JP2010240893A - 記録装置及び記録装置における搬送制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体の終端が所定位置を過ぎて検出手段が媒体無しを検出した場合は正常な動作でも、検出手段が穴を媒体無しと検出した場合には誤動作となる当該誤動作の状態を、適切に解消することができる記録装置及び記録装置における搬送制御方法を提供する。
【解決手段】紙検出センサー38が用紙Pの穴37を検出した場合、オーバーライドカウンター(ORカウンター73)の減算処理の実施が保留され、その保留の間、保留カウンター74が搬送量を計数する。保留カウンター74の計数値が想定最大穴径以上の規定距離に相当する値Rnに達する前に、紙検出センサー38が紙有りに切り換わると、ORカウンター73の減算処理の実施はキャンセルされる。一方、紙検出センサー38が途中で紙有りに切り換わることなく、保留カウンター74の計数値が値Rnに達すると、ORカウンター73の減算処理の実施が許可される。
【選択図】図7
【解決手段】紙検出センサー38が用紙Pの穴37を検出した場合、オーバーライドカウンター(ORカウンター73)の減算処理の実施が保留され、その保留の間、保留カウンター74が搬送量を計数する。保留カウンター74の計数値が想定最大穴径以上の規定距離に相当する値Rnに達する前に、紙検出センサー38が紙有りに切り換わると、ORカウンター73の減算処理の実施はキャンセルされる。一方、紙検出センサー38が途中で紙有りに切り換わることなく、保留カウンター74の計数値が値Rnに達すると、ORカウンター73の減算処理の実施が許可される。
【選択図】図7
Description
本発明は、穴あきの媒体であっても媒体の終端を穴と区別して検出することが可能な記録装置及び記録装置における搬送制御方法に関する。
例えば特許文献1には、穴あき用紙の穴(ファイリング用の穴)を用紙検出センサーが間違わずに用紙の終端を検出できるプリンターが開示されている。このプリンターは、用紙の搬送経路上の所定位置を用紙が覆っているか否かを検出するためのセンサーを(検出手段)有する。そして、このセンサーによって用紙無しが検出されてから、用紙が、用紙に設けられる場合のある穴の直径以上の距離である規定距離だけ搬送されるまでの間、このセンサーによって用紙無しが検出され続けたときに、用紙の終端が、所定位置から所定方向に規定距離だけ離れた位置(印刷可能な限界位置)に達していると認識し、必要である場合には、印刷を中止する構成となっていた。ここで、穴の直径以上の規定距離は、センサー下に用紙下端(用紙終端)が位置した後に印刷が可能な最大長さ(つまりセンサーに検知された用紙終端が印刷制御処理を中止すべき位置(印刷可能な限界位置)に到達するまでの距離(所謂オーバーライド量))に設定されていた。この結果、穴あき用紙を用いても、穴を用紙の終端と誤判定してインクをプラテンに吐出する事態を防止できるようになっていた。
また、特許文献2には、プリンター装置の電源投入時又はリセット時に、光センサー(検出手段)により所定位置での印刷用紙(媒体)の有無を検出し、印刷用紙がないと判断した場合には、当該用紙を、綴穴の直径Dにα(>0)を加えた大きさの所定距離だけ移動させ、移動後の印刷用紙に対して所定位置で再び印刷用紙がないと判断した場合には用紙端であることを示す用紙端信号を出力するようになっていた。そして、プリンター装置の電源投入時又はリセット時に、光センサーが綴穴を検出して印刷用紙がないと判断した場合でも、所定距離(D+α)移動させた後に印刷用紙が存在すると判断されれば、綴穴を検出していただけで用紙が存在することが分かり、その場合、印刷用紙を元の位置へ所定距離(D+α)だけ戻すようになっていた。
ところで、特許文献1の技術によれば、センサーが紙無しを検出すると、計測手段が計測を開始し、穴であれば、その後、紙有りが検出されるため、印刷制御処理を中止することはない。その後、再び紙無しが検出されたときに計測手段の計測を開始するが、それまでは、先に開始した計測手段の計測が停止されることなく継続されていた。例えば穴間隔の比較的広い用紙の場合、その広い穴間隔に相当する比較的長い距離を搬送する間、計測手段の計測が継続されることになっていた。
例えば、用紙の終端(下端)を検知したときの用紙位置からの搬送距離を計測する計測手段の計測値に基づき搬送制御の切り換えが行われるプリンターでは、穴を検知して開始された計測手段の計測が搬送制御の切り換え位置に到達するまで継続されてしまう場合が起こり得た。この場合、センサーが用紙の穴を検出したにも関わらず、搬送制御の切り換えが行われてしまい、搬送制御上の誤動作が発生する恐れがあった。
また、用紙を排紙する場合、スタッカーまで排紙可能な距離分の排紙動作の後、検出手段(センサー)の検出状態が用紙無しであれば、用紙が正しく排出されたものと判断し、一方、用紙有りであれば、用紙が残っていると判断して、センサーの検出状態が用紙無しになるまで、所定量の排紙動作を繰り返して、用紙を確実に排紙する方法が考えられる。
特許文献2に記載されたプリンター装置では、電源投入時やリセット時に、用紙の有無を正確に判断できる。しかし、設定サイズより長い用紙がセットされていた場合、用紙の排紙動作後、光センサーがたまたま綴穴を検知していた場合には、実際には用紙が残っているものの、排紙されたと誤判定されてしまう恐れがあった。例えば設定サイズから把握される排紙に必要な排紙量だけ用紙を搬送する排紙動作は、用紙の終端が所定位置を過ぎているときの紙無しにより行われた場合は正常な動作であっても、穴を検出した紙無しにより行われた場合は、スタッカーまで排紙し切れない誤動作となる。このように誤動作となる排紙動作が行われた場合、用紙は例えば排紙ローラーにニップされた状態にあり、この場合、ユーザーが用紙を無理に引き抜いて用紙を破る原因ともなる。
このように、紙無しの検出が用紙の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常動作であっても、穴を検出して行った場合は誤動作となるこのような誤動作(例えば穴を検出して計測処理を開始してしまった計測手段の誤動作や、実際の用紙サイズに合っていない間違った排紙距離で排紙動作を行ってしまった誤動作)の状態を、適切に解消することができなかったという問題があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、媒体の終端が所定位置を過ぎて検出手段が媒体無しを検出した場合は正常な動作でも、検出手段が穴を媒体無しと検出した場合には誤動作となる当該誤動作の状態を、適切に解消することができる記録装置及び記録装置における搬送制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、媒体に記録を施す記録装置であって、媒体を搬送する搬送手段と、搬送された媒体に記録を施す記録手段と、前記搬送手段及び前記記録手段を制御する制御手段と、搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出する検出手段とを備え、前記制御手段は、前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出してから、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送を終えるまでの途中で前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、前記規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えた場合は前記所定処理を行わず、前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送と、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出したときに行うべき前記所定処理とを、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返すことを要旨とする。
この発明によれば、媒体の搬送中又は搬送後に、検出手段が媒体無しを検出してから、媒体が備える場合がある穴(例えばファイリング用の穴など)の穴径以上の値に設定された規定距離を媒体がさらに搬送されるまでの途中で、検出手段が媒体有りを検出すると、媒体無しの検出に基づき行った動作が、紙無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となるこの誤動作の状態を解消するための所定処理が行われる。一方、規定距離の搬送の途中で検出手段が媒体有りを検出することなく終えた場合は所定処理が行われない。そして、所定処理が行われた場合は、その後の媒体の搬送中又は搬送後に、検出手段が媒体無しを検出する度に、規定距離の搬送と、当該規定距離の搬送の途中で検出手段が媒体有りを検出したときに行うべき所定処理とを、当該規定距離の搬送を途中で検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返される。よって、媒体の終端が所定位置を過ぎて検出手段が媒体無しを検出した場合は正常な動作でも、検出手段が穴を媒体無しと検出した場合には誤動作となる当該誤動作の状態を、適切に解消することができる。
本発明の記録装置では、前記検出手段は、前記記録手段の記録位置より搬送方向上流側の所定位置で媒体の有無を検出する構成であり、前記制御手段は、前記媒体の終端が前記所定位置を通過してから、前記記録手段による記録が可能な記録限界位置に到達するまでの第2規定距離を計測するための計測処理を行う計測手段を備え、前記規定距離は前記第2規定距離未満の値に設定されており、前記検出手段が媒体無しを検出すると、前記計測手段の計測処理の実施を一時保留し、前記媒体無しを検出してから前記規定距離の搬送を終えるまでの途中で、前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記所定処理として、前記保留していた前記計測手段の計測処理の実施をキャンセルするキャンセル処理を行い、一方、前記検出手段が媒体有りを検出することなく前記規定距離の搬送を終えた場合は、保留していた前記計測手段の計測処理を保留分の搬送量を反映させた値から許可することが好ましい。
この発明によれば、検出手段が媒体無しを検出すると、計測手段の計測処理の実施が一時保留され、媒体無し検出時から規定距離の搬送を終えるまでの途中で、検出手段が媒体有りを検出すると、保留されていた計測手段の計測処理の実施がキャンセルされる。一方、検出手段が媒体有りを検出することなく規定距離の搬送を終えると、保留されていた計測手段の計測処理が、保留分の搬送量を反映させた値から許可される。その結果、計測手段は、保留の解除により実施が許可された時点から、所定位置から記録限界位置までの第2規定距離の計測を、保留分の搬送量を反映させた値から開始する。よって、検出手段が穴を検出した媒体無しの場合は、計測手段の計測処理は保留されて開始されず、その後、穴径分の距離を搬送し終わる前に検出手段が媒体有りを検出した時点で、保留されていた計測処理が実施されることなくキャンセルされる。従って、計測手段による計測処理が実施されたことに起因する例えば記録装置の誤動作などを一層確実に回避できる。一方、検出手段が媒体の終端が所定位置を過ぎたために媒体無しと検出した際に保留した計測手段の計測処理は、規定距離(<第2規定距離)の搬送を終えた時点で、保留分の搬送量(規定距離)を反映した値から開始されるので、制御手段は、媒体の終端が記録限界位置に達したことを計測手段の計測値から把握することができる。なお、規定距離は、穴径又は穴径に少しのマージンを加えた値以上であれば最低足りるので、規定距離として、第2規定距離に比べかなり短い距離を設定可能である。
本発明の記録装置では、前記計測手段が前記第2規定距離を計測し終わると、前記制御手段は、前記記録手段及び前記搬送手段を制御して、前記記録手段による記録動作を強制終了させたうえで、前記搬送手段により前記媒体を排出させることが好ましい。
この発明によれば、計測手段が第2規定距離を計測し終わると、制御手段は、記録手段による記録動作を強制終了させるとともに、搬送手段を制御して媒体を排出させる。よって、検出手段が穴を媒体無しと検出して保留した計測処理の実施を、その後、検出手段が、穴径分の距離を搬送し終わる前に媒体有りを検出した時点で早めにキャンセルできる。しかも検出手段が媒体の終端が所定位置を過ぎたために媒体無しと検出した際に保留した計測手段の計測処理は、規定距離(<第2規定距離)の搬送を終えた時点で、保留分の搬送量(規定距離)を反映した値から開始できる。よって、媒体の終端が記録限界位置に達したときには、記録手段の記録動作を強制終了させて、媒体以外の部分(例えばプラテン等)に記録が施される不具合を回避できる。
本発明の記録装置では、前記搬送手段は、前記記録手段を挟んだ搬送経路上の上流側位置と下流側位置のそれぞれに搬送ローラー対を備え、前記規定距離を、前記所定位置から前記上流側の搬送ローラー対までの搬送経路上の距離よりも小さな値に設定する設定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記計測手段の計測値に基づき、前記上流側及び下流側の両搬送ローラー対によって搬送される第1区間に媒体があると判断した場合に前記搬送手段を第1搬送制御で制御し、前記両搬送ローラー対のうち下流側の搬送ローラー対のみによって搬送される第2区間に媒体があると判断した場合に前記搬送手段を前記第1搬送制御と異なる第2搬送制御で制御することが好ましい。
この発明によれば、規定距離は、設定手段により、検出手段が検出を行う所定位置から上流側の搬送ローラー対までの搬送経路上の距離(以下、第1距離という)よりも小さな値に設定される。このため、検出手段が穴を媒体無しと検出したときには、その後、穴径分の距離の搬送を終えるまでに検出手段が媒体有りを検出した時点で、保留中の計測処理の実施が早期にキャンセルされる。また、規定距離が、所定位置から上流側の搬送ローラー対までの搬送経路上の距離よりも小さな値に設定されているので、媒体の終端が所定位置を過ぎて媒体無しを検出した場合は、媒体が第1区間から第2区間への切り換わり位置に到達する前に保留が解除され、計測手段の計測処理が保留分の搬送量を反映した値から開始される。このため、制御手段は、計測手段の計測値から、媒体が第1区間から第2区間への切り換わり位置に到達したことを把握することができ、第1搬送制御から第2搬送制御へ切り換えを正しく行うことができる。このため、媒体が両搬送ローラー対によって搬送される場合と、両搬送ローラー対のうち下流側の搬送ローラー対のみよって搬送される場合とで、記録位置のずれが起きにくくなる。
