JP2011116050A - キャリッジの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間で滑らかに加速する初期制御量を常に最適な値に設定し、良好な加速制御を行うことが可能なキャリッジの制御方法を提供する。
【解決手段】インクを吐出するインクジェットヘッド21を備えたキャリッジ22を動作させるためのキャリッジモーター25の駆動電流を、キャリッジモーター25の実回転速度Vcと目標回転速度Vtとの速度偏差ΔVに応じてPID制御する方法において、キャリッジ22の動作を開始するためにキャリッジモーター25の駆動を開始する時のPID制御における初期積分出力値Istrを、前回にキャリッジ22を動作させた時のPID制御量である前回制御出力値PIDpreに基づいて決定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、モーターの回転速度をPID制御することにより、ヘッドを搭載したキャリッジの移動を制御するキャリッジの制御方法に関する。
紙、布、フィルム等の被印刷体に印刷を行う各種のプリンターのなかで、被印刷体にインクを吐出して印刷を行う方式のプリンターは、インクジェットプリンターと呼ばれている。
このようなインクジェットプリンターにおいては、インクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給するインクを収容したインク容器とを搭載したキャリッジを駆動するモーターを制御系によって制御し、キャリッジを移動させながら印刷ヘッドから被印刷体に向けてインクを吐出して印刷を行うのが一般的である。
したがって、被印刷体に対して高品質な印刷を行うためには、モーターを高精度に制御して印刷ヘッドを搭載したキャリッジの移動を円滑に制御する必要がある。
モーターの制御方法としては、ゲイン係数設定部が、回転量算出部で算出された目標回転量を読み込み、その目標回転量がしきい値よりも大きいか否かを判断し、目標回転量がしきい値よりも小さいときには、PID制御部にて設定される比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインに対して、それぞれ個別に設定された定数を乗算させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、モーターの目標回転量と実回転量との偏差に応じてPID制御によりモーター指令電流値を演算するにあたって、モーターに駆動連結された負荷変動の影響を受けるときに、PID制御の積分要素を計算するのに必要な積分値を書き換えるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−157476号公報 特開2003−174785号公報
しかしながら、上記の制御方法では、何れもモーターの回転開始後の回転状態に基づいて制御するため、回転開始までの時間を短縮することができない。
また、PID制御では、初期値設定が小さいと目標速度と現在速度の偏差から計算する制御量が、動作開始するまでに必要な値に達するまでに時間がかかり、大き過ぎると動き始めてからの速度の変動が激しく、目標速度への収束性が悪くなる。このため、PID制御の初期値設定を適切な値に設定する必要があるが、耐久的に負荷が増加するような場合や、温度環境の変化によって負荷が変動する場合は、最適値からずれてしまうことがある。
本発明の目的は、短時間で滑らかに加速する初期制御量を最適な値に設定し、良好な加速制御を行うことが可能なキャリッジの制御方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明に係るキャリッジの制御方法は、液体を吐出する吐出ヘッドを備えたキャリッジを動作させるためのモーターの駆動電流を、前記モーターの実回転速度と目標回転速度との偏差に応じてPID制御する方法であって、
前記キャリッジの動作を開始するために前記モーターの駆動を開始する時のPID制御における初期積分出力値を、前回に前記キャリッジを動作させた時の積分出力値に基づいて決定することを特徴とする。
この構成によれば、前回にキャリッジを動作させた時の積分出力値に基づいて、初期積分出力値を設定するので、キャリッジの移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。つまり、短時間で滑らかに加速する初期制御量を設定し、その後のキャリッジの円滑な加速制御につなげることができる。
本発明のキャリッジの制御方法において、前記初期積分出力値を、前回に前記キャリッジを定速移動させた時の積分出力値に基づいて決定することが好ましい。
この構成によれば、前回のキャリッジの定速移動時の積分出力値に基づいて、初期積分出力値を設定することにより、キャリッジの移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。
また、本発明のキャリッジの制御方法において、前記初期積分出力値を、前回に前記キャリッジが動き始めた時の積分出力値に基づいて決定することが好ましい。
