JP4830638B2 - 高圧放電ランプ - Google Patents

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本発明は、発光管内に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンが封入され、点灯時には水銀蒸気圧が110気圧以上となる高圧放電ランプに関する。特に、液晶ディスプレイ装置やDMD(デジタルミラーデバイス)を使ったDLP(デジタルライトプロセッサ)などのプロジェクタ装置に使われる高圧放電ランプに関する。
プロジェクタ装置では、矩形状のスクリーンに対して、均一にしかも十分な演色性を持って画像を照明することが要求される。このため、光源としては、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われている。また、このようなメタルハライドランプも、最近ではより一層の小型化、点光源化が進められている。その電極間距離は極めて小さく、ランプ点灯中の動作圧力が極めて高いものが実用化されている。
このような背景のもと、メタルハライドランプに代わって、これまで以上に高い水銀蒸気圧で点灯する、例えば150気圧で点灯する高圧放電ランプが提案されている。これは水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの拡がりを抑え、より一層の光出力の向上を図るというものである。このような高圧放電ランプは例えば、特開平2−148561号、特開平6−52830号に開示されている。
図6(a)は、高圧放電ランプ10の構成を示す説明用断面図、図6(b)は、高圧放電ランプ10の電極1の構成を示す拡大図である。
高圧放電ランプ10は、例えば、石英ガラスからなる発光管11に一対の電極1を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したものである。ハロゲンを封入する主な目的は発光管の黒化・失透防止であるが、これにより、いわゆるハロゲンサイクルも生じる。
高圧放電ランプ10は、点灯時間の経過とともに電極1の形状が変形することや、電極先端に突起部2を生成する現象が起こる。この現象は必ずしも明らかではないが以下のように推測できる。
高圧放電ランプ10の点灯中に電極先端付近の高温部から蒸発したタングステンは、発光管11の内部に存在するハロゲンや残留酸素と結合し、例えばハロゲンとして臭素(Br)が封入される場合では、WBr、WBr、WO、WO、WOBr、WOBrなどのタングステン化合物として存在する。これらの化合物は電極先端付近の気相中の高温部において分解されて、タングステン原子または陽イオンとなる。そして、温度拡散(気相中の高温部=アーク中心から、低温部=電極先端近傍に向かうタングステン原子の拡散)し、濃度拡散し、さらに、アーク中でタングステン原子が電離して陽イオンとなる。電極1が陰極動作しているときに、電離して陽イオンとなったタングステン原子が陰極方向に引き寄せられ、電極先端付近における気相中のタングステン蒸気密度が高くなり、電極先端にタングステンが析出して、電極先端が変形し、突起部2を生成するものと考えられる。
上記の突起部2に関する内容は、たとえば、特開2001−312997号に開示されている。
このような突起部2は、高圧放電ランプ10の点灯に伴う物理現象により形成されるので、必ずしも理想的な形態を維持するとはいえない。タングステンはアークに近接した部位に析出する傾向があり、主に突起部2に隣接した大径部4の先端部分に析出するが、大径部4は突起部2に比べて熱容量が大きいので、析出したタングステンが溶融状態になりにくい。そのため、大径部4に析出するタングステンは突起部2に輸送されず、大径部4の突起部2との際に析出されたままとなる。そうなると電極先端の突起部2は変形し、消滅することや、位置移動することがある。突起部2の形状が変形すると、放電の起点が不安定となるので、放電アークの形状が乱れる。このように、突起部2の形状変形が激しくなるとアーク放電が不安定となるので、プロジェクタ装置の光源としての機能を満足できなくなる。
特開平2−148561号公報 特開平6−52830号公報 特開2001−312997号公報
本発明は、突起部の形状を維持し、安定なアーク放電を形成し、チラツキを抑制することができる高圧放電ランプを提供することを目的とする。