本発明の記録装置では、媒体が積重状態にセットされる媒体載置部と、前記媒体載置部から媒体を給送する給送手段と、前記媒体載置部から先に給送された先行媒体が前記媒体載置部上の後続媒体との間隔が規定量以上となる位置まで搬送されたことを検出する間隔検出手段とを有し、前記制御手段は、前記間隔が前記規定量以上確保されたことが検出されると、前記先行媒体の搬送と並行して前記後続媒体の給送を行うように前記搬送手段と前記給送手段とを制御する構成であり、前記間隔を前記規定距離よりも大きな値に設定する第2設定手段をさらに備えていることが好ましい。
この発明によれば、先行媒体が、媒体載置部上の後続媒体との間隔が規定量以上となる位置まで搬送されたことを間隔検出手段が検出すると、制御手段は、搬送手段及び給送手段に、先行媒体の搬送と並行して後続媒体の給送を行わせる。この結果、先行媒体の記録中に、その先行媒体と規定量以上の間隔を保ちつつ後続媒体の給送が進められる。よって、先行媒体への記録が終わってから、後続媒体への記録開始までの所要時間が短く済み、記録のスループット向上に寄与する。このとき、規定量以上の間隔は、第2設定手段により、規定距離(≧穴径)よりも大きな値(つまり間隔の最小値である規定量>規定距離)に設定される。このため、穴を媒体無しと検出した場合は、規定距離の搬送途中で媒体有りが検出されることで保留中の計測処理がキャンセルされ、間隔(つまり媒体の終端)を媒体無しと検出した場合は、媒体有りが検出されることなく規定距離の搬送を終えることで保留中の計測処理が実施される。よって、間隔と穴とを区別して、保留中の計測処理のキャンセルと実施とを適切に選択できる。
本発明の記録装置では、媒体の排出に必要な排出距離を取得する排出距離取得手段をさらに備え、前記制御手段は、前記搬送手段による前記媒体の排出動作中に前記排出距離に達したとき又は前記排出距離の排出動作終了後に、前記検出手段が媒体無しを検出すると、前記規定距離の搬送をさらに行わせ、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記排出動作が、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための前記所定処理として所定距離の排出動作を行い、一方、前記検出手段が媒体有りを検出することなく前記規定距離の搬送を終えた場合は前記所定距離の排出動作を行わず、前記所定距離の排出動作を行った場合は、当該所定距離の排出動作を終了したときに、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送と、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出したときに行うべき前記所定距離の排出動作とを、当該規定距離の搬送を前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返すことが好ましい。
この発明によれば、制御手段は、媒体の排出に必要な排出距離を取得する排出距離取得手段をさらに備え、媒体を排出するときには媒体長と媒体位置とに基づき媒体の排出に必要な排出距離長を求める。制御手段は、媒体の排出動作中に排出距離に達したとき又は排出距離の排出動作終了後に、検出手段が媒体無しを検出すると、規定距離の搬送をさらに行い、この搬送の途中で検出手段が媒体有りを検出すると、前記排出距離で規定された排出動作が誤動作であってその誤動作の状態を解消すべく、制御手段は、所定処理として排出動作を行う。そして、当該排出動作中に所定距離に達したとき又は前記所定距離の排出動作終了後に、検出手段が媒体無しを検出する度に、媒体の規定距離の搬送と、当該規定距離の搬送途中で検出手段が媒体有りを検出したときに行うべき排出動作とを、検出手段が媒体有りを検出することなく当該規定距離の搬送を終えるまで繰り返す。一方、媒体の最初の規定距離の搬送を検出手段が媒体有りを検出することなく終えた場合は、排出距離で規定された排出動作が正常な動作であったことになり、この場合、所定距離の排出動作は行われない。従って、検出手段が穴を媒体無しと検出した場合は、最初の排出動作に加えさらに所定距離の排出動作が媒体無しを検出するまで繰り返し行われることで、媒体を確実に排出させることができる。一方、媒体の終端が所定位置を過ぎた場合の媒体無し検出時は、その正常な排出動作の後に無駄に所定距離の排出動作が行われることはない。
本発明の記録装置では、媒体に記録を施す記録装置であって、媒体を搬送する搬送手段と、搬送された媒体に記録を施す記録手段と、前記搬送手段及び前記記録手段を制御する制御手段と、搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出する検出手段とを備え、前記制御手段は、前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出すると、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送をさらに行わせ、当該規定距離の搬送後、前記検出手段の検出結果に基づき媒体の有無を判断し、媒体有りであれば、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、媒体無しであれば前記所定処理を行わず、前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送、当該搬送後の媒体の有無の判断、及び当該判断の結果が媒体有りのときに行うべき前記所定処理を、前記判断の結果が媒体無しとなるまで繰り返すことを要旨とする。
この発明によれば、媒体の搬送中又は搬送後に、検出手段が媒体無しを検出してから、規定距離(≧穴径)の搬送がさらに行われ、この搬送後、制御手段は、検出手段の検出結果に基づき媒体の有無を判断する。そして、媒体有りであれば、前記媒体無しの検出に基づき行った誤動作の状態を解消するための所定処理が行われる。一方、媒体無しであれば所定処理は行われない。そして、所定動作が行われた場合は、その後の媒体の搬送中又は搬送後に、検出手段が媒体無しを検出する度に、規定距離の搬送、当該搬送後の媒体の有無の判断、及び当該判断の結果が媒体有りのときに行うべき所定処理を、当該判断の結果が媒体無しとなるまで繰り返される。よって、媒体の終端が所定位置を過ぎて検出手段が媒体無しを検出した場合は正常な動作でも、検出手段が穴を検出した場合には誤動作となる当該誤動作の状態を、適切に解消することができる。
本発明は、搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出可能な検出手段を備えた記録装置における搬送制御方法であって、前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出してから、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送をさらに行う第1ステップと、前記規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、前記規定距離の搬送をその途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えた場合は前記所定処理を行わない第2ステップとを備え、前記第2ステップで前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記第1ステップと、前記第2ステップとを、前記第2ステップにおいて前記規定距離の搬送を途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返すことを要旨とする。この発明によれば、前記記録装置の発明と同様の効果を得ることができる。
本発明は、搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出可能な検出手段を備えた記録装置における搬送制御方法であって、前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出すると、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送をさらに行わせる搬送ステップと、前記規定距離の搬送の後、前記検出手段の検出結果に基づいて媒体の有無を判断する判断ステップと、前記判断ステップでの判断結果が媒体有りであれば、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、媒体無しであれば、前記所定処理を行わない第3ステップと、前記第3ステップで前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送、当該搬送後の媒体の有無の判断、及び当該判断の結果が媒体有りのときに行うべき前記所定処理を、前記判断の結果が媒体無しとなるまで繰り返すことを要旨とする。この発明によれば、前記記録装置の発明と同様の効果を得ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の記録装置を、インクジェット式プリンターに具体化した第1実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1は、外装ケースを取り外した状態のインクジェット式プリンターの斜視図を示す。図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター11」と称す)は、上側が開口する略四角箱状の本体ケース12を備え、この本体ケース12内に架設されたガイド軸13にはキャリッジ14が主走査方向(図1におけるX方向)に案内されて往復動可能な状態で設けられている。キャリッジ14が背面側で固定された無端状のタイミングベルト15は、本体ケース12の背板内面上に配設された一対のプーリー16,17に巻き掛けられ、一方のプーリー16に駆動軸が連結されているキャリッジモーター(以下、「CRモーター18」という)が正逆転駆動されることにより、キャリッジ14は主走査方向Xに往復動する構成となっている。
以下、本発明の記録装置を、インクジェット式プリンターに具体化した第1実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1は、外装ケースを取り外した状態のインクジェット式プリンターの斜視図を示す。図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター11」と称す)は、上側が開口する略四角箱状の本体ケース12を備え、この本体ケース12内に架設されたガイド軸13にはキャリッジ14が主走査方向(図1におけるX方向)に案内されて往復動可能な状態で設けられている。キャリッジ14が背面側で固定された無端状のタイミングベルト15は、本体ケース12の背板内面上に配設された一対のプーリー16,17に巻き掛けられ、一方のプーリー16に駆動軸が連結されているキャリッジモーター(以下、「CRモーター18」という)が正逆転駆動されることにより、キャリッジ14は主走査方向Xに往復動する構成となっている。
キャリッジ14の下部には、インクを噴射する記録ヘッド19(記録手段)が設けられ、さらに本体ケース12内において記録ヘッド19と対向する下方位置には、記録ヘッド19と用紙P(媒体)との間隔を規定するプラテン20がX方向に延びる状態で配置されている。また、キャリッジ14の上部には、ブラック用及びカラー用の各インクカートリッジ21,22が着脱可能に装填されている。記録ヘッド19は、各インクカートリッジ21,22から供給された各色のインクを、色ごとのノズルから噴射(吐出)するようになっている。
プリンター11の背面側には、給紙トレイ23と、給紙トレイ23上に積重された多数枚の用紙Pのうち最上位の1枚のみを分離して副走査方向Y下流側へ供給する自動給紙装置24(Auto Sheet Feeder)とが設けられている。自動給紙装置24は、給紙トレイ23上の多数枚の用紙Pを積載した状態で傾動可能に設けられたホッパー25を有している。
給紙トレイ23は、用紙Pを紙幅方向(図1におけるX方向)に位置決め可能なエッジガイド26及び用紙サポート23aを有している。エッジガイド26は固定ガイド26aと可動ガイド26bとの一対よりなり、可動ガイド26bをX方向にスライド移動させることにより、用紙Pは固定ガイド26a側を位置基準として紙幅方向(X方向)に位置決めされる。
また、本体ケース12の図1における右側下部には紙送りモーター(以下、「PFモーター27」という)が配設され、このPFモーター27が駆動されることにより、紙送りローラー対35及び排紙ローラー対36(図2参照)が回転駆動され、用紙Pは副走査方向Yに搬送される。そして、キャリッジ14を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド19のノズルから用紙Pに向けてインクを噴射する印字動作と、用紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する紙送り動作とを略交互に繰り返すことで、用紙Pに印刷データに基づく文字や画像等の印刷が施される。
また、プリンター11には、キャリッジ14の移動距離に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダー28がガイド軸13に沿って延びるように架設されており、リニアエンコーダー28の出力パルスを用いて求められるキャリッジ14の移動位置、移動方向及び移動速度に基づいて、キャリッジ14の速度制御及び位置制御は行われる。なお、プリンター11においてホームポジション(キャリッジ移動経路上の一端位置(図1における右端位置))に位置した際のキャリッジ14の直下には、記録ヘッド19のノズル目詰まり等を予防・解消するためのクリーニング等を行うメンテナンス装置29が配設されている。また、プラテン20の下側には、メンテナンス装置29が記録ヘッド19のノズルから吸引したインクが廃棄される廃液タンク30が設けられている。
図2は自動給紙装置及び搬送装置の模式側面図を示す。図2に示すように、本体背面部に斜状に配置された給紙トレイ23の上面側には、ホッパー25がその上端部の軸25aを中心とする所定角度範囲内で傾動可能かつ圧縮バネ31によって給紙トレイ23から離間する方向(図2における左上方向)に付勢された状態で支持されている。ホッパー25の下端付近には、回転軸33を中心に回転可能な給紙ローラー32と、給紙ローラー32と対向する位置に配置されたリタードローラー34とが設けられている。ホッパー25は、その面上の用紙を給紙ローラー32に当接させた図2に示す給紙位置と、用紙を給紙ローラー32から離間させた退避位置(図示せず)との間を傾動可能に構成されている。
リタードローラー34は、トルクリミッター等のトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与された状態で従動回転可能かつ給紙ローラー32に対し接離可能に設けられている。ホッパー25とリタードローラー34は連動して駆動し、ホッパー25が退避位置に配置されると、リタードローラー34も給紙ローラー32から離間する退避位置に配置され、ホッパー25が給紙位置に配置されると、リタードローラー34も給紙ローラー32に当接する給紙位置に配置されるようになっている。
