JP2008126452A - 記録装置及び記録媒体有無の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 確実な記録媒体の有り無しの検出と、画質と記録速度におけるユーザーの要求との両立。
【解決手段】 キャリッジをプラテンの主走査方向に走行させつつ、前記プラテンと記録ヘッドとの間に搬送された記録媒体に対して所望の画像の記録を行う記録装置であって、前記キャリッジにプラテン上の前記記録媒体の有り無し検出を行う光学検出部を有し、前記画像の記録モードとして少なくとも記録速度と画質をバランスさせるモード、記録速度を優先させるモード及び画質を優先させるモードを有し、前記記録モードに応じた複数の前記記録媒体の有り無しの検出を行う手段を有することを特徴とする記録装置。
【選択図】 図4
Description
本発明は記録装置及び記録媒体有無の検出方法に関し、特に、インク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドを用いて画像を記録する記録装置及び記録媒体有無検出方法に関するためのものである。
近年のインクジェット記録装置(以下、記録装置、プリンタとも称する)は、写真のような高画質記録と、文書の高速記録が行えるだけでなく、高画質記録と高速記録とを両立するものがユーザ−により求められている。
インクジェット方式に従う記録ヘッドを往復走査させて記録を行うプリンタでは、記録ヘッドの走査範囲は記録媒体の幅よりも広いので、記録時に記録媒体よりも外側の領域、つまりプラテン上にインクが吐出されることがある。このような場合、プラテン上における記録媒体の存在しない領域に吐出されたインクにより記録装置内部が汚れたり、後で記録される記録媒体を汚してしまうという問題があった。そして記録媒体の存在しない領域の記録dutyが高くなる(記録媒体の存在しない領域に吐出されるインクが多くなる)につれ、記録装置又は記録媒体の汚れは深刻さを増し、場合によっては製品寿命にまで影響を与えることがあった。
また、記録ヘッドを主走査方向へ往復走査させずに、記録媒体の幅よりも大きな幅に記録ができるようノズルを配列した記録ヘッドを用いて記録を行うプリンタにおいても、記録媒体の外側の領域にインクが吐出されることで、上述の問題がおこる可能性がある。
プラテン上にインクが吐出されることへの対策として、従来より光学系のセンサを用いて光学的に記録媒体の検出を行うものがある。(例えば特許文献1参照。)また2つの記録媒体センサを用いてジャムやスリップの発生を確認しているものもある。(例えば特許文献2参照。)以下、図12、図13により従来の記録媒体の検出方法について説明する。
特許文献1は、光学センサを設け、記録媒体の有無の検出や記録媒体幅の検出を行う構成が開示されている。以下図12を用いて説明する。
光反射型の記録媒体検出用のセンサ8は、プラテン14と平行に往復動作を行うキャリアフレーム11上の記録ヘッド5の近傍に設けられている。このセンサ8がプラテン14の回転方向に搬送される記録媒体Pの先端及び後端を検出することにより、記録装置は第一記録行の設定及び記録媒体終了検出が行なわれる。また、キャリアフレーム11の往復動作に伴いセンサ8が記録媒体Pの幅方向の両端を検出することにより、第一記録列の設定並びに記録媒体幅の検出を行う。
特許文献2は、搬送経路に複数のセンサを設けて記録媒体の搬送状態(ジャムやスリップの発生)を確認する構成が開示されている。以下、図13を用いて説明する。
図13に示すように、記録媒体Pの搬送経路に複数の記録媒体検出センサS1、S2が設けられている。記録媒体検出センサS1又はS2により記録媒体の先端部が検出されてから、搬送ローラ1−a、1−bを所定量駆動(正回転、逆回転)したときに記録媒体Pの先端部の位置を検出することで、記録媒体ジャムやスリップの発生を確認することができる。
特開平05−069608号公報(第1頁、図1)
特開2002−144654号公報(第3頁、図1)
記録ヘッドにより記録媒体へ記録が行なわれる場所でもあるプラテン以外の場所(例えば、搬送経路など)で記録媒体の有り無しの検出を行う記録装置においては、記録媒体がプラテン上まで実際に搬送されているかを正確に検出することができない。したがって、記録媒体が無い状態で記録を行ってしまうことがあった。つまり、特許文献2のように搬送経路中にセンサを設けた場合、センサを過ぎたところで搬送不良が発生すると、記録媒体が記録部まで搬送されないため、プラテン上に記録をしてしまうことになる。
また、特許文献1のように、記録部近傍にセンサを設ける場合、記録媒体が無い状態での記録が行なわれることは低減されるが、記録媒体が有る又は無いという大まかな認識はできても、記録媒体の搬送状態を精度良く判別することができない。特に、写真のような高画質記録を行う場合には、記録媒体に余白部分を残さない記録(縁なし記録とも称する)が行なわれるため、記録媒体の先端部、後端部の検出誤差が大きいとプラテン上にインクが吐出されてしまうことになる。さらには、記録媒体有無の判別シーケンスの追加により、記録のスループットが低下してしまう問題もある。
また、近年のユーザーからの画質と記録速度の向上の要求は、特に、記録速度を優先させる記録モードを選択して記録する場合においては、画質の向上よりも更なる記録速度の向上が要求されている。また、画質を優先させる記録モードを選択して記録する場合においては、記録速度の向上よりも更なる画質の向上が要求されている。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、種々の記録モードに最適な記録媒体の有無検出ができる記録装置及び記録媒体有無検出方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置は以下のような構成からなる。
即ち、記録媒体と前記記録媒体を搬送する搬送手段を有し、プラテンと記録ヘッドとの間に前記搬送手段により搬送された記録媒体に対して所望の画像の記録を行う記録装置であって、
前記プラテン上の前記記録媒体の有り無しを光学的に検出する検出手段と、
