JPH1092377A - 放電灯用電極構体、その製造方法及びその電極構体を用いた放電灯 - Google Patents

放電灯用電極構体、その製造方法及びその電極構体を用いた放電灯

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JPH1092377A
JPH1092377A JP24528796A JP24528796A JPH1092377A JP H1092377 A JPH1092377 A JP H1092377A JP 24528796 A JP24528796 A JP 24528796A JP 24528796 A JP24528796 A JP 24528796A JP H1092377 A JPH1092377 A JP H1092377A
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shaft
tip
electrode shaft
discharge lamp
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JP24528796A
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English (en)
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Motoi Takeishi
基 嶽石
Tetsuji Endo
哲二 遠藤
Ichirou Tanaka
以知郎 田中
Yasuhiro Iwato
泰博 岩藤
Hiromichi Kawashima
弘道 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAKEISHI DENKI KK
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
TAKEISHI DENKI KK
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放熱効果が高くしかも製造が非常に簡単で、安
価な製造コストで製造し得る電極構体を提供すること。 【解決手段】電極軸5の先端に電極軸より太径の電極部
6が形成されており、電極部の背方にて電極軸を囲繞し
且つ電極部に一体的に連続する放熱部12が設けられて
いる。そのため、多量の電子がこの電極に衝突しても太
径の電極部の熱容量が大きく、また放熱部の存在により
電極部からの伝導熱が放熱されるので電極部の過剰昇温
が仰制される。また、電極物質の蒸発が抑制されて長寿
命化が実現される。さらに、放熱部が電極部に一体的に
連続しているので、電極部の熱が放熱部に直に伝わって
放熱され、電極部の過剰昇温が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電灯用電極構体とそ
の製造方法、およびそれを用いた放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、小形メタルハライドランプ等の高
圧金属蒸気放電灯が車両の前照灯や液晶プロジェクター
装置の画像投影用の光源等に使用されている。この種の
ランプは、電源電圧を投入した起動時から定格の光束に
達するまでの立ち上がり時間を短くする必要があり、そ
のため、発光金属となる金属ハロゲン化物、水銀と一緒
に高圧の始動用希ガス、例えばキセノンを封入し、始動
時に大電流を流すことにより光束の立ち上がり特性を改
善している。
【0003】しかしながら、このような高圧金属蒸気放
電灯においては、特に始動時に大電流が流れるので、多
量の電子衝突によって、小熱容量換言すれば細い電極を
用いると電極が異常に過熱されて電極物質が飛散し、電
極の細りや蒸発した電極飛散物質が管壁に付着して早期
黒化を発生する不具合がある。
【0004】これを防止するため、電極を太くすると熱
容量が大きくなって電極の過熱が抑制されると同時にこ
の電極軸を通じて発光管の封止部に熱が逃げやすくな
り、電極の温度が熱電子を放出するに適した温度に上昇
しなくなって立ち消えを発生する場合がある。また、電
極軸を太くすると細い場合と違って昇温による電極軸の
径方向の熱膨脹が大きくなって封止部にクラックを生じ
させる原因ともなる。さらにまた、封止部におけるバル