この構成によれば、前回にキャリッジが動き始めた時の積分出力値に基づいて、初期積分出力値を設定することにより、キャリッジの移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。
また、本発明のキャリッジの制御方法において、前回の前記キャリッジの動作から所定時間以上経過している場合に、前記キャリッジの本動作を開始する前に前記キャリッジを予備動作させ、前記初期積分出力値を前記予備動作時の積分出力値に基づいて決定することが好ましい。
この構成によれば、前回のキャリッジの動作から所定時間以上経過している場合には、キャリッジを予備動作させ、この予備動作における積分出力値に基づいて、初期積分出力値を設定することにより、前回の動作から長い時間が経過した場合であっても、キャリッジの移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。
また、本発明のキャリッジの制御方法において、前回の前記キャリッジの動作から所定時間以上経過している場合に、前回の前記キャリッジの動作からの経過時間、環境温度、及び前記キャリッジの総動作回数の少なくとも一つから算出された前記キャリッジの動作負荷変化量に基づいて、前記初期積分出力値を決定することが好ましい。
この構成によれば、前回のキャリッジの動作から所定時間以上経過している場合には、前回のキャリッジの動作からの経過時間、環境温度、及びキャリッジの総動作回数の少なくとも一つから算出されたキャリッジの動作負荷変化量に基づいて、初期積分出力値を設定することにより、前回の動作から長い時間が経過した場合であっても、キャリッジの移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。
本発明に係るキャリッジの制御方法が適用されるインクジェットプリンターの外観斜視図である。 インクジェットプリンターからプリンターケースを取り外した状態の側面図である。 インクジェットプリンターからプリンターケースを取り外した状態の後方側から視た斜視図である。 プリンターの電気的な構成を示すブロック図である。 キャリッジモーターの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 PID制御量及びキャリッジの移動速度を示すグラフである。
以下、本発明に係るキャリッジの制御方法の実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るキャリッジの制御方法が適用されるインクジェットプリンターの外観斜視図、図2はインクジェットプリンターからプリンターケースを取り外した状態の側面図、図3はインクジェットプリンターからプリンターケースを取り外した状態の後方側から視た斜視図である。
まず、本実施形態のキャリッジの制御方法が適用されるインクジェットプリンターについて説明する。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、複数種のカラーインクを使用してロール紙の繰り出された一部にカラー印刷するものであり、プリンター本体を覆うプリンターケース2の前面中央には、ロール紙カバー3が開閉自在に設けられている。ロール紙カバー3の横にはインクカートリッジ挿入口8が設けられ、その内側にインクカートリッジ4が挿入されて収容されている。更に、プリンターケース2の前面には、電源スイッチ5と共にフィードスイッチ6やインジケーター7等も配置されている。
ロール紙カバー3はその下端を中心に手前側に回動可能である。ロール紙カバー3の上部には手前側に印刷後のロール紙が排出される排紙部9が設けられ、排紙部9の手前側先端には手前側に摺動可能な開閉スライダ10が設けられる。開閉スライダ10を手前に引くと、ロール紙カバー3が下端を中心に回動し、ロール紙カバー3の奥に設けられた用紙収容部12(図2参照)が露出され、用紙収容部12にロール紙を投入できるように構成されている。
図2に示すように、印刷される媒体であるロール紙(媒体)11は、用紙収容部12に収容されており、ロール紙カバー3を開くと、ロール紙11を収容した用紙収容部12が開放され、ロール紙11の交換が可能になる。
用紙収容部12の後方には、下方から上方に向けて順に、繰り出しローラー34、テンションローラー35、メイン送りローラー36が配置されている。さらに、メイン送りローラー36から装置前方に向かってプラテン26、フロント送りローラー37が配置されている。
ロール紙11は、用紙収容部12から引き出され、繰り出しローラー34、テンションローラー35、メイン送りローラー36、プラテン26、フロント送りローラー37を経て、排紙部9から排出される。これらの搬送ローラーは、歯車またはベルトプーリー機構といった伝達機構を介して紙送りモーター31により駆動される。
