JP4543256B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、インクカートリッジを支持しつつ主走査方向に搬送するキャリアをDCモータによって駆動し、記録ヘッドからインクを吐出させて画像を形成するインクジェットプリンタに関するものである。
インクジェットプリンタにおいては、主走査方向に移動可能なキャリアによってインクカートリッジが搬送され、それに連動させてインクカートリッジに設けられている記録ヘッドを制御することにより、記録紙に画像が形成される。そのため、キャリアの搬送速度の変動が大きくなると、記録ヘッドの位置と吐出タイミングとの関係にずれが生じ、プリント品質が低下する。そこで、従来から、キャリアを駆動するモータを比例積分制御等の手法によってフィードバック制御することにより、キャリアの搬送速度の変動を抑制している。
上記比例積分制御におけるゲイン値、すなわち比例ゲイン値Kp、積分ゲイン値Kiは、通常、プリンタの機種毎(キャリアとそれに対応するインクカートリッジ毎)に設定されている。そのため、キャリア及びインクカートリッジの寸法及び重量にバラツキが生じると、キャリアの搬送速度を正確に制御できなくなり、色のにじみ等が発生し、プリント品質が低下することがある。そこで、良好なプリント品質を得るために、キャリア及びインクカートリッジの製造時の寸法公差及び重量公差を厳格に管理する必要があり、プリンタの製造コストの高騰を招来する要因となっている。また、厳格な寸法公差及び重量公差を満たすために、キャリア及びインクカートリッジの構造や材質、さらには金型設計等にまで制約がかかり、自由度の高い設計の妨げとなっている。
また、インクカートリッジの重量は、カートリッジ内のインクタンクにインクが満たされているときと、インクタンクがほとんど空のときとでは、インクカートリッジの重量は大きく異なる。従って、キャリア及びインクカートリッジの公差が厳格に管理されていたとしても、インクの残量によってモータにかかる負荷が変動し、キャリアの搬送速度も変動する。そこで、従来のインクジェットプリンタにおいては、例えば、インクの残量が略50パーセントであるときのインクカートリッジの重量に合わせて、比例ゲイン値Kp、積分ゲイン値Kiが設定されている。しかしながら、このような設定によっても、インクの残量に応じた本質的な制御を行っていないので、インクが満たされた新品のインクカートリッジやほとんど空になるまでインクを消費したインクカートリッジを継続して使用する場合には、キャリアの搬送速度を適正に制御することができない場合がある。
なお、特許文献1には、モータの駆動負荷に応じてモータの初期駆動信号値及び積算する所定値のうち、少なくとも一方を設定するプリンタが示されている。しかしながら、この特許文献1には、比例ゲイン値Kp、積分ゲイン値Kiに関して記載されておらず、積算する所定値とはいかなる値をいうのか、いかなる基準で設定されるのかが不明瞭であり、上述した課題を解決することができない。
特開2003−23783号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インクの残量に関わらず、また製造時の寸法公差及び重量公差の大きいキャリア及びインクカートリッジを適用してもキャリアの搬送速度の変動を抑制し、良好なプリント品質を得ることができるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、インクを貯蔵するインクタンク及びこのインクタンクに貯蔵されたインクを吐出して記録紙に画像を形成する記録ヘッドを有するインクカートリッジと、このインクカートリッジを支持すると共に、記録紙の搬送方向に略直交する方向に搬送するキャリアと、このキャリアを駆動するDCモータと、このDCモータによって駆動されたキャリアの位置を検知するためのエンコーダと、このエンコーダから出力された信号に基いてDCモータをPWM制御するモータ制御手段とを備え、モータ制御手段は、エンコーダから出力された信号に