本発明は、石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、
前記電極は大径部と軸部より構成され、少なくとも一方の電極は、大径部にコイル部が設けられ、大径部の軸方向先端中央部に該大径部より寸法が小さい突出部が形成され、前記突出部の軸方向先端中央部に該突出部より寸法が小さい突起部が形成されることを特徴とする。
また、本願第2の発明は、前記電極の大径部の軸方向長さをLとし、大径部の直径をDとするとき、L/D≧1.5が成り立つことを特徴とする。
また、本願第3の発明は、前記電極の大径部の直径をDとし、前記突出部の直径をDとし、前記突出部の体積をVとし、前記突起部の体積をVとするとき、0.3≦D/D≦0.58 かつ 1.5≦V/V<10が成り立つことを特徴とする。
本発明に係る高圧放電ランプによれば、大径部の軸方向先端中央部に該大径部より寸法が小さい突出部が形成され、前記突出部の軸方向先端中央部に該突出部より寸法が小さい突起部が形成されることによって、突出部が、高圧放電ランプの点灯中に、突起部を安定して形成するためのタングステン供給源になると共に、突起部から蒸発されたタングステンを析出させるので、突起部の形状を安定して維持することができる。また、形状が維持された突起部の先端から放電が形成されるアークも、位置がずれることがなく、安定したアーク放電を形成し、チラツキを抑制することができる。

以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の高圧放電ランプの構成を示す説明用断面図である。
高圧放電ランプ10は、石英ガラスよりなる概略球形の発光管11を有し、この発光管11に、一対の電極1を互いに対向して配置する。また、発光管11の両端部から伸びるよう封止部12が形成され、これらの封止部12内には、通常モリブデンよりなる導電用の金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。一対の電極1は、軸部6が金属箔13に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔13の他端には、外部に突出する外部リード14が溶接されている。
発光管11には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm以上封入される。この水銀封入量は温度条件によっても異なるが、点灯時に発光管11の内圧が150気圧以上の極めて高い蒸気圧となるように製作される。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧が200気圧以上または300気圧以上となる高圧放電ランプ10を製作することができ、この水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、点灯始動性を改善するために用いられ、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入される。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲から選択される。ハロゲンを封入することによって、ハロゲンサイクルが発生し、高圧放電ランプ10の寿命を長くすることができる。また、本発明の高圧放電ランプ10のように極めて小型で高い内圧を有するものでは、ハロゲンを封入することによって、発光管11の黒化・失透を防止する効果がある。
高圧放電ランプ10の数値例を示すと、例えば、発光管11の最大外径11.3mm、電極間距離1.1mm、発光管11の内容積115mm、定格電圧82V、定格電力250Wであり、交流点灯される。
また、この種の高圧放電ランプ10は、プロジェクタ装置に内蔵されるものであり、装置の小型化に伴い、高圧放電ランプ10も小型化することが求められている。また、高圧放電ランプ10の光量も要求されるので、印加電力も高く、発光管内部の熱的影響は極めて厳しいものとなる。高圧放電ランプ10の管壁負荷値(発光管の内表面の単位面積当たりの印加電力)は0.8〜3.0W/mm2、具体的には2.5W/mm2となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有する高圧放電ランプ10は、プロジェクタ装置やオーバーヘッドプロジェクタのようなプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性の良い放射光を提供することができる。