プリンターケース2内の用紙収容部12の上方には、インクジェットヘッド(吐出ヘッド)21を搭載したキャリッジ22が設けられている。図3に示すように、キャリッジ22は、ロール紙11の幅方向に沿って延在するガイド部材23によって用紙幅方向に移動自在に支持されると共に、ロール紙11の幅方向に延在する無端ベルト24と無端ベルト24を駆動するキャリッジモーター(モーター)25とによって、プラテン26の上方をロール紙11の幅方向に往復移動可能になっている。キャリッジ22には、インクカートリッジにつながる可撓性を有するインクチューブ27が接続されており、このインクチューブ27を介してインクカートリッジからキャリッジ22のインクジェットヘッド21へインクが供給される。なお、図3では、キャリッジ22が往復移動方向の両端に位置するときのキャリッジ22及びインクチューブ27を両方図示している。
インクジェットプリンター1の幅方向の一方側は、往復移動するキャリッジ22の待機位置(ホームポジション)となっている。この待機位置の下方には、キャリッジ22の下面に露出するインクジェットヘッド21の各インクノズル内のインクを吸引するインク吸引機構(図示省略)が設けられている。
そして、上記のインクジェットプリンター1では、往復移動するキャリッジ22のインクジェットヘッド21からロール紙11の繰り出された一部に対してインクを吐出して印刷処理を行う。
次に、図4を参照しつつ、インクジェットプリンター1の電気的な構成について説明する。図4は、インクジェットプリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。
インクジェットプリンター1は、主制御回路102と、CPU104と、主制御回路102及びCPU104にバスを介して接続された各種のメモリー(ROM110,RAM112,EEPROM114)とを備えている。主制御回路102には、パーソナルコンピューターなどの外部装置との間で信号の送受信を行うインターフェース回路120と、紙送りモーター駆動回路130と、ヘッド駆動回路140と、CRモーター駆動回路150とが接続されている。
紙送りモーター31は、紙送りモーター駆動回路130によって駆動されて搬送ローラー32を回転させ、これによってロール紙11を副走査方向に繰り出す。紙送りモーター31にはロータリエンコーダー33が設けられており、ロータリエンコーダー33の出力信号は主制御回路102に入力されている。
キャリッジ22に搭載されたインクジェットヘッド21の各ノズルは、ヘッド駆動回路140によって駆動されて、ロール紙11に向けてインク滴を吐出する。
キャリッジモーター25は、CRモーター駆動回路150によって駆動される。このインクジェットプリンター1は、キャリッジ22の主走査方向に沿った位置と速度を検出するためのリニアエンコーダー41を備えている。このリニアエンコーダー41は、主走査方向に平行に設けられた直線状の符号板42と、キャリッジ22に設けられたフォトセンサー43とによって構成されている。リニアエンコーダー41の出力信号は、主制御回路102に入力されている。
なお、主制御回路102は、3つの駆動回路130,140,150に制御信号をそれぞれ供給する機能を有しており、また、インターフェース回路120で受信した各種の印刷コマンドの解読や、印刷データーの調整に関する制御、各種のセンサーの監視などを実行する機能も有している。一方、CPU104は、主制御回路102を補助するための各種の機能を有しており、例えば各種のメモリーの制御などを実行する。
次に、図5を参照しつつ、キャリッジモーター25の駆動制御装置の構成について説明する。図5はキャリッジモーターの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
キャリッジモーター25の駆動制御装置は、CRモーター制御回路200と、CRモーター駆動回路150とを含んでいる。なお、CRモーター制御回路200は、図4に示した主制御回路102の一部である。
リニアエンコーダー41の出力信号Senは、CRモーター制御回路200内の位置及び速度演算回路230に入力される。位置及び速度演算回路230は、リニアエンコーダー41の出力信号SenのA相信号とB相信号(図示省略)とに基づいて、キャリッジモーター25の現行回転位置Pcと現行回転速度Vcとをそれぞれ求める。第1の減算器202は、与えられた目標回転位置Ptと現行回転位置Pcとの偏差ΔPを求めて目標回転速度発生回路204に入力する。目標回転速度発生回路204は、この回転位置偏差ΔPに応じた目標回転速度Vtを、予め記憶しているテーブルを参照して求める。
第2の減算器206は、目標回転速度Vtと現行回転速度Vcとの偏差ΔVを求め、この回転速度偏差ΔVを比例要素210と積分要素212と微分要素214とに入力する。これらの3つの演算要素210,212,214では、比例ゲインGp、積分ゲインGi及び微分ゲインGdが求められ、これらのゲインGp、Gi及びGdは、比例補正回路220、積分補正回路222及び微分補正回路224にてそれぞれ補正されて出力Qp,Qi,Qdと変換された後、加算器226で加算されて、加算結果ΣQが算出される。
各出力Qp、Qi、Qdと、それらの加算結果ΣQは、例えば以下の式(1)〜(4)で与えられる。
Qp(j)=ΔV(j)×Gp …(1)
Qi(j)=Qi(j−1)+ΔV(j)×Gi …(2)
Qd(j)={ΔV(j)−ΔV(j−1)}×Gd …(3)
