジェクター1は、通常の動作状態で、操作パネル51またはリモコン5の操作や入力画像データS1の入力が無い状態が継続すると、スリープモードに移行する。また、プロジェクター1は、通常の動作状態やスリープモードの実行中に、AVミュートの実行が指示されると、この指示に従ってAVミュート動作を開始する。図4には、これらの動作を示している。
投射制御部101は、所定時間毎に、入力の有無を判定する(ステップS12)。入力が無い場合(ステップS12;No)、投射制御部101は、設定データ11Bを参照して、スリープモードがオンに設定されているか否かを判定する(ステップS13)。スリープモードの設定値のオン/オフは、上述したスリープ動作の実行の要否を示す。従って、投射制御部101は、スリープモードがオフに設定されている場合(ステップS13)、ステップS12に戻る。
また、入力が無い場合(ステップS16;No)、投射制御部101は、ステップS15でカウントを開始したスリープモードの実行時間のカウント値を参照する。そして、投射制御部101はスリープモードの実行時間が予め設定された時間に達したか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定における「予め設定された時間」は、図2(B)に示した待機期間T2に相当する。
一方、スリープモードの実行時間が設定された時間に達した場合(ステップS18;Yes)、電力制御部102が光源駆動部19を制御して、放電管45への供給電力を通常モードから省電力モードに移行する(ステップS19)。このステップS19で、電力制御部102は、図2(B)の期間T2に示したように、光源駆動部19が供給する電力を変化させる。また、ステップS19では、投射制御部101がタイマー104によりカウントしているカウント値をリセットし、省電力モードの継続時間のカウントを開始させる。
このステップS21で、電力制御部102は、放電管45への供給電力を省電力モードから通常モードに復帰させる。電力制御部102は、図2(C)に示したように、まず省電力モードの供給電力レベル(レベルL)から中間のレベル(レベルM)まで供給電力のレベルを上げる。続いて、電力制御部102は、中間のレベルから定格電力レベルまで、抑制された速度で供給電力レベルを上昇させる。
また、入力が無い場合(ステップS20;No)、投射制御部101は、ステップS19でカウントを開始したカウント値を参照する。そして、投射制御部101は、省電力モードの継続時間のカウント値が予め設定された時間に達したか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22の判定における「予め設定された時間」は、設定画面60(図3)で設定された「スリープモード時間」の設定値である。
投射制御部101は、省電力モードの継続時間のカウント値が設定値に達していない場合(ステップS22;No)、ステップS20に戻る。また、省電力モードの継続時間のカウント値が設定値に達した場合(ステップS22;Yes)、プロジェクター1の電源をオフにして(ステップS23)、動作を終了する。
省電力モードに移行した後、投射制御部101は、所定時間毎に、AVミュートからの復帰を指示する操作の有無を判定する(ステップS32)。復帰の指示があった場合(ステップS32;Yes)、投射制御部101は、AVミュートを解除して通常の投射状態に復帰し、タイマー104のカウント値をリセットする(ステップS33)。ここで、電力制御部102は省電力モードから通常モードに移行する(ステップS34)。電力制御部102は、図2(C)に示したように、省電力モードの供給電力レベルから中間のレベルMまで供給電力のレベルを上げ、その後、所定の速度以下で定格レベルまで上昇させる。
投射制御部101は、省電力モードの継続時間のカウント値が設定値に達していない場合(ステップS35;No)、ステップS32に戻る。また、省電力モードの継続時間のカウント値が設定値に達した場合(ステップS35;Yes)、プロジェクター1の電源をオフにして(ステップS36)、動作を終了する。
この図5の動作は、プロジェクター1が通常動作状態で、投射制御部101がカバー検出部31の検出値に基づいて、レンズカバー30が開位置Oにないことを検出した場合に(ステップS41)、開始される。この通常動作状態は、プロジェクター1の電源が投入された後の入力を待機する状態、及び、入力画像データS1に基づいて画像をスクリーンSCに表示している状態を含む。