自動給紙装置24から給送された用紙の搬送経路上において搬送方向(同図左右方向)にプラテン20を挟んだ両側の位置には、上流側の紙送りローラー対35と下流側の排紙ローラー対36とがそれぞれ設けられている。紙送りローラー対35は搬送駆動ローラー35aと搬送従動ローラー35bとの一対からなり、排紙ローラー対36は排紙駆動ローラー36aと排紙従動ローラー36bとの一対からなる。
給紙ローラー32は、ASFモーター64(図6に示す)により駆動される。搬送駆動ローラー35aと排紙駆動ローラー36aは、PFモーター27(図1参照)によって駆動される。用紙Pの給送は、給紙ローラー32と紙送りローラー対35との回転により行われ、用紙Pの紙送り及び排紙は、紙送りローラー対35と排紙ローラー対36との回転により行われる。また、搬送経路上において給紙ローラー32と紙送りローラー対35との間の所定位置には、用紙Pの有無を検出可能な検出手段としての光学式センサーよりなる紙検出センサー38が設けられている。なお、給紙ローラー32はPFモーター27により駆動されてもよい。
図2に示すように、給紙時には、ホッパー25が圧縮バネ31の付勢方向へ傾動して、その面上に積重された用紙Pが給紙ローラー32に押し付けられた状態で、給紙ローラー32が回転することによって最上位の1枚の用紙P1が給送される。このとき、リタードローラー34の回転抵抗と、給紙ローラー32の周面の摩擦抵抗と、用紙Pの表面の摩擦抵抗とのバランスによって、最上位の1枚の用紙P1のみが、他の用紙から分離されて給送される。先行用紙P1の給送終了後もホッパー25及びリタードローラー34は給紙位置に保持される。
給送された用紙P1は、紙送りローラー対35間を通ったその先端が印刷開始位置に到達するまで頭出しされる。この印刷開始位置は、ホスト装置80(図6に示す)からプリンター11が受信した印刷データ中の印刷条件情報から取得される、余白(トップマージン)や縁なし印刷などのレイアウト条件に応じて決められる。記録ヘッド19の下面にはインクを噴射する多数のノズル(ノズル群)が開口しており、ノズル群のうち搬送方向最上流に位置するノズル(最上流ノズルと称す)の位置がヘッド基準位置H(図2における「▼」の位置)となっている。このヘッド基準位置Hは、用紙Pの先端が達したときに用紙の位置を計測する計測値のリセット位置(原点)となるとともに、用紙Pの終端が達したときにこれ以上の印刷が不能になる記録限界位置ともなる。
図3はプリンターの要部模式平面図である。図3に示すように、用紙Pは固定ガイド26aに当接する図3におけるその右側端(右辺)を位置基準として幅方向(X方向)に位置決めされており、用紙サイズに関係なくどの用紙Pもその右側端が固定ガイド26aでガイドされた状態で搬送される。紙検出センサー38は、用紙Pにおいて固定ガイド26aにガイドされる右側端寄りの箇所を検出対象とする位置に配置されている。このプリンター11では、図3に示すように、用紙Pとして、その側縁にファイリング用の穴37を有するものが印刷対象として使用される場合がある。用紙Pが図3に示す向きにセットされた場合、紙検出センサー38の検知対象エリアに穴37が通ることになり、紙検出センサー38が穴37の縁を用紙Pの先端や後端と誤検出する恐れがある。
図4は紙検出センサーを示す正面図である。図4に示すように、紙検出センサー38は、図4の正面から見て略U字形状の本体39を有し、その本体39を構成する上下2本のアーム39a,39bが、搬送中の用紙Pの右側縁部に対しその上下に離間して対峙するように配置されている。2本のアーム39a,39bの対向する各面には、それぞれ発光器41と受光器42とが互いに向き合う状態で固定されている。紙検出センサー38は、図4(a)に示すように、発光器41からの投光を用紙Pが遮って受光器42が受光しなくなることで紙有りを検出する。また、紙検出センサー38は、図4(b)に示すように、発光器41からの投光を遮る用紙Pがなくなって受光器42が発光器41からの投光を受光することで紙無しを検出するようになっている。なお、紙検出センサー38は、発光器からの光が用紙表面で反射した反射光を受光器が受光することで紙有りを検出する反射検出方式の光学式センサーであってもよいし、さらには接触式センサー(スイッチ式センサー)であっても構わない。要するに、用紙P等の媒体に形成された穴の縁を、用紙後端(終端)と誤検出する恐れのあるセンサーであれば、その検出方式は特に限定されない。
図5は、搬送系の模式側面図である。図5(a)は、用紙P1の先端が紙検出センサー38により検知されたときの状態を示す。給送された用紙P1の先端が所定位置に達して、紙検出センサー38の検出状態が「紙無し」から「紙有り」に切り換わると(つまり用紙の先端を検知すると)、この所定位置とヘッド基準位置H(最上流ノズル位置)との間の搬送経路上の距離Lor(以下、「OR距離Lor」という)(図5(b)参照)が既知であることから、さらにこのOR距離Lorだけ用紙P1を搬送することで、用紙P1の先端がヘッド基準位置Hに到達するまで用紙P1を搬送する。この用紙P1の先端がヘッド基準位置Hに一致したときに、後述する用紙位置カウンター71(図6に示す)をリセットし、この先端がヘッド基準位置Hに一致したときの用紙位置を原点として、用紙位置カウンター71の計数値Ny(以下、「用紙位置Ny」と記す場合もある)により用紙P1の位置が管理される(図5(b)参照)。つまり、用紙P1の先端からヘッド基準位置Hと対向する位置までの搬送方向の距離を示す用紙位置カウンター71の計数値Nyにより、用紙P1の位置が管理される。
本実施形態では、先行用紙P1の印刷中に、先行用紙P1と所定の間隔を開けて後続用紙P2の給送を行う。図5(c)は、先行用紙P1が給送開始位置に達して、後続用紙P2の給送が開始される状態を示している。先行用紙P1が給紙ローラー32とリタードローラー34のニップから解放された時点で、給紙ローラー32の回転を一旦停止させる。その後、紙送りローラー対35及び排紙ローラー対36の回転により先行用紙P1が紙送りされ、図5(c)に示すように、先行用紙P1と後続用紙P2との間に規定量Lgap以上の間隔が確保されると、紙送りローラー対35の回転と並行して給紙ローラー32を回転させる。そのため、用紙P1,P2間に規定量Lgap以上の間隔を確保しつつ、先行用紙P1の紙送りと同時並行で後続用紙P2の給送が進められる。規定量Lgap以上の間隔が確保されることで、紙検出センサー38によって先行用紙P1の後端の検出(紙有り→紙無し)と、後続用紙P2の先端の検出(紙無し→紙有り)が可能となる。本例では、規定量Lgapは、穴37の想定最大穴径Dmaxよりも長く設定される。
図5(c)において、「Psize」は、ホスト装置80のプリンタードライバー85からプリンター11が受信する印刷データ中の印刷条件情報(印刷パラメーター)に含まれる用紙サイズの情報から決まる設定用紙長(用紙の搬送方向長さ)である。ここで、給紙ローラー32とリタードローラー34のニップ点から紙検出センサー38の位置(所定位置)までの搬送経路上の距離Laと、紙検出センサー38の位置(所定位置)から紙送りローラー対35のニップ点までの搬送経路上の距離Lbと、紙送りローラー対35のニップ点からヘッド基準位置Hまでの搬送経路上の距離Lcは、それぞれ既知である。そのため、用紙位置Nyが、設定用紙長「Psize」から既知の距離(La+Lb+Lc−Lgap)を差し引いた値になると(図5(c)の用紙位置)、先行用紙P1が、後続用紙P2の給送を開始すべき給送開始位置Ng(=Psize−La−Lb−Lc+Lgap)に達したことになる。
また、図5(d)に示すように、用紙Pの後端(終端)が紙検出センサー38の位置(所定位置)を通過してその検出状態が「紙有り」から「紙無し」に切り換わった(つまり用紙の後端検知)後、用紙後端が印字限界位置(記録限界位置)に達するまで用紙後端が搬送方向に位置する範囲としてオーバーライド領域ORが設定されている。詳しくは、図5(d)に示すように、オーバーライド領域ORは、紙検出センサー38の検出対象位置(所定位置)から、記録ヘッド19のヘッド基準位置H(最上流ノズル位置)までの領域として設定されている。例えば実際の用紙長が設定用紙長Psizeより短い用紙Pが間違ってセットされた場合、その用紙後端がヘッド基準位置Hを過ぎているにも関わらず印字が行われ、プラテン20をインクで汚す心配がある。そのため、用紙後端がオーバーライド領域OR内に位置するときの用紙位置を管理し、その用紙後端がヘッド基準位置Hに達した時点で印字を強制的に停止させて用紙P1を排紙するようにしている。
ここで、用紙位置管理は、用紙P1の後端が紙検出センサー38に検出されるまでは、用紙位置Nyにより行われ、用紙P1の後端が紙検出センサー38に検出されてからは、OR距離Lorから、用紙P1の搬送量を減算する計数値My(「用紙位置My」とも称す)により行われる。よって、用紙位置Myが「0」になると、用紙P1の後端がヘッド基準位置H(印字限界位置)に到達したことになり、プラテン20への印字(インク滴噴射)を防止すべく、印字動作は強制終了されるようになっている。
また、印刷中には、用紙P1が、図5(c),(d)に示すように、紙送りローラー対35と排紙ローラー対36との両方にニップされた状態で搬送される区間と、図5(e)に示すように、紙送りローラー対35にはニップされず排紙ローラー対36だけにニップされた状態で搬送される区間とがある。この2つの区間は、用紙P1の後端位置を管理することで、図5(e)に示すように、用紙P1の後端が紙送りローラー対35のニップ点より搬送方向上流側に位置する第1搬送エリアと、用紙P1の後端が紙送りローラー対35のニップ点と印字限界位置(ヘッド基準位置H)との間の範囲内に位置する第2搬送エリアとに分かれる。ここで、用紙P1がローラー対35,36の両方にニップされた状態で搬送される第1搬送エリアと、用紙P1が排紙ローラー対36のみにニップされた片持ち状態で搬送される第2搬送エリアとで、用紙Pの搬送の仕方が異なり、この搬送の仕方が異なることによって印字位置に微妙なずれが発生する。このような印字位置の微妙なずれを抑制すべく、用紙後端が第1搬送エリアにある区間(用紙両持ち搬送区間)では第1搬送制御(通常の搬送制御)を行い、用紙後端が第2搬送エリアにある区間(用紙片持ち搬送区間)では第1搬送制御と異なる第2搬送制御(片持ち搬送に起因する印字位置ずれを抑制する補正を加えた搬送制御)を行うようにしている。この第1搬送制御と第2搬送制御の切り換えは、用紙位置Myが、距離(Lor−Lb)の値未満になって、用紙P1の後端が紙送りローラー対35のニップ点に達したときに行われる。
次に、プリンターの電気的構成を図6に基づいて説明する。図6に示すように、プリンター11は各種制御を司る制御部50を備えている。制御部50はホスト装置80と通信可能に接続される通信インターフェース(以下、「通信I/F51」という)を備えている。通信I/F51に接続されたバス52には、CPU53、ASIC54(Application Specific IC(特定用途向けIC))、ROM55、RAM56及び不揮発性メモリー57等が接続されている。ROM55又は不揮発性メモリー57には、図8にフローチャートで示される印刷制御ルーチン、図9にフローチャートで示される印刷制御ルーチン、図10にフローチャートで示される排紙制御ルーチンをはじめとする各種プログラムが記憶されている。また、ROM55又は不揮発性メモリー57には、ASFモーター64とPFモーター27を速度制御する各速度制御データをはじめとする各種データが記憶されている。CPU53は、これらのプログラムを実行することで、給紙制御、紙送り制御、印刷制御、排紙制御などを行い、その際、速度制御データを参照して給紙系及び搬送系の速度制御を行う。
ホスト装置80は、本体81とモニター82と入力装置83とを備えている。ホスト装置80の本体81にはプリンタードライバー85が内蔵されている。プリンタードライバー85は、入力装置83から印刷実行の指示を受け付けると、印刷対象の画像データに所定の処理を行って印刷データを生成する。詳しくは、画像データに、公知の解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理(マイクロウィーブ処理)等を順次施して印刷画像データを生成する。そして、プリンタードライバー85は、入力装置83を用いてユーザーにより入力設定された、用紙サイズ(設定用紙長)、用紙種類、レイアウトなどの各種印刷パラメーター(印刷条件情報)を含むヘッダーに、プリンター記述言語で記述されたコマンド情報及び印刷画像データを付して印刷データを生成する。
CPU53は、ホスト装置80のプリンタードライバー85から通信I/F51が受信した印刷データをバス52を通じて入力し、ホスト装置80から最初に受信した印刷データ中のヘッダーの用紙サイズから設定用紙長Psizeを取得する。また、CPU53は、印刷データのヘッダーに含まれるコマンド情報を解釈して給紙・紙送り・排紙などの各種コマンドや、搬送制御用の各種パラメーター等を取得する。
ASIC54は、CPU53から印刷データのうち印刷画像データを受け取り、この印刷画像データに画像処理等を施してビットマップデータに展開し、そのビットマップデータをヘッドドライバー58に送る。ヘッドドライバー58はビットマップデータに基づき記録ヘッド19を制御してノズルからインク滴を吐出させる。
また、CPU53には、モータードライバー59,60,61,62が接続されている。CPU53は、各モータードライバー59〜62を介してCRモーター18、ASFモーター64、サブモーター65、PFモーター27をそれぞれ駆動制御する。また、PFモーター27の出力軸は輪列(図示せず)を介して搬送駆動ローラー35a及び排紙駆動ローラー36aと動力伝達可能に連結されている。ASFモーター64は給紙ローラー32と動力伝達可能に連結されている。また、サブモーター65は、リタードローラー34及びホッパー25と動力伝達可能に連結されており、リタードローラー34及びホッパー25が連動してそれぞれの退避位置と給紙位置間を移動する。なお、本実施形態では、モータードライバー60,62、ASFモーター64、PFモーター27、給紙ローラー32、紙送りローラー対35及び排紙ローラー対36等により、搬送手段が構成される。
