JP4544889B2 - 難燃性ポリエステル系樹脂組成物及びフィルム又はシート - Google Patents

難燃性ポリエステル系樹脂組成物及びフィルム又はシート Download PDF

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本発明は、難燃剤として水酸化マグネシウムを配合したポリエステル系樹脂組成物、及びそれを用いて成形したフィルム又はシートに関し、詳しくは、水酸化マグネシウムの添加によって促進されるポリエステルの加水分解を防止し、フィルムやシートへの成形加工を可能にするものである。
非晶質共重合ポリエステルは、例えば化粧シートや食品容器用シートの用途において、真空成形やメンブレン成形などの熱加工ができることから、近年、塩化ビニル樹脂の代替として使用されるようになったが、難燃性においては塩化ビニル樹脂より劣っている。
一方、合成樹脂に難燃性を付与するために難燃剤を配合することが行われており、難燃剤としては、従来、有機ハロゲン化合物が主流であったが、火災時に有毒ガスを発生するため、近年は、ハロゲンを含有しない無毒の難燃剤として水酸化マグネシウムが注目されている。
水酸化マグネシウムは、水酸基を有する親水性無機物質であって、合成樹脂との親和性が低いため分散性が悪く、ひいては期待どおりの難燃性が得られないだけではなく、機械的強度が低下してしまう。また、耐水性や耐酸性にも問題がある。そのため、分散性、耐水性、耐酸性、難燃性、機械的物性などを向上する目的で、表面処理により水酸化マグネシウム粒子に被覆層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、耐水性、分散性及び難燃性を向上するため、シランカップリング剤とシラン表面処理剤で水酸化マグネシウム粒子を処理することが開示され、特許文献2には、難燃性及び機械的物性を向上するため、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、エステル又はアマイドなどで表面処理した水酸化マグネシウム粒子について開示され、また、特許文献3には、耐酸性を向上するため、水酸化マグネシウム粒子の表面をシリカからなる層で被覆することが開示されている。
特開平10−226789号公報 特開2003−3171号公報 特開2003−253266号公報
しかしながら、ポリエステルに難燃剤として水酸化マグネシウムを配合し、シートなどに熱成形、例えば押出成形しようとすると、水酸化マグネシウムがポリエステルの加水分解を促進する結果、溶融粘度を低下させ、成形が困難であった。上記のように表面処理した水酸化マグネシウムを難燃剤として用いると、ポリエステルの加水分解促進を抑制する効果が認められるが未だ十分ではなく、成形加工性及び成形品の寸法精度において問題を残している。
本発明は、ポリエステルに難燃剤として水酸化マグネシウムを配合したときに、ポリエステルの加水分解が促進された結果、溶融粘度が低下し、成形加工が困難になるのを防止し、もって成形加工性と成形品の寸法精度が良好な水酸化マグネシウム含有ポリエステル系樹脂組成物を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリエステルに難燃剤として配合する水酸化マグネシウム粒子の表面を耐酸性保護膜で被覆するとともに、エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体を配合することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールからなるジオール成分とから構成された非晶質又は低晶質の共重合ポリエステル100重量部に対してエポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体0.5〜10重量部及び表面処理による被覆層を有する水酸化マグネシウム粒子からなる難燃剤5〜100重量部を配合してなるポリエステル系樹脂組成物、及び該ポリエステル系樹脂組成物を成形してなるフィルム又はシートにあり、前記表面処理による被覆層はシリカからなる層であることが望ましく、前記ポリエステル系樹脂組成物においては、非晶質又は低晶質の共重合ポリエステル100重量部に対して耐衝撃性改良剤1〜25重量部を配合することが望ましい。
本発明によれば、ポリエステルに難燃剤として水酸化マグネシウムを配合しても、水酸化マグネシウムの作用に起因するポリエステルの加水分解促進が抑制され、成形時、ポリエステルの溶融粘度低下が殆どないので、水酸化マグネシウムを配合した難燃性シートなどの成形を支障なく行うことができ、寸法精度の良好な成形品が得られる。
本発明のポリエステル系樹脂組成物に用いられる非晶質又は低晶質の共重合ポリエステルは、結晶化度が50%以下であって、シートなどに成形されたときの二次加工性に優れたものであり、具体的には、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1種のジオール成分とからなる共重合ポリエステルであり、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸以外に、アジピン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール以外の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、脂環式ジオールなどの成分を少量、通常5重量%以下の割合で含むこともできる。
