以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ(光変調素子)330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系350と、を備えている。
光源装置200から射出された光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310に入射する。平行化レンズ305は、光源装置200からの光を平行化する。
照明光学系310は、光源装置200から射出される光の照度を、液晶ライトバルブ330R,330G,330B上において均一化するように調整する。さらに、照明光学系310は、光源装置200から射出される光の偏光方向を一方向に揃える。その理由は、光源装置200から射出される光を液晶ライトバルブ330R,330G,330Bで有効に利用するためである。
照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学系320は、入射光を赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3つの色光に分離する。3つの色光は、各色光に対応付けられた液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより、映像信号に応じてそれぞれ変調される。液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、後述する液晶パネル560R,560G,560Bと、偏光板(図示せず)と、を備えている。偏光板は、液晶パネル560R,560G,560Bのそれぞれの光入射側および光射出側に配置される。
変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成される。合成光は投射光学系350に入射する。投射光学系350は、入射光をスクリーン700(図3参照)に投射する。これにより、スクリーン700上に映像が表示される。なお、平行化レンズ305、照明光学系310、色分離光学系320、クロスダイクロイックプリズム340、投射光学系350の各々の構成としては、周知の構成を採用することができる。
図2は、光源装置200の構成を示す断面図である。光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置(放電灯駆動装置)10と、を備えている。図2には、光源ユニット210の断面図が示されている。光源ユニット210は、主反射鏡112と、放電灯90と、副反射鏡50と、を備えている。
放電灯点灯装置10は、放電灯90に駆動電流Iを供給して放電灯90を点灯させる。主反射鏡112は、放電灯90から放出された光を照射方向Dに向けて反射する。照射方向Dは、放電灯90の光軸AXと平行である。
放電灯90の形状は、照射方向Dに沿って延びる棒状である。放電灯90の一方の端部を第1端部90e1とし、放電灯90の他方の端部を第2端部90e2とする。放電灯90の材料は、例えば、石英ガラス等の透光性材料である。放電灯90の中央部は球状に膨らんでおり、その内部は放電空間91である。放電空間91には、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。
放電空間91には、第1電極92および第2電極93の先端が突出している。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側に配置されている。第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側に配置されている。第1電極92および第2電極93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒状である。放電空間91には、第1電極92および第2電極93の電極先端部が、所定距離だけ離れて対向するように配置されている。第1電極92および第2電極93の材料は、例えば、タングステン等の金属である。
放電灯90の第1端部90e1に、第1端子536が設けられている。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材534により電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2に、第2端子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材544により電気的に接続されている。第1端子536および第2端子546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。導電性部材534,544の材料としては、例えば、モリブデン箔が利用される。
第1端子536および第2端子546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電灯点灯装置10は、第1端子536および第2端子546に、放電灯90を駆動するための駆動電流Iを供給する。その結果、第1電極92および第2電極93の間でアーク放電が起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置から全方向に向かって放射される。
主反射鏡112は、固定部材114により、放電灯90の第1端部90e1に固定されている。主反射鏡112は、放電光のうち、照射方向Dと反対側に向かって進む光を照射方向Dに向かって反射する。主反射鏡112の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電光を照射方向Dに向かって反射できる範囲内において、特に限定されず、例えば、回転楕円形状であっても、回転放物線形状であってもよい。例えば、主反射鏡112の反射面の形状を回転放物線形状とした場合、主反射鏡112は、放電光を光軸AXに略平行な光に変換することができる。これにより、平行化レンズ305を省略することができる。
副反射鏡50は、固定部材522により、放電灯90の第2端部90e2側に固定されている。副反射鏡50の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電空間91の第2端部90e2側の部分を囲む球面形状である。副反射鏡50は、放電光のうち、主反射鏡112が配置された側と反対側に向かって進む光を主反射鏡112に向かって反射する。これにより、放電空間91から放射される光の利用効率を高めることができる。
固定部材114,522の材料は、放電灯90からの発熱に耐え得る耐熱材料である範囲内において、特に限定されず、例えば、無機接着剤である。主反射鏡112および副反射鏡50と放電灯90との配置を固定する方法としては、主反射鏡112および副反射鏡50を放電灯90に固定する方法に限らず、任意の方法を採用できる。例えば、放電灯90と主反射鏡112とを、独立にプロジェクター500の筐体(図示せず)に固定してもよい。副反射鏡50についても同様である。
以下、プロジェクター500の回路構成について説明する。
図3は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、図1に示した光学系の他、画像信号変換部510と、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置570と、CPU(Central Processing Unit)580と、を備えている。
画像信号変換部510は、外部から入力された画像信号502(輝度−色差信号やアナログRGB信号など)を所定のワード長のデジタルRGB信号に変換して画像信号512R,512G,512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。
画像処理装置570は、3つの画像信号512R,512G,512Bに対してそれぞれ画像処理を行う。画像処理装置570は、液晶パネル560R,560G,560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R,572G,572Bを液晶パネル560R,560G,560Bに供給する。
