JP2010240951A - 記録装置、消費量書き込み方法及びプログラム - Google Patents

記録装置、消費量書き込み方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】記録に用いる消費材の消費量の記憶手段への書込動作に起因する次の記録のための動作の遅延を回避でき、ひいては記録のスループットの低下を抑制できる記録装置、消費量書き込み方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】要求処理部72は、紙送り指令を受け付けるとPF制御部77に紙送り指令を行い、印字要求を受け付けるとCR制御部76に印字指令を行うことで、PF制御部77による紙送り動作とCR制御部76による印字動作とが略交互に行われ、用紙への印刷が進められる。要求処理部72は印字(インク吐出)が完了する度にインク消費量を加算する。また、要求処理部72は印字開始通知を受け付ける度に、次パス(次行)の印字データの有無を判断し、次パスの印字データがあれば、不揮発性メモリーへのインク消費量の書込みを行わず、次パスの印字データがなければ、不揮発性メモリーへのインク消費量の書込みを行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクや用紙等の記録に用いる記録材の消費量を記憶手段に書き込む機能を有する記録装置、消費量書き込み方法及びプログラムに関する。
従来、記録装置としてのプリンターは、記録ヘッドにインクを供給するためのインクカートリッジを備えている。この種のプリンターでは、インクカートリッジ内のインクが空に近づいたニアエンドや空になったインクエンドの状態をユーザーに通知する必要から、インクカートリッジ内のインク残量を管理している。
例えば特許文献1、2には、カートリッジに電気的に書替え可能な半導体記憶手段(不揮発性メモリ)を付帯し、カートリッジ側の半導体記憶手段からインク消費量情報(インク使用量)を読み取って、その後、印刷で消費された分を加えて更新したインク消費量をカートリッジ側の半導体記憶手段に記憶するプリンターが開示されている。
また、記録装置としてのプリンターは、自動給紙装置(例えば特許文献3等)を備え、印刷を開始する際には、カセットに収容された用紙のうち最上位の一枚が給紙され、その給紙された用紙に印刷が施された後、用紙は排紙される。このとき、先行用紙の排紙が終わってから、次の後続用紙の給紙を開始する方法では、先行用紙の印刷が終了してから、後続用紙の印刷が開始されるまでに比較的長い待ち時間が発生し、印刷のスループットを低下させる原因となっていた。
例えば特許文献3には、先行用紙と後続用紙との間に所定の間隔を保ちつつ、先行用紙の排紙動作と、後続用紙の給紙動作を同時に進める記録装置が開示されている。また、特許文献4、5には、ページプリンターにおいて、スループットの向上のために、先行ページへの記録終了を待たずに、次ページの給送を先行して開始する制御(所謂「先行給紙」)を行う技術が開示されている。
特開2007−185971号公報 特開2001−71469号公報 特開2003−72964号公報 特開2001−278472号公報 特開2002−145469号公報
ところで、インク消費量の書込動作は、停電や不意な電源遮断時に、書込動作ができなかった場合、インクカートリッジ側の半導体記録手段に古いインク消費量しか残らなくなる。このため、印刷中にある程度の頻度で半導体記憶手段のインク消費量を更新することが望ましい。例えば印刷が終わって用紙を排紙するときにインク消費量の書込動作を行えばよい。
しかし、特許文献3〜5のプリンターでは、排紙動作と給紙動作が同時並行で行われるので、先行用紙の印刷が終了すると、通常は排紙動作が行わることなく、直ちに後続用紙の給送動作に移行し、この給送過程で先行用紙の排出も一緒に行われる。
この種のプリンターにおいて、1ページの印刷が終了して排紙要求があったときにインク消費量の書込動作を行うと、印刷すべき次ページがある場合、排紙要求の直後に次ページの給紙要求を受け付けても、インク消費量の書込動作が終了するまで、給紙指令を行うことができず、次ページの給紙動作の開始時期に遅れが発生する。一方、複数枚の連続印刷時には最終ページの排紙時又は排紙終了後に、インク消費量の書込動作を行う構成にすると、多数ページ連続印刷時にはインク消費量の書込動作が長時間に亘って行われなくなる問題が発生する。
また、インク消費量の書込動作を、排紙以外の印字動作中に行うと、書込動作中に印字要求があれば、その書込動作が終了するまで印字動作(シリアルプリンターであればキャリッジの起動)の指令を行えなくなり、次パス(次の印字行)の印字動作の開始タイミングに遅れが発生する。このように先行用紙の排紙動作と後続用紙の給送動作を並行して行う構成や、先行用紙の紙送り動作と後続用紙の給送動作を並行して行う構成のプリンターでは、印刷動作中にインク消費量の書込動作を行うと、次の印字動作や次の給紙動作に遅延が発生する。その結果、この遅延が印刷スループットの低下の原因となっていた。なお、印刷で消費される消費材としては、インク以外に用紙などもあり、用紙などインク以外の消費材の消費量(又は残量)を不揮発性メモリーに記憶する場合も同様の問題が発生する。
本発明は前記問題点を鑑みてなされたものであって、その目的は、記録に用いる消費材の消費量の記憶手段への書込動作に起因する次の記録のための動作の遅延を回避でき、ひいては記録のスループットの低下を抑制できる記録装置、消費量書き込み方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、媒体に記録を施す記録装置であって、媒体を給送するための給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録動作を行う記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段と、記録に用いる消費材の消費量を取得する消費量取得手段と、前記消費量を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段への前記消費量の書込動作を行う書込手段と、前記給送手段、前記記録手段、前記搬送手段及び前記書込手段を制御する制御手段と、今回の記録のための動作を行う際に次回の記録のための動作の有無を判断する判断手段とを備え、前記制御手段は、前記判断手段が次回の記録のための動作が無いと判断すれば、前記書込手段に今回の記録のための動作と並行して前記消費量の書込動作を行わせ、一方、前記判断手段が次回の記録のための動作が有ると判断すれば、前記書込手段に今回の記録のための動作と並行する前記消費量の書込動作は行わせないことを要旨とする。
この発明によれば、判断手段が今回の記録のための動作を行う際に次回の記録のための動作の有無を判断する。制御手段は、判断手段が次回の記録のための動作が無いと判断すれば、書込手段に今回の記録のための動作と並行して消費量の書込動作を行わせる。一方、判断手段が次回の記録のための動作が有ると判断すれば、制御手段は、書込手段に今回の記録のための動作と並行する消費量の書込動作は行わせない。このため、書込動作による次回の記録のための動作の遅延を回避でき、ひいては記録のスループットの低下を抑制できる。
本発明の記録装置は、前記記録手段を媒体搬送方向と交差する方向に移動させるとともに前記制御手段により制御される移動手段をさらに備え、前記記録手段の移動を伴う記録動作と前記搬送手段の搬送動作とを略交互に行って媒体に記録を施すシリアル式の記録装置であって、前記制御手段は、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御するように構成され、前記記録のための動作は、前記記録手段が行う一行分の記録動作であり、前記判断手段は、今回の行の記録動作を行う際に次行の記録動作の有無を判断し、前記制御手段は、次行の記録動作が無ければ、今回の行の記録動作中に前記書込手段に前記書込動作を行わせることが好ましい。
この発明によれば、判断手段は、今回の行の記録動作を行う際に次行の記録動作の有無を判断する。次行の記録動作が無ければ、制御手段は今回の行の記録動作と並行して書込手段に消費量の書込動作を行わせる。例えば先行媒体の最終行以外の各行の記録動作を行う際は、次行の記録動作が有ると判断されるため、今回の行の記録動作と並行して消費量の書込動作が行われることはない。そして、例えば先行媒体の最終行の記録動作を行う際には、次行の記録動作が無いと判断され、今回の行(最終行)の記録動作と並行して消費量の書込動作が行われる。この場合、消費量の書込動作に起因して遅延する次行の記録動作がないので、記録のスループットが書込動作に起因して低下することを回避できる。
本発明の記録装置では、前記制御手段は、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御するように構成され、前記記録のための動作は、ページ単位で媒体を搬送するための搬送動作であり、前記判断手段は、今回ページの媒体の排出動作を行うに際して、記録を行うべき次ページの有無を判断し、前記制御手段は、記録を行うべき次ページが有れば、次ページの媒体の給送動作と並行して前記書込手段に前記消費量の書込動作を行わせることが好ましい。
この発明によれば、判断手段は、今回ページの媒体の排出動作を行う際に、記録を行うべき次ページの有無を判断する。そして、記録を行うべき次ページが有れば、制御手段は、次ページの媒体の給送動作と並行して書込手段に消費量の書込動作を行わせる。先行媒体の排出動作と後続媒体の給送動作とを並行して行う構成の場合、先行媒体が後続媒体の給送開始位置に既に達していると、先行媒体の排出動作は行われず、後続媒体の給送動作が行われ、この給送動作の過程で先行媒体の排出が一緒に行われる。例えば排出動作と並行して消費量の書込動作を行うと、排出動作が行われない又は短い場合に、消費量の書込動作に起因して後続媒体の給送動作の開始時期が遅延する。しかし、給送動作と並行して消費量の書込動作を行うので、書込動作に起因する給送動作の開始時期の遅延を回避することができる。
本発明の記録装置では、前記制御手段は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を含む駆動系を制御する駆動制御部と、記録のための要求を行う要求手段と、前記要求手段からの要求に応じた指令を前記駆動制御部に対して行う指令手段とを備え、前記判断手段及び前記書込手段は前記指令手段に含まれており、前記指令手段は、前記要求手段から今回の行の記録動作の要求を受け付けると、前記判断手段により次行の記録動作の有無を判断し、前記判断手段が次行の記録動作なしと判断すれば、前記駆動制御部に今回の行の記録動作の指令を行ってから、前記駆動制御部が行う今回の行の記録動作と並行して、前記書込手段による前記消費量の書込動作を行うことが好ましい。
この発明によれば、指令手段は、要求手段から今回の行の記録動作の要求を受け付けると、判断手段により次行の記録動作の有無を判断する。そして、判断手段が次行の記録動作なしと判断すれば、駆動制御部に今回の行の記録動作の指令を行ってから、駆動制御部が行う今回の行の記録動作と並行して、書込手段による消費量の書込動作を行う。例えば先行媒体の最終行以外の各行の記録動作の要求を受け付けたときには、次行の記録動作が有ると判断されるため、指令手段は、今回の行の記録動作と並行して書込手段による消費量の書込動作を行うことはない。そして、例えば先行媒体の最終行の記録動作を行う際には、次行の記録動作が無いと判断されるため、指令手段は、今回の行(最終行)の記録動作と並行して書込手段による消費量の書込動作を行う。この場合、消費量の書込動作に起因して遅延する次行の記録動作がないので、記録のスループットが書込動作に起因して低下することを回避できる。
本発明の記録装置では、前記制御手段は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を含む駆動系を制御する駆動制御部と、記録のための要求を行う要求手段と、前記要求手段からの要求に応じた指令を前記駆動制御部に対して行う指令手段とを備え、前記判断手段及び前記書込手段は前記指令手段に含まれており、前記指令手段は、前記要求手段から媒体を排出させる排出要求を受け付けると、前記判断手段により次ページの有無を判断し、次ページがあると判断すれば、前記駆動制御部に次ページの給送動作の指令を行ってから、当該駆動制御部が行う次ページの給送動作と並行して前記書込手段による前記消費量の書込動作を行い、一方、次ページがないと判断すれば、前記駆動制御部に今回のページの排出動作の指令を行ってから、当該駆動制御部が行う今回のページの排出動作と並行して又は排出動作終了後に前記書込手段による前記消費量の書込動作を行うことが好ましい。
