JP4545886B2 - L−アスコルビル2−モノホスファートを精製する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、L−アスコルビル2−モノホスファートを精製するための新規な方法であって、これによりそのモノ−アルカリ金属塩の形のこの物質を、そのアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、各種のそのほかのリン酸化された形のL−アスコルビン酸のこれらとの塩、並びに各種アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属ホスファートの混合物から、塩基性アニオン交換樹脂を用いて回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来知られているように、アスコルビン酸(ビタミンC)及びその塩は、食品、動物用飼料、及び化粧品の添加剤として使用されている。アスコルビン酸自体は、熱と酸化に敏感であり、その結果、容易に分解されるという望ましからぬ傾向を有する。したがって、多くの用途、例えば化粧品などでは、そのまま使用するのは適当ではなく、安定性が高く、同じ用途でアスコルビン酸に替わることができるアスコルビン酸誘導体を生産することに対する関心が高い。
【0003】
更に、アスコルビン酸のリン酸エステル(アスコルビルホスファート)は、保護された形のアスコルビン酸であり、熱及び酸化による分解を受け難いことが知られている。アスコルビン酸自体よりは実質的により安定であるこのようなアスコルビン酸誘導体を使用することによって、分解の問題は、ほぼ完全に解消される。生物学的に活性な部分であるアスコルビン酸が、生物内で、酵素ホスファターゼの作用によりこのような誘導体から遊離される。
【0004】
アスコルビン酸のリン酸化については、2つの基本的に異なる方法、つまりオキシ塩化リンを用いるリン酸化(例えば、ヨーロッパ特許公開第388,869号/米国特許第4,999,437号、及びヨーロッパ特許公開第582,924号/米国特許第5,420,302号、並びに米国特許第4,179,445号に記載されている)、及びポリホスファート、例えばトリメタリン酸ナトリウムを用いるリン酸化(例えば米国特許第4,647,672号及び5,110,950号、並びにヨーロッパ特許公開第866,069号)がこれまで知られており、いずれの場合も、L−アスコルビン酸塩は、塩基性条件下でリン酸化される。
【0005】
上記の2つのリン酸化法のうち第一の方法では、主要生成物としてアスコルビル2−モノホスファートが得られ、副生成物としては、主にアスコルビル3−ホスファート及び2−ピロホスファート、並びにビス(アスコルビル)−2,2′−ジホスファートが得られる〔C.H. Lee et al., Carbohydrate Res. 67, 127-138 (1978)を参照〕。従来は、反応生成物は、手間のかかる精製に付す必要があり、簡単な方法で、例えば反応混合物全体を噴霧乾燥することによって、市販可能な製品とすることができなかった。
【0006】
第二の方法、つまりポリホスファートを用いるリン酸化では、米国特許第4,647,672号及び5,110,950号の場合、主要生成物としてアスコルビル2−ポリホスファート(例えばトリメタリン酸ナトリウムを用いた場合には、アスコルビル2−トリホスファート)が得られるが、ある程度の割合でアスコルビル2−モノホスファートも得られる。アスコルビル2−ポリホスファートは、過剰の塩基により分解されてモノホスファートになる。アスコルビル2−ジホスファート及びそれ以上のポリホスファートに対するアスコルビル2−モノホスファートの割合は、用いられる塩基の量、及びその他の反応条件の影響を受ける。これらの米国特許に記載されている方法の欠点は、非常に多量のリン酸化剤、例えばアスコルビン酸1モル当たり少なくとも1モルのトリメタリン酸ナトリウムが必要とされる点である。更に、生成物が比較的少量のアスコルビルポリホスファート及びそれ以上のアスコルビル2−モノホスファートを含有している場合、多量の塩基、例えば水酸化カルシウムを使用しなければならない。したがって、生成物は、多量の無機リン酸塩を含有し、乾燥生成物中のアスコルビン酸同等物の量は、最大で約25重量%である。
【0007】
米国特許第5,110,950号に記載されている方法と比べて、ポリホスファートを用いてL−アスコルビン酸をリン酸化する改良された方法が、ヨーロッパ特許公開第866,069号に開示されている。この方法では、L−アスコルビル2−ポリホスファート(これ自体は、L−アスコルビン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を、トリメタリン酸ナトリウムなどのリン酸化剤でリン酸化することによって、別々に、又はin situで製造することができる)を、アルカリ性条件下、濃縮水溶液中で、反応媒質のpH値が約8〜11の範囲になるように、そして両方の供給源からのL−アスコルビン酸が、主に2−モノホスファート塩の形になるまでポリホスファートからのL−アスコルビン酸塩へのリン酸基の段階的移行が起きるような量のL−アスコルビン酸塩及びアルカリ土類金属水酸化物(塩基として用いる)を用いて、L−アスコルビン酸塩と反応させる。この方法により、非常に高いモノホスファート含有率を有し、したがって以前に開発された方法におけるよりも、乾燥生成物中のアスコルビン酸同等物の含有率が非常に高いL−アスコルビルホスファート塩が得られるが、生成物は、未反応の出発物質及び副生成物、特に非リン酸化アスコルビン酸塩、アスコルビル ジ−又はそれ以上のホスファート(アスコルビルポリホスファート)、並びにオルトホスファート及びピロホスファート(無機リン酸塩)をまだ含有する。