直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換する。直流電源装置80は、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれる)の2次側にある画像信号変換部510、画像処理装置570およびトランスの1次側にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。
放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間に高電圧を発生し、絶縁破壊を生じさせて放電路を形成する。以後、放電灯点灯装置10は、放電灯90が放電を維持するための駆動電流Iを供給する。
液晶パネル560R,560G,560Bは、前述した液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにそれぞれ備えられている。液晶パネル560R,560G,560Bは、それぞれ駆動信号572R,572G,572Bに基づいて、前述した光学系を介して各液晶パネル560R,560G,560Bに入射される色光の透過率(輝度)を変調する。
CPU580は、プロジェクター500の点灯開始から消灯に至るまでの各種の動作を制御する。例えば、図3の例では、通信信号582を介して点灯命令や消灯命令を放電灯点灯装置10に出力する。CPU580は、放電灯点灯装置10から通信信号584を介して放電灯90の点灯情報を受け取る。
以下、放電灯点灯装置10の構成について説明する。
図4は、放電灯点灯装置10の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と、制御部40と、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を備えている。
電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源装置80からの電圧を入力とし、入力電圧を降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23およびコンデンサー24を含んで構成される。スイッチ素子21は、例えば、トランジスターで構成される。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子およびコイル23の一端に接続されている。
コイル23の他端にコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子および直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には、後述する制御部40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。
スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。
極性反転回路30は、電力制御回路20から入力される直流電流Idを所定のタイミングで極性反転させる。これにより、極性反転回路30は、制御された時間だけ継続する直流である駆動電流I、もしくは、任意の周波数を持つ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。本実施形態において、極性反転回路30は、インバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。
極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどで構成される第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34を含んでいる。極性反転回路30は、直列接続された第1のスイッチ素子31および第2のスイッチ素子32と、直列接続された第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34と、が互いに並列接続された構成を有する。第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34の制御端子には、それぞれ制御部40から極性反転制御信号が入力される。この極性反転制御信号に基づいて、第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34のON/OFF動作が制御される。
極性反転回路30においては、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34と、第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33と、を交互にON/OFFさせる動作が繰り返される。これにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性が交互に反転する。極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ素子32との共通接続点、および第3のスイッチ素子33と第4のスイッチ素子34との共通接続点から、制御された時間だけ同一極性状態を継続する直流である駆動電流I、もしくは制御された周波数をもつ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。
すなわち、極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がOFFであり、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がOFFのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONであるように制御される。したがって、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONのときには、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。
本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせた部分が放電灯駆動部230に対応する。すなわち、放電灯駆動部230は、放電灯90を駆動する駆動電流Iを放電灯90に供給する。
制御部40は、放電灯駆動部230を制御する。図4の例では、制御部40は、電力制御回路20および極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性を継続する保持時間、駆動電流Iの電流値(駆動電力の電力値)、周波数等のパラメーターを制御する。制御部40は、極性反転回路30に対して、駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。制御部40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行う。
制御部40は、放電灯駆動部230の制御方法として第1制御および第2制御を実行する第1放電灯駆動を実行可能である。制御部40は、放電灯駆動部230の制御方法として第3制御および第4制御を実行する第2放電灯駆動を実行可能である。放電灯駆動部230の制御方法として第5制御および第6制御を実行する第3放電灯駆動を実行可能である。放電灯駆動部230の制御方法として第7制御および第8制御を実行する第4放電灯駆動を実行可能である。第1制御から第8制御は、それぞれ放電灯90に直流電流と交流電流とを含む駆動電流Iを供給する制御方法である。本実施形態において制御部40は、ランプ電圧(電極間電圧)Vlaに基づいて、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第4放電灯駆動まで順に移行して、放電灯駆動部230を制御する。詳細については、後述する。
