JP2009146735A - 放電灯の駆動方法、駆動装置、及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】電極温度の調整が比較的容易で、電極先端の突起が過度に成長することを防止できる放電灯の駆動方法及び装置を提供すること。
【解決手段】点灯装置70a及び制御装置70bが、少なくとも一方の第1電極15が陽極として動作する期間内に、補修波形MWの電流を供給する。ここで、補修波形MWは、上昇部WP1と、最大部WP2と、降下部WP3とを時系列的に並べたものであり、一方の第1電極15が陽極の際に比較的緩やかに電流が増減変化するので、一方の第1電極15の先端部15aが過度に成長することを防止しつつ、一方の第1電極15の先端側を平滑化してフリッカの原因となる凹凸の発生を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対の電極を有する放電灯の駆動方法、駆動装置、及び、かかる放電灯を組み込んだ光源を備えるプロジェクタに関する。
プロジェクタ等の光源装置に組み込まれる高圧放電灯の電極は、点灯時間とともに消耗するため、アークの長さや位置が変化し、輝度変化の原因となるフリッカが発生する。これを解決するために、高圧放電灯に供給される矩形波のランプ電流に対してパルス電流を重畳し、放電を安定化させ、フリッカを抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。
米国特許第5608294号公報
しかし、上記のようにパルス電流を重畳してフリッカを抑制する方法を用いると、電極先端の突起部が過度に成長してしまう傾向があり、電極消耗の程度が少ない比較的初期の段階において、電圧の過剰な低下を招き、発光量の低下や駆動装置の負担増を誘発するという問題がある。
そこで、本発明は、フリッカを抑制し、かつ電極先端の突起部が過度に成長することを防止できる放電灯の駆動方法及び装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、電極先端の突起部が過度に成長することを防止した放電灯を組み込んだプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る放電灯の駆動方法は、第1電極及び第2電極間に交流電流を供給し放電させることによって発光を生じさせる放電灯の駆動方法であって、第1電極及び第2電極のうち少なくとも一方の電極が陽極として動作する少なくとも1つの期間内に、電流値が上昇する上昇部と、上昇部の後において電流値が最大値となる最大部と、最大部の後において電流値が降下する降下部とを有する補修波形の電流を供給する。
上記放電灯の駆動方法では、少なくとも一方の電極が陽極として動作する少なくとも1つの期間内に補修波形の電流を供給する。ここで、補修波形は、電流値が上昇する上昇部と、上昇部の後において電流値が最大値となる最大部と、最大部の後において電流値が降下する降下部とを有しており、一方の電極が陽極の際に、電流上昇時には電極の温度が増大することによって、フリッカ等の原因となる凹凸の発生を抑制しつつ、電流降下時には電極の温度が降下することによって、電極先端部が過度に成長する事を防止する事ができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、上記駆動方法において、補修波形の電流が、少なくとも一方の電極の動作が異常である電極異常時に供給される。この場合、補修波形の電流によって、電極異常時に対応する電極の先端側を必要に応じて平滑化するので、フリッカ等の電極異常の発生を効率的に防止できる。
本発明の別の態様では、光源装置において、補修波形の電流が、第1電極及び第2電極間の放電による発光に際して定期的に供給される。この場合、補修波形の電流によって、第1電極や第2電極の先端側を定期的に平滑化して凹凸の発生を抑制できるので、フリッカ等の発生を未然に防止できる。
本発明のさらに別の態様では、補修波形の電流が、第1電極及び第2電極間の放電による発光の開始時及び終了時の少なくとも一方に際して供給される。この場合、補修波形の電流によって、第1電極や第2電極の先端側を発光の開始時又は終了時に平滑化して凹凸の発生を抑制できるので、通常の動作の妨げになりにくい状態でフリッカ等の発生を未然に防止できる。
本発明のさらに別の態様では、補修波形の電流が、第1電極及び第2電極に定常的エネルギーを供給する定常動作中に供給される。この場合、第1電極及び第2電極が適度に加熱され安定して動作している状態で補修波形の電流を供給することになり、定常動作時のフリッカ抑制と電極先端部の過度の成長防止を実現できる。
本発明のさらに別の態様では、補修波形の電流が供給される補修駆動の際の少なくとも一方の電極の先端部の最大温度は、補修波形が供給されない通常駆動の際の少なくとも一方の電極の先端部の最大温度よりも高い。この場合、一方の電極の先端側を確実に加熱することができ、定常動作時のフリッカ抑制と電極先端部の過度の成長防止を実現できる。
本発明に係る駆動装置は、第1電極及び第2電極間に交流電流を供給し放電させることによって放電灯を発光させる駆動装置であって、第1電極及び第2電極のうち少なくとも一方の電極が陽極として動作する少なくとも1つの期間内に、電流値が上昇する上昇部と、上昇部の後において電流値が最大値となる最大部と、最大部の後において電流値が降下する降下部とを有する補修波形の電流を供給する電流駆動回路を備える。
上記駆動装置では、電流駆動回路が、少なくとも一方の電極が陽極として動作する少なくとも1つの期間内に、補修波形の電流を供給する。ここで、補修波形は、電流値が上昇する上昇部と、上昇部の後において電流値が最大値となる最大部と、最大部の後において電流値が降下する降下部とを有しており、一方の電極が陽極の際に、電流上昇時には電極の温度が増大することによって、フリッカ等の原因となる凹凸の発生を抑制しつつ、電流降下時には電極の温度が降下することによって、電極先端部が過度に成長する事を防止する事ができる。
本発明に係る放電灯のプロジェクタは、(a)上述の駆動装置と、当該駆動装置に駆動されて発光する放電灯とを有する光源装置と、(b)光源装置からの照明光によって照明される光変調装置と、(c)光変調装置によって形成された像を投射する投射光学系とを備える。