図2は、本発明の高圧放電ランプ10の電極1の構成を示す拡大図である。
図2に示すように、電極1は、大径部4および軸部6より構成される。大径部4は、軸部6より径が大きく、軸部6の先端に接続され、胴部41にコイル部5が設けられる。また、大径部4の軸方向先端中央部にお椀状の突出部3が形成される。さらに、突出部3の軸方向先端中央部にお椀状の突起部2が形成される。突起部2および突出部3は、大径部4の軸方向先端に電極製造時に形成されている。すなわち、突起部2および突出部3は、高圧放電ランプ10を点灯することによって発生させて成長させるものではなく、大径部4の先端面に電極製造時に形成されており、高圧放電ランプ10を点灯させるエージング工程の前に形成される。
大径部4は、タングステンよりなる、円筒状のものであり、例えば、切削加工することや、注型成形することによって形成される。この大径部4は塊状であることにより、熱容量を大きくすることができる。高圧放電ランプ10では、発光管11の内部は、熱的条件が極めて厳しいものとなるので、熱容量を確保することが重要である。
コイル部5は、糸状のタングステンよりなるものであり、例えば、大径部4にコイル状のタングステンを巻回し、端部51を、例えばかしめなどによって固定することにより形成される。コイル部5を設けることによって、大径部4の外表面に凹凸を設けることができる。これより、コイル部5は、点灯始動時の放電始動を誘導し、放電始動開始位置となる。また、コイル部5は細線のため加熱されやすく、グロー放電からアーク放電への移行を容易にする働きがある。
突出部3は、タングステンよりなる、お椀状のものであり、点灯に伴う物理現象により生成されるのではなく、大径部4の軸方向先端に製造段階で形成される。例えば、大径部4の先端を切削加工し、寸法の小さな突出部3が形成されることや、大径部4と突出部3とが連接した形状の型を用意し、注型成形することなどが挙げられる。
突出部3は、高圧放電ランプ10の点灯中、その表面の一部が溶融状態になり、突起部2にタングステンを輸送させると共に、突起部2から蒸発したタングステンを析出させる。
また、突起部2は、タングステンよりなる、お椀状のものであり、点灯に伴う物理現象により生成されるのではなく、突出部3の軸方向先端に製造段階で形成される。例えば、突出部3の先端を切削加工し、寸法の小さな突起部2が形成されることや、大径部4と突出部3と突起部2が連接した形状の型を用意し、注型成形することなどが挙げられる。
突起部2は、高圧放電ランプ10の点灯中、アークの起点となり、アークを安定して保持する役割を有する。しかし、アークに接していることから点灯中はそのほとんどが溶融状態となり、その一部は蒸発する。
このように、大径部の軸方向先端中央部にお椀状の突出部3が形成され、前記突出部3の軸方向先端中央部にお椀状の突起部2が形成されることによって、突出部3が、高圧放電ランプ10の点灯中に、突起部2を安定して形成するためのタングステン供給源になると共に、突起部2から蒸発されたタングステンを析出させるので、突起部2の形状を安定して維持することができる。また、形状が維持された突起部2の先端から放電が形成されるアークも、位置がずれることがなく、安定したアーク放電を形成し、チラツキを抑制することができる。
なお、従来のように、突起部2および突出部3を高圧放電ランプ10の点灯に伴う物理現象により生成・成長させて形成されると、突起部2および突出部3の寸法のバラツキが大きくなる。それに伴い、突起部2からのタングステンの蒸発と、突出部3から突起部2へのタングステンの輸送とのバランスが崩れ、電極先端の突起部2が変形し、消滅することや、位置移動することがある。また、突起部2が設計値以上に成長すると、電極間距離が短くなり、高圧放電ランプ10の点灯が暗くなる。突起部2の形状が変形すると、放電の起点が不安定となるので、放電アークの形状が乱れる。そのため、必ずしも理想的な形態を維持するとはいえない。