基いて、キャリアの位置及び移動速度を算出し、それに応じたモータ制御信号を出力する位置速度算出手段と、この位置速度算出手段から出力されたモータ制御信号に比例ゲインをかける比例制御手段と、位置速度算出手段から出力されたモータ制御信号に積分ゲインをかける積分制御手段と、比例制御手段及び積分制御手段から出力されたモータ制御信号に応じてDCモータを駆動するためのPWMパルスを生成するPWM生成手段とを有するインクジェットプリンタにおいて、比例制御手段には、キャリアに装着可能なインクカートリッジのうち、いずれのインクカートリッジがキャリアに装填された場合にも、該キャリアの速度変動が所定の第1の閾値よりも大きくなるような比例ゲイン値が予め設定されており、積分制御手段には、キャリアに装着可能なインクカートリッジのうち、いずれのインクカートリッジがキャリアに装填された場合にも、該キャリアの速度偏差が所定の第2の閾値よりも大きくなるような積分ゲイン値が予め設定されており、モータ制御手段は、キャリアに新たなインクカートリッジが装填されたとき、又はプリンタの電源が投入されたときに、キャリアが往方向に移動するようにDCモータを駆動すると共に、エンコーダからの出力信号に基いて該キャリアの速度を算出し、その速度変動が第1の閾値よりも小さくなるまで、比例制御手段の比例ゲイン値を低下させ、キャリアの速度変動が第1の閾値よりも小さくなったとき、該キャリアの駆動を一担停止させ、その後、該キャリアが復方向に移動するようにDCモータを駆動すると共に、エンコーダからの出力信号に基いて該キャリアの速度を算出し、該キャリアの目標速度に対する速度偏差が第2の閾値よりも小さくなるまで、積分制御手段の積分ゲイン値を低下させ、キャリアの速度偏差が第2の閾値よりも小さくなったとき、キャリアの駆動を一担停止させ、その後、該キャリアがホームポジションに復帰するようにDCモータを駆動することにより、インクカートリッジの個体差、及びインク残量に関わらずキャリアの搬送速度の変動を抑えて、良好なプリント品質が得られるようにしたものである。
請求項2の発明は、インクを貯蔵するインクタンク及びこのインクタンクに貯蔵された
インクを吐出して記録紙に画像を形成する記録ヘッドを有するインクカートリッジと、こ
のインクカートリッジを支持すると共に、記録紙の搬送方向に略直交する方向に搬送する
キャリアと、このキャリアを駆動するDCモータと、このDCモータによって駆動された
キャリアの位置を検知するためのエンコーダと、このエンコーダから出力された信号に基
いてDCモータをPWM制御するモータ制御手段とを備え、モータ制御手段は、エンコー
ダから出力された信号に基いて、キャリアの位置及び移動速度を算出し、それに応じたモ
ータ制御信号を出力する位置速度算出手段と、この位置速度算出手段から出力されたモー
タ制御信号に比例ゲインをかける比例制御手段と、位置速度算出手段から出力されたモー
タ制御信号に積分ゲインをかける積分制御手段と、比例制御手段及び積分制御手段から出
力されたモータ制御信号に応じてDCモータを駆動するためのPWMパルスを生成するP
WM生成手段とを有するインクジェットプリンタにおいて、比例制御手段には、キャリア
に装着可能なインクカートリッジのうち、いずれのインクカートリッジがキャリアに装填
された場合にも、該キャリアの速度変動が所定の第1の閾値よりも大きくなるような比例
ゲイン値が予め設定されており、積分制御手段には、キャリアに装着可能なインクカート
リッジのうち、いずれのインクカートリッジがキャリアに装填された場合にも、該キャリ
アの速度偏差が所定の第2の閾値よりも大きくなるような積分ゲイン値が予め設定されて
おり、モータ制御手段は、DCモータを駆動すると共に、エンコーダからの出力信号に基
いて該キャリアの速度を算出し、その速度変動が第1の閾値よりも小さくなるまで、比例
制御手段の比例ゲイン値を低下させ、その後、該キャリアの目標速度に対する速度偏差が
第2の閾値よりも小さくなるまで、積分制御手段の積分ゲイン値を低下させるものである

