JP2009183132A - モータ制御装置、媒体搬送装置、および画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モータ或いはその駆動対象に過負荷がかかって制御偏差が大きくなっても、制御応答性を良好に維持しつつ、駆動対象の振動発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】 給紙モータを制御するにあたり、位置偏差が小さいレベル(更新停止判定値以下)である限りは第1プロファイルFa(t)に従った目標位置が演算タイミング毎に更新演算されるが、操作量が操作量上限値を超え、且つ、位置偏差が過大(更新停止判定値を超過)となった場合は(時刻ta)、操作量演算部による操作量の演算が停止されて操作量が操作量上限値に固定されると共に、第1プロファイルFa(t)に従った目標速度の更新演算も停止され、目標速度は偏差超過時目標速度Fa(ta)に固定設定される。そして、位置偏差が更新再開判定値以下になると(時刻tb)、操作量演算部による操作量の演算及び第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が再開される。
【選択図】図7
【解決手段】 給紙モータを制御するにあたり、位置偏差が小さいレベル(更新停止判定値以下)である限りは第1プロファイルFa(t)に従った目標位置が演算タイミング毎に更新演算されるが、操作量が操作量上限値を超え、且つ、位置偏差が過大(更新停止判定値を超過)となった場合は(時刻ta)、操作量演算部による操作量の演算が停止されて操作量が操作量上限値に固定されると共に、第1プロファイルFa(t)に従った目標速度の更新演算も停止され、目標速度は偏差超過時目標速度Fa(ta)に固定設定される。そして、位置偏差が更新再開判定値以下になると(時刻tb)、操作量演算部による操作量の演算及び第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が再開される。
【選択図】図7
Description
本発明は、モータ制御装置、そのモータ制御装置を用いて被搬送媒体の搬送を行う媒体搬送装置、及び、そのモータ制御装置を用いて記録ヘッドを搭載したキャリッジを駆動しつつ被記録媒体への画像形成を行う画像処理装置に関する。
従来より、画像処理装置としては、トレイに載置された用紙等の被記録媒体を給紙ローラにより一枚ずつ分離して搬送路下流の所定位置まで送出し、その送出した被記録媒体を搬送ローラにより狭持して搬送ローラの回転によってさらに搬送路下流に搬送する媒体搬送装置を備え、搬送路下流に位置する記録位置にて、媒体搬送装置により搬送されてきた被記録媒体上に画像を形成するものが知られている。
そして、この種の画像処理装置としては、記録ヘッドが搭載されたキャリッジが上記記録位置に設けられ、このキャリッジを被記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向である主走査方向に移動させつつ、被記録媒体上に記録ヘッドからインク液滴を吐出して画像を形成するものが知られている。より具体的には、給紙ローラにより所定位置まで送出された被記録媒体が搬送ローラによって副走査方向へ所定幅(1パス分)ずつ搬送され、その所定幅ずつ搬送される毎に、キャリッジが主走査方向に移動して被記録媒体上へ1パス分の画像形成が行われる。
給紙ローラ、搬送ローラ、及びキャリッジの駆動源としては、いずれも、一般にモータが用いられ、モータの駆動力によって、これら給紙ローラ、搬送ローラ、及びキャリッジが駆動される。
各モータの制御は、一般にフィードバック制御により行われる。即ち、駆動対象の実際の駆動量(位置や速度)を検出し、その検出値と予め設定された目標値とを比較して、両者の偏差に基づいてモータへ与えるべき操作量(供給すべき電流又は電圧を示す指令値)を演算する。例えば給紙ローラを駆動する給紙モータの制御であれば、被記録媒体の実際の位置と目標位置との偏差に基づいて位置フィードバック制御による操作量の演算が行われる。
このように構成された画像処理装置では、被記録媒体の材質の影響や、被記録媒体と搬送路との干渉などによって、給紙ローラ或いは搬送ローラによる被記録媒体の搬送中に被記録媒体に大きな負荷がかかり、設定されている目標位置と実際の位置との偏差(位置偏差)が過大になってしまう場合がある。このように位置偏差が過大になると、制御が非常に不安定になり、給紙ローラ或いは搬送ローラに振動が生じて、被記録媒体の搬送が良好に行われなくなる。
これに対し、特許文献1には、PID制御による制御器によってモータの制御を行うにあたり、目標値と実際の駆動量との制御偏差に基づいてトルク指令を計算すると共に、そのトルク指令と一定時間前のトルク指令との差を比較し、その差に応じて制御器の比例ゲイン・積分ゲインを増減させることで、モータ負荷の振動を抑圧する技術が開示されている。
特開平11−155294号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、制御器により生成されるトルク指令の差に基づいて各ゲインが増減されるものであるため、駆動対象に過負荷がかかった場合に、目標値と実際の駆動量との制御偏差がまだ大きく広がっていない段階であるにもかかわらずトルク指令の差が大きくなったということで各ゲインが下げられ、モータに十分なトルクが与えられなくなるおそれがある。そうなると、駆動対象の駆動量が目標値に達するまでの時間が長くなってしまうという、制御応答性の低下の問題が生じる。
