JP6369364B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
インクジェットヘッド等の液体吐出装置の分野においては、ノズル内の液体が乾燥して粘度が上昇し(増粘)、ノズルに吐出不良が生じるという問題がある。そこで、従来から、シートへの印刷前に先立ってノズルから液体を吐出させて、増粘した液体を予め排出することが一般的に行われている。上記の液体吐出動作は、フラッシング、あるいは、予備吐出と呼ばれている。
特許文献1には、上記のフラッシングについての開示がある。特許文献1のインクジェットプリンタは、シート(記録紙)の幅方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドと、トレイに載置されたシートをインクジェットヘッドに送るピックアップローラ(紙送りローラ)とを備えている。このインクジェットプリンタでは、印刷を開始するまでの準備時間を短縮する目的で、ピックアップローラの駆動と同時に、インクジェットヘッドのフラッシングに関する動作が開始される。
具体的には、特許文献1には、以下の2つの実施の形態が開示されている。1つの実施形態では、ピックアップローラの駆動開始と並行して、キャリッジをフラッシングポジションへ移動させ、さらに、その位置でインクジェットヘッドにフラッシングを行わせている。また、別の実施形態では、ピックアップローラの駆動開始と同時に、キャリッジをフラッシングポジションへ移動させているが、前者の形態とは異なり、すぐにはフラッシングを行わない。紙検出器によって、シートのインクジェットヘッドへの供給成功が確認された後に、インクジェットヘッドにフラッシングを行わせている。
特開2008−37006号
ところで、ピックアップローラによって、トレイからシートを取り出す際に、ローラとシートとの間でスリップが生じることがある。この場合、ピックアップローラの駆動を開始してから、実際にシートがインクジェットヘッドに送られるまでの時間が、想定よりも長くなる。
上記特許文献1の前者の形態では、ピックアップローラの駆動と並行してフラッシングを行っているが、ローラにスリップが生じたときに、所定量のフラッシングを行ってもシートの供給がまだ完了せず、フラッシングだけが先に終了してしまう、という状況が発生しうる。この場合には、フラッシングの終了後、シートの供給が完了するまでの間にノズル内の増粘が進行して、吐出不良が生じる虞がある。これについて、ローラの駆動と同時にフラッシングを開始した後、紙検知器によってシートの供給成功を確認したときにフラッシングを終了するようにすれば、上記の問題は回避できる。しかし、この場合には、ローラの駆動開始から実際にシートが供給されるまでの、ローラのスリップ時間も含む長い間、ずっとフラッシングを行うことになるため、フラッシングで消費するインク量が増える。
一方、上記特許文献1の後者の形態では、インクジェットヘッドへのシートの供給成功を確認してからフラッシングを行っているため、ローラにスリップが生じても、上述した問題は生じない。しかし、シートの供給が終わってからフラッシングを行うことになるため、その分、印刷を開始するまでの準備時間が長くなってしまう。
本発明の目的は、ピックアップローラによるシートの供給と並行してフラッシングを行って準備時間を短縮すること、及び、ピックアップローラによってシートが供給されていることを確認した上でフラッシングを行うことである。
第1の発明の液体吐出装置は、シートに向けて液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、トレイに載置された前記シートを前記液体吐出ヘッドへ供給するピックアップローラと、前記ピックアップローラを駆動するモータと、前記モータの電流に関する閾値を記憶したメモリを含み、前記液体吐出ヘッド、及び、前記モータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ピックアップローラを駆動するときの前記モータの電流が前記閾値を超えたか否かを判定し、前記モータの電流が前記閾値を超えたときに、前記液体吐出ヘッドに、前記ノズルから液体を吐出させるフラッシングを行わせることを特徴とするものである。
ピックアップローラにより、シートが供給されているときには、モータに負荷がかかるためにトルクが上昇し、モータの電流も大きくなる。一方、ピックアップローラによる供給開始時にシートとの間でスリップが生じた場合、あるいは、シートがなくてピックアップローラが空回りしている場合には、モータにかかる負荷が小さく、モータの電流は低いままである。そこで、本発明では、モータの電流値が、メモリに記憶されている所定の閾値を超えたときに、ピックアップローラによってシートが供給されていると判断し、液体吐出ヘッドにフラッシングを行わせる。
本発明では、ピックアップローラによってシートを供給している間に、液体吐出ヘッドのフラッシングを行うため、シートへの液体吐出を開始するまでの準備時間を短くすることが可能である。また、ピックアップローラを駆動するモータの電流値によって、ローラによってシートが供給されている状態を確認した上で、フラッシングを開始する。フラッシングの量が予め定められている場合には、ローラのスリップが生じたときに、実際にシートの供給が完了するよりもかなり前に、所定量のフラッシングが終了してしまうということを防止できる。また、シートの供給が完了するまでフラッシングを続ける場合であれば、長い間フラッシングが無駄に行われてしまうことが防止され、フラッシングによる液体消費量が抑制される。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記液体吐出ヘッドに密着して前記ノズルを覆うキャップ部材と、前記キャップ部材を、前記ノズルを覆うキャップ位置と前記液体吐出ヘッドから離れたアンキャップ位置との間で移動させるキャップ駆動部と、を備え、前記制御部は、前記キャップ部材が前記キャップ位置にある状態で前記液体吐出ヘッドの前記シートへの吐出動作を開始させる信号が入力されたときに、前記キャップ駆動部を制御して、前記キャップ部材を前記アンキャップ位置に移動させ、前記キャップ部材が前記アンキャップ位置に移動した後に、前記モータの電流が前記閾値を超えたときに、前記液体吐出ヘッドに前記フラッシングを行わせることを特徴とするものである。