また、CPU53には、ASFモーター64及びPFモーター27の各々の出力軸の回転を検出するロータリーエンコーダー(以下、エンコーダー67,68と称す)がそれぞれ接続されている。各エンコーダー67,68は、それぞれ対応するモーターの回転速度に反比例する周期をもつパルス信号をCPU53に出力する。さらに、CPU53には、紙検出センサー38から紙有り検出時にオフし、紙無し検出時にオンするオン・オフ信号が入力される。CPU53は紙検出センサー38の検出状態が、紙無し→紙有りに切り換わることで用紙の先端を検知し、紙有り→紙無しに切り換わることで用紙の後端を検知する。但し、紙検出センサー38が穴37の縁を検出したときにも紙有り→紙無しに切り換わるので、紙有り→紙無しに切り換わっただけでは、用紙の後端と穴37の縁とを区別できない。
また、CPU53は、用紙位置カウンター(以下、「位置カウンター71」という)、PFカウンター72、オーバーライドカウンター(以下、「ORカウンター73」という)及び保留カウンター74を備えている。位置カウンター71は、紙検出センサー38が用紙の先端を検知すると(紙無し→紙有り)、CPU53によりリセットされ、そのリセット後にエンコーダー68から入力されるパルス信号のパルスエッジ数を計数する。そして、その計数値が、用紙の先端がヘッド基準位置Hに到達した際の値に達すると、再度リセットされ、以後、位置カウンター71はヘッド基準位置Hを原点とする用紙位置Nyを計数する。
また、PFカウンター72は、PFモーター27の回転を検出するエンコーダー68から入力するパルス信号のパルスエッジを計数し、PFモーター27の1回の駆動中における搬送量に相当する計数値を計数する。CPU53は、PFカウンター72の計数値から、1回の搬送中における用紙の搬送位置を把握する。そして、CPU53は、例えば不揮発性メモリー57に記憶された速度制御テーブル(図示せず)を参照してその時々の搬送位置に応じた速度指令値を取得し、その速度指令値をモータードライバー62に指令することで、PFモーター27を所定の速度プロファイルに沿って速度制御する。
ORカウンター73は、紙検出センサー38が用紙の後端を検知(紙有り→紙無し)した際の用紙位置から、用紙の後端が印字限界位置に到達するまでの残り搬送量に相当する計数値Myを計数する。詳しくは、ORカウンター73は、減算カウンターであり、OR距離Lorに相当する計数値であるオーバーライド値Morから、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わってからの用紙の搬送量に相当する計数値を減算した値を計数する。但し、ORカウンター73は、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わっても、その後、用紙が規定距離Lnだけ搬送されるまでの間、その計数処理(減算処理)の実施が保留されるようになっている。
保留カウンター74は、この保留期間の間、エンコーダー68からのパルスエッジの数を計数することで、保留期間の用紙の搬送量を計数する。つまり、保留カウンター74は、紙検出センサー38が用紙の後端を検知(紙有り→紙無し)すると、エンコーダー68からのパルスエッジの数の計数を開始し、用紙の後端検知位置からの搬送量に相当する計数値Ryを計数する。そして、保留カウンター74の計数値Ryが、途中で紙検出センサー38が紙有りを検出する(紙無し→紙有り)ことなく、規定距離Lnに達すると、CPU53は、ORカウンター73に、オーバーライド値Morから保留期間の搬送量分だけ進めた値(オーバーライド値Morに保留期間の搬送量分を反映させた値)を、初期値Moとしてセットする。詳しくは、CPU53は、オーバーライド値Morから、保留期間の搬送量(=規定距離Ln)に相当するその時の保留カウンター74の計数値Rnを差し引いて初期値Mo(=Mor−Rn)を求め、その求めた初期値MoをORカウンター73にセットする。その後、ORカウンター73にセットされた初期値Moは、エンコーダー68からパルスエッジの入力がある度に「1」ずつ減算(デクリメント)される。CPU53は、ORカウンター73が「0」になるまで印刷が可能であることを認識する。
ここで、規定距離Lnは、用紙に形成されているファイリング用の穴37の想定される最大穴径をDmaxとすると、Ln≧Dmaxとなる値である。本実施形態では、Ln=Dmax+αに設定されている。ここで、αはマージンである。想定最大穴径Dmaxは、不揮発性メモリー57に予め記憶されたデータを使用してもよいし、ホスト装置80の入力装置83又はプリンター11の図示しない操作パネルの操作部を操作して、ユーザーが印刷に使用する用紙に対応するファイリング用穴の穴径を入力設定した設定値やその設定値にマージンαを付した値を使用してもよい。
また、本実施形態では、規定距離Lnは、紙検出センサー38と紙送りローラー対35のニップ点間の搬送経路上の距離Lbよりも小さな値に設定されている(Ln<Lb)。この条件Ln<Lbを満たすように、マージンαの値は設定される。特に、マージンαは、印刷対象として用いられる用紙の想定最小穴間隔Bminよりも小さな値がよく、例えば1≦α<Bmin(mm)とすることが好ましい。想定最小穴間隔Bminとしては、予め決めておく場合は例えば5〜10mmの範囲内の所定値を設定してもよいが、入力装置83や操作パネルの操作部の操作によりユーザーに「用紙サイズと穴数」あるいは「穴間隔」の情報を入力させるようにし、それらの情報から決まる穴間隔を想定最小穴間隔Bminとして使用してもよい。よって、規定距離Lnは、条件Ln=Dmax+α<Lbを満たすように設定される。
また、先行用紙P1と後続用紙P2との間隔は規定量Lgap以上確保されるが、この規定量Lgapは、規定距離Lnよりも大きな値に設定される(Lgap>Ln)。この場合、マージンβを用いて、Lgap=Ln+βとして設定される。ここで、マージンα,βをなるべく小さな値に設定するほど、規定量Lgapを小さくでき、先行用紙P1と後続用紙P2の間隔を狭くできるため、印刷スループットを向上できる。そのため、マージンα,βは、例えば1〜10mmの範囲内の所定値(α≠βでもよい)であって、かつ、マージンαが、前述の0<α<Bminの条件も満たすように設定する。
なお、カウンター71〜73は、CPU53に備える構成に限定されず、そのうち一部又は全部をモータードライバー62に組み込んでもよく、この場合、CPU53はモータードライバー62からカウンターの計数値を読み込むようにする。また、カウンター71〜73は、電子回路により構成されることに限定されず、そのうちの一部又は全部を、CPU53がプログラムを実行して構成されるソフトウェアのカウンターとしてもよい。
また、RAM56には、印刷データ中の用紙サイズ情報から取得した設定用紙長データD1が記憶されるようになっている。また、RAM56の所定記憶領域には、搬送制御フラグFc、保留フラグF1及びオーバーライドフラグ(以下、「ORフラグF2」という)が記憶される。CPU53は、紙検出センサー38の検出状態が、紙有り→紙無しに変化すると、保留カウンター74をリセットして保留中の用紙の搬送量の計数を開始すると共に、保留フラグF1を「1」とする。また、CPU53は、保留フラグが「1」のときに、保留カウンター74の計数値Ryが規定距離Lnに相当する計数値Rnに達するか、紙検出センサー38が紙無し→紙有りに変化すると、ORカウンター73の初期値セット処理を行うとともに保留フラグを「0」にする。
CPU53は、初期値セット処理を行ったときにORフラグF2を「1」とし、その後、ORカウンター73の計数値が「0」になると、ORフラグF2を「0」とする。よって、CPU53は、保留フラグF1とORフラグF2の各値をみることで、保留中であるか、オーバーライド計測中であるかを判断できる。また、CPU53は、PFモーター27を駆動させるときに、搬送制御フラグFcが「0」である場合に第1搬送制御を行い、搬送制御フラグFcが「1」である場合に第2搬送制御を行うようになっている。
次にプリンターの動作を、図8〜図10に示すフローチャートを用いて説明する。CPU53は、印刷データを受信すると、図8の印刷制御ルーチンと図9の用紙位置管理ルーチンとを実行する。なお、プリンター11は、不図示のスロットに挿着されたメモリカードから読み込んだ画像データを基に印刷データを内部で生成した場合も、これらのルーチンを実行する。
以下、まず印刷制御について図8のフローチャートに従って説明する。なお、CPU53は印刷データ中の印刷条件情報を取得し、RAM56に一時記憶する。例えば設定用紙長データD1がRAM56に記憶される。
まずステップS10では、搬送制御フラグFc=0に設定する。
次のステップS20では、給紙を行う。すなわち、CPU53は、サブモーター65を駆動してホッパー25及びリタードローラー34をそれぞれの給紙位置に移動させ、この給紙可能状態で、ASFモーター64を回転駆動させる。この結果、給紙トレイ23上に積重された用紙のうち最上位の一枚が給紙ローラー32とリタードローラー34にニップされた状態で給送される。用紙Pの先端が所定位置まで給送され、紙検出センサー38が用紙Pの先端を検知(紙無し→紙有り)すると、位置カウンター71に搬送量の計数を開始させる。位置カウンター71の計数値が、用紙Pの先端がヘッド基準位置H(図2、図5を参照)に達した値になると、位置カウンター71をリセットし、改めて計数値Nyの計数を再開させる。そして、位置カウンター71の計数値Nyが印刷条件情報(印刷パラメーター)のトップマージン(上側余白)から決まる印刷開始位置に相当する値に達すると、PFモーター27の駆動を停止する。こうして用紙Pは印刷開始位置に頭出しされる。
次のステップS20では、給紙を行う。すなわち、CPU53は、サブモーター65を駆動してホッパー25及びリタードローラー34をそれぞれの給紙位置に移動させ、この給紙可能状態で、ASFモーター64を回転駆動させる。この結果、給紙トレイ23上に積重された用紙のうち最上位の一枚が給紙ローラー32とリタードローラー34にニップされた状態で給送される。用紙Pの先端が所定位置まで給送され、紙検出センサー38が用紙Pの先端を検知(紙無し→紙有り)すると、位置カウンター71に搬送量の計数を開始させる。位置カウンター71の計数値が、用紙Pの先端がヘッド基準位置H(図2、図5を参照)に達した値になると、位置カウンター71をリセットし、改めて計数値Nyの計数を再開させる。そして、位置カウンター71の計数値Nyが印刷条件情報(印刷パラメーター)のトップマージン(上側余白)から決まる印刷開始位置に相当する値に達すると、PFモーター27の駆動を停止する。こうして用紙Pは印刷開始位置に頭出しされる。
ステップS30では、印字を行う。すなわち、CPU53はCRモーター18を駆動させてキャリッジ14を主走査方向Xに移動させると共にこのキャリッジ移動中に記録ヘッド19のノズルからインク滴を噴射することで1ライン(1行)目の印字を行う。
ステップS30では、用紙位置と設定用紙長Psizeから、用紙の後端位置を計算する。詳しくは、CPU53は、後述する用紙位置管理ルーチンで計数処理されている位置カウンター71の計数値Nyと設定用紙長Psizeの各値を用いて、ヘッド基準位置Hを基準とする搬送方向上流側への搬送経路上の距離で表される後端位置Prを、Pr=Psize−Nyにより計算する。
ステップS50では、後端位置が給紙開始位置Gを超えたか否かを判断する。つまり、用紙P1の後端位置が、後続用紙P2との間に規定量Lgap以上の間隔を確保しうる位置に達したか否かを判断する。給紙開始位置Gは、ヘッド基準位置Hを基準とする搬送方向上流側への搬送経路上のスケールを用いて、G=La+Lb+Lcとして表される(図5(c)参照)。そのため、Pr<Gを満たせば、後端位置が給紙開始位置Gを超えたと判断できる。後端位置が給紙開始位置Gを超えていなければ(Pr≧G)、ステップS60に進み、後端位置が給紙開始位置Gを超えていれば(Pr<G)、ステップS70に進む。なお、本実施形態では、ステップS40及びS50の処理を実行するCPU53により、間隔検出手段が構成される。もちろん、間隔検出手段は、後端が給紙開始位置を通過したことを検知可能なセンサーとすることもできる。
ステップS60では、紙送りを行う。すなわち、CPU53はPFモーター27を駆動し、用紙P1上の次行印字位置が記録ヘッド19のノズルと対向する位置まで用紙P1を紙送りする。
ここで、用紙P1の後端が給紙開始位置Gを過ぎるまでは、用紙P1の紙送りのみ行う。本実施形態の自動給紙装置24では、先行用紙P1の印刷中においてもホッパー25及びリタードローラー34を給紙位置に保持しているため、先行用紙P1の後端に続き連続的に後続用紙P2の給紙は行われる。そのため、先行用紙P1の後端が給紙ローラー32のニップ点を過ぎると、ASFモーター64を一旦停止状態に保持し、後続用紙P2の給紙を待機させる。そして、先行用紙P1の後端が給紙開始位置Gを過ぎると、ステップS70において、先行用紙P1の紙送り動作と後続用紙P2の給送動作とを並行して実施する。そのため、先行用紙P1の後端が給紙開始位置Gを過ぎてからは、先行用紙P1の紙送りと並行して後続用紙P2の給送が両者の間に規定量Lgap以上の間隔を保持しつつ進められる。もちろん、先行用紙P1の印刷中は、ホッパー25及びリタードローラー34を退避位置で待機させ、先行用紙P1の後端が給紙開始位置Gを過ぎると、ホッパー25及びリタードローラー34を給紙位置へ移動させて後続用紙P2の給送を開始させる構成も採用できる。
なお、ステップS60,S70の紙送り制御では、CPU53は搬送制御フラグFcの値を調べ、搬送制御フラグFcが「1」であればPFモーター27を第1搬送制御で駆動し、一方、搬送制御フラグFcが「0」であればPFモーター27を第2搬送制御で駆動する。後述するステップS80で、第2搬送エリア突入済みと判断されるまでは、搬送制御フラグFcの値は「0」なので、PFモーター27は第1搬送制御で駆動される。
次のステップS80では、オーバーライド領域へ突入済みであるか否かを判断する。詳しくは、CPU53は、フラグF2が「1」であれば、オーバーライド領域突入済みと判断し、フラグF2が「0」であれば、オーバーライド領域突入前と判断する。オーバーライド領域突入前であれば、ステップS120に進んで印字を行う。一方、オーバーライド領域へ突入済みであれば、ステップS90に進む。
ステップS90では、第2搬送エリア突入済みであるか否かを判断する。すなわち、CPU53はORカウンター73の計数値Myが第2搬送エリア突入位置に相当する値Mbよりも小さいか(つまりMy<Mbが成立したか)否かを判断する。第2搬送エリア突入済みでなければ(My≧Mbであれば)、ステップS120に進んで印字を行い、一方、第2搬送エリア突入済みであれば(My<Mbであれば)、ステップS100において搬送制御フラグを「0」→「1」に書き替え、第1送制御から第2搬送制御へ設定を変更する。
次のステップS110では、ORカウンター73の計数値My(ORカウンター値My)が「0」であるか否かを判断する。つまり、用紙Pの後端が、これ以上の印字を継続するとプラテン20に印字してしまう印字限界位置(ヘッド基準位置H)に到達したか否かを判断する。ORカウンター値My=0でなければ、ステップS120に進んで印字を継続し、一方、ORカウンター値My=0であれば、ステップS150に進んで排紙動作を行う。CPU53は排紙動作の実施に先立ち印字動作を強制終了するので、プラテン20への印字が防止される。