制御部40の構成は、特に限定されない。本実施形態においては、制御部40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42、および極性反転回路コントローラー43を含んで構成されている。なお、制御部40は、その一部または全てを半導体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。システムコントローラー41は、動作検出部60が検出したランプ電圧Vlaおよび駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御してもよい。
本実施形態においては、システムコントローラー41には、記憶部44が接続されている。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20および極性反転回路30を制御してもよい。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、基本周波数、波形、変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。基本周波数とは、定常点灯モードにおいて、放電灯90に供給される駆動電流Iの周波数である。
本実施形態において記憶部44には、例えば、各放電灯駆動において放電灯90に供給される駆動電流Iの駆動電流波形、放電灯駆動の移行の判断に用いる移行電圧の値、各放電灯駆動において制御方法の切り替えに用いる閾値電圧の値、等が記憶されている。
電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。
極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を制御する。
制御部40は、専用回路を用いて実現され、上述した制御や後述する処理の各種制御を行うようにすることができる。これに対して、制御部40は、例えば、CPUが記憶部44に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。
図5は、制御部40の他の構成例について説明するための図である。図5に示すように、制御部40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成されてもよい。
図4に示した例では、制御部40は、放電灯点灯装置10の一部として構成されている。これに対して、制御部40の機能の一部をCPU580が担うように構成されていてもよい。
動作検出部60は、本実施形態においては、放電灯90のランプ電圧Vlaを検出して制御部40にランプ電圧情報を出力する電圧検出部を含む。また、動作検出部60は、駆動電流Iを検出して制御部40に駆動電流情報を出力する電流検出部などを含んでいてもよい。本実施形態においては、動作検出部60は、第1の抵抗61、第2の抵抗62および第3の抵抗63を含んで構成されている。
本実施形態において、動作検出部60の電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1の抵抗61および第2の抵抗62で分圧した電圧によりランプ電圧Vlaを検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。
イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作する。イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よりも高い電圧)を、放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されている。
図6(A),(B)には、第1電極92および第2電極93の先端部分が示されている。第1電極92および第2電極93の先端にはそれぞれ突起552p,562pが形成されている。突起552pは、第1電極92の電極本体92aから第2電極93の側に突出している。突起562pは、第2電極93の電極本体93aから第1電極92の側に突出している。
第1電極92と第2電極93の間で生じる放電は、主として突起552pと突起562pとの間で生じる。本実施形態のように突起552p,562pがある場合には、突起が無い場合と比べて、第1電極92および第2電極93における放電位置(アーク位置)の移動を抑えることができる。
図6(A)は、第1電極92が陽極として動作し、第2電極93が陰極として動作する第1極性状態を示している。第1極性状態では、放電により、第2電極93(陰極)から第1電極92(陽極)へ電子が移動する。陰極(第2電極93)からは電子が放出される。陰極(第2電極93)から放出された電子は陽極(第1電極92)の先端に衝突する。この衝突によって熱が生じ、陽極(第1電極92)の先端(突起552p)の温度が上昇する。
図6(B)は、第1電極92が陰極として動作し、第2電極93が陽極として動作する第2極性状態を示している。第2極性状態では、第1極性状態とは逆に、第1電極92から第2電極93へ電子が移動する。その結果、第2電極93の先端(突起562p)の温度が上昇する。
このように、放電灯90に駆動電流Iが供給されることで、電子が衝突する陽極の温度は上昇する。一方、電子を放出する陰極は、陽極に向けて電子を放出している間、温度は低下する。
第1電極92と第2電極93との電極間距離は、突起552p,562pの劣化とともに大きくなる。突起552p,562pが損耗するためである。電極間距離が大きくなると、第1電極92と第2電極93との間の抵抗が大きくなるため、ランプ電圧Vlaが大きくなる。したがって、ランプ電圧Vlaを参照することによって、電極間距離の変化、すなわち、放電灯90の劣化度合いを検出することができる。
なお、第1電極92と第2電極93とは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して第1電極92についてのみ説明する場合がある。また、第1電極92の先端の突起552pと第2電極93の先端の突起562pとは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して突起552pについてのみ説明する場合がある。
以下、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御について説明する。
まず、本実施形態の放電灯90の駆動の移行について説明する。
図7は、本実施形態の制御部40による放電灯駆動の移行手順の一例について示すフローチャートである。
制御部40は、図7に示すように、放電灯90の点灯初期においては、第1放電灯駆動を実行する(ステップS11)。第1放電灯駆動においては、第1制御と第2制御とが、交互に行われる(ステップS11a)。そして、所定条件を満たした場合に、制御部40は、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動へと移行する(ステップS11b)。
第2放電灯駆動(ステップS12)においては、第3制御と第4制御とが交互に行われる(ステップS12a)。そして、所定条件を満たした場合に、制御部40は、放電灯90の駆動を第2放電灯駆動から第3放電灯駆動へと移行する(ステップS12b)。
第3放電灯駆動(ステップS13)においては、第5制御と第6制御とが交互に行われる(ステップS13a)。そして、所定条件を満たした場合に、制御部40は、放電灯90の駆動を第3放電灯駆動から第4放電灯駆動へと移行する(ステップS13b)。
第4放電灯駆動(ステップS14)においては、第7制御と第8制御とが交互に行われる(ステップS14a)。
以上のように、本実施形態において制御部40は、第1放電灯駆動から第4放電灯駆動までを順に移行して、放電灯90を駆動する。
次に、各放電灯駆動について詳細に説明する。
図8は、第1放電灯駆動における制御部40の制御手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、制御部40は、第1放電灯駆動の開始(ステップS21)後、動作検出部60の電圧検出部によってランプ電圧Vlaを測定する(ステップS22)。そして、制御部40は、制御方法として第2制御が設定されているか否かを判断する(ステップS23)。制御方法として第2制御が設定されていなければ(ステップS23:NO)、制御部40は、測定したランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11より大きいか否かを判断する(ステップS24)。