ブと金属箔との僅かな隙間に金属ハロゲン化物等の発光
金属が入り込むことが知られているが、この種ハロゲン
化物は金属に対する浸食性が高く、高温下でその浸食が
さらに顕著となる。そのため、封止部が過度に高温とな
ると、ハロゲン化物による金属箔の浸食が促進されて封
止部の信頼性を損なうという問題がある。
【0005】そこで電極軸の先端に電極軸より直径の太
い電極部を設けた放電灯用電極が開発された。この場
合、電極軸の先端部に設けた太径の電極部により熱容量
を大きくすることができたため電極が過熱されて電極物
質が蒸発するのを防止することができ、しかも電極軸の
部分は相対的に細いので熱伝導による熱の逃げを防止す
ることができ、電極先端部の温度をある程度適度に維持
することができるようになったが、電極部を太径にする
だけでは十分な効果が期待できなかった。
【0006】これを解消しようと電極軸にコイル等を巻
回させ、このコイルから放熱を促そうとする電極構体が
開発されたが、タングステンという非常に硬い材質で出
来ている電極構体において、電極部に別体の放熱部材を
密着させて取り付けるのは困難な作業であり、作業コス
トがかかる他、放熱部材が別体であるから電極部からの
熱伝導も低く十分な放熱効果が得られ難いという問題が
あった。また、電極部の熱を放散させるために、そのコ
イルを電極の先端に近づけて取着させると、放電のアー
クスポットが電極先端やコイルの端部等に移動してしま
いアークが安定した状態で保たれないという不具合があ
った。
【0007】なお、太径電極部を有する電極を製造する
方法は、太い素材から削り出す方法が取られていた。し
かしながら、この種の電極はタングステンなどのような
高融点金属により形成されるのであるから、材質が堅
く、切削性が良くないので削り出しが困難である。特
に、小形ランプに使用しようとする小形電極は、機械的
に削り出すのが極めて困難であり、また高価になる欠点
もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題点に鑑みて
本発明はなされたものであり、放熱効果が高くしかも製
造が非常に簡単で、安価な製造コストで製造し得る電極
構体を提供することを解決課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の放電灯用
電極構体は、電極軸の先端に電極軸より太径の電極端部
が形成されており、電極部の背方にて電極軸を囲繞し且
つ電極部に一体的に連続する放熱部が設けられているこ
とを特徴とする。
【0010】この電極構体よれば、多量の電子がこの電
極に衝突したとしても太径の電極部の熱容量が大きく、
また放熱部の存在により電極部からの伝導熱が放熱され
て電極部の過剰昇温が仰制される。その結果、電極物質
の蒸発が抑制されて長寿命化が実現される事になる。そ
して、放熱部が電極部に一体的に連続しているので、電
極部の熱が放熱部に直に伝わって放熱されることにな
り、電極部の過剰昇温が抑制される。
【0011】請求項2記載の発明は、放電灯用電極構体
(4)の製造方法であって、(図1、2(a)〜(d)
参照)「電極軸(5)の先端部分(5a)を突出させて
電極軸(5)に被覆部材(10)を被せ、前記被覆部材
(10)から突出している電極軸(5)の突出部分(5
a)を加熱して溶融し、この溶融部分(6)にて電極軸
(5)より太径の電極部(6a)を形成し、電極部(6
a)の背方に位置し且つ被覆部材(10)の電極部(6
a)に一体的に連続する部分を放熱部(12)とする」
ことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、放電灯用電極構体
(4)の製造方法の第2で(図3、4(a)(b)
(C)(d)参照)「電極軸(5)の先端部分(5a)
に被覆部材(10)を被せ、前記被覆部材(10)の先
端部分と電極軸(5)の先端部分(5a)とを加熱して
溶融・一体化し、この一体化した溶融部分(6)にて電
極軸(5)より太径の電極部(6a)を形成し、前記電
極部(6a)の背方に位置する被覆部材(10)の非溶
融部分を放熱部(12)とする」ことを特徴とする。
【0013】以上の製造方法により、電極部(6a)に
一体的に連続する放熱部(12)を有する電極(4)を
電極部(6a)の形成時に同時に形成でき、製造工程を
増やす事なく簡単に製造する事ができ、従ってその製造
コストも安価に抑える事ができる。
