JP4325518B2 - 超高圧水銀ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置やDMD(デジタルミラーデバイス)を使用したDLP(デジタルライトプロセッサ)などのプロジェクタ装置に使用される、発光管内に0.15mg/mm以上の水銀が封入され点灯時における水銀蒸気圧が150気圧以上になる超高圧水銀ランプに関する。
液晶プロジェクタやDMDを使用したDLP等に代表される投射型プロジェクタ装置においては、矩形状のスクリーンに対して、均一にしかも十分な演色性をもって画像を照明させることが要求されるため、光源には、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使用されている。最近では、このようなメタルハライドランプもより一層の小型化、点光源化が進められ、電極間距離の極めて小さいものが実用化されている。
このような背景のもと、最近では、メタルハライドランプに代わって、点灯時において、例えば150気圧以上と今までにない高い水銀蒸気圧を有するランプが提案されている。水銀蒸気圧をこのように高くすることにより、アークの広がりを抑える(絞り込む)とともに、より一層の光出力の向上を図ることができる。このような超高圧水銀ランプは、例えば特許文献1若しくは特許文献2に開示されている。
上記文献に開示されたランプによれば、中央部に球状の発光部を有する発光管内に、一対の電極が対向配置されており、発光管の内部空間には、発光物質としての水銀が0.15mg/mm以上封入されるとともに、ハロゲンサイクルを行うために所定量のハロゲンガスが封入されている。
このような超高圧水銀ランプにおいては、例えば特許文献3に示すように、点灯始動時においてグロー放電からアーク放電への移行を容易にするために、電極先端の近傍にコイルを放電空間に露出して設けられることが多い。
特開平2−148561号 特開平6−52830号 特開2001−319617号
近年、プロジェクタ装置に使用される超高圧水銀ランプは、小型化と光出力の向上が強く要求されていることから、管壁負荷が高く、かつ、電極と発光管の内壁との距離が短くなる傾向にある。このような超高圧水銀ランプにおいては、ランプ点灯装置によって始動初期に直流電流を流して点灯させた場合、始動時におけるコイルからの放電により、コイル付近の発光管の内壁に電極構成物質であるタングステンが付着して発光管が黒化する、という不具合が生じることが判明した。そして、この場合には、発光管が黒化して光透過率が低下することにより、使用寿命が短くなる、という問題が生じる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、発光管に黒化が生じることを抑えて、使用寿命の長い超高圧水銀ランプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の超高圧水銀ランプは、発光管内に、一対の電極を対向配置するとともに、発光物質として0.15mg/mm以上の水銀を封入してなり、
前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、軸部と該軸部にコイルを巻き回すことにより形成された太径部とを有し、この太径部は、前記軸部の先端側に巻き回されてなる巻回部と、この巻回部の後方に繋がる湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記巻回部と前記軸部との間に楔状の空隙が形成されることのないように前記軸部との間に曲面を形成して前記軸部と一体化されていることを特徴とする。
さらに、前記湾曲部は前記軸部に溶融して一体化していることを特徴とする。
さらに、前記湾曲部は全周方向に形成されていることを特徴とする。
さらに、前記湾曲部は、電極の中心軸を含む断面において曲線部を有し、この曲線部に対する接線と軸部の稜線とでなす接触角が鈍角であることを特徴とする。
本発明者らは、発光管に黒化が生じる原因について検討したところ、ランプ始動直後のグロー放電からアーク放電に移行する際に、コイル後端を起点とする放電が起こっているときのコイル後端への電流集中に着目した。そして、このようなコイル後端への電流集中により、発光管内における化学反応によりコイル後端部にタングステンが蓄積して、数百時間の点灯により発光管の内壁に到達するまで成長することが原因であることを見出した。