制御部40は、測定したランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以下であれば(ステップS24:NO)、放電灯駆動部230の制御方法を第1制御に設定する(ステップS25)。制御部40は、測定したランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11より大きければ(ステップS24:YES)、放電灯駆動部230の制御方法を第2制御に設定する(ステップS26)。制御部40は、設定された制御方法で放電灯駆動部230を制御する(ステップS27)。
第1制御および第2制御においては、放電灯90に直流電流と交流電流とを含む駆動電流Iが供給される。第2制御における直流電流の割合は、第1制御における直流電流の割合よりも大きい。第1制御および第2制御については、後段において詳述する。
制御部40は、設定された制御方法で放電灯駆動部230を制御し始めてから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS28)。制御部40は、所定時間が経過していなければ(ステップS28:NO)、引き続き設定された制御方法で放電灯駆動部230を制御する。制御部40は、所定時間が経過していれば(ステップS28:YES)、再びランプ電圧Vlaを測定して(ステップS22)、上記と同様の判断を行う。
すなわち、本実施形態においてランプ電圧Vlaを測定(ステップS22)し、放電灯駆動部230の制御方法を設定する(ステップS24〜ステップS26)所定の設定タイミングは、所定時間ごとに設けられる。
所定の設定タイミングから次の所定の設定タイミングまでの所定時間は、60s(秒)以上に設定されることが好ましく、300s(秒)程度に設定されることがより好ましい。所定時間をこのように設定することで、第1制御と第2制御とをある程度長い時間ずつ実行することが可能であり、第1電極92の突起552pを安定した形状に維持しやすい。
制御部40は、ステップS23において制御方法として第2制御が設定されている場合(ステップS23:YES)、第2放電灯駆動に移行するか否かの判断を行う。
まず、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12よりも大きいか否かを判断する(ステップS29)。第1移行電圧Vla12は、第1閾値電圧Vla11以上に設定される。本実施形態において第1移行電圧Vla12は、例えば、第1閾値電圧Vla11よりも大きく、後述する第2閾値電圧Vla21よりも小さい。
ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12よりも大きい場合(ステップS29:YES)、次に、制御部40は、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上か否かを判断する(ステップS30)。第1移行時間t1は、例えば、20分程度に設定される。
なお、本明細書において連続実行時間とは、一つの制御方法が設定された後、他の制御方法に切り替わることなく、設定された一つの制御方法が継続的に実行された時間の累計を含む。すなわち、例えば、他の制御方法に切り替わらなければ、放電灯90の消灯を間に挟む場合であっても、放電灯90の消灯の前後において実行された一つの制御方法の実行時間は、連続実行時間として累計される。
具体的に、例えば、第2制御が設定されている際に、放電灯90が消灯された場合について説明する。この場合において、再び放電灯90が点灯された後に第1制御等の他の制御を挟むことなく第2制御が実行される場合には、第2制御の連続実行時間は、放電灯90の消灯前に第2制御が実行されていた時間と、放電灯90が再び点灯された後に第2制御が実行された時間とを足し合わせた累計時間とできる。
制御部40は、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上である場合(ステップS30:YES)、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動に移行する(ステップS31)。
なお、制御部40は、ステップS29においてランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12以下である場合(ステップS29:NO)、およびステップS30において第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1よりも小さい場合(ステップS30:NO)には、ランプ電圧Vlaを第1閾値電圧Vla11と比較して(ステップS24)、制御方法の設定を行う(ステップS25,ステップS26)。
以上のように、制御部40は、第1放電灯駆動の第2制御において、ランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以上の第1移行電圧Vla12よりも大きく、かつ、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上である場合、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動に移行する。
制御部40は、第2放電灯駆動においては、上述した第1放電灯駆動と同様にして、ランプ電圧Vlaの値が、第2閾値電圧Vla21に対して大きいか否かを判断し、放電灯駆動部230の制御方法として、第3制御と第4制御とのいずれかを設定する。そして、制御部40は、第4制御において、ランプ電圧Vlaが第2移行電圧Vla22よりも大きく、かつ、第4制御の連続実行時間が第2移行時間t2以上である場合、放電灯90の駆動を第2放電灯駆動から第3放電灯駆動に移行する。
第3制御における直流電流の割合は、例えば、第1制御における直流電流の割合と略同等である。第4制御における直流電流の割合は、第3制御における直流電流の割合よりも大きく、かつ、第2制御における直流電流の割合よりも大きい。第2閾値電圧Vla21は、第1閾値電圧Vla11よりも大きい。第2移行時間t2は、第1移行時間t1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本明細書において、直流電流の割合が略同等とは、比較する直流電流の割合同士の比が、0.9以上、1.1以下程度の範囲を含む。
制御部40は、第3放電灯駆動においては、上述した第1放電灯駆動と同様にして、ランプ電圧Vlaの値が、第3閾値電圧Vla31に対して大きいか否かを判断し、放電灯駆動部230の制御方法として、第5制御と第6制御とのいずれかを設定する。そして、制御部40は、第6制御において、ランプ電圧Vlaが第3移行電圧Vla32よりも大きく、かつ、第6制御の連続実行時間が第3移行時間t3以上である場合、放電灯90の駆動を第3放電灯駆動から第4放電灯駆動に移行する。
第5制御における直流電流の割合は、例えば、第3制御における直流電流の割合と略同等である。第6制御における直流電流の割合は、第5制御における直流電流の割合よりも大きく、かつ、第4制御における直流電流の割合よりも大きい。第3閾値電圧Vla31は、第2閾値電圧Vla21よりも大きい。第3移行時間t3は、第1移行時間t1または第2移行時間t2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
制御部40は、第4放電灯駆動においては、上述した第1放電灯駆動と同様にして、ランプ電圧Vlaの値が、第4閾値電圧Vla41に対して大きいか否かを判断し、放電灯駆動部230の制御方法として、第7制御と第8制御とのいずれかを設定する。
第7制御における直流電流の割合は、例えば、第5制御における直流電流の割合と略同等である。第8制御における直流電流の割合は、第7制御における直流電流の割合よりも大きく、かつ、第6制御における直流電流の割合よりも大きい。第4閾値電圧Vla41は、第3閾値電圧Vla31よりも大きい。