前記記録装置が、少なくとも、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードと、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードと、画質を優先させて記録を行う第3のモードとのうちのいずれのモードにより記録を行うかに従って、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向と記録媒体の搬送停止位置と記録媒体の搬送量とのうちの少なくともいずれか1つを変化させることで前記記録媒体の位置を変化させ、前記検出手段により1回以上の記録媒体の有り無し検出動作を実行するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置である。
前記プラテン上の前記記録媒体の有り無しを光学的に検出する検出手段と、
前記記録装置が、少なくとも、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードと、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードと、画質を優先させて記録を行う第3のモードとのうちのいずれのモードにより記録を行うかに従って、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向と記録媒体の搬送停止位置と記録媒体の搬送量とのうちの少なくともいずれか1つを変化させることで前記記録媒体の位置を変化させ、前記検出手段により1回以上の記録媒体の有り無し検出動作を実行するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置である。
また他の発明によれば、プラテンと記録ヘッドとの間に搬送された記録媒体に対して所望の画像の記録を行う記録装置において、前記プラテン上の前記記録媒体の有り無しを光学センサにより検出する検出方法であって、
前記記録装置が、少なくとも、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードと、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードと、画質を優先させて記録を行う第3のモードとのうちのいずれのモードにより記録を行うかに従って、前記記録媒体の搬送方向と記録媒体の搬送停止位置と記録媒体の搬送量とのうちの少なくともいずれか1つを変化させることで前記記録媒体の位置を変化させ、前記光学センサにより1回以上の記録媒体の有り無し検出動作を実行するよう制御することを特徴とする検出方法を備える。
前記記録装置が、少なくとも、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードと、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードと、画質を優先させて記録を行う第3のモードとのうちのいずれのモードにより記録を行うかに従って、前記記録媒体の搬送方向と記録媒体の搬送停止位置と記録媒体の搬送量とのうちの少なくともいずれか1つを変化させることで前記記録媒体の位置を変化させ、前記光学センサにより1回以上の記録媒体の有り無し検出動作を実行するよう制御することを特徴とする検出方法を備える。
さらにまた、他の発明によれば、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を記録する記録装置であって、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録ヘッドに対向する位置における記録媒体の有無を検出する検出手段と、記録条件の異なる複数の記録モードのうちから設定された記録モードに応じて前記検出手段による検出時の前記記録媒体の搬送方向に対する位置が異なるように、前記搬送手段が前記記録媒体を搬送するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
したがって、本発明によれば、記録モードに従って、より適切な位置で記録媒体の有無を検出することができるという効果がある。
例えば、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードでは記録媒体の先端位置と想定される位置で記録媒体の有無検出を行うことができる。これにより、記録媒体の先端を正確に定められる。また、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードでは、記録媒体の実際の記録開始位置と想定される位置で記録媒体の有無検出を行うことができる。これにより、記録媒体の有無判定が高速になり、スループットの向上に貢献する。さらに、画質を優先させて記録を行う第3のモードでは、予め定められた期間、記録媒体の搬送制御を行うことによって記録媒体の先端位置と想定される位置で記録媒体の有無検出をより正確に行うことができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。さらに、記録媒体として所定の大きさにカットされたカット紙だけでなく、ロール紙を用いても良い。
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを備えたプリンタの詳細な構成を示す立体斜視図である。
図1に示すように、記録ヘッド5は,ヘッド寿命時に記録ヘッドごと新品と交換し得るカートリッジ式の記録ヘッドである。
図1において、キャリッジ15は、記録ヘッド5を保持しながら記録媒体Pの搬送方向(副走査方向、矢印G方向)と交差する方向(主走査方向、矢印H方向)に往復移動する。また、キャリッジ15は、ガイド棒16と突き当て部15aにより摺動自在に保持されており、キャリッジモータ(不図示)によって駆動されるプーリ17及びタイミングベルト18によって往復移動する。記録ヘッド5に与えられる記録信号や電力は、フレキシブルケーブル19を介して装置本体の電気回路より供給されている。なお、記録ヘッド5とフレキシブルケーブル19とは互いの接点を圧接して接続している。
また、キャリッジ15のホームポジションにはキャップ20が設けられており、このキャップ20はインク受けとしても機能する。キャップ20は必要に応じて上下し、上昇時は記録ヘッド5のノズル形成面に当接するようにノズル部を覆うことで、インクの蒸発やゴミの付着を防止する。