上記プロジェクタでは、上述の駆動装置を有する光源装置を用いているので、光源装置を構成する一方の電極の先端に突起する先端部が過度に成長することを防止しつつ、一方の電極の先端側を平滑化してフリッカ等の原因となる凹凸の発生を抑制できる。これにより、プロジェクタの投射輝度を保持することができる。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態である放電灯の駆動方法、駆動装置等について説明する。
図1は、放電灯及びその駆動装置を組み込んだ光源装置100の構造を概念的に説明する断面図である。光源装置100において、光源ユニット10は、放電灯すなわち放電ランプとして、放電発光型の発光管1と、楕円面型の主反射鏡であるリフレクタ2と、球面型の副反射鏡である副鏡3とを備える。また、駆動装置70は、詳細は後述するが、光源ユニット10に交流電流を供給して所望の状態で発光させるための電気回路である。
光源ユニット10において、発光管1は、中央部が球状に膨出した透光性の石英ガラス管で構成され、照明用の光を放射する封体である本体部分11と、この本体部分11の両端を通る軸線に沿って延びる第1及び第2封止部13,14とを備える。
本体部分11内に形成される放電空間12には、タングステン製の第1電極15の先端部分と、同様にタングステン製の第2電極16の先端部分とが所定距離で離間配置されており、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。この本体部分11の両端に延びる各封止部13,14の内部には、本体部分11に設けた第1及び第2電極15,16の根元部分に対し電気的に接続されるモリブデン製の金属箔17a,17bが挿入され、両封止部13,14は、それ自体或いはガラス材料等によって外部に対して気密に封止されている。これらの金属箔17a,17bに接続されたリード線18a,18bに対して駆動装置70により交流パルス状の電力を供給すると、一対の電極15,16間でアーク放電が生じ、本体部分11が高輝度で発光する。
副鏡3は、発光管1の本体部分11のうち、第2電極16がある光束射出前方側の略半分を近接して覆っている。この副鏡3は、石英ガラス製の一体成形品であり、発光管1の本体部分11から前方に放射された光束を本体部分11に戻す副反射部3aと、この副反射部3aの根元部を支持した状態で第2封止部14の周囲に固定される支持部3bとを備える。支持部3bは、第2封止部14を挿通させるとともに、副反射部3aを本体部分11に対してアライメントした状態で保持している。
リフレクタ2は、発光管1の本体部分11のうち、第1電極15がある光束射出後方側の略半分に対向して配置されている。このリフレクタ2は、結晶化ガラスや石英ガラス製の一体成形品であり、発光管1の第1封止部13が挿通される首状部2aと、この首状部2aから拡がる楕円曲面状の主反射部2bとを備える。首状部2aは、第1封止部13を挿通させるとともに、主反射部2bを本体部分11に対してアライメントした状態で保持している。
発光管1は、主反射部2bの回転対称軸又は光軸に対応するシステム光軸OAに沿って配置されるとともに、本体部分11内の第1及び第2電極15,16間の発光中心Oが主反射部2bの楕円曲面の第1焦点F1位置と一致するように配置される。発光管1を点灯した場合、本体部分11の発光中心O周辺のアークから放射された光束は、主反射部2bで反射され、或いは副反射部3aでの反射を経て主反射部2bでさらに反射され、楕円曲面の第2焦点F2位置に収束する光束となる。つまり、リフレクタ2及び副鏡3は、システム光軸OAに対して略軸対称な反射曲面を有し、一対の電極15,16は、その軸心である電極軸をシステム光軸OAと略一致させるように配置されている。
発光管1は、例えば石英ガラス管中に金属箔17a,17bの先端に固定された第1及び第2電極15,16を支持し、両封止部13,14に対応する部分で石英ガラス管を周囲からバーナで加熱して軟化、収縮させるシリンクシールによって作製される。発光管1は、リフレクタ2の首状部2aに第1封止部13を挿入した状態で、無機接着剤Cを注入及び充填して固化することにより固定され、副鏡3は、発光管1の第2封止部14に支持部3bを挿通させた状態で、無機接着剤Cを注入及び充填して固化することにより固定される。
図2は、図1に示す光源ユニット10を所望の状態で点灯動作させるための駆動装置70の構成を模式的に示すブロック図である。
駆動装置70は、図1等に示す一対の電極15,16間で放電を行うための交流電流を発生させるとともに、両電極15,16に対する交流電流の供給状態を制御する。駆動装置70は、点灯装置70aと、制御装置70bと、DC/DCコンバータ70cとを備える。ここでは、一例として、駆動装置70が、外部電源を使用する場合について説明する。つまり、駆動装置70は、AC/DCコンバータ81に接続されており、AC/DCコンバータ81は、商用電源90に接続されている。AC/DCコンバータ81は、商用電源90から供給される交流電流を直流に変換する。
点灯装置70aは、図1の光源ユニット10を点灯駆動させる回路部分である。点灯装置70aにより、駆動装置70から出力される駆動波形が調整される。ここで、駆動波形は、出力電流又は電圧の周波数、振幅、デューティ比、正負の振幅比、波形特性等を要素とするものであり、点灯装置70aから光源ユニット10に対して、例えば(1)矩形波、(2)かかる矩形波に三角波等を重畳した重畳波等の、各種波形特性を有する駆動電流が出力される。
制御装置70bは、例えば、マイクロコンピュータ、メモリ、センサ、インターフェース等から構成される回路ユニットであり、電源であるDC/DCコンバータ70cにて生成された適切な駆動電圧により駆動される。制御装置70bは、点灯装置70aの動作状態を制御する駆動制御部74と、発光管1の状態を判断する判断部75と、点灯装置70aの動作態様すなわち給電条件等の各種情報を記憶するデータ収納部76とを備える。また、制御装置70bは、発光管1の発光のチラツキ等を検出するための光センサ77bと、発光管1の累積点灯時間を計測するためのタイマ77aと、発光管1への印加電圧を検出する電圧センサ78とを備える。
