JP4547520B2 - ガスコンロ - Google Patents
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そこで、特許文献1には、器体内に、バーナを配置した燃焼室を形成し、調理容器底面で燃焼室の上方を密閉する一方、燃焼室を器体に設けた排気口と排気通路を介して連通させて、排気口に設けたファンで燃焼排気を排出するようにしたガスコンロが開示されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、径の異なる調理容器でも覆いカバーで適切に覆えるようにするために、覆いカバーは、調理容器の径に合った開口を有するリング状に形成される構成としたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の目的に加えて、仕切壁を五徳爪に利用すると共に、燃焼ガスによる調理容器底面の加熱を一層良好とするために、仕切壁を、バーナの周囲に設けられて上方から見て渦巻き状に形成された壁体とし、調理容器底面を渦巻きライン上で支持する五徳爪としたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの目的に加えて、調理容器の周囲への燃焼排気の放出と排気通路への燃焼排気の吸引とを最適なバランスで行うために、ファンの排気量を調整する排気量調整手段を備えたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの目的に加えて、燃焼排気を簡単且つ確実に室外へ排出するために、排気通路は、換気扇等の器体外の排気口に至る排気ダクトに連通する構成としたものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れかの目的に加えて、燃焼排気を使用者の周囲に放出されない箇所に排出するために、器体の所定位置に排気口を形成し、排気通路を排気口に連通させる構成としたものである。
請求項9に記載の発明は、請求項8の目的に加えて、ガスグリルの構成を利用して簡単に排気通路の排気口を得るために、排気口は、器体に内蔵されたガスグリルの排気口としたものである。
また、バーナの燃焼排気をスムーズに排出することができる。
さらに、覆いカバーの排出口を通って五徳の外周側へ排出される熱流を調理加熱として有効に利用できる。また、調理物から生じた油の蒸気を燃焼排気と共に上昇させて換気扇側へ運ぶことができるため、油の飛散によるトッププレートの汚れも効果的に防止可能となる。
そして、作動選択手段により、燃焼排気を調理容器の周囲に放出させない場合と、熱流を有効利用して加熱調理する場合とを使用者の好みに応じて使い分けでき、使い勝手に優れる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、径の異なる調理容器でも覆いカバーで適切に覆うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、仕切壁を五徳爪に兼用して調理容器の底面を燃焼ガス通路の区画に利用できる。しかも、燃焼ガスが渦巻き状に区画された燃焼ガス通路に沿って外側に流れるとき、仕切壁に当たって上方向に導かれて調理容器底面と良好に衝突するため、一層調理容器底面を良好に加熱できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、排気量調整手段により、調理容器の周囲への燃焼排気の放出と排気通路への燃焼排気の吸引とを最適なバランスで行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、排気通路を、換気扇等の器体外の排気口に至る排気ダクトに連通することで、換気扇を利用して排気通路の燃焼排気を簡単且つ確実に室外へ排出することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の何れかの効果に加えて、器体の所定位置に設けた排気口によって燃焼排気を使用者の周囲に放出されない任意の場所へ排出することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項8の効果に加えて、ガスグリルの構成を利用して簡単且つ適切な位置に排気通路の排気口を得ることができる。
図1は、ガスコンロの一例であるテーブルコンロ1の説明図で、トッププレート2に形成された開口3内には、コンロバーナ4が中央に配置され、そのコンロバーナ4を中心としてその周囲を囲むように、調理容器Pを載置する平面リング状の五徳5が載置されている。6はコンロバーナ4と五徳5の間に設けられた平面リング状の汁受皿である。
コンロバーナ4は、燃焼に必要な空気の殆どを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナで、上方にフランジ8を周設した筒状のバーナ本体7と、外周に多数の炎口10,10・・を複数列形成した同じく筒状のバーナヘッド9とからなる。バーナ本体7内には、上端にリング盤12を延設した筒状の内部混合管11が同軸で設けられている。この内部混合管11は、バーナ本体7内での固定状態で、リング盤12によってバーナヘッド9内を上下に仕切り、その上側部分にのみ混合ガスを供給可能としている。また、バーナ本体7の下端には、混合管13を介して、燃焼用空気を供給するための給気ファン14が接続されている。内部混合管11は、混合管13の途中まで延びて、混合管13内を二重構造にしている。