【0014】なお、電極部(6a)は溶融時の球塊状の
ままで使用する事も出来るが、必要に応じてコーン状或
いは円錐状に研磨或いは研削などの機械加工されて使用
される。この点は、本発明の全実施例について共通であ
る。
【0015】請求項4記載の放電灯は、両端に封止部を
有するバルブと、封止部に各々封着された金属箔と、一
方の金属箔に接続されると共に、電極軸の端部が封止部
に埋設されてバルブ内部に配設された陰極と、電極軸の
先端に電極軸より太径の電極部が形成されており、電極
部の背方にて電極軸を囲繞し且つ電極部に一体的に連続
する放熱部が設けられ、他方の金属箔に接続されると共
に、電極軸の端部が封止部に埋設されてバルブ内部に配
設された陽極と、バルブ内部に気密に封入された発光金
属を含む放電媒体とを具備していることを特徴とする。
したがって、請求項1記載の放電灯用電極構体と同様
に、多量の電子が陽極に衝突したとしても太径の電極部
の熱容量が大きく、また放熱部の存在により電極部から
の伝導熱が放熱されて電極部の過剰昇温が仰制される。
その結果、電極物質の蒸発が抑制されて放電灯の寿命が
改善される。また、封止部の過度の温度上昇が抑制され
るため、封止部の信頼性を向上させることができる。
【0016】請求項5記載の放電灯は、請求項4記載の
放電灯と同等の作用効果を奏する。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面に示す各実施例に基づき
説明する。図6は本発明にかかる電極構体(4)を装着
したメタルハライドランプ(A)を示し、同図の(1)
は石英や硬質ガラスなどにより形成された外径約14m
m程度の発光管である。発光管(1)の両端部には封止
部(2)が形成されており、これら封止部(2)にはそ
れぞれ厚さ約30ミクロン、幅3mmのモリブデンなど
の難融性金属からなる金属箔導体(3)が封着されてい
る。金属箔導体(3)には、タングステンよりなる電極
構体(4)がそれぞれ溶接されており、これら電極構体
(4)の先端の電極部(6a)は発光管(1)内で電極
間距離が約3mmなるように互いに対向するように配設
されている。図6の場合、両電極に同一構造の電極構体
を使用した場合を示すが、勿論これに限られず、直流点
灯用の放電灯においては陽極動作をする電極構体にのみ
に上記電極構体を使用することもできる。
【0018】この電極構体(4)は図6に示す通り、電
極軸(5)と、この電極軸(5)の先端に形成され、電
極軸(5)の径より大きな径を有する電極部(6a)
と、電極部(6a)の後方に電極部(6a)と一体的に
連続して形成される放熱部(12)とで形成されてい
る。電極部(6a)は略球形または水滴形状に凝固した
溶融部分(6)をそのまま電極部(6a)として使用し
たり、コーン状に或いは円錐状など必要な形状に研磨或
いは研削加工など機械加工して形成されている。
【0019】また、金属箔導体(3)には外部リード線
(7)が接続されている。上記発光管(1)の内部には
所定量の金属ハロゲン化物、例えばNaIとScI3等
の発光金属、緩衝金属としての水銀および始動用希ガス
として例えば5気圧程度のキセノンガスが封入されてい
る。さらに、発光管(1)の外面に、赤外線を反射し紫
外線を吸収する性質のような金属酸化物からなる皮膜
(8)が形成されている。
【0020】図1(a)〜(d)は本発明にかかる電極
構体(4)の製造方法の第1例を示す説明図であり、図
2(a)〜(d)はその変形例である。また、図4
(a)〜(d)はその第2例であり、図6(a)〜
(d)はその変形例である。
【0021】今、図1(a)〜(d)に示す第1例につ
いて説明する。全実施例を通じて第1例と共通する部分
の説明は原則として省略する。
【0022】第1例では、紬径のタングステン棒で形成
された電極軸(5)の先端部分(5a)を突出させて電
極軸(5)に被覆部材(10)を被せる。被覆部材(1
0)は細径のコイルである。コイルの断面は図の実施例
では円形であるか、勿論これに限られず矩形断面その他
異形のものでもよい。矩形断面の場合、断面円形のもの
と違って電極軸(5)と面接触するため熱伝導に優れ
る。被覆部材(10)であるコイルは1層巻でもよい
し、複数層に巻着してもよい。
【0023】このように被覆部材(10)を電極軸
(5)に巻着した後、電極軸(5)をプラス極に接続
し、先端部分(5a)に対向した放電電極(11)をマ
