JP4461378B2 - ガスコンロ - Google Patents
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Description
そこで、特許文献1には、器体内に、バーナを配置した燃焼室を形成し、調理容器底面で燃焼室の上方を密閉する一方、燃焼室を器体に設けた排気口と排気通路を介して連通させて、排気口に設けたファンで燃焼排気を排出するようにしたガスコンロが開示されている。
そこで、本発明者は、調理容器の周囲から熱交換後の燃焼排気が流出する空間を上方から覆うように、調理容器の径に合った覆いカバーを取り付けると共に、覆いカバーで覆われた燃焼排気空間と連通する排気通路を形成し、排気通路を経由してバーナの燃焼排気を器体外に排出することで、燃焼ガスと調理容器との良好な熱交換による熱効率の向上と、熱交換後の燃焼排気の使用者側への放出防止とを両立させるガスコンロを発明した。
一方、バーナの火力は火力調節レバー等によって使用者が任意に変更できるようになっているため、たとえ調理容器P1,P2の径に合った覆いカバーを利用したものであっても、例えば小径の調理容器P2を強火力で加熱することがあると、熱効率が低下して熱エネルギーの無駄が大きくなってしまう。
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、排気通路を流れる燃焼排気の温度を検出し、検出した温度により取り付けられた覆いカバーの種類を判断する温度センサと、その温度センサによる判断に基づいてバーナの燃焼量を調整する燃焼量調整手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項1に記載の発明によれば、覆いカバーの取付によって機械的に作動するスイッチによって簡単且つ確実に覆いカバーの種類を判断することができる。
一方、請求項2に記載の発明によれば、燃焼排気の温度が調理容器の径によって異なることを利用して、簡単且つ確実に覆いカバーの種類を判断できる。また、スイッチの固着といった問題を排除でき、信頼性にも優れる。
コンロバーナ4は、燃焼に必要な空気の殆どを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナで、上方にフランジ8を周設した筒状のバーナ本体7と、外周に多数の炎口10,10・・を複数列形成した同じく筒状のバーナヘッド9とからなる。バーナ本体7内には、上端にリング盤12を延設した筒状の内部混合管11が同軸で設けられている。この内部混合管11は、バーナ本体7内での固定状態で、リング盤12によってバーナヘッド9内を上下に仕切り、その上側部分にのみ混合ガスを供給可能としている。また、バーナ本体7の下端には、混合管13を介して、燃焼用空気を供給するための給気ファン14が接続されている。内部混合管11は、混合管13の途中まで延びて、混合管13内を二重構造にしている。
また、分岐前のガス管17には、上流側から、コントローラ21によって開閉制御される元電磁弁22、燃料ガスの供給圧を一定に制御するガスガバナ23、そして均圧弁24が夫々設けられている。均圧弁24は、内部をガス圧室25と空気圧室26とに仕切るダイヤフラム27と、そのダイヤフラム27に連結され、ガス圧室25内のガス流路28の開度を調整可能な弁体29とからなり、空気圧室26は、接続管30によって給気ファン14と第一ガスノズル15との間で混合管11と接続されている。
また、ここでは、各仕切壁32の湾曲形状の設定により、隣接する仕切壁32,32間の距離W(燃焼ガスの流れ方向に対して直交する水平方向の仕切壁間の距離)を、コンロバーナ4の中心から外側へ離れるに従って狭くなるようにしている。
同様に、小径(例えばφ220)の調理容器P2(図1の右側に示す)では、カバー部52の内径が小さい覆いカバー50bを用い、その短筒部51を環状排気体40へ同軸で載置すると、カバー部52が仕切壁32の上端に載る格好で燃焼ガス通路37の外周側を塞ぎ、同じく内周縁を調理容器P2に僅かな隙間Sを残して近接させることになる。
マイクロスイッチ55のON信号は、コントローラ21へ入力されるようになっており、コントローラ21は、このON信号の有無により燃料ガスの供給量を調整する。具体的には、ON信号が得られない場合は、検知片54がない覆いカバー50bが利用される小径の調理容器P2であるとして、その調理容器P2に対して最高の熱効率が得られる火力に自動調節する。一方、ON信号が得られる場合は、検知片54がある覆いカバー50aが利用される大径の調理容器P1であるとして、同様にその調理容器P1に対して最高の熱効率が得られる火力に自動調節する(燃焼量調整手段)。