また、分岐前のガス管17には、上流側から、コントローラ21によって開閉制御される元電磁弁22、燃料ガスの供給圧を一定に制御するガスガバナ23、そして均圧弁24が夫々設けられている。均圧弁24は、内部をガス圧室25と空気圧室26とに仕切るダイヤフラム27と、そのダイヤフラム27に連結され、ガス圧室25内のガス流路28の開度を調整可能な弁体29とからなり、空気圧室26は、接続管30によって給気ファン14と第一ガスノズル15との間で混合管11と接続されている。
また、ここでは、各仕切壁32の湾曲形状の設定により、隣接する仕切壁32,32間の距離W(燃焼ガスの流れ方向に対して直交する水平方向の仕切壁間の距離)を、コンロバーナ4の中心から外側へ離れるに従って狭くなるようにしている。
同様に、小径(例えばφ220)の調理容器P2(図1の右側に示す)では、カバー部52の内径が小さい覆いカバー50bを用い、その短筒部51を環状排気体40へ同軸で載置すると、カバー部52が仕切壁32の上端に載る格好で燃焼ガス通路37の外周側を塞ぎ、同じく内周縁を調理容器P2に僅かな隙間Sを残して近接させることになる。
マイクロスイッチ55のON信号は、コントローラ21へ入力されるようになっており、コントローラ21は、このON信号の有無により燃料ガスの供給量を調整する。具体的には、ON信号が得られない場合は、検知片54がない覆いカバー50bが利用される小径の調理容器P2であるとして、その調理容器P2に対して最高の熱効率が得られる火力に自動調節する。一方、ON信号が得られる場合は、検知片54がある覆いカバー50aが利用される大径の調理容器P1であるとして、同様にその調理容器P1に対して最高の熱効率が得られる火力に自動調節することになる。
60は、テーブルコンロ1の正面側に設けられたリモコンで、運転(ON/OFF)スイッチ61及び火力を調節するUP/DOWNスイッチ62と、調節された火力を数字等で表示する表示器63とが設けられている。コントローラ21は、先述のように、覆いカバー50の検知片54の有無によって五徳5に載置される調理容器Pの大きさを判別してコンロバーナ4の火力を自動調整する燃焼量調整制御を実行するものであるが、この燃焼量の調整は、後述するように給気ファン14の回転数を制御することで行う。同様に、リモコン60には、その燃焼量調整制御を解除するキャンセルスイッチ64も設けられており、この解除状態では、UP/DOWNスイッチ62で手動選択される火力に応じて給気ファン14の回転数を制御する。
また、コントローラ21は、燃焼量に応じた駆動量で排気ファン47の駆動制御も行うが、これは、リモコン60に設けられた強制排気スイッチ65の押し操作によって任意にON/OFF制御できるようになっている(作動選択手段)。
第一ガスノズル15から噴出された燃料ガスは、燃焼用空気と混合され混合ガスとなって混合管13内を流れ、バーナヘッド9の下側の炎口群Bへ送られ、第二ガスノズル16から噴出された燃料ガスは、内部混合管11内で燃焼用空気と混合され混合ガスとなって内部混合管11内を流れ、バーナヘッド9の上側の炎口群Aへ送られる。よって、各炎口10,10・・から燃焼火炎が形成されることになる。
つまり、燃焼用空気が自然ドラフト力に供給される場合には、燃焼空間を狭くしてしまうとドラフト力が形成されず、燃焼空気の給気・排気がスムーズに行われないため、燃焼状態が悪化してしまうが、ここでは燃焼用空気が給気ファン14により強制的に供給されるために、燃焼空間を狭くしても良好な燃焼状態を得ることができる。
なお、本発明はこうした強制燃焼方式に限るものではなく、自然燃焼式であっても良い。
図5(A)は、ガスインプットと熱効率との関係を示すグラフで、実線が大径(φ280)の調理容器P1を、破線が小径(φ220)の調理容器P2を夫々示す。ここで、小径の調理容器P2の場合は、最高の熱効率はインプット0.8kW〜1.4kWの範囲で得られることから、この範囲内の例えば1.4kWの燃焼量で自動調節されることになる。一方、大径の調理容器P1の場合は、最高の熱効率は1.1kW〜2.3kWの範囲で得られることから、この範囲内の例えば2.3kWの燃焼量で自動調節されることになる。
この燃焼量の自動調節は、キャンセルスイッチ64を押さない限り解除されず、UP/DOWNスイッチ62を押しても火力は変化しない。
この場合、UP/DOWNスイッチ62を押すことで手動での火力調整を可能としても良い。また、最大火力を上記予め設定した所定の燃焼量に制限して、キャンセルスイッチ64を押さなくても、それよりも弱火方向にはUP/DOWNスイッチ62で自由に調整できるようにしても良い。よって、φ220の調理容器P2の場合は、例えば2.93kWを最大火力とすることができる。
さらに、渦巻き状の仕切壁32や覆いカバー50により火炎が囲まれるため、火炎が調理容器下面横から流出せず、使用者の着衣に引火することがなく安全である。