請求項3の発明は、請求項2に記載のインクジェットプリンタにおいて、モータ制御手
段は、キャリアが第1方向に移動するようにDCモータを駆動しながら該キャリアの速度
を算出し、その速度変動が第1の閾値よりも小さくなるまで、比例制御手段の比例ゲイン
値を低下させ、その後、該キャリアが第2方向に移動するようにDCモータを駆動しなが
ら該キャリアの速度を算出し、該キャリアの目標速度に対する速度偏差が第2の閾値より
も小さくなるまで、積分制御手段の積分ゲイン値を低下させるものである。
請求項1の発明によれば、キャリアに新たなインクカートリッジが装填されたとき、又はプリンタの電源が投入されたときに、まず、キャリアを往方向に駆動して、エンコーダからの出力信号に基いて比例制御に用いる比例ゲイン値を最適化し、キャリアの速度変動を第1の閾値以下に抑制する。これにより、インクカートリッジの個体差及びインク残量に関わらずキャリアの走行が安定し、良好なプリント品質が得られるようになる。また、キャリア及びインクカートリッジの寸法公差及び重量公差を大きく設定することも可能になり、設計の自由度が高まると共に、インクジェットプリンタの製造コストを削減できるようになる。さらに、キャリアを復方向に駆動して、積分制御に用いる積分ゲイン値を最適化するので、キャリアの速度偏差も少なくなる。これにより、キャリアの走行制御をさらに正確に行えるようになり、良好なプリント品質が得られるようになる。
請求項2の発明によれば、DCモータを駆動すると共に、エンコーダからの出力信号に
基いて比例制御に用いる比例ゲイン値を最適化すると共に、さらに、キャリアを復方向に
駆動して、積分制御に用いる積分ゲイン値を最適化するので、インクカートリッジの個体
差及びインク残量に関わらず、キャリアの走行が安定し、速度偏差も少なくなり、良好な
プリント品質が得られるようになる。
請求項3の発明によれば、キャリアを第1方向へ移動させることにより比例ゲイン値を
最適化し、キャリアを第2方向へ移動させることにより積分ゲイン値を最適化することが
できる。
本発明を実施するための最良の形態によるインクジェットプリンタについて図面を参照して説明する。図1はインクジェットプリンタの構成を示している。インクジェットプリンタ1は、紙送りモータ2の駆動力を受け、給紙トレイ3に載置された記録紙Pを装置本体内に搬送する紙送り機構4と、搬送された記録紙P1にインクを吐出する記録ヘッド5及び記録ヘッド5から吐出されるインクを貯蔵するインクタンク6を有するインクカートリッジ7と、インクカートリッジ7を挿脱自在に収容するキャリア8と、キャリア8を駆動するキャリア駆動モータ9と、キャリア駆動モータ9によって駆動されたキャリア8の位置を検知するためのエンコーダ10と、紙送りモータ2及びキャリア駆動モータ9の回転をPWM制御するモータ制御回路(モータ制御部)11等を備えている。キャリア8は、記録紙Pの搬送方向(副走査方向)に直交する主走査方向に配向されたシャフト12によってスライド移動自在に支持され、ベルト13等を介して伝達されたキャリア駆動モータ9の駆動力によりスライド移動する。本実施の形態においては、キャリア駆動モータ9として、低コストなDC(直流)モータを適用しており、キャリア8の位置は、キャリア8の可動領域の近傍又はキャリア駆動モータ9の出力軸等に設けられたエンコーダ10によって検知される。
図2は、モータ制御回路11の構成を示している。モータ制御回路11は、エンコーダ10から出力された出力信号に信号に基いて、キャリア8の位置及び移動速度を算出し、それに応じたモータ制御信号を出力する位置速度算出部(位置速度算出手段)15と、位置速度算出部15から出力されたモータ制御信号に比例ゲインをかける比例制御部(比例制御手段)16と、位置速度算出部15から出力されたモータ制御信号に積分ゲインをかける積分制御部(積分制御手段)17と、比例制御部16及び積分制御部17から出力されたモータ制御信号に応じてキャリア駆動モータ9を駆動するためのPWMパルスを生成するPWMパルス生成部(PWM生成手段)18とを有している。図2からも明かなように、キャリア駆動モータ9には、エンコーダ10からの出力信号をフィードバックして比例積分制御(PI制御)を伴って生成されたPWMパルス電圧が印加される。これにより、キャリア8は、主走査方向に所定の搬送速度でスライド駆動される。