駆動制御部74は、データ収納部76等に保管されたプログラムに従って動作する部分である。駆動制御部74は、通常動作において、データ収納部76に保管された初期動作用給電条件及び定常動作用給電条件から発光管1の現状に適合するものを選択するとともに、選択された給電条件に従った初期動作や定常動作を点灯装置70aに行わせる。なお、駆動制御部74は、点灯装置70aと協働して、発光管1に給電して必要な点灯動作を行わせるための電流駆動回路として機能する。本実施形態において、第1電極15及び第2電極16に定常的エネルギーを供給する動作を定常動作とし、定常動作を行う前に定常動作とは異なる動作で第1電極15及び第2電極16にエネルギーを供給する動作を初期動作とする。
判断部75は、後述する光センサ77bの出力と、タイマ77aの出力と、電圧センサ78の出力とを監視しており、(1)発光管1にフリッカ等が発生している電極異常時か否かと、(2)発光管1の累積点灯時間がどのレベルにあるかと、(3)発光管1への印加電圧がどのレベルにあるかとを判断する部分である。なお、発光管1におけるフリッカ等の発生は、一対の電極15,16の少なくとも一方の先端側に不規則な凹凸が形成されていることを意味し、両電極15,16のうちフリッカ等の発生時に陰極となっている方の電極に凹凸が形成されていると判断される。また、定常動作において、発光管1への印加電圧の上昇は、一対の電極15,16間の距離の増加すなわち電極15,16の損耗や劣化を意味する。
データ収納部76は、駆動制御部74の動作用プログラム等のほか、発光管1の初期動作の態様として複数の初期用給電条件を記憶し、発光管1の定常動作の態様として複数の定常用給電条件を記憶する。後者の定常用給電条件には、2以上の定常駆動用給電条件が含まれている。具体的には、データ収納部76は、定常動作における定格駆動や補修駆動での電流値、周波数、重畳する三角波の傾斜部の勾配等を記憶する。
タイマ77aは、発光管1の点灯時間をチェックしており、毎回の点灯時間を累積した累積点灯時間を保持する。光センサ77bは、発光管1から射出される光源光の強度変動を検出する。電圧センサ78は、点灯装置70aを介して発光管1の第1及び第2電極15,16間にかかっている電圧を検出する。
図3は、発光管1内に封入された第1及び第2電極15,16の先端部分の拡大図である。第1及び第2電極15,16は、先端部15a,16aと、本体部15b,16bと、コイル部15c,16cと、芯棒15d,16dとをそれぞれ備える。第1及び第2電極15,16の先端側に塊状の本体部15b,16bを設けることで、熱容量を大きくすることができる。なお、第1及び第2電極15,16の先端部分は、例えば封入前の段階で、芯棒15d,16dにタングステンを巻き付け、これを加熱・溶融することにより形成される。この際、巻き付けられたタングステンのうち溶融されなかった残りの部分がコイル部15c,16cとなる。
図4(A)〜4(C)は、両電極15,16のうち第1電極15に対する補修駆動時の第1電極15への作用を説明する概念図である。
図4(A)に示す第1電極15の場合、先端部15aが台形に近い形状に多少変形しており、先端部15a先端側の表面に、使用の継続によって複数の微小な凹凸63も形成されている。この場合、先端部15aと凹凸63との間で放電起点が移動する現象、つまりフリッカやアークジャンプが発生する。ここで、フリッカは放電の起点の移動が連続的に起こるものであり、アークジャンプは、当初の放電起点位置から放電起点が完全に移動するものである。フリッカやアークジャンプは、画面のちらつきや照度低下を発生させる。
上記のようなフリッカやアークジャンプを事後に又は事前に防止するため、発光管1の定常動作において、少なくとも第1電極15に対して補修駆動を行なう。図4(B)に示すように、第1電極15に対して補修駆動を行うことにより、第1電極15の先端側の温度が上昇し、図4(A)の凹凸63が溶かされて溶融部64が形成される。ここで行われる補修駆動は、先端部15aや先端側領域15gの適度な温度上昇を確保することができる。これにより、先端部15aを略残したままで溶融部64を形成することができ、凹凸63を平滑化することができる。なお、詳細は省略するが、第1電極15に対向する第2電極16の先端部16aの表面も溶融しているが、この場合、第2電極16に対しては補修駆動が行なわれておらず通常の定格駆動の通電動作が行われており、溶融部の体積が少なく形状が変化しない程度になっている。
図5は、図4(B)に示す補修駆動で用いられる駆動波形すなわち補修波形を説明する図である。図5において、横軸は時間を示し、縦軸は電流値を示す。この場合、補修波形MWの周波数は、通常の定格駆動の駆動波形と一致する。ただし、補修波形MWは、矩形波に対しその半周期HP1の中央で最大値となる三角波を重畳し、この中央ピークの三角波の振幅を例えば元の矩形波の25%としたものとなっている。ここで、補修波形MWは、第1電極15が陽極である前側の半周期HP1の期間内において、電流値が開始値a−bから徐々に上昇する上昇部WP1と、上昇部WP1の後において電流値が最大値a+bとなる最大部WP2と、最大部WP2の後において電流値が最終値a−bに降下する降下部WP3とを有している。一方、補修波形MWは、第2電極16が陽極である後側の半周期HP2の期間内において、その電流値が通常の定格駆動の電流値aのままに維持されたものとなっている。このような駆動波形により、第1電極15が陽極の際に、第1電極15に供給される電流が比較的緩やかに増加し減少することになる。この結果、第1電極15の本体部15bは、電流上昇時には適度に加熱され、第2電極16の本体部16bよりも相対的に温度上昇するとともに、通常の定格駆動時よりも相対的に温度上昇し、フリッカ等の原因となる凹凸63の発生を抑制しつつ、電流降下時には温度降下することによって、先端部15aが過度に成長する事を防止する事ができる。
以上のような補修駆動による動作の後は、通常の定格駆動に復帰する。通常の定格駆動では、両電極15,16に対して矩形波の駆動電流が供給され、第1電極15が相対的に冷却され、図4(C)に示すように、先端部15aの形状が先細りに保持される。
なお、以上の説明は、第1電極15についてのものであったが、第2電極16についても、経時的に同様の凹凸63が形成されるので、上記と同様の補修駆動で通電動作させることによって凹凸63を平滑化することができる。この際、先端部16aの周囲の先端側領域16gに形成された凹凸63も平滑化することができる。なお、第2電極16の補修駆動に用いられる補修波形は、図5に示す補修波形を正負反転させたものとなる。