以下、図5を用いて詳細に説明する。
図5は、電極の根元付近を拡大した図である。図5(a)、5(b)は同一の構造を示すが、図5(a)が構成を説明するための符号を付しており、図5(b)は発光管内の反応を説明するための符号を付している。図5(c)は、図5(a)の太径部22の近傍をさらに拡大した図である。
本発明者らは、ランプ点灯に伴い距離Lが短縮されていく原因を以下のように推測している。
超高圧水銀ランプを始動初期に直流電流を流して点灯させた場合において、始動初期数秒の放電形態をオシロスコープとビデオカメラにより観察すると、次のような現象が観察される。まず、絶縁破壊後、直流領域で陰極となる電極表面から数十ボルトの水銀アーク放電により始動し、その後、陰極表面の水銀が完全に蒸発した後、陽極との間で数百ボルトのグロー放電が行われる。グロー放電により陰極が十分に加熱されると、陰極からの熱電子の放出が容易となり、陽極との間で数十ボルトの熱アーク放電に移行する。このグロー放電においては、陰極2の全体を覆うような形態の放電が行われるが、コイルからなる大径部22と軸部21との間の鋭利な楔状の隙間Kにおいて、電流密度が高くなり、アーク放電へ移行する。
そして、この熱アーク放電の際に、コイルからなる太径部22と軸部21との間の鋭利な楔状の隙間Kに電流が集中すると、局所的に加熱されたタングステンは表面から放射状に飛散するように蒸発する。蒸発したタングステンは水銀および希ガスよりも電離電圧が低いためアークeにより容易に電離され、太径部22の後端部から最も近い発光管1の内表面にアークeの経路を導く。その結果、図示のように発光管1の内面に高温のアークeが接触、あるいは衝突することになり、これが原因となって、発光管1の内面において局部的に凹みHを形成するとともに、発光管1の構成材料である石英ガラス(SiO)が蒸発する。蒸発したSiOは、放電プラズマによりSiとOに分離して、陰極を構成するタングステンを酸化させ、結果、陰極2からタングステンの酸化物としての蒸発を招くことになる。このタングステンの酸化物がコイル後端部に輸送された際、酸素の脱離反応により破線のようにWとして堆積することで距離Lをより短くすることになる。ランプ始動のたびにある確率でこの現象が生じると、さらなる成長を招いてこれら反応サイクルの繰り返しにより発光管1の内面に接触するまで成長、蓄積したものと考える。
上記現象は、コイルと発光管内面が極めて近い放電ランプにおいて生ずるものではあるが、本発明者らはコイル後端部から生じる放電アークが、放電開始とともに電流集中を抑制することさえできれば、このような問題には発展しないことを見出したわけである。
本発明の超高圧水銀ランプによれば、発光管内にて対向する電極のうちの少なくとも一方に軸部にコイルを巻き回してなる太径部を有し、この太径部が巻回部の後方に繋がる湾曲部を有することにより、熱アーク放電の際の放電起点は各々の巻回部の間に存在する隙間となり、陰極と発光管の内壁との距離が最も短くなる箇所である、太径部の後端(湾曲部)が熱アーク放電の際に放電の起点となることを確実に防止することができる。このため、小型化すべく電極と発光管の内壁との距離が極めて短くし、かつ、光出力を増加すべく管壁負荷を大きくした超高圧水銀ランプにおいても、電極から蒸発したタングステンがタングステン酸化物となり、かかる酸化物が電極の太径部後端に蓄積することにより発光管が黒化する、という不具合を確実に防止することができる。その結果、使用寿命の長い超高圧水銀ランプを提供することができる。
図1は、本発明の超高圧水銀ランプを説明するための断面図である。
超高圧水銀ランプ100は、例えば石英ガラスからなる発光管1を有する。発光管1は、略球状の発光部11と、発光部11の両端に繋がるロッド状の封止部12とを有する。発光管11の内部空間Sにおいて、陰極2と陽極3が対向して配置されている。陰極2は、軸部21と、軸部21にコイルを巻き回すことにより形成される太径部22と、を有する。陽極3は、軸部31と、軸部31の先端に設けられた太径部32と、を有する。各々の封止部12は、例えばモリブデンからなる給電用の金属箔4が埋設されて気密に封止されている。この金属箔4は、一端に軸部21若しくは軸部31の基端部211若しくは基端部311が溶接されて電気的に接続され、他端に封止部12から外方に突出する給電用の外部リード5が溶接されて電気的に接続されている。