既に述べたように、インクジェットプリンタ1においては、キャリア8のスライド移動に連動させて、記録ヘッド5からインクを吐出させることにより、記録紙Pの上に画像を形成している。従って、良好なプリント品質を得るためには、キャリア8の搬送速度の制御における応答性を高めつつ、搬送速度の変動を抑制し、かつ該搬送速度の目標速度からの偏差を抑制する必要がある。本実施の形態では、位置速度算出部15から出力されたモータ制御信号に比例ゲインをかけること(比例制御)によって、キャリア8の搬送速度の変動を抑制すると共に、積分ゲインをかけること(積分制御)によって、キャリア8の搬送速度の目標速度からの偏差を抑制している。
一般に、比例制御のための比例ゲイン値、及び積分制御のための積分ゲイン値は、値が大きいほど、速度制御の応答性が高くなるが、許容値を超えると発散して速度変動を抑えることができなくなる。この比例ゲイン値及び積分ゲイン値の許容値は、インクカートリッジ7、キャリア8の寸法公差、重量公差、及びインクタンク内のインク残量等によって変動する。従って、本実施の形態では、所定の比例ゲイン値Kp及び積分ゲイン値Kiを予め設定しておき、工場出荷時、インクカートリッジ7が交換されたとき、又はインクジェットプリンタ1の電源が投入されたときに、キャリア8を主走査方向に駆動して、比例ゲイン値Kp及び積分ゲイン値Kiを速度制御の応答性との関係で最適な値に調整することにより、常に安定した速度でキャリア8を駆動できるようにしている。
図3は、比例制御部16による比例ゲイン値Kpの最適化前後におけるキャリア8の速度変動を示している。同図において第1の閾値とは、プリント品質に悪影響を及ぼさない程度のキャリア8の速度変動をいうものとし、これはインクジェットプリンタ1を構成するインクカートリッジ7、キャリア8及びキャリア駆動モータ9等の仕様毎に実験的に定めることができる。
比例制御部16には、予め比例ゲイン値Kpの初期値として、例えばKp=2.0が設定されている。この比例ゲイン値Kpの初期値は、速度制御の応答性をできるだけ高めるという観点から、キャリア8に対応するインクカートリッジのうち、いずれのインクカートリッジがキャリア8に装填された場合にも、キャリア8の速度変動が第1の閾値を超えるような値に設定されていることが望ましい。この比例ゲイン値Kpの初期値も上記第1の閾値と同様に実験的に定めることができる。
本実施形態では、40マイクロ秒毎に位置速度算出部15によってキャリア8の速度が算出される。また、2ミリ秒毎に位置速度算出部15によってPWMパルスのオンデューティが変更され、キャリア8の速度が制御される。キャリア8の往方向への駆動当初、比例ゲイン値Kp=2.0であるので、キャリア8の速度変動は、第1の閾値よりも大きい状態で推移している。そこで、比例制御部16は、例えばKp=1.4となるように比例ゲイン値Kpを低下させ、キャリア8の速度変動を第1の閾値よりも小さくする。これにより、キャリア8の速度変動がプリント品質に悪影響を及ぼさない程度まで抑制されることになる。
このように、比例制御部16の作用によれば、キャリア8の速度変動をプリント品質に悪影響を及ぼさない程度まで抑制することができるが、所定時間ΔTにおけるキャリア8の搬送速度の平均値(図4参照)と目標速度との速度偏差を小さくすることまでは期待できない。そこで、本実施の形態では、上記キャリア8の速度偏差を小さくするために、積分制御部17が設けられている。
図4は、積分制御部17による積分ゲイン値Kiの最適化前後におけるキャリア8の速度偏差を示している。同図において第2の閾値とは、プリント品質に悪影響を及ぼさない程度のキャリア8の速度偏差をいうものとし、これも第1の閾値と同様に、インクジェットプリンタ1を構成するインクカートリッジ7、キャリア8、及びキャリア駆動モータ9等の仕様毎に実験的に定めることができる。