一方、ステップS120で印字を行った場合は、次のステップS130において、1ページの印刷終了であるか否かを判断し、1ページの印刷終了でなければ、ステップS40に戻り、S130で1ページの印刷終了と判断するまでS40〜S130の処理を繰り返し、1行(1ライン)ずつ印刷を進める。一方、1ページの印刷終了であればステップS140に進んで、全ページの印刷終了であるか否かを判断する。全ページの印刷終了でなければ、そのときの1ページ分の印刷終了なので、ステップS10に戻って、次ページの印刷のためにステップS10〜S140の処理を同様に行う。このとき、排紙動作は行われず次ページの給紙動作(S20)が行われるが、ASFモーター64と共にPFモーター27が駆動されて紙送りローラー対35及び排紙ローラー対36が回転駆動されることで、先行用紙P1の排紙も一緒に行われる。
そして、S140で全ページの印刷終了と判断するまで、S10〜S140の処理を同様に繰り返すことで1ページずつ印刷が進められる。そして、ステップS140で全ページ印刷終了したと判断すれば、次のステップS150で排紙動作を行う。この排紙動作は、後で詳述する図10の排紙制御ルーチンに従って行われる。
次に、印刷中に行われる用紙位置管理ルーチンについて図9のフローチャートに従って説明する。この用紙位置管理ルーチンによって位置カウンター71の計数値やフラグF1,F2の値などが管理される。CPU53は印刷データを受け付けると、図8の印刷制御ルーチンと共に図9の用紙位置管理ルーチンを実行する。
まずステップS210では、保留フラグF1及びORフラグF2をリセットする(F1=0,F2=0)。
次のステップS220では、紙検出センサー38の位置から第2搬送エリアまでの距離Lbを取得する。すなわち、CPU53は不揮発性メモリー57の所定記憶領域から距離Lbのデータを読み込む。
次のステップS220では、紙検出センサー38の位置から第2搬送エリアまでの距離Lbを取得する。すなわち、CPU53は不揮発性メモリー57の所定記憶領域から距離Lbのデータを読み込む。
次のステップS230では、想定最大穴径Dmax以上の規定距離Lnを、Ln<Lbに設定する。詳しくは、CPU53は、規定距離Lnを、Ln=Dmax+αとして設定する。ここで、マージンαは、Dmax+α<Lbを満たすαの範囲のうち小さめの値を選択しており、例えば1〜5mmの範囲内の値が設定される。なお、ユーザーが入力装置83又は操作パネルから穴径を入力設定した場合は、その穴径を想定最大穴径Dmaxとして、規定距離Lnを計算する。なお、本実施形態では、ステップS230の処理を実行するCPU53により、設定手段が構成される。
ステップS240では、規定量Lgapを、Lgap>Lnに設定する。なお、本実施形態では、ステップS240の処理を実行するCPU53により、第2設定手段が構成される。
ステップS250では、用紙先端がヘッド基準位置Hに達したか否かを判断する。用紙先端がヘッド基準位置Hに達していない場合は、ヘッド基準位置Hに達するまで待機する。一方、用紙先端がヘッド基準位置Hに達した場合は、ステップS260に進んで、用紙位置の計測を開始する。すなわち、CPU53は位置カウンター71を一旦リセットし用紙位置Nyの計数を開始させる。その後、用紙が頭だしされ、印字が開始される。
ステップS250では、用紙先端がヘッド基準位置Hに達したか否かを判断する。用紙先端がヘッド基準位置Hに達していない場合は、ヘッド基準位置Hに達するまで待機する。一方、用紙先端がヘッド基準位置Hに達した場合は、ステップS260に進んで、用紙位置の計測を開始する。すなわち、CPU53は位置カウンター71を一旦リセットし用紙位置Nyの計数を開始させる。その後、用紙が頭だしされ、印字が開始される。
次のステップS270では、1ページの印刷終了であるか否かを判断する。印刷終了である場合には当該ルーチンを終了する。一方、印刷終了でなければステップS280に進んで、紙検出センサー38の検出状態が紙有り→紙無しに切り換わったか否かを判断する。紙有り→紙無しに切り換わらなければ、ステップS270に戻り、一方の判断条件が成立するまでS270、S280の処理を繰り返す。一方、紙有り→紙無しに切り換わると、ステップS290に進む。
ステップS290では、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わった時点の用紙位置をRAM56に記憶し、オーバーライド領域への突入を保留する。詳しくは、オーバーライド領域突入の保留処理として、CPU53は、保留フラグF1=1にすると共に、保留カウンター74に保留距離Ry(保留中の用紙搬送量)の計測を開始させる。
図7に示すように、穴37ありの用紙Pでの印刷中に、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わる場合には、紙検出センサー38が穴37の縁を検出した場合と、用紙後端を検出した場合とがある。いずれの場合も、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換われば、その時の位置カウンター71の計数値Nyで示される用紙位置をRAM56の所定記憶領域に記憶し、さらに保留フラグF1を「1」にする。
図9のステップS300では、紙検出センサー38の検出状態が紙無し→紙有りに切り換わったか否かを判断する。紙有りに切り換われば、ステップS310に進んで、オーバーライド領域への突入をキャンセルする。すなわち、CPU53は、保留フラグF1=0にすると共に、保留カウンター74をリセットして保留距離Ry(搬送量)の計測を中止させる。一方、紙有りに切り換わらなければ、ステップS320に進んで、印刷終了であるか否かを判断する。印刷終了である場合には当該ルーチンを終了する。一方、印刷終了でなければステップS330に進む。
ステップS330では、計測中の保留距離Ryが規定距離Lnに達したか否かを判断する。すなわち、CPU53は、保留カウンター74の計数値が規定距離Lnに相当する値Rnに達したか否かを判断する。保留距離Ryが規定距離Lnに達していなければ、ステップS300に戻り、いずれか一つの判断条件が成立するまで、S300,S320,S330の処理を繰り返す。
一方、ステップS330で、保留距離Ryが規定距離Lnに達したと判断した場合は、ステップS340に進んで、オーバーライド領域突入を確定する。詳しくは、CPU53は、保留フラグF1=0、ORフラグF2=1にすると共に、記憶した用紙位置をRAM56から読み出し、この用紙位置をオーバーライド領域突入位置として、ORカウンター73に保留期間中の搬送量を反映させた初期値Moをセットする。すなわち、本来オーバーライド領域突入時に仮にオーバーライド値Morの減算を開始していればその後の減算の結果とるであろう値を初期値Mo(=Mor−Rn)としてセットする。そして、以後、この初期値Moからの減算処理を開始させる。ORカウンター73の計数値Myは、エンコーダー68からのパルスエッジの入力がある度に初期値から「1」ずつ減算される。
ここで、図7に示すように、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わった後の保留期間においては、保留カウンター74が保留期間における用紙搬送量(搬送距離)を計測する。このとき、ORカウンター73は、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わったときにセットされたオーバーライド値Morのままでその計測処理の実施が保留されている。そして、穴37を紙無しと検出していた場合は、保留カウンター74が規定距離Ln(>想定最大穴径Dmax+α)を計測している途中で、紙検出センサー38が紙無し→紙有りに切り換わり、この時点で、オーバーライド領域への突入がキャンセルされる。この結果、ORカウンター73の計測処理(減算処理)は実施されることなく保留のままキャンセルされる。
一方、図7に示すように、用紙後端が所定位置を過ぎた状態の紙無しを検出していた場合は、その後、用紙Pが規定距離Lnだけ搬送される途中で紙検出センサー38が紙無し→紙有りに切り換わることなく、保留カウンター74は規定距離Lnの計測を終えることになる。このとき、保留カウンター74の計数値が規定距離Lnに対応する値Rnに達すると、オーバーライド領域への突入が確定され、CPU53はRAM56からオーバーライド突入保留開始時点の用紙位置Nyを読み出し、この用紙位置Nyとオーバーライド突入確定時の用紙位置Nyとの差分(=Rn)を計算する。そして、CPU53は、保留期間中の搬送距離Rnが反映された初期値Mo(=Mor−Rn)をORカウンター73にセットし、さらに保留フラグF1を「1」から「0」に変更すると共に、ORフラグF2を「0」から「1」に変更する。こうして、以後、用紙Pの搬送が進むに連れて、ORカウンター73は初期値Moから用紙Pの搬送量を減算する減算処理を行う。
そして、図9に戻って、ステップS350では、ORカウンター73の計数値My=0であるか否かを判断する。すなわち、用紙Pの後端が印字限界位置(ヘッド基準位置H)に到達したか否かを判断する。計数値My=0でなければ、次のステップS360で1ページの印刷終了であるか否かを判断する。印刷終了でなければ、ステップS350に戻り、以後、ORカウンター73の計数値My=0になるか(S350で肯定判定)、印刷終了(S360で肯定判定)になるまで、S350及びS360の処理を繰り返す。
そして、S350でORカウンター73の計数値My=0になれば、当該ルーチンを終了し、一方、S360で例えば排紙コマンドがあって印刷終了になれば、当該ルーチンを終了する。CPU53はこのルーチンを1ページ毎に実行し、次ページの印刷がある場合はこのルーチンの実行を再開する。なお、本実施形態では、ステップ300で紙有りと判断されたときに行う規定距離Lnの搬送が、第1ステップに相当し、この規定距離Lnの搬送区間において行われるステップS300,S310,S330の処理が第2ステップに相当する。そして、規定距離Lnの搬送の途中で紙検出センサー38が紙有りを検出したとき(S300で肯定判定のとき)に行われる、オーバーライド領域への突入をキャンセルするキャンセル処理(S310)が、穴37を検出して開始してしまった保留カウンターの計数処理(誤動作)を解消するための所定処理に相当する。
次に、排紙動作(S150)の詳細を、図10に示される排紙制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。CPU53は排紙動作を行うときにこのルーチンを実行する。
まずステップS410では、現在の用紙位置と設定用紙長Psizeから、排紙に必要な排紙距離に対応するPFモーター27の駆動量である排紙ステップ数を計算する。ここで、現在の用紙位置は、オーバーライド領域ORへの突入前及び突入以後のオーバーライド保留中は、位置カウンター71の計数値Nyを用い、オーバーライド保留期間終了後は、ORカウンター73の計数値Myを用いる。なお、本実施形態では、排紙距離(排紙ステップ数)が排出距離に相当し、ステップS410の処理を実行するCPU53が、排出距離取得手段に相当する。
まずステップS410では、現在の用紙位置と設定用紙長Psizeから、排紙に必要な排紙距離に対応するPFモーター27の駆動量である排紙ステップ数を計算する。ここで、現在の用紙位置は、オーバーライド領域ORへの突入前及び突入以後のオーバーライド保留中は、位置カウンター71の計数値Nyを用い、オーバーライド保留期間終了後は、ORカウンター73の計数値Myを用いる。なお、本実施形態では、排紙距離(排紙ステップ数)が排出距離に相当し、ステップS410の処理を実行するCPU53が、排出距離取得手段に相当する。
ステップS420では、PFモーター27を排紙ステップ数だけ駆動する。この排紙動作の結果、用紙Pは、排紙ステップ数で規定される排紙距離だけ搬送方向下流側へ排出される。ユーザーによりセットされた用紙Pが設定用紙長Psize(設定用紙サイズ)通りの用紙長のものであれば、この排紙ステップ数分の排紙動作により、用紙Pはその後端が排紙ローラー対36のニップ点より搬送方向下流側に位置する排紙位置まで排出される。この場合、排紙ステップ数分の排紙動作の結果、紙検出センサー38は紙無しとなる。一方、ユーザーにより設定用紙長Psizeよりも長い用紙長の用紙Pがセットされていた場合は、その排紙ステップ数分の排紙動作が行われた後に、用紙Pが紙検出センサー38の検出対象位置に位置している場合がある。この場合、紙検出センサー38の検出対象位置に、用紙Pの穴37以外の部分が位置していれば、紙検出センサー38は紙有りとなるが、たまたま穴37が位置していれば、紙検出センサー38は紙無しとなる。
次のステップS430では、紙検出センサー38の検出状態が紙無しであるか否かを判断する。紙無しであればステップS460に進み、紙無しでなければ(つまり紙有りであれば)ステップS440に進む。ここで、紙有りの場合、設定用紙長Psizeよりも長い用紙長の用紙Pがセットされていて、排紙が完全には終了していないことになる。また、紙無しの場合には、設定用紙長Psize通りの用紙長の用紙Pがセットされていて排紙が正しく行われた場合と、紙検出センサー38がたまたま穴37を検出しているだけで、設定用紙長Psizeよりも長い用紙長の用紙Pがセットされていて実際には排紙が完全には終了していない場合とがある。
ステップS440では、PFモーター27を用紙の排出に必要な規定排紙ステップ数だけ駆動させる。ここで、規定排紙ステップ数とは、紙検出センサー38から排紙ローラー対36までの搬送経路上の距離よりもさらに所定のマージン距離だけ長い規定排紙距離(所定距離)に相当するPFモーター27の駆動ステップ数である。規定排紙ステップ数とは、一度、排紙ステップ数で排紙動作が行われた後、紙有りと検出された用紙を排紙ローラー対36のニップ点よりも搬送方向下流側の位置まで排出できる駆動ステップ数である。所定のマージン距離は、例えば1〜10cmの範囲内の所定値に設定されている。
ステップS450では、紙検出センサー38の検出状態が紙無しであるか否かを判断する。紙無しであればステップS460に進み、紙無しでなければ(つまり紙有りであれば)ステップS440に戻る。つまり、紙有りである場合は、PFモーター27を規定排紙ステップ数だけ再度駆動させて用紙を規定排紙量分だけ再度排出させ、S450で紙無し状態が検出されるまで、このステップS440におけるPFモーター27の規定排紙ステップ数分の駆動を繰り返す。但し、通常は1回の規定排紙距離の排紙動作で用紙は排紙され、この排紙動作後に紙検出センサー38は紙無し状態になる。