また、軸部5にコイルを巻回して溶融させて大径部4形成して電極1を製作し、さらに、突起部2および突出部3を高圧放電ランプ10の点灯に伴う物理現象により生成・成長させて形成させる場合は、高圧放電ランプ10を4〜5時間ぐらい点灯させる必要がある。なお、電極1、突起部2および突出部3を機械加工によって製作した場合は、高圧放電ランプ10を50分程度点灯するだけでよく、製造工程の時間短縮にもなり、その上、細かな設計仕様に対応することもできる。
続いて、電極1の大径部4の直径Dと軸方向長さLの関係について説明する。
電極1の大径部4の直径Dが小さい方が、突起部2の位置移動は小さくなる。これは、以下の実験によって確認をした。実験対象として用いた電極および突起部の仕様を以下に示す。
<仕様>
電極:タングステン製、全長7mm、軸部直径φ0.5mm、大径部直径φ1.1mmまたは1.6mm
突起部:タングステン製、全長0.25mm、直径φ0.5mm
大径部直径Dがφ1.1mmのとき、突起部の径方向の移動は、軸中心から半径0.2mm以内であったのに対し、大径部直径Dがφ1.6mmのときは、突起部の径方向の移動は、軸中心から半径0.6mmの範囲となった。
また、電極1の大径部4の直径Dが小さければ、封止部12の内径が小さくても電極1を挿入して、発光管11内に配置することができ、高圧放電ランプ10の小型化を実現できる。このような電極1は、切削加工や注型成形などの機械加工により製作されることが好ましい。軸部5にコイルを巻回して溶融させて電極1を製作すると、大径部4の直径Dが大きくなり、所望の形状に製作することができない。
しかしながら、電極1の先端は、高圧放電ランプ10の点灯中、例えば3000℃まで温度が上昇するため、その熱容量に耐え、突出部3の形状を維持できる十分な体積が必要とされる。そのため、電極1の大径部4の直径Dを小さくすれば、大径部1の軸方向長さLを大きくしなければならない。
大径部4の直径をD、大径部4の突出部3との接続部から、大径部4から縮径し軸部6となる位置までの軸方向長さをLとし、L/Dの最小値を実験により求めた。
〔実施例1〕
図1に示す構成に従って、本発明に係る高圧水銀ランプを作製した。以下に、この高圧水銀ランプの仕様を示す。
<ランプ仕様>
放電容器:材質;石英ガラス、発光管部の最大外径;φ11.3mm、全長;10.2mm
電極:材質;タングステン、全長7mm、軸部直径0.5mm
電極間距離:1.1mm、
封入物:水銀;0.2mg/mm、臭素ガス(ハロゲン);3.0×10−4mol/mm、アルゴン(希ガス);13kPa、
入力電力:250W
以上の高圧水銀ランプについて、電極の大径部の軸方向長さLに対する直径Dの関係(L/D)を、変更したもの(0.7≦L/D<3.1)を製作し、以下に示す点灯試験を行った。
〔点灯試験〕
1.電極の大径部の直径Dと、軸方向長さLを測定する。
2.高圧放電ランプを点灯させてスクリーンに照射し、スクリーン上の中心に照度計を設置し、アークが十分安定してから、その照度を10秒間(200回サンプリング)で測定する。その照度変動率を以下の式より算出する。
(最大照度値−最小照度値)/平均照度値×100(%)
また、照度測定後の突起部形状を確認した。
3.高圧水銀ランプを、2時間点灯/15分消灯の断続モードで200時間点灯させる。
4.200時間点灯後の照度変動率と突起部形状を、2と同様にして求めた。
なお、各L/Dの範囲に対して、20本ずつ測定した。
以上の実験結果を図3に示す。なお、照度変動率は、20本の測定結果の平均値を結果として記載した。照度変動率は1.5%以上になると、チラツキが目視で確認された。
また、突起部形状は、
突起部が設計値通り存在すれば ◎、
突起部が若干溶けていれば ○、
突起部はあるが溶けて変形していれば △、
突起部が溶けてなくなっていれば ×、
として記録した。20本の中に1本でも突起部が変形すれば、その変形した状態を結果として記載した。すなわち、1.1≦L/D<1.3の200時間後の突起部形状に関して、17本は○であるが1本が△である場合は、△を結果として記載した。
以上より、L/D≧1.5とすることによって、突出部の形状を維持してタングテンの供給と析出のバランスを保って突起部の形状を維持することができる。また、形状が維持された突起部の先端から放電が形成されるアークも、位置がずれることがなく、安定したアーク放電を形成し、照度変動率を1.5%以下に抑え、チラツキを抑制できることがわかった。
続いて、電極1の大径部4の直径Dと突出部3の直径Dの関係、および、突出部3の体積V2と突起部2の体積Vの関係について説明する。