さて、この装置では、キャリッジ15がホームポジションに移動することで、記録ヘッド5とキャップ20とは相対的に対向する。このときのキャリッジの位置決めは、装置本体に設けられたキャリッジホームセンサ21とキャリッジ15に設けられた遮光板15bとにより行なわれる。キャリッジホームセンサ21は透過型のフォトインタラプタが用いられ、キャリッジ15が移動して待機位置まで移動した時に、キャリッジホームセンサ21の一部から照射された光が遮光板15bによってその透過が遮られる。このことを利用して、記録ヘッド5とキャップ20とが相対的に対向した位置にあることを検出する。
記録媒体Pは、図中下側より上方へ給紙され、給紙ローラ2及び紙ガイド22によって水平方向に曲げられて、矢印G方向(副走査方向)に搬送される。そしてPEセンサ(図2)によって記録媒体Pの搬送を確認してから所定搬送後、記録媒体Pの搬送動力は給紙ローラ2からLFローラ3(図2)と排紙ローラ6に移り変わる。LFローラ3及び排紙ローラ6は、LFモータ(不図示)によって駆動され、必要に応じてキャリッジ15の往復移動と連動して高精度に記録媒体Pを副走査方向に搬送する。また、記録部よりも副走査方向下流側の排紙ローラ6に対向する位置には、軸受部材23aにより主走査方向に所定長離間して複数箇所に拍車23が設けられている。この拍車23は、撥水性の高い材料でつくられており、その刃状の円周部のみで記録媒体Pに接触するため、記録直後の記録媒体上の未定着画像に接触しても画像に影響を与えずに記録媒体Pをガイドし搬送することができる。
本実施形態に適用可能な記録装置は、画質よりも記録速度を優先させた「高速モード」、記録速度よりも画質を優先させた「高画質モード」、さらには画質と記録速度を両立(バランス)させた「標準モード」の3種類の記録モードが設定できる。これらの記録モードは、記録媒体の種類や記録する画像データに応じて、ユーザが選択したり、記録装置の制御部が判断、設定したりする。それぞれの記録モードにおいて、「高画質モード」、「標準モード」、「高速モード」の順に記録速度が速くなる。また、「高速モード」、「標準モード」、「高画質モード」の順に記録画像の品位が良くなる。
図2は、記録部を横から見た図で、プラテン上の記録媒体の有り/無しを検出するためのフォトセンサ付近の構成を示している。フォトセンサ8はキャリッジ15の側面下部に備え付けられた光学式の反射型センサである。このフォトセンサ8は、発光素子と受光素子の一体型のセンサであり、発光面にレンズが一体成形されているのでプラテン14に向けてビーム光を投射できる。また、受光素子にはフォトトランジスタが用いられている。記録ヘッド5による記録動作を開始する前に、記録媒体Pがプラテン上に搬送されているか否かを、フォトセンサ8により検出する。フォトセンサ8は、記録媒体Pが搬送されるプラテン14に対して発光し、反射光の受光量に応じて記録媒体Pの搬送状態を検出する。フォトセンサ8がビーム光を照射した位置に記録媒体Pが搬送されていない場合は、照射光がプラテン上で反射しにくいため、受光素子が受光する反射光の光量(反射光量)が少ない。また、フォトセンサ8がビーム光を照射した位置に記録媒体Pがある場合は、照射光が記録媒体Pで反射しやすいため、受光素子が受光する反射光量が多い。このように、フォトセンサ8のセンシング領域に記録媒体Pがあるか否かに応じてフォトセンサの出力は異なるため、記録媒体Pがプラテン上に搬送されているか否かを検出することができる。なお、フォトセンサ8の出力信号は、図3に記載のプリンタプロセッサ36により読み取られる。
尚、本発明における搬送量とは、LFローラ3を回転(正転)又は逆回転(逆転)させて記録媒体Pが移動する距離のことを言う。また、搬送量を制御するとは、例えば、記録媒体の有り無しの検出をして記録媒体が無しと検出された場合に、記録媒体を搬送させることが挙げられる。搬送量を制御する別の例では、記録媒体が無しと検出された場合に、記録媒体を一定量搬送させ、さらにLFローラを逆回転させて記録媒体を逆方向に搬送させることが挙げられる。
次に本実施例における電気的な接続について図を参照して説明する。
図3において、記録装置Aには記録制御部48とヘッド部38が存在する。ホストコンピュータ30は記録装置AとUSB等のインターフェースにて接続されたホストであり、記録装置Aに対して記録データや記録装置Aの制御コマンドを送信する。ASIC32は記録装置Aのデータ処理やアクチュエータを駆動するためのICである。ASIC32に内蔵されるI/F回路31は、ホスト30から送信されたデータを受信するためのインターフェース回路であり、受信データをRAM35に格納する。プリンタプロセッサ36は、装置全体を制御するためのCPUであり、後述する記録モードに応じた記録媒体有無の検出動作の制御を行う。さらに、ASIC32に対してRAM35に格納されたデータを処理する命令やデータをヘッド部38に転送する命令を出す。RAM35は、受信データ格納する以外に所要の作業領域を提供している。また、ROM37には前記プリンタプロセッサ36が動作するためのプログラムや、ヘッド駆動、モータ駆動等の制御テーブル、そしてプラテン上の記録媒体Pの有り/無し判断の基準値、などの記録装置Aの動作に関するパラメータがあらかじめ格納されている。エンコーダ制御部46はキャリッジ位置検出素子であるエンコーダセンサ40の出力によりキャリッジの位置を検出するエンコーダ回路である。ヘッド駆動部47は記録ヘッド5を駆動するための駆動回路であり、ヘッド駆動部47を介して記録制御部48から送られてきたデータ(駆動信号)は、ヘッド部38内のヘッドドライバ41に転送される。ヘッドドライバ41は転送されたデータ(駆動信号)を記録ヘッド5に送信し、また、記録ヘッド5はデータ(駆動信号)に応じてインク滴の吐出をすることで記録動作が行われる。前述したフォトセンサ8からの出力は、増幅回路39によって信号増幅されて記録制御部48のA/D変換器33に送られる。A/D変換器33はアナログ信号であるセンサ信号をデジタル信号に変換する。プリンタプロセッサ36は、変換されたデジタル信号と、ROM37に格納される基準値とを比較することで、プラテン上に記録媒体Pがあるかどうかを判断する。ASIC32のモータ・センサ制御部34はキャリッジモータ17、LFモータ45を駆動するための駆動回路である。
次に、記録モードに応じた記録媒体有無の検出動作について述べる。
図4〜7は、記録モードに応じた記録媒体有無の検出動作を行う処理を示したフローチャートである。