この発明によれば、指令手段は、要求手段から媒体を排出させる排出要求を受け付けると、判断手段により次ページの有無を判断する。判断手段が次ページがあると判断すれば、指令手段は、駆動制御部に次ページの給送動作の指令を行ってから、駆動制御部が行う次ページの給送動作と並行して書込手段による消費量の書込動作を行う。この場合、例えば排出動作と並行して消費量の書込動作を行う構成にすると、排出動作がない又は短いときに消費量の書込動作に起因して次ページの給送動作の開始時期が遅延する恐れがあるが、給送動作を指令してから、当該給送動作と並行して消費量の書込動作を行うので、たとえ今回ページの排出動作がない又は短くても、消費量の書込動作に起因して次ページの給送動作の開始時期が遅延することを回避できる。よって、記録のスループットが書込動作に起因して低下することを回避できる。一方、次ページがないと判断すれば、指令手段は、駆動制御部に今回のページの排出動作の指令を行ってから、駆動制御部が行う今回のページの排出動作と並行して又は排出動作終了後に、書込手段による消費量の書込動作を行う。この場合、次ページがないので、排出動作と並行して又は排出動作終了後に消費量の書込動作を行っても、記録のための何らかの動作の開始時期を遅延させることはないので、記録のスループットの低下を招かずに、しかも最終ページの排出動作のタイミングにも消費量の書込動作の機会が得られるので、消費量の書込頻度を高めることができる。
本発明の記録装置では、前記指令手段は、前記判断手段が次ページがないと判断した場合、前記駆動制御部に排出動作の指令を行ってから、当該駆動制御部による今回のページの排出動作と並行して前記書込手段により前記消費量の書込動作を行うことが好ましい。
この発明によれば、指令手段は、判断手段が次ページがないと判断した場合、駆動制御部に排出動作の指令を行ってから、駆動制御部による今回のページの排出動作と並行して書込手段による消費量の書込動作を行う。例えば最終ページの排出動作終了後に消費量の書込動作を行う構成の場合、例えば最終ページの排出動作の開始後に、次の記録ジョブを受け付けた場合、次の記録ジョブの最初のページの給送動作の開始時期の遅延を招く恐れがあるが、最終ページの排出動作と並行して消費量の書込動作を行うことにより、次の記録ジョブの最初のページの給送動作の開始時期の遅延を招きにくい。
本発明の記録装置では、前記判断手段は、前記消費量取得手段が取得した今回の消費量と前回の消費量との差が規定量以上であるか否かも判断し、前記書込手段は、前記前回と今回の消費量の差が規定量以上である条件も満たした場合に、前記記憶手段への今回の消費量の書込動作を行うことが好ましい。
この発明によれば、判断手段は、消費量取得手段が取得した今回の消費量と前回の消費量との差が規定量以上であるか否かも判断する。そして、書込手段は、前回と今回の消費量の差が規定量以上である条件も満たした場合に、記憶手段への今回の消費量の書込動作を行う。消費材の消費が進んで記憶手段への書込みが必要な場合にのみ、今回の消費量の書込動作が行われるので、適度な書込頻度に抑えることができる。よって、徒に書込頻度が増えることによる記録のための動作の開始時期の遅延を招きにくい。
本発明は、媒体に記録を施す記録装置において消費量取得手段により取得された記録に用いる消費材の消費量を記憶手段に書き込む記録装置における消費量書き込み方法であって、前記記録装置には、媒体を給送するための給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段と、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を制御するとともに、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御する制御手段とが備えられ、今回の記録のための動作を行う際に次回の記録のための動作の有無を判断する判断ステップと、前記判断ステップで次回の記録のための動作が無いと判断すれば、今回の記録のための動作と並行して前記記憶手段への前記消費量の書込動作を行い、一方、次回の記録のための動作が有ると判断すれば、今回の記録のための動作と並行する前記書込動作は行わない書込ステップと、を備えたことを要旨とする。この発明によれば、上記記録装置の発明と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、媒体に記録を施す記録装置に備えられたコンピューターが、消費量取得手段により取得された記録に用いる消費材の消費量を記憶手段に書き込むためのプログラムであって、前記記録装置には、媒体を給送する給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段とが備えられ、コンピューターは要求発行部、指令部及び駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を制御し、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御する構成であり、コンピューターの指令部が、前記要求発行部から今回の行の記録要求を受け付けると、前記駆動制御部へ記録指令を行う記録指令ステップと、コンピューターの指令部が、前記要求発行部からの前記記録要求又は前記指令部からの今回の行の記録を開始した旨の記録開始通知を受け付けると、次行の記録動作の有無を判断する判断ステップと、コンピューターの指令部が、次行の記録動作が無ければ、前記指令部からの前記記録開始通知を受け付けた後、前記駆動制御部により行われる今回の行の記録動作と並行して、前記消費量取得手段が取得した消費量の前記記憶手段への書込動作を行い、一方、次行の記録動作が有れば、前記駆動制御部により行われる今回の行の記録動作中での前記書込動作は行わない書込ステップとを備えたことを要旨とする。この発明によれば、上記記録装置の発明と同様の効果を得ることができる。
本発明は、媒体に記録を施す記録装置に備えられたコンピューターが、消費量取得手段により取得された記録に用いる消費材の消費量を記憶手段に書き込むためのプログラムであって、前記記録装置には、媒体を給送する給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段とが備えられ、コンピューターは要求発行部、指令部及び駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を制御し、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御する構成であり、コンピューターの指令部が、前記要求発行部からの今回のページの排出要求を受け付けると、記録を行うべき次ページの有無を判断する判断ステップと、コンピューターの指令部が、記録を行うべき次ページが有れば、前記排出要求の後に前記要求発行部から給送要求を受け付けると、前記駆動制御部に次ページの給送指令を行い、当該給送指令を行った後に、当該駆動制御部が前記給送指令を受け付けたことにより行う次ページの給送動作と並行して、前記消費量取得手段が取得した消費量の前記記憶手段への書込動作を行い、一方、記録を行うべき次ページが無ければ、前記駆動制御部に今回のページの排出指令を行ってから、当該駆動制御部が前記排出指令を受け付けたことにより行う今回のページの排出動作と並行して前記消費量の前記記憶手段への書込動作を行う書込ステップとを備えたことを要旨とする。この発明によれば、上記記録装置の発明と同様の効果を得ることができる。
第1実施形態におけるプリンターの斜視図。 外装ケースを取り外した状態のプリンターの斜視図。 フロント給送装置の模式側断面図。 プリンターの電気的構成を示すブロック図 記録ヘッドの底面を吐出駆動素子と共に示す模式底面図。 印刷処理のシーケンス図。 CSIC書込動作を説明するタイミングチャート。 CSIC書込動作の要部を示すタイミングチャート。 最終行の印字動作時のCSIC書込動作を説明するシーケンス図。 印刷処理を示すフローチャート。 印字処理を示すフローチャート。 (a)(b)第2実施形態におけるCSIC書込動作を説明するタイミングチャート。 CSIC書込動作の要部を示すタイミングチャート。 CSIC書込処理を説明するシーケンス図。 排紙処理を示すフローチャート。 給紙処理を示すフローチャート。
(第1実施形態)
以下、本発明の記録装置を、インクジェット式プリンターに具体化した第1実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るプリンターを示す斜視図である。
図1に示す記録装置としてのプリンター11は、インクジェット式のシリアルプリンターである。プリンター11は四角箱状の本体12を有しており、本体12の中央領域には、キャリッジ13がガイド軸14に案内されて主走査方向(図1におけるX方向)に往復動自在に設けられている。
図1に示すように、本体12内にはキャリッジ13と対向する下方位置に、長尺板状のプラテン15がキャリッジ13とギャップを隔てて配置されている。プリンター11の前面(図1における手前面)下部には、給紙カセット16が収納凹部12Aに挿抜可能な状態で装着されている。また、本体12の背面側上部には給紙トレイ17が設けられている。このプリンター11では、給紙カセット16からの前面側給紙と、給紙トレイ17からの背面側給紙とを選択的に切り換えることが可能になっている。
また、本体12の図1における右端部前側には、複数個のインクカートリッジ18がカバー12Bで覆われた状態で装填されている。本例では、インクカートリッジ18は、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクをそれぞれ収容する4個設けられている。各インクカートリッジ18のインクは、フレキシブル配線板19に付設された図示しない複数本(例えば4本)のインク供給チューブを通じてキャリッジ13にそれぞれ供給され、キャリッジ13の下部に設けられた記録ヘッド20(図2、図3に示す)のノズルからインク滴として噴射(吐出)される。また、本体12の図1における前面左端部には、電源スイッチやメンテナンススイッチ等を含む各種の操作部21が設けられている。なお、インクカートリッジ18の装填形式は、図1に示すように本体12側に設けられる所謂オフキャリッジタイプに限定されず、キャリッジ13の上部に装填する所謂オンキャリッジタイプも採用できる。
図2は、外装ケースを取り外した状態のプリンターの斜視図を示す。図2に示すように、プリンター11は、上側が開口する略四角箱状の本体フレーム12Cを備える。本体フレーム12C内に架設されたガイド軸14に主走査方向(図2におけるX方向)に案内されて往復動可能なキャリッジ13は、本体フレーム12Cの背板面上に配設された一対のプーリー23,24に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト25に固定されている。一方のプーリー24に駆動軸が連結されているキャリッジモーター(以下、「CRモーター26」という)が正逆転駆動されることにより、キャリッジ13は主走査方向Xに往復動する。
プリンター11の背面側下部には、給紙カセット16と給紙トレイ17とのうち給送元として選択された一方に積重された多数枚の用紙Pのうち最上位の1枚のみを分離して副走査方向Y下流側へ供給する給送手段としての自動給紙装置27(Auto Sheet Feeder)が設けられている。図2に示す本体フレーム12Cの右側下部には、自動給紙装置27を構成する給紙モーター(以下、「ASFモーター28」という)及び紙送りモーター(以下、「PFモーター29」という)がそれぞれ配設されている。
ASFモーター28が駆動されることで、給紙カセット16内又は給紙トレイ17上に積重された用紙Pのうち最上位の一枚が給送される。そして、このASFモーター28の駆動と並行してPFモーター29が駆動され、搬送ローラー対31及び排紙ローラー対32(図3参照)が回転することにより、給送された用紙Pがさらに印刷開始位置まで搬送(頭出し)される。用紙Pの頭出し後は、CRモーター26の駆動によりキャリッジ13を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド20のノズルからインクを噴射する印字動作と、PFモーター29の駆動により用紙Pを次行の印字位置まで副走査方向Yへ搬送する紙送り動作とを略交互に繰り返すことで、用紙Pに印刷データに基づく文字や画像等の印刷が施される。ここで、略交互とは、印字動作と紙送り動作が一部動作時期を重複するように、一方の動作終了少し前に他方の動作が開始されることを指す。もちろん、印字動作と紙送り動作が動作時期の重複のない状態で交互に行われてもよい。
また、図2に示すように、プリンター11には、キャリッジ13の移動距離に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダー33がガイド軸14に沿って延びるように架設されており、リニアエンコーダー33の出力パルスを用いて求められるキャリッジ13の移動位置、移動方向及び移動速度に基づいて、キャリッジ13の速度制御及び位置制御は行われる。なお、プリンター11においてホーム位置(キャリッジ移動経路上の図2における右端位置)に位置した際のキャリッジ13の直下には、記録ヘッド20のノズル目詰まり等を予防・解消するためのクリーニング等を行うメンテナンス装置34が配設されている。
図2に示すメンテナンス装置34は、記録ヘッド20のノズル内のインクの増粘や乾燥を防止する蓋体として機能するキャップ35と、記録ヘッド20のノズル開口面20A(図3、図5参照)を払拭するためのワイパー36と、吸引ポンプ37とを備える。キャップ35は、記録ヘッド20のノズル開口面20Aに当接するキャッピング位置と、記録ヘッド20から離間する退避位置との間を、昇降機構34aにより昇降駆動される。昇降機構34aは、専用モーター又は搬送系のモーターを動力源とする電動式でもよいし、キャリッジ13がホーム位置に移動する途中で係合レバーを押し込むことで機械的にキャップ35を上昇させ、キャリッジ13がホーム位置から離れることで付勢手段の付勢力によりキャップ35を退避位置へ下降させる機構でもよい。