非晶質共重合ポリエステルの好適な具体例として、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、20〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜80モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とから構成された共重合ポリエステルを挙げることができる。
本発明においては、上記の非晶質共重合ポリエステルに、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PETI、PBTIなどの晶質又は低晶質のポリエステルを配合することができる。これらのポリエステルの混合物であるポリエステルに占める非晶質ポリエステルの配合比率は、通常60〜100重量%、好ましくは80〜100重量%の範囲である。
本発明のポリエステル系樹脂組成物に難燃剤として用いられる水酸化マグネシウムは、水酸化マグネシウムスラリーに水酸化ナトリウムを添加し水熱処理する方法(特公昭50−23680号公報参照。)や特開昭52−115799号公報、特開昭61−168522号公報などに開示されている反応合成法、又は、天然ブルーサイト鉱石を粉砕する天然鉱物粉砕法(特公平7−42461号公報、特開平7−161230号公報など参照。)によって得られ、良好な成形性、機械的強度及び難燃性を得るために、平均粒子径が0.01〜3μm程度のものが好ましい。
上記水酸化マグネシウム粒子は表面処理による被覆層を有するものである。被覆層を形成する材料と方法については、水酸化マグネシウム粒子の表面処理として知られている公知のもの、例えば、前記特許文献に開示されたものが好適に用いられる。
すなわち、水酸化マグネシウム粒子の表面処理剤としては、特許文献1及び2に開示されているシランカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アマイドなどの他、アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、リン酸エステルなど水酸化マグネシウム粒子の表面処理剤として公知のものを挙げることができるが、耐水性や耐酸性の良好な表面処理剤が好ましい。
被覆層を形成する材料の特に好ましい具体例としては、特許文献3に記載のシリカが挙げられる。シリカからなる被覆層の形成は、水酸化マグネシウムの水性スラリーにケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩を加えるとともにケイ酸塩を酸で中和して、水酸化マグネシウム粒子の表面にシリカを析出させる手法による。シリカからなる被覆層は、Si02 換算値で0.1〜20重量%程度である。シリカからなる被覆層を形成した水酸化マグネシウム粒子は、カップリング剤などの処理剤でさらに表面処理することが好ましい。
上記水酸化マグネシウムからなる難燃剤の配合量は、5〜100重量部、好ましくは、10〜60重量部である。5重量部未満では難燃性の向上が殆ど認められず、100重量部を超えるとシートなどに成形するのが困難である。
水酸化マグネシウムからなる難燃剤を配合した本発明のポリエステル系樹脂組成物においては、上記のとおり水酸化マグネシウム粒子の表面に被覆層を形成することにより、水酸化マグネシウムによるポリエステルの加水分解促進作用を抑制する効果が認められるが、それだけでは不十分であり、エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体を配合することが必要である。
上記エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体は、エポキシ基を有する不飽和単量体として、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリル系の単量体;スチレン−p−グリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のオレフィン系不飽和結合を有するエーテル系の単量体;イタコン酸モノグリシジルエステル等のグリシジルエステル系単量体が挙げられ、該単量体と共重合可能な単量体として、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系の単量体;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体;酢酸ビニル;メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリロニトリル等のアクリル系の単量体が挙げられる。好ましくはグリシジルアクリレート共重合体又はグリシジルメタクリレートが使用される。
前記エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体を使用することにより、樹脂との相容性が良好であり、かつ耐加水分解性が向上する。一方エポキシ基を有する不飽和単量体のみの(共)重合体とすると、樹脂との相容性が十分でない。