以上の説明は、第1電極15や第2電極16において単独でフリッカ等が発生する場合の説明であったが、第1及び第2電極15,16で同時にフリッカ等が発生する場合もある。この場合、両電極15,16に対して並行して補修駆動を実行することで、両電極15,16の先端部15a,16aに形成された凹凸を同時に平滑化することができる。
図6は、駆動装置70の動作を説明するフローチャートである。電源投入後の点灯開始前、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の点灯開始に適する初期動作用給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS10)。これにより、発光管1に設けた両電極15,16間で放電を開始させる始動と、定電流で電力を定格値まで増加させる立ち上げとを含む初期駆動を実行することができ、発光管1を本格的に発光させることができる。
次に、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の安定動作に適する定常動作用給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS11)。これにより、発光管1に設けた両電極15,16間でアーク放電を維持することができる。この際、両電極15,16間には、定格駆動の駆動波形、具体的には矩形波の電流波形が供給される。なお、上記のような定格駆動は、例えば、ステップS10の初期駆動の最終段階、すなわち初期駆動によって電力が目標の定格値に達した時点でタイミングを合わせてスタートさせることができる。
次に、制御装置70bは、判断部75の出力を読み出すことにより、発光管1の発光状態に関連するデータをチェックする(ステップS12)。
次に、制御装置70bは、判断部75から出力されたデータのうち光センサ77bの出力に関連する情報に基づいて、両電極15,16間でフリッカが発生しているか否かすなわち電極異常が発止しているか否かを判断する(ステップS13)。
フリッカが発生している場合、制御装置70bは、判断部75から出力されたデータに基づいて発光管1の劣化が進行しているか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、判断部75の出力のうちタイマ77aの出力に関連する情報に基づいて、発光管1の累積点灯時間が一定以上に長くなって劣化が進行しているか否かを判断するとともに、電圧センサ78の出力に関連する情報に基づいて、発光管1への印加電圧すなわち両電極15,16の電極間距離が一定以上に長くなって劣化が進行しているか否かを判断する。
発光管1の劣化が進行していない場合、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の補修駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS15)。これにより、第1電極15側でフリッカが発生している場合、図5に例示する補修波形の電流が両電極15,16間に供給され、図4(B)に示すように、第1電極15の先端側の温度が相対的に上昇し、図4(A)の凹凸63が溶かされて溶融部64が形成される。なお、第2電極16側でフリッカが発生している場合、図5に例示する補修波形の正負反転した補修波形によって第2電極16の先端側の温度を相対的に上昇させることができる。
一方、発光管1の劣化が進行している場合、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の再生駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS16)。この再生駆動は、例えば矩形波にパルス波、三角波等を重畳した重畳波とすることができ、図5に例示する補修波形に比較して両電極15,16の先端部15a,16aの成長をより促進するものとする。
その後、ステップS13でフリッカが発生していないと判断された場合を含めて、制御装置70bは、判断部75の出力に基づいて、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号が入力されたか否かを判断する(ステップS17)。このような割込要求信号の入力があった場合、現在の累積点灯時間、現在の発光管1に供給されている電圧等、現在の発光管1の状態を示す情報をデータ収納部76に記録し、消灯動作に移行させる。
なお、以上の説明では、発光管1の劣化が進行している場合、制御装置70bがステップS16で発光管1に対して再生駆動を行うものとしたが、このような再生駆動は、必須でなく省略することもできる。
図7(A)は、駆動装置70の動作波形の一例を示すグラフであり、図7(B)は、光センサ77bの出力を示すグラフであり、図7(C)は、補修駆動の動作タイミングを示すグラフである。ここで、横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれ供給電流値、フリッカ検出出力、及び補修駆動のオン・オフを示す。
図7(A)に示すように、両電極15、16への供給エネルギーに対応する電流値は、通常の定格駆動時において、第1電極15の陽極期間中および陰極期間中において、ともに値aに保たれている。図7(B)に示すように、光センサ77bの出力は、劣化した第1電極15が陰極のときにノイズ状の信号として検出される。すなわち、第1電極15の先端部15aの表面が荒らされて、表面に微小な凹凸63が形成されると、アークにフリッカを生じ、フリッカ検出出力が生じる。なお、図7(B)では、第1電極15側でフリッカが生じる場合について説明しているが、第2電極16側でフリッカが生じる場合もあり、この場合、電流値がプラス時すなわち第2電極16が陰極のときにノイズ状の信号が検出される。図7(C)に示すように、制御装置70bの駆動制御部74は、光センサ77bの出力を処理する判断部75を介して信号を受け取って、点灯装置70aに対して補修駆動を実行させるための補修モード信号を出力する。この補修モード信号は、光センサ77bのフリッカ検出出力がオンである期間中維持される。なお、補修モード信号の終端は、光センサ77bのフリッカ検出出力に連動しないものとすることができる。