図4において、ホストコンピュータ30記録装置Aに接続される外部装置(ホストコンピュータ30やデジタルカメラなど)から画像の記録指示が発せられると、S101では、画像を記録するときの記録モードに関する情報を取得する。なお、記録モードに関する情報とは、記録モードそのものでも良いし、記録モードに対応したフラグでも良い。ホストコンピュータ30から送信されたデータに記録モードに関する情報がある場合には、送信されたデータ又はRAM35に格納されたデータに基づいて記録モードに関する情報を取得する。また、ホストコンピュータ30から記録モードに関する情報が送信されていない場合には、記録装置Aはホストコンピュータ30に対して記録モードに関する情報を送出するよう要求する。S102では、S101において取得した記録モードに関する情報に基づいて、記録モード(「標準モード」、「高速モード」、「高画質モード」)を判別する。
次に、S103〜105では、S102で判別した記録モードに応じた記録媒体有無の検出動作が行えるよう設定する。具体的には、記録媒体有無の検出を行うときの記録媒体の検出位置の設定や、記録媒体の搬送制御の設定をする。
以下に、S102において取得した記録モードが、「標準モード」、「高速モード」、「高画質モード」のそれぞれの記録モードであるときの記録媒体有無の検出方法を記す。
記録モードが「標準モード」である場合には、キャリッジに搭載されているフォトセンサにより記録媒体Pの先端部を検出する(図8(a))ことで記録媒体Pの有無を判断するために、図5に示す処理を行う。まず、S201では、ホストコンピュータ30からの記録指示に従って、画像の記録を行うために記録媒体を搬送する。次に、S202では、搬送経路中に設けられ、記録媒体Pが存在するか否かを検出できるPEセンサ4によって、記録媒体Pが通過中であるか検出する。このとき、プリンタプロセッサ36がASIC32を介してPEセンサ4の出力変化を検出することで記録媒体Pが通過中であるか検出している。なお、PEセンサ4の出力変化が起こった時点、つまり、記録媒体Pが通過中ではない、から通過中であると判断された時点が、記録媒体Pの先端部がPEセンサ4の位置まで搬送されたと判断できる。
次に、S203では記録媒体Pの先端部がフォトセンサにより検出可能な位置まで搬送されるよう所定量搬送動作を行う。このときに行われる記録媒体の搬送量は、PEセンサからフォトセンサ8までの距離に基づいて決定される。続くS204では、フォトセンサ8の検出可能範囲に記録媒体Pが存在しているか検出する。特に記録モードが「標準モード」のときには、フォトセンサ8により記録媒体Pの先端部が存在するかを検出する。具体的には、S203における記録媒体の搬送動作とともに、搬送される記録媒体Pの先端部がフォトセンサ8により検出できるように、フォトセンサ8が設けられたキャリッジを主走査方向に移動させる(図8(a)参照)。キャリッジは、正常に記録媒体Pが搬送された場合に、記録媒体Pが存在する位置まで主走査方向に移動する。そして、フォトセンサ8の発光素子から記録媒体P(又はプラテン)に対して光を照射し、記録媒体P上(又はプラテン)で反射した反射光をフォトセンサ8の受光素子が受光する(図8(b))。フォトセンサ8は、受光素子が受光した受光量に応じたレベルのアナログ信号を出力する。そのため、記録媒体Pが存在しないときには、受光素子から照射された光はプラテンに到達する。このプラテンは記録媒体Pと反射特性が異なる部材、又は照射光を反射しないような部材であるため、記録媒体Pが存在するときと存在しないときとでは、フォトセンサ8の出力値は異なる。なお、フォトセンサ8の出力は非常に微小のため、増幅回路39において増幅処理を行ってから記録制御部48に送出される。記録制御部48に入力されてきたアナログ信号は、A/D変換器33によってデジタル信号に変換され、プリンタプロセッサ36は変換されたデジタル信号を読み取る。プリンタプロセッサ36は、読み取ったフォトセンサの出力信号(デジタル信号)と、予めROM37に格納している基準値(閾値)とを比較して、フォトセンサ8の検出範囲に記録媒体Pが存在するか否かを判断する。このとき、プリンタプロセッサ36は、フォトセンサの出力信号が基準値と同等以上であれば記録媒体Pがプラテン14上に存在すると判断する。
S204において、記録媒体Pの先端部がプラテン14上に存在すると判断されると、続くS205では記録媒体Pの所定位置に画像データに基づいた記録ができるように、記録媒体Pを記録開始位置まで所定量搬送する。このときの記録媒体の搬送量は、記録媒体に余白を設けて記録をするときの記録媒体の先端からの余白の大きさに対応する。さらに、S206で、画像データに基づいた記録を行って処理を終了させる。なお、ホストコンピュータから複数ページにわたる画像データを記録装置が受信したときには、このステップS201〜S206までをページ毎に繰り返す。
また、S204において、記録媒体Pの先端部がプラテン14上に存在しないと判断されたとき、すなわちフォトセンサの出力信号が基準値よりも低いときには、プリンタプロセッサ36は搬送制御に対して記録媒体Pの搬送をやり直すリトライ動作を指示する。このとき、記録媒体Pの先端部はPEセンサとフォトセンサの検出範囲との間にあり、記録媒体Pの先端部とフォトセンサ8の位置関係の一例として図8(c)があげられる。このリトライ動作(リトライシーケンスとも言う)が開始されると、まず、S207では、搬送のリトライ動作が行われた回数を確認する。S207においてリトライ動作が3回未満であると判断されたら、続くS209でLFモータ45を逆回転することでLFローラ3を逆回転させ、記録媒体Pを搬送方向上流側に搬送するように搬送して(逆搬送させて)LFローラ3の位置まで戻す。この記録媒体Pの逆搬送時には、記録媒体PにはLFローラ3によってのみ動力が伝わるため、記録媒体PがLFローラ3の位置よりも搬送方向上流側に戻ることは無い。そのため、記録媒体PがLFローラ3に到達するのに十分な時間だけLFモータ45を逆回転させることで、記録媒体Pを図8(d)のようにLFローラ3の位置で停止させ、記録媒体Pの位置を確定させることができる。次に、S203に戻り、記録媒体Pを所定量だけ搬送させる。このとき、S203において、初めて記録媒体Pを搬送するときと、このリトライ動作により記録媒体PをLFローラ3の位置から再度記録媒体Pを搬送するときとでは、記録媒体の搬送量を異ならせても良い(リトライ動作時は搬送量を小さくする)。これは、初めて記録媒体Pを搬送するときにはPEセンサ4が設置されている位置から記録媒体Pを搬送しているが、リトライ動作により記録媒体Pを搬送するときにはLFローラ3の位置から記録媒体Pを搬送するためである。その後は、上述のようにS204以降の処理を行えばよい。また、S207においてリトライ動作が3回以上であると判断されたら、S208で搬送エラー(給紙エラー)が発生していて記録媒体Pの先端部を検出が不可能(記録媒体Pの頭だし不良)と判断する。そして、ユーザーに給紙エラーが発生している旨を報知する等のエラー処理を行う。なお、本実施形態ではリトライ動作の上限を「3回」としたが、搬送する記録媒体の種類やサイズ等に応じて給紙エラーと判断するリトライ数を設定しても良い。