前記共重合体の商品名として、「ARUFON」(東亞合成社製)、「モディパーA−4200」(日本油脂社製)、「ボンドファースト7M」(住友化学工業社製)などが挙げられる。
また、前記エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体は、非晶質又は低晶質の共重合ポリエステル100重量部に対して、0.5〜10重量部の割合で配合される。0.5重量部未満では、水酸化マグネシウムによるポリエステルの加水分解促進作用の抑制が不十分であり、ポリエステルの加水分解の抑制は、10重量部以下の配合量で十分達成できる。
本発明の組成物においては、耐衝撃性改良剤を配合するのが好ましい。耐衝撃性改良剤の好ましい具体例としては、各種ゴム重合体からなるコア部に、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、スチレンなどのビニル単量体がグラフト重合されてシェル部が構成された多層構造のゴム粒子からなるアクリルゴム系、ジエンゴム系、オレフィンゴム系及びアクリル−シリコーン系のものを挙げることができる。
上記コア部を構成するゴム重合体は、アクリルゴム系改良剤においては、ブチルアクリレートのようなアクリル酸エステルと少量の架橋性モノマーとを重合させたアクリル系ゴムであり、ジエンゴム系改良剤においては、ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのジエン系ゴム重合体であり、オレフィンゴム系改良剤においては、エチレン−プロピレン系ゴム、ジエン系ゴムの水素添加物などのオレフィン系ゴム重合体であり、また、アクリル−シリコーン系改良剤においては、アクリル系ポリマーとポリオルガノシロキサンとの複合ゴムである。
アクリルゴム系改良剤は、「HIA−80」(呉羽化学工業社)、「アクリロイドKM−330」(ローム・アンド・ハース社)、「メタブレンW−300」及び「メタブレンW−530」(三菱レイヨン社)などの商品名で、ジエンゴム系改良剤は、「パラロイドEXL−2602」(呉羽化学工業社)、「メタブレンC−201」(三菱レイヨン社)などの商品名でそれぞれ市販されており、オレフィンゴム系改良剤は、テクノポリマー社や日本エイアンドエル社からAES樹脂として市販されている。また、アクリル−シリコーン系改良剤は、「メタブレンSX006」及び「メタブレンS2001」(三菱レイヨン社)の商品名で市販されている。
なお、アクリル−シリコーン耐衝撃性改良剤は、成形加工性を向上させ、また、これを配合したシートは柔軟性に優れている。
上記の各種ゴム系耐衝撃性改良剤は、非晶質又は低晶質のポリエステル100重量部に対して、1〜25重量部(アクリル系加工助剤との併用の場合は、0.5〜25重量部)、好ましくは1.5〜20重量部の範囲で用いられる。耐衝撃性改良剤の添加量が1重量部未満であると耐衝撃性の向上効果が不十分であり、25重量部を超えるとシートなどに成形したときにその表面性が損なわれるので好ましくない。
さらに、本発明においては、従来よりポリエステル系樹脂に配合されている各種の添加剤、例えば、アクリル系加工助剤、滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機および有機充填剤、顔料などを配合することができる。
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物は、カレンダー成形法や押出成形法によりフィルムやシートに成形することができる。カレンダー成形の場合であれば、前記の非晶質又は低晶質の共重合ポリエステル、難燃剤及びグリシジル(メタ)アクリレート共重合体、必要に応じて耐衝撃性改良剤、滑剤、アクリル系加工助剤などの各種添加剤を、それぞれ所用量配合し、混練して原料を調整した後、通常のカレンダー成形法により製造される。カレンダーのロール温度は、通常160〜200℃、好ましくは170〜195℃とするのが適当である。
以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はかかる実施例によって何ら限定されるものではない。
難燃剤Aの調製
水酸化マグネシウムの水スラリー(濃度150g/l)20lを80℃に加熱し、ケイ酸ナトリウムをSiO2 換算値で150g加えた後、pHが9になるまで硫酸を加え、さらに80℃で1時間熟成した。次いで、スラリーから濾過にて固形分を分離し、水洗、乾燥、粉砕した。このようにして粒子の表面にシリカ被覆層を形成した水酸化マグネシウム粉末を用いて、上記の操作をもう一度繰り返し、シリカ被覆層の上にさらにシリカ被覆層を形成した。得られた水酸化マグネシウム粒子は、表面に高密度のシリカ被覆層を形成していた。
難燃剤Bの調製
液状シリコーンレジン(メチルトリメトキシシランを部分加水分解して三次元的に縮合したシロキサンオリゴマー)90gをエタノール/イソプロパノールの混合溶媒(混合比7/3)に溶解し、ヘンシェルミキサーを用いて水酸化マグネシウムの粉末3000gを攪拌しながら、これに上記液状シリコーンレジンのアルコール溶液を滴下した。次いで、150℃で1時間熱処理して、水酸化マグネシウム粒子の表面にシリコーン被覆層を形成した。このようにして粒子の表面にシリコーン被覆層を形成した水酸化マグネシウム粉末を用いて、上記の操作をもう一度繰り返し、シリコーン被覆層の上にさらにシリコーン被覆層を形成した。得られた水酸化マグネシウム粒子は、表面に高密度のシリコーン被覆層を形成していた。
