JP3975931B2 - ショートアーク型超高圧水銀ランプ - Google Patents

ショートアーク型超高圧水銀ランプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はショートアーク型超高圧水銀ランプに関する。特に、発光管内に0.15mg/mm以上の水銀が封入され点灯時の水銀蒸気圧が110気圧以上となる超高圧水銀ランプを光源とした液晶ディスプレイ装置やDMD(デジタルミラーデバイス)を使ったDLP(デジタルライトプロセッサ)などのプロジェクター装置に使われる光源用放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
投射型プロジェクター装置は、矩形状のスクリーンに対して、均一にしかも十分な演色性をもって画像を照明させることが要求され、このため、光源としては、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われている。また、このようなメタルハライドランプも、最近では、より一層の小型化、点光源化が進められ、また電極間距離の極めて小さいものが実用化されている。
【0003】
このような背景のもと、最近では、メタルハライドランプに代わって、今までにない高い水銀蒸気圧、例えば150気圧、を持つランプが提案されている。これは、水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの広がりを抑える(絞り込む)とともに、より一層の光出力の向上を図るというものである。
このような超高圧放電ランプは、例えば、特開平2−148561号、特開平6−52830号に開示されている。
【0004】
上記ランプは、例えば、石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した超高圧水銀ランプが使われる。ハロゲンを封入する主目的は発光管の失透防止であるが、これにより、いわゆるハロゲンサイクルも生じる。
【0005】
ところで、上記超高圧水銀ランプ(以下、単に放電ランプともいう)は、点灯時間の経過とともに電極先端に突起が生成するという現象が起こる。この現象は必ずしも明らかではないが以下のように推測できる。
すなわち、ランプ点灯中に電極先端付近の高温部から蒸発したタングステンは発光管に存在するハロゲンや残留酸素と結合して、例えばハロゲンとして臭素(Br)が封入される場合は、WBr、WBr2、WO、WO2、WO2Br、WO2Br2などのタングステン化合物として存在する。これら化合物は電極先端付近の起相中の高温部においては分解してタングステン原子または陽イオンとなる。そして、温度拡散(気相中の高温部=アーク中心から、低温部=電極先端近傍に向かうタングステン原子の拡散)および、アーク中でタングステン原子が電離して陽イオンになり、陰極動作しているときに電解によって陰極方向に引き寄せられる(ドリフト)ことによって、電極先端付近における気相中のタングステン蒸気密度が高くなり、電極先端に析出して突起を形成するものと考えられる。
上記突起に関する内容は、例えば、特開2001−312997号に開示される。
【0006】
図7に電極先端と突起を模式化したものを示す。一対の電極1はそれぞれ球部1aと軸部1bから構成され、球部1aの先端に突起2が形成している。なお、ランプ点灯開始時に突起が存在しない場合、その後の点灯により、図示するように突起2が生成して、この突起2によってアーク放電Aが生じている。
【0007】
しかしながら、上記突起の発生成長にはいくつかの問題を有する。
第一に、ランプ電圧の変動である。上記突起はランプ製造時には存在しておらず、その後の点灯に伴い生成、成長するものである。突起の形成は、ランプの種類などにもよるが、例えば80〜100分の経過により概ね終了する。すなわち、当該突起が形成されて一応落ち着くまでの期間は、点灯時間とともに電極間距離が短くなり、放電ランプの点灯電圧も低下することになる。