図9に、記録媒体Pが搬送され始めてから1回のリトライ動作後に画像が記録されるまでのフォトセンサの出力信号と時間の関係を示す。図9では、S202でPEセンサが記録媒体の通過を検知してから記録媒体Pがプラテン上に搬送される前に、記録媒体Pの先端部の検出位置までキャリッジを主走査方向に移動させてフォトセンサの出力信号を取得している。
図9のt1は、PEセンサ4が記録媒体Pの搬送を検知した(S202)ときである。t2は、1回目の搬送動作後にフォトセンサにより記録媒体の有無の検出が行われた(S205)ときで、図8(c)に示すように搬送不良があって記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲まで搬送されなかったときある。t3は、リトライ動作により記録媒体Pが図8(d)に示すようにLFローラの位置まで逆搬送されている(S208)ときである。t4は、リトライ動作により記録媒体Pが正常に搬送され、記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲に近づいたときである。t5は、図8(b)に示すようにフォトセンサの検出範囲に記録媒体Pの先端部が到達しているときで、プラテン上に記録媒体Pが存在すると判断される(S204)ときある。t4からt5にかけては、記録媒体Pが搬送されるにつれ、記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲(検出可能範囲)に含まれていくため、フォトセンサの出力信号は徐々に大きくなる。t4とt5の間で、フォトセンサの出力信号が基準値(閾値)Xよりも大きくなっている。このため、プリンタプロセッサ36は記録媒体Pが正常に搬送されたと判断し、t6は、t5の後で記録媒体Pを記録開始位置まで所定量搬送されたときで、画像の記録動作が開始される。プリンタプロセッサ36は、フォトセンサの出力信号が基準値(閾値)Xよりも大きいときにはフォトセンサの検出範囲に記録媒体Pが存在していると判断する。特に、フォトセンサの出力信号が基準値(閾値)Xを超えた時点をフォトセンサの検出範囲の略中心に記録媒体Pの端部があると判断する。
なお、S205において、フォトセンサ8の発光素子は、記録媒体Pの有無の検出時にだけ光を照射する構成としても、フォトセンサ8による検出位置へのキャリッジの移動中や記録媒体の搬送中においても光を照射する構成としてもどちらでも良い。記録媒体Pの有無の検出時にだけ光を照射して光の照射時間を短くすることで発光素子の寿命を長くすることができる。また、キャリッジの移動中や記録媒体の搬送中においても光を照射する構成とすることで、記録媒体Pの端部を精度良く検出することや、記録媒体の幅を検出することが可能となる。
「標準モード」において、記録開始位置まで搬送せずに記録媒体の先端位置と想定される位置で記録媒体Pの有り/無しを検出する理由は、搬送状態をより厳密に検出するためである。記録開始位置で検出を行う時は、余白設定と記録データによってはフォトセンサ8の検出位置を大きく過ぎたところまで記録媒体の搬送を行うことになり、搬送ジャムのような大きな搬送不良でなければ検出できない。よって図8(b)の位置のようにフォトセンサ8の検出範囲を少し過ぎる位置まで搬送し、図8(a)、図9のように記録媒体Pの先端部を検出することで、大規模の搬送ジャムでなくとも搬送不良を検出できるようになる。
次に、記録モードが「高速モード」における記録媒体の有り無しの検出方法を述べる。記録モードが「高速モード」である場合には、キャリッジに搭載されているフォトセンサにより記録媒体Pの記録開始位置と想定される位置を検出する(図10(a))ことで記録媒体Pの有無を判断する。記録モードが「高速モード」のときには、記録媒体の所定領域に対して記録ヘッドを走査する回数を少なくして記録したり、記録走査する際のキャリッジの移動速度を速めて記録している。このような記録方法により、他の記録モードと比較して記録に要する時間が低減される。
図6は、図4のB以降の処理方法を示したフローチャートである。記録モードが「標準モード」のときの処理方法と同じものには同じステップ番号を付してある。
「高速モード」のときには、S202のPEセンサにより記録媒体の通過を検知した後の、S303では記録媒体Pの記録開始位置まで記録媒体Pを搬送する。そして、S204でフォトセンサ8の検出可能範囲に記録媒体Pが存在しているかを検出し、記録媒体Pが存在していると判断されるとすぐに、続くS206で画像の記録を開始する。図10(b)に、S204のときのフォトセンサ8と記録媒体Pの位置関係を示す。図10(b)に示すように、記録モードが「標準モード」のとき(図8(b))とでは、フォトセンサにより記録媒体の有無を検出するときの記録媒体の位置が異なる。記録モードが「高速モード」のときには、記録媒体がPEセンサを通過したことを検出したあとに、記録媒体の先端の検出をすることなく記録位置まで一度に搬送する。S205でプラテン上(記録ヘッドによる記録可能領域)に記録媒体が存在することを確認できたら、図5のS205の処理を行わずにS206の記録処理を行う。このように、記録媒体の先端部の検出を行わずに、記録媒体が存在していることを確認したらすぐに記録を行うことにより、記録に要する時間を低減させることが可能となる。
なお、S204においてフォトセンサにより記録媒体が無いと判断されたときの処理は、「標準モード」のときと同じように、リトライ動作(図5のS207以降の処理)が行われる。リトライ動作時には「標準モード」と同じ動作を行うことにより、通常は記録媒体の先端を検出せずに記録速度を重視し、搬送エラーが生じたときには正常に搬送されているかを早めに確認できるようにすることができる。また、リトライ動作時においても記録媒体の先端を検出せずに記録位置まで搬送し、記録媒体が存在することを確認するようにしてもよい。