なお、第1制御と第2制御との切り替え、第3制御と第4制御との切り替え、第5制御と第6制御との切り替え、および第7制御と第8制御との切り替えは、閾値電圧の値が異なる点を除いて、基本的には同様である。そのため、以下の説明においては、代表して、第1放電灯駆動における第1制御と第2制御との切り替えについてのみ、説明する場合がある。
次に、第1制御から第8制御において放電灯90に供給される駆動電流波形について説明する。
図9(A)〜図9(C)および図10(A)〜図10(C)は、第1制御から第8制御における駆動電流波形の部分の一例を示す図である。図9(A)〜図9(C)および図10(A)〜図10(C)においては、縦軸は駆動電流Iを示しており、横軸は時間Tを示している。駆動電流Iは、第1極性状態である場合を正とし、第2極性状態となる場合を負として示している。
図9(A)〜図9(C)および図10(A)〜図10(C)に示す波形は、それぞれ単位時間ta当たりの駆動電流波形である。以下の説明において、図9(A)〜図9(C)および図10(A)〜図10(C)のそれぞれにおいて示す駆動電流波形の部分を単位波形と呼ぶ。
本実施形態においては、図9(A)〜図9(C)および図10(A)〜図10(C)に示す各単位波形を組み合わせて第1制御から第8制御における駆動電流波形が構成される。
図9(A)に示す単位波形DWa1は、放電灯90に直流電流が供給される直流期間PH11と、放電灯90に直流期間PH11と反対極性の電流が供給される反対極性期間PH21と、を有する。
直流期間PH11においては、一定の電流値Imを有する第1極性の駆動電流Iが放電灯90に供給される。反対極性期間PH21においては、一定の電流値−Imを有する第2極性の駆動電流Iが放電灯90に供給される。
図9(B)に示す単位波形DWb1および図9(C)に示す単位波形DWc1は、電流値Im1と電流値−Im1との間で極性が複数回反転される交流電流の電流波形である。単位波形DWc1における交流電流(第2交流電流)の周波数(第2周波数)は、単位波形DWb1における交流電流(第1交流電流)の周波数(第1周波数)よりも低い。言い換えると、第1制御における交流電流および第2制御における交流電流は、第1周波数を有する第1交流電流と、第1周波数よりも低い第2周波数を有する第2交流電流と、を含む。
単位波形DWb1における交流電流の周波数(第1周波数)は、例えば、500Hz以上である。単位波形DWc1における交流電流の周波数(第2周波数)は、例えば、280Hz以下である。単位波形DWb1,DWc1における交流電流の周波数をこのように設定することで、第1電極92の突起552pを安定した形状に維持しやすい。
図10(A)に示す単位波形DWa2は、放電灯90に直流電流が供給される直流期間PH12と、放電灯90に直流期間PH12と反対極性の電流が供給される反対極性期間PH22と、を有する。単位波形DWa2は、極性が反転している点を除いて、単位波形DWa1と同様である。
図10(B)に示す単位波形DWb2は、極性が反転している点を除いて、単位波形DWb1と同様である。
図10(C)に示す単位波形DWc2は、極性が反転している点を除いて、単位波形DWc1と同様である。
なお、以下の説明においては、単位波形DWb1,DWb2における交流電流を第1交流電流と呼び、単位波形DWb1,DWb2における交流電流の周波数を第1周波数と呼ぶ。また、単位波形DWc1,DWc2における交流電流を第2交流電流と呼び、単位波形DWc1,DWc2における交流電流の周波数を第2周波数と呼ぶ。
本実施形態の第1放電灯駆動の第1制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC1が繰り返される。本実施形態の第1放電灯駆動の第2制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC2が繰り返される。
本実施形態の第2放電灯駆動の第3制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC3が繰り返される。本実施形態の第2放電灯駆動の第4制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC4が繰り返される。
本実施形態の第3放電灯駆動の第5制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC5が繰り返される。本実施形態の第3放電灯駆動の第6制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC6が繰り返される。
本実施形態の第4放電灯駆動の第7制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC7が繰り返される。本実施形態の第4放電灯駆動の第8制御においては、単位波形が組み合わされたサイクルC8が繰り返される。
本実施形態のサイクルC1〜C8は、例えば、単位波形DWa1、単位波形DWb1、単位波形DWc1、単位波形DWa2、単位波形DWb2、単位波形DWc2がこの順で並ぶ。各単位波形は、一つのサイクルC1〜C8内において、1回ずつ、あるいは複数回ずつ設けられる。
第1放電灯駆動における第1制御のサイクルC1および第2制御のサイクルC2の一例を表1に示す。
第2放電灯駆動における第3制御のサイクルC3および第4制御のサイクルC4の一例を表2に示す。
第3放電灯駆動における第5制御のサイクルC5および第6制御のサイクルC6の一例を表3に示す。
第4放電灯駆動における第7制御のサイクルC7および第8制御のサイクルC8の一例を表4に示す。
表1の例では、サイクルC1は、単位波形DWa1が1回、単位波形DWb1が1回、単位波形DWc1が連続して1000回、単位波形DWa2が1回、単位波形DWb2が1回、単位波形DWc2が連続して1000回、この順で設けられる。
サイクルC2は、単位波形DWa1が連続して4回、単位波形DWb1が連続して12回、単位波形DWc1が1回、単位波形DWa2が連続して4回、単位波形DWb2が連続して12回、単位波形DWc2が1回、この順で設けられる。
表2から表4においても、同様にしてサイクルC3からサイクルC8を示している。
表1に示すように、第2制御のサイクルC2における単位波形DWa1,DWa2の割合は、第1制御のサイクルC1における単位波形DWa1,DWa2の割合よりも大きい。言い換えると、第2制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合は、第1制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合よりも大きい。
表2に示すように、第4制御のサイクルC4における単位波形DWa1,DWa2の割合は、第3制御のサイクルC3における単位波形DWa1,DWa2の割合よりも大きい。言い換えると、第4制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合は、第3制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合よりも大きい。
表3に示すように、第6制御のサイクルC6における単位波形DWa1,DWa2の割合は、第5制御のサイクルC5における単位波形DWa1,DWa2の割合よりも大きい。言い換えると、第6制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合は、第5制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合よりも大きい。
表4に示すように、第8制御のサイクルC8における単位波形DWa1,DWa2の割合は、第7制御のサイクルC7における単位波形DWa1,DWa2の割合よりも大きい。言い換えると、第8制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合は、第7制御における直流電流、すなわち、直流期間PH11,PH12の割合よりも大きい。