ステップS41でレンズカバー30が開位置Oにないことを検出した場合、投射制御部101は、レンズカバータイマーの設定値が「オン」か「オフ」かを判定する(ステップS42)。レンズカバータイマーの設定値は、設定画面60(図3)に基づいて設定され、設定データ11Bに含まれている。
レンズカバー設定の設定値が「オフ」である場合、投射制御部101は、カバー閉動作を実行し(ステップS43)、その後にレンズカバー30が開位置Oになるまで待機する(ステップS44)。そして、投射制御部101が、カバー検出部31の検出値に基づいてレンズカバー30が開かれたことを検出すると(ステップS44;Yes)、通常の投射状態に復帰し(ステップS45)、ステップS41に戻る。
その後、投射制御部101は、レンズカバー30の位置が開位置Oになったか否かを判定する(ステップS48)。レンズカバー30の位置が開位置Oとなったことを検出した場合(ステップS48;Yes)、投射制御部101は通常の投射状態に復帰して(ステップS49)、ステップS41に戻る。このステップS49で、電力制御部102は省電力モードから通常モードに移行する。電力制御部102は、図2(C)に示したように、省電力モードの供給電力レベルから中間のレベルMまで供給電力のレベルを上げ、その後、所定の速度以下で定格レベルまで上昇させる。
また、レンズカバー30が開位置Oにない場合(ステップS48;No)、投射制御部101は、ステップS47でカウントを開始したカウント値を参照する。そして、投射制御部101は、省電力モードの継続時間のカウント値が予め設定された時間に達したか否かを判定する(ステップS50)。ステップS49の判定における「予め設定された時間」は、上述したように予め設定されている「レンズカバータイマー」に関する所定時間である。
投射制御部101は、省電力モードの継続時間のカウント値が設定値に達していない場合(ステップS50;No)、ステップS48に戻る。また、省電力モードの継続時間のカウント値が設定値に達した場合(ステップS50;Yes)、プロジェクター1の電源をオフにして(ステップS51)、動作を終了する。
また、電力制御部102は、光源駆動部19が供給する電力レベルをレベルMからレベルNに変更する過程の電力レベルの上昇の速度を、レベルLからレベルMに変更する過程よりも遅くする。このため、省電力モードで放電管45の供給電力を、定格電力より大幅に低いレベルLにしても、放電管45のダメージを防止できる。従って、効果的な省電力化を達成できる。
ここで、非投射制御としては、スリープモード、AVミュート動作、カバー閉動作が挙げられる。この場合、放電管45を消灯させる過程を含むような、ミュート動作、スリープ動作、またはカバー対応動作が行われる場合に、放電管45の供給電力を低くして、効果的に省電力化を達成できる。また、ミュート動作、スリープ動作、またはカバー対応動作から通常の動作状態に復帰する場合には、電力レベルの変化が抑制されるため、省電力レベルを低く設定した場合であっても放電管45の寿命への影響を防止できる。
さらに、電力制御部102は、通常モードから省電力モードに移行する場合に、図2(A)の期間T1や図2(B)の期間T2のように、放電管45の供給電力のレベルを低下させる際のレベル変化を抑制する。このため、省電力レベルを、放電管45の寿命への影響が懸念されるほど低い電力レベルに設定しても、電力レベルを低下させる過程での放電管45のダメージを防止できる。
さらに、電力制御部102は、放電管45の供給電力を、所定電力レベルより低く省電力レベルより高い低輝度レベル(図2(A)のレベルN´)に設定可能である。そして、通常モードから省電力モードに移行する場合に、レベルN´までは電力レベルの変化を抑制せず、レベルN´からレベルLまで下げる過程で、電力レベルの変化を抑制する。この場合、放電管45の寿命に影響しない範囲で速やかに電力レベルを低下させる制御と、放電管45の寿命に影響を与えないように電力レベルを低速で低下させる制御とを両立できる。
さらに、本発明は、スクリーンに対して投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも適用できる。また、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも可能であり、その他、本発明の適用対象は上記実施形態に限定されない。
Claims (7)
- 光源として放電管を備えるプロジェクターであって、
前記放電管が発した光を変調する変調手段、および、前記変調手段により変調された光を投射する投射光学系を有する投射手段と、