60は、テーブルコンロ1の正面側に設けられたリモコンで、運転(ON/OFF)スイッチ61及び火力を調節するUP/DOWNスイッチ62と、調節された火力を数字等で表示する表示器63とが設けられている。コントローラ21は、先述のように、覆いカバー50の検知片54の有無によって五徳5に載置される調理容器Pの大きさを判別してコンロバーナ4の火力を自動調整する燃焼量調整制御を実行するものであるが、この燃焼量の調整は、後述するように給気ファン14の回転数を制御することで行う。同様に、リモコン60には、その燃焼量調整制御を解除するキャンセルスイッチ64も設けられており、この解除状態では、UP/DOWNスイッチ62で手動選択される火力に応じて適切な空燃比となるように給気ファン14の回転数を制御する。
また、コントローラ21は、燃焼量に応じた駆動量で排気ファン47の駆動制御も行うが、これは、リモコン60に設けられた強制排気スイッチ65の押し操作によって任意にON/OFF制御できるようになっている(作動選択手段)。
第一ガスノズル15から噴出された燃料ガスは、燃焼用空気と混合され混合ガスとなって混合管13内を流れ、バーナヘッド9の下側の炎口群Bへ送られ、第二ガスノズル16から噴出された燃料ガスは、内部混合管11内で燃焼用空気と混合され混合ガスとなって内部混合管11内を流れ、バーナヘッド9の上側の炎口群Aへ送られる。よって、各炎口10,10・・から燃焼火炎が形成されることになる。
つまり、燃焼用空気が自然ドラフト力に供給される場合には、燃焼空間を狭くしてしまうとドラフト力が形成されず、燃焼空気の給気・排気がスムーズに行われないため、燃焼状態が悪化してしまうが、ここでは燃焼用空気が給気ファン14により強制的に供給されるために、燃焼空間を狭くしても良好な燃焼状態を得ることができる。
なお、本発明はこうした強制燃焼方式に限るものではなく、例えば自然燃焼式であっても良い。
先に説明した図5(A)のグラフにおいて、小径の調理容器P2の場合は、最高の熱効率はインプット0.8kW〜1.4kWの範囲で得られることから、この範囲内の例えば1.4kWの燃焼量で自動調節されることになる。一方、大径の調理容器P1の場合は、最高の熱効率は1.1kW〜2.3kWの範囲で得られることから、この範囲内の例えば2.3kWの燃焼量で自動調節されることになる。
なお、自動調節される燃焼量は、後述する実施例2のように、使い勝手を考慮して最高の熱効率が得られる燃焼量よりも大きくしても良い。
この燃焼量の自動調節は、キャンセルスイッチ64を押さない限り解除されず、UP/DOWNスイッチ62を押しても火力は変化しない。
さらに、渦巻き状の仕切壁32や覆いカバー50により火炎が囲まれるため、火炎が調理容器下面横から流出せず、使用者の着衣に引火することがなく安全である。
なお、リモコン60において、強制排気スイッチ65をONした後、所定時間(数秒間)の間にUP/DOWNスイッチ62を押し操作すれば、排気ファン47の回転数を変更して排気量を増減することができる(排気量選択手段)。よって、燃焼排気の全てを排気通路を利用して排出するようにできるのは勿論、排気量を抑えて燃焼排気の一部を調理容器Pの側面に沿って排出させるようにすれば、前述の調理加熱としての有効利用や油の蒸気の排出の効果が併せて得られることになる。
また、覆いカバー50の種類を判断する判断手段として、覆いカバー50の取付により機械的に作動するマイクロスイッチ55を採用しているため、簡単且つ確実に覆いカバー50の種類が判別可能となる。
また、覆いカバー50は、調理容器Pの径に合った開口を有するリング状としたことで、径の異なる調理容器P1,P2でも覆いカバー50で適切に覆うことができる。
また、コンロバーナ4の燃焼排気を排気ファン47により強制的に排出するため、コンロバーナ4の燃焼排気をスムーズに排出することができる。
また、排気ファン47を作動させて燃焼排気を器体外に排出する状態と、排気ファン47を作動させずに排出口53から燃焼排気を排出する状態とを選択する作動選択手段を備えたことで、燃焼排気を調理容器Pの周囲に放出させない場合と、熱流を有効利用して加熱調理する場合とを使用者の好みに応じて使い分けでき、使い勝手に優れる。
また、排気通路は、換気扇48に至る排気ダクト49に連通する構成としたことで、換気扇48を利用して排気通路の燃焼排気を簡単且つ確実に室外へ排出することができる。
特に、ガス量調整手段を、ガス供給路に設けられ、給気ファン14の圧力によってガス供給量が調整される均圧弁24としたことで、ガス量調整手段を簡単な構成で得られるようになっている。