液体吐出ヘッドがシートへの吐出動作を行わないときには、キャップ部材がキャップ位置にあり、ノズルがキャップ部材に覆われている。この状態から、液体吐出ヘッドの吐出動作を開始させる信号が入力されると、その吐出動作の準備のため、まず、キャップ部材が、キャップ位置からアンキャップ位置に移動して液体吐出ヘッドから離れる。その後、モータの電流が閾値を超えたときに、制御部は、ピックアップローラによってシートの供給が行われていると判断して、液体吐出ヘッドにフラッシングを行わせる。
第3の発明の液体吐出装置は、前記第2の発明において、前記制御部は、前記キャップ部材が前記アンキャップ位置に移動してから、前記モータの電流が前記閾値を超えるまでの間、前記液体吐出ヘッドに、液体を吐出させずに前記ノズル内の液体を撹拌させる、液体撹拌を行わせることを特徴とするものである。
フラッシングの直前の状態で、ノズル内の増粘がかなり進んでいると、フラッシングでの液体の吐出が安定せず、フラッシングによる増粘の解消が不十分となる虞がある。そこで、本発明では、キャップ部材がアンキャップ位置に移動してから、モータの電流が閾値を超えるまでの間、液体撹拌を行ってノズル内の液体の増粘を抑えておく。これにより、その後のフラッシングでの液体の吐出が安定する。
第4の発明の液体吐出装置は、前記第2又は第3の発明において、前記制御部は、前記キャップ部材が前記アンキャップ位置に移動してから、所定の第1時間が経過しても、前記モータの電流が前記閾値を超えない場合には、前記液体吐出ヘッドに前記フラッシングを行わせることを特徴とするものである。
ピックアップローラのスリップが生じた場合、モータの電流値が閾値を超えるまでに時間がかかるため、その間に、ノズル内の液体の増粘が進行する。そこで、本発明では、キャップ部材がアンキャップ位置に移動してから所定の第1時間が経過しても、モータの電流値が閾値を超えないときには、フラッシングを行わせてノズル内の増粘した液体を一旦排出する。
第5の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記制御部は、前記モータによる前記ピックアップローラの駆動開始後、所定の第2時間が経過しても前記モータの電流が前記閾値を超えない場合には、前記液体吐出ヘッドに前記フラッシングを行わせることを特徴とするものである。
ピックアップローラの駆動が開始されたが、ローラのスリップによって、モータの電流が上がらない状態が続くと、その間に、ノズル内の液体の増粘が進行する。そこで、ローラの駆動開始後、所定の第2時間経過してもモータの電流が閾値を超えない場合には、フラッシングを行わせて、ノズル内の増粘した液体を一旦排出する。
第6の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第5の何れかの発明において、前記制御部は、前記モータによる前記ピックアップローラの駆動開始後、所定の第3時間経過しても、前記モータの電流が前記閾値を超えない場合には、前記モータを停止させることを特徴とするものである。
モータの駆動が開始された後、一定時間経過してもモータの電流値が閾値を超えない場合は、トレイのシートが無くなっている、あるいは、何らかの原因によってローラがスリップし続けている等、シートを供給できない状態であると推測される。そこで、所定の第3時間を経過しても、モータの電流が閾値を超えない場合は、モータを停止させる。
第7の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第6の何れかの発明において、前記メモリには、前記シートの種類に応じて複数の閾値が記憶され、前記制御部は、前記シートの種類に関する情報を取得し、前記モータの電流が、取得した前記シートの種類に関する情報に応じた閾値を超えたときに、前記液体吐出ヘッドに、前記ノズルから液体を吐出させるフラッシングを行わせることを特徴とするものである。
複数種類のシートを使用可能な場合に、使用するシートの種類によって、モータの電流の変化の仕方が変わる。そのため、モータの電流値の閾値がシートに関係なく同じであると、シートの種類によっては、スリップしているか否かの判定を誤ってしまう虞がある。この点、本発明では、シートの種類を認識した上で、そのシートの種類に応じた閾値を用いて判定を行うため、シートの種類に応じた適切な判定を行うことができる。
第8の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第7の何れかの発明において、前記制御部は、前記液体の温度と前記液体吐出ヘッドの周囲の湿度の、何れか一方の条件に応じて、前記フラッシングで吐出する液体の量を変更することを特徴とするものである。
液体の温度や液体吐出ヘッド周囲の湿度によって、ノズル内の液体の増粘しやすさが変わる。そこで、本発明では、温度や湿度の条件に応じて、フラッシングで吐出する液体の量を変更する。
第9の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第8の何れかの発明において、前記制御部は、前記モータの電流が前記閾値以下になったときに、前記液体吐出ヘッドの前記フラッシングを終了させることを特徴とするものである。