図10(c)に、記録媒体Pが搬送され始めてから画像が記録されるまでのフォトセンサの出力信号と時間の関係を示す。t1はPEセンサが記録媒体の搬送を検出したとき、t2は記録媒体の先端部がフォトセンサの検出範囲に近づいたときである。また、t3は、記録媒体が図10(b)に示すように記録開始位置まで搬送されているときである。t3のときに、フォトセンサは記録媒体の有無を検出し、図10(b)ではフォトセンサの出力信号が基準値(閾値)Xよりも大きくなっているので記録媒体があると判断し、続けて画像の記録を行っている。
このように、「標準モード」と「高速モード」では、記録媒体の先端部が通過したことをPEセンサにより検出してから、キャリッジに設けられたフォトセンサで記録媒体有無の検出を行うまでの記録媒体Pの搬送量が異なる。つまり、「高速モード」の方が搬送量は大きい。また、「標準モード」のときにはPEセンサによる記録媒体通過の検出後に記録媒体の先端を検出しているが、「高速モード」のときには記録媒体の先端の検出は行わないため、「高速モード」の記録スループットを向上させることが可能となる。さらに、記録媒体の先端検出のために一度記録媒体の搬送を停止し、先端検出後に再び記録開始位置まで搬送を開始させる「標準モード」に対して、記録媒体の搬送を停止しない「高速モード」は記録媒体の搬送時間が短くなり、記録時間も短くすることができる。
なお、上述の「高速モード」のように記録媒体の先端を検出せずに画像記録を行うことにより、余白の大きさが多少ずれてしまう可能性はある。しかしながら、この「高速モード」は、画質よりも記録速度を優先させたモードであるために、搬送精度の誤差に関して「標準モード」と比べても比較的許容範囲が大きい。そのため、記録媒体有無の検出方法においても、記録速度の向上を優先させるような制御となっている。
本実施形態においては、「高速モード」において、フォトセンサにより記録媒体の存在が確認されると、記録媒体を再度搬送することなく記録を開始する。このため、フォトセンサはインクを吐出するノズルを配列したノズル列の搬送方向上流側の端部付近に設けている。これにより、記録媒体の存在を確認後に記録媒体を搬送せずに記録を行っても、ノズルから吐出されるインクが記録媒体上に着弾する。
次に、記録モードが「高画質モード」における記録媒体の有り無しの検出方法を述べる。記録モードが「高画質モード」である場合には、フォトセンサにより記録媒体Pの有無だけでなく、記録媒体の先端位置と想定される位置を高精度に検出する。記録モードが「高画質モード」のときには、記録媒体の所定領域に対して記録ヘッドを走査する回数を多くして1回の記録走査で記録される画像を減らして記録したり、記録走査する際のキャリッジの移動速度を遅くして、高品位な画像を記録する。図4のC以降の処理方法を示したフローチャートを図7に示す。
まず、S201、S202でPEセンサにより記録媒体Pの通過を検知すると、S403でタイマのカウントを開始する。タイマはプリンタプロセッサ36に内蔵された機能であり、S403以降の時間をカウントアップする。次に、S404では記録媒体Pの先端部がフォトセンサにより検出可能な位置まで搬送されるよう所定量搬送動作を行う。続くS405では、プリンタプロセッサでカウントしているタイマカウント値とRAM35又はROM37に格納されている所定値とを比較する。S405においてタイマカウント値が所定値以下であると判断されたときには、続くS406でキャリッジに設けられたフォトセンサの出力値Vを取得する。記録モードが「高画質モード」のときには、「標準モード」のときよりも記録媒体Pの端部を精度良く検出するために、フォトセンサの検出可能範囲に記録媒体Pの端部が搬送される前からフォトセンサの発光素子は光を照射し、受光素子は受光量を測定する。S404の記録媒体の搬送を開始してから所定間隔毎にフォトセンサの出力値を取得する構成でも良い。S407では、取得したフォトセンサの出力値Vと閾値X1とを比較する。S407において、フォトセンサの出力値Vは閾値X1よりも低いと判断されたときには、記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲まで搬送されていないため、S404に戻ってさらに記録媒体Pの搬送を続ける。
S407において、フォトセンサの出力値Vが閾値X1以上であると判断されたときには、記録媒体Pがフォトセンサの検出範囲の所定位置まで搬送されたので、続くS408でフォトセンサの出力値Vと閾値X2とを比較する。S408において、フォトセンサの出力値Vが閾値X1以上閾値X2以下であると判断されたときには、記録媒体Pの先端部が所定位置まで搬送されたので、S409でタイマカウントを終了する。続くS410では、記録媒体Pを記録開始位置までさらに記録媒体Pを搬送し、S411で画像の記録を行う。なお、このときの閾値X1は、記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲にわずかにかかる位置にあるときのフォトセンサの出力値よりも大きい値である。また、閾値X2は、記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲を超える位置まで搬送されたときのフォトセンサの出力値よりも小さい値である。すなわち、フォトセンサの検出範囲内の所定領域に、記録媒体Pの先端部が存在するときのフォトセンサの出力値がとりうる値に基づいて閾値X1、X2を定めている。
S408において、フォトセンサの出力値が閾値X2よりも大きいと判断されたときには、記録媒体Pの先端部がフォトセンサの検出範囲の所定位置を超えた(搬送量が多すぎた)ので、S413においてLFローラを逆回転させて記録媒体Pを逆搬送させる。次に、S414でフォトセンサの出力値Vを取得し、続くS415ではフォトセンサの出力値が閾値X2よりも大きいか判断する。S415において、フォトセンサの出力値が閾値X2よりも大きいと判断された場合は、S413に戻り記録媒体Pの逆搬送を続ける。一方、S415において、フォトセンサの出力値が閾値X2よりも小さいと判断された場合は、S405に戻りそれ以降の処理を行う。
なお、S405において、カウントアップしているタイマカウント値が所定値を超えると、プリントプロセッサ36は修正不可能と判断して給紙動作のエラーとみなし、タイマカウントをクリアしてエラー処理を行って搬送動作を終了する。