ΣQ(j)=Qp(j)+Qi(j)+Qd(j) …(4)
なお、jは時刻である。
最終補正回路230は、この加算結果ΣQ(「PID出力」とも呼ぶ)に応じて、積分要素212または目標回転速度発生回路204を調整することによって、駆動回路150に供給するデューティー信号Dtのレベルを調整する。このデューティー信号Dt(「PWM出力」とも呼ぶ)は、加算結果ΣQに比例した信号であり、キャリッジモーター25のデューティーを示す信号である。
CR(キャリッジ)モーター駆動回路150は、トランジスターブリッジで構成されたDC−DCコンバーターと、ベースドライブ回路とを備えている。ベースドライブ回路は、CRモーター制御回路200から供給されたデューティー信号Dtに応じて、DC−DCコンバーターのトランジスターのベースに印加するベース信号を発生する。DC−DCコンバーターは、このベース信号に応じてモーター駆動信号を生成してキャリッジモーター25に供給する。
次に、インクジェットヘッド21による印刷動作を行う際のキャリッジ22の移動について説明する。図6はPID制御量及びキャリッジの移動速度を示すグラフである。
図6に示すように、印刷動作が開始されると(図6におけるta)、キャリッジモーター25が初期積分出力値Istrによって駆動し、その後、摩擦等の機械的な負荷にて停止しているキャリッジ22が移動を開始する(図6におけるtb)。さらに、キャリッジ22は、目標速度Vtとなるまで加速する(図6におけるtb〜tc)。そして、キャリッジ22は、目標速度Vtにて定速移動し(図6におけるtc〜td)、その後、減速して停止する(図6におけるtd〜te)。
キャリッジ22を移動させる場合、機械的な負荷が大きい状態では、負荷に打ち勝って動き始めさせるために、より大きい制御量が必要となる。したがって、制御開始時の初期出力値が小さいと、所定の制御量に到達するまでに時間がかかってしまう。また、単に大きい負荷を想定して初期出力値を設定すると、負荷が小さいときに、過剰な制御量により速度が大きく変動したり、急加速によって目標速度を大きく超えてしまうといった不具合が生じる。したがって、キャリッジ22の移動動作時間を短く、しかも安定した速度制御で動作させるためには、キャリッジ22の負荷に応じた初期出力値を設定することが必要である。このような安定制御を行うために、負荷に応じたゲインに変更することも可能であるが、負荷とゲインの組合せによって速度不良や制御発振などに至らないかを検証する必要があり、評価ボリュームが非常に大きなものとなってしまう。
そこで、本実施形態では、CRモーター制御回路200にて、キャリッジ22の動作を開始するためにキャリッジモーター25の駆動を開始する時のPID制御における初期積分出力値Istrを、前回にキャリッジ22を定速移動させた時の積分出力値に基づいて決定する。
具体的には、CRモーター制御回路200では、次のようにしてキャリッジ22を移動させる。
前回にキャリッジ22を定速移動させたときの定速移動区間(図6におけるtc〜td)のPID制御量を前回制御出力値(前回の積分出力値)PIDpreとしてRAM112に記憶させて保管する。この定速移動区間におけるPID制御量は、摩擦などの機械的な負荷によって変動するので、前回制御出力値PIDpreとしては、定速移動区間におけるPID制御量の平均値を用いるのが好ましい。なお、この前回制御出力値PIDpreは、インクジェットプリンター1の電源が入っている状態では記憶が維持されている。
次に、加速が開始される始動時の初期積分出力値Istrを、次式(5)に基づいて計算する。
Istr=PIDpre×A …(5)
ここで、Aは乗算係数であり、予め設定されている。なお、この乗算係数Aは、安全を考慮して、例えば、0.8などの1より小さい値とされており、初期積分出力値Istrが前回制御出力値PIDpreよりも大きくならないように設定されている。
なお、初期積分出力値Istrは、次式(6)に示すように、安全を考慮して、減算係数Bを前回制御出力値PIDpreから減算し、初期積分出力値Istrが前回制御出力値PIDpreよりも大きくならないようにしても良い。
Istr=PIDpre−B …(6)
そして、上記のようにして求めた始動時の初期積分出力値Istrに、目標回転速度Vtと現行回転速度Vcの偏差ΔVから計算したPID制御量を加算してキャリッジモーター25の駆動を開始させ、キャリッジ22を移動させる。
このように、本実施形態では、前回のキャリッジ22の定速移動時のPID制御量である前回制御出力値PIDpreから負荷を推定し、これに応じてPID制御の初期値である初期積分出力値Istrを設定するので、キャリッジ22の移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。つまり、短時間で滑らかに加速する初期制御量を設定し、その後のキャリッジ22の円滑な加速制御につなげることができる。
また、例えば、高速モード、標準モードまたは高精細モードなどの印刷モードによってキャリッジ22の移動速度が異なる場合がある。そのため、各種の印刷モード毎に前回制御出力値PIDpreを記憶し、印刷処理時には、その印刷処理の印刷モードと同一の印刷モードの前回制御出力値PIDpreを引き出して初期積分出力値Istrを算出するのが好ましい。