ピックアップローラによるシートの供給が終了すると、モータの負荷が低下してトルクが減少するため、電流値も小さくなる。そこで、本発明では、モータの電流が閾値以下になったときに、シートの供給が終了したとして、液体吐出ヘッドのフラッシングを終了させる。つまり、シートの供給終了とほぼ同時にフラッシングが終了するため、シートの供給完了の直前までフラッシングを続けることができる。
プリンタの内部構成を概略的に示す鉛直断面図である。 プリンタ内部の平面図である。 プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 印刷前フラッシングにおけるインクジェットヘッドの動作説明図である。 印刷前フラッシングのフローチャートである。 ローラにスリップが生じていないときの、給紙モータの電流の時間変化を示す図である。 ローラにスリップが生じているときの、給紙モータの電流の時間変化を示す図である。 記録用紙がない場合の、給紙モータの電流の時間変化を示す図である。 変更形態における、給紙モータの電流の時間変化を示す図である。 印刷前フラッシングのフローチャートである。 別の変更形態における、用紙種類に応じた給紙モータの電流の時間変化を示す図である。 用紙種類と閾値との関係を示す図である。 印刷前フラッシングのフローチャートである。 別の変更形態における、プリンタのブロック図である。 温度及び湿度とフラッシング量との関係を示す図である。 印刷前フラッシングのフローチャートである。 別の変更形態における印刷前フラッシングのフローチャートである。 別の変更形態の、印刷前フラッシングにおけるインクジェットヘッドの動作説明図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は、プリンタの内部構成を概略的に示す鉛直断面図である。図2は、プリンタ内部の平面図である。図3は、プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。尚、図1、図2に示す、前後、左右、及び、上下の各方向を、プリンタ1の前後、左右、及び、上下方向と定義して、以下説明する。
図1、図2に示すように、インクジェットプリンタ1は、プリンタ筐体2と、プリンタ筐体2に回動自在に取り付けられたカバー3を有する。
(プリンタ筐体)
図1、図2に示すように、プリンタ筐体2には、プリンタ部4と、給紙部5と、メンテナンス装置6と、制御基板7等が収容されている。
図1、図2に示すように、プリンタ筐体2の前側の壁部には開口11が形成されている。この開口11の下部には、給紙部5の給紙カセット23が装着される。プリンタ筐体2の前側部分の上部には前方に傾斜した面12が設けられ、この傾斜面12には、表示パネルや操作ボタン等を有する操作パネル13が配置されている。プリンタ筐体2の前側の壁部の、前記開口11の右側には開閉蓋14が取り付けられている。開閉蓋14の奥側にはホルダ15が配置されている。ホルダには、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクを貯留する4つのインクカートリッジ16が、それぞれ取り外し可能に装着される。プリンタ筐体2は、前側の壁部の内面から水平に延出した基板支持部18を有する。この基板支持部18には、プリンタ1の制御部40(図3参照)を含む様々な回路が組み込まれた制御基板7が支持されている。
(カバー)
カバー3は、プリンタ筐体2の前記傾斜面12よりも後側に配置され、プリンタ筐体2に、回動軸17を中心に上下に回動自在に取り付けられている。カバー3は、水平な閉姿勢(図3の実線で示す姿勢)と、この閉姿勢から上方へ回動した開姿勢(図1の二点鎖線で示す姿勢)の間で、姿勢変更が可能である。また、詳細な説明は省略するが、このカバー3には、原稿に記録された画像等を取り込むスキャナ19(図3参照)が設けられている。
(給紙部)
図1に示すように、給紙部5は、プリンタ筐体2の開口に装着される給紙カセット23と、この給紙カセット23から記録用紙100を取り出すピックアップローラ24を有する。給紙カセット23は、シート状の記録用紙100が載置されるメイントレイ23aと、このメイントレイ23aの上方に設けられて、後述のプリンタ部4によって記録された記録用紙100が排出される排紙トレイ23bを有する。ピックアップローラ24は、メイントレイ23aの上方に配置され、プリンタ筐体2に設けられた回動軸を中心に回動自在に構成されている。ピックアップローラは、給紙モータ20(図3参照)によって駆動されることによって給紙カセット23のメイントレイ23aから記録用紙100を1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ24によって取り出された記録用紙100は、給紙カセット23の先端部に設けられた傾斜面23cに沿って上方へ押し上げられ、プリンタ部4に供給される。プリンタ部4の搬送ローラ33の近傍には、ピックアップローラ24によって送られてくる記録用紙100を検出する、用紙検出センサ22が設けられている。
(プリンタ部)
プリンタ部4は、給紙部5の上方に配置されている。図1、図2に示すように、このプリンタ部4は、左右方向(以下、走査方向ともいう)に往復移動可能なキャリッジ25と、キャリッジ25に搭載されたインクジェットヘッド26と、記録用紙100を水平面に沿って前方(以下、搬送方向ともいう)に搬送する搬送機構27を備えている。
プリンタ筐体2内には、記録用紙100を支持するプラテン28が水平な姿勢で設置されている。図2に示すように、このプラテン28の上方には走査方向に平行に延びる2つのガイドレール29,30が設けられている。そして、キャリッジ25は、キャリッジ駆動モータ32(図3参照)によって駆動されて、プラテン28上の記録用紙100と対向する領域において2本のガイドレール29,30に沿って走査方向に移動する。