【0008】
上述した方法、例えば上記の特許文献に記載の方法から得られたアスコルビルポリホスファート、非リン酸化アスコルビン酸塩、無機リン酸塩などに対する所望のアスコルビルモノホスファートの相対的な割合は、出発物質を用いる化学量論的割合、及びその他の反応条件次第であり、決して完全に満足のいくものではない。L−アスコルビル2−モノホスファート又はその無機塩の、未反応の出発物質及び副生成物とそれらとの混合物からの回収、つまりL−アスコルビル2−モノホスファートの精製は、特に、このような混合物の成分は、同様の物理的特性を有していることが多いという理由のために、困難である。例えば、これらはすべて、有機溶媒には実質的に不溶性である。しかし、水に対しては、遊離酸及び例えばナトリウム塩は、速やかに溶ける一方、カルシウム塩は、あまり溶けない。したがって、結晶化による精製は、非実用的である。
【0009】
ある種の特定の精製方法が、別の特許文献に記載されている。特開昭59−51293号には、活性炭カラム、及び溶離剤としてリン酸及び水酸化アンモニウム水溶液を用いてL−アスコルビル2−ホスファートを精製し、続いて溶離液を強カチオン交換樹脂のカラムに通してアンモニウムイオンを除去し、酸化マグネシウムで処理して過剰のリン酸をマグネシウム塩として除去することが記載されている。得られた純粋なマグネシウム塩の形のL−アスコルビル2−ホスファートを再び活性炭で精製し、メタノールから結晶化する。更に特開昭59−106494号には、活性炭の替わりにケイソウ土又は酸性白土を用い、有機溶媒中で沈殿させることを特徴とするアスコルビルホスファートの精製方法が記載されている。しかし、活性炭及び上述の替わりの媒質が、着色した物質を除去するには適当であるが、アスコルビン酸リン酸化の副生成物を除去するには適当でないことが知られている。これらの2種類の特開昭公報について簡略に記載されている米国特許第4,724,262号には、そこに記載されている方法の更なる欠点についても記載されている。この米国特許に記載され、請求されているL−アスコルビル2−ホスファートの精製方法自体は、上述の所望の成分の吸着剤として塩基性アニオン交換樹脂を使用し、これを次に鉱酸又は無機塩の水溶液で溶離することを含む。しかし、この方法は、溶離のための酸又は塩の溶液が、アニオン交換樹脂を飽和するため、後にこれを水酸化ナトリウム溶液などの塩基により再生しなければならないという欠点を有する。このため、不必要かつ環境学的に望ましくない塩溶液が生じる。
【0010】
塩基性条件下でアスコルビン酸のリン酸化によって得られるL−アスコルビルホスファート(モノ−又はポリホスファート)のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩の混合物を、このような混合物の所望の成分、特にL−アスコルビル2−モノホスファートを完全に単離するためにアニオン交換樹脂でその成分に分離する前に、対応する遊離酸、水素イオンで置換された金属イオンからなるものに混合物を変換しなければならない。このような「脱塩」は、例えば上記で述べた特許文献のいずれかから基本的に既に公知であり、これにより強度に酸性のカチオン交換樹脂を用いる。このような脱塩の結果は、通常は、L−アスコルビン酸、L−アスコルビルモノ−及びポリホスファート、ビス(L−アスコルビル)ホスファート、及びリン酸(主にオルト−及びピロリン酸;本明細書においては、L−アスコルビルモノ−及びポリホスファートとの混同を避けるために無機リン酸として記載した)の水溶液である。本発明の目的は、このような混合物の残りの上述した、及び他の成分からL−アスコルビル2−モノホスファートを単離することである。
【0011】
このような混合物中の所望のL−アスコルビル2−モノホスファートは、混合物の水溶液(これは、あらかじめ強度に酸性のカチオン交換樹脂による処理で脱塩されている)を、塩基性アニオン交換樹脂(その他の成分のなかでもとりわけL−アスコルビル2−モノホスファートを吸着する)に通し、次にアルカリ金属水酸化物水溶液を通すことによって、吸着された成分を徐々に該塩基性アニオン交換樹脂から遊離させ、つまり、脱着させ(再生と記載されることもある)、そして主要溶解成分としてL−アスコルビル2−モノホスファートを適当なモノ−アルカリ金属塩の形で含有する画分を溶離液から回収することによって、混合物のその他の成分から単離することができることが今や認められた。