しかも、特許文献1に開示された技術は、PID制御に対して適用され、比例ゲイン・積分ゲインを増減させるものであるため、PID制御以外の制御手法(例えばロバスト制御など)に対して同様の技術を適用するのは非常に困難である。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、モータ或いはその駆動対象に過負荷がかかって制御偏差が大きくなっても、制御応答性を良好に維持しつつ、駆動対象の振動発生を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のモータ制御装置は、モータにより駆動される駆動対象の駆動量を検出する検出手段と、予め設定された第1の目標設定規則に従い、所定周期で前記駆動対象の目標駆動量を設定する目標設定手段と、この目標設定手段により設定された目標駆動量と検出手段により検出された駆動量との差である制御偏差を演算する制御偏差演算手段と、この制御偏差演算手段により演算された制御偏差に基づき、駆動対象の駆動量が目標駆動量と一致するようにモータに対する操作量を演算する操作量演算手段と、制御偏差演算手段により演算された制御偏差が予め設定した第1偏差判定値を超えたか否かを判断する偏差判断手段とを備えている。
そして、目標設定手段は、偏差判断手段により制御偏差が第1偏差判定値を超えたと判断された場合、該判断後の次の目標駆動量設定タイミングから所定の条件が成立するまでの期間は、第1の目標設定規則に代えて、該第1の目標設定規則にて設定される目標駆動量よりも小さい駆動量を目標駆動量に設定する第2の目標設定規則に従い、目標駆動量の設定を行う。
このように構成されたモータ制御装置では、制御偏差が第1偏差判定値を超えるまでは、第1の目標設定規則に従って設定される目標駆動量に基づいて操作量が演算される。そして、何らかの要因でモータに過負荷がかかる等によって制御偏差が大きくなり、第1偏差判定値を超えた場合は、その後所定の条件が成立するまでは、仮にそのまま第1の目標設定規則に従い続けた場合に設定されたであろう目標駆動量よりも小さい駆動量が目標駆動量として設定される。つまり、所定の条件が成立するまでは、目標駆動量をより実際の駆動量に近い量に下げて、目標駆動量と実際の駆動量との制御偏差を小さくするのであり、これにより、制御偏差が大きくなりすぎて操作量の値或いはその増減が過大になってしまうのが抑制される。
従って、請求項1記載のモータ制御装置によれば、モータ或いはその駆動対象に過負荷がかかって制御偏差が大きくなっても、制御偏差が第1偏差判定値を超えた場合は第2の目標設定規則への切り替えにより制御偏差が小さくなるようにされるため、制御偏差が過大に膨れ上がることが防止され、制御応答性を良好に維持しつつ、駆動対象の振動発生を抑制することが可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置であって、操作量演算手段により演算された操作量が予め設定した操作量判定値を超えたか否かを判断する操作量判断手段を備えている。そして、目標設定手段は、操作量判断手段により操作量が操作量判定値を超えたと判断され、且つ、偏差判断手段により制御偏差が第1偏差判定値を超えたと判断された場合に、該判断後の次の目標駆動量設定タイミングから所定の条件が成立するまでの期間、第2の目標設定規則に従った目標駆動量の設定を行う。
このように構成された請求項2記載のモータ制御装置では、単に制御偏差が第1偏差判定値を超えたことを条件とするのではなく、操作量が操作量判定値を超え、且つ制御偏差が第1偏差判定値を超えた場合に、第2の目標設定規則への切り替えが行われる。そのため、モータへ与えることができる操作量にまだ余裕があるにもかかわらず制御偏差が大きくなったというだけで第2の目標設定規則へ切り替わるといったことが防止され、モータの性能を可能な限り発揮させて制御応答性を向上させることが可能となる。
ここで、第2の目標設定規則をどのように構成されたものとするかについては種々考えられ、例えば請求項3記載のように、偏差判断手段により制御偏差が第1偏差判定値を超えたと判断されたタイミングにおいて目標設定手段にて設定された目標駆動量を偏差超過時目標駆動量として、該偏差超過時目標駆動量以下の駆動量を、期間中の目標駆動量として設定するよう構成されたものとすることができる。即ち、制御偏差が第1偏差判定値を超えたと判断されたときに設定されていた目標駆動量以下の値に設定するように第2の目標設定規則を構成することで、目標駆動量と実際の駆動量との制御偏差を迅速に縮めることができる。
そして、第2の目標設定規則として上記(請求項3)のように偏差超過時目標駆動量以下の駆動量に設定するよう構成されている場合において、さらに具体的にどのような値を上記期間中の目標設定量とするかについても、種々考えられる。