インクジェットヘッド26は、プラテン28との間に隙間を有する状態でキャリッジ25の下部に取り付けられている。このインクジェットヘッド26の下面は複数のノズル31が開口したインク吐出面26aとなっている。また、複数のノズル31は搬送方向に沿って配列されて、4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)をそれぞれ噴射する4列のノズル列を構成している。インクジェットヘッド26は、ホルダ15と4本のチューブ(図示省略)で接続されている。これにより、ホルダ15に装着された4つのインクカートリッジ16の4色のインクが、4本のチューブを介してインクジェットヘッド26にそれぞれ供給される。
インクジェットヘッド26は、複数のノズル31内のインクにそれぞれ吐出エネルギーを付与する複数の駆動素子(図示省略)と、複数の駆動素子を駆動する駆動IC35(図3参照)を有する。駆動素子としては、圧電素子や、インクを加熱して膜沸騰を生じさせる発熱体などを好適に採用できる。駆動IC35は、各駆動素子に対して、所定の波形を有する駆動信号を供給することにより、各駆動素子を駆動する。
図2に示すように、インクジェットヘッド26は、キャリッジ25とともに、プラテン28上を搬送される記録用紙100と対向する領域だけでなく、この対向領域に対して左右両側の位置まで移動可能である。前記対向領域よりも右側には、後述するメンテナンス装置6が配置されている。また、前記対向領域よりも左側には、フラッシング受け38が配置されている。インクジェットヘッド26は、フラッシング受け38と対向している状態で、各ノズル31からインクを吐出させることで、各ノズル31内で増粘したインクを排出する。以下、インク増粘抑制のための、上記のインクの吐出動作を、「フラッシング」と言う。
搬送機構27は、プラテン28及びキャリッジ25を挟むように前後に配置された2つの搬送ローラ33,34を有する。2つの搬送ローラ33,34は、搬送モータ21(図3参照)により同期して回転駆動され、インクジェットヘッド26とプラテン28の間において記録用紙100を前方(搬送方向)へ搬送する。
(メンテナンス装置)
メンテナンス装置6は、キャップ部材36、及び、吸引ポンプ37を有する。キャップ部材36は、キャップ駆動モータ39(図3参照)によって上下に駆動される。これにより、キャップ部材36は、インクジェットヘッド26のインク吐出面26aに密着してノズル31を覆うキャップ位置と、インク吐出面26aから離れたアンキャップ位置との間で移動可能である(後で説明する図4(a)、(b)参照)。吸引ポンプ37はキャップ部材36に接続されている。キャップ部材36がキャップ位置にあるときに、吸引ポンプ37によりキャップ部材36内を減圧することで、複数のノズル31からキャップ部材36内へインクが強制的に排出される。一般に、このインク排出動作は、吸引パージと呼ばれる。この吸引パージによって、インクに混入している気泡や塵、あるいは、増粘したインク等を排出することが可能である。
(制御部)
制御基板7には、プリンタ1の各部を制御する制御部40が組み込まれている。図3に示すように、制御部40は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)44等を備える。制御基板7には、スキャナ19、給紙部5の給紙モータ20、プリンタ部4のインクジェットヘッド26、キャリッジ駆動モータ32、搬送モータ21、メンテナンス装置6の吸引ポンプ37、操作パネル13等が電気的に接続されている。また、制御基板7は、通信部45を介して、PC等の外部装置46と電気的に接続されており、制御部40には、外部装置46から印刷する画像のデータが入力されるようになっている。ROM42には各種プログラムが格納され、また、これらのプログラムを実行するための様々なデータが記憶されている。制御部40は、ROM42に格納されたプログラムをCPU41で実行することにより、ASIC44に、給紙部5、プリンタ部4、及び、メンテナンス装置6等の動作を制御する処理を実行させる。
例えば、記録用紙100に対する印刷に関して、制御部40は、以下のような処理を実行する。まず、PC等の外部装置46、あるいは、操作パネル13から画像の印刷指令が入力されると、給紙モータ20を制御してピックアップローラ24を駆動させ、メイントレイ23aに載置された記録用紙100をプリンタ部4へ供給させる。プリンタ部4においては、搬送モータ21を制御して記録用紙100を搬送方向に搬送する。また、プリンタ部4のキャリッジ駆動モータ32を制御してインクジェットヘッド26を走査方向に移動させながら、インクジェットヘッド26から記録用紙100へ向けてインクを吐出させる。さらに制御部40は、メンテナンス装置6に関して、キャップ駆動モータ39によるキャップ部材36の昇降動作と、吸引ポンプ37による吸引パージなどの制御も行う。
尚、上の説明では、制御部40がCPU及びASICの協働によって印刷等の処理を行うとしたが、制御部40が複数のCPUを備え、複数のCPUによって処理を分担して行ってもよい。また、制御部40が複数のASICを備え、複数のASICによって処理を分担してもよい。あるいは、1つのASIC単独で処理を行ってもよい。
(印刷前フラッシングの制御)
また、制御部40は、プリンタ部4による記録用紙100への画像の印刷直前に、インクジェットヘッド26にフラッシングを行わせて、各ノズル31内の増粘したインクを排出させる(印刷前フラッシング)。
以下、印刷前フラッシングの制御について詳細に説明する。図4は、印刷前フラッシングにおけるインクジェットヘッド26の動作説明図である。図5は、印刷前フラッシングのフローチャートである。尚、図5のSi(i=1,2,3・・・)は、ステップ番号を示している。