ここで、PFモーター27の排紙ステップ数分の駆動の後、紙検出センサー38が紙有りである場合と、紙検出センサー38が穴37を検出して紙無しになった場合とは、排紙ステップ数分の排紙動作が誤動作であったことになる。また、最初の排紙動作後に、さらにPFモーター27が少なくとも1回の規定排紙ステップ数分だけ駆動された後、紙検出センサー38が紙無しであっても、実際は紙検出センサー38が穴37を検出しているだけで、排紙動作が完全には終了していない場合がある。紙検出センサー38の検出状態が紙無しであった場合、その紙無し検出状態が、用紙の後端が所定位置を過ぎたものなのか、紙検出センサー38がたまたま穴37を検出しているだけなのかを、識別する必要がある。
そして、ステップS460では、PFモーター27を想定最大穴径Dmax以上の規定距離Ln(=Dmax+α)の搬送に必要な規定ステップ数だけ駆動させる。例えば、ステップS430又はS450における紙無しとの判断が穴37の検出による場合、このS460で、PFモーター27が規定ステップ数分だけ駆動されて用紙Pがこの規定距離Ln分だけ搬送されると、紙検出センサー38が紙有りの検出状態になる。一方、ステップS430又はS450における紙無しとの判断が、用紙Pが既に排紙されたことによる場合は、PFモーター27が規定ステップ数分だけ駆動され、用紙Pが規定距離Ln分だけ搬送された後も、紙検出センサー38は紙無し検出状態となる。
ステップS470では、紙検出センサー38が紙無しであるか否かを判断する。例えば、最初の排紙動作(S420)終了後に規定距離Lnの搬送を行った(S460)後に、紙検出センサー38が紙無しであれば、最初の排紙動作が正常動作であって用紙が正しく排紙されていたことになり、この場合、当該ルーチンを終了する。一方、最初の排紙動作(S420)終了後に規定距離Lnの搬送を行った(S460)後に、紙検出センサー38が紙有りであれば、最初の排紙動作が排紙距離の間違った誤動作であって用紙が正しく排紙されていないことになる。この場合、ステップS440に戻って、この用紙が正しく排紙されていない誤動作の状態(例えば用紙が排紙ローラー対36にニップされた状態)を解消するために、PFモーター27を排紙ステップ数だけ駆動することで所定距離の排紙動作をさらに行う。
一方、最初の排紙動作(S420)終了後、紙有りであって所定距離の排紙動作(2回目の排紙動作)を行った(S440)後、さらに規定距離Lnの搬送を行った(S460)後に、紙検出センサー38が紙無しであれば、2回目の排紙動作で、用紙が正しく排紙されていたことになり、この場合、当該ルーチンを終了する。また、所定距離の排紙動作(2回目の排紙動作)後、さらに規定距離Lnの搬送を行った(S460)後に、紙検出センサー38がまだ紙有りであれば、ステップS440に戻って、S470で紙無しと判断されるまで、S440〜S470の処理を繰り返す。つまり、所定距離の排紙動作(S440)と、紙無しの判断(S450)と、規定距離Lnの搬送(S460)と、紙無しの判断(S470)とを、S470で紙無しと判断されるまで繰り返す。
よって、ユーザーが穴37を有する用紙Pで印刷する場合に設定用紙長Psizeよりも長い用紙Pをセットしても、印刷終了後の用紙Pを確実に排紙できる。なお、本実施形態では、ステップS460の処理が搬送ステップに相当し、ステップS470の処理が判断ステップに相当し、さらにステップS440の処理とS470で紙無し検出時に排紙制御ルーチンを終了する処理とが第3ステップに相当する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わっても、計測手段としてのORカウンター73の計測処理の実施を保留する。その後、規定距離Lnの搬送の途中で紙検出センサー38が紙有りになれば、ORカウンター73の保留中の計測処理の実施をキャンセルし、一方、規定距離Lnの搬送をその途中で紙検出センサー38が紙有りを検出することなく終えると、ORカウンター73に保留中の計測処理の実施を許可する。よって、例えばファイリング用の穴37を検知して紙検出センサー38が紙無し検出状態になっても、ORカウンター73の計測処理(減算処理)は実施されず、一方、紙検出センサー38が用紙Pの後端を検知して紙無しになった場合には、ORカウンター73の計測処理が、規定距離Ln分の搬送を終えた保留期間経過後に実施される。よって、紙検出センサー38が穴37を検出した場合は、ORカウンター73の計測処理が開始されない。このように、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わった際に保留したORカウンター73の計測処理が、穴37の検出による誤動作となる場合はキャンセル処理(所定処理)を行ってその誤動作の実施を回避でき、一方、用紙後端の検出による正常動作である場合はキャンセル処理を行うことなく、その正常な計測処理を実施できる。よって、穴37の縁を検出した場合は、ORカウンター73の計測処理が実施されないので、穴の縁を検出して計測手段の計測処理が開始されその計測値に基づき、例えば第1搬送制御から第2搬送制御へ切り換えられるなど、従来技術で危惧された計測値に基づくプリンター11の誤動作を回避できる。
(1)紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わっても、計測手段としてのORカウンター73の計測処理の実施を保留する。その後、規定距離Lnの搬送の途中で紙検出センサー38が紙有りになれば、ORカウンター73の保留中の計測処理の実施をキャンセルし、一方、規定距離Lnの搬送をその途中で紙検出センサー38が紙有りを検出することなく終えると、ORカウンター73に保留中の計測処理の実施を許可する。よって、例えばファイリング用の穴37を検知して紙検出センサー38が紙無し検出状態になっても、ORカウンター73の計測処理(減算処理)は実施されず、一方、紙検出センサー38が用紙Pの後端を検知して紙無しになった場合には、ORカウンター73の計測処理が、規定距離Ln分の搬送を終えた保留期間経過後に実施される。よって、紙検出センサー38が穴37を検出した場合は、ORカウンター73の計測処理が開始されない。このように、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わった際に保留したORカウンター73の計測処理が、穴37の検出による誤動作となる場合はキャンセル処理(所定処理)を行ってその誤動作の実施を回避でき、一方、用紙後端の検出による正常動作である場合はキャンセル処理を行うことなく、その正常な計測処理を実施できる。よって、穴37の縁を検出した場合は、ORカウンター73の計測処理が実施されないので、穴の縁を検出して計測手段の計測処理が開始されその計測値に基づき、例えば第1搬送制御から第2搬送制御へ切り換えられるなど、従来技術で危惧された計測値に基づくプリンター11の誤動作を回避できる。
(2)規定距離Lnを想定最大穴径Dmax以上の値に設定した。そのため、穴37によって紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わった場合は、ORカウンター73の計測処理の実施を確実にキャンセルでき、一方、用紙Pの後端を検知して紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わった場合は、ORカウンター73の計測処理を確実に実施できる。
(3)規定距離Lnを、紙検出センサー38の検出対象位置(所定位置)から紙送りローラー対35のニップ点までの搬送経路上の距離Lbより小さな値(Ln<Lb)に設定した。このため、用紙後端が排紙ローラー対36のニップ点に到達する前に、保留が解除されてORカウンター73の保留分の搬送量を反映させた初期値Moからの計測処理が開始される。よって、CPU53は、用紙Pの後端が、第1搬送エリアから第2搬送エリアへの切り換わり位置(紙送りローラー対35のニップ点)に到達したことを、ORカウンター73の計数値から把握できる。よって、紙送りローラー対35と排紙ローラー対36の両方にニップされる第1搬送エリアでは用紙Pを第1搬送制御で搬送し、排紙ローラー対36のみにニップされる第2搬送エリアでは、用紙Pを第2搬送制御で搬送できる。この結果、用紙Pの後端位置が、第1搬送エリアにあるときと、第2搬送エリアにあるときとで、印字の位置ずれが起きにくく、印刷品質の高い印刷を行うことができる。
(4)先行用紙P1と後続用紙P2の間隔の最小値を規定する規定量Lgapを、規定距離Lnよりも長い値(Lgap>Ln)に設定した。このため、穴37と間隔とを区別して、穴37の縁を検知したときには、ORカウンター73の計測処理の実施をキャンセルし、先行用紙P1の後端を検知したときにはORカウンター73の計測処理を実施できる。よって、用紙P1,P2の間隔を穴37と判断してORカウンター73の計測処理をキャンセルしてしまうことを回避でき、ひいては間隔を穴37と誤判定して計測処理をキャンセルしてしまったことに起因するプラテン20への印字を回避できる。
(5)排紙開始時の用紙位置と設定用紙長Psizeとから算出される排紙距離の排紙動作(最初の排紙動作)を行った後、紙検出センサー38が紙無しを検出していても、さらに規定距離Ln分の搬送を行う。そして、この規定距離Lnの排紙動作終了後に、紙検出センサー38が紙有りであると、最初の排紙動作が排紙距離の間違った誤動作であってこの誤動作の状態(例えば用紙が排紙ローラー対36にニップされた状態)を解消すべく所定処理として所定距離の排紙動作を行い、一方、紙検出センサー38が紙無しであれば所定距離の排紙動作を行わない。そして、所定距離の排紙動作を行った場合は、この所定距離の排紙動作終了後に紙無しと判断する度に、規定距離の搬送(S460)と、規定距離の搬送後に紙有りと判断されたときに行うべき所定距離の排紙動作(S440)とを、規定距離の搬送後に紙無しと判断されるまで繰り返す構成とした。よって、例えばユーザーが、設定用紙長Psizeより長い用紙Pをセットした場合でも、印刷が終わったその用紙Pを確実に排紙させることができる。このため、排紙されたはずの用紙が排紙ローラー対36にニップされた状態(誤動作の状態)にあることを防止でき、例えばユーザーが排紙ローラー対36にニップされた状態の用紙Pを無理引き抜こうして起こる用紙Pの破れなどの不具合を解消できる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。この実施形態は排出制御ルーチンの別の例である。以下、排紙制御ルーチンについて図11のフローチャートに従って説明する。前記第1実施形態では、最初の排紙動作と、規定距離の搬送動作と、所定距離の排紙動作とを行う度に、PFモーター27の駆動を逐一停止させたが、本実施形態では、PFモーター27の駆動を途中で停止することなく、一度のPFモーター27の駆動で排紙を完結する構成としている。CPU53は、図9における排紙動作(S150)を行うときには、図11の排紙制御ルーチンを実行する。
次に第2実施形態を説明する。この実施形態は排出制御ルーチンの別の例である。以下、排紙制御ルーチンについて図11のフローチャートに従って説明する。前記第1実施形態では、最初の排紙動作と、規定距離の搬送動作と、所定距離の排紙動作とを行う度に、PFモーター27の駆動を逐一停止させたが、本実施形態では、PFモーター27の駆動を途中で停止することなく、一度のPFモーター27の駆動で排紙を完結する構成としている。CPU53は、図9における排紙動作(S150)を行うときには、図11の排紙制御ルーチンを実行する。
まずステップS510では、現在の用紙位置と設定用紙長Psizeから、PFモーター27の排紙ステップ数を計算する。次に、CPU53は、PFモーター27の駆動を開始し(S520)、排紙ステップ数だけ駆動されると(S530で肯定判定)、紙検出センサー38が紙無しであるか否かを判断する(S540)。このとき、紙無しであっても(S540で肯定判定)、さらに想定最大穴径Dmax以上の規定距離Ln(Dmax+α)分の搬送に必要な規定排紙ステップ数だけPFモーター27の駆動を継続させる(S570)。
そして、継続されたPFモーター27の駆動量が規定排紙ステップ数に達した時点で、紙検出センサー38の検出状態が紙無しであるか否かを判断し、紙無しであると(S580で肯定判定)、PFモーター27の駆動を停止する。例えばユーザーが設定用紙長Psize通りの用紙長の用紙Pをセットしていた場合、排紙開始時の用紙位置と設定用紙長Psizeから用紙を排紙可能な正しい排出ステップ数(排紙距離)が算出され、このとき正しい排紙距離で行われる最初の排紙動作は正常動作となる。
例えばユーザーが設定用紙長Psizeよりも長い用紙Pをセットしていた場合、排紙開始時の用紙位置と設定用紙長Psizeから算出される排出ステップ数(排紙距離)は、用紙を排紙し切れない間違った値となる。この間違った排紙距離で行われる最初の排紙動作は、用紙を排紙し切れない誤動作となる。この場合、排紙ステップ数だけ駆動された時点において、紙検出センサー38が用紙Pを検知して紙有りと判断される場合と、たまたま用紙Pの穴37を検出して紙無しと判断される場合とがある。
後者の紙無しの場合(S540で肯定判定)は、ステップS570において、さらに規定ステップ数だけPFモーター27の駆動が継続され、その駆動量が規定ステップ数に達した時点で、紙検出センサー38の検出状態が紙有りと判断される(S580で否定判定)。これは、前者の場合の紙有り検出状態と同様の状態である。
そして、最初の排紙距離(排紙ステップ数)だけ排紙された時点で紙検出センサー38が紙有りと判断された場合(S540で否定判定)と、最初の排紙距離だけ排紙された時点で紙無しと判断されたものの、さらに規定距離Lnの搬送が継続された後に紙有りと判断された場合(S580で否定判定)は、その最初の排紙動作が排紙距離の間違った誤動作であったことになる。これらの場合、ステップS550において、この誤動作の状態(例えば用紙が排紙ローラー対36にニップされた状態)を解消するために、所定処理として、PFモーター27の駆動を規定排紙ステップ数だけ継続することで、所定距離の排紙動作をさらに継続する。
そして、所定距離の排紙動作をさらに継続した場合(S550)は、この所定距離に達した時点で紙無しであるか否かを判断し(S560)、紙無しと判断する度に、規定距離の搬送の継続(S570)と、規定距離に達した時点での判断処理(S580)とを行う。S580で紙無しと判断すれば、PFモーター27の駆動を停止する(S590)、一方、S580で紙有りと判断した場合は、所定距離の排紙動作の継続(S550)と、規定距離に達した時点での紙無しの判断(S560)と、S560で紙無しと判断したときに行うべき規定距離の搬送動作の継続(S570)とを、S580で紙無しと判断するまで繰り返す。そして、S580で紙無しと判断すると、PFモーター27の駆動を停止する。なお、本実施形態では、ステップS570の処理が搬送ステップに相当し、ステップS580の処理が判断ステップに相当し、さらにステップS550及びS590の処理が第3ステップに相当する。