また、表1から表4に示すように、第2制御、第4制御、第6制御および第8制御を比較すると、この順に直流電流の割合は大きくなる。
なお、本明細書において、各制御における直流電流の割合、とは、各制御が実行される実行時間に対する放電灯90に直流電流が供給された時間の割合である。表1から表4の例においては、各制御における直流電流の割合、とは、例えば、一つのサイクルに含まれる各単位波形の総回数に対する、単位波形DWa1,DWa2の総回数の割合とほぼ同じである。
なお、本明細書において、単位波形の割合とは、特に断りの無い限り、一つのサイクルに含まれる各単位波形の総回数に対する、対象となる単位波形の総回数の割合を意味するものとする。
本実施形態においては、例えば、第1制御、第3制御、第5制御および第7制御における単位波形DWb1,DWb2の割合と単位波形DWc1,DWc2の割合とは、各閾値電圧の値に基づいて調整される。すなわち、制御部40は、第1制御において、第1閾値電圧Vla11の値に基づいて、第1交流電流の割合と、第2交流電流の割合と、を調整する。制御部40は、第3制御において、第2閾値電圧Vla21の値に基づいて、第1交流電流の割合と、第2交流電流の割合と、を調整する。制御部40は、第5制御において、第3閾値電圧Vla31の値に基づいて、第1交流電流の割合と、第2交流電流の割合と、を調整する。制御部40は、第7制御において、第4閾値電圧Vla41の値に基づいて、第1交流電流の割合と、第2交流電流の割合と、を調整する。
具体的には、制御部40は、各制御において、各閾値電圧が所定値以下である場合、第2交流電流の割合を第1交流電流の割合よりも大きくし、各閾値電圧が所定値よりも大きい場合、第1交流電流の割合を第2交流電流の割合よりも大きくする。所定値は、例えば、初期のランプ電圧Vlaに対して+5V程度の値である。
表1から表4に示す例は、例えば、第1閾値電圧Vla11が所定値以下であり、第2閾値電圧Vla21、第3閾値電圧Vla31および第4閾値電圧Vla41が所定値より大きい場合を示している。そのため、表1に示す第1制御においては、第2交流電流の割合、すなわち、単位波形DWc1,DWc2の割合、が第1交流電流の割合、すなわち、単位波形DWb1,DWb2の割合よりも大きい。
一方、表2から表4に示す第2制御、第3制御および第4制御においては、第1交流電流の割合、すなわち、単位波形DWb1,DWb2の割合が、第2交流電流の割合、すなわち、単位波形DWc1,DWc2の割合よりも大きい。
表2から表4の例では、例えば、第3制御のサイクルC3と、第5制御のサイクルC5と、第7制御のサイクルC7と、は同じである。
次に、放電灯90が点灯された際の放電灯駆動の選択方法について説明する。
図11は、放電灯90を点灯させた際における放電灯駆動の選択方法の一例について示すフローチャートである。
図11に示すように、放電灯90の点灯が開始された(ステップS41)後、制御部40は、動作検出部60の電圧検出部によってランプ電圧Vlaを測定する(ステップS42)。そして、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12よりも大きいか否かを判断する(ステップS43)。制御部40は、ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12以下である場合(ステップS43:NO)、第1放電灯駆動を開始する(ステップS44)。
ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12よりも大きい場合(ステップS43:YES)には、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第2移行電圧Vla22よりも大きいか否かを判断する(ステップS45)。そして、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第2移行電圧Vla22以下である場合(ステップS45:NO)、第2放電灯駆動を開始する(ステップS46)。
ランプ電圧Vlaが第2移行電圧Vla22よりも大きい場合(ステップS45:YES)には、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第3移行電圧Vla32よりも大きいか否かを判断する(ステップS47)。そして、制御部40は、ランプ電圧Vlaが第3移行電圧Vla32以下である場合(ステップS47:NO)、第3放電灯駆動を開始する(ステップS48)。制御部40は、ランプ電圧Vlaが第3移行電圧Vla32よりも大きい場合(ステップS47:YES)、第4放電灯駆動を開始する(ステップS49)。
以上のようにして、本実施形態において制御部40は、放電灯90が点灯された際に、放電灯駆動を選択する。
なお、放電灯90が点灯された際における放電灯駆動の選択方法として、上述したような選択方法を採用する場合には、放電灯90が消灯される前に実行されていた放電灯駆動よりも前の段階の放電灯駆動が選択される場合がある。具体的には、例えば、放電灯90の消灯前においては第2放電灯駆動が実行されていた場合であっても、一度、放電灯90が消灯された後、再び放電灯90が点灯した際に、ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12以下であれば、第1放電灯駆動が実行される。
上述した制御部40の制御について、さらに具体的に説明する。
第1放電灯駆動から第4放電灯駆動における各閾値電圧および各移行電圧の一例を表5に示す。
表5の例において、初期のランプ電圧Vlaは、例えば、63Vである。すなわち、放電灯90の点灯初期においては、ランプ電圧Vlaは、第1移行電圧Vla12(68V)以下である。そのため、制御部40は、第1放電灯駆動を実行する。また、放電灯90の点灯初期においては、ランプ電圧Vlaは、第1閾値電圧Vla11(65V)以下である。そのため、制御部40は、第1放電灯駆動において、放電灯駆動部230の制御方法を第1制御に設定し、第1制御によって放電灯駆動部230を制御する。
第1制御によって放電灯90が長時間駆動されると、放電灯90が劣化して突起552pが形成されにくくなり、電極間距離が大きくなる。これにより、ランプ電圧Vlaが上昇する。そして、ランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11(65V)よりも大きくなると、制御部40は、所定の設定タイミングにおいて、放電灯駆動部230の制御方法を第2制御に設定する。
ここで、第2制御における直流電流の割合は、第1制御における直流電流の割合よりも大きい。そのため、第2制御においては、第1電極92が溶融しやすく、第1制御に比べて、突起552pが形成されやすい。これにより、突起552pが成長して電極間距離が小さくなり、ランプ電圧Vlaが小さくなる。そして、ランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11(65V)以下となると、制御部40は、所定の設定タイミングにおいて、放電灯駆動部230の制御方法を再び第1制御に設定する。
上記の第1制御および第2制御の設定が交互に繰り返されることで、ランプ電圧Vlaは、第1閾値電圧Vla11を境にして上昇および下降を繰り返しつつ、第1閾値電圧Vla11(65V)を中心とした一定の範囲内に維持される。
第1放電灯駆動が長時間されると、放電灯90の劣化に伴って、第2制御においてランプ電圧Vlaが下降しなくなる場合がある。その場合、制御部40は、第1放電灯駆動から第2放電灯駆動へと放電灯90の駆動を切り替える。具体的には、例えば、ランプ電圧Vlaが、第1移行電圧Vla12(68V)より大きく、かつ、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上、例えば、20分以上の場合に、制御部40は、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動へと切り替える。