詳細には、本発明は、他の成分に加えてL−アスコルビル2−モノホスファートを吸着した塩基性アニオン交換樹脂からL−アスコルビル2−モノホスファートを脱着するために溶離剤としてアルカリ金属水酸化物水溶液を用いることを特徴とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、L−アスコルビン酸塩の塩基性条件下でのリン酸化により得られた生成物混合物の脱塩生成物の混合物から、L−アスコルビル2−モノホスファートを分離する方法であって、その他の成分のほか所望のL−アスコルビル2−モノホスファートを含有する脱塩混合物の水溶液を、塩基性アニオン交換樹脂のカラムに通し、成分を樹脂に吸着させ、そのほかの吸着された成分から該L−アスコルビル2−モノホスファートを、溶離剤としてアルカリ金属水酸化物水溶液を用いて樹脂から脱着させ、主要溶解成分として所望のL−アスコルビル2−モノホスファートを適当なモノアルカリ金属塩の形で含有する画分を溶離液から回収することを特徴とする方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の方法のための出発物質は、原則として、L−アスコルビン酸塩、特にアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアルカリ金属塩/アルカリ土類金属塩混合物を塩基性条件下でリン酸化して、適当なL−アスコルビル2−モノホスファート塩を得ることを特徴とする方法の生成物の任意の混合物、あるいは以降に部分的又は不十分に精製された任意の精製物(例えば、結晶化により単離され、このためにこのような非、又は部分的精製物は、上記で説明したように以降に脱塩された)である。リン酸化の方法のいくつかは、関連する特許文献と関連して上記に示されており、このような方法のいずれかは、本発明の方法のための出発物質を提供するための手段として問題となっている。脱塩は、それ自体公知の方法で、特に上述のリン酸化生成物混合物又は更に部分的に精製した生成物をカチオン交換樹脂で、例えば米国特許第4,724,262号に記載したように処理することによって行うことができる。
【0014】
脱塩は、金属イオン、特にナトリウム及びカルシウムイオン、並びにマンガン、鉄、亜鉛、及びストロンチウムイオンなど、リン酸化生成物に存在するであろう重金属イオンを除去するために行う。水性媒質中のリン酸化生成物混合物又は更に部分的に精製した塩を、カチオン交換樹脂に通すことによって、アスコルビン酸、アルコルビルモノ−及びポリホスファート、並びに無機リン酸の各種金属塩を対応する遊離酸に変換する。アルカリ土類金属水酸化物、特に水酸化カルシウムにより提供される塩基性条件下、例えばヨーロッパ特許公開第866,069号に記載されている方法により、リン酸化をトリメタリン酸ナトリウムにより行うと、生成物混合物は、わずかに水溶性であるアルカリ土類金属塩を含有する。アルカリ土類金属イオンの除去後、このような溶液の清澄を行う。したがって、このような場合では、脱塩は、2つの工程で行うのが好都合であり、ここで、まずアルカリ土類金属及びアルカリ金属イオンのあるものを撹拌又は流動床のカチオン交換樹脂中で除去し、次に得られた透明な溶液を固定樹脂床に通して残留しているアルカリ金属イオンを除去し、これによって脱塩を完了する。第一の脱塩工程では、機械的に安定なスルホン酸交換樹脂、Rohm & HaasのAmberlite(登録商標)200C、Duolite(登録商標)C 265及びImac C16P、Dow ChemicalのDowex(登録商標)MSC-1、Purolite Int.のPurolite(登録商標)C 160、BayerのLewatit(登録商標)C 120、及びMitsubishiのRelite(登録商標)C 360などを使用するのが適当である。液状、及び固形、例えば噴霧乾燥したリン酸化生成物のいずれも使用することができる。樹脂の交換能は、一般的には除去する金属の算出量の約100〜300%である必要がある。完了する(第二の)脱塩の工程は、向流再生を有する固定樹脂床中で行うのが好ましく、用いるカチオン交換樹脂の交換能は、この場合においても、除去する金属の算出量の約100〜300%であるのが適当である。第一の脱塩工程について上述したのと同じ種類のカチオン交換樹脂を、第二の脱塩工程においても使用することができる。
【0015】
カチオン交換樹脂から溶離した脱塩混合物を含有する水溶液は、次に、本発明の方法に付すことができる。このような水溶液の固形分(酸)含有量は、約5〜20重量%であり、水溶液のpHは、一般的には約0.7であるのが適当である。この酸度の水溶液の相対的な不安定さを考慮すると、塩基性アニオン交換樹脂の通過、吸着、及び溶離剤としてのアルカリ金属水酸化物水溶液による脱着を含む本発明の方法において処理するのが好都合であり、過度の遅れもなく、長期にわたる貯蔵の間の望ましくない劣化(分解)を避けることができる。
【0016】
本発明の方法で使用される塩基性アニオン交換樹脂は、適当には、第一級、第二級若しくは第三級アミン又は第四級アンモニウム基などの官能基を有する任意の塩基性アニオン交換樹脂である。官能基としてアミン基を有するこれらの塩基性イオン交換樹脂は、一般的には弱塩基性であると考えられ、第四級アンモニウム基を有するものは、一般的には強塩基性であると考えられる。本発明の方法の目的のためには、弱塩基性アニオン交換樹脂が、強塩基性のものよりも好ましい。特に好ましいのは、L−アスコルビル2−モノホスファートを含有する脱塩された混合物の水溶液と接触してもなるべく膨潤しない傾向の弱塩基性アニオン交換樹脂である。スチレン−ジビニルベンゼンに基く巨大網状の、弱塩基性アニオン交換樹脂は、このような好ましい特性を示し、したがって本発明の方法においては、塩基性アニオン交換樹脂として好ましい。