記録用紙100への印刷を行っていない待機状態では、図4(a)に示すように、インクジェットヘッド26は、プラテン28よりも右側の位置にあり、キャップ位置にあるキャップ部材36によってインク吐出面26aが覆われている。これにより、各ノズル31内のインクの増粘が抑制されている。この状態から、外部装置46、あるいは、操作パネル13から印刷指令が入力されると(S1:Yes)、図4(b)に示すように、制御部40は、キャップ駆動モータ39を制御して、キャップ部材36をアンキャップ位置まで移動させる(S2)。また、図4(c)に示すように、制御部40は、キャリッジ駆動モータ32を制御して、インクジェットヘッド26を、プラテン28よりも左側の、フラッシング受け38と対向するフラッシング位置まで移動させる(S3)。その後、給紙モータ20を制御してピックアップローラ24を回転駆動させる(S4)。
そして、制御部40は、ピックアップローラ24により記録用紙100がプリンタ部4へ送られるまでの間に、図4(d)に示すように、インクジェットヘッド26にフラッシングを行わせる。ここで、ピックアップローラ24によって、メイントレイ23aから記録用紙100をピックアップする際に、ローラ24と記録用紙100との間でスリップが生じることがある。ピックアップローラ24の駆動が開始されてからローラ24がしばらくスリップすることで、その分、実際に記録用紙100がプリンタ部4に送られるまでの時間が、スリップがない場合と比べて長くなる。そのため、無駄に長い間フラッシングを行うことになってしまって、インクの消費量が増える。そこで、本実施形態では、制御部40は、ピックアップローラ24を駆動する給紙モータ20の電流値によって、記録用紙100が供給されているかどうかを判断し、記録用紙100が供給されていると判断したときに、インクジェットヘッド26にフラッシングを行わせる。
図6〜図8は、給紙モータ20に供給される電流の時間変化を示す図である。図6はピックアップローラ24にスリップが生じていない場合、図7はスリップが生じている場合、図8は記録用紙100がない場合をそれぞれ示す。
給紙モータ20には、図示しない電源装置から電力が供給される。そして、給紙モータ20は、制御部40からの信号に基づき、所定の回転数でピックアップローラ24を駆動する。このとき、給紙モータ20への供給電流は、モータ20にかかる負荷に応じて変化する。図6に示すように、ピックアップローラ24と記録用紙100との間にスリップがない場合には、ローラ24の駆動開始とともにモータ20の負荷が増加し、トルクが上昇するため、電流値が大きくなる。一方、図7のように、ピックアップローラ24と記録用紙100との間でスリップが生じた場合、あるいは、図8のようにメイントレイ23aに記録用紙100がなく、ピックアップローラ24が空回りしている場合には、給紙モータ20にかかる負荷が小さく、トルクも小さいため、モータ20の電流値は低い状態が続く。
そこで、制御部40は、給紙モータ20の電流IとROM42に記憶された所定の閾値I0とを比較し、電流Iが閾値I0を超えたか否かを判定する(S5)。そして、電流Iが閾値I0を超えたときには(S5:Yes)、制御部40は、ピックアップローラ24によって記録用紙100が供給されていると判断し、インクジェットヘッド26にフラッシングを開始させる(S6)。
フラッシングの開始後、用紙検出センサ22(図1参照)によって、記録用紙100がプリンタ部4に到達したことが検出されると(S7:Yes)、制御部40は、給紙モータ20を停止させる(S8)。給紙モータ20の供給電流が低下していき、電流Iが閾値I0以下になったときには(S9:Yes)、制御部40は、インクジェットヘッド26のフラッシングを終了させる(S10)。
一方、給紙モータ20の電流Iが閾値I0を超えていないときには(S11:Yes)、制御部40は、電流Iが閾値I0を超えるまで、インクジェットヘッド26にフラッシングを行わせず、フラッシング位置で待機させる。
このように、本実施形態では、ピックアップローラ24によって記録用紙100を供給している間に、インクジェットヘッド26のフラッシングを行うため、印刷指令が入力されてから、記録用紙100に印刷を開始するまでの準備時間を短くすることが可能である。また、ピックアップローラ24を駆動する給紙モータ20の電流値から、ローラ24によって記録用紙100が供給されている状態を確認した上で、フラッシングを開始する。そのため、メイントレイ23aから記録用紙100をピックアップする際に、ローラ24と記録用紙100との間にスリップが発生したときでも、フラッシングが無駄に長く行われることが防止され、インク消費量が抑制される。
また、給紙モータ20の電流Iが閾値I0以下になったときに、インクジェットヘッド26のフラッシングを終了させている。これにより、記録用紙100の供給終了とほぼ同時にフラッシングが終了するため、記録用紙100の供給完了の直前までフラッシングを続けることができる。また、給紙モータ20の停止指令と同時にフラッシングを終了する場合と比べて、僅かな時間ではあるがフラッシングを長く行うことになり、フラッシング終了から印刷開始までの時間を短くすることができる。
図8に示すように、給紙モータ20の駆動が開始された後、一定時間経過しても給紙モータ20の電流値が閾値I0を超えない場合は、メイントレイ23a上に記録用紙100が無い状態、あるいは、何らかの原因によってピックアップローラ24がスリップし続けている状態など、記録用紙100をプリンタ部4に供給できない状態であると推測される。そこで、給紙モータ20が駆動されてからの経過時間Taが所定時間Ta1を過ぎても、モータ20の電流Iが閾値I0を超えないときには(S11:Yes)、制御部40は、給紙モータ20を停止させる(S12)。