なお、リモコン60において、強制排気スイッチ65をONした後、所定時間(数秒間)の間にUP/DOWNスイッチ62を押し操作すれば、排気ファン47の回転数を変更して排気量を増減することができる(排気量選択手段)。よって、燃焼排気の全てを排気通路を利用して排出するようにできるのは勿論、排気量を抑えて燃焼排気の一部を調理容器Pの側面に沿って排出させるようにすれば、前述の調理加熱としての有効利用や油の蒸気の排出の効果が併せて得られることになる。
また、覆いカバー50は、調理容器Pの径に合った開口を有するリング状としたことで、径の異なる調理容器P1,P2でも覆いカバー50で適切に覆うことができる。
また、コンロバーナ4の燃焼排気を排気ファン47により強制的に排出するため、コンロバーナ4の燃焼排気をスムーズに排出することができる。
また、排気ファン47を作動させて燃焼排気を器体外に排出する状態と、排気ファン47を作動させずに排出口53から燃焼排気を排出する状態とを選択する作動選択手段を備えたことで、燃焼排気を調理容器Pの周囲に放出させない場合と、熱流を有効利用して加熱調理する場合とを使用者の好みに応じて使い分けでき、使い勝手に優れる。
また、排気通路は、換気扇48に至る排気ダクト49に連通する構成としたことで、換気扇48を利用して排気通路の燃焼排気を簡単且つ確実に室外へ排出することができる。
また、覆いカバー50の種類を判断する判断手段として、覆いカバー50の取付により機械的に作動するマイクロスイッチ55を採用しているため、簡単且つ確実に覆いカバー50の種類の判別可能となる。
特に、ガス量調整手段を、ガス供給路に設けられ、給気ファン14の圧力によってガス供給量が調整される均圧弁24としたことで、ガス量調整手段を簡単な構成で得られるようになっている。
また、このような検知片とマイクロスイッチとによる機械式に限らず、例えば環状排気体等の排気通路内に温度センサを設けて、この温度センサの検出温度が所定温度以上の場合には、内径が小さい覆いカバー、すなわち小径の調理容器と判断して、ガス燃焼量を制限(例えば二分の一)することもできる。小径の調理容器の場合は、調理容器への加熱に寄与しない燃焼ガスの割合が大径の調理容器に比べて多いため、小径の調理容器と大径の調理容器とで燃焼排気の温度に差ができる(小径の調理容器の方が排気温度は高い)からである。
一方、燃焼排気の排出にファンを利用するのに限らず、排気通路の形態によっては自然排気によって燃焼排気の排出を図ることもできる。
ドレン防止手段としては、例えば、環状排気体の外壁部に吸気口を形成して、排気通路内に空気を吸入させることで、燃焼排気を希釈して露点を下げるようにする構成が考えられる。
一方、ドレン処理手段としては、例えば環状排気体の下方部に、着脱可能な貯水タンクを設けて、貯水タンクに貯まったドレンを適宜廃棄可能とする構成や、発生したドレンをコンロバーナやグリルバーナの燃焼熱で加熱して蒸発させる構成等が考えられる。
また、空燃比の調整も、上記均圧弁を利用したものに限らず、均圧弁をなくして、リモコン或いは火力調節レバーで選択された火力に応じて、ガス管に設けた比例弁と給気ファンとをコントローラが制御する従来のガスコンロとしても差し支えない。よって、燃焼量の自動調整制御もなくして手動のみで火力調整可能とすることができる。
その他、本発明はテーブルコンロに限らず、ビルトインコンロ等のガスコンロにも適用可能である。
Claims (9)
- 調理容器底面を加熱するバーナと、前記調理容器を載置する載置部とを備えたガスコンロであって、
前記調理容器の周囲から熱交換後の燃焼排気が流出する空間を上方から覆うように覆いカバーを取り付けると共に、前記覆いカバーで覆われた燃焼排気空間と連通してファンを備えた排気通路を形成し、
前記排気通路に、前記燃焼排気空間から燃焼排気を吸引する排気吸引口を、前記覆いカバーに、燃焼排気が前記排気通路に送られずに調理容器周囲に排出される排出口をそれぞれ設けて、
前記ファンを作動させて前記排気通路を経由して前記燃焼排気を器体外へ強制的に排出する状態と、前記ファンを作動させずに前記排出口から燃焼排気を排出する状態とを選択する作動選択手段を備えた
ことを特徴とするガスコンロ。 - 覆いカバーは、調理容器の径に合った開口を有するリング状に形成される請求項1に記載のガスコンロ。
- 調理容器の下方でバーナからの燃焼ガスを、前記バーナ中心からの放射方向とは異なる方向に延びた仕切壁に案内させて流すことによって、燃焼ガスと調理容器との熱交換距離を長くした請求項1又は2に記載のガスコンロ。
- 仕切壁は、バーナの周囲に設けられて上方から見て渦巻き状に形成された壁体であり、調理容器底面を渦巻きライン上で支持する五徳爪である請求項3に記載のガスコンロ。
- 燃焼排気の一部が排出口から排出される請求項1乃至4の何れかに記載のガスコンロ。
- ファンの排気量を調整する排気量調整手段を備えた請求項1乃至5の何れかに記載のガスコンロ。
- 排気通路は、換気扇等の器体外の排気口に至る排気ダクトに連通する請求項1乃至6の何れかに記載のガスコンロ。
- 器体の所定位置に排気口を形成し、排気通路を前記排気口に連通させる請求項1乃至7の何れかに記載のガスコンロ。
- 排気口は、器体に内蔵されたガスグリルの排気口である請求項8に記載のガスコンロ。
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