前記放電管に電力を供給する放電管駆動手段と、
前記放電管駆動手段が前記放電管に供給する電力レベルを制御し、前記放電管駆動手段により所定電力レベルの電力を供給させて発光させる通常モードと、前記所定電力レベルより低い低輝度電力レベルの電力を前記放電管に供給させて発光させる低輝度モードと、前記低輝度モードよりも低い省電力レベルの電力を供給させて前記投射手段により光を投射しない省電力モードと、を実行する電力制御手段と、を備え、
前記電力制御手段は、前記通常モードから前記省電力モードに移行する場合、および、前記省電力モードから前記通常モードに移行する場合に、前記放電管駆動手段から前記放電管に供給される電力レベルの変化を抑制し、前記通常モードから前記低輝度モードに移行する場合、および、前記低輝度モードから前記通常モードに移行する場合には、前記放電管の供給電力のレベルの変化を抑制しないこと、
を特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記電力制御手段は、前記省電力モードから前記通常モードに移行する場合に、少なくとも、前記省電力レベルより高い中間電力レベルから前記所定電力レベルに移行する間の電力レベルの変化を抑制することを特徴とするプロジェクター。 - 請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記電力制御手段は、前記省電力モードから前記通常モードに移行する場合に、前記放電管駆動手段が供給する電力レベルを前記中間電力レベルから前記所定電力レベルに変更する過程の電力レベルの上昇の速度を、電力レベルを前記省電力レベルから前記中間電力レベルに変更する過程よりも遅くすることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のプロジェクターであって、
前記投射手段を制御して光を投射させる投射制御と、前記投射手段による投射を停止させる非投射制御とを実行する投射制御手段を備え、
前記投射制御手段は、前記省電力モードで、所定の操作に応じて前記投射手段による投射を停止するミュート動作、前記プロジェクターへの操作がない状態で投射を停止して待機するスリープ動作、及び、前記投射光学系のカバーが閉じられている間に投射を停止するカバー対応動作のうち、少なくともいずれかを実行し、前記省電力モードに移行してから所定時間が経過した場合に前記放電管を消灯させることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項4に記載のプロジェクターであって、
前記電力制御手段は、前記投射制御手段により前記スリープ動作が開始されてから予め設定された時間が経過するまで、前記省電力モードに移行しないことを特徴とするプロジェクター。 - 請求項4または5に記載のプロジェクターであって、
前記ミュート動作、前記スリープ動作、及び前記カバー対応動作の少なくともいずれかについて、前記省電力モードに移行するか否かを設定する設定手段を備え、
前記電力制御手段は、前記投射制御手段によって前記ミュート動作、前記スリープ動作、及び前記カバー対応動作のいずれかが実行され、当該動作について前記設定手段により前記省電力モードを実行するよう設定されている場合に、前記省電力モードに移行することを特徴とするプロジェクター。 - 放電管と、前記放電管が発した光を変調する変調手段、および、前記変調手段により変調された光を投射する投射光学系を有する投射手段と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、
前記放電管に供給する電力レベルを制御し、前記放電管に所定電力レベルの電力を供給させて発光させる通常モードと、前記所定電力レベルより低い低輝度電力レベルの電力を前記放電管に供給させて発光させる低輝度モードと、前記低輝度モードよりも低い省電力レベルの電力を供給させて前記投射手段により光を投射しない省電力モードと、を実行し、
前記通常モードから前記省電力モードに移行する場合、および、前記省電力モードから前記通常モードに移行する場合に、前記放電管に供給される電力レベルの変化を抑制し、前記通常モードから前記低輝度モードに移行する場合、および、前記低輝度モードから前記通常モードに移行する場合には、前記放電管の供給電力のレベルの変化を抑制しないこと、
を特徴とするプロジェクターの制御方法。
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