よって、この第2実施形態によれば、例えばユーザーが設定用紙長Psizeより長い用紙長の用紙をセットした場合でも、PFモーター27の駆動を途中で停止させることなく、一度の排紙動作で、用紙Pを排紙ローラー対36にニップされない位置まで確実に排紙させることができる。
実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)第1実施形態の用紙位置管理ルーチン(図9)では、紙無し検出時(S280で肯定判定)は、穴径以上の規定距離の搬送を終える(S330で肯定判定)前に、紙検出センサー38が紙有りを検出した場合(S300で肯定判定)に、所定処理として計測手段のキャンセル処理を行った(S310)。これに対し、紙無し検出時(S280で肯定判定)は、穴径以上の規定距離の搬送を終えた後(S330で肯定判定)、紙検出センサー38により用紙の有無を判断し、紙有りと判断した場合に、所定処理として計測手段のキャンセル処理を行う(S310)構成を採用することもできる。この場合、規定距離の搬送を終えた時点で(S330で肯定判定)、紙検出センサー38が紙無しを検出していれば、保留していた計測手段の計測処理の実施を、保留分の搬送量を反映させた値から許可させる構成とする。このように、規定距離の搬送後に紙無しであるか否かを判断し、紙有りの場合に、所定処理(例えばキャンセル処理)を行う構成としても、所定処理の実施時期が若干遅れるものの、同様の効果を得ることができる。
(変形例1)第1実施形態の用紙位置管理ルーチン(図9)では、紙無し検出時(S280で肯定判定)は、穴径以上の規定距離の搬送を終える(S330で肯定判定)前に、紙検出センサー38が紙有りを検出した場合(S300で肯定判定)に、所定処理として計測手段のキャンセル処理を行った(S310)。これに対し、紙無し検出時(S280で肯定判定)は、穴径以上の規定距離の搬送を終えた後(S330で肯定判定)、紙検出センサー38により用紙の有無を判断し、紙有りと判断した場合に、所定処理として計測手段のキャンセル処理を行う(S310)構成を採用することもできる。この場合、規定距離の搬送を終えた時点で(S330で肯定判定)、紙検出センサー38が紙無しを検出していれば、保留していた計測手段の計測処理の実施を、保留分の搬送量を反映させた値から許可させる構成とする。このように、規定距離の搬送後に紙無しであるか否かを判断し、紙有りの場合に、所定処理(例えばキャンセル処理)を行う構成としても、所定処理の実施時期が若干遅れるものの、同様の効果を得ることができる。
(変形例2)第1及び第2実施形態の排紙制御ルーチンでは、紙無し検出時(S430,S540で肯定判定)は、穴径以上の規定距離だけ搬送した(S460,S570)後、媒体の有無を判断した(S470,S580)。これに対し、紙無し検出時(S430,S540で肯定判定)は、穴径以上の規定距離の搬送を開始し、規定距離の搬送の途中で紙検出センサー38が紙有りを検出した時点でS440,S550に移行し、一方、紙検出センサー38が途中で紙有りを検出することなく規定距離の搬送を終えた場合(S470,S580で肯定判定)に、排紙制御ルーチンを終了する(第1実施形態の場合)、又はPFモーター27を駆動停止する(第2実施形態の場合)構成としてもよい。この構成によれば、前記各実施形態と同様の効果を得ることができるうえ、規定距離の搬送途中で穴を検出した場合には、早めに所定距離の排紙動作を開始でき、排紙動作を早期に終了しやすくなる。また、規定距離の搬送途中で紙有り検出状態に一時なった後、規定距離の搬送終了時点で再び紙無し検出状態になるような場合でも、その途中の紙有り検出時に所定距離の排紙動作を行わせることで、用紙を確実に排紙させることができる。
(変形例3)計測手段の計測処理の実施を保留する保留区間を決める規定距離Lnは、適宜変更できる。搬送制御の切り換えのない構成であれば、Lo rより少し小さい距離を規定距離とし、用紙後端が記録限界位置に達しる少し前にORカウンター73の計測処理の実施が許可される構成でもよい。この場合、搬送制御の切り換えを行う構成としてもよく、例えば保留期間の用紙位置は位置カウンター71の計数値に基づき取得し、その計数値に基づき搬送制御の切り換えを行ってもよい。
(変形例4)前記実施形態では、紙検出センサー38の紙無し検知時にORカウンター73にオーバーライド値Morをセットしたが、リセット状態(「0」)のままとし、保留解除時に初期値Moをセットする構成でもよい。
(変形例5)設定手段は、規定距離を、所定位置(検出手段が媒体を検出する位置)から第2区間(第2搬送エリア)までの搬送経路上の距離よりも短く設定することに限定されない。計測手段の計測処理の実施を保留しても、記録装置の誤動作を引き起こさせない限りにおいて、規定距離を適宜な値に設定できる。例えば第1搬送エリアと第2搬送エリアとで共通の搬送制御を採用する構成では、規定距離Lnを、所定位置から紙送りローラー対35のニップ点までの搬送経路上の距離Lbよりも長く、かつOR距離Lorよりも少し短い距離に設定し、用紙の後端が記録限界位置に到達したことを、計測手段(ORカウンター73)の計測値から判断できるようなタイミングで、保留が解除されて計測手段の計測処理が開始される構成であれば足りる。
(変形例6)保留カウンター74を廃止し、位置カウンター71に保留機能をもたせてもよい。例えば紙無し検知時の用紙位置を記憶し、位置カウンター71の計数値から決まる現在の用紙位置と記憶した用紙位置との差分が規定距離Lnに相当する値に達すると、保留区間が終了したと判断し、保留分の搬送量を反映した初期値をORカウンター73にセットして計測処理を開始する構成としてもよい。
(変形例7)さらにORカウンターが保留区間の計測を行う構成としてもよい。ORカウンターが規定距離を計測し終わるまでに紙有りが検出されれば、ORカウンターをリセットする構成でもよい。この場合、規定距離が、第1設定手段により、第1搬送エリアまでの距離より短く設定されるため、穴を検出した場合には搬送制御の切り換えは行われず、用紙の終端を検出したときに搬送制御の切り換えが行われるようにすることができる。
(変形例8)穴径は最大想定穴径に限定されない。穴径が既知の場合はその既知の穴径を用いてもよい。
(変形例9)紙検出センサーの所定位置は記録ヘッドより搬送方向上流側であればよい。例えば紙送りローラー対35の下流側であってもよい。この場合、紙送りローラー対35の搬送方向直後の位置に紙検出センサーを配置し、紙検出センサーが紙有り→紙無しに切り換わった時点から、規定距離の搬送を終えるまで保留状態とし、紙有りが検出されることなく規定距離の搬送を終えて穴でないことが確定された時点で、第1搬送制御から第2搬送制御に切り換える構成とすることもできる。
(変形例9)紙検出センサーの所定位置は記録ヘッドより搬送方向上流側であればよい。例えば紙送りローラー対35の下流側であってもよい。この場合、紙送りローラー対35の搬送方向直後の位置に紙検出センサーを配置し、紙検出センサーが紙有り→紙無しに切り換わった時点から、規定距離の搬送を終えるまで保留状態とし、紙有りが検出されることなく規定距離の搬送を終えて穴でないことが確定された時点で、第1搬送制御から第2搬送制御に切り換える構成とすることもできる。
(変形例10)排紙制御ルーチン(図10、図11)だけを採用する構成では、紙検出センサーの所定位置は記録ヘッドより搬送方向下流側でもよい。この場合でも、穴あき媒体を確実に排出させることができる。
(変形例11)検出手段は、透過型センサーに限定されない。用紙からの反射光を受光して紙有りを検知する反射型センサーでもよい。さらに距離センサーを用いてもよい。また、光学式センサーに限定されず、例えば接触式センサーなどの機械式センサーも用いることもできる。また、検出手段は、紙幅の端部位置に配置されることに限定されない。例えば用紙サイズの異なる複数の用紙を検知できる限りにおいて、紙検出センサーは例えば紙幅の中央位置に配置されていてもよい。さらに検出手段は、キャリッジに設けられたセンサーでもよい。これらの方式の異なるセンサーを用いた場合も、穴を紙無しと検出した場合の誤動作を解消できる。
(変形例12)間隔検出手段は、規定量Lgap以上の間隔が確保されたことを検出可能に給紙口付近に設けられたセンサーを備える構成でもよい。例えば先行用紙P1の後端が給紙開始位置Gを過ぎたことを検知するセンサーを設け、このセンサーが先行用紙P1の後端を検知すると、後続用紙P2の給送を開始するようにする。
(変形例13)穴は、ファイリング用の穴に限定されない。例えば穴の最大幅が、距離Lbより小さな値の穴であってもよい。穴形状も円に限らず、多角形孔(三角孔、四角孔、六角孔など)、楕円孔、スリットなどでもよい。
(変形例14)媒体は用紙に限定されず、フィルムや金属薄板(例えば金属ホイル)でもよい。
(変形例15)記録装置は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンターやページプリンターでもよい。また、複合機でもよい。さらに印刷方式も、インクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や熱転写方式、レーザー方式なども採用できる。なお、インクジェット式の記録装置には、液体材料を基板上に噴射してカラーフィルタや有機ELディスプレイ等を形成する工業用の液体噴射装置や、インクジェット式の捺染印刷機なども含まれる。
(変形例15)記録装置は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンターやページプリンターでもよい。また、複合機でもよい。さらに印刷方式も、インクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や熱転写方式、レーザー方式なども採用できる。なお、インクジェット式の記録装置には、液体材料を基板上に噴射してカラーフィルタや有機ELディスプレイ等を形成する工業用の液体噴射装置や、インクジェット式の捺染印刷機なども含まれる。
(他の技術思想の実施形態)
本発明の課題を解決できる他の技術思想を以下に説明する。図12はプリンターの概略側平面図であり、図13は印刷時の用紙の平面図である。図13に示すように、本実施形態のプリンター11では、キャリッジ14には、紙幅センサー90が設けられている。
本発明の課題を解決できる他の技術思想を以下に説明する。図12はプリンターの概略側平面図であり、図13は印刷時の用紙の平面図である。図13に示すように、本実施形態のプリンター11では、キャリッジ14には、紙幅センサー90が設けられている。
紙幅センサー90は、例えば反射型の光学センサー(フォトセンサー)からなり、記録ヘッド19における記録位置よりやや搬送方向上流側の位置に取り付けられ、用紙P上の印刷箇所よりも上流側箇所を検知対象とするように位置設定されている。紙幅センサー90は、その投下光が用紙Pの白色部分に当たるとその反射受光量が相対的に多くなることを利用して用紙を検知する方式で、用紙Pからの反射受光量が一定レベルを超えるとオンし、その検出域に用紙Pが無くなって反射受光量が一定レベル未満になるとオフする。
キャリッジ14(記録ヘッド19)が主走査方向Xに往復動するときに、紙幅センサー90が用紙Pの幅方向両端(側端)を検知することで、CPU53は、この検知されたX方向の二点間の距離を用紙Pの紙幅として取得する。また、紙幅センサー90が、紙幅領域内で想定最大穴径Dmax以上の規定距離Lwを超える範囲に亘って非検知状態になると、CPU53は用紙Pの後端が紙幅センサー90の検知対象位置に達したと把握する。CPU53は、紙幅センサー90の非検知状態となる範囲が、規定距離Lw以下のうちは、その検知対象位置に穴37があって非検知状態になっているとみなす。
CPU53は、設定用紙長Psizeと、位置カウンター71の用紙位置Nyとから用紙Pの後端位置を計算する。CPU53は、紙検出センサー38が用紙Pの先端を検知(紙無し→紙有り)してから、図13に示すように搬送方向において用紙の先端側の一部領域と後端側の一部領域を除く間の領域を、紙検出センサー38の検知を無効とするセンサー無効領域として設定する。すなわち、給紙途中で用紙Pの先端が紙検出センサー38により検知(紙無し→紙有り)されて計数を開始した位置カウンター71の計数値が、紙検出センサー38が用紙の先端側の一部領域内を検出している際の値をとるうちは、紙検出センサー38を有効とし、先端側の一部領域を外れると、紙検出センサー38を無効とする。その後、用紙Pの先端がヘッド基準位置Hに達して一旦リセットされた位置カウンター71の計数値が、紙検出センサー38が用紙Pの後端側の一部領域内を検出し始めた際の値に達すると、紙検出センサー38を再び有効とする。
但し、用紙Pが紙検出センサー38の無効領域内にあっても、紙幅領域内で規定距離Lwを超える範囲に亘って非検知状態になって、用紙Pの後端が紙幅センサー90の検知対象位置に達したことをCPU53が把握すると、ORカウンター73の計数を開始する。この場合、ORカウンター73の計数値が、紙幅センサー90の検知対象位置からヘッド基準位置Hまでの搬送経路上の距離に相当する値に達すると、CPU53は、記録ヘッド19からのインク滴噴射を強制終了させて用紙Pを排紙させる制御を行なうことにより、プラテン20へのインク滴噴射を防止する。
図14は、本例における用紙位置管理ルーチンのフローチャートである。CPU53はこのルーチンを図8の印刷制御ルーチンと並行して実行する。まず、設定用紙長Psizeから、センサー無効領域を求める(S610)。給紙が開始され、紙検出センサー38が紙無し→紙有りに切り換わると(S620で肯定判定)、位置カウンター71をリセットして用紙位置の計測(管理)を開始する(S630)。そして、用紙がセンサー無効領域内に突入すれば(S640で肯定判定)、印刷終了であるか否かの判断(S650)と、紙幅センサー90が後端検知したか否かの判断(S660)とを繰り返す。
ユーザーが設定用紙長Psizeよりも短い用紙をセットした場合、センサー無効領域内で印刷が終了しなければ、用紙がセンサー無効領域内にあるときに紙幅センサー90により用紙の後端が検知される(S650で肯定判定)。この場合、CPU53はステップ670において、紙幅センサー90とヘッド基準位置H間の搬送経路上の距離に相当する計数値MwをORカウンター73にセットして用紙の搬送量の計測(減算)を開始する。そして、ORカウンター73の値Myが「0」になると(S710及び図8のS110)、印刷を強制終了して排紙動作を行う(図8のS150)。