上述の「高速モード」において、フォトセンサの出力値と比較する閾値X1、X2は、「高画質モード」で使用されるために設定された範囲である。「高速モード」や「標準モード」のように1つの基準値との比較ではなく、一定範囲内との比較をして後述する搬送調整動作を行うことで、記録媒体Pの先端エッジを検出し調整動作を行うことで搬送精度の向上をはかれる。尚、好ましい搬送調整動作として、搬送調整動作の回数が増えるに従い搬送する距離を短くすることが挙げられる。例えば、S407やS415において、フォトセンサの出力値とX1、又はX2の差に応じてS404やS413において、記録媒体Pの搬送量を決定しても良い。つまり、フォトセンサの出力値と閾値X1、X2との差が大きいほど記録媒体Pの搬送量(逆搬送する搬送量)を大きくしても良い。また、S407においてフォトセンサの出力値が閾値X1よりわずかに小さいときには、S404で記録媒体Pの搬送量を小さくしても良い。S415においてフォトセンサの出力値が閾値X2よりもわずかに大きいときには、S413で記録媒体Pの逆搬送量を小さくしても良い。
フォトセンサの出力値が閾値X1からX2の範囲内にあるように正常に記録媒体Pの搬送が行われた時には、図11(c)に示すよう基準となる位置Aと記録媒体Pの先端がおよそ等しくなる。図11(a)の状態は、フォトセンサの出力値が閾値X1よりも小さいときで、LFローラを正回転させて記録媒体Pをさらに搬送する。また、図11(b)の状態は、フォトセンサの出力値がX2よりも大きいときで、LFローラを逆回転させて記録媒体Pを逆搬送する。このようにフォトセンサの出力値と閾値X1、X2とを比較しながら、基準位置Aの位置に記録媒体Pの先端部が搬送されるような制御を、タイマカウントの値が所定値を超えるまで行う。
搬送調整動作では1回目の出力を検出する場合と、搬送調整動作前より出力信号が減少した場合は、LFローラ3を前回の動作と同じ向きで回転させるようにLFモータ45を制御し、記録媒体Pを規定距離送るようにする。また図11(b)のように記録媒体Pの先端位置が位置Aを過ぎてしまうと、フォトセンサ8の出力は基準値の範囲(閾値X1−X2の範囲)を超えてしまう。この場合は、図11(c)のようにLFローラ3を前回の動作と逆向きに回転させるようにLFモータ45を制御し、記録媒体Pを規定距離(前回の搬送調整より短い距離)戻すようにする。このときのフォトセンサ8の出力Vと時間Tとの関係を図11(d)に示す。PEセンサ4が記録媒体Pの搬送を検出した時をt1とする。図11(a)のように記録媒体Pの先端が位置Aに達しない時をt2とする。このときのフォトセンサ8の出力信号は範囲D(基準値の範囲と同等)より低いため、LFローラ3を正回転させて記録媒体Pの搬送を行う。その後t3において、今度は範囲Dを超えてしまったためLFローラ3を逆回転させて記録媒体Pの逆搬送を行う。その後t4においてフォトセンサ8の出力は範囲D内に収まったため、記録媒体Pを記録開始位置まで搬送する。t5は記録媒体Pがフォトセンサ8の検出範囲を過ぎたとき、t6は記録媒体Pが記録開始位置まで搬送された時を示す。
以上のように、キャリッジに搭載されたセンサによって、「標準モード」では記録媒体の先端でプラテン上の記録媒体の有り無し検出(先端検出)を行い、「高速モード」は記録媒体の先端ではなく実際の記録開始位置で検出を行う。「高画質モード」では規定位置に記録媒体の先端があるかどうかを検出して、LFモータ45を制御して頭出し調整(搬送調整動作)を行う。よって「高速モード」時のスループットをあまり下げることなく検出動作を行い、また「高画質モード」では記録媒体の搬送精度を向上させることができる。
本実施形態では記録モードのみで記録媒体の有り/無しのシーケンスを切り替えたが、記録媒体Pの材質や搬送経路も加味することもできる。例えば「高速モード」の場合でも、記録媒体Pが搬送に不利な材質であった場合やオプションカセットフィーダ等を使用して搬送経路が長くなる場合は、搬送不良が発生しやすいため先端検出動作を行うことでより効果的な検出動作をすることができる。また「標準モード」の場合でも搬送負荷が小さい記録媒体を使用するときには、搬送不良が発生しにくいと見なし記録開始位置まで搬送させて記録媒体の有り/無しを判断することもできる。
また、本実施形態では、記録モードを3種類有する記録装置を示したが、記録速度と画質の優先度合いにより記録モードが複数設定されていれば良い。その際、記録モードは3種類以上の記録モードが設定可能としても良い。なお、記録媒体の種類によっては、記録モードが2種類のみ設定されるようなものでも良い。例えば、写真などを記録する写真調光沢紙においては、高画質な記録が可能である記録媒体であるため、通常は速度優先で記録されない。そのため、記録モードとして「高速モード」又は「標準モード」だけを設定可能としてもよい。尚、記録速度と画質の優先度合いをさらに細かく複数種類の記録モードを有する記録装置である場合、細かく設けた複数種類の記録モードが、それぞれ上記「標準モード」、「高速モード」、「高画質モード」の記録媒体の搬送動作を行えばよい。
なお、以上の実施例は、特に好ましく実施することができるインクジェット記録方式を用いたインクジェット記録装置についての実施例であるが、本発明は、インクジェット記録装置に限定されるものではなく、熱転写方式や昇華式の記録装置等も含まれる。また、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
3 LFローラ
4 PEセンサ
5 記録ヘッド
6 排紙ローラ
8 フォトセンサ
14 プラテン
15 キャリッジ
P 記録媒体
4 PEセンサ
5 記録ヘッド
6 排紙ローラ
8 フォトセンサ
14 プラテン
15 キャリッジ
P 記録媒体
Claims (10)
- 記録媒体と前記記録媒体を搬送する搬送手段を有し、プラテンと記録ヘッドとの間に前記搬送手段により搬送された記録媒体に対して画像の記録を行う記録装置であって、
前記プラテン上の前記記録媒体の有り無しを光学的に検出する検出手段と、