また、キャップ35は、蓋体機能(キャッピング機能)の他、記録ヘッド20のノズル開口面20Aをキャップしてその内部空間に吸引ポンプ37からの負圧を与えてノズルからインクを強制的に吸引排出させる液体吸引手段の一部としての機能も備えている。ノズルからキャップ35内へ吸引排出された廃インクは、吸引ポンプ37の駆動により、プラテン15の下側に配置された廃液タンク38に排出される。
図5は記録ヘッドの底面(ノズル開口面)を示す模式底面図である。図5に示すように、記録ヘッド20の底面であるノズル開口面20Aには、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4列のノズル20K,20C,20M,20Yが開口している。4列のノズル20K,20C,20M,20Yは、副走査方向(図5における上下方向)に一定のノズルピッチで配列された計180個のノズル♯1〜♯180によりそれぞれ構成される。なお、ノズル列毎のノズルは1列状配列に限らず、千鳥配列としてもよい。
また、記録ヘッド20には、各ノズル♯1〜♯180と対応する図5に示す吐出駆動素子39がノズル数と同数内蔵されている(但し、図5では記録ヘッド20の外側に模式的に描いている)。吐出駆動素子39は、例えば圧電駆動素子又は静電駆動素子からなり、所定駆動波形の電圧パルスが印加されると、電歪作用又は静電駆動作用により、ノズル20K,20C,20M,20Yに連通するインク室の内壁を構成する振動板を振動させて、インク室を膨張・圧縮させることによりノズル20K,20C,20M,20Yからインク滴を吐出させる。もちろん吐出駆動素子39はノズル通路内のインクを加熱するヒーターでもよく、ヒーターで加熱したインク内に沸騰により発生した気泡の膨張を利用してノズルからインク滴を吐出させるサーマル方式も採用できる。
図3は、自動給紙装置のうちフロント給送装置の模式側断面図を示す。図3に示すように、フロント給送装置40は、給紙カセット16、ピックアップローラー41、中間ローラー42、リタードローラー43及びアシストローラー44を備えている。給紙カセット16内にセットされた用紙Pは、ASFモーター28(図2参照)の動力により駆動されるピックアップローラー41によって最上位のものから順に一枚ずつ送り出される。ピックアップローラー41は、揺動軸46aを中心に揺動する揺動部材46の先端側に設けられ、揺動部材46が図示しない付勢手段により用紙側に付勢されつつ揺動することにより、常に最上位の用紙に接するようになっている。
ピックアップローラー41によって送り出された用紙Pは、その途中で給紙カセット16の分離斜面16aで予備分離された後、リタードローラー43へと進む。リタードローラー43は中間ローラー42の外周面と対向する位置に設けられ、且つ、中間ローラー42に対して進退可能に設けられている。給紙カセット16から用紙Pが送り出される際には、リタードローラー43が中間ローラー42に圧接してニップ点を形成することで、給送されるべき最上位の用紙P(先行用紙P1)と、次ページ以降の用紙P(後続用紙P2)とを分離する。
中間ローラー42は、PFモーター29(図2参照)によって駆動され、給送されるべき用紙Pを湾曲反転させて、用紙Pを下流側の搬送ローラー対31へと送る。アシストローラー44は、中間ローラー42に接して中間ローラー42による用紙Pへの下流側への搬送をアシストする。
搬送ローラー対31は、PFモーター29(図2参照)によって回転駆動される搬送駆動ローラー31Aと、この搬送駆動ローラー31Aに圧接して従動回転する搬送従動ローラー31Bとを備える。先端が搬送ローラー対31に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラー31Aと搬送従動ローラー31Bとによってニップされた状態で搬送駆動ローラー31Aが回転することにより、搬送方向下流側の記録ヘッド20直下の記録箇所へと搬送される。
記録ヘッド20の記録箇所より搬送方向下流側に設けられた排紙ローラー対32は、PFモーター29(図2参照)によって回転駆動される排出駆動ローラー32Aと、排出駆動ローラー32Aに接して従動回転する排出従動ローラー32Bとを備える。記録ヘッド20によって記録が施された用紙Pは、排出駆動ローラー32Aと排出従動ローラー32Bとによってニップされた状態で排出駆動ローラー32Aが回転駆動されることにより、装置前方側に設けられた図示しないスタッカーへと排出される。
本実施形態のプリンター11では、先行媒体としての先行用紙P1と、後続媒体としての後続用紙P2との間隔を小さく保ちつつ、先行用紙P1の印刷中に後続用紙P2の給送動作を並行して進める搬送制御が行われる。なお、先行用紙P1とは、複数枚印刷時に先に給送される用紙を指し、後続用紙P2とは、先行用紙P1の次に後から給送される用紙を指す。
中間ローラー42とリタードローラー43とのニップ点を挟んだ搬送経路上の両側には、そのニップ点より下流側の位置で先行用紙P1の後端を検出する後端センサー47と、そのニップ点より上流側の位置で後続用紙P2の先端を検出するための先端センサー48とが設けられている。
用紙搬送経路上においてアシストローラー44と搬送ローラー対31との間の所定位置には、紙検出センサー49が配置されている。紙検出センサー49は、フロント給送装置40から給送される用紙Pの搬送経路に対向して位置し、用紙Pの先端及び後端を検出可能に構成されている。本実施形態では、各センサー47〜49は光学センサーなどの非接触式センサーにより構成されている。光学センサーは、発光器と受光器との一対を備え、発光器から出射された光が用紙Pに遮られて受光器で受光されなかったときに「紙あり」を検出し、用紙Pが光を遮らなくなって受光器で受光されたときに「紙なし」を検出する。もちろん、各センサー47〜49は、非接触式センサーに限らず、このうち一部又は全部を接触式センサーとすることもできる。
後端センサー47は、その検出状態が「紙あり」→「紙なし」に切り換わったことをもって用紙P(先行用紙P1)の後端を検知する。また、先端センサー48は、その検出状態が「紙なし」→「紙あり」に切り換わったことをもって用紙P(後続用紙P2)の先端を検知する。また、紙検出センサー49は、その検出状態が「紙なし」→「紙あり」に切り換わったことをもって用紙P(先行用紙P1)の先端を検出するとともに、その検出状態が「紙あり」→「紙なし」に切り換わったことをもって用紙P(先行用紙P1)の後端を検知する。
本実施形態のプリンター11では、複数の印刷モードが設定され、そのうち高速印刷モード(ドラフト印刷モード)においては、先行用紙P1が規定位置まで搬送されれば先行用紙P1の印刷中であっても、後続用紙P2の給紙を開始する給送制御を採用している。この給送制御では、予備給紙と本給紙とが行われる。詳しくは、先行用紙P1の後端が後端センサー47により検知されると、ピックアップローラー41を駆動して後続用紙P2の予備給紙を開始する。そして、後続用紙P2は先端センサー48に先端が検知された位置から、さらに所定距離(例えば1〜10mmの範囲内の値)だけ給送された図3に示す予備給紙位置で停止される。
一方、本給紙は、先行用紙P1が、予備給紙位置で待機する後続用紙P2との間隔が規定距離(例えば5〜20mmの範囲内の値)確保されうる規定位置に達した後に開始される。本給紙により、先行用紙P1の紙送り動作と並行して後続用紙P2の給送動作が進められる。よって、先行用紙P1の印刷が進んで、先行用紙P1の後端と、予備給紙位置で待機する後続用紙P2の先端との間隔が規定距離以上確保されると、以後、先行用紙P1の紙送り動作と並行して後続用紙P2の給送動作(本給紙)が行われ、両用紙P1,P2は規定距離以上の間隔を保ちつつ同時並行でそれぞれ紙送り及び給送されるようになっている。なお、予備給紙時には、リタードローラー43の搬送方向上流側近傍に位置する不図示の紙戻しレバーの手前位置(上流側位置)に先端が到達するまで後続用紙P2は予備給紙され、本給紙開始時に紙戻しレバーが閉鎖位置から開放位置へ回動し、後続用紙P2の給送口が開放される。そして、本給紙開始後しばらくして、紙戻しレバーが開放位置から閉鎖位置へ回動し、後続用紙P2以外の他の用紙の給送口への侵入が阻止されるようになっている。
次にプリンターの電気的構成を、図4に示す電気構成ブロック図に基づいて説明する。図4に示すように、プリンター11は各種制御を司るコントローラー50を備えている。コントローラー50は通信インターフェース(以下、単に「通信I/F51」という)を介してホスト装置100と通信可能に接続され、ホスト装置100から受信した印刷データに基づいてプリンター11を制御する。ホスト装置100は、例えばパーソナルコンピューター(PC)により構成されるが、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
コントローラー50には、入力系として、リニアエンコーダー33、エンコーダー53,54、後端センサー47、先端センサー48及び紙検出センサー49が接続されている。また、コントローラー50には、出力系として、CRモーター26、PFモーター29、ASFモーター28及びサブモーター55が接続されている。
コントローラー50は、制御部60、ヘッドドライバー61及びモータードライバー62,63,64,65を備えている。制御部60は印刷データに基づきヘッドドライバー61を介して記録ヘッド20を駆動制御し、その各ノズルからインク滴を噴射させる。また、制御部60は、モータードライバー62を介してCRモーター26を駆動制御し、キャリッジ13の主走査方向Xへの移動を制御する。このときリニアエンコーダー33からの入力パルスエッジをカウンター(図示省略)で計数することで、制御部60はキャリッジ13の例えばホーム位置を原点とする移動位置を把握する。また、リニアエンコーダー33からの入力パルスは、記録ヘッド20の噴射タイミング信号の生成にも利用される。
また、制御部60は、モータードライバー63を介してPFモーター29を駆動制御する。PFモーター29の出力軸は、輪列(図示省略)を介して搬送駆動ローラー31A、排出駆動ローラー32A及び中間ローラー42(いずれも図3参照)と動力伝達可能に連結されている。PFモーター29が正転駆動されると、搬送駆動ローラー31A、排出駆動ローラー32A及び中間ローラー42は用紙搬送方向へ回転駆動される。但し、PFモーター29の逆転駆動時は、不図示のクラッチの作用により、搬送駆動ローラー31A及び排出駆動ローラー32Aは逆転駆動されるが、中間ローラー42は逆転不能に構成されている。
さらに図4に示す制御部60は、モータードライバー64を介してASFモーター28を駆動制御する。ASFモーター28の出力軸は、輪列(図示省略)を介してピックアップローラー41(図3参照)と動力伝達可能に連結されている。ASFモーター28が駆動されるときは、ASFモーター28とピックアップローラー41間の動力伝達経路上に介在するクラッチ(図示せず)の働きにより、フロント給送装置40とリア給送装置の各給紙ローラー(フロント側はピックアップローラー41)のうち選択された一方のみが回転駆動される構成となっている。よって、クラッチによりフロント給送装置40側が選択された状態で、ASFモーター28が正転駆動されると、ピックアップローラー41が給送方向へ回転駆動される。
また、図4に示す制御部60は、モータードライバー65を介してサブモーター55を駆動制御する。サブモーター55の出力軸は、輪列(図示省略)を介してリタードローラー43(図3参照)及び紙戻しレバー(図示省略)と動力伝達可能に接続されている。リタードローラー43及び紙戻しレバーは、サブモーター55が駆動されることで連動して移動する。リタードローラー43は、サブモーター55が所定駆動量だけ正転駆動されることで、中間ローラー42から離間する退避位置(図3の二点鎖線)から、中間ローラー42に圧接してニップ点を形成する給紙位置へ移動し、一方、サブモーター55が所定駆動量だけ逆転駆動されることで給紙位置から退避位置へ移動する。また、紙戻しレバーは、サブモーター55が所定駆動量だけ正転駆動されることで、閉鎖位置から開放位置へ回動し、一方、サブモーター55が所定駆動量だけ逆転駆動されることで開放位置から閉鎖位置へ回動する。
ここで、ホスト装置100は、本体101、モニター102及びキーボード等の入力装置103を備えている。そして、本体101には、例えばハードディスク(HDD)にプリンタードライバー用プログラムをインストールして構築されたプリンタードライバー105が内蔵されている。ホスト装置100のプリンタードライバー105は、ユーザーが入力装置103を操作して設定した、用紙サイズ、用紙種類、レイアウトなどの各種印刷パラメーターを取得し、印刷実行の指示を受け付けると、印刷対象のJPEG形式又はRGB表色系の画像データを用いて、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理(マイクロウィーブ処理等)などの所定の処理を施して印刷画像データを生成する。そして、印刷パラメーター等を含むヘッダーに、プリンター記述言語で記述されたコマンド情報及び印刷画像データを付した印刷データ(印刷ジョブデータ)を生成する。プリンタードライバー105は、印刷ジョブデータを、例えばキャリッジ13の1走査(1パス)の印字分に相当する所定バイトのパケットに分割した印刷データずつプリンター11へ転送する。