積分制御部17には、予め積分ゲイン値Kiの初期値として、例えばKi=40が設定されている。この積分ゲイン値Kiの初期値は、速度制御の応答性をできるだけ高めるという観点から、キャリア8に対応するインクカートリッジのうち、いずれのインクカートリッジがキャリア8に装填された場合にも、キャリア8の速度偏差が第2の閾値を超えるような値に設定されていることが望ましい。この積分ゲイン値Kiの初期値も上記第1の閾値と同様に実験的に定めることができる。
本実施形態では、キャリア8の復方向への駆動当初、積分ゲイン値Ki=40であるので、キャリア8の速度偏差は、第2の閾値よりも大きい状態で推移している。そこで積分制御部17は、例えばKi=20となるように積分ゲイン値Kiを低下させ、キャリア8の速度偏差を第2の閾値よりも小さくする。これにより、キャリア8の速度偏差がプリント品質に悪影響を及ぼさない程度まで抑制されることになる。
次に、工場出荷時、インクカートリッジ7、又はインクジェットプリンタ1の電源が投入されたとき等における、比例ゲイン値Kp及び積分ゲイン値Kiを最適化する手順について図5を参照して説明する。まず、PWMパルス生成部18がキャリア8を往方向に駆動するためのパルスをキャリア駆動モータ9に出力してキャリア8の往方向への駆動を開始して(#1)、キャリア8の移動に伴ってエンコーダ10から出力される信号に基いて、位置速度算出部15がキャリア8の位置・速度を算出する(#2)。そして、位置速度算出部15が、キャリア8の速度変動を算出し、それを第1の閾値と比較する(#3)。キャリア8の速度変動が第1の閾値よりも大きければ(#3においてYES)、所定の値(図3に示した例では0.6)だけ比例ゲイン値Kpを低下させ(#4)、#2に戻る。そして、キャリア8の速度変動が第1の閾値よりも小さくなれば(#3においてNO)、PWMパルス生成部18は、キャリア8の往方向への駆動を停止させる(#5)。
その後、PWMパルス生成部18は、キャリア8を復方向に駆動するためのパルスをキャリア駆動モータ9に出力してキャリア8の復方向への駆動を開始して(#6)、キャリア8の移動に伴ってエンコーダ10から出力される信号に基いて、位置速度算出部15がキャリア8の位置・速度を算出する(#7)。そして、位置速度算出部15が、キャリア8の速度偏差を算出し、それを第2の閾値と比較する(#8)。キャリア8の速度偏差が第2の閾値よりも大きければ(#8においてYES)、所定の値(図4に示した例では20)だけ積分ゲイン値Kiを低下させ(#9)、#7に戻る。そして、キャリア8の速度偏差が第2の閾値よりも小さくなれば(#8においてNO)、PWMパルス生成部18は、キャリア8をホームポジションに復帰させて(#10)、処理を終了する。なお、#4における比例ゲイン値Kpの低下量、#9おける積分ゲイン値Kiの低下量は上述した値に限られることなく、キャリア8の搬送速度及びモータ制御回路11の演算処理速度等に応じて適宜設定することができる。
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタ1によれば、キャリア8に新たなインクカートリッジ7が装填されたとき、又はインクジェットプリンタ1の電源が投入されたときに、まず、キャリア8を往方向に駆動して、エンコーダ10からの出力信号に基いて比例制御に用いる比例ゲイン値Kpを最適化し、キャリア8の速度変動を第1の閾値以下に抑制する。これにより、インクカートリッジの個体差及びインク残量に関わらず、キャリア8の走行が安定し、良好なプリント品質が得られるようになる。また、キャリア8及びインクカートリッジ7の寸法公差及び重量公差を大きく設定することも可能になり、設計の自由度が高まると共に、インクジェットプリンタ1の製造コストを削減できるようになる。さらに、キャリア8を復方向に駆動して、積分制御に用いる積分ゲイン値を最適化するので、キャリア8の速度偏差も少なくなる。