発光管1内には、水銀、ハロゲンガス、及び希ガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば360〜780nmという放射光を得るためのもので、点灯時における水銀蒸気圧が150気圧以上となるように0.15mg/mm以上封入されている。水銀量は、温度条件によっても異なるが、所望の水銀蒸気圧に応じて適宜変更することができる。
希ガスは、点灯始動性を改善するため、例えばアルゴンガスが13kPa封入されている。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、封入量は、10−6〜10−1μmol/mmの範囲であって、例えば3.0×10−4μmol/mmである。その機能は、ハロゲンサイクルを利用した長寿命化も存在するが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものにおいては、発光管の失透防止を主な目的としている。
図2は、陰極の拡大図を示す。図2(a)は正面図を示し、図2(b)は陰極2の中心軸を含む断面における要部拡大図である。図2において、図1と同一符号は同一部分を示す。
図2(a)に示すように、陰極2は、軸部21と、軸部21の先端210側に線状のタングステンをコイル状に巻き回すことにより形成される太径部22と、を有する。詳細には、太径部22は、線状のタングステンをコイル状に巻き回すことにより形成される複数の巻回部221と、この巻回部221の後方(基端部211側)に繋がる曲面を有する湾曲部222とを有する。
巻回部221は、点灯始動時においては、表面の凹凸効果により始動の種(始動開始位置)として機能するとともに、点灯後においては表面の凹凸効果と熱容量が増加することにより放熱の機能を有している。また、コイル状に巻き回されたタングステンは細線であり加熱されやすいため、前述のグロー放電から熱アーク放電への移行を容易にする機能がある。
湾曲部222は、後述するように(図3)、線状のタングステンを軸部に対して巻き回した状態で、最後方側の巻回部に対し、その全周方向に熱処理を施して溶融させることにより、軸部と一体化して形成される。図2(b)に示すように、湾曲部222は、電極の中心軸を含む断面において曲線部223を有する。そして、この曲線部223に対して引いた接線Xと軸部21の稜線とでなす接触角αは鈍角(≧90°)となる。
以下、図3を用いて本発明に係る陰極2の製造方法について説明する。図3は、陰極2の製造方法の一例を説明するための概略図である。
図3(a)は、陰極ができあがる前の状態を示すものである。タングステンからなる軸部21に対して、軸部21の先端210側に線状のタングステンが1層に巻き回されて複数の巻回部221が形成されている。最後方側に位置する巻回部221aは、その端部においてグラインダーにより切断されることで形成されたエッジ部が存在している。この状態で、かしめ等の手段によって、巻回部221は軸部21に対して固着される。尚、軸部21には、周方向に凸部212が形成されており、巻回部221aが凸部212に隣接するよう線状のタングステンが取付けられている。こうすることにより、後述のレーザーを照射した際に凸部212が容易に温度上昇することによって溶融して巻回部221aになじみやすくなる。その上、コイルの後端部付近の軸部に設けた凸部に突き当たるようコイルを挿入して製作することによって、コイル後端部の位置精度を高めて、レーザー照射位置のばらつきを小さくする効果もある。