次に、制御部60の内部構成について詳細に説明する。図4に示す制御部60は、要求発行部71、要求処理部72、イメージバッファー73、RAM74、ヘッド制御部75、キャリッジ制御部(「CR制御部76」という)、搬送制御部(「PF制御部77」という)及び給送制御部(「ASF制御部78」という)などを備えている。なお、制御部60は、例えばCPU、ASIC(Application Specific IC(特定用途向けIC))、ROM、RAM及び不揮発性メモリー等を備えて構成されており、CPUがROM又は不揮発性メモリーに記憶されたプログラムを実行することで、制御部60内には各部71,72,76、77等がソフトウェアにより構築されている。ヘッド制御部75は、ソフトウェアとASICの一部で構成されるハードウェアとの協働により構築されている。もちろん、各部71,72,75,76,77等は、ソフトウェアのみの構成、電子回路(例えばカスタムIC)等のハードウェアの構成、さらにソフトウェアとハードウェアとの協働により構成されてもよい。
要求発行部71は、コマンド解析部71Aを備える。ホスト装置100のプリンタードライバー105から通信I/F51を介して受信した印刷データは、不図示の受信バッファーに一時格納される。コマンド解析部71Aは、受信バッファー中の印刷データ中のコマンド情報を解析し、その解析結果に応じた各種の要求(給紙要求、紙送り要求、印字要求、排紙要求等)を要求処理部72に順次送る。また、要求発行部71は、印刷データ中の印刷画像データ(イメージデータ)をイメージバッファー73に展開する。イメージバッファー73のイメージデータは、要求発行部71が制御部60内の例えばDMA転送部に指示することで、キャリッジ13の1走査(1パス)の印字分に相当する所定バイトずつヘッド制御部75に転送(DMA転送)される。
要求処理部72は、要求発行部71から受け付けた要求に応じた指令を、CR制御部76、PF制御部77及びASF制御部78のうちそのときの要求に応じた少なくとも一つに送信する。例えば、要求処理部72は、給紙要求を受け付けたときにはASF制御部78及びPF制御部77に給紙指令を送り、紙送り要求を受け付けたときにはPF制御部77に紙送り指令を送り、排紙要求を受け付けたときにはPF制御部77に排紙指令を送る。さらに要求処理部72は、印字要求を受け付けたときにはCR制御部76に印字指令(CR起動指令)を送る。
要求処理部72は、その内部に、印字指令を行う印字指令部81、給紙指令、紙送り指令、排紙指令などを行う搬送指令部82、メンテナンス装置34のクリーニング動作を指令するクリーニング指令部83、消費量取得手段としてのインク消費量演算部84、判断手段としての判断部85、及び書込手段としてのCSIC書込部86などを備えている。
また、要求処理部72は、印刷中は、後端センサー47、先端センサー48の検出状態を監視し、後端センサー47の検出状態が「紙あり」→「紙なし」へ切り換わった(つまり後端センサー47によって先行用紙P1の後端が検知された)場合、搬送指令部82がASF制御部78に予備給紙指令を行う。要求処理部72は、予備給紙開始後、先端センサー48が「紙なし」→「紙あり」へ切り換わると(つまり先端センサー48によって予備給紙された後続用紙P2の先端が検知されると)、ASFカウンター78Aをリセットし、更にそこから所定距離に相当する駆動量だけASFモーター28を駆動させるための指令をASF制御部78に送る。なお、予備給紙指令に基づきASF制御部78は、サブモーター55を駆動制御し、退避位置にあったリタードローラー43を給紙位置へ駆動させると共に、閉鎖位置にあった不図示の紙戻しレバーを開放位置へ駆動させる。
要求処理部72は、予備給紙終了後、予備給紙位置で待機する後続用紙P2と、先行用紙P1との間隔を監視し、先行用紙P1が規定位置まで進んで、間隔が規定距離Lgap確保されて本給紙開始条件が成立すると、搬送指令部82は本給紙フラグに「1」をセットする。そして、搬送指令部82は、本給紙フラグが「1」であれば、PF制御部77へ紙送り指令を送るときに、これと同時にASF制御部78に本給紙指令を送る。また、先行用紙P1の印刷終了時には、要求発行部71は要求処理部72に排紙要求を送り、さらに次ページがあるときには要求処理部72に給紙要求を送る。排紙要求を受け付けた要求処理部72は、本給紙フラグが「1」であれば、排紙指令を送らず、その直後に、給紙要求を受け付けたときに、ASF制御部78及びPF制御部77に給紙指令を送る。一方、排紙要求を受け付けた要求処理部72は、本給紙フラグが「0」であれば、PF制御部77に先行用紙P1を給紙開始位置まで排紙する旨の排紙指令を送り、その直後に給紙要求を受け付けると、先行用紙P1の給紙開始位置までの排紙動作の終了を待って、ASF制御部78及びPF制御部77に給紙指令を送る。また、排紙要求を受け付けた要求処理部72は、次ページがない場合は、本給紙フラグの値に関わらず、先行用紙P1をスタッカーまで排紙できる距離を指定してPF制御部77に排紙指令を送る。
ここで、本実施形態では、給紙動作(給紙処理)は3段階で行われ、給紙指令が3回に分けて行われる。給紙指令には、用紙Pを給紙開始時の位置から搬送経路上の基準位置まで給送する初期給紙指令と、スキュー取り動作を指令するスキュー取り指令と、印字開始位置まで用紙を頭出しする頭出し指令とが含まれる。搬送指令部82は、給紙時には、これらの指令をASF制御部78及びPF制御部77へこの順番で送る。ここで、スキュー取り動作とは、後続用紙P2の先端部を搬送ローラー対31に一旦少量ニップさせる食い付き動作の後、搬送ローラー対31を逆転駆動させて後続用紙P2の先端部のニップを開放する吐き出し動作を行う一連の動作を指す。吐き出し動作の際は、中間ローラー42が逆転不能なので、搬送ローラー対31と中間ローラー42間で後続用紙P2が一旦撓み、その撓み開放時に用紙先端が搬送ローラー対31に突き当たることで、後続用紙P2のスキュー取りが行われる。
クリーニング指令部83は、タイマー83Aを備えている。タイマー83Aは、前回のクリーニング実施時からの経過時間を計時する。クリーニング指令部83は、タイマー83Aの計時時間が所定の間隔時間(インターバル時間)を超えると、PF制御部77及びCR制御部76に、メンテナンス装置34にクリーニング動作を行わせるためのクリーニング指令を行う。なお、要求処理部72が操作部21のうちメンテナンススイッチの操作信号を受け付けたときにも、クリーニング指令部83はクリーニング指令を行う。
ここで、クリーニング指令を受け付けたCR制御部76は、まずCRモーター26を駆動制御してキャリッジ13をホーム位置に移動させ、例えば昇降機構34aが機械式の場合、この移動途中でキャリッジ13が係合レバー(図示せず)を押し込むことで昇降機構34aが駆動されてキャップ35がノズル開口面20Aに当接したキャッピング状態になる。その後、クリーニング指令を受け付けたPF制御部77がPFモーター29を逆転駆動させることで吸引ポンプ37が駆動され、キャップ35内に負圧が導入され、その負圧によりノズル開口面20Aのノズルから増粘したインクや気泡などが強制的に吸引排出されるクリーニングが行われる。なお、クリーニング指令部83は、インクカートリッジ18の交換時にも、インク中の気泡の除去を目的とするクリーニングを行うためにクリーニング指令を行う。
ASF制御部78は、予備給紙指令、本給紙指令及び給紙指令のうちの1つを受け付けると、モータードライバー64を介してASFモーター28を駆動制御する。また、ASF制御部78は、予備給紙指令又は給紙指令(但し、本給紙フラグ「1」の場合を除く)を受け付けると、モータードライバー65を介してサブモーター55を駆動制御する。ASF制御部78は、ASFカウンター78Aを内蔵する。ASFカウンター78Aは、後続用紙P2が所定位置(例えば先端センサー48の先端検知時の用紙位置)に達したときにリセットされ、ASFモーター28の回転を検出するエンコーダー54(ロータリエンコーダー)からの入力パルスのパルスエッジ数を計数して、リセット時の用紙位置を原点とする用紙搬送量(給送量)を計測する。なお、予備給紙時における後続用紙P2の予備給紙位置への予備給送制御は、ASFカウンター78Aの計数値に基づき行われる。
PF制御部77は、紙送り指令又は排紙指令を受け付けると、モータードライバー63を介してPFモーター29を駆動制御する。PF制御部77は、PFカウンター77Aを内蔵する。PFカウンター77Aは、PFモーター29の回転を検出するエンコーダー53(ロータリエンコーダー)からの入力パルスのパルスエッジ数を計数して、リセット時の用紙位置を原点とする用紙搬送量を計測する。PF制御部77は、PFモーター29の駆動中に、搬送中(紙送り中)の用紙Pが、PFカウンター77Aの計数値に基づきキャリッジ起動許可位置に到達したと判断すると、CR制御部76へ印字許可通知を行う。なお、先行用紙P1が、予備給紙位置で待機する後続用紙P2との間に規定距離Lgapの間隔が確保される規定位置に達したことも、PFカウンター77Aの計数値に基づき管理される。
CR制御部76は、印字指令部81から印字指令を受け付けた後、PF制御部77から印字許可通知があると、モータードライバー62を介してCRモーター26の駆動を開始させることでキャリッジ13を起動させる。このとき、CR制御部76は、不図示のCRカウンターの計数値に基づきキャリッジ13がインク吐出開始位置に到達したと判断すると、ヘッド制御部75へインク吐出許可通知を行う。
ヘッド制御部75は、CR制御部76からのインク吐出許可通知があると、イメージバッファー73から転送された1パス分のイメージデータに基づきヘッドドライバー61を介して記録ヘッド20を駆動制御する。また、ヘッド制御部75は、インク色(K,C,M,Y)別のイメージデータ(ドットデータ(ビットマップデータ))のドット数を計数するドットカウンター75K,75C,75M,75Yを内蔵する。詳しくは、第1ドットカウンター75Kは、黒(K)のイメージデータのドット数を計数し、第2ドットカウンター75Cは、シアン(C)のイメージデータのドット数を計数する。また、第3ドットカウンター75Mは、マゼンタ(M)のイメージデータのドット数を計数し、第4ドットカウンター75Yは、イエロー(Y)のイメージデータのドット数を計数する。
ここで、イメージデータは、一画素につき複数階調(例えば2階調又は4階調)のビットデータ(1ビット又は2ビット)で表現されたバイナリデータある。例えば2階調の場合は、ノズルに対応する1ビットデータの値が、例えば「0」であれば噴射なし、「1」であればインク滴を噴射するための電圧パルスが吐出駆動素子39に印加される構成となっている。そして、ドットカウンター75K,75C,75M,75Yは、色別のイメージデータ中の「1」の数を計数する。また、4階調の場合は、ノズルに対応する2ビットデータの値により、大中小の三種類のドットサイズでインク滴を打ち分ける。例えば2ビットデータが「00」であれば噴射なし、「01」であれば小ドット、「10」であれば中ドット、「11」であれば大ドットのインク滴が噴射されるように、ビット値に対応する電圧パルスが吐出駆動素子39に印加される構成となっている。4階調の場合、各ドットカウンター75K,75C,75M,75Yは、小ドット、中ドット、大ドットを個別に計数する3個のカウンターをそれぞれ内蔵する。
インク消費量演算部84は、1パス分のインク噴射処理を終えた際に要求処理部72がヘッド制御部75から吐出完了通知を受け付ける度に、ヘッド制御部75内の各ドットカウンター75K,75C,75M,75Yからインク色毎のドット計数値を読み込んで、各ドット計数値に基づいてインク色別のインク消費量を演算する。イメージデータが2階調の場合、インク消費量演算部84は、ドットカウンター75K,75C,75M,75Yの計数値から得られるインク色別の合計ドット数に係数を乗じることで、インク色毎にインク消費量を演算する。また、イメージデータが4階調の場合、インク消費量演算部84は、ドットカウンター75K,75C,75M,75Yがそれぞれ有する3個のカウンターの計数値からドットサイズ別の合計ドット数を取得する。そして、インク消費量演算部84は、ドットサイズ別の合計ドット数に、ドットサイズ別の係数を乗じてドットサイズ別にインク消費量を求め、これらのドットサイズ別のインク消費量をインク色毎に合計することで、インク色毎のインク消費量を演算する。なお、ドットカウンター75K,75C,75M,75Yは、本例ではカウンター回路(ハードウェア)により構成されるが、CPUがプログラムを実行して実現されるソフトウェアのカウンターも採用できる。
また、インク消費量演算部84は、メンテナンス装置34が駆動されるときには、エンコーダー53からのパルス信号に基づき得られる吸引ポンプ37の回転量(駆動量)に応じたインク消費量(インク吸引量)を演算する。インク消費量演算部84は、インク色別のインク消費量を演算する度に、RAM74のインク消費量用の記憶領域74K,74C,74M,74Yのインク消費量に加算する。こうしてRAM74には今回(現在)のインク消費量(K,C,M,Y)が記憶される。なお、各記憶領域74K,74C,74M,74Yには、今回のインク消費量の他、後述するCSIC91の不揮発性メモリー92から電源投入時に読み込んだ、又は不揮発性メモリー92に前回書き込んだ前回のインク消費量も記憶される。