例えば、光センサ77bのフリッカ検出の開始後、両電極15、16に所定サイクルの交流が供給される期間中、フリッカ検出の有無にかかわらず補修モード信号をオンに維持することができる。つまり、補修駆動を実行するための駆動波形MW(図5参照)の供給期間は、1周期以上の適当な期間に設定することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の駆動装置70によれば、点灯装置70a及び制御装置70bが、少なくとも一方の第1電極15が陽極として動作する期間内において、補修波形MWの電流を例えば間欠的に供給する。ここで、補修波形MWは、上昇部WP1と、最大部WP2と、降下部WP3とを時系列的に並べたものであり、一方の第1電極15が陽極の際に、電流上昇時には適度に温度上昇し、フリッカ等の原因となる凹凸63の発生を抑制しつつ、電流降下時には温度降下することによって、先端部15aが過度に成長する事を防止する事ができる。
図8は、図1の光源装置100を組み込んだプロジェクタの構造を説明するための概念図である。プロジェクタ200は、光源装置100と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調部40と、クロスダイクロイックプリズム50と、投射レンズ60とを備える。ここで、光変調部40は、同様の構造を有する3つの液晶ライトバルブ40a,40b,40cを含む。
上記プロジェクタ200において、光源装置100は、図1に示した光源ユニット10と、駆動装置70とを備え、照明光学系20等を介して光変調部40すなわち液晶ライトバルブ40a,40b,40cを照明するための照明光を発生する。
照明光学系20は、光源光の光束方向を平行化する平行化レンズ22と、光を分割して重畳するためのインテグレータ光学系を構成する第1及び第2フライアイレンズ23a,23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイレンズ23a,23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25と、光の光路を折り曲げるミラー26とを備え、これらにより均一化された略白色の照明光を形成する。照明光学系20において、平行化レンズ22は、光源ユニット10から射出された照明光の光束方向を略平行に変換する。第1及び第2フライアイレンズ23a,23bは、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、第1フライアイレンズ23aを構成する要素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光し、第2フライアイレンズ23bを構成する要素レンズによって第1フライアイレンズ23aからの分割光束を適当な発散角にして射出させる。偏光変換素子24は、PBS、ミラー、位相差板等を一組の要素とするアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。重畳レンズ25は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置である液晶ライトバルブ40a,40b,40cの被照明領域に対する重畳照明を可能にする。つまり、両フライアイレンズ23a,23bと重畳レンズ25とを経た照明光は、以下に詳述する色分離光学系30を経て、光変調部40に設けられた各色の液晶パネル41a,41b,41cを均一に重畳照明する。
色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bと、反射ミラー32a,32b,32cと、3つのフィールドレンズ33a,33b,33cとを備え、照明光学系20を経て均一化された照明光を赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうちR光を透過させG光及びB光を反射する。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GBの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。次に、この色分離光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、反射ミラー32aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aで反射され、さらに、第2ダイクロイックミラー31bでも反射されたG光は、入射角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1,LL2及び反射ミラー32b,32cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。
光変調部40を構成する各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置である。液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、色分離光学系30から射出された各色光に対応してそれぞれ照明される3つの液晶パネル41a,41b,41cと、各液晶パネル41a,41b,41cの入射側にそれぞれ配置される3つの第1偏光フィルタ42a,42b,42cと、各液晶パネル41a,41b,41cの射出側にそれぞれ配置される3つの第2偏光フィルタ43a,43b,43cとを備える。第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液晶ライトバルブ40aの液晶パネル41aを照明する。第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bの双方で反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bの液晶パネル41bを照明する。第1ダイクロイックミラー31aで反射され、第2ダイクロイックミラー31bを透過したB光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライトバルブ40cの液晶パネル41cを照明する。