イナス極に接続し、これら電極(5)の先端と放電電極
(11)の間を窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガ
ス雰囲気を保って放電させる。この放電により電極軸
(5)の突出部分(5a)が溶融される。
【0024】この場合、先端部分(5a)を下に向けて
電極軸(5)を垂直に立てて溶融すると溶融部分(6)
は自動で水滴状に電極軸(5)に垂れ下がり、その表面
張力の作用により極めて正確な球形となる。なおこのと
き、被覆部材(10)の挿入位置を変えて先端部分(5
a)の長さを変えれば、溶融部分(6)の体積が変わる
ため、電極部の大きさを簡単に種々変えることが可能で
あり、球体の直径比で3倍程度範囲内で電極部の大きさ
を変えられることを確認している。さらには、先端部分
にタングステン塊などを予め加合させておき、これを溶
融させれば、さらに大きな電極部を作製することもでき
る。
【0025】また、先端の溶融中に電極柚(5)を10
〜30rpmの速度で回転させて、先端溶融部分(6)
の形状を整えてもよい。溶融は先端部分(5a)だけで
もよいし、被覆部材(10)の先端部分を含んでいても
よい。
【0026】また、電極軸(5)は垂直にして溶融する
のが好ましいが、別段溶融時の姿勢は限定されるもので
なく、水平或いは傾斜させてもよい。なお本発明によれ
ば、先端の背方に被覆部材があるため、溶融した先端が
電極軸の後方に移動することが阻止され、安定して球体
形状の電極部が得られやすい利点がある。なお、より好
ましくは溶融部分(8)の形状を整えるために電極軸
(5)を回転させることが望ましい。
【0027】溶融部分(6)は球塊状にて凝固したその
ままの状態で電極部(6a)として使用する事も出来る
が、必要があればその外周面を研磨或いは研削にてコー
ン状或いは円錐状にその他必要な形状に成形して電極部
(6a〉とする。さらには、モリブデン、セラミックま
たはカーボン等から成る成型用の型を押し当てて、溶融
部分の成型を行っても良く、このようにすれば、種々の
先端部形状を簡単に製作することができる。
【0028】ここで、電極部(6a)の後方に位置し溶
け残って電極部(6a)と一体的に連続する被覆部材
(10)が本発明の放熱部(12)を構成する事にな
る。
【0029】この場合、電極部(6a)が削り出しでな
く溶融にて形成されるので、電極(4)が小形であって
も簡単に製造することができる。なお、予め電極軸
(5)の先端部に被せておくものは、コイルに限らず、
筒体でもよく、これを図2(a)(b)(C)(d)に
示す。
【0030】この場合を簡単に説明すれば、被覆部材
(10)は筒体で、筒状被覆部材(10)にその先端部
(5a)が突出するように電極軸(5)を挿通し、前述
と同様電極軸(5)を回転させながら放電により突出部
分(5a)を溶融・成形し、必要かあれば、所定の形状
に機械加工を行う。
【0031】次に、本発明の放電灯用電極構体(4)の
製造方法の第2実施例を図3(a)(b)(C)(d)
にて簡単に説明する。この場合は電極軸(5)の先端部
分とコイル状の被覆部材(10)との先端部分が略一致
するようにして被せ(あるいは2点鎖線で示すように被
覆部材(10)の先端部分が電極軸(5)の先端より突
出するようにして被せ)、電極軸(5)を垂直に立てて
(更には回転させながら、或いは水平にして回転させな
がら)前述同様被覆部材(10)の先端部分と電極軸
(5)の先端部分(5a)とを加熱して溶融・一体化
し、この一体化した溶融部分(6b)にて電極軸(5)
より太径の電極部(6a)を形成し、被覆部材(10)
の後部の非溶融部分を放熱部(12)とする。
【0032】また、本実施例の内で、電極軸(5)は純
タングステンにより形成されており、電極軸(5)の先
端部(5a)が被覆部材(10)から突出している場合
には、この先端部(5a)が溶融するので、電極部(6
a)が純タングステンにて形成される事になるが、被覆
部材(10)が溶融する場合には、被覆部材(10)を
例えばトリウムを含むタングステン、すなわちトリアド
ープタングステンにより形成しておけば、電極部(6
a)もトリウムリッチのものが得られる。このように、
被覆部材(10)を電極軸(5)と事なる材質のものを
使用して、電極部(6a)に好ましい性質を付与する事
ができる。以上により、放熱部(12)を有する電極