また、ピックアップローラ24と記録用紙100との間にスリップが生じていると、図7に示すように、給紙モータ20の電流Iが閾値I0以下である状態(S5:No)がしばらく継続するため、この間にノズル31内のインクの増粘が進行する虞がある。そこで、キャップ部材36がアンキャップ位置に移動してからの経過時間Tbが所定時間Tb1を過ぎても、モータ20の電流Iが閾値I0を超えない場合には(S13:Yes)、インクジェットヘッド26にフラッシングを行わせ(S14)、ノズル31内の増粘したインクを一旦排出する。フラッシングの後は、給紙モータ20の電流Iが閾値I0を超えるまで再び待機させる。尚、このときのフラッシングでの吐出量は、それほど多くなくてよく、S10のフラッシングよりも少なくてよい。フラッシングを行わせた後は、上記時間Tbをリセットし(S15)、S5へ戻る。
尚、上記のS11の判定に使用する時間Ta1と、S13の判定に使用する時間Tb1は、制御部40のROM42に予め記憶されている。例えば、Ta1=3s、Tb1=4sである。
ピックアップローラ24による給紙、及び、インクジェットヘッド26のフラッシングが終了すると、制御部40は、入力された画像データに基づいてプリンタ部4の各部を制御して、図4(e)に示すように、インクジェットヘッド26に記録用紙100に画像を印刷させる。
以上説明した実施形態において、プリンタ1が、本発明の「液体吐出装置」に相当する。記録用紙100が、本発明の「シート」に相当する。インクジェットヘッド26が、本発明の「液体吐出ヘッド」に相当する。給紙モータ20が、本発明の「モータ」に相当する。メイントレイ23aが、本発明の「トレイ」に相当する。ROM42が、本発明の「メモリ」に相当する。キャップ駆動モータ39が、本発明の「キャップ駆動部」に相当する。図5のS13の判定に使用する時間Tb1が、本発明の「第1時間」に相当する。図5のS11に使用する時間Ta1が、本発明の「第3時間」に相当する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、給紙モータ20の電流値によって、フラッシングの開始(図5のS6)だけでなく、フラッシングの終了(S10)も行っている。これに対して、フラッシングの終了については、給紙モータ20の電流とは別の条件で行うようにしてもよい。例えば、用紙検出センサ22によって記録用紙100がプリンタ部4に供給されたときに、フラッシングを終了させるようにしてもよい。
あるいは、フラッシングで吐出させるインク量が予めROM42に記憶された上で、フラッシング開始からの吐出量が、ROM42に記憶された量に達したときにフラッシングを終了させてもよい。尚、従来では、フラッシング量が予め定められている場合には、給紙モータ20の駆動と並行してフラッシングを行わせると、ピックアップローラ24にスリップが生じたときに、記録用紙100の供給完了よりもかなり前にフラッシングが終了してしまう虞がある。この点、給紙モータ20の電流値が所定の閾値I0を超えたときにフラッシングを開始させることで、所定量のフラッシングが早々に終了してしまうことを防止できる。
2]前記実施形態では、給紙モータ20の電流Iが閾値I0以下であるときに、アンキャッピング状態に移行してからの経過時間Tbによって、待機中のインク増粘を抑制するフラッシングを行うかどうかを決定していた(図5のS13参照)。この代わりに、給紙モータ20の駆動開始からの経過時間Taによって、待機中のフラッシングを行うかどうかを決定してもよい。即ち、経過時間Taが所定時間Ta2を超えたときに、増粘抑制のフラッシングを行わせてもよい。尚、上記の所定時間Ta2が、本発明の「第2時間」に相当する。
3]前記実施形態では、インクジェットヘッド26からキャップ部材36が離れてアンキャッピングの状態となってから、給紙モータ20の電流値が閾値I0を超えるまで、インクジェットヘッド26はアンキャッピングの状態で待機している。しかし、ピックアップローラ24にスリップが生じるなどして、アンキャッピングの状態がしばらく続くと、ノズル31内のインクの増粘が進行する。
そこで、図9、図10に示すように、キャップ部材36がアンキャップ位置に移動してから(S23)、給紙モータ20の電流が閾値I0を超えるまでの間、インクを吐出させることなくノズル31内のインクを撹拌させる、インク撹拌を行わせてもよい(S24)。尚、図10のフローチャートは、前記実施形態の図5と比較して、インク撹拌開始(S24)のステップが入っている点のみ異なり、他のステップについては図5と同じであり、それらの説明は省略する。
S24のインク撹拌は、ノズル31から吐出させる場合と比べて小さなエネルギーをインクに与えることによって行う。具体的には、駆動IC35(図3参照)から各駆動素子に対して、インクを吐出させる場合とは異なる駆動信号を供給して、吐出されない程度の圧力波をインクに生じさせる。この圧力波によって、ノズル31に形成されたインクのメニスカスが微振動することにより、ノズル31内のインクが撹拌されて増粘が抑制される。このように、フラッシング前に、インクの撹拌(メニスカス微振動)を行ってノズル31内のインクの増粘を抑えておくことで、その後のフラッシングでのインクの吐出が安定する。また、フラッシングと違ってノズル31からインクを吐出させないため、この撹拌動作によってインクが消費されることはない。
但し、このインクの撹拌では、メニスカスが振動することによって、ノズル31の外側の空気とインクとが接触する。そのため、インク撹拌が長時間行われると、インクと空気の接触頻度が増えることにより、逆に、インクの増粘が進行してしまう。この観点からは、先の実施形態と同様に、キャップ部材36がアンキャップ位置に移動してからの経過時間Tbが所定時間Tb1を過ぎても、モータの電流Iが閾値I0を超えない場合には(S34:Yes)、インクジェットヘッド26にフラッシングを行わせることが好ましい(S35)。これにより、ノズル31内の増粘したインクを一旦排出する。S35のフラッシングの後は、給紙モータ20の電流Iが閾値I0を超えるまで、再びインク撹拌を行わせる。