前記記録装置が、少なくとも、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードと、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードと、画質を優先させて記録を行う第3のモードとのうちのいずれのモードにより記録を行うかに従って、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向と記録媒体の搬送停止位置と記録媒体の搬送量とのうちの少なくともいずれか1つを変化させることで前記記録媒体の位置を変化させ、前記検出手段により1回以上の記録媒体の有り無し検出動作を実行するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。 - 前記制御手段は、
前記第1のモードでは、記録媒体の先端位置と想定される位置で前記検出手段による検出を行い、
前記第2のモードでは、記録媒体の実際の記録開始位置と想定される位置で前記検出手段による前記検出を行い、
前記第3のモードでは、予め定められた期間、前記記録媒体の搬送調整を行うことによって記録媒体の先端位置と想定される位置での前記検出手段による前記検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記検出手段による検出結果に基づいて、前記記録媒体が無しと判断された場合にリトライシーケンスとして再度検出動作を行い、前記リトライシーケンスを複数回繰り返しても前記記録媒体が無しと判断された場合は、搬送エラーと判断することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記リトライシーケンスにおいて、
前記第1のモードでは、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向を正転或いは逆転させて前記記録媒体を搬送し、記録媒体の先端が前記検出手段による検出位置と想定される位置において再度前記検出手段により前記検出を行い、
前記第2のモードでは、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向を正転或いは逆転させて前記記録媒体を搬送し、実際の記録開始位置と想定される位置において再度前記検出手段により前記検出を行い、
前記第3のモードでは、前記搬送手段による記録媒体の搬送方向を正転或いは逆転させて前記記録媒体を搬送し、記録媒体の先端が前記検出手段による検出位置と想定される位置において、前記検出手段からの出力信号が予め定められた範囲内となるまで、前記搬送手段による搬送と前記検出手段による検出とを繰り返すことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。 - 前記第3のモードにおいて、前記検出手段からの出力信号が前記予め定められた期間内に前記予め定められた範囲内に収束しない場合は搬送エラーと判断することを特徴とする請求項4に記載の記録装置
- 前記記録装置は、インクジェット記録装置であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の記録装置
- プラテンと記録ヘッドとの間に搬送された記録媒体に対して画像の記録を行う記録装置において、前記プラテン上の前記記録媒体の有り無しを光学センサにより検出する検出方法であって、
前記記録装置が、少なくとも、記録速度と画質をバランスさせて記録を行う第1のモードと、記録速度を優先させて記録を行う第2のモードと、画質を優先させて記録を行う第3のモードとのうちのいずれのモードにより記録を行うかに従って、前記記録媒体の搬送方向と記録媒体の搬送停止位置と記録媒体の搬送量とのうちの少なくともいずれか1つを変化させることで前記記録媒体の位置を変化させ、前記光学センサにより1回以上の記録媒体の有り無し検出動作を実行するよう制御することを特徴とする検出方法。 - 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を記録する記録装置であって、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録ヘッドに対向する位置における記録媒体の有無を検出する検出手段と、
記録条件の異なる複数の記録モードのうちから設定された記録モードに応じて、前記検出手段による検出時の前記記録媒体の搬送方向に対する位置が異なるように、前記搬送手段が前記記録媒体を搬送するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。 - 前記複数の記録モードとして、記録速度の異なる複数の記録モードがあり、
前記制御手段は、相対的に記録速度の速い記録モードが設定された場合には前記画像の記録を開始する位置まで記録媒体を搬送するよう制御し、相対的に記録速度の遅い記録モードが設定された場合には前記検出手段により前記記録媒体の先端部が検出される位置まで記録媒体を搬送するよう制御することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。 - 前記複数の記録モードとして、記録する画質の異なる複数の記録モードがあり、
前記制御手段は、相対的に前記画質の高い記録モードが設定された場合には前記検出手段により前記記録媒体の先端部が検出される位置まで記録媒体を搬送するよう制御し、相対的に前記画質の低い記録モードが設定された場合には前記画像の記録を開始する位置まで記録媒体を搬送するよう制御することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006312126A JP2008126452A (ja) | 2006-11-17 | 2006-11-17 | 記録装置及び記録媒体有無の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2008126452A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011218597A (ja) * | 2010-04-06 | 2011-11-04 | Seiko Epson Corp | 記録装置及びプログラム |
JP2013163338A (ja) * | 2012-02-13 | 2013-08-22 | Brother Industries Ltd | 画像記録装置 |
-
2006
- 2006-11-17 JP JP2006312126A patent/JP2008126452A/ja not_active Withdrawn
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