JP4547560B2 - コンロバーナ - Google Patents
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Description
具体的には、中央のバーナが露出する五徳リングと、その五徳リング上に立設されて調理容器を支持する五徳爪とからなる五徳を利用し、まず、五徳爪の高さを低くすると共に、五徳の鍔部をバーナヘッドの主炎口近傍まで延ばした構成により、二次空気を火炎の基部から先端にまで供給する。
そして、バーナの燃焼ガスを、調理容器と五徳リングとの間の隙間(リング状燃焼ガス通路)から外部に放出する構成としている。
この構造により、調理容器をバーナヘッドに接近させるとともに、五徳リングによってバーナの燃焼ガスの拡散を防いで、高温の燃焼ガスと調理容器とを確実に接触させて、調理容器の熱効率の向上を図っている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、燃焼ガスを一連の流れで旋回させて燃焼ガスによる調理容器との熱交換を好適に行わせるために、旋回羽根リングの周囲に、調理容器を載置する五徳爪を渦巻き状に形成した五徳リングが配置される構成としたものである。
また、燃焼火炎を旋回羽根リングに衝突させてリフトを防止するだけでなく、この火炎を斜め上方に向けて旋回させるため、調理容器底面に火炎が旋回しながら衝突して、火炎と調理容器との接触が促進され熱効率が向上する。
さらに、バーナの全周に亘って万遍なくリフト防止効果が得られると共に、火炎が良好に旋回して調理容器を一層効率良く加熱できる。また、複数の旋回羽根をリング板に立設しているため、各旋回羽根がばらばらにならず一体として取り扱うことができ、バーナ本体への装着や位置決めが容易となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、旋回羽根により旋回しながら外側に導かれる燃焼ガスを、その一連の流れで五徳リング上でも旋回させることができる。このため、調理容器底面での燃焼ガスとの接触距離が増すと共に、燃焼ガスが外周側へ流れる過程で五徳爪により上方向にも導かれて調理容器底面と良好に衝突する。また、五徳リング上で調理容器底面下を抜け出た燃焼ガスは、五徳爪により上方向に向けられて調理容器側面に沿って流れるため、調理容器側面をも良好に加熱する。これらの結果、熱効率が飛躍的に向上する。
図1は、ガスコンロの一例であるテーブルコンロ1の説明図で、トッププレート2に形成された開口3には、外周縁に汁受皿4が載置され、開口3の中央位置にはコンロバーナ20が配置されている。5は開口3の周縁に載置された五徳で、五徳5上に調理容器Pが載置されている。
コンロバーナ20は、燃焼に必要な空気の殆どを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナで、上端にフランジ22を周設した筒状のバーナ本体21と、外周に多数の炎口24,24・・を形成した同じく筒状のバーナヘッド23とからなる。バーナ本体21には、上流側に、燃焼用空気を供給するための給気ファン6が接続されて、その空気供給路7の途中に、燃料ガスを噴出するガスノズル8が設けられている。ガスノズル8に接続されるガス管には、上流側から、安全弁となるマグネット電磁弁9、主弁10、テーブルコンロ1の正面に設けた火力調節レバー12によってガス流路を調節するニードル弁11が夫々設けられている。
また、コンロバーナ20のフランジ22より下側のバーナ本体21外周及び汁受皿4の下面、後述する五徳5の五徳リング15の下面は、断熱材、例えばセラミックウール14,14・・で被覆されている。
まず、内側リング25は、真鍮製で、外周面には、断面V字状の周方向のスリット溝29,29・・が上下方向へ等間隔に凹設され、各スリット溝29の底部に、角形の小孔30,30・・が等間隔で夫々穿設されている。この小孔30は、各スリット溝29間で上下方向に整列している。具体的には、内周面に上下方向の縦溝25a,25a・・が等間隔で形成されたリング体を鍛造で形成し、そのリング体の外周面に、スリット溝29を周方向に旋盤で形成することで作製される。すなわち、縦溝25aとスリット溝29とが重なり合った部分が小孔30となる。
内側リング25に外側リング28を外装した状態では、図2の左端に示すように、内側リング25の小孔30,30・・と外側リング28のスリット開口31,31・・とが周方向にずれており、外側からは内側リング25の小孔30が見えないように両リング同士が位置決めされる。この配置により、バーナヘッド23には、同図の円内拡大図に示すように、内側リング25の小孔30から、内側リング25のスリット溝29を通り、外側リング28のスリット開口31に至る混合ガス通路32が形成され、スリット開口31内の混合ガス通路32との重なり部分が炎口24となる。
なお、この仕切壁16,16・・は、コンロ部を上方から見た図7に示すように、コンロバーナ20の中心から半径100mmの円S内に、少なくとも2列以上形成されるように配置されている。