各液晶パネル41a〜41cは、入射した照明光の偏光方向の空間的強度分布を変調し、各液晶パネル41a〜41cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル41a〜41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて、画素単位で偏光状態を調節される。この際、第1偏光フィルタ42a〜42cによって、各液晶パネル41a〜41cに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、第2偏光フィルタ43a〜43cによって、各液晶パネル41a〜41cから射出される変調光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。以上により、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、それぞれに対応する各色の像光を形成する。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cからの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a,51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、B光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aからのR光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a,51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このようにして、クロスダイクロイックプリズム50によりR光、G光及びB光が合成され、カラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系であり、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
以上のプロジェクタ200によれば、上述の駆動装置70を有する光源装置100を用いているので、光源装置100を構成する電極15,16いずれか一方において、先端部15a,16bやその周辺に凹凸63が過度に成長することを防止してフリッカ等の発生を抑制できる。これにより、プロジェクタ200の投射輝度を保持することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の駆動装置等について説明する。なお、第2実施形態の駆動装置等は、第1実施形態の駆動装置70等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態の駆動装置70等と同様であるものとする。
図9(A)は、一対の電極15,16に供給する駆動波形すなわち補修波形を説明する図である。この場合、補修波形MW2は、矩形波に対しその半周期HP1の中央及びその周辺で最大値となる台形波を重畳している。ここで、補修波形MW2は、第1電極15が陽極である前側の半周期HP1の期間内において、電流値が開始値a−c2から徐々に上昇する上昇部WP1と、上昇部WP1の後において電流値が最大値a+b2に維持される最大部WP2と、最大部WP2の後において電流値が最終値a−c2に降下する降下部WP3とを有している。一方、この補修波形MW2は、第2電極16が陽極である後側の半周期HP2の期間内において、その電流値が通常の定格駆動の電流値aのままに維持されたものとなっている。このような駆動波形によっても、第1電極15が陽極の際に、電流上昇時には適度に温度上昇し、フリッカ等の原因となる凹凸63の発生を抑制しつつ、電流降下時には温度降下することによって、先端部15aが過度に成長する事を防止する事ができる。
図9(B)は、図9(A)に示す補修波形の変形例を説明する図である。この場合、補修波形MW3は、矩形波に対しその半周期HP1の後半で最大値となる三角波を重畳している。ここで、補修波形MW3は、第1電極15が陽極である前側の半周期HP1の期間内において、電流値が開始値a−b3から徐々に上昇する上昇部WP1と、上昇部WP1の後において電流値が最大値a+b3となる最大部WP2と、最大部WP2の後において電流値が最終値a−b3に降下する降下部WP3とを有している。一方、この補修波形MW3は、第2電極16が陽極である後側の半周期HP2の期間内において、その電流値が通常の定格駆動の電流値aのままに維持されたものとなっている。このような駆動波形によっても、第1電極15が陽極の際に、電流上昇時には適度に温度上昇し、フリッカ等の原因となる凹凸63の発生を抑制しつつ、電流降下時には温度降下することによって、先端部15aが過度に成長する事を防止する事ができる。
図9(C)は、図9(A)に示す補修波形の変形例を説明する図である。この場合、補修波形MW4は、矩形波に対しその半周期HP1の前半で最大値となる三角波を重畳している。ここで、補修波形MW4は、第1電極15が陽極である前側の半周期HP1の期間内において、電流値が開始値a−b4から徐々に上昇する上昇部WP1と、上昇部WP1の後において電流値が最大値a+b4となる最大部WP2と、最大部WP2の後において電流値が最終値a−b4に降下する降下部WP3とを有している。一方、この補修波形MW4は、第2電極16が陽極である後側の半周期HP2の期間内において、その電流値が通常の定格駆動の電流値aのままに維持されたものとなっている。このような駆動波形によっても、第1電極15が陽極の際に、電流上昇時には適度に温度上昇し、フリッカ等の原因となる凹凸63の発生を抑制しつつ、電流降下時には温度降下することによって、先端部15aが過度に成長する事を防止する事ができる。
なお、以上の説明は、第1電極15を補修する場合についてのものであったが、第2電極16についても、経時的に同様の凹凸が形成されるので、上記と同様の補修駆動で通電動作させることによって凹凸を平滑化することができる。この際、第2電極16の補修駆動に用いられる補修波形は、図9(A)〜9(C)に示す補修波形を正負反転させたものとなる。