第二に、光利用効率の低下である。上記突起は電極軸上に生じるとは限らない。例えば、(a)のように電極軸Lに沿って形成されるならば問題はないが、(b)のように電極軸Lから外れて形成することもある。この場合、アーク位置も電極軸Lから外れることになり、点光源として設計された光学系において、光の利用効率が低下するという大きな問題を生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、電極先端に発生する突起が引き起こす上記問題を解決できる超高圧水銀ランプを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係るショートアーク型超高圧水銀ランプの製造方法は、石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した構造においいて、前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、軸部と、この軸部に巻き付けられた糸状タングステンを溶融させることで形成された太径部と、この軸部に巻き付けられた糸状タングステンを溶融させることで太径部より先端に形成された縮径部と、前記糸状タングステンを前記軸部の先端から離れた位置に巻き付けることで当該軸部の先端が前記太径部および前記縮径部を貫通する形で前記縮径部より先端に突出するように形成された突起部とよりなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のショートアーク型超高圧水銀ランプ(以下、単に「放電ランプ」ともいう)の全体構成を示す。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された概略球形の発光部11を有し、この発光部11には、一対の電極1が互いに対向して配置する。また、発光部11の両端部から伸びるよう封止部12が形成され、これらの封止部12内には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。一対の電極1は軸部が、金属箔13に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔13の他端には、外部に突出する外部リード14が溶接されている。
【0013】
発光部2には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入され、点灯始動性を改善するためのものである。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、10−6〜10−2μmol/mmの範囲から選択される。その機能はハロゲンサイクルを利用した長寿命化も存在するが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、このようなハロゲンを封入することが放電容器の失透防止を主目的としている。
【0014】
放電ランプの数値例を示すと、例えば、発光部の最大外径9.5mm、電極間距離1.5mm、発光管内容積75mm、定格電圧80V、定格電力150Wであり、交流点灯される。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクター装置に内蔵されるものであり、装置の全体寸法が極めて小型化される一方で高い光量が要求されることから、発光管部内の熱的影響は極めて厳しいものとなり、ランプの管壁負荷値は0.8〜2.0W/mm2、具体的には1.5W/mm2となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することがプロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器に搭載された場合に、演色性の良い放射光を提供することができる。
【0015】
図2は電極1の拡大図を示す。(a)は一対の電極1を示し、(b)は一対の電極とその間に形成されたアークAを表す。
電極1は、突起部2、縮径部3、大径部4と軸部1bから構成され、図7における球部1aが縮径部3、大径部4に相当している。
突起部2は、軸部1bの先端によって形成されており、軸部1bの外径に等しいか、あるいは溶融により若干大きいあるいは小さい値を有する。すなわち、本発明においては、突起部2は放電ランプの点灯によって発生成長するものではなく、軸部1bの先端面によってもともと形成されることを特徴としている。
大径部4は、例えば糸状のタングステンをコイル状に巻き付けたものであって、点灯始動時においては表面の凹凸効果により始動の種(始動開始位置)として機能するとともに、点灯後においては表面の凹凸効果と熱容量により放熱の機能を有している。また、コイルは細線のため加熱されやすく、グロー放電からアーク放電への移行を容易にする働きがある。
縮径部3は、大径部4と先端突起部2の間に位置する部分であって、後述するがタングステンを溶融して形成される。