(4)を安価且つ簡単に製造する事ができる。
【0033】図5は前述と違い電極軸(5)に異種金属
の突き合わせ溶接したものを使用する場合で、先端部分
(5a)側がタングステンであり、軸側が2400℃以
上の高融点金属でタングステンに類似する化学的性質を
有する第6周期元素(例えば、タンタル、オスミウム、
イリジウムなど)で、両者を突き合わせ溶接して1本の
電極軸(5)とし、この先端部分(5)に被覆部材(1
0)を巻着して電極構体(4)を形成した例である。電
極軸側を耐ハロゲン性に優れたレニウムで形成すると、
点灯中の電極軸の損耗が減少する効果がある。
【0034】次に、上記電極構体(4)を使用した場合
の作用について説明する。ランプ(A)を点灯すると始
動時等においてにランプ始動電流の大きな電流が流れ、
それに伴い陽極動作をしている電極部には、多量の電子
が衝突して電極部(6a)が加熱される。ここで電極部
(6a)の熱容量が大きいこと、そして電極端部(6
a)に連続して一体的に形成された放熱部(12)によ
って電極部(6a)の熱が放散されるため、電極部(6
a)の過剰昇温が抑制される。したがって、電極物質の
蒸発が抑制されることになり、電極の細りによる電極の
短命化や、電極物質の管壁付着による黒化などを防止す
ることができ、ランプ(A)の長寿命化が実現されるこ
とになる。
【0035】本発明者らは、従来技術に係る図7及び図
8に示す電極構体と上記実施例に示した電極構体を多数
製作し、それらを放電灯に組み込んで電極構体の温度を
測定したところ、次のとおりの実験結果を得た。なお、
図7に示すものは、電極先端部の熱容量を大きくするた
めに、削り出しにより電極軸の先端に電極作用を行う太
径部を形成したもので、図8に示すものは、棒状の電極
軸の途中に放熱のためにコイルを巻回させたものであ
る。ここで、このものは、コイルから突出している電極
軸の先端部分が電極作用を行う。
【0036】 (実験結果) 実施例の電極構体 電極部先端 2480度 放熱部終端 1650度 図7に示す電極構体 電極部先端(A点)2750度 太径部終端(C点)16 60度 図8に示す電極構体 電極部先端(A点)2450度 コイル終端(C点)18 20度 上記結果から理解できるように、本実施例の電極構体お
よび図8に示す電極構体のものは、終端の過度の温度上
昇が効果的に抑制されている。しかしながら、図7に示
す電極構体の場合、電極部先端の温度が高く、早期に電
極飛散が発生した。なお、図8に示す電極構体の場合
は、電極部先端温度が適度に維持されており、早期の黒
化は発生しなかったが、太径部終端の温度低下が少ない
ため、封止部温度を抑制することができなかった。また
コイルが放電空間(両電極部に挟まれる空間)に露出す
るように電極軸に取着され、また電極部(電極軸先端)
とコイルとが近接しているため、放電のアークスポット
がコイルにまで移動してしまいアークが不安定となる現
象が見られた。これに対して、本実施例の電極構体のも
のは、太径の電極部の背方に放熱部が設けられており、
その放熱部は放電空間に露出しないため、アークは安定
して生起することを確認している。
【0037】なお、電極部(6a)をトリア等の電子放
射性金属を添加させたトリアドープタングステンにより
形成した場合には、アークスポツトが確実に電極部(6
a)に発生し、より一層安定な点灯を確保する事ができ
る。
【0038】なお、各実施例に示す発光管(1)には外
面に赤外線を反射し紫外線を吸収するなどの金属酸化物
からなる皮膜(8)を形成する事もでき、この場合には
ランプ効率の向上および紫外線遮断効果がある。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、電
極軸の先端部に被せた被覆部材からの突出部分或いは被
覆部材の先端部分共々加熱溶融させることにより、電極
部の背部に電極部と一体且つ連続した放熱部を有した電
極構体を安価に形成する事ができる。また、その電極構
体を用いた放電灯によれば、不安定な放電を誘発させる
ことなく放電灯の早期黒化や封止部の温度上昇を抑制で
きるため、放電灯の寿命を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)(d)は本発明の第1実施
例の製造工程を示し、(a)は電極軸に被覆部材を取着
した場合の断面図、(b)は電極軸の先端部分を溶融す