実施例1
非晶質共重合ポリエステル(イーストマンケミカル社製、商品名「PETG GN071」)100重量部に対して、グリシジルメタクリレート共重合体A(東亞合成社製、商品名「ARUFON UG4070」)3重量部、耐衝撃性改良剤A(アクリル−シリコーン系共重合体、三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンSX006」)18重量部、難燃剤A20重量部、滑剤(モンタン酸ワックス、クラリアントジャパン社製、商品名「G431L」)1.5重量部およびフェノール系酸化防止剤1重量部を配合し、通常のカレンダー加工法により、185℃にて、厚さ0.1mmのポリエステルシートを製造した。シートの成形加工性は良好であり、厚み精度は±5%以内、耐衝撃強度(ASTM D−3420に準拠し、フィルムインパクトテスターを用いて測定した。以下同じ。)は13.6kJ/mであった。
実施例2
実施例1で用いたグリシジルメタクリレート共重合体Aに代えて、グリシジルメタクリレート共重合体B(住友化学工業社製、商品名「ボンドファースト7M」)を用いたこと以外は、実施例1と同一配合のポリエステル系樹脂組成物を用いて、二軸押出機によりペレットを作成した後、二軸押出機を用いた押出成形で厚さ0.1mmのポリエステルシートを製造した。シートの成形加工性は良好であり、厚み精度は±5%以内、耐衝撃強度は12.8kJ/mであった。
実施例3
実施例1で用いた非晶質共重合ポリエステル85重量部と晶質ポリエステル(ポリプラスチックス社製、商品名「600FP」、ポリブチレンテレフタレート樹脂)15重量部との混合物を用い、難燃剤Bを用いたこと以外は、実施例1と同一配合のポリエステル系樹脂組成物を用いて、実施例2と同様にして、ペレットを作成した後、押出成形で厚さ0.1mmのポリエステルシートを製造した。シートの成形加工性は良好であり、厚み精度は±5%以内、耐衝撃強度は13.8kJ/mであった。
実施例4
実施例1で用いたグリシジルメタクリレート共重合体A5重量部、耐衝撃性改良剤Aに代えて耐衝撃性改良剤B(ジエンゴム系共重合体、呉羽化学工業社製、商品名「パラロイドEXL−2602」)25重量部、難燃剤A40重量部を用いたこと以外は、実施例1と同一配合のポリエステル系樹脂組成物を用いて、二軸押出機によりペレットを作成した後、二軸押出機を用いた押出成形で厚さ0.1mmのポリエステルシートを製造した。シートの成形加工性は良好であり、厚み精度は±5%以内、耐衝撃強度は13.2kJ/mであった。
比較例1
エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体を添加せず、難燃剤として表面処理による被覆層を有しない水酸化マグネシウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工により厚さ0.1mmのポリエステルシートの製造を試みたが、ポリエステルの加水分解により溶融粘度が著しく低下し、成形不能であった。
比較例2
エポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工により厚さ0.1mmのポリエステルシートを製造した。ポリエステルの加水分解により溶融粘度が低下したためシートの成形加工が困難であり、得られたシートの厚み精度は±15%、耐衝撃強度は12.6kJ/mであった。
比較例3
難燃剤として表面処理による被覆層を有しない水酸化マグネシウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工により厚さ0.1mmのポリエステルシートを製造した。ポリエステルの加水分解により溶融粘度が低下したためシートの成形加工が困難であり、得られたシートの厚み精度は±9%、耐衝撃強度は3.8kJ/mであった。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、化粧シートやその他の難燃性を要求される樹脂成形品に使用することができる。

Claims (4)

  1. テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールからなるジオール成分とから構成された非晶質又は低晶質の共重合ポリエステル100重量部に対してエポキシ基を有する不飽和単量体及び該単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体0.5〜10重量部及び表面処理による被覆層を有する水酸化マグネシウム粒子からなる難燃剤5〜100重量部を配合してなるポリエステル系樹脂組成物。
  2. 前記表面処理による被覆層がシリカからなる層である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 非晶質又は低晶質の共重合ポリエステル100重量部に対して耐衝撃性改良剤1〜25重量部を配合してなる請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物を成形してなるフィルム又はシート。
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