図3(b)は、最後方側(軸部21の基端部211側)に位置する巻回部221aに対し、その全周方向に中心軸方向からレーザ光を照射する状態を示している。レーザ光は、例えばCOレーザやYAGレーザなどの放射光である。具体的には、陰極2を径方向に回転させながら、最後方側に位置する巻回部221a若しくは凸部212にレーザ光を照射して、巻回部221a及び凸部212を選択的に局所加熱することによって溶融させる。かかるレーザ光の照射は、電極が酸化することを防止する観点から、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また、レーザ光の照射は、連続的に照射することもできるが、パルス的に照射させることもでき、この場合のパルス照射とは、短時間(ミリ秒レベル)の照射と休止を繰り返す照射であって、通常は連続的な照射よりも効果的である。
図3(c)は、上記レーザ光の照射によって湾曲部222が形成された状態を示す。巻回部221aは、全周方向に渡って溶融されるため、軸部21との間に鋭角な楔状の空隙が形成されることがなく、軸部21と一体化される。これにより、溶融によって形成された曲面を有する湾曲部222が形成される。
尚、湾曲部222は、必ずしも最後方側に位置する巻回部のみを溶融して形成することに限らず、最後方側から複数の巻回部221を溶融させることによって形成しても良い。すなわち、湾曲部222とは、巻回部221のうち溶融して軸部21と一体化した部分をいう。
ここで、陰極に係る数値例を以下に挙げる。
軸部21は、直径が0.3mm〜3mmの範囲であって、例えば0.8mmであり、体積が4mm〜40mmの範囲であって、例えば23mmであり、表面積が10mm〜45mmであって、例えば20mmであり、全長が7mm〜20mmであって、例えば10mmである。軸部21は、全長の半分に相当する長さ分が封止部12に埋設され、残り半分が内部空間S内に露出している。巻回部221を構成する線状のタングステンは、直径が0.2mm〜0.6mmであって、例えば0.25mmであり、軸部21に対しての巻き回しターン数は、2〜10ターン程度であり、例えば3ターンである。
尚、軸部21及び巻回部221を構成する線状のタングステンの純度は99.99%以上であることが好ましい。これは、溶融するときに不純物が多いと発泡し、表面に電界集中しやすい突起を形成するからである。
さらに、陰極の製造に係る数値例を以下に挙げる。
レーザ光は、ビーム径が0.04mm〜0.7mmであって、例えば0.3mmであり、照射時間が0.2秒〜1.0秒であって、例えば0.35秒である。
以上のような本発明の超高圧水銀ランプによれば、陰極2の太径部22は、コイル状の巻回部221の後方には、軸部21との間に曲面を形成して軸部21と一体化した湾曲部222が設けられていることにより、太径部22の後端と軸部21との間に楔状の隙間が存在しないため、前述の熱アーク放電の際に太径部22の後端に電流が集中することがない。その結果、局所的に加熱されたタングステンが表面から放射状に飛散するように蒸発せず、発光管の内表面にアークの経路を導くことがないことにより、発光管の内表面に高温のアークが接触あるいは衝突することがない。従って、発光管の構成材料である石英ガラス(SiO)が蒸発して気相中に酸素が過剰になり、電極構成物質であるタングステンが酸化して蒸発することに起因して生成するタングステン酸化物が太径部の後端に蓄積する、という一連の現象が発生しないため、発光管の黒化を良好に防止することができる。
すなわち、本発明の構造を採用することにより、熱アーク放電の際の放電起点は各々の巻回部221の間に存在する隙間となり、陰極2と発光管1の内壁との距離が最も短くなる箇所である太径部22の後端(湾曲部222)が熱アーク放電の際に放電の起点となることを確実に防止することができるため、小型化すべく電極と発光管の内壁との距離を極めて短くし、かつ、光出力を増加すべく管壁負荷を大きくした超高圧水銀ランプにおいても、発光管が黒化する、という不具合を確実に防止できる。
尚、本発明の超高圧水銀ランプにおいては、上記のように熱アーク放電の際の放電起点は各々の巻回部221の間に存在する隙間若しくは太径部22の前端部であるが、この場所から発光管の内壁までの距離は太径部22の後端からに比して長いため、アークが発光管の内表面に接触あるいは衝突するおそれはない。