突出部3が大径部4に比べて大きすぎると、突出部3の温度が低くなり、溶融状態にならないので、析出したタングステンを突起部2に拡散させて供給することができない。また、突出部3が大径部4に比べて小さすぎると、突出部3の温度が高くなり、突起部2に過剰にタングステンを供給し、突出部3が消滅してしまう。そこで、析出したタングステンをバランスよく突起部2に供給し、突起部2の形状を安定して維持することができる大径部4の直径Dと突出部3の直径Dの関係を実験により求めた。
〔実施例2〕
実施例1で使用した高圧水銀ランプにおいて、(電極の大径部の軸方向長さL)/(直径D)が1.5以上となるようにし、電極の大径部の直径Dに対する突出部の直径Dの関係(D/D)を、変更したもの(0.21≦D/D≦0.71)を製作し、実施例1と同様の点灯試験を行った。
以上の実験結果を図4に示す。これより、0.3≦D/D≦0.58とすることによって、突出部の形状を維持してタングテンの供給と析出のバランスを保って突起部の形状を維持することができる。また、形状が維持された突起部の先端から放電が形成されるアークも、位置がずれることがなく、安定したアーク放電を形成し、照度変動率を1.5%以下に抑え、チラツキを抑制することができることがわかった。
しかし、電極1の大径部4の直径Dに対する突出部3の直径Dの関係(D/D)が、0.3≦D/D≦0.58を満たすように電極1および突出部3を製作しても、突起部2が溶けてしまう場合があった。それは、突起部2が突出部3に比べて大きすぎる場合、もしくは、突起部2が突出部3に比べて小さすぎる場合も、突出部3に析出したタングステンをバランスよく突起部2に供給し、突起部2の形状を安定して維持することができないことあるためである。このため、突起部2と突出部3の大きさの関係、すなわち突起部2の体積Vと突出部3の体積Vの関係を実験により求めた。
〔実施例3〕
実施例2で使用した高圧水銀ランプにおいて、(突出部の直径D)/(大径部の直径D)が0.3以上0.58以下となるようにし、突起部2の体積Vと突出部3の体積Vの関係(V/V)を、変更したもの(1≦V/V≦20)を製作し、実施例1と同様の点灯試験を行った。
以上の実験結果を図5に示す。これより、0.3≦D/D≦0.58かつ1.5≦V/V<10とすることによって、突出部の形状を維持してタングテンの供給と析出のバランスを保って突起部の形状を維持することができる。また、形状が維持された突起部の先端から放電が形成されるアークも、位置がずれることがなく、安定したアーク放電を形成し、照度変動率を1.5%以下に抑え、チラツキを抑制することができることがわかった。
本発明の高圧放電ランプの構成を示す説明用断面図 本発明の高圧放電ランプの電極の構成を示す拡大図 本発明の高圧放電ランプの実験結果を示す図 本発明の高圧放電ランプの実験結果を示す図 本発明の高圧放電ランプの実験結果を示す図 従来の高圧放電ランプの説明図
符号の説明
1 電極
2 突起部
3 突出部
4 大径部
5 コイル部
6 軸部
10 高圧放電ランプ
11 発光管
12 封止部
13 金属箔
14 外部リード

Claims (3)

  1. 石英ガラスからなる発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、
    前記電極は大径部と軸部より構成され、少なくとも一方の電極は、大径部にコイル部が設けられ、大径部の軸方向先端中央部に該大径部より寸法が小さい突出部が形成され、前記突出部の軸方向先端中央部に該突出部より寸法が小さい突起部が形成されることを特徴とする高圧水銀ランプ。
  2. 前記電極の大径部の軸方向長さをLとし、大径部の直径をDとするとき、
    /D≧1.5
    が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
  3. 前記電極の大径部の直径をDとし、前記突出部の直径をDとし、前記突出部の体積をVとし、前記突起部の体積をVとするとき、
    0.3≦D/D≦0.58 かつ 1.5≦V/V<10
    が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
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