【0016】
図3は電極1の製造方法を説明するための概略図である。
(a)は電極ができ上がる前の状態を表すもので、タングステンなどからなる軸部1bに対して、糸状のコイル4’が巻き付けられる。コイル4’は、例えばタングステンからなり、軸部1bに対して、例えば2層に巻き付けられている。
数値例をあげると、軸部1bの長さは5.0〜10.0mmの範囲であって、例えば7.0mm、軸部1bの外径はΦ0.2〜0.6mmの範囲であって、例えば0.4mmである。また、コイル4’の位置は軸部1bの先端から0.4〜0.6mmの範囲であって、例えば0.5mm離れた位置から巻きつけられ、軸方向に1.5〜3.0mmの範囲であって、例えば1.75mmの長さで巻きつけられている。
また、コイル4’の線径はΦ0.1〜0.3の範囲であって、例えば、0.25mmである。上記のように軸部1bに2層で巻きつけることで、後述するようにテーパ形状が作りやすくなる。このようなコイル4’の線径や層数は、放電ランプの仕様と後述するレーザ光のビーム径に対応して適宜設定できる。
【0017】
(b)はコイル4’にレーザ光を照射する状態を表している。レーザ光は、例えばYAGレーザなどの放射光であって、軸部1bの先端に一番近いコイル4’を照射する。その後は、必要に応じて、照射位置を後端にずらして全体を照射する。
ビーム径の小さいレーザ光をコイル4’の所定の位置に確実に照射させることにより、軸部1bに巻きつけたコイル4’を思いどおりに溶融させることができ、これにより、電極形状を設計どおりにすることができる。
なお、レーザ光はコイル4’に垂直に照射してもよいし、図示のように斜めから照射してもよく、さらに、両方から照射してもよい。
また、上記レーザ光の照射は、(d)に示すように4方向から1方向ずつ冷却、固化させて照射するのが望ましい。4方向から同時に加熱すると先端まで熱が及んで突起部分は溶けてなくなる可能性があるが、このような問題がなければ同時加熱してもかまわない。このように4方向から照射することで軸対称にバランスのよく形状を作ることができるからである。ただし、バランスのよい形状を作るためには4方向の軸長手方向における照射位置は、各方向で微調整をする場合がある。なお、(d)は(b)の先端から眺めた図を示す。
このようなレーザ光の照射は、電極が酸化しないためにアルゴンガスなどの雰囲気で行うことが好ましい。
また、レーザ光の照射の4方向からの照射に限定されず、1方向だけでもよいことはもちろん、2方向、3方向、5方向、その他多方向からの照射も可能である。
レーザ光のビーム径は、電極軸の径程度であることが望ましく、数値例をあげるとΦ0.2〜0.7mmであって、例えばΦ0.6mm、また、照射時間は0.2〜1.0秒であって、例えば0.35秒である。また、レーザ照射は連続的に照射することもできるがパルス的に照射させることもできる。この場合のパルス照射とは短時間(m秒レベル)の照射と休止を繰り返す照射であって、通常は連続的な照射よりも効果的である。
【0018】
(c)は上記レーザ光の照射により、縮径部3が形成された状態を示す。縮径部3及び大径部4は表面が溶融して滑らかなものとなっている。なお、縮径部3、大径部4は内部まで溶融する必要はなく、少なくとも表面を溶融させることで所望の形状を作ることができる。
数値例をあげると、突起部の外径はΦ0.15〜0.6mmであって、例えばΦ0.3mm、軸方向の長さは0.1〜0.4mmであって、例えば0.25mmである。縮径部の先端径はΦ0.15〜0.6mmであって、例えば0.3mm、後端径はφ1.0〜2.0mmであって、例えば1.4mmであり、軸方向の長さは0.7〜1.5mmであって、例えば1.0mmである。太径部の外径は縮径部の最大外径にほぼ等しく、軸方向の長さは0.7〜2.0mmであって、例えば1.0mmである。
【0019】
本発明に係る放電ランプの電極構造は、軸部に巻きつけたコイルをレーザ光により照射させて、突起部を設けた電極に溶融成形することを特徴としている。そして、レーザ光の照射によって、寸法の小さい突起部を残したまま、かつ電極形状を設計どおりに製造することができる。
なお、レーザ光の照射によりタングステンを溶融させることで、縮径部表面にはうねり31が形成させる。これは、レーザ光を3〜4方向から1方向ずつ冷却、固化のために間欠的に加熱して成形する場合に生じ、短時間の加熱で成型するために熱影響が微小領域に限られるためである。
【0020】