さらに、本発明の超高圧水銀ランプによれば、上記のようにタングステン酸化物が生成しないため、点灯時間の経過とともに、例えば陰極に突起部が形成される等して陰極形状が変化することを確実に抑制できる。これにより、陰極先端において突起部が形成されて発光長が短くなることによって光束が低下する、陰極に複数の突起部が形成されて各々の突起部の間をアーク輝点が移動することによって光のちらつきが生じる、等の不具合が生じることを確実に抑制できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、その他種々の変更を加えることができる。
例えば、陰極の太径部における湾曲部は、必ずしも軸部に設けたコイル状の巻回部を溶融して形成することに限るものでなく、以下のようにして形成することもできる。
すなわち、最後方側に位置する巻回部と軸部との隙間に、巻回部を構成する線状のタングステンよりも細い、具体的には直径が0.1mmの別個の線状のタングステンを巻き回した状態で、この別個の線状のタングステンに対しレーザ光を照射して溶融させることによって湾曲部を形成しても良い。その他にも、最後方側に位置する巻回部と軸部との隙間に充填させた、例えばタングステンからなりバインダーとなる粉末を溶融させることによって湾曲部を形成しても良い。さらには、線状のタングステンの最後方側に位置する巻回部となるべき部分に対し、あらかじめ圧接、削り加工を施すことによって、最後方側に位置する巻回部と軸部との間に隙間が生じることなく、かつ上記接触角が鈍角となるようにしても良い。
要は、最後方側に位置する巻回部と軸部との間に楔状の鋭利な隙間が存在すると熱アーク放電の際に電流集中が生じると予測されるため、かかる隙間が生じないように塞ぐことができれば良い。
さらには、陰極における太径部を以下の図4に示す形態とすることもできる。図4は、陰極の他の実施形態の拡大図を示す。図4(a)は正面図を示し、図4(b)は陰極2の中心軸を含む断面における要部拡大図である。
図4に示すように、最後方側に位置する巻回部221aに対し、その全周ではなくて一部分にのみ湾曲部222を形成することもできる。この場合は、図3(b)、(c)に示す、
巻回部に対しレーザ光を照射する段階において、レーザ光の照射を適宜調整すれば良い。
図4に示す陰極の実施形態によっても、従来の湾曲部を有しない構造に比して、発光管に黒化が生じることを抑えることができるとともに、レーザ光の照射時間が低減し製作に要する時間を短縮することができるため生産性が向上する、という効果がある。
コイル状の巻回部を溶融させる手段としては、レーザ光を用いることに限らず、電子ビームなど収束された高エネルギーを与えるものであれば良い。電子ビームについては、例えば特開2001−59900号、特開2001−174596号に開示する電子ビーム装置が小型という点で好ましい。
上記の実施形態は、直流点灯方式の超高圧水銀ランプの陰極におけるものであるが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、交流点灯方式の超高圧水銀ランプに対しても、片方の電極が交互にグロー放電を担う陰極として機能するため、適用することができる。
以下、本発明の作用効果を確認するために行った実験例について説明する。
〔実施例〕
図1及び図2若しくは図1及び図4に示す構成に従い、本発明に係る超高圧水銀ランプを6本作製した。この超高圧水銀ランプの構成は以下のとおりである。
発光管1は、全長が74mmの石英ガラスからなる封体で構成され、発光部11の最大外径が10mm、発光部11の内容積が66cm、封止部12の外径が6.5mmである。
陰極2を構成する軸部21は、タングステンからなり、外径が0.8mm、全長が11mmであって、先端がテーパ状である。太径部22は、直径0.25mmの線状のタングステンをコイル状に巻き回すことによって構成される。コイル状の巻回部221は、3ターン形成され、ピッチは0.3mmである。湾曲部222は、図3に示す方法で形成された図2に示す構造のものである。
陽極3を構成する軸部31は、タングステンからなり、外径が0.8mm、全長が13mmである。太径部32は、最大外径が1.8mm、全長が3mmである。
陰極2と陽極3との間の電極間距離は1.1mmである。
発光管1内には、18mgの水銀、13kPaのアルゴンガス、3.0×10−4μmol/mmの臭素ガスが封入されている。