4]プリンタ1が複数種類の記録用紙100を使用可能な場合に、使用する記録用紙100の種類(大きさ、重量、表面の接触抵抗等)によって、図11(a)、(b)のように、給紙モータ20の電流変化が変わってくる。例えば、サイズや単位面積当たりの重量が大きい用紙を使用した場合には、サイズや重量が小さい用紙と比べて、記録用紙100を送るために必要なトルクが大きくなり、給紙モータ20の電流も大きくなる傾向がある。そこで、記録用紙100の種類に応じて、判定に使用する閾値I0を異ならせるようにしてもよい。
記録用紙100の種類に応じた複数の閾値は、ROM42に記憶される。例えば、図12(a)に示すように、紙質が異なる3種類の記録用紙100(普通紙、マット紙、光沢紙)に対して、3つの閾値(Ia,Ib,Ic)が設定されてもよい。これらの閾値の大小関係は、例えば、Ia(普通紙)<Ib(マット紙)<Ic(光沢紙)である。あるいは、図12(b)に示すように、サイズが異なる3種類の記録用紙100(A4、A3、L判写真用紙)に対して、3つの閾値(Id,Ie,If)が設定されてもよい。これらの閾値の大小関係は、例えば、If(L判写真用紙)<Id(A4)<Ie(A3)である。
この変更形態のフローチャートは図13のようになる。外部装置46等から印刷指令が入力されると(S41:Yes)、制御部40は、印刷指令とともに入力される記録用紙100の種類に関する情報を取得する(S42)。次に、S42で取得した情報と、ROM42に記憶されている閾値の情報とから、閾値I0を決定する(S43)。その後のステップは、前記実施形態の図5のS2以降と同様であり、S5において給紙モータ20の電流が、S43で決定した閾値I0を超えたときにフラッシングを実行させる。この変更形態では、使用する記録用紙100の種類を認識した上で、その記録用紙100の種類に応じた閾値を用いて判定を行うため、記録用紙100の種類に応じた適切な判定を行うことができる。
5]インクの温度やインクジェットヘッド26の周囲の湿度によって、ノズル31内のインクの増粘しやすさが変わる。即ち、インクの温度が高いほど、ノズル31内のインクの増粘は進行しやすくなる。また、インクジェットヘッド26の周囲の湿度が低いほど、ノズル31内のインクの増粘が進行しやすくなる。そこで、温度や湿度の条件に応じて、フラッシングで吐出するインクの量を変更してもよい。
図14に示すように、この変更形態のプリンタ1Aは、インクジェットヘッド26内のインクの温度を検出する温度センサ50と、インクジェットヘッド26の周囲の湿度を検出する湿度センサ51とを備えている。温度センサ50は、インクの温度を直接測定するものであってもよいが、インクジェットヘッド26の一部分に取り付けられて、前記一部分の温度をインク温度の代わりに測定するものであってもよい。湿度センサ51は、インクジェットヘッド26に取り付けられるのが好ましく、さらに、ノズル31の近くに設けられるのがさらに好ましい。
図15に示すように、制御部40のROM42には、4つの温度範囲に応じた4つのフラッシング量(Va,Vb,Vc,Vd)と、5つの湿度範囲に応じた5つのフラッシング量(Ve,Vf,Vg,Vh,Vi)が記憶されている。尚、図15に示されているフラッシング量Va〜Viは、それぞれ、各ノズル31についての単位時間当たりのインク吐出量を示している。駆動IC35から、各ノズル31に対応する駆動素子へ供給する駆動信号を変えることで、各ノズル31のフラッシング量を異ならせることができる。
温度が高くなるほどインクの乾燥は進みやすいが、逆にインクの粘度は低くなって吐出には有利に働くため、温度が高いほどフラッシング量を増やせばよいというものでもない。例えば、温度に関するフラッシング量の大小関係は、Va=Vb=Vd>Vcとし、インクの吐出に最適な温度範囲(20〜30℃)であるときのフラッシング量Vcのみ少なくする。一方、湿度については、湿度が低くなるほどインクの増粘が進行しやすいため、湿度が低いほどフラッシング量を多くするとよい。即ち、Ve>Vf>Vg>Vh>Viである。また、湿度がかなり高い場合(例えば、湿度60〜100%)はインクの増粘のスピードが遅いため、フラッシングを行わず、インクを吐出させずに撹拌するインク撹拌を行うだけでもよい。
この変更形態のフローチャートは図16のようになる。外部装置46等から印刷指令が入力されると(S51:Yes)、制御部40は、温度センサ50からインク温度に関する情報を取得し、また、湿度センサ51から湿度に関する情報を取得する(S52)。さらに、図15のROM42に記憶されている情報を参照してフラッシング量を決定する(S53)。例えば、温度が25℃で、湿度が50%であるときに、各ノズル31のフラッシング量を、ROM42に記憶されたVcとVgの値から算出する。その後のステップは、前記実施形態の図5のS2以降と同様であり、給紙モータ20の電流が閾値I0を超えたときに、S53で決定した量のフラッシングを実行させる。尚、図16では、温度と湿度の両方の条件に基づいてフラッシング量を変更しているが、温度と湿度の何れか一方の条件のみでフラッシング量を変更してもよい。
6]前記実施形態では、給紙モータ20の電流が閾値I0を超えていないときに、モータ20の駆動開始からの経過時間Taに応じてモータ20を停止させ(S11,S12)、また、アンキャッピングの状態に移行してからの経過時間Tbに応じてフラッシングさせている(S13,S14)。これらの処理は必須ではなく、図17に示すように、給紙モータ20の電流が閾値I0を超えていないときに(S65:No)、閾値I0を超えるまでインクジェットヘッド26を待機させておくだけでもよい。