なお、レーザ光の照射に変えて、電子ビームの照射することもできる。電子ビームもレーザ光同様にビーム径を小さくできるため、本発明のような微小なタンスグテンを溶融することに適している。
電子ビームについては、例えば、特開2001−59900号、特開2001−174596号に開示する電子ビーム装置が小型という点で望ましい。
なお、レーザ光や電子ビームに代えて、従来のTIG溶接による電極の製造は、電極径が例えばΦ1mm以下と小さい場合に製造上困難となる。TIG溶接は、コイル4’全体を溶接時に電極(陽極)として放電させることから、突起部や所望の電極形状の形成をするための細かい溶融制御ができないからである。なお、電極の寸法が大きい場合などにおいて、所望の突起部と電極形状を作ることさえできれば、レーザ光や電子ビームの照射に限定されず、従来のTIG溶接も可能である。
【0021】
このように、本発明に係る放電ランプの電極構造は、軸部を利用して突起が形成されることを特徴とする。
特に、突起は、従来例のように放電ランプの点灯に伴い自然現象によって生成されるものではなく、製造段階において予め形成することを特徴としており、これにより、点灯開始初期から突起部において確実にアーク放電を生成でき、ランプ電圧をほぼ一定値に維持することができる。すなわち、従来のように突起が生成されるまでにランプ電圧が大きく低下したり、また、アーク位置も不所望に発生して光の利用効率が低下するという問題を解消できる。
【0022】
ここで、本発明の放電ランプは、電極間距離が2mm以下であって、発光部に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した超高圧水銀ランプが前提となっている。なぜなら、上記構成を具備する放電ランプであるからこそ、ランプの点灯に伴い電極先端に突起が形成されるからである。
従って、上記構成を具備していない放電ランプであって、使用用途などが全く異なる放電ランプにおいては、予め突起のごとくものを形成させた放電ランプはもしかしたら存在するかもしれない。しかしながら、そのような放電ランプは、もともと突起の生成、成長という技術課題が存在しないものであるから、このような先行技術は本発明と全く次元を異にするものといえる。
繰り返しになるが、本発明は、ランプ点灯に伴い突起が生成、成長される条件を具備した放電ランプにおいて、もっとも突起の生成、成長を低減できる構造と、突起の存在により生じるさまざまな課題を解決するものである。
【0023】
ここで、従来技術で紹介した特開2001−312997号などに開示される突起成長は個々の放電ランプの特性や点灯条件などランプ毎に定まる条件に基いて、突起がゼロの状態から自然現象的に生じることを特徴とするものであり、一方、本発明の放電ランプは、予め分かっている点灯仕様条件や放電ランプの特性(電極間距離や封入ガス量など)から突起大きさを見積もり、軸部の先端を利用して人工的製造するものである点で両者は技術内容が大きく異なる。
【0024】
次に、図4により電極の全体概略形状について説明する。
(a)は縮径部が先端の突起部に向けて半円球形状の場合を示し、(b)は縮径部が先端の突起部に向けて直線的に縮径するテーパ形状を示し、(c)は縮径部が先端の突起部に向けてテーパよりは内側に窪んだ曲線的な形状を示し、(d)は縮径部が先端の突起部に向けて砲弾形状に縮径する形状を示す。
なお、縮径部は大径部から突起部に向けて溶融形成により縮径されるものであれば、上記構造に限定されるものではなく、他の形態を採用することも可能である。なお、いずれの形態のおいても突起部は電極軸部の先端部分によって形成している。
このような形状は前記したレーザ光の照射により精度良く作ることができる。
【0025】
図5は図4(d)に示した砲弾形状の電極に関する説明用図面である。
(a)(b)は縮径部の最大外径値D1と、突起部の先端からの距離L1を規定するものである。
(a)において、縮径部の最大外径値D1と突起部先端から縮径部の最大外径までの軸方向の距離L1との比率L1/D1は、0.5〜1.5であることを特徴としており、より好ましくは、0.8〜1.2であることを特徴とする。
【0026】
(b)において、突起先端から軸方向の距離0.5における縮径部あるいは大径部の外径値D2は0.5〜1.0となる。
【0027】
(c)において、突起部と縮径部の境界にはR部分が形成されてフィレット形状となる。これは突起部が軸部を基準に作られたものであり、縮径部がコイル4’を溶融することで形成された製造工程から導かれる構造上の特徴といえる。なお、突起部と縮径部の境界とは、両者の接続部分であって、大径部を溶融させて軸部と一体化するときに形成される部分を意味する。