【0017】
このような弱塩基性アニオン交換樹脂の例としては、いずれも市販されているものとして、Amberlite(登録商標)IRA 96 SB及びIRA 96RF、並びにDuolite(登録商標)A 561及びA7(いずれもRohm & Haas)、Lewatit(登録商標)MP 62 (Bayer)、並びにDowex(登録商標)MWA-1 (Dow Chemicals)を挙げることができる。これらのうち、Amberlite(登録商標)IRA 96 SB、Lewatit(登録商標)MP 62及びDowex(登録商標)MWA-1が特に好ましい。
【0018】
このような塩基性アニオン交換樹脂上では、水性媒質中を通る混合物の各種脱塩成分の吸着の強度の順は、以下の通りであることが確立されている(より強く吸着される→それほど強くは吸着されない):
L−アスコルビルポリホスファート>ピロリン酸>L−アスコルビル2−モノホスファート/ビス(L−アスコルビル)ホスファート>オルトリン酸>L−アスコルビン酸。
【0019】
したがって、アスコルビン酸及びオルトリン酸は、所望のL−アスコルビル2−モノホスファートよりもより弱く塩基性アニオン交換樹脂に吸着され、ピロリン酸及びL−アスコルビルポリホスファートは、より強く吸着されるため、アルカリ金属水酸化物水溶液による脱着に際し、これらの成分が続いて溶離され、画分として回収される順は、より弱く吸着された成分(最初)から、より強く吸着された成分(最後)の順であり;該L−アスコルビル2−モノホスファートは、全体の脱着操作の中間段階において脱着され、溶離される。
【0020】
また、水性媒質中の混合物に色を与える、少量存在する成分(「着色成分」と以降記載する)もまた、ある程度は吸着される。強くは吸着されないこれらの着色成分は、L−アスコルビン酸と共に脱着され、より強力に吸着されたものは、L−アスコルビルポリホスファートと共に脱着される。
【0021】
使用する塩基性アニオン交換樹脂の量は、ほかの公知の因子のなかでもとりわけ、樹脂の交換能と、樹脂上に吸着されることを目的とする水性媒質中の混合物成分の量に応じる。当該技術分野では一般的に知られているように、酸の形の混合物成分の量は、使用する特定の樹脂の全体的な交換能を超えてはならない。好都合には、塩基性アニオン交換樹脂1リットルを、約0.5〜1.5モルの酸成分全体に対して使用する。酸成分全体のモル数に対して非常に高い割合の容量の樹脂を使用することができるのは勿論であるが、その割合が高くなるについて、非経済的になる。
【0022】
更に、混合物の酸成分が溶解している水の量は、樹脂の容積当たり約1〜5倍の範囲であるのが好都合である。
【0023】
脱塩された生成物混合物の水溶液を塩基性アニオン交換樹脂に通して酸成分を速やかに吸着させたら、アルカリ金属水酸化物水溶液を通す前に樹脂に水を通すほうが好都合であることが認められた。次にアルカリ金属水酸化物溶液を通すことによって、吸着された酸成分の分離(脱着)が促進される。該アルカリ金属水酸化物水溶液は、適当には水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液であり、このうち前者が好ましい。アルカリ金属水酸化物溶液は、約3〜6重量%の範囲の濃度であるのが好都合である。この濃度は、好ましくは約4〜5重量%の範囲である。樹脂を通すアルカリ金属水酸化物水溶液の量は、その溶液の濃度自体、樹脂に吸着される酸成分の特性、及び樹脂の吸着能次第である。一般的には、アルカリ金属水酸化物の量は、樹脂の吸着能を超える、例えば約50%超える必要がある。好都合には、脱塩された混合物の吸着成分を有する樹脂の全吸着能1モル当たり、アルカリ金属水酸化物約1.5〜2.0モルを通す。市販されている塩基性アニオン交換樹脂の総吸着能は、一般的には、それぞれの製造業者が特定しており、通常は、樹脂1リットル当たりのモルで表した最少値として表示される。更に、アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、溶離液の画分中の成分の濃度を決定する。例えば、4%水酸化ナトリウム水溶液を用いることによって、主にL−アスコルビル2−モノホスファートをそのモノナトリウム塩の形で、約20%の濃度で含む溶離液の画分が得られる。
【0024】
液体が樹脂カラムを流れる速度、つまり流速は、好都合には1時間当たり約0.5〜2床容量(bed volume)の範囲である。
【0025】
溶離が進行する間の溶離液の密度及び光学的特性の変化は、溶離液の内容物の変化、つまり何らかの特定の成分が、全溶離の各段階において溶離液中に存在する程度の変化のためである。これは、画分を回収する基礎を形成し、これらの画分は、それぞれ1〜数種類の再生された成分を主に含有する。溶離のある段階では、溶離液は、主に所望のL−アスコルビル2−モノホスファートモノアルカリ金属塩を溶解成分として含有する。密度又は光学的特性、例えば旋光をモニターすることによって、当業者は、画分間のカット・オフ点を決定し、リン酸化の工程又はイオン交換分離の工程への再循環のためか、あるいは目的の成分を完全に単離するための更なる処置のためのいずれかに必要とされるものを回収又は転用することができる。