判断部85は、予め決められた所定のタイミングで、後述するCSIC91の不揮発性メモリー92へのインク消費量の書込みをCSIC書込部86に許可するインク消費量書込許可条件が成立するか否かを判断する。本例では、インク消費量書込許可条件(以下、単に「書込許可条件」という」)は、書込動作を行っても他の動作の遅延を招かない適切なタイミングであることを満たす書込時期条件と、書き込みを行う今回のインク消費量と前回のインク消費量との差分(つまり今回のインク消費量の増分)が一定量以上であることを満たす消費量条件との二条件からなる。
判断部85は、要求処理部72がCR制御部76から今回のパス(今回の行)の印字動作を開始した旨の印字開始通知を受け付ける度に、次パス(次行)の印字動作があるか否かを判断する。判断の結果、次パスの印字動作がなければ、書込許可条件のうちの書込時期条件が成立したことになる。ここで、要求発行部71は、遅くとも今回のパスの印字動作を開始するときまでには、次パスの印字データを構築している。判断部85は、印字開始通知を受け付けると、要求発行部71が構築した次パスの印字データの有無を判断することにより、次パスの印字動作の有無を判断する。この場合、判断部85は、イメージバッファー73又はヘッド制御部75内のバッファーに直接アクセスし、次パスの印字データが存在するか否かを判断してもよいし、要求発行部71が次パスの印字データがある場合にその旨を示すフラグを立て、判断部85がそのフラグの値を確認することで次パスの印字データの有無を判断してもよい。なお、判断部85は、要求処理部72が排紙要求を受け付けた時には、排紙要求受信時であることをもって書込時期条件が成立したと判断する。
ここで、要求処理部72が排紙要求を受け付けた時にCSIC書込動作を行うと、そのとき、次ページがありかつ本給紙フラグが「1」である場合には、その直後に給紙要求を受信した時点で直ちに給紙指令を行ってよい状態にある。しかし、要求処理部72は、CSIC書込動作を終了するまで、給紙指令を行うことができなくなり、これが給紙開始遅れの原因となる。そのため、本実施形態では、排紙要求受信時以外にも、書込時期条件を設定し、次パスの印字データが存在しなければ、今回のパスの印字動作と並行してCSIC書込動作を行うことができるようにすることにより、排紙要求受信時のCSIC書込動作の実施を回避させるようにしている。
判断部85は、書込時期条件が成立すると、次に消費量条件が成立するか否かを判断する。すなわち、判断部85は、RAM74中の前回のインク消費量と今回のインク消費量との差分(つまり今回のインク消費量の増分)が一定量以上になっているか否かを判断する。この一定量は、例えばインクカートリッジ18のインク満充填時のインク容量に対して0.001〜0.05%の範囲内の所定値に設定されている。判断部85は、今回のインク消費量の増分が一定量以上であって、消費量条件も成立し、二条件よりなる書込許可条件が成立すると、CSIC書込部86にインク消費量の書込動作を許可する。
ここで、CSIC書込部86がインターフェース66を介して接続される配線の先がカートリッジホルダー(図示省略)に設けられた端子93に接続されており、一方、インクカートリッジ18にはカートリッジホルダーに装填されたときに端子93と接続可能な端子94が設けられている。インクカートリッジ18がカートリッジホルダーに装填された状態において、CSIC書込部86は、端子93,94を介して、不揮発性メモリー92のインク消費量用の記憶領域92K,92C,92M,92Yからのインク消費量の読み出し及びインク消費量の記憶領域92K,92C,92M,92Yへの書き込みが可能となっている。なお、図4では、模式的に、1つの不揮発性メモリー92にインク色別の記憶領域92K,92C,92M,92Yを図示しているが、実際には、インクカートリッジ18毎に1つずつ設けられた不揮発性メモリー92に、そのカートリッジのインク色に対応する1色分のインク消費量がそれぞれ記憶されるようになっている。また、不揮発性メモリー92には、シリアル番号、インクの種類や有効期限等のインク関連データも記憶されている。
CSIC書込部86は、判断部85が書込許可条件が成立したと判断したことによりインク消費量の書込動作が許可されると、RAM74からインク色毎の今回のインク消費量(K,C,M,Y)を読み出す。そして、その読み出した今回のインク消費量(K,C,M,Y)を、対応するインク色のインクカートリッジ18に設けられたCSIC91(カスタマーサービスIC)上に実装された不揮発性メモリー92に書き込む。これにより、不揮発性メモリー92中の前回のインク消費量に今回のインク消費量が上書きされることで、前回のインク消費量が更新される。
図6は印刷処理のシーケンス図を示す。ここでは、要求処理部72とメカ制御部79とのシーケンスを示している。なお、図6では、ヘッド制御部75、CR制御部76、PF制御部77及びASF制御部78を包括してメカ制御部79として示している。また、図6では、要求発行部71からの要求は省略している。
図6のシーケンス図では、要求処理部72から給紙指令を行うと、この給紙指令を受け付けたメカ制御部79(詳しくはASF制御部78及びPF制御部77)が給紙処理を行う。メカ制御部79から給紙完了通知を受け付けた要求処理部72は次に印字指令を行い、この印字指令を受け付けたメカ制御部79(詳しくはCR制御部76及びヘッド制御部75)が印字処理を行う。メカ制御部79から印字完了通知を受け付けた要求処理部72は次に紙送り指令を行い、この紙送り指令を受け付けたメカ制御部79(詳しくはPF制御部77)が紙送り処理を行う。そして、印字と紙送りとが略交互に繰り返し行われることで1行ずつ印字が進められ、その1ページの印刷が終了すると、要求処理部72は排紙指令を行う。この排紙指令を受け付けたメカ制御部79(詳しくはPF制御部77)が排紙処理を行い、メカ制御部79から排紙完了通知を受け付けた要求処理部72は次ページの印刷がある場合には、給紙指令を行い、この給紙指令を受け付けたメカ制御部79(詳しくはASF制御部78及びPF制御部77)が給紙処理を行う。こうして次ページの印刷も同様に行われる。但し、要求処理部72は、要求発行部71から排紙要求があっても、次ページがありかつ本給紙フラグが「1」の場合は、排紙指令を行わず、排紙要求の直後に受け付けた給紙要求に基づき給紙指令を行う。この場合、メカ制御部79は、先行用紙P1の印刷が終了すると、直ちに後続用紙P2の給紙処理を行い、この給紙過程で先行用紙P1の排出が一緒に行われる。
図7は、要求処理部によるCSIC書込動作を説明するタイミングチャートを示す。なお、図7中の印字過程において濃色で示された区間はインク吐出を示す。また、図7においてPF制御部77に対応する波形は、PFモーター29の速度プロファイル(つまり紙送り速度プロファイル)を示し、CR制御部76に対応する波形は、CRモーター26の速度プロファイル(つまりキャリッジ13の移動速度プロファイル)を示す。また、要求処理部72に対応する波形は、要求処理部72の処理動作を示す。
図7に示すように、PF制御部77は給紙指令を受け付けると、PFモーター29を駆動させて給紙動作を行う(このときASF制御部78によりASFモーター28も駆動される)。この給紙動作の途中でPF制御部77から印字許可通知を受け付けたCR制御部76は、CRモーター26を駆動させてキャリッジ13を起動させる。キャリッジ13がインク吐出開始許可位置に達すると、CR制御部76はヘッド制御部75に吐出許可通知を行う。この吐出許可通知を受け付けたヘッド制御部75が記録ヘッド20のインク吐出を開始させることにより、例えばキャリッジ13の定速区間で印字(図7の濃色領域)が行われる。この印字(インク吐出)が終了すると、ヘッド制御部75は吐出完了通知を行い、この吐出完了通知を受け付けた要求処理部72から紙送り指令を受け付けると、PF制御部77はPFモーター29を駆動させて紙送り動作を行う。以後、同様に、印字動作と紙送り動作とが略交互に繰り返される。
要求処理部72は、CR制御部76から印字開始通知を受け付ける度に判断部85による書込許可条件の成立可否の判断を行う。最終行のパス以外のパスの印字動作を行う際は、次パスの印字データが存在するため、書込許可条件は不成立となり、CSIC書込動作は行われない。また各パスのインク吐出完了時に吐出完了通知を受け付ける度に、要求処理部72はインク消費量演算部84が演算した今回のパスの印字で消費したインク消費量を、RAM74の今回(現在)のインク消費量に逐次加算する。そして、最終行のパスの印字動作を開始した旨の印字開始通知を受け付けたときに判断部85が行った判断では、最終行の印字動作を行うときであるので、次パスの印字データが存在せず、CSIC書込動作が行われる。
図8は、最終行の印字を行う前後におけるCSIC書込処理を示すタイミングチャートである。要求処理部72は、紙送り要求を受け付けると紙送り指令を送り、この紙送り指令を受け付けたPF制御部77は、CR制御部76から紙送り許可通知を受け付けると、PFモーター29の駆動を開始することで紙送りを開始する。また、要求処理部72は、印字要求を受け付けたときにCR制御部76に印字指令を行い、紙送り途中の所定時期に、PF制御部77から印字許可通知を受け付けると、CR制御部76はCRモーター26の駆動を開始することにより印字動作を開始する(つまりキャリッジ13を起動する)。
CR制御部76はCRモーター26を起動させると、要求処理部72に印字開始通知を行う。要求処理部72は印字開始通知を受け付けると、判断部85に書込許可条件を満たすか否かを判断させ、書込許可条件(次パスの印字データなしかつインク消費量の増分が一定量以上)を満たせば、CSIC書込部86にCSIC書込動作を行わせる。図8に示すように、1ページの最終パス(最終行)の印字を行うときには、次パス(次行)がないので、インク消費量の増分が一定量以上であれば、書込許可条件を満たすことになる。
図7に示すように、1ページの印刷中は各行の印字の際に吐出完了通知がある度にインク消費量加算を行っているが、印字開始通知がある度の判断で、次パスの印字データありと判断されるため、最終パスまでCSIC書込みは行われない。そのため、最終パスの印字を行うときには、その前1ページ分(正確には前ページの最終行から現ページの(最終行−1)行までのインク消費量)のインク消費量が加算されており、このときの判断でインク消費量の増分が一定量以上であると、書込許可条件を満たし、CSIC書込みが行われる。
最終行の印字動作と並行してCSIC書込動作が行われたときは、前回のインク消費量が今回のインク消費量の値に更新されるため、インク消費量の増分は一旦リセットされる。このため、最終行の印字が終わって最終行のインク消費量を加算した後、排紙要求受信時の判断では、インク消費量の増分は最終行1行分のインク消費量しかないので、消費量条件が不成立となって書込許可条件が成立しない。従って、排紙要求時にCSIC書込みが行われないので、次ページの給紙開始時期の遅延が回避される。なお、最終行の印字時に消費量条件が不成立でCSIC書込みが行われなかった場合、最終行のインク消費量の加算によって、消費量条件が成立することになる確率は極めて低く、排紙要求時にCSIC書込みが行われることはまずない。
図9は、最終行の印字動作が行われるときのCSIC書込動作を説明するシーケンス図である。このシーケンス図は、図8に対応するタイミングにおけるシーケンス図を示す。なお、図9において、各部71,72,75〜77が実行する処理を示す矩形枠のうち、実線のものはCPUを占有する処理であり、点線のものはCPUが割込処理で行う処理である。
図9に示すように、要求発行部71から紙送り要求を受け付けた要求処理部72は、PF制御部77に紙送り指令を行う。紙送り指令を受け付けたPF制御部77はPF駆動パラメーター設定を行う。ここで、紙送りの際は、紙送り量が長くなるほど紙送り速度(最高速度)が高速になるような速度プロファイルが選択される。PF制御部77は、PFモーター29を紙送り量に応じた速度プロファイルで駆動させるための駆動パラメーターを設定する。PF制御部77は、PF駆動パラメーター設定の完了通知を要求処理部72へ送った後、そのとき駆動中のキャリッジ13を制御しているCR制御部76から紙送り許可通知(図8参照)を受け付けると、PFモーター29を駆動させて紙送り駆動を行う。この紙送り駆動は、仮にPF制御部77以外の各部71,72,75,76がCPUを占有していても、CPUの割込処理で行われる。
一方、図9に示すように、PF駆動パラメーター設定完了通知を受け付けた要求処理部72は、印字要求を受け付けると、CR制御部76に印字指令を行う。この印字指令を受け付けたCR制御部76はCR駆動パラメーター設定を行う。ここで、印字の際は、印刷モードに応じた速度プロファイルが選択される。CR制御部76は、印刷モードに応じた速度プロファイルでCRモーター26を駆動させるための駆動パラメーターを設定する。この設定の後、CR制御部76はPF制御部77からの印字許可通知の受信を待つ。この待ち時間の間、CPUはCR制御部76に占有される。印字許可通知を受信すると、CR制御部76は、CRモーター26の駆動を開始させることによりキャリッジ13を起動させる。このCRモーター26の起動後、CR制御部76は要求処理部72へ印字開始通知を送る。