また、前回制御出力値PIDpreが得られない電源投入一回目の出力初期値Istrを計算する際には、デフォルトの初期値から計算することで対応する。また、電源投入時初期動作の中で出力初期値Istrを設定するための規定動作を行わせ、この規定動作にて前回制御出力値PIDpreを求め、この前回制御出力値PIDpreに基づいて、実際の印刷時にキャリッジ22の安定した速度制御を行うことも可能である。
次に、キャリッジ22の制御方法の他の例を説明する。
上記実施形態では、前回にキャリッジ22を定速移動させたときの定速移動区間のPID制御量である前回制御出力値PIDpreに基づいて、初期積分出力値Istrを算出したが、この初期積分出力値Istrの算出に用いる前回のPID制御量として、前回にキャリッジ22が動き始めた時の積分出力値を用いても良い。
具体的には、CRモーター制御回路200では、次のようにしてキャリッジ22を移動させる。
前回のキャリッジ22の始動時のPID制御量を前回制御出力値PIDpreとしてRAM112に記憶させて保管する。この始動時におけるPID制御量は、リニアエンコーダー41からの情報に基づいて、前回実際にキャリッジ22が移動し始めた時点(図6におけるtb)でのPID制御量(図6におけるtb時の制御量)である。
次に、加速開始時の初期積分出力値Istrを、上式(5)または上式(6)から算出する。
そして、求めた加速時の初期積分出力値Istrに、目標回転速度Vtと現行回転速度Vcの偏差ΔVから計算したPID制御量を加算してキャリッジモーター25の駆動を開始させ、キャリッジ22を移動させる。
この制御の場合も、前回のキャリッジ22の始動時のPID制御量である前回制御出力値PIDpreから負荷を推定し、これに応じてPID制御の初期値である初期積分出力値Istrを設定するので、キャリッジ22の移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。つまり、短時間で滑らかに加速する初期制御量を設定し、その後のキャリッジ22の円滑な加速制御につなげることができる。
次に、前回のキャリッジ22の動作から所定時間以上経過している場合におけるキャリッジ22の制御方法について説明する。
例えば、電源投入状態で、前回の動作から長い時間(例えば、1日)が経過した場合、摩擦等が増大して機械的な負荷が大きくなっていることがある。このような場合、前回にキャリッジ22を動作させたPID制御量に基づいて負荷を推定し、これに応じてPID制御の初期値である初期積分出力値Istrを設定してもキャリッジ22を短時間でなめらかに加速させることが困難となることがある。
このような場合には、まず、前回のキャリッジ22の動作から所定時間以上経過しているか否かを判定し、所定時間以上経過していると判定した場合に、次のようにしてキャリッジ22を移動させる。
まず、キャリッジ22の本動作を開始する前に、キャリッジ22を予備動作させ、この予備動作時における定速移動時または始動時のPID制御量を、前回制御出力値PIDpreとしてRAM112に記憶させて保管する。
次に、本動作の始動時の初期積分出力値Istrを、上式(5)または上式(6)から算出する。
そして、求めた加速時の初期積分出力値Istrに、目標回転速度Vtと現行回転速度Vcの偏差ΔVから計算したPID制御量を加算してキャリッジモーター25の駆動を開始させ、キャリッジ22を移動させる。
この制御によれば、キャリッジ22を予備動作させ、この予備動作におけるキャリッジ22の定速移動時または始動時のPID制御量である前回制御出力値PIDpreから負荷を推定し、これに応じてPID制御の初期値である初期積分出力値Istrを設定するので、前回の動作から長い時間が経過した場合であっても、キャリッジ22の移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。つまり、短時間で滑らかに加速する初期制御量を設定し、その後のキャリッジ22の円滑な加速制御につなげることができる。
次に、前回のキャリッジ22の動作から所定時間以上経過している場合におけるキャリッジ22の制御方法の他の例を説明する。
まず、前回のキャリッジ22の動作から所定時間以上経過しているか否かを判定し、所定時間以上経過していると判定した場合に、例えば、RAM112に記憶させた前回のキャリッジ22の動作からの経過時間、環境温度、及びキャリッジ22の総動作回数の少なくとも一つのパラメーターを引き出す。
次に、この引き出したパラメーターを用い、予め算出して記憶しておいた負荷変化テーブルからキャリッジ22の動作負荷変化量を求める。
そして、この動作負荷変化量に基づいて、PID制御の初期値である初期積分出力値Istrを設定する。
そして、求めた始動時の初期積分出力値Istrに、目標回転速度Vtと現行回転速度Vcの偏差ΔVから計算したPID制御量を加算してキャリッジモーター25の駆動を開始させ、キャリッジ22を移動させる。