7]前記実施形態では、キャップ部材36をアンキャップ位置にした後、インクジェットヘッド26をフラッシング受け38と対向するフラッシング位置まで移動させて、フラッシングを行わせている。これに対して、図18に示すように、(a)の待機状態から、(b)のようにキャップ部材36をアンキャップ位置に移動させた後、キャリッジ25を走査方向に移動させずに、そのまま(c)のようにキャップ部材36に向けてフラッシングさせてもよい。即ち、キャップ部材36をフラッシング受けとして使用してもよい。
8]前記実施形態は、インクジェットヘッド26がキャリッジ25とともに走査方向に移動しながら、記録用紙100にインクを吐出する、いわゆるシリアルタイプのプリンタ日本発明を適用した例であるが、本発明の適用例はこれには限られない。即ち、記録用紙の幅方向に複数のノズルが配列された、いわゆる、ラインタイプのインクジェットヘッドを有するプリンタにも、本発明を適用することは可能である。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットプリンタに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を吐出して、基板表面に導電パターンを形成する、産業用の液体吐出装置などにも、本発明を適用することは可能である。
1,1A インクジェットプリンタ
20 給紙モータ
23a メイントレイ
24 ピックアップローラ
26 インクジェットヘッド
26a インク吐出面
31 ノズル
36 キャップ部材
39 キャップ駆動モータ
40 制御部
100 記録用紙

Claims (9)

  1. シートに向けて液体を吐出するノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    トレイに載置された前記シートを前記液体吐出ヘッドへ供給するピックアップローラと、
    前記ピックアップローラを駆動するモータと、
    前記モータの電流に関する閾値を記憶したメモリを含み、前記液体吐出ヘッド、及び、前記モータを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記ピックアップローラを駆動するときの前記モータの電流が前記閾値を超えたか否かを判定し、前記モータの電流が前記閾値を超えたときに、前記液体吐出ヘッドに、前記ノズルから液体を吐出させるフラッシングを行わせることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記液体吐出ヘッドに密着して前記ノズルを覆うキャップ部材と、
    前記キャップ部材を、前記ノズルを覆うキャップ位置と前記液体吐出ヘッドから離れたアンキャップ位置との間で移動させるキャップ駆動部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記キャップ部材が前記キャップ位置にある状態で、前記液体吐出ヘッドの前記シートへの吐出動作を開始させる信号が入力されたときに、前記キャップ駆動部を制御して、前記キャップ部材を前記アンキャップ位置に移動させ、
    前記キャップ部材が前記アンキャップ位置に移動した後に、前記モータの電流が前記閾値を超えたときに、前記液体吐出ヘッドに前記フラッシングを行わせることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御部は、
    前記キャップ部材が前記アンキャップ位置に移動してから、前記モータの電流が前記閾値を超えるまでの間、前記液体吐出ヘッドに、液体を吐出させずに前記ノズル内の液体を撹拌させる、液体撹拌を行わせることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御部は、
    前記キャップ部材が前記アンキャップ位置に移動してから、所定の第1時間が経過しても、前記モータの電流が前記閾値を超えない場合には、前記液体吐出ヘッドに前記フラッシングを行わせることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御部は、
    前記モータによる前記ピックアップローラの駆動開始後、所定の第2時間が経過しても前記モータの電流が前記閾値を超えない場合には、前記液体吐出ヘッドに前記フラッシングを行わせることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 前記制御部は、
    前記モータによる前記ピックアップローラの駆動開始後、所定の第3時間経過しても、前記モータの電流が前記閾値を超えない場合には、前記モータを停止させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記メモリには、前記シートの種類に応じて複数の閾値が記憶され、
    前記制御部は、
    前記シートの種類に関する情報を取得し、
    前記モータの電流が、取得した前記シートの種類に関する情報に応じた閾値を超えたときに、前記液体吐出ヘッドに、前記ノズルから液体を吐出させるフラッシングを行わせることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、前記液体の温度と前記液体吐出ヘッドの周囲の湿度の、何れか一方の条件に応じて、前記フラッシングで吐出する液体の量を変更することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記モータの電流が前記閾値以下になったときに、前記液体吐出ヘッドの前記フラッシングを終了させることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液体吐出装置。
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