密度、光学的特性又はそのほかの特徴的なパラメーターに基いて、所望のL−アスコルビル2−モノホスファートモノアルカリ金属塩を溶解成分として例えそれのみではなくても主に含有する画分を回収する。主にL−アスコルビン酸又はL−アスコルビル ジ−及び/又はそれ以上のポリホスファートを含有する画分は、更にアスコルビルモノホスファートを製造するためのリン酸化の工程に、処理技術においてそれ自体公知の方法で再循環させるのが好都合である。L−アスコルビル2−モノホスファート塩及び1つ又はそれ以上の更なる成分の混合物を溶解成分として含有し、そのためアスコルビルモノホスファート塩の割合が十分には高くない画分は、該アスコルビルモノホスファート塩を最大又は唯一の溶解成分として含有する溶離液画分を完全に回収する目的で、イオン交換分離過程に再循環させるのが好都合である。これらは、替わりにリン酸化の過程に再循環させることもできる。
【0026】
アルカリ金属水酸化物水溶液を、弱塩基性アニオン交換樹脂に通したら、残留するこのような溶液は、水を通すことによって置き換えるのが好都合である。これにより、本発明の方法のための脱塩混合物の次のバッチのための樹脂の調製が完了する。この段階で使用する水の容量は、樹脂の容量の約0.5〜2倍であるのが好都合であり、これにより多量の水が、環境的な利点なしに使用される。溶離液は、溶解成分を全く、又はほとんど含まない水のみからなるからである。
【0027】
本発明のイオン交換分離の過程は、室温で行うのが好都合であり、又はもし室温が約30℃以上であるのであれば、分離に付す成分の分解による劣化を避けるために、約30℃を超えない温度で行うのが好都合である。
【0028】
所望のL−アスコルビル2−モノホスファートをモノ−アルカリ金属塩として、そして最大又は唯一の溶解成分として含む溶離液画分を回収したら、これを以下のように処理するのが好都合である。
【0029】
L−アスコルビル2−モノホスファートのモノ−アルカリ金属塩を含有する、pH約3の溶離液の回収した画分は、アルカリ金属水酸化物水溶液で、約9〜9.5、又は約6〜7の範囲のpH値に中和し、場合により次又は最終の工程のための適当な程度まで濃縮するのが好都合である。次に、場合により濃縮し、中和した溶液を、噴霧乾燥するか、又は例えばメタノール又はエタノールなどの低級アルカノールで処理して、L−アスコルビル2−モノホスファートの、アルカリ金属塩、特にナトリウム塩の形で結晶化するのが好都合である。
【0030】
中和の工程では、使用する水溶液のアルカリ金属水酸化物は、塩基性アニオン交換樹脂からの脱着のための溶離液に使用したものと同一のものであるのが好都合である。このようにして、アルカリ金属塩の混合物が得られるのを避ける。したがって、アルカリ金属水酸化物は、好ましくは水酸化ナトリウムである。アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、約20〜50重量%の範囲内であるのが適当である。このように比較的濃縮されたアルカリ金属水酸化物水溶液を用いるのが、任意の以降の段階で中和された溶液を必要以上に濃縮する必要を避けるためには好ましい。pH約9〜9.5まで中和することにより、トリ−アルカリ金属塩(完全中和)が得られ、pH約6〜7までの中和では、ジ−アルカリ金属塩(部分的中和)が得られる。後者の塩は、前者の塩と比較して、相対的に不安定であるため、pH約9〜9.5まで中和することが好ましい。いずれの場合も、このような中和及びそれを行うための詳細な技術は、当業者には良く知られているものである。
【0031】
L−アスコルビル2−モノホスファートの中和溶液を場合により濃縮することに関しては、いくつかの公知の技術、例えば流下フィルムエバポレーターを使用することが可能である。これによって、容積を、出発時の容積の約40〜50%まで減らすことが好都合である。この場合、当業者であれば、適当な技術を用いて、所望の濃度範囲をモニターすることができる。
【0032】
結晶化は、各種の可能な方法、詳細には、L−アスコルビル2−モノホスファートアルカリ金属塩の、場合により濃縮した中和溶液にアルカノールを加える、又はその逆の方法で加える、あるいは結晶化の容器に両方の液体成分を同時に導入するなどの方法で行うことができる。一番目及び二番目の方法は、バッチ法にはより適しているが、三番目に記載した方法は、連続的過程にはより適している。二番目に述べた方法の例としては、低級アルカノール、好ましくはメタノールに、L−アスコルビル2−モノホスファート塩の場合により濃縮した水溶液を、昇温下、最初は徐々に、以降徐々に速度を増して加えることによって、結晶化を好都合に実施することができる。水/有機混合物の沸点の10℃以内までの温度が、一般的には適当である。更に、添加の間、詳細には撹拌することによって溶液をかき混ぜ、添加の終了後約1時間まで、昇温下で撹拌を続けることが好都合である。以降、得られた結晶スラリーを、周辺温度まで冷却し、更にしばらく、好ましくは1時間撹拌してから、結晶を分離するのが好都合である。用いる結晶化法とはかかわりなく、得られた結晶は、濾過又は遠心分離などの標準的な方法で分離することができる。所望であれば結晶の乾燥を、やはり標準的な技術で行うことができる。
【0033】
結晶化の替わりに、場合により濃縮した中和溶液を、当業者には良く知られている方法で噴霧乾燥することによって、固体のL−アスコルビル2−モノホスファート塩が得られ、特に詳細な説明は必要ではない。