これにより、キャリア8の走行制御をさらに正確に行えるようになり、良好なプリント品質が得られるようになる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも比例制御部16の比例ゲイン値Kpを減少させて、キャリア8の速度変動を第1の閾値以下に抑制する構成であればよい。また、比例ゲイン値Kpを増減させながら、最適化するようにしてもよい。また、インクの消費は急激なものではないので、インクジェットプリンタ1の電源を投入するたびに毎回比例ゲイン値Kp及び積分ゲイン値Kiを最適化する必要はなく、例えば、電源投入回数をカウントし、数回に亘って電源の投入がなされた後に最適化を実行するように構成してもよい。
本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタの構成を示すブロック図。 同プリンタのモータ制御部の構成を示す図。 比例ゲイン値Kpの最適化前後におけるキャリアの速度変動を示す図。 積分ゲイン値Kiの最適化前後におけるキャリアの速度偏差を示す図。 比例ゲイン値Kp及び積分ゲイン値Kiを最適化する手順を示すフローチャート。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
2 紙送りモータ
3 給紙トレイ
4 紙送り機構
5 記録ヘッド
6 インクタンク
7 インクカートリッジ
8 キャリア
9 キャリア駆動モータ(DCモータ)
10 エンコーダ
11 モータ制御回路(モータ制御部)
15 位置速度算出部(位置速度算出手段)
16 比例制御部(比例制御手段)
17 積分制御部(積分制御手段)
18 PWMパルス生成部(PWM生成手段)

Claims (3)

  1. インクを貯蔵するインクタンク及びこのインクタンクに貯蔵されたインクを吐出して記
    録紙に画像を形成する記録ヘッドを有するインクカートリッジと、このインクカートリッ
    ジを支持すると共に、記録紙の搬送方向に略直交する方向に搬送するキャリアと、このキ
    ャリアを駆動するDCモータと、このDCモータによって駆動されたキャリアの位置を検
    知するためのエンコーダと、このエンコーダから出力された信号に基いて前記DCモータ
    をPWM制御するモータ制御手段とを備え、
    前記モータ制御手段は、前記エンコーダから出力された信号に基いて、前記キャリアの
    位置及び移動速度を算出し、それに応じたモータ制御信号を出力する位置速度算出手段と
    、この位置速度算出手段から出力されたモータ制御信号に比例ゲインをかける比例制御手
    段と、前記位置速度算出手段から出力されたモータ制御信号に積分ゲインをかける積分制
    御手段と、前記比例制御手段及び積分制御手段から出力されたモータ制御信号に応じて前
    記DCモータを駆動するためのPWMパルスを生成するPWM生成手段とを有するインク
    ジェットプリンタにおいて、
    前記比例制御手段には、前記キャリアに装着可能なインクカートリッジのうち、いずれ
    のインクカートリッジが前記キャリアに装填された場合にも、該キャリアの速度変動が所
    定の第1の閾値よりも大きくなるような比例ゲイン値が予め設定されており、
    前記積分制御手段には、前記キャリアに装着可能なインクカートリッジのうち、いずれ
    のインクカートリッジが前記キャリアに装填された場合にも、該キャリアの速度偏差が所
    定の第2の閾値よりも大きくなるような積分ゲイン値が予め設定されており、
    前記モータ制御手段は、
    前記キャリアに新たなインクカートリッジが装填されたとき、又はプリンタの電源が投
    入されたときに、前記キャリアが往方向に移動するように前記DCモータを駆動すると共
    に、前記エンコーダからの出力信号に基いて該キャリアの速度を算出し、その速度変動が
    前記第1の閾値よりも小さくなるまで、前記比例制御手段の比例ゲイン値を低下させ、