この制御によれば、前回のキャリッジ22の動作からの経過時間、環境温度、及びキャリッジ22の総動作回数の少なくとも一つのパラメーターから動作負荷変化量を求め、この動作負荷変化量からPID制御の初期値である初期積分出力値Istrを設定するので、前回の動作から長い時間が経過した場合であっても、キャリッジ22の移動開始までに必要な制御量を最適な値にすることができる。つまり、短時間で滑らかに加速する初期制御量を設定し、その後のキャリッジ22の円滑な加速制御につなげることができる。
前述の実施の形態では、被印刷体として印刷用紙を例示して説明したが、被印刷体として、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
前述の実施形態に係るプリンター、コンピューター本体、CRT等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、及びCD−ROMドライブ装置を備えたコンピューターシステムも実現可能であり、このようにして実現されたコンピューターシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
前述の実施形態に係るインクジェットプリンターに、コンピューター本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能または機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンターが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データーを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
上記各実施の形態では、印刷装置としてカラーインクジェットプリンターを用いたが、被印刷体に対して印刷処理できる印刷装置であれば、これに限られることなく、例えば、モノクロインクジェットプリンター、レーザプリンター、ファクシミリ等に適用しても良い。また、サーマルプリンターのヘッドのキャリッジの走査にも本発明のキャリッジの制御方法は適用可能である。
21…インクジェットヘッド(吐出ヘッド)、22…キャリッジ、25…キャリッジモーター(モーター)、Vc…実回転速度、Vt…目標回転速度、ΔV…速度偏差(偏差)、Istr…初期積分出力値、PIDpre…前回制御出力値(前回の積分出力値)。

Claims (5)

  1. 液体を吐出する吐出ヘッドを備えたキャリッジを動作させるためのモーターの駆動電流を、前記モーターの実回転速度と目標回転速度との偏差に応じてPID制御する方法であって、
    前記キャリッジの動作を開始するために前記モーターの駆動を開始する時のPID制御における初期積分出力値を、前回に前記キャリッジを動作させた時の積分出力値に基づいて決定することを特徴とするキャリッジの制御方法。
  2. 請求項1に記載のキャリッジの制御方法であって、
    前記初期積分出力値を、前回に前記キャリッジを定速移動させた時の積分出力値に基づいて決定することを特徴とするキャリッジの制御方法。
  3. 請求項1に記載のキャリッジの制御方法であって、
    前記初期積分出力値を、前回に前記キャリッジが動き始めた時の積分出力値に基づいて決定することを特徴とするキャリッジの制御方法。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のキャリッジの制御方法であって、
    前回の前記キャリッジの動作から所定時間以上経過している場合に、前記キャリッジの本動作を開始する前に前記キャリッジを予備動作させ、前記初期積分出力値を前記予備動作時の積分出力値に基づいて決定することを特徴とするキャリッジの制御方法。
  5. 請求項1から3の何れか一項に記載のキャリッジの制御方法であって、
    前回の前記キャリッジの動作から所定時間以上経過している場合に、前回の前記キャリッジの動作からの経過時間、環境温度、及び前記キャリッジの総動作回数の少なくとも一つから算出された前記キャリッジの動作負荷変化量に基づいて、前記初期積分出力値を決定することを特徴とするキャリッジの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018531585A (ja) * 2016-02-22 2018-11-01 グアンジョウ エックスエアークラフト テクノロジー カンパニー リミテッド 航空機噴霧制御装置、航空機噴霧制御方法、及び、航空機噴霧システム

Cited By (1)

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JP2018531585A (ja) * 2016-02-22 2018-11-01 グアンジョウ エックスエアークラフト テクノロジー カンパニー リミテッド 航空機噴霧制御装置、航空機噴霧制御方法、及び、航空機噴霧システム

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