る場合の断面図、(c)は電極軸に溶融部分を機械加工
した場合の断面図、(b)は本発明の電極構体の完成正
面図である。
【図2】(a)(b)(c)(d)は本発明の第1実施
例の製造工程の変形例を示し、(a)は電極軸に被覆部
材を取着した場合の断面図、(b)は電極軸の先端部分
を溶融する場合の断面図、(c)は電極軸に溶融部分を
機械加工した場合の断面図、(d)は本発明の電極構体
の完成正面図である。
【図3】(a)(b)(c)(d)は本発明の第2実施
例の製造工程を示し、(a)は電極軸に被覆部材を取着
した場合の断面図、(b)は電極軸の先端部分を溶融す
る場合の断面図、(c)は電極軸に溶融部分を機械加工
した場合の断面図、(d)は本発明の電極構体の完成正
面図である。
【図4】(a)(b)(c)(d)は本発明の第2実施
例の変形例を示し、(a)は電極軸に被覆部材を取着し
た場合の断面図、(b)は電極軸の先端部分を溶融する
場合の断面図、(c)は電極軸に溶融部分を機械加工し
た場合の断面図、(d)は本発明の電極構体の完成正面
図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)は本発明の第1実施
例の製造工程において電極軸に異種金属を接合したもの
を使用した例を示し、(a)は電極軸に被覆部材を取着
した場合の断面図、(b)は電極軸の先端部分を溶融す
る場合の断面図、(c)は電極軸に溶融部分を機械加工
した場合の断面図、(d)は本発明の電極構体の完成正
面図である。
【図6】本発明の放電灯の一実施例を示すメタルハライ
ドランプの断面図である。
【図7】従来の電極構体の形状を示す図面。
【図8】従来の他の電極構体の形状を示す図面。
【符号の説明】 (A)…メタルハライドランブ (1)…発光管 (2)…封止部 (3)…金属箔 (4)…電極構体 (5)…電極軸 (6)…溶融部分 (6a)…電極部 (12)…放熱部 (10)…被覆部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 以知郎 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 岩藤 泰博 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 川島 弘道 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極軸の先端に電極軸より太径の電極部が
    形成されており、電極部の背方にて電極軸を囲繞し且つ
    電極部に一体的に連続する放熱部が設けられていること
    を特徴とする放電灯用電極構体。
  2. 【請求項2】電極軸の先端部分を突出させて電極軸に被
    覆部材を被せ、被覆部材から突出している電極軸の突出
    部分を加熱して溶融し、この溶融部分にて電極軸より太
    径の電極部を形成し、電極部の背方に位置し且つ被覆部
    材の電極部に一体的に連続する部分を放熱部とすること
    を特徴とする放電灯用電極構体の製造方法。
  3. 【請求項3】電極軸の先端部分に被覆部材を被せ、被覆
    部材の先端部分と電極軸の先端部分とを加熱溶融して一
    体化し、この一体化部分にて電極軸より太径の電極部を
    形成し、電極部の背方に位置する被覆部材の非溶融部分
    を放熱部とすることを特徴とする放電灯用電極構体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】両端に封止部を有するバルブと、 封止部に各々封着された金属箔と、 一方の金属箔に接続されると共に、電極軸の端部が封止
    部に埋設されてバルブ内部に配設された陰極と、 電極軸の先端に電極軸より太径の電極部が形成されてお
    り、電極部の背方にて電極軸を囲繞し且つ電極部に一体
    的に連続する放熱部が設けられ、他方の金属箔に接続さ
    れると共に、電極軸の端部が封止部に埋設されてバルブ
    内部に配設された陽極と、 バルブ内部に気密に封入された発光金属を含む放電媒体
    と、 を具備していることを特徴とする放電灯。
  5. 【請求項5】陽極に設けられた放熱部はコイル形状をな
    していることを特徴とする請求項4記載の放電灯。
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