一方、ユーザーが設定用紙長Psizeの用紙Pをセットした場合、センサー無効領域内で印刷が終了しなければ、センサー無効領域内で紙幅センサー90が用紙後端を検知することなく、用紙はセンサー有効領域に突入し(S640で否定判定)、センサー有効領域において印刷終了であるか否かの判断(S680)と、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わったか否かの判断(S690)とを繰り返す。センサー有効領域内で印刷が終了しなければ、紙検出センサー38が紙有り→紙無しに切り換わると(S690で肯定判定)、紙検出センサー38とヘッド基準位置H間の搬送経路上の距離に相当するオーバーライド値MorをORカウンター73にセットして用紙位置の計測(減算)を開始する(S700)。そして、ORカウンター73の値Myが「0」になると(S710及び図8のS110)、印刷を強制終了して排紙動作を行う(図8のS150)。なお、センサー無効領域内で印刷終了したとき(S650で肯定判定)、センサー有効領域内で印刷終了したとき(S680で肯定判定)にも、排紙動作(図8のS150)が行われる。
用紙がセンサー無効領域内あるときには、穴37が紙検出センサー38の被検出位置に存在して、紙検出センサー38の検出状態が紙有り→紙無しへ切り換わっても、紙検出センサー38が無効とされるので、穴37を用紙後端と誤検知することが回避される。そして、用紙の搬送方向において穴37の存在する領域が、紙検出センサー38の被検出位置を過ぎると、用紙はセンサー有効領域内に入り、紙検出センサー38が有効とされるため、用紙の後端を検知して排紙を行うことができる。なお、排紙動作は、CPU53が図10又は図11の排紙制御ルーチンを実行することにより行われる。
また、図8のステップ90で第2搬送エリア突入済み(My<Mb)であれば、搬送制御フラグFc=1とされ、用紙の後端が紙送りローラー対35のニップ点を通過すると、搬送制御の設定が第1搬送制御から第2搬送制御に切り換わり、第2搬送制御で紙送りが行われる。
上記の実施形態から把握される技術思想を以下に記載する。
(1)穴を有する媒体に記録を施す記録装置であって、媒体を搬送する搬送手段と、搬送された媒体に記録を施す記録手段と、前記記録手段を媒体の搬送方向と交差する方向へ移動させる移動手段と、前記搬送手段、前記記録手段及び前記移動手段を制御する制御手段と、前記記録手段の記録位置に至る手前の搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出する第1検出手段(38)と、前記記録手段と共に移動可能に設けられて媒体の有無を検出する第2検出手段(90)と、媒体の搬送方向において両端を除く穴があると想定される領域を前記第1検出手段の検出結果を無効とする無効領域に設定し、前記制御手段は、前記第1検出手段が媒体の先端及び終端を検出した検出結果に基づいて前記搬送手段の搬送制御を行い、前記第1検出手段の無効領域の区間で前記第2検出手段が媒体無し状態を検出すれば、前記第2検出手段が媒体無し状態の検出結果に基づいて媒体の終端が規定位置に達すると前記搬送手段を制御して当該媒体を排出させることを特徴とする記録装置。
(1)穴を有する媒体に記録を施す記録装置であって、媒体を搬送する搬送手段と、搬送された媒体に記録を施す記録手段と、前記記録手段を媒体の搬送方向と交差する方向へ移動させる移動手段と、前記搬送手段、前記記録手段及び前記移動手段を制御する制御手段と、前記記録手段の記録位置に至る手前の搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出する第1検出手段(38)と、前記記録手段と共に移動可能に設けられて媒体の有無を検出する第2検出手段(90)と、媒体の搬送方向において両端を除く穴があると想定される領域を前記第1検出手段の検出結果を無効とする無効領域に設定し、前記制御手段は、前記第1検出手段が媒体の先端及び終端を検出した検出結果に基づいて前記搬送手段の搬送制御を行い、前記第1検出手段の無効領域の区間で前記第2検出手段が媒体無し状態を検出すれば、前記第2検出手段が媒体無し状態の検出結果に基づいて媒体の終端が規定位置に達すると前記搬送手段を制御して当該媒体を排出させることを特徴とする記録装置。
この構成によれば、媒体が第1検出手段の検出対象位置に穴があることが想定される無効領域にあるときには、第1検出手段が無効化されるので、穴を媒体の終端と誤検出することが回避される。例えば設定長より搬送方向長さの短い媒体が搬送された場合、媒体が無効領域にあっても、第2検出手段が媒体の終端を検出すれば、その検出結果に基づき終端が規定位置に達した時点で記録を停止させて当該媒体を排出させる。よって、穴を終端と誤検出することに起因する不具合を同士でき、しかも無効領域に媒体終端が位置しても必要な位置で記録を停止できる。
11…記録装置としてのプリンター、12…本体、14…記録手段を構成するキャリッジ、18…CRモーター、19…記録手段を構成する記録ヘッド、27…搬送手段を構成するPFモーター、38…検出手段としての紙検出センサー、21,22…インクカートリッジ、23…媒体載置部としての給紙トレイ、24…給送手段としての自動給紙装置、35…搬送手段を構成するとともに上流側の搬送ローラー対としての紙送りローラー対、36…搬送手段を構成するとともに下流側の搬送ローラー対としての排紙ローラー対、37…穴、50…制御手段としての制御部、53…間隔検出手段、第1設定手段及び第2設定手段を構成するCPU、56…RAM、68…エンコーダー、71…用紙位置カウンター、72…PFカウンター、73…計測手段としてのORカウンター、74…計測手段としての保留カウンター、80…ホスト装置、85…プリンタードライバー、P…媒体(ターゲット)としての用紙、Fc…搬送制御フラグ、F1…保留フラグ、F2…ORフラグ、Dmax…想定最大穴径、Ln…規定距離、Lor…第2規定距離としてのOR距離、Lgap…規定量、P1…先行媒体としての先行用紙、P2…後続媒体としての後続用紙。
Claims (9)
- 媒体に記録を施す記録装置であって、
媒体を搬送する搬送手段と、
搬送された媒体に記録を施す記録手段と、
前記搬送手段及び前記記録手段を制御する制御手段と、
搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出する検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出してから、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送を終えるまでの途中で前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、前記規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えた場合は前記所定処理を行わず、前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送と、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出したときに行うべき前記所定処理とを、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返すことを特徴とする記録装置。 - 前記検出手段は、前記記録手段の記録位置より搬送方向上流側の所定位置で媒体の有無を検出する構成であり、
前記制御手段は、前記媒体の終端が前記所定位置を通過してから、前記記録手段による記録が可能な記録限界位置に到達するまでの第2規定距離を計測するための計測処理を行う計測手段を備え、前記規定距離は前記第2規定距離未満の値に設定されており、前記検出手段が媒体無しを検出すると、前記計測手段の計測処理の実施を一時保留し、前記媒体無しを検出してから前記規定距離の搬送を終えるまでの途中で、前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記所定処理として、前記保留していた前記計測手段の計測処理の実施をキャンセルするキャンセル処理を行い、一方、前記検出手段が媒体有りを検出することなく前記規定距離の搬送を終えた場合は、保留していた前記計測手段の計測処理を保留分の搬送量を反映させた値から許可することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記計測手段が前記第2規定距離を計測し終わると、前記制御手段は、前記記録手段及び前記搬送手段を制御して、前記記録手段による記録動作を強制終了させたうえで、前記搬送手段により前記媒体を排出させることを特徴とする請求項2に記載の録装置。
- 前記搬送手段は、前記記録手段を挟んだ搬送経路上の上流側位置と下流側位置のそれぞれに搬送ローラー対を備え、
前記規定距離を、前記所定位置から前記上流側の搬送ローラー対までの搬送経路上の距離よりも小さな値に設定する設定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記計測手段の計測値に基づき、前記上流側及び下流側の両搬送ローラー対によって搬送される第1区間に媒体があると判断した場合に前記搬送手段を第1搬送制御で制御し、前記両搬送ローラー対のうち下流側の搬送ローラー対のみによって搬送される第2区間に媒体があると判断した場合に前記搬送手段を前記第1搬送制御と異なる第2搬送制御で制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。 - 媒体が積重状態にセットされる媒体載置部と、
前記媒体載置部から媒体を給送する給送手段と、
前記媒体載置部から先に給送された先行媒体が前記媒体載置部上の後続媒体との間隔が規定量以上となる位置まで搬送されたことを検出する間隔検出手段とを有し、
前記制御手段は、前記間隔が前記規定量以上確保されたことが検出されると、前記先行媒体の搬送と並行して前記後続媒体の給送を行うように前記搬送手段と前記給送手段とを制御する構成であり、
前記間隔を前記規定距離よりも大きな値に設定する第2設定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の記録装置。 - 媒体の排出に必要な排出距離を取得する排出距離取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記搬送手段による前記媒体の排出動作中に前記排出距離に達したとき又は前記排出距離の排出動作終了後に、前記検出手段が媒体無しを検出すると、前記規定距離の搬送をさらに行わせ、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記排出動作が、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための前記所定処理として所定距離の排出動作を行い、一方、前記検出手段が媒体有りを検出することなく前記規定距離の搬送を終えた場合は前記所定距離の排出動作を行わず、前記所定距離の排出動作を行った場合は、当該所定距離の排出動作を終了したときに、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送と、当該規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出したときに行うべき前記所定距離の排出動作とを、当該規定距離の搬送を前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返すことを特徴とする請求項1における記録装置。 - 媒体に記録を施す記録装置であって、
媒体を搬送する搬送手段と、
搬送された媒体に記録を施す記録手段と、
前記搬送手段及び前記記録手段を制御する制御手段と、
搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出する検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出すると、媒体が備える場合のある穴の穴径以上値に設定された規定距離の搬送をさらに行わせ、当該規定距離の搬送後、前記検出手段の検出結果に基づき媒体の有無を判断し、媒体有りであれば、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、媒体無しであれば前記所定処理を行わず、前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送、当該搬送後の媒体の有無の判断、及び当該判断の結果が媒体有りのときに行うべき前記所定処理を、前記判断の結果が媒体無しとなるまで繰り返すことを特徴とする記録装置。 - 搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出可能な検出手段を備えた記録装置における搬送制御方法であって、
前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出してから、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送をさらに行う第1ステップと、
前記規定距離の搬送の途中で前記検出手段が媒体有りを検出すると、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、前記規定距離の搬送をその途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えた場合は前記所定処理を行わない第2ステップとを備え、
前記第2ステップで前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記第1ステップと、前記第2ステップとを、前記第2ステップにおいて前記規定距離の搬送を途中で前記検出手段が媒体有りを検出することなく終えるまで繰り返すことを特徴とする記録装置における搬送制御方法。 - 搬送経路上の所定位置で媒体の有無を検出可能な検出手段を備えた記録装置における搬送制御方法であって、
前記媒体の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出すると、媒体が備える場合のある穴の穴径以上の値に設定された規定距離の搬送をさらに行わせる搬送ステップと、
前記規定距離の搬送の後、前記検出手段の検出結果に基づいて媒体の有無を判断する判断ステップと、
前記判断ステップでの判断結果が媒体有りであれば、前記媒体無しの検出が媒体の終端が所定位置を過ぎたことによるものである場合は正常な動作でも穴を検出したことによるものである場合は誤動作となる当該誤動作の状態を解消するための所定処理を行い、一方、媒体無しであれば、前記所定処理を行わない第3ステップと、
前記第3ステップで前記所定処理を行った場合は、その後の搬送中又は搬送後に、前記検出手段が媒体無しを検出する度に、前記規定距離の搬送、当該搬送後の媒体の有無の判断、及び当該判断の結果が媒体有りのときに行うべき前記所定処理を、前記判断の結果が媒体無しとなるまで繰り返すことを特徴とする記録装置における搬送制御方法。
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