印字開始通知を受信した要求処理部72は、書込許可条件の成立の可否を判断する。この判断においてまず次パスの有無を判断する。ここで、要求発行部71は、複数パス分の印字データを前もって構築しており、次パスの有無は印字データを確認することで判断できる。図9は、最終パスの印字を行う場合であるので、この判断で次パス(次行)なしと判断される。また、インク消費量の増分(前回と今回とのインク消費量の差分)が一定量以上であれば、消費量条件も成立し、書込許可条件を満たすことになり、この場合、要求処理部72はCSIC書込みを行う。
この間、CR制御部76が印字駆動(CR駆動)を行っており、この印字駆動の途中でキャリッジ13が吐出開始位置に到達すると、CR制御部76からヘッド制御部75へ吐出許可通知が送られ、この吐出許可通知を受信したヘッド制御部75が記録ヘッド20の吐出駆動を行っている。この場合、印字駆動(CR駆動)と吐出駆動はCPUの割込処理で行われるので、要求処理部72は印字動作と並行してCSIC書込みを行うことができる。そして、記録ヘッド20の吐出駆動が終了し、ヘッド制御部75から吐出完了通知を受信した要求処理部72は、今回のパスの印字で消費した1行分のインク消費量をRAM74の記憶領域74K,74C,74M,74Yの今回のインク消費量に加算する。
以下、本実施形態のプリンター11が行う印刷処理動作について図10及び図11のフローチャートに従って説明する。図10及び図11のフローチャートの処理は、プリンター11内のCPUがプログラムを実行することで構築される制御部60(要求発行部71、要求処理部72、ヘッド制御部75、CR制御部76、PF制御部77及びASF制御部78)が実行する。但し、ヘッド制御部75は一部ハードウェアを含む。
まず図10に示すフローチャートに従ってプリンター11の印刷処理動作を説明する。制御部60は印刷データを受信すると、図10で示す印刷処理用のプログラムに従って、印刷データに基づく印刷ジョブを実行する。
まずステップS10では、給紙処理を行う。すなわち、サブモーター55の駆動によりリタードローラー43を図2に実線で示す給紙位置に配置した状態で、ASFモーター28及びPFモーター29を駆動させる。この結果、ピックアップローラー41の回転により給紙カセット16内の最上位の一枚の用紙P1が給送される。用紙P1の先端が紙検出センサー49により検知されると、PFカウンター77Aによる用紙位置の計測(計数)が開始され、まず用紙Pは搬送経路上の基準位置まで給送される。次に、スキュー取り動作が行われた後、用紙P1は印字開始位置に頭出しされる。
次のステップS20では、印字処理を行う。すなわち、CRモーター26を駆動してキャリッジ13を主走査方向Xに移動させるとともにその移動途中に記録ヘッド20のノズルからインク滴を吐出させることにより1パス分の印字動作が行われる。
ステップS30では、1ページの印刷を終了したか否かを判断する。この判断は例えば排紙コマンドの受信の有無により判断する。1ページの印刷を終了していなければ、ステップS40に進んで、紙送り処理を行う。紙送り処理では、PFモーター29を駆動して用紙P1を次パスの印字位置まで紙送りする。以後、排紙コマンドを受信して1ページの印刷終了と判断する(S30で肯定判定)まで、印字処理(S20)と紙送り処理(S40)とが交互に実施されることで、用紙P1への印刷が進められる。
そして、1ページの印刷を終了すると(S30で肯定判定)、ステップS50に移行して排紙処理を行う。この排紙処理では、詳しくは、先行用紙P1の印刷中に、後続用紙P2の本給紙が開始されていた(本給紙フラグ=1)か否かを判断し、その判断結果に応じて排紙処理内容が2通りに分かれる、まず本給紙フラグ=1の場合は、排紙指令を行わず、次のステップS60で全ページの印刷が終了していないと判断されることで、ステップS10の給紙処理に移行する。一方、本給紙フラグ=0の場合は、次ページがあれば、PFモーター29を駆動して、先行用紙P1と後続用紙P2との間隔が規定距離Lgapだけ確保される給紙開始位置まで先行用紙P1を排紙する。この場合、次のステップS60で全ページの印刷が終了していないと判断され、ステップS10の給紙処理に移行する。また、本給紙フラグ=0の場合で次ページがなければ、PFモーター29を駆動して、用紙P1をスタッカーまで排紙する。そして、次ページがあってステップS10に移行した場合は、ステップS10〜S60の処理を繰り返すことにより、1ページずつ給紙、印刷及び排紙が行われ、全ページの印刷を終了すると(S60で肯定判定)、当該ルーチンを終了する。
本実施形態では、図10における印字処理(S20)においてCSIC書込みのための処理が行われる。次にこの印字処理の詳細を図11のフローチャートに従って説明する。
まずステップS110では、要求発行部71が印字データを構築する。次のステップS120では、CR制御部76がPF制御部77から印字許可通知があったか否かを判断する。CR制御部76は印字許可通知を受信するまで待機し、印字許可通知を受信すると、ステップS130で印字駆動を開始する。すなわち、CR制御部76は、CRモーター26の駆動を開始することでキャリッジ13を起動させる。CR制御部76はこの印字駆動を開始すると、要求処理部72に印字開始通知を送る。この印字駆動はCPUの割込処理で行われるため、この印字駆動と並行して、ステップS140以降の処理が行われる。
ステップS140では、要求処理部72は印字開始通知を受け付けると、次パスの印字データがあるか否かを判断する。次パスの印字データがあれば、ステップS150に進む。ステップS150では、印字中のパスのキャリッジ13の停止位置(CR停止位置)を、次パスのキャリッジ13の起動位置(CR起動位置)に書き替える。この書き替えにより印字中のキャリッジ13は当初設定されていたCR停止位置より延長されたCR停止位置に向かって移動する。なお、このCR停止位置の書き替えにより、キャリッジ13は今回のパスの印字駆動を終えた後、次パスの起動位置への移動を伴うことなく、その停止位置から次パスの印字駆動を開始できる。
この今回のパスの印字駆動中にキャリッジ13が吐出開始位置に達すると、CR制御部76はヘッド制御部75へ吐出許可通知を送り、この吐出許可通知を受信したヘッド制御部75は印字データに基づき記録ヘッド20のインク吐出を開始させる。
次のステップS160では、要求処理部72が、記録ヘッドが吐出完了したか否かを判断する。すなわち、要求処理部72は、ヘッド制御部75から吐出完了通知を受け付けたか否かを判断する。吐出完了通知を受け付けると、ステップS170に進んで、今回印字したパスのインク消費量を加算する。すなわち、要求処理部72(インク消費量演算部84)はヘッド制御部75のドットカウンター75K,75C,75M,75Yから読み込んだ計数数(今回のパスの合計ドット数)を基にインク色別のインク消費量を演算し、その演算したインク消費量を、RAM74中の今回のインク消費量に加算する。こうしてRAM74中の今回のインク消費量には、1パスの印字で消費したインク消費量が1パス毎に加算される。
一方、ステップS140で次パスの印字データなしと判断された場合(書込時期条件不成立の場合)は、ステップS180に進んで、前回のCSIC書込みからのインク消費量(つまり今回のインク消費量の増分)が一定量以上である(消費量条件成立)か否かを判断する。このインク消費量の増分が一定量以上でなければステップS160に進み、一定量以上であればステップS190に進む。
ステップS190では、要求処理部72がCSIC91の不揮発性メモリー92に今回のインク消費量を書き込む。すなわち、CSIC書込部86が、RAM74から今回のインク消費量を読み出し、その読み出した今回のインク消費量をインクカートリッジ18側の不揮発性メモリー92内の前回のインク消費量に上書きする。この結果、不揮発性メモリー92内の前回のインク消費量が更新される。このCSIC書込みを終えると、ステップS160で記録ヘッド20の吐出完了(吐出完了通知)を待ち、吐出完了通知を受信すると(S160で肯定判定)、今回印字したパスのインク消費量を加算する(S170)。なお、ステップS140の処理は判断ステップに相当し、ステップS190の処理が書込ステップに相当する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)印字すべき次パス(次行)の有無を判断し、次パスがあればCSIC書込みを行わず、次パスがなければCSIC書込みを行う構成とした。このため、最終パス以外のパスではCSIC書込みがまず行われないので、CSIC書込みを行ったためにその終了まで待つ待機時間に起因する次パスの印字駆動開始時期の遅延を回避できる。よって、CSIC書込動作を印刷中に適度な頻度で行うことができ、しかも次パスの印字駆動開始時期の遅延を回避して、印刷のスループットの低下も抑制できる。
(2)また、CSIC書込動作は最終パスの印字動作と並行して行われるので、その直後の排紙要求受信時には、インク消費量の増分が最終行1行分しかなく消費量条件が不成立となるためCSIC書込みが行われない。よって、例えば排紙要求受信時にCSIC書込みを行ってその終了まで待つ待機時間の発生に起因する次ページの給紙開始時期の遅延も回避できる。従って、CSIC書込動作を印刷中に適度な頻度で行うことができ、しかも給紙開始時期の遅延も回避して印刷のスループットの低下を一層抑制できる。
(3)書込許可条件として書込時期条件に加え消費量条件も設定したため、インク消費量の増分が一定量未満と少ないうちはCSIC書込みが行われないので、CSIC書込動作の頻度が無駄に過剰になることを回避できる。よって、排紙要求受信時のCSIC書込みを回避できるという効果の他、CSIC書込みが必要な適度な頻度で行われるという効果も得られる。
(4)印字開始通知を受け付けたときに書込許可条件の成立の可否を判断するので、この判断処理により印字駆動開始時期が遅延することがない。例えば印字要求受信時や印字許可通知時など印字指令前に、判断部85が判断処理を行う構成にすると、判断処理の終了を待つ待機時間の発生に起因して印字指令を送る時期が遅延する恐れがあり、この場合、今回のパスの印字駆動開始時期の遅延が危惧される。しかし、本実施形態の場合、印字指令後の印字開始通知受信時に判断処理を行うため、今回のパスの印字駆動開始時期の遅延も回避できる。
(5)印字開始通知を受け付けたときに判断処理を行うことから、CSIC書込みを印字動作の開始直後に開始し、インク吐出完了時点までに終えることができる。よって、書込許可条件の成立可否の判断を、インク吐出完了時に行われるインク消費量演算・加算の処理と干渉することなく行うことができる。
(6)書込許可条件の成立可否の判断時期を、印字開始通知受信時という印字動作と並行してCSIC書込みを行ううえで遅めの時期に設定しているので、次パスの印字データの構築が仮に遅れていたとしても、次パスの印字データありと正しい判断を行える頻度が増える。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を、図3、図10、図12〜図16等に基づいて説明する。本実施形態では、プリンターの構成は前記第1実施形態と同様であり、図10における給紙処理、印字処理及び排紙処理の内容が第1実施形態と異なっている。第1実施形態と同じ構成については説明を省略し、特に異なる処理内容を中心に説明する。
本実施形態では、印字動作時にCSIC書込みを行う構成ではなく、給紙処理及び排紙処理でCSIC書込みを行う。よって、図10における印字処理(S20)では、図11におけるS180及びS190を廃止した処理が行われる。
図12はCSIC書込みを説明するタイミングチャートを示す。ここで、図12(a)が複数枚連続印刷時における今回のページの給紙から次ページの給紙までの期間のタイミングチャートを示し、図12(b)は最終ページの排紙を含む期間のタイミングチャートを示す。本実施形態では、印刷すべき次ページがあるときには、次ページの給紙動作と並行してCSIC書込みを行い、印刷すべき次ページがないときには、今回ページ(現ページ)の排紙動作と並行してCSIC書込みを行う。
図12に示すように、まずPF制御部77によるモーターの制御により、先行用紙の給紙が行われ、例えばこの給紙動作過程でCSIC書込みが行われる。その後、PF制御部77とCR制御部76により各モーター26,29が略交互に駆動されることで、印字と紙送りとが略交互に行われ、先行用紙P1への印刷が進められる。この先行用紙P1の印刷中において、要求処理部72は吐出完了通知を受信する度にインク消費量を加算する。最終行の印字が終わって排紙要求を受信すると、例えば本給紙フラグが「1」であるか否かを判断し、先行用紙P1の印刷中に後続用紙P2の給送が開始されていて本給紙フラグが「1」であれば(本給紙済みかつ次ページもあるので)、排紙指令は行わない。そしてその直後に給紙要求を受信すると、要求処理部72は給紙指令を行った後、そのときのインク消費量の増分が一定量以上と判断されれば、給紙動作と並行してCSIC書込みを行う。
図13は、この給紙動作と並行してCSIC書込みを行う場合の処理の詳細を示すタイミングチャートである。図13に示すように、排紙要求を受信した要求処理部72は、次ページの印字データがないか否かを判断する。今回のページが最終ページであれば次ページの印字データなしと判断するが、今回のページが最終ページ以外であれば次ページの印字データありと判断する。次ページの印字データなしであれば、スタッカーまでの排紙距離を指定して排紙指令を行う。一方、次ページの印字データありであれば、本給紙フラグが「1」であるか否かを判断し、本給紙フラグが「0」であれば給紙開始位置までの排紙距離を指定して排紙指令を行うが、本給紙フラグが「1」であれば排紙指令は行わない。この例では既に後続用紙P2の本給紙が開始されているものとすると、本給紙フラグが「1」なので、排紙指令を行わない。その後、給紙要求を受信すると、要求処理部72は給紙指令を行う。給紙指令を受信したPF制御部77は、CR制御部76から給紙許可通知(図示せず)を受信すると、PFモーター29を駆動させることで給紙を開始させる。なお、最終パスの吐出完了通知を受信すると、要求処理部72はインク消費量を加算する。