【0034】
本発明の方法の利点は、いろいろであり、以下に示すとおりである。
− 着色した成分を除去する;
− 溶離剤として用いるアルカリ金属水酸化物水溶液は、塩基性アニオン交換樹脂に吸着された成分を脱着するばかりでなく、樹脂を再使用のために再生するにも有用である;
− 処理により分離されたL−アスコルビル2−モノホスファート モノ−アルカリ金属塩は、経済的に高い濃度の水溶液で得られる;
− 主にL−アスコルビル2−モノホスファート モノ−アルカリ金属塩を含むわけではない溶離液画分を、更なるアスコルビルモノホスファートを製造するためのリン酸化の方法か、あるいはまだ存在するアスコルビルモノホスファートの更なる分離のためのイオン交換分離の方法のために再循環させることができる。
【0035】
【実施例】
本発明を、以下の実施例により説明する。
実施例1
L−アスコルビル2−モノホスファートの混合ナトリウム/カルシウム塩及びその他の成分の粗混合物の脱塩
撹拌樹脂法により、L−アスコルビル2−モノホスファートの混合ナトリウム/カルシウム塩の製造方法、例えばヨーロッパ特許公開第866,069号に記載された方法により得られた反応生成物の粗混合物130g(該混合物は、L−アスコルビン酸の混合ナトリウム/カルシウム塩(約4%)、L−アスコルビルモノホスファート(約62%)、L−アスコルビル ジ−及びその他のホスファート(それぞれ約6%及び9%)、オルトリン酸(約4%)、及びピロリン酸(約8%)、並びに約8%の水を含む)を、水700ml中の強度酸性カチオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)200C、Rohm & Haas Deutschland GmbH, Frankfurt/Main)850mlの撹拌懸濁液に、約30分間かけて溶解した。(上記の構成の粗混合物は、約40%のL−アスコルビン酸含有率を有し、このうち約10%は、リン酸化されておらず、約80%は、モノホスファートの形であり、約3%は、ビス(L−アスコルビル)ホスファートの形であり、約7%は、L−アスコルビルポリホスファートの形である)。得られたpH約3の溶液を樹脂から分離し、これを水500mlずつで2回連続して洗浄した。溶液と2回の洗浄液を連続して、更なる強度酸性カチオン交換樹脂500mlを充填したカラムに通した。脱塩したL−アスコルビル2−モノホスファートを主に含有する、pH約0.7の溶液1800gを回収した。L−アスコルビン酸含有率約3%の溶液は、本発明による方法の第一段階として、塩基性アニオン交換樹脂を通すための脱塩混合物の水溶液として用いることができる。
【0036】
強度酸性カチオン交換樹脂、850mlではなく700mlが、水中の樹脂撹拌懸濁液中に存在し、約80分間の溶解期間と溶液の分離後、樹脂を、500mlではなく600mlずつの水で2回連続して洗浄した以外は、前述の操作を繰り返した。そうでない場合は、同様の操作を行った。
【0037】
実施例2
脱塩生成物混合物からのL−アスコルビル2−モノホスファートの分離
実施例1のいずれか1の変法に記載した脱塩の過程から得られた溶液を回収せずに、水及び弱塩基性アニオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)IRA 96SB, Rohm and Haas Deutschland GmbH, Frankfurt/Main)300mlを充填したカラムに通した。この次にカラムに、混合物の吸着された成分の脱着とアニオン交換樹脂再生のための3%水酸化ナトリウム水溶液0.75リットルと、水酸化ナトリウム溶液の置換のための水1リットルを連続して供給した。溶離の間に流出する溶液の密度を測定した。
【0038】
溶離液の密度が、1.03g/mlを超える値に達したら、生成物溶液、つまり所望のL−アスコルビル2−モノホスファートを含有する溶離液の画分の回収を開始した。この画分124mlを回収し、次に50%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.5まで中和し、最後に蒸発乾固した。固形生成物の分析によると、L−アスコルビン酸の含有率は46.8%であり、このうち0.5%は、リン酸化されておらず、97.3%は、モノホスファートの形であり、1.5%は、ビス(L−アスコルビル)ホスファートの形であり、0.5%は、L−アスコルビルジホスファートの形であった。そのほかのポリホスファートは、検出されなかった。
【0039】
Dowex(登録商標)MWA-1 〔Dow (Europe) SA, CH-8810 Horgen, Switzerland〕をAmberlite(登録商標)IRA 96 SBの替わりに弱塩基性アニオン交換樹脂として用いた以外は、前述の操作を繰り返した。溶離、中和、及び蒸発乾固後に得られた固形生成物の分析により、L−アスコルビン酸含有量は、46.2%であり、このうち1.2%は、リン酸化されておらず、97.5%は、モノホスファートの形であり、0.9%は、ビス(L−アスコルビル)ホスファートの形であり、0.1%は、L−アスコルビルジホスファートの形であった。その他のポリホスファートは、検出されなかった。
【0040】
実施例3
L−アスコルビル2−モノホスファートの混合ナトリウム/カルシウム塩とその他の成分の粗混合物の脱塩