【0028】
このような数値規定により縮径部表面はアークからの輻射熱を受けにくい形状となる。具体的には、電極の先端面はアークからの輻射熱を強く受けるため電極先端面において溶融蒸発を生じる。このような電極構成材料の溶融蒸発は、電極の形状を不安定にさせるばかりか、蒸発物が発光管内面を汚すなどの問題を引き起こす。また、電極構成材料であるタングステンの蒸発により発光部内部に浮遊するタングステン量を増加させることから突起部の成長を助長させることにもなりかねない。本発明は上記数値規定、特に、L1/D1は、0.8〜1.2とすることで全体形状を砲弾型にすることができ、これにより、アークからの輻射熱を受ける量を少なくして、電極表面が溶融蒸発を防止できる。
なお、前記したように、このような電極形状の細かい形成が可能な理由はレーザ光照射による溶融形成をしているからである。
【0029】
放電ランプについて数値例をあげると以下のようになる。
発光部外径は、Φ8〜Φ12mmの範囲であって、例えば、10.0mm、発光部内容積は、50〜120mmの範囲であって、例えば、65mm、電極間距離は0.7〜2mmの範囲であって、例えば、1.0mmである。
また、放電ランプは定格200W、矩形波150Hzで点灯する。
【0030】
図6は放電ランプ10とこの放電ランプ10を取り囲む凹面反射鏡20、さらにこの組み合わせ(以下、放電ランプ10と凹面反射鏡20の組み合わせを光源装置と称する)をプロジェクター装置30に組み込んだ状態を示す。プロジェクター装置30は、現実には、複雑な光学部品や電気部品などが密集するものであるが、図においては説明の便宜上簡略化して表現している。
放電ランプ10は凹面反射鏡20の頂部開口を通して保持される。放電ランプ10の一方の端子T1と他方の端子T2に不図示の給電装置が接続される。凹面反射鏡20は楕円反射鏡や放物面鏡が採用され、反射面には所定の波長の光を反射する蒸着膜が施される。
凹面反射鏡20の焦点位置は、放電ランプ10のアーク位置に設計されており、アーク起点の光を効率よく反射鏡によって取り出すことができる。
なお、凹面反射鏡20には前面開口を塞ぐ光透過性ガラスを装着することもできる。
【0031】
なお、以上説明した電極構造は、放電ランプの両電極に採用することが望ましい。しかしながら、いずれか一方の電極にのみ採用することもできる。
また、上記説明は交流点灯型の超高圧水銀ランプについて説明したが、直流点灯型の超高圧水銀ランプについて適用することもできる。
【0032】
以上、説明したように本発明に係る放電ランプの電極構造は、軸部の先端によって突起が形成されていることを特徴とする。
この構造により、点灯開始初期から突起部において確実にアーク放電を生成でき、ランプ電圧をほぼ一定値に維持することができる。また、アークも所定の位置に形成することができ、光学系との関係で光の利用効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超高圧水銀ランプを示す。
【図2】 本発明に係る超高圧水銀ランプの電極の構造を示す。
【図3】 本発明に係る超高圧水銀ランプの電極の構造を示す。
【図4】 本発明に係る超高圧水銀ランプの電極の構造を示す。
【図5】 本発明に係る超高圧水銀ランプの電極の構造を示す。
【図6】 本発明に係る超高圧水銀ランプを使った光源装置を示す。
【図7】 従来の超高圧水銀ランプの電極の構造を示す。
【符号の説明】
1 電極
10 放電ランプ
11 発光部
12 封止部

Claims (1)

  1. 石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したショートアーク型超高圧水銀ランプの製造方法において、
    前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、軸部と、太径部と、縮径部と、突起部よりなり、
    当該電極は、
    まず、糸状タングステンを軸部の先端から離れた位置に巻き付けて、
    この糸状タングステンを溶融させることで太径部、および、縮径部を形成させて、
    さらに、軸部の先端が前記縮径部より先端に突出することで突起部が形成される、
    ことを特徴とするショートアーク型超高圧水銀ランプ製造方法
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