    前記キャリアの速度変動が前記第1の閾値よりも小さくなったとき、該キャリアの駆動
    を一担停止させ、その後、該キャリアが復方向に移動するように前記DCモータを駆動す
    ると共に、前記エンコーダからの出力信号に基いて該キャリアの速度を算出し、該キャリ
    アの目標速度に対する速度偏差が前記第2の閾値よりも小さくなるまで、前記積分制御手
    段の積分ゲイン値を低下させ、
    前記キャリアの速度偏差が前記第2の閾値よりも小さくなったとき、前記キャリアの駆
    動を一担停止させ、その後、該キャリアがホームポジションに復帰するように前記DCモ
    ータを駆動することにより、インクカートリッジの個体差、及びインク残量に関わらず前
    記キャリアの搬送速度の変動を抑えて、良好なプリント品質が得られるようにしたことを
    特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. インクを貯蔵するインクタンク及びこのインクタンクに貯蔵されたインクを吐出して記
    録紙に画像を形成する記録ヘッドを有するインクカートリッジと、このインクカートリッ
    ジを支持すると共に、記録紙の搬送方向に略直交する方向に搬送するキャリアと、このキ
    ャリアを駆動するDCモータと、このDCモータによって駆動されたキャリアの位置を検
    知するためのエンコーダと、このエンコーダから出力された信号に基いて前記DCモータ
    をPWM制御するモータ制御手段とを備え、
    前記モータ制御手段は、前記エンコーダから出力された信号に基いて、前記キャリアの
    位置及び移動速度を算出し、それに応じたモータ制御信号を出力する位置速度算出手段と
    、この位置速度算出手段から出力されたモータ制御信号に比例ゲインをかける比例制御手
    段と、前記位置速度算出手段から出力されたモータ制御信号に積分ゲインをかける積分制
    御手段と、前記比例制御手段及び積分制御手段から出力されたモータ制御信号に応じて前
    記DCモータを駆動するためのPWMパルスを生成するPWM生成手段とを有するインク
    ジェットプリンタにおいて、
    前記比例制御手段には、前記キャリアに装着可能なインクカートリッジのうち、いずれ
    のインクカートリッジが前記キャリアに装填された場合にも、該キャリアの速度変動が所
    定の第1の閾値よりも大きくなるような比例ゲイン値が予め設定されており、
    前記積分制御手段には、前記キャリアに装着可能なインクカートリッジのうち、いずれ
    のインクカートリッジが前記キャリアに装填された場合にも、該キャリアの速度偏差が所
    定の第2の閾値よりも大きくなるような積分ゲイン値が予め設定されており、
    前記モータ制御手段は、
    前記DCモータを駆動すると共に、前記エンコーダからの出力信号に基いて該キャリア
    の速度を算出し、その速度変動が前記第1の閾値よりも小さくなるまで、前記比例制御手
    段の比例ゲイン値を低下させ、
    その後、該キャリアの目標速度に対する速度偏差が前記第2の閾値よりも小さくなるま
    で、前記積分制御手段の積分ゲイン値を低下させることを特徴とするインクジェットプリ
    ンタ。
  3. 前記モータ制御手段は、
    前記キャリアが第1方向に移動するように前記DCモータを駆動しながら該キャリアの
    速度を算出し、その速度変動が前記第1の閾値よりも小さくなるまで、前記比例制御手段
    の比例ゲイン値を低下させ、
    その後、該キャリアが第2方向に移動するように前記DCモータを駆動しながら該キャ
    リアの速度を算出し、該キャリアの目標速度に対する速度偏差が前記第2の閾値よりも小
    さくなるまで、前記積分制御手段の積分ゲイン値を低下させることを特徴とする請求項2
    に記載のインクジェットプリンタ。
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