装置は、スターラーを備えた緩衝容器、循環ポンプ、及びイオン交換カラム(総量8リットル)からなっており、これは、水及び強度酸性カチオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)200 C)5.8リットルで充填しておいた。流動樹脂法にしたがって、水2リットルを緩衝容器に導入し、次にこの水を、循環ポンプによりイオン交換カラムの低い部分及び緩衝容器の背部にまで循環させた。水の循環速度は、カチオン交換樹脂が、容積で約20%膨潤するように調節した。
【0041】
L−アスコルビル2−モノホスファートの混合ナトリウム/カルシウム塩を製造する方法により得られた反応生成物の固形粗混合物(上記の実施例1で出発物質として使用した粗混合物についての同じ組成のもの)1.26kgを30分間かけて、緩衝容器に導入した。
【0042】
更に30分後、固形粗混合物を十分に溶解し、得られた溶液は、約2.5のpHを有していた。
【0043】
次にこの溶液を、水及び強度酸性カチオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)200C)3.8リットルを充填したイオン交換カラムに、8リットル/時間の速度でポンプで導入した。次に水8リットルを、溶液の置換のためにカラムに導入した。樹脂との接触により、ナトリウム及びカルシウムイオンは、溶液に溶解している成分から完全に分離された。次に、得られたpH0.7の脱塩溶液は、塩基性アニオン交換樹脂を用いるL−アスコルビル2−モノホスファートの分離のために使用することができた。
【0044】
実施例4
脱塩生成物混合物からのL−アスコルビル2−モノホスファートの分離
実施例3に記載した脱塩の過程により得られた溶液を集めずに、替わりに水及び弱塩基性アニオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)IRA 96 SB)を充填したカラムに通した。この後、カラムに、前に導入した溶液の置換のための水2リットル(8リットル/時間の供給速度で)、吸着された成分の脱着のための4%水酸化ナトリウム水溶液7.5リットル(4リットル/時間の供給速度で)、及び水酸化ナトリウム溶液の置換のための水4リットル(8リットル/時間の供給速度で)を連続して導入し、この後、アニオン交換樹脂は、以降の使用のために再生した。
【0045】
以下の溶離液画分をカラムから回収した:
第1画分(1.01g/ml未満の密度であり、水12kg);
第2画分(1.01〜1.08g/mlの密度であり、溶液A2.5kg);
第3画分(1.08を超える密度であり、溶液B3kg);
第4画分(1.08〜1.045g/mlの密度であり、溶液C約3kg)。
【0046】
溶液Aは、L−アスコルビン酸、リン酸、及びモノナトリウム塩の形のL−アスコルビル2−モノホスファートを含有しており、更なるアスコルビルモノホスファートを製造するためのリン酸化の過程に再循環させることができる。溶液Cは、そのモノナトリウム塩としてのアスコルビルモノホスファートに加えて、ピロリン酸及びL−アスコルビルポリホスファートを含有していた。これも、リン酸化の過程に再循環させることができる。
【0047】
溶液Bは、溶解成分としてL−アスコルビル2−モノホスファートモノナトリウム塩を主に含んでいた。28%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.5になるまで中和した後、溶液をHPLCで分析した。分析によると、L−アスコルビン酸の含有率は18%であり、そのうち1%は、リン酸化されておらず、97%は、モノホスファートの形であり、1.5%は、ビス(L−アスコルビル)ホスファートの形であり、0.5%は、L−アスコルビルジホスファートの形であった。その他のポリホスファートは検出されなかった。
【0048】
実施例5
脱塩生成物混合物からのL−アスコルビル2−モノホスファートの分離
本発明の方法では、2つのイオン交換カラムA1及びA2は、それぞれ弱塩基性アニオン交換樹脂(Amberlite(登録商標)IRA 96 SB)3.6リットルで充填されており、これを、替わりの操作系で使用した。
【0049】
カラムA1は、混合物成分の吸着のための準備のしてある状態であり、再生された樹脂(−OHの形)に加えて水を含有していた一方、カラムA2は、前のランから得た溶液(D)を含有していたため、その樹脂は、吸着したアスコルビル及び無機ホスファートを有していた。
【0050】
実施例3に記載の脱塩の過程で得られた溶液1kgをカラムA1に通し、この後、水2リットルを、あらかじめ導入しておいた溶液の置換のために、8リットル/時間の速度で導入した。
【0051】
カラムA2に、4%水酸化ナトリウム水溶液7.5リットルを、吸着された成分の再生のために4リットル/時間の供給速度で、そして水4リットルを、水酸化ナトリウム溶液の置換のために8リットル/時間の供給速度で連続して導入した。
【0052】
カラムA2から得られた溶離液を、カラムA1に直接導入した。カラムA1を通した後、以下の溶離液画分を回収した:
第1画分(1.01g/ml未満の密度であり、水約12kg);
第2画分(1.01〜1.06g/mlの密度であり、溶液E約0.3kg);