また、上記の補修波形MW2〜MW4は、単なる例示であり、矩形波に台形波や三角波を重畳したものに限らず、様々な波形とすることができる。例えば補修波形MW2において、昇部WP1における最小値a−c2と、降下部WP3における最小値a−c2とを一致させる必要はなく、第2電極16の本体部16bの温度調整量を考慮して、両者に適当な差を設けることができる。
また、上記の補修波形MW2〜MW4では、昇部WP1や降下部WP3が一定の勾配を有しているが、昇部WP1や降下部WP3の勾配が経時的に変化するものとすることもできる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の駆動装置等について説明する。なお、第3実施形態の駆動装置等は、第1実施形態の駆動装置70等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態の駆動装置70等と同様であるものとする。
図10は、本実施形態の駆動装置70の動作を説明するフローチャートである。この場合、制御装置70bは、フリッカの発生の有無ではなく、判断部75の出力のうちタイマ77aの出力に関連する情報に基づいて、両電極15,16の補修が必要なタイミングか否かを判断する(ステップS23)。ここで、発光管1の累積点灯時間が一定のタイミングに達している場合、電圧センサ78の検出結果に関連して発光管1の劣化が進行していなければ(ステップS14)、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の補修駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS15)。これにより、図5に例示する補修波形の電流が両電極15,16間に供給され、図4(B)に示すように、第1電極15の先端側の温度が相対的に上昇し、図4(A)の凹凸63が溶かされて溶融部64が形成される。以上のステップS15は、ステップS23での判断に基づいて例えば定期的に行われるので、この場合、補修駆動が定期的に実行されることになる。なお、判断部75において、補修が必要なタイミングか否かは、一定の幅を有する期間すなわち時間帯に対応して設定されており、一旦補修駆動が行われた場合、同じ時間帯内での補修駆動が防止される。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態の駆動装置等について説明する。なお、第4実施形態の駆動装置等は、第1実施形態の駆動装置70等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態の駆動装置70等と同様であるものとする。
図11は、本実施形態の駆動装置70の動作を説明するフローチャートである。この場合、初期駆動(ステップS10)の後、制御装置70bは、判断部75の出力を読み出すことにより、発光管1の発光状態をチェックする(ステップS12)。次に、制御装置70bは、フリッカの発生の有無ではなく、判断部75の出力のうちタイマ77aの出力に関連する情報に基づいて、両電極15,16の補修が必要なタイミングか否かを判断する(ステップS33)。ここで、発光管1の累積点灯時間が一定のタイミングに達している場合、電圧センサ78の検出結果に関連して発光管1の劣化が進行していなければ(ステップS14)、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の補修駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS15)。これにより、図5に例示する補修波形の電流が両電極15,16間に供給され、図4(B)に示すように、第1電極15の先端側の温度が相対的に上昇し、図4(A)の凹凸63が溶かされて溶融部64が形成される。その後、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の安定動作に適する定常動作用給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS31)。この際、両電極15,16間には、定格駆動の駆動波形、具体的には矩形波の電流波形が供給される。なお、発光管1の劣化が進行している場合、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の再生駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS16)。
上記の定格駆動に付随して、制御装置70bは、判断部75の出力に基づいて、光源ユニット10の点灯動作の終了を要求する割込要求信号が入力されたか否かを判断する(ステップS17)。このような割込要求信号の入力があった場合、制御装置70bは、判断部75の出力を読み出すことにより、発光管1の発光状態に関連するデータをチェックする(ステップS42)。次に、制御装置70bは、判断部75の出力のうちタイマ77aの出力に関連する情報に基づいて、両電極15,16の補修が必要なタイミングか否かを判断する(ステップS43)。ここで、発光管1の累積点灯時間が一定のタイミングに達している場合、電圧センサ78の検出結果に関連して発光管1の劣化が進行していなければ(ステップS44)、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の補修駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS45)。これにより、図5に例示する補修波形の電流が両電極15,16間に供給され、図4(B)に示すように、第1電極15の先端側の温度が相対的に上昇し、図4(A)の凹凸63が溶かされて溶融部64が形成される。なお、発光管1の劣化が進行している場合、制御装置70bは、データ収納部76に保管された情報から発光管1の再生駆動に適する給電条件を読み出し、発光管1の駆動状態を制御する(ステップS46)。
以上の第4実施形態では、発光管1の発光の開始時及び終了時に第1電極15,16の先端側を平滑化できるので、通常の定常動作すなわち画像の投射の妨げになりにくい状態でフリッカの発生を防止できる。
なお、第4実施形態では、発光の開始時と終了時とで補修駆動を行うことになるが、発光の開始時と終了時とのいずれか一方にみで補修駆動を行うこともできる。
また、発光管1の劣化が進行しているか否かを判断するステップS14,S44は、必須のものでなく、発光管1の発光の開始時及び終了時に強制的に修復駆動を行うこともできる(ステップS15,S45)。