よって、JIS規格では、表1に示すように、所定の大きさのインプットに対して各種テストで使用するのに適切な鍋径が定められている。
この場合、UP/DOWNスイッチ62を押すことで手動での火力調整を可能としても良いが、最大火力を上記予め設定された所定の燃焼量を上限として制限し、熱効率の低下の抑制を図るのが望ましい。よって、φ220の調理容器P2の場合は、例えば2.93kWを最大火力とすることができる。但し、この範囲を若干超える上限設定は可能である。
まず、覆いカバーは、上記のように2種類に限らず、カバー部の内径が異なる3種類以上を用意して使い分けしても良い。また、このような覆いカバーの使い分けに限らず、図7のように、最大径の内径を有するカバー部を有する共通の覆いカバー50を1つ用意して、カバー部52の内縁に支持片56,56・・を周方向へ複数突設し(支持片はリング状としても良い)、そのカバー部52内に順に納まり、外周下面に支持片56が嵌合する凹部59を、内縁に支持片58を突設したリングプレート57を1又は複数用意して(但し最内のリングプレートに支持片は不要となる)、調理容器のサイズに応じてリングプレート57を増減することで使い分けを可能としても良い。また、内径のみが異なるリングプレート57を複数種類用意して使い分けるようにしても良い。さらに、カバー部内に、或いはカバー部に代えて、複数の板を同調して放射方向にスライド移動させることで中央の開口を拡縮させるいわゆる絞り構造(例えば特開2002−267163号公報の図8参照)を採用することもできる。
また、このような検知片とマイクロスイッチとによる機械式に限らず、例えば環状排気体内等の排気通路内に温度センサを設けて、この温度センサの検出温度が所定温度以上の場合には、内径が小さい覆いカバー、すなわち小径の調理容器と判断して、ガス燃焼量を制限(例えば二分の一)することもできる。小径の調理容器の場合は、調理容器への加熱に寄与しない燃焼ガスの割合が大径の調理容器に比べて多いため、小径の調理容器と大径の調理容器とで燃焼排気の温度に差ができる(小径の調理容器の方が排気温度は高い。)からである。
このように覆いカバーの種類の判別手段として温度センサを用いると、燃焼排気の温度が調理容器の径によって異なることを利用して、簡単且つ確実に覆いカバーの種類を判断できる。また、スイッチの固着といった問題を排除でき、信頼性にも優れる。
ドレン防止手段としては、例えば、環状排気体の外壁部に吸気口を形成して、排気通路内に空気を吸入させることで、燃焼排気を希釈して露点を下げるようにする構成が考えられる。
一方、ドレン処理手段としては、例えば環状排気体の下方部に、着脱可能な貯水タンクを設けて、貯水タンクに貯まったドレンを適宜廃棄可能とする構成や、発生したドレンをコンロバーナやグリルバーナの燃焼熱で加熱して蒸発させる構成等が考えられる。
また、空燃比の調整も、上記均圧弁を利用したものに限らず、均圧弁をなくして、リモコン或いは火力調節レバーで選択された火力に応じて、ガス管に設けた比例弁と給気ファンとをコントローラが制御する一般的な構造でも差し支えない。
その他、本発明はテーブルコンロに限らず、ビルトインコンロ等のガスコンロにも適用可能である。
Claims (2)
- 調理容器底面を加熱するバーナと、前記調理容器を載置する載置部とを備え、
前記調理容器の周囲から熱交換後の燃焼排気が流出する空間を上方から覆うように、前記調理容器の径に合った覆いカバーを取り付けると共に、前記覆いカバーで覆われた燃焼排気空間と連通する排気通路を形成し、前記排気通路を経由して前記バーナの燃焼排気を器体外に排出するガスコンロであって、
覆いカバーの取付により機械的に作動するか否かで前記取り付けられた覆いカバーの種類を判断するスイッチと、そのスイッチによる判断に基づいて前記バーナの燃焼量を調整する燃焼量調整手段とを備えたことを特徴とするガスコンロ。 - 調理容器底面を加熱するバーナと、前記調理容器を載置する載置部とを備え、
前記調理容器の周囲から熱交換後の燃焼排気が流出する空間を上方から覆うように、前記調理容器の径に合った覆いカバーを取り付けると共に、前記覆いカバーで覆われた燃焼排気空間と連通する排気通路を形成し、前記排気通路を経由して前記バーナの燃焼排気を器体外に排出するガスコンロであって、
前記排気通路を流れる燃焼排気の温度を検出し、検出した温度により前記取り付けられた覆いカバーの種類を判断する温度センサと、その温度センサによる判断に基づいて前記バーナの燃焼量を調整する燃焼量調整手段とを備えたことを特徴とするガスコンロ。
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