第3画分(1.06〜1.10g/mlの密度であり、溶液F約0.3kg);
第4画分(1.10g/lを超える密度であり、溶液G約3kg)。
【0053】
溶液Eは、L−アスコルビン酸のナトリウム塩、リン酸及びL−アスコルビル2−モノホスファートを含有しており、更なるアスコルビルモノホスファートを製造するためのリン酸化の過程に再循環させることができる。溶液Fは、残留しているL−アスコルビン酸少量を含むのみであり、分離のための次のバッチに再循環させることができる。
【0054】
溶液Gは、溶解成分としてL−アスコルビル2−モノホスファートモノナトリウム塩を主に含有していた。28%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.5に中和後、溶液をHPLCで分析した。分析によると、L−アスコルビン酸の含有率は18%であり、このうち1%は、リン酸化されておらず、97%は、モノホスファートの形であり、1.5%は、ビス(L−アスコルビル)ホスファートの形であり、0.5%は、L−アスコルビルジホスファートの形であった。そのほかのポリホスファートは、検出されなかった。
【0055】
溶液Gの回収後、カラムA1は、溶液Dを含有しており、次のランに使用することができる。
【0056】
カラムA2からは、2つの溶離液画分が回収された:
第5画分(1.10〜1.05g/mlの密度であり、溶液H約2.5kg)、及び
第6画分(1.05〜1.00g/mlの密度であり、溶液I約3.5kg)。
【0057】
溶液Hは、L−アスコルビルモノ−及びポリホスファート、並びにピロリン酸を含有しており、リン酸化の過程に再循環させることができる。溶液Iは、主に希水酸化ナトリウム溶液からなっており、廃棄するか、又は塩基性化溶液として再使用することができる。
【0058】
以降、カラムA2は、次のランのために準備された状態であり、カラムA1として機能する。
【0059】
本発明の実施態様は、以下の通りである。
1. L−アスコルビン酸塩の塩基性条件下でのリン酸化により得られた生成物混合物の脱塩生成物の混合物から、L−アスコルビル2−モノホスファートを分離する方法であって、その他の成分のほか所望のL−アスコルビル2−モノホスファートを含有する脱塩混合物の水溶液を、塩基性アニオン交換樹脂のカラムに通し、成分を樹脂に吸着させ、そのほかの吸着された成分から該L−アスコルビル2−モノホスファートを、溶離剤としてアルカリ金属水酸化物水溶液を用いて樹脂から脱着させ、主要溶解成分として所望のL−アスコルビル2−モノホスファートをモノアルカリ金属塩の形で含有する画分を溶離液から回収することを特徴とする方法。
2. 塩基性アニオン交換樹脂が、官能基としてアミン基を有する弱塩基性アニオン交換樹脂である、上記1の方法。
3. アルカリ金属水酸化物水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である、上記1又は2の方法。
4. アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度が、約3〜6重量%、好ましくは約4〜5重量%の範囲である、上記1〜3のいずれか1の方法。
5. 塩基性アニオン交換樹脂に通すアルカリ金属水酸化物水溶液の量が、吸着された脱塩混合物の成分を有する樹脂の総容量1モル当たり約1.5〜2.0モルのアルカリ金属水酸化物を通す程度のものである、上記1〜4のいずれか1の方法。
6. 脱塩混合物の水溶液中の総酸成分0.5〜1.5モル当たり1リットルの塩基性アニオン交換樹脂を使用する、上記1〜5のいずれか1の方法。
7. 塩基性アニオン交換樹脂カラム内の液体の流速が、1時間当たり約0.5〜2bed volumeの範囲内である、上記1〜6のいずれか1の方法。
8. 脱塩した混合物の酸成分が溶解している水の量が、樹脂の容積に対して約1〜5倍の容積の範囲である、上記1〜7のいずれか1の方法。
9. 溶離剤として使用するアルカリ金属水酸化物水溶液の塩基性アニオン交換樹脂の通過を、樹脂に水を通した後に行う、上記1〜8のいずれか1の方法。
10. L−アスコルビル2−モノホスファートのモノ−アルカリ金属塩を含有する回収された溶離液画分を、アルカリ金属水酸化物水溶液で、約9〜9.5、又は約6〜7、好ましくは約9〜9.5のpH値になるまで中和し、場合により濃縮し、そして噴霧乾燥するか、又は低級アルカノール、例えばメタノール若しくはエタノールで処理して、L−アスコルビル2−モノホスファートのアルカリ金属塩の結晶化を行う、上記1〜9のいずれか1の方法。

Claims (1)

  1. L−アスコルビン酸塩の塩基性条件下でのリン酸化及び脱塩により得られた脱塩混合物から、L−アスコルビル2−モノホスファートを分離する方法であって
    −アスコルビル2−モノホスファートを含有する脱塩混合物の水溶液を、塩基性アニオン交換樹脂のカラムに通し、前記脱塩混合物中の酸成分を樹脂に吸着させ、該L−アスコルビル2−モノホスファートを、溶離剤としてアルカリ金属水酸化物水溶液を用いて樹脂から脱着させ、主要溶解成分としてL−アスコルビル2−モノホスファートをモノアルカリ金属塩の形で含有する画分を溶離液から回収することを特徴とする方法。
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