第2放電灯駆動においては、第1放電灯駆動と同様にして、第3制御および第4制御の設定が交互に繰り返される。これにより、ランプ電圧Vlaは、第2閾値電圧Vla21(75V)を境にして上昇および下降を繰り返しつつ、第2閾値電圧Vla21(75V)を中心とした一定の範囲内に維持される。そして、第4制御においてランプ電圧Vlaが下降しなくなった場合、例えば、ランプ電圧Vlaが、第2移行電圧Vla22(78V)より大きく、かつ、第4制御の連続実行時間が第2移行時間t2以上、例えば、20分以上の場合に、制御部40は、放電灯90の駆動を第2放電灯駆動から第3放電灯駆動へと切り替える。
以下、同様にして、第3放電灯駆動、第4放電灯駆動が実行される。
上述した制御部40による制御は、放電灯駆動方法として表すこともできる。すなわち、本実施形態の放電灯駆動方法は、放電灯90に駆動電流Iを供給して、放電灯90を駆動する放電灯駆動方法であって、放電灯90に直流電流と交流電流とを含む駆動電流Iを供給する第1制御および第2制御を実行する第1放電灯駆動と、放電灯90に直流電流と交流電流とを含む駆動電流Iを供給する第3制御および第4制御を実行する第2放電灯駆動と、を含み、第1放電灯駆動においては、所定の設定タイミングにおいてランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以下である場合、第1制御を実行し、所定の設定タイミングにおいてランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11よりも大きい場合、第2制御を実行し、第2放電灯駆動においては、所定の設定タイミングにおいてランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11よりも大きい第2閾値電圧Vla21以下である場合、第3制御を実行し、所定の設定タイミングにおいてランプ電圧Vlaが第2閾値電圧Vla21よりも大きい場合、第4制御を実行し、第2制御における直流電流の割合は、第1制御における直流電流の割合よりも大きく、第4制御における直流電流の割合は、第3制御における直流電流の割合よりも大きく、かつ、第2制御における直流電流の割合よりも大きく、第1放電灯駆動の第2制御において、ランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以上の第1移行電圧Vla12よりも大きく、かつ、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上である場合、第1放電灯駆動から第2放電灯駆動に移行することを特徴とする。
本実施形態によれば、制御部40は、第1制御と、第1制御よりも直流電流の割合が大きい第2制御と、が実行される第1放電灯駆動を実行可能である。制御部40は、ランプ電圧Vlaに基づいて、第1制御または第2制御を設定して、放電灯駆動部230を制御する。そのため、本実施形態によれば、放電灯90の寿命を向上できる。以下、詳細に説明する。
例えば、複数の周波数の交流電流と直流電流とを組み合わせた駆動電流を放電灯90に供給する場合、初期の段階では、突起552pが形成される。しかし、長時間の使用により放電灯90が劣化するのに伴って、徐々に突起552pが形成されにくくなり、安定した電極形状が維持できなくなる場合がある。
図12(A)、図12(B)、および図13(A)は、放電灯90の第1電極92の変化を示す図である。図12(A)は、第1制御のみを用いて放電灯90を長時間駆動した場合の第1電極92を示す図である。図12(B)は、第2制御のみを用いて放電灯90を長時間駆動した場合の第1電極92を示す図である。図13(A)は、第1制御および第2制御を上記説明したように適宜設定して放電灯90を長時間駆動した場合、すなわち第1放電灯駆動で放電灯90を長時間駆動した場合を示す図である。
図12(A)に示すように、例えば、第1制御を用いて放電灯駆動部230を長時間制御し続けると、第1電極92の突起552pが消失し、電極本体92aの先端が平坦な形状になる。
一方、第2制御は、第1制御に比べて直流電流の割合が大きいため、第1電極92が溶融しやすく、第1制御に比べると突起552pが成長しやすい。しかし、図12(B)に示すように、第2制御を用いて放電灯駆動部230を長時間制御し続けると、第1電極92の突起552pは形成されるが、電極本体92aが消耗して細くなる。
このように、1つの制御方法、例えば、第1制御と第2制御とのうちのいずれかの制御方法を用いるだけでは、放電灯90が長時間駆動されて劣化することで、第1電極92の形状が不安定になり、結果として放電灯90の寿命を十分に向上できない場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、ランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以下であるか否かに応じて、第1制御と第2制御とが適宜設定され、第1制御と第2制御とが交互に繰り返される。そのため、本実施形態においては、図13(A)に示すように、第1制御によって平坦化する電極本体92aの先端に、第2制御によって突起552pが形成される。これにより、本実施形態によれば、長時間駆動した場合であっても、第1電極92の形状を安定して維持できる。
以上により、本実施形態によれば、第1電極92の突起552pの形状を安定して維持することができ、上述したようにして、ランプ電圧Vlaを、第1閾値電圧Vla11を中心とした一定の範囲内に長時間維持しやすい。その結果、本実施形態によれば、放電灯90の寿命を向上できる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、第1放電灯駆動と、第2放電灯駆動とを実行可能であるため、放電灯90の寿命をより向上できる。以下、詳細に説明する。
図13(B)は、図13(A)の状態からさらに長時間、第1放電灯駆動を用いて放電灯90を駆動した場合を示す図である。図13(B)において破線は、図13(A)における第1電極92の形状を示している。
図13(B)に示すように、第1放電灯駆動をさらに長時間実行した場合には、第1電極92の全体が損耗し、第1電極92が短くなる場合がある。この場合、放電灯90のランプ電圧Vlaが上昇し、第2制御を実行してもランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以下に下がらなくなる。そのため、第1制御が設定されず、第2制御のみが実行され続けることになる。この状態が長時間続くと、第2制御が長時間実行されることで、図12(B)に示す形状と同様に、第1電極92の電極本体92aが消耗して細くなる。そのため、第1放電灯駆動のみによっては、放電灯90の寿命を十分に向上できない場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、制御部40は、第1放電灯駆動の第2制御において、ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12よりも大きく、かつ、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上である場合、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動に移行する。第2放電灯駆動の第4制御における直流電流の割合は、第1放電灯駆動の第2制御における直流電流の割合よりも大きい。そのため、第2制御によってはランプ電圧Vlaを下げられなくなった場合であっても、第4制御を用いることで、ランプ電圧Vlaを下げることができる。これにより、第2放電灯駆動において、第3制御と第4制御とを交互に繰り返すことで、第1電極92の形状を安定した形状に維持しつつ、ランプ電圧Vlaを、第2閾値電圧Vla21を中心とした一定の範囲内に長時間維持しやすい。
以上により、本実施形態によれば、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、例えば、3D対応のプロジェクター等、放電灯90に供給される駆動電力が変化するような場合、放電灯90は特に劣化しやすい。そのため、放電灯90に供給される駆動電力が変化するような場合において、本実施形態の効果は特に大きい。