そして、要求処理部72は、給紙指令送信後(図13の例ではさらにインク消費量加算後)、インク消費量の増分が一定量以上であるか否か(消費量条件の成立の可否)を判断し、例えばインク消費量の増分が一定量以上であると判断すると、CSIC書込みを行う。こうしてCSIC書込みは次ページの給紙動作と並行して行われる。例えば排紙要求受信時に、書込許可条件成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行う構成とすると、CSIC書込動作の終了を待ってから給紙指令を行うことになり、次ページの給紙開始時期が遅延する。しかし、本実施形態では、給紙要求受信時に、印刷すべき次ページがあると判断した場合は、まず給紙指令を行い、この給紙指令の後に、書込許可条件成立可否判断(本例では消費量条件成立可否判断)及び当該条件成立時のCSIC書込みを行う構成であるため、次ページの給紙開始時期の遅延を回避できる。
そして、この給紙中に印字要求を受信すると、要求処理部72はCR制御部76に印字指令を送る。印字指令を受信したCR制御部76は、その後、PF制御部77から印字許可通知があると、CRモーター26を駆動させて印字駆動を開始させる。この印字駆動中に吐出完了通知を受信した要求処理部72は、今回(初回)のパスの印字で消費したインク消費量を加算する。
一方、最終ページ印刷時は、図12(b)に示すように、要求処理部72は排紙要求を受信すると、印刷すべき次ページなしか否かを判断し、最終ページの印刷終了時なので、次ページなしと判断するので、排紙指令をPF制御部77に送る。この排紙指令の送信後、要求処理部72は書込許可条件(消費量条件)の成立可否判断を行い、当該条件が成立すれば、図12(b)に示すように、排紙動作と並行してCSIC書込みを行う。このため、例えば排紙要求受信後にプリンター11がホスト装置100から新しい印刷ジョブを受信した場合、前の印刷ジョブの最終ページの排紙動作終了後、直ちに次の印刷ジョブの1ページ目の給紙を開始できる。例えば排紙動作終了後に、書込許可条件(消費量条件)の成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行う構成にすると、排紙動作が終了しているにも関わらず、CSIC書込動作が終了するまで待機した後、次の印刷ジョブの1ページ目の給紙指令を行うことになり、この場合、次の印刷ジョブの印刷開始時期が遅延する。しかし、本実施形態ではCSIC書込みを排紙動作と並行して行うので、排紙操作終了後、直ちに次の印刷ジョブの印刷を開始できる。
図14は、CSIC書込み処理を説明するシーケンス図である。要求処理部72は、要求発行部71から排紙要求を受信すると、本給紙フラグが「1」であるか否かの判断、及び印刷すべき次ページの有無の判断を行う。この例では、本給紙フラグが「1」であるものとすると、要求処理部72は、排紙指令を行わず、その後の給紙要求受信時に給紙指令をPF制御部77に送る(この場合、既に本給紙開始済みのためASF制御部78への給紙指令は行わない)。給紙指令を受信したPF制御部77は、CR制御部76からの給紙開始許可通知(図示省略)を受信すると、PFモーター29を駆動させて給紙を開始し、給紙開始通知を要求処理部72に送る。なお、本給紙フラグが「1」の場合でも、後続用紙P2の先端が中間ローラー42のニップ点に到達していなければ、後続用紙P2の先端部がそのニップ点で把持されるまではASFモーター28も駆動される。
図14に示すように、要求処理部72は、PF制御部77から給紙開始通知を受け付けると、書込許可条件(消費量条件)の成立可否の判断を行う。要求処理部72はインク消費量の増分が一定量以上である(書込許可条件成立)と判断すれば、CSIC書込みを行う。このため、図14に示すように、要求処理部72は、PF制御部77がCPUの割込処理で行う給紙動作と並行してCSIC書込みを行う。
ここで、給紙動作は3段階で行われ、この最初の給紙指令(初期給紙指令)により後続用紙P2は搬送経路上の基準位置まで給送される。要求処理部72は初期給紙の完了通知を受け付けると、次にスキュー取り指令をPF制御部77に送る。スキュー取り指令を受信したPF制御部77は、PFモーター29を制御して搬送ローラー対31及び中間ローラー42にスキュー取り動作を行わせる。要求処理部72は、スキュー取り動作の完了通知を受け付けると、次にPF制御部77に頭出し指令を送る。その後、要求処理部72は、印字要求を受信すると、CR制御部76に印字指令を送る。印字指令を受信したCR制御部76は、PF制御部77から印字許可通知を受信すると、CRモーター26を駆動させてキャリッジ13を起動させ、印字駆動を開始する。
上記で説明した処理は、制御部60が印刷処理のために行う図10に示す印刷処理動作中の排紙処理(S50)と給紙処理(S10)で、図15に示す排紙処理ルーチンと、図16に示す給紙処理ルーチンをそれぞれ実行することにより行われる。まず排紙処理について図15に従って説明する。
まずステップS210では、印刷中に次ページの給紙開始済み(本給紙フラグ=1)であるか否かを判断する。次ページの給紙開始済み(本給紙フラグ=1)であれば、当該排紙処理ルーチンを終了する。この場合、その後、給紙要求受信時に、図16の給紙処理ルーチンに移行することになる。一方、次ページの給紙開始済みでなければ(本給紙フラグ=0であれば)、ステップS220に進んで、次ページの印字データなしであるか否かを判断する。次ページの印字データありの場合はステップS230に進んで、PF制御部77に給紙開始位置までの排紙指令を行う。この場合、要求処理部72は、先行用紙P1が給紙開始位置へ排紙される途中で、要求発行部71からの給紙要求を受け付けた時点で、図16の給紙処理ルーチンに移行する。一方、次ページの印字データなしの場合(つまり今回が最終ページの場合)は、ステップS240に進んで、要求処理部72はPF制御部77にスタッカーまでの排紙指令を送る。そして、この排紙指令送信後、次のステップS250において、要求処理部72は、前回のCSIC書込みからのインク消費量(つまり今回のインク消費量の増分)が一定量以上であるか否かを判断する。インク消費量が一定量以上であれば、ステップS260において、要求処理部72はCSIC91にインク消費量を書き込む。この結果、最終ページの排紙を行うときには、消費量条件さえ成立すれば、この排紙動作と並行してCSIC書込動作が行われる。
一方、排紙処理(図15)から給紙処理へ移行した場合、つまり、次ページの給紙のために給紙処理へ移行した場合は、図16に示す給紙処理のフローチャートに従って以下の処理が行われる。
まずステップS310では、PF制御部77に基準位置までの給紙指令を行う。この給紙指令の結果、PF制御部77がPFモーター29を駆動し、後続用紙P2は基準位置まで給送される。次のステップS320では、前回のCSIC書込みからのインク消費量が一定量以上である(消費量条件成立)か否かを判断する。インク消費量が一定量以上であれば、ステップS330において、CSIC91にインク消費量を書き込む。この結果、給紙動作と並行してCSIC書込動作が行われる。一方、インク消費量が一定量以上でなければステップS340に進む。ステップS340では、PF制御部77にスキュー取り動作を指令する(つまりスキュー取り指令を行う)。続いてステップS350で、PF制御部77に印字開始位置までの給紙を指令する(つまり頭出し指令を行う)。こうして排紙処理から給紙処理へ移行した場合、給紙動作と並行して書込許可条件成立可否判断(S320)及び当該条件成立時のCSIC書込み(S330)が行われる。なお、本実施形態では、ステップS220の処理が判断ステップに相当し、ステップS240、S260、S310及びS330の処理が書込ステップに相当する。また、本実施形態では、一連の給紙動作を行わせるために給紙指令を複数回(3回)に分けたが、1回の給紙指令で一連の給紙動作を行わせてもよい。
以上説明したように、第2実施形態では、排紙要求受信時に次ページの印字データの有無を判断し、次ページの印字データがあれば、書込許可条件成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行わず、その後の給紙要求受信時に給紙指令を行ってから、書込許可条件成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行う構成とした。例えば排紙要求を受信した時に、書込許可条件成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行う構成とした場合、排紙指令が行われなかった場合や、行われても短い排紙距離の排紙動作であった場合には、給紙指令をCSIC書込動作の終了まで待たなければならず、次ページの給紙動作開始時期の遅延が危惧される。しかし、この第2実施形態によれば、次ページがある場合は、給紙指令を行ってから、書込許可条件成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行うので、CSIC書込動作の終了を待つ待機時間の発生に起因する次ページの給紙動作開始時期の遅延を回避できる。従って、印刷中に適度な頻度でインク消費量のCSIC書込動作を行うことができ、しかもCSIC書込動作に起因する次ページの給紙動作開始時期の遅延を誘発しないので、印刷のスループットの低下も抑制できる。
さらに印刷すべき次ページのない最終ページの印刷終了時は、排紙要求受信時に書込許可条件成立可否判断及び当該条件成立時のCSIC書込みを行うので、次ページの給紙動作がない最終ページの印刷で消費した分をも含むインク消費量を不揮発性メモリー92に書き込むことができる。また、このときのCSIC書込動作を最終ページの排紙動作と並行して行うので、例えば次の印刷ジョブを受け付けていた場合、次の印刷ジョブの1ページ目の給紙を、前の印刷ジョブの最終ページの排紙終了後、直ちに行うことができる。よって、次の印刷ジョブの印刷開始時期を早め、印刷のスループットの向上を図ることができる。
実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)前記第1実施形態では、書込時期条件と消費量条件との二条件が共に成立したときに、CSIC書込みを行う構成としたが、書込時期条件のみ採用してもよい。また、第2実施形態において、消費量条件を廃止し、消費量の値に関わらず、印刷すべき次ページがある場合はCSIC書込動作を給紙動作と並行して行い、印刷すべき次ページがない場合はCSIC書込動作を排紙動作と並行して行う構成としてもよい。
(変形例2)消費量取得手段は、インクのドット数から消費量を演算する消費量演算手段に限定されない。センサーにより消費量を検出する消費量検出手段であってもよい。例えばインクカートリッジに消費量検出用のセンサー(例えば液量検出用センサー)が設けられ、センサーの検出値又は検出値から算出される消費量を、記録装置本体に着脱可能に取り付けられるインクカートリッジ等の装着体側ではなく、記録装置本体側に設けられた不揮発性の記憶手段(不揮発性メモリー)に書き込む構成でもよい。
(変形例3)前記第1実施形態では、判断部85(判断手段)による判断を、吐出開始通知を受け付けた印字動作開始後に行ったが、印字動作開始前に行ってもよい。例えば印字許可通知があったときに判断を行い、この判断後に印字指令を行ってもよいし、印字要求受信時に判断を行ってもよい。これらの場合、判断の結果、書込許可条件成立の場合には、印字指令を行ってから、あるいは印字開始通知を待って、CSIC書込みを行うようにすればよい。さらには、次パスの印字の有無を判断可能なタイミングであり、かつ判断後の印字動作中に必要なCSIC書込所要時間を確保可能な適宜な時期に判断を行えばよい。
(変形例4)前記第2実施形態では、判断部85(判断手段)による判断を排紙要求受信時に行ったが、印刷すべき次ページの有無を判断できる限りにおいて、これより早い時期に判断を行ってもよい。さらには、印刷すべき次ページの有無を判断可能なタイミングであり、かつ排紙指令よりも前のタイミングであれば、判断の実施時期は適宜設定してよい。
(変形例5)記録に用いる消費材としての記録材は、インクに限定されない。トナー、インクリボンなどの記録材でもよい。さらに、消費材は、インク等の記録材に限定されず、用紙などの媒体(記録媒体)でもよい。この場合、用紙などの媒体の消費量(残量を含む)を、記憶手段としての不揮発性メモリーに書き込む構成とする。特に、媒体を収容するカセットなどの収容部に残量検出用センサーがなく、ユーザーが操作部で入力した初期枚数を取得し、印刷枚数(消費枚数)を計数して媒体消費量(媒体残量を含む)を取得する消費量取得手段を備えた記録装置で有効である。なお、媒体としては、用紙以外に、OHP、フィルム、ホイル、布、光ディスク、磁気ディスク、基板などを挙げることができる。