〔比較例〕
陰極の太径部において湾曲部を有しないことの他は実施例の超高圧水銀ランプと同じ構成を有する比較例に係る超高圧水銀ランプを3本作製した。
実施例及び比較例に係る超高圧水銀ランプを、それぞれ定格電圧70V、定格電力200Wの点灯条件で点灯させ、5分間点灯させた後5分間消灯させる、という点滅動作を所定回数繰り返した後、発光管への黒化発生の有無を顕微鏡にて確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0004325518
表1において、「実施例1」乃至「実施例3」は、図2に示すとおり、最後方側に位置する巻回部を全周に渡って溶融させ、かつ、接触角αが鈍角となるよう湾曲部を形成したものである。「実施例4」乃至「実施例6」は、図4に示すとおり、最後方側に位置する巻回部の一部のみを溶融させ、かつ、接触角αが鈍角となるよう湾曲部を形成したものである。
また、表1において、「100回」とあるのは、上記点滅動作を100回繰り返したことを示す。「300回」は、点滅動作を300回繰り返したことを示し、「500回」は、点滅動作を500回繰り返したことを示す。
さらに、表1において、記号は発光管への黒化発生の有無を示す。具体的には、「◎」は顕微鏡で見ても黒化が全く確認されなかったことを示し、「○」は顕微鏡で見て僅かに黒化が確認されたことを示し、「△」は顕微鏡にて容易に発見できる程度に黒化が確認されたことを示し、「×」は肉眼で発見できる程度に黒化が確認されたことを示す。
表1に示す結果から、実施例1の超高圧水銀ランプのように、接触角αが鈍角となるよう陰極の太径部の最後方側に位置する巻回部の全周を溶融させて湾曲部を形成することが、発光管の黒化防止に最も有効であることが確認された。また、最後方側に位置する巻回部のうち一部分のみを溶融させた場合においても、接触角αが鈍角になりさえすれば、比較例の超高圧水銀ランプに比して、発光管への黒化発生を抑える効果があることが確認された。
本発明の超高圧水銀ランプを説明するための図である。 本発明に係る陰極の拡大図を示す。 本発明に係る陰極の製造方法を説明するための図である。 本発明に係る陰極の他の実施形態を説明するための拡大図である。 電極の根元付近を拡大した図を示す。
符号の説明
1 発光管
2 陰極
3 陽極
4 金属箔
5 外部リード
11 発光部
12 封止部
21 軸部
22 太径部
31 軸部
32 太径部
221 巻回部
222 湾曲部
223 曲線部




Claims (4)

  1. 発光管内に、一対の電極を対向配置するとともに、発光物質として0.15mg/mm以上の水銀を封入してなる超高圧水銀ランプにおいて、
    前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、軸部と該軸部にコイルを巻き回すことにより形成された太径部とを有し、
    この太径部は、前記軸部の先端側に巻き回されてなる巻回部と、この巻回部の後方に繋がる湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記巻回部と前記軸部との間に楔状の空隙が形成されることのないように前記軸部との間に曲面を形成して前記軸部と一体化されていることを特徴とする超高圧水銀ランプ。
  2. 前記湾曲部は前記軸部に溶融して一体化していることを特徴とする請求項1に記載の超高圧水銀ランプ。
  3. 前記湾曲部は全周方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超高圧水銀ランプ。
  4. 前記湾曲部は、電極の中心軸を含む断面において曲線部を有し、この曲線部に対する接線と軸部の稜線とでなす接触角が鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の超高圧水銀ランプ。
JP2004264052A 2004-09-10 2004-09-10 超高圧水銀ランプ Active JP4325518B2 (ja)

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