また、本実施形態によれば、第1移行電圧Vla12は、第1閾値電圧Vla11よりも大きい。そのため、ランプ電圧Vlaの値がある程度大きくなり、放電灯90の劣化がある程度進行した場合に、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動に移行することができる。すなわち、放電灯90に劣化状態に応じて、より適切に放電灯90の駆動を切り替えることができる。そのため、本実施形態によれば、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1移行電圧Vla12は、第2閾値電圧Vla21よりも小さい。そのため、第1放電灯駆動において、放電灯90の劣化が進行し過ぎる前に、放電灯90の駆動を第2放電灯駆動に移行することができる。これにより、本実施形態によれば、より適切に放電灯90の駆動を切り替えることができるため、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第3制御における直流電流の割合は、第1制御における直流電流の割合と略同等である。そのため、第1制御と第2制御との間における直流電流の割合の差に比べて、第3制御と第4制御との間における直流電流の割合の差の方が大きい。これにより、第1放電灯駆動よりも第2放電灯駆動の方が、放電灯90に与える熱負荷の落差を大きくでき、第1電極92の突起552pを成長させやすい。したがって、放電灯90の劣化がある程度進み、第1電極92の突起552pが成長しにくくなった際に、第2放電灯駆動の第4制御によって第1電極92の突起552pを成長させやすい。その結果、本実施形態によれば、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1制御および第2制御が設定される所定の設定タイミングは、所定時間ごとに設けられている。そのため、例えば、第1制御から第2制御に切り替わった直後にランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11以下となった場合であっても、第2制御に切り替わってから所定時間が経過するまでの間は、第2制御によって放電灯90が駆動される。これにより、第1制御と第2制御とをそれぞれある程度の時間ずつ交互に実行することが可能であるため、第1電極92の形状を安定した形状に維持しやすい。したがって、本実施形態によれば、放電灯90の寿命をより向上できる。
また、上述したように、第1制御と第2制御とが交互に繰り返されることで、ランプ電圧Vlaは、第1閾値電圧Vla11を中心とした一定の範囲内に維持される。そのため、第1閾値電圧Vla11が比較的小さい場合には、維持されるランプ電圧Vlaが比較的小さくなる。すなわち、放電灯90の第1電極92は、劣化度合いが比較的小さい状態で維持される。この場合においては、第1制御において突起552pが過度に成長する虞があり、放電灯90の第1電極92の形状を安定して維持できない虞がある。
一方、第1閾値電圧Vla11が比較的大きい場合には、維持されるランプ電圧Vlaが比較的大きくなる。すなわち、放電灯90の第1電極92は、劣化度合いが比較的大きい状態で維持される。この場合においては、第1電極92の劣化が進みやすく、第1電極92が過度に損耗する虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、制御部40は、第1制御において、第1閾値電圧Vla11の値に基づいて、第1交流電流の割合と、第2交流電流の割合と、を調整する。そのため、第1閾値電圧Vla11の大きさに応じて、第1電極92を安定して維持できるように、第1交流電流の割合と、第2交流電流の割合と、を適切に調整できる。
具体的には、本実施形態によれば、制御部40は、第1制御において、第1閾値電圧Vla11が所定値以下である場合、第2交流電流の割合を第1交流電流の割合よりも大きくし、第1閾値電圧Vla11が所定値よりも大きい場合、第1交流電流の割合を第2交流電流の割合よりも大きくする。
ここで、周波数が低い交流電流は第1電極92に与える熱負荷が大きく、突起552pを溶融した状態にしやすい。そのため、第1閾値電圧Vla11が比較的小さい場合、すなわち、所定値以下の場合には、第1交流電流の第1周波数より低い第2周波数を有する第2交流電流の割合を大きくすることで、突起552pが過度に成長することを抑制できる。
一方、第1閾値電圧Vla11が比較的大きい場合、すなわち、所定値よりも大きい場合には、第2交流電流の第2周波数より高い第1周波数を有する第1交流電流の割合を大きくすることで、突起552pが過度に損耗することを抑制できる。
以上のようにして、本実施形態によれば、第1電極92をより安定して維持できる。この効果は、第1周波数が500Hz以上、第2周波数が280Hz以下と設定される場合に、より大きく得られる。
なお、上述したように、表1に示す例は、第1閾値電圧Vla11が所定値以下である場合である。
なお、本実施形態においては、以下の構成および方法を採用してもよい。
本実施形態において、制御方法が設定される所定の設定タイミングは、プロジェクター500の電源をONにするごとに、一度ずつ設けられていてもよい。この場合、プロジェクター500の電源がONになってからOFFになるまでの一度の期間においては、第1制御と第2制御とのうちのいずれか一方の制御のみで放電灯駆動部230が制御される。
また、上記説明においては、制御部40は、放電灯90の駆動として、第1放電灯駆動から第4放電灯駆動までの4つの駆動を実行可能としたが、これに限られない。本実施形態においては、制御部40は、例えば、放電灯90の駆動として、2つまたは3つの駆動のみを実行可能であってもよいし、5つ以上の駆動を実行可能であってもよい。例えば、実行可能な放電灯駆動の数が多いほど、放電灯90の劣化に応じて適切に放電灯90の駆動を変化させやすいため、放電灯90の寿命を向上させやすい。
また、本実施形態においては、例えば、放電灯90が消灯される際に、実行していた放電灯駆動を記憶し、再び放電灯90を点灯した際に記憶された放電灯駆動を実行する構成としてもよい。
また、上記説明においては、所定の設定タイミングにおいて、各放電灯駆動を移行するか否かを判断していたが、これに限られない。本実施形態においては、常にランプ電圧Vlaを監視して、放電灯駆動を移行するか否かを判断してもよい。この場合においては、例えば、第1制御が設定された後、所定時間経過する前に、第2放電灯駆動に移行する場合がある。
また、本実施形態においては、第1閾値電圧Vla11と第1移行電圧Vla12とが同じ値であってもよい。この場合においては、ランプ電圧Vlaが第1閾値電圧Vla11より大きくなって第2制御が設定された時点で、ランプ電圧Vlaが第1移行電圧Vla12よりも大きくなる。そのため、この場合においては、第2制御の連続実行時間が第1移行時間t1以上となった際に、制御部40は、放電灯90の駆動を第1放電灯駆動から第2放電灯駆動に移行する。
また、上記説明においては、第1制御および第2制御における駆動電流波形は、直流電流と周波数が異なる2種類の交流電流とからなる構成としたが、これに限られない。本実施形態において、第1制御および第2制御における駆動電流波形を構成する交流電流は1種類であってもよいし、周波数が互いに異なる3種類以上の交流電流を含んでいてもよい。また、本実施形態において、第1制御および第2制御における駆動電流波形を構成する直流電流は、2種類以上であってもよい。2種類以上の直流電流とは、放電灯90に供給される電流値の絶対値が異なる2種類以上の直流電流を含む。
なお、上記の実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記の実施形態において、3つの液晶パネル560R,560G,560B(液晶ライトバルブ330R,330G,330B)を用いたプロジェクター500の例を挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクター、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。