これにより、旋回羽根リング35の旋回羽根37,37間には、バーナヘッド23の炎口24から噴出した燃焼火炎を斜め上方へ向けて、且つバーナヘッド23の円筒外周面の接線方向に旋回させて五徳リング15の燃焼ガス通路34と一連となる燃焼案内通路38,38・・が形成されることになる。
ここでテーブルコンロ1の正面に設けた図示しない点火ボタンを押すと、主弁10及びマグネット電磁弁9が強制的に開弁され、コンロバーナ20へ燃料ガスが供給される。同時にコントローラ13は、給気ファン6を回転させてコンロバーナ20へ燃焼用空気を供給すると共に、イグナイタを作動させて点火制御を行う。
つまり、燃焼用空気が自然ドラフト力に供給される場合には、燃焼空間を狭くしてしまうとドラフト力が形成されず、燃焼空気の給気・排気がスムーズに行われないため、燃焼状態が悪化してしまうが、ここでは燃焼用空気が給気ファン6により強制的に供給されるために、燃焼空間を狭くしても良好な燃焼状態を得ることができる。
さらに、渦巻き状の仕切壁16により火炎が囲まれるため、火炎が調理容器下面横から流出せず、使用者の着衣に引火することがなく安全である。
なお、五徳リング15に伝熱した燃焼ガスの熱は、セラミックウール14によって断熱されるため、燃焼ガス熱の外部への放出を抑制することができる。
また、リフト防止板として、燃焼火炎Fを、斜め上方で且つバーナ本体21の円筒外周面の接線方向に旋回させる旋回羽根37を設けているため、好適なリフト防止効果が得られるようになっている。特に、複数の旋回羽根37,37・・をバーナ本体21の外周に設けた小リング板36の上面に複数立設した旋回羽根リング35を採用しているため、バーナの全周に亘って万遍なくリフト防止効果が得られる。さらに、旋回羽根37による火炎の旋回により、調理容器底面と火炎との接触が良好になるため、この点でも熱効率が向上する。
また、旋回羽根リング35の周囲に、旋回羽根リング35と同じ方向に燃焼ガスを旋回させる仕切壁16を形成した五徳リング15を配置したことで、旋回羽根リング35から旋回しながら外周へ導かれる燃焼ガスを一連の流れでスムーズに五徳リング15でも旋回させることができ、燃焼ガスによる調理容器Pとの熱交換を好適に行わせることができる。
そして、コンロバーナ20を、給気ファン6によって燃焼用の一次空気が強制的に供給される全一次空気式燃焼バーナとして、調理容器P下部の燃焼空間に外気が殆ど流入しないように形成されたテーブルコンロ1に適用したことで、一次空気の増加による燃焼火炎のリフトを防止して熱効率の向上に寄与することができる。
また、五徳リング15と旋回羽根37とを別体に設けているため、旋回羽根37の熱が五徳リング15に伝わって放熱してしまうという不具合も防止でき、こうした点でも熱効率向上の一助となっている。
また、仕切壁16を上方から見て渦巻き状に形成しているから、調理容器P底面との接触距離を長く保つことができ、一層熱効率を向上することができる。また、隣接する仕切壁16の距離を簡単に調整することができるため、熱流が拡散しないように各燃焼ガス通路34の通過断面積を簡単に調整可能となる。
従って、熱の拡散防止と燃焼ガスの流れのコントロールとにより熱効率が飛躍的に向上する。
また、火炎により直接熱せられて高温となる外側リング28を、内側リング25よりも耐熱性の高い金属で形成しているため、耐久性に優れたコンロバーナ20を得ることができる。
また、外周の五徳リングも、上記形態のように外周側の通路幅が狭くなる渦巻き状の仕切壁を立設したものに限らず、外周側の通路幅が広くなる渦巻き状の仕切壁を立設したものや、渦巻き状でなく、従来型の放射状の五徳爪を立設したものであっても本発明のリフト防止板との組み合わせは可能である。
さらに、リフト防止板と五徳リングとを一体に設けることもできるが、火炎に近いリフト防止板が不要に加熱されて熱エネルギーが損失しやすいことから、上記形態のようにリフト防止板を五徳リングと別体に設けて熱容量を小さくしておくのが望ましい。
勿論ガスコンロも、テーブルコンロに限らず、ビルトインコンロ等にも本発明のコンロバーナは適用可能である。
Claims (3)
- 複数の炎口から混合ガスを噴出して燃焼火炎を形成し、調理容器を加熱するコンロバーナであって、
バーナ本体の外周に設けられるリング板と、そのリング板の上面に複数立設され、前記炎口と向かい合い、前記燃焼火炎と衝突して前記燃焼火炎を斜め上方で且つ前記バーナ本体の円筒外周面の接線方向に旋回させる旋回羽根とからなる耐熱材料製の旋回羽根リングを備えたことを特徴とするコンロバーナ。 - 旋回羽根は、その内側端が炎口形成面から最短2mm以上最長20mm以内の位置に設置される請求項1に記載のコンロバーナ。
- 旋回羽根リングの周囲に、調理容器を載置する五徳爪を渦巻き状に形成した五徳リングが配置される請求項1又は2に記載のコンロバーナ。
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