(変形例6)消費量は、消費材の消費の進度を表す量であれば足りる。例えば消費材がインク等の記録材の場合、消費量は、記録材の使用量(例えばインク消費量)に限定されず、記録材の残量(例えばインク残量)でも構わない。また、消費材が、用紙等の媒体である場合、媒体の消費量は、使用枚数に限定されず、残り枚数でも構わない。さらに消費の進度を表す消費量の単位は任意に設定できる。例えばインクの場合に体積、用紙の場合に重さでもよく、さらには消費材の消費の割合を示すパーセント(%)などの単位であってもよい。
(変形例7)前記第2実施形態では、印刷すべき次ページがない場合、排出動作と並行して書込動作を行ったが、排紙動作の終了を待って書込動作を行ってもよい。
(変形例8)先行媒体の印刷中に後続媒体の給送を必要な間隔を保ちつつ行う先行給送を行う記録装置への適用に限定されない。例えば特許文献1に記載されたように、先行給送は行わないものの、先行媒体の排出動作と後続媒体の給送動作とを並行して行う記録装置に適用してもよい。このような記録装置に適用した場合も、次ページの給送開始時期が消費量書込動作に起因して遅延する事態を回避できる。
(変形例9)記録装置は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンターでもよい。例えば第2実施形態の構成をラインプリンターに適用してもよい。すなわち、次ページの印字データがあれば、次ページ(後続媒体)の給送動作と並行して書込動作を行い、次ページの印字データがなければ、今回ページ(先行媒体)の排出動作と並行して書込動作を行う。
(変形例10)記録装置の記録方式はインクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や熱転写方式、レーザー方式なども採用できる。なお、インクジェット式の記録装置には、液体材料を基板上に噴射してカラーフィルタや有機ELディスプレイ等を形成する工業用の液体噴射装置や、インクジェット式の捺染印刷機なども含まれる。
11…記録装置(シリアル式の記録装置)としてのプリンター、12…本体、13…記録手段を構成するキャリッジ、14…移動手段を構成するガイド軸、16…給紙カセット、18…インクカートリッジ、20…記録手段としての記録ヘッド、25…移動手段を構成するタイミングベルト、26…移動手段を構成するCRモーター、27…自動給紙装置、28…給送手段を構成するASFモーター、29…搬送手段を構成するPFモーター、31…搬送手段を構成する搬送ローラー対、32…搬送手段を構成する排紙ローラー対、34…メンテナンス装置、40…給送手段としてのフロント給送装置、41…給送手段を構成するピックアップローラー、42…搬送手段を構成する中間ローラー、43…給送手段を構成するリタードローラー、44…搬送手段を構成するアシストローラー、47…後端センサー、48…先端センサー、50…コントローラー、55…サブモーター、60…制御手段としての制御部、61…ヘッドドライバー、62〜65…モータードライバー、71…制御手段及びコンピューターを構成するとともに要求手段としての要求発行部、71A…コマンド解析部、72…制御手段及びコンピューターを構成するとともに指令手段及び指令部としての要求処理部、73…イメージバッファー、74…RAM、75…制御手段、駆動制御部及びコンピューターを構成するヘッド制御部、76…制御手段、駆動制御部及びコンピューターを構成するCR制御部、77…制御手段、駆動制御部及びコンピューターを構成するPF制御部、78…制御手段、駆動制御部及びコンピューターを構成するASF制御部、79…制御手段、駆動制御部及びコンピューターを構成するとともに駆動制御部としてのメカ制御部、81…指令手段を構成する印字指令部、82…指令手段を構成する搬送指令部、83…クリーニング指令部、84…消費量取得手段としてのインク消費量演算部、85…判断手段としての判断部、86…書込手段としてのCSIC書込部、91…CSIC、92…記憶手段としての不揮発性メモリー、93,94…端子、100…ホスト装置、105…プリンタードライバー、P…媒体としての用紙、P1…媒体及び先行媒体としての先行用紙、P2…媒体及び後続媒体としての後続用紙。

Claims (10)

  1. 媒体に記録を施す記録装置であって、
    媒体を給送するための給送手段と、
    給送された媒体に記録を施す記録動作を行う記録手段と、
    給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段と、
    記録に用いる消費材の消費量を取得する消費量取得手段と、
    前記消費量を記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段への前記消費量の書込動作を行う書込手段と、
    前記給送手段、前記記録手段、前記搬送手段及び前記書込手段を制御する制御手段と、
    今回の記録のための動作を行う際に次回の記録のための動作の有無を判断する判断手段とを備え、
    前記制御手段は、前記判断手段が次回の記録のための動作が無いと判断すれば、前記書込手段に今回の記録のための動作と並行して前記消費量の書込動作を行わせ、一方、前記判断手段が次回の記録のための動作が有ると判断すれば、前記書込手段に今回の記録のための動作と並行する前記消費量の書込動作は行わせないことを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録装置は、前記記録手段を媒体搬送方向と交差する方向に移動させるとともに前記制御手段により制御される移動手段をさらに備え、前記記録手段の移動を伴う記録動作と前記搬送手段の搬送動作とを略交互に行って媒体に記録を施すシリアル式の記録装置であって、
    前記制御手段は、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御するように構成され、
    前記記録のための動作は、前記記録手段が行う一行分の記録動作であり、
    前記判断手段は、今回の行の記録動作を行う際に次行の記録動作の有無を判断し、
    前記制御手段は、次行の記録動作が無ければ、今回の行の記録動作中に前記書込手段に前記書込動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御するように構成され、
    前記記録のための動作は、ページ単位で媒体を搬送する搬送動作であり、
    前記判断手段は、今回ページの媒体の排出動作を行う際に、記録を行うべき次ページの有無を判断し、
    前記制御手段は、記録を行うべき次ページが有れば、次ページの媒体の給送動作と並行して前記書込手段に前記消費量の書込動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を含む駆動系を制御する駆動制御部と、記録のための要求を行う要求手段と、前記要求手段からの要求に応じた指令を前記駆動制御部に対して行う指令手段とを備え、前記判断手段及び前記書込手段は前記指令手段に含まれており、
    前記指令手段は、前記要求手段から今回の行の記録動作の要求を受け付けると、前記判断手段により次行の記録動作の有無を判断し、前記判断手段が次行の記録動作なしと判断すれば、前記駆動制御部に今回の行の記録動作の指令を行ってから、前記駆動制御部が行う今回の行の記録動作と並行して、前記書込手段による前記消費量の書込動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を含む駆動系を制御する駆動制御部と、記録のための要求を行う要求手段と、前記要求手段からの要求に応じた指令を前記駆動制御部に対して行う指令手段とを備え、前記判断手段及び前記書込手段は前記指令手段に含まれており、
    前記指令手段は、前記要求手段から媒体を排出させる排出要求を受け付けると、前記判断手段により次ページの有無を判断し、次ページがあると判断すれば、前記駆動制御部に次ページの給送動作の指令を行ってから、当該駆動制御部が行う次ページの給送動作と並行して前記書込手段による前記消費量の書込動作を行い、一方、次ページがないと判断すれば、前記駆動制御部に今回のページの排出動作の指令を行ってから、当該駆動制御部が行う今回のページの排出動作と並行して又は排出動作終了後に前記書込手段による前記消費量の書込動作を行うことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  6. 前記指令手段は、前記判断手段が次ページがないと判断した場合、前記駆動制御部に排出動作の指令を行ってから、当該駆動制御部による今回のページの排出動作と並行して前記書込手段により前記消費量の書込動作を行うことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記判断手段は、前記消費量取得手段が取得した今回の消費量と前回の消費量との差が規定量以上であるか否かも判断し、
    前記書込手段は、前記前回と今回の消費量の差が規定量以上である条件も満たした場合に、前記記憶手段への今回の消費量の書込動作を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 媒体に記録を施す記録装置において消費量取得手段により取得された記録に用いる消費材の消費量を記憶手段に書き込む記録装置における消費量書き込み方法であって、
    前記記録装置には、媒体を給送するための給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段と、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を制御するとともに、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御する制御手段とが備えられ、
    今回の記録のための動作を行う際に次回の記録のための動作の有無を判断する判断ステップと、
    前記判断ステップで次回の記録のための動作が無いと判断すれば、今回の記録のための動作と並行して前記記憶手段への前記消費量の書込動作を行い、一方、次回の記録のための動作が有ると判断すれば、今回の記録のための動作と並行する前記消費量の書込動作は行わない書込ステップと、
    を備えたことを特徴とする記録装置における消費量書き込み方法。
  9. 媒体に記録を施す記録装置に備えられたコンピューターが、消費量取得手段により取得された記録に用いる消費材の消費量を記憶手段に書き込むためのプログラムであって、
    前記記録装置には、媒体を給送する給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段とが備えられ、
    コンピューターは要求発行部、指令部及び駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を制御し、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御する構成であり、
    コンピューターの指令部が、前記要求発行部から今回の行の記録要求を受け付けると、前記駆動制御部へ記録指令を行う記録指令ステップと、
    コンピューターの指令部が、前記要求発行部からの前記記録要求又は前記指令部からの今回の行の記録を開始した旨の記録開始通知を受け付けると、次行の記録動作の有無を判断する判断ステップと、
    コンピューターの指令部が、次行の記録動作が無ければ、前記指令部からの前記記録開始通知を受け付けた後、前記駆動制御部により行われる今回の行の記録動作と並行して、前記消費量取得手段が取得した消費量の前記記憶手段への書込動作を行い、一方、次行の記録動作が有れば、前記駆動制御部により行われる今回の行の記録動作中での前記書込動作は行わない書込ステップと
    を備えたことを特徴とするプログラム。
  10. 媒体に記録を施す記録装置に備えられたコンピューターが、消費量取得手段により取得された記録に用いる消費材の消費量を記憶手段に書き込むためのプログラムであって、
    前記記録装置には、媒体を給送する給送手段と、給送された媒体に記録を施す記録手段と、給送された媒体の搬送と記録が施された媒体の排出とを行う搬送手段とが備えられ、
    コンピューターは要求発行部、指令部及び駆動制御部を備え、前記駆動制御部は、前記給送手段、前記記録手段及び前記搬送手段を制御し、先に給送された媒体である先行媒体の排出動作と、後から給送されるべき媒体である後続媒体の給送動作とを並行して行うように前記搬送手段及び前記給送手段を制御する構成であり、
    コンピューターの指令部が、前記要求発行部からの今回のページの排出要求を受け付けると、記録を行うべき次ページの有無を判断する判断ステップと、
    コンピューターの指令部が、記録を行うべき次ページが有れば、前記排出要求の後に前記要求発行部から給送要求を受け付けると、前記駆動制御部に次ページの給送指令を行い、当該給送指令を行った後に、当該駆動制御部が前記給送指令を受け付けたことにより行う次ページの給送動作と並行して、前記消費量取得手段が取得した消費量の前記記憶手段への書込動作を行い、一方、記録を行うべき次ページが無ければ、前記駆動制御部に今回のページの排出指令を行ってから、当該駆動制御部が前記排出指令を受け付けたことにより行う今回のページの排出動作と並行して前記消費量の前記記憶手段への書込動作を行う書込ステップと
    を備えたことを特徴とするプログラム。
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