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
例えば、上記実施形態の光源ユニット10に用いるランプとしては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等種々のものが考えられる。
また、上記実施形態のプロジェクタ200では、光源装置100からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a,23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイレンズ23a,23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記プロジェクタ200において、光源装置100からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、図8に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶パネル41a〜41cを用いたプロジェクタ200の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、色分離光学系30や液晶ライトバルブ40a,40b,40c等を用いて各色の光変調を行っているが、これらに代えて、例えば光源装置100及び照明光学系20によって照明されるカラーホイールと、マイクロミラーの画素によって構成されカラーホイールの透過光が照射されるデバイスとを組み合わせたものを用いることによって、カラーの光変調及び合成を行うこともできる。
第1実施形態の駆動装置を組み込んだ光源装置を説明する断面図である。 図1の光源装置に組み込まれた駆動装置の構成を示すブロック図である。 発光管内に封入された第1及び第2電極の先端部分の拡大図である。 (A)〜(C)は、駆動装置による電極の補修を説明する拡大図である。 補修駆動で用いられる補修波形を説明する図である。 駆動装置の動作を説明するフローチャートである。 (A)〜(C)は、駆動装置の具体的な動作波形を示すグラフである。 図1の光源装置を組み込んだプロジェクタを説明する図である。 (A)〜(C)は、第2実施形態の光源装置の動作を説明する図である。 第3実施形態の光源装置の動作を説明するフローチャートである。 第4実施形態の光源装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…発光管、 2…リフレクタ、 3…副鏡、 10…光源ユニット、 11…本体部分、 15…第1電極、 15a,16a…先端部、 15b,16b…本体部、 16…第2電極、 20…照明光学系、 22…平行化レンズ、 23a,23b…フライアイレンズ、 24…偏光変換素子、 25…重畳レンズ、 30…色分離光学系、 31a,31b…ダイクロイックミラー、 40…光変調部、 40a,40b,40c…液晶ライトバルブ、 41a,41b,41c…液晶パネル、 50…クロスダイクロイックプリズム、 60…投射レンズ、 63…凹凸、 64…溶融部、 70…駆動装置、 70a…点灯装置、 70b…制御装置、 74…駆動制御部、 75…判断部、 76…データ収納部、 77a…タイマ、 77b…光センサ、 78…電圧センサ、 100…光源装置、 200…プロジェクタ、 HP1…半周期、 HP2…半周期、 MW,MW2,MW3,MW4…補修波形、 WP1…上昇部、 WP2…最大部、 WP3…降下部、 OA…システム光軸

Claims (8)

  1. 第1電極及び第2電極間に交流電流を供給し放電させることによって発光を生じさせる、放電灯の駆動方法であって、
    前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の電極が陽極として動作する少なくとも1つの期間内に、電流値が上昇する上昇部と、前記上昇部の後において電流値が最大値となる最大部と、前記最大部の後において電流値が降下する降下部とを有する補修波形の電流を供給する、放電灯の駆動方法。
  2. 前記補修波形の電流は、前記少なくとも一方の電極の動作が異常である電極異常時に供給される、請求項1に記載の放電灯の駆動方法。
  3. 前記補修波形の電流は、前記第1電極及び前記第2電極間の放電による発光に際して定期的に供給される、請求項1に記載の放電灯の駆動方法。
  4. 前記補修波形の電流は、前記第1電極及び前記第2電極間の放電による発光の開始時及び終了時の少なくとも一方に際して供給される、請求項1に記載の放電灯の駆動方法。
  5. 前記補修波形の電流は、前記第1電極及び前記第2電極に定常的エネルギーを供給する定常動作中に供給される、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の放電灯の駆動方法。
  6. 前記補修波形の電流が供給される補修駆動の際の前記少なくとも一方の電極の先端部の最大温度は、前記補修波形が供給されない通常駆動の際の前記少なくとも一方の電極の先端部の最大温度よりも高い、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の放電灯の駆動方法。
  7. 第1電極及び第2電極間に交流電流を供給し放電させることによって放電灯を発光させる駆動装置であって、
    前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の電極が陽極として動作する少なくとも1つの期間内に、電流値が上昇する上昇部と、前記上昇部の後において電流値が最大値となる最大部と、前記最大部の後において電流値が降下する降下部とを有する補修波形の電流を供給する電流駆動回路を備える、駆動装置。
  8. 請求項7に記載の駆動装置と、前記駆動装置に駆動されて発光する前記放電灯とを有する光源装置と、
    前記光源装置からの照明光によって照明される光変調装置と、
    前記光変調装置によって形成された像を投射する投射光学系と、
    を備えるプロジェクタ。
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