即ち、第2の目標設定規則は、例えば請求項4記載のように、偏差超過時目標駆動量と同一の駆動量を上記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されたものであってもよいし、また例えば、請求項5記載のように、偏差超過時目標駆動量よりも小さい一定の駆動量を上記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されたものであってもよいし、また例えば、請求項6記載のように、目標駆動量の設定タイミング毎に、前回の設定タイミングにおいて設定した目標駆動量よりも小さい駆動量を、上記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されたものであってもよい。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6いずれかに記載のモータ制御装置であって、偏差判断手段は、上記期間中、制御偏差が第1偏差判定値よりも小さい第2偏差判定値以下となったかを判断する。そして、上記所定の条件は、偏差判断手段によって制御偏差が第2偏差判定値以下と判断されることである。
例えば、操作量演算手段により演算される操作量の値或いはその増減値が所定値より小さくなったことをもって上記所定の条件が成立したものとすることもできるが、その場合、制御偏差がまだ大きい(例えば第1偏差判定値よりもわずかに小さくなった程度)にもかかわらず第2の目標設定規則とは異なる目標設定規則(例えば第1の目標設定規則)に切り替わってしまい、操作量や制御偏差がすぐにまた大きくなって安定した制御が行われなくなる可能性がある。
これに対し、請求項7記載のモータ制御装置によれば、第2の目標設定規則へ切り替わった後、制御偏差が第2偏差判定値以下となるまではこの第2の目標設定規則が維持されるため、安定してモータの制御、駆動対象の駆動を行うことが可能となる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7いずれかに記載のモータ制御装置であって、目標設定手段は、上記所定の条件が成立した後は、予め設定された第3の目標設定規則に従って目標駆動量の設定を行う。
このように構成された請求項8記載のモータ制御装置によれば、第3の目標設定規則を適宜構成することで、制御応答性の遅れを必要最小限に抑えることができる。
第3の目標設定規則の具体的内容についても種々考えられるが、例えば請求項9記載のように、上記所定の条件の成立時に設定されていた目標駆動量を起点として再び第1の目標設定規則と同じ規則に従って目標駆動量の設定を行うよう構成されたものとすることができる。
第3の目標設定規則の具体的内容についても種々考えられるが、例えば請求項9記載のように、上記所定の条件の成立時に設定されていた目標駆動量を起点として再び第1の目標設定規則と同じ規則に従って目標駆動量の設定を行うよう構成されたものとすることができる。
このように構成された請求項9記載のモータ制御装置によれば、制御偏差が大きくて第2の目標設定規則により目標駆動量が設定される期間以外は、第1の目標設定規則に従った目標駆動量の設定が行われるため、モータの制御をより適切に行うことができる。
また、第3の目標設定規則は、例えば請求項10記載のように、上記所定の条件の成立時に設定されていた目標駆動量を起点として、該目標駆動量から所定の目標到達駆動量まで到達するまでの時間が、第1の目標設定規則に従った場合よりも短くなるように、目標駆動量の設定を行うよう構成されたものとしてもよい。
このように構成された請求項10記載のモータ制御装置によれば、第2の目標設定規則に従って目標駆動量の設定が行われたことにより生じた遅れ(駆動開始から目標到達駆動量に到達するまでの時間の遅延)を取り戻すことができるため、制御応答性をより向上させることが可能となる。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10いずれかに記載のモータ制御装置であって、操作量演算手段は、上記期間中は操作量の演算を停止する。
このように構成された請求項11記載のモータ制御装置によれば、第2の目標設定規則による目標駆動量の設定期間中も、少なくとも制御偏差が第1偏差判定値を超えたタイミングにおいて演算された操作量によってそのままモータの制御が継続されるため、制御応答性の悪化を抑止することができる。
このように構成された請求項11記載のモータ制御装置によれば、第2の目標設定規則による目標駆動量の設定期間中も、少なくとも制御偏差が第1偏差判定値を超えたタイミングにおいて演算された操作量によってそのままモータの制御が継続されるため、制御応答性の悪化を抑止することができる。
請求項12記載の発明は、請求項11記載のモータ制御装置であって、上記期間中のモータに対する操作量を予め設定した一定値に設定する操作量設定手段を備えている。
このように構成された請求項12記載のモータ制御装置によれば、第2の目標設定規則による目標駆動量の設定期間中も、駆動対象の駆動状態に応じた適切な値の操作量を設定してモータへ与え続けることがきるため、制御偏差を迅速に縮めることができる。
このように構成された請求項12記載のモータ制御装置によれば、第2の目標設定規則による目標駆動量の設定期間中も、駆動対象の駆動状態に応じた適切な値の操作量を設定してモータへ与え続けることがきるため、制御偏差を迅速に縮めることができる。
ここで、上記一定値は、例えば請求項13記載のように、モータへ入力可能な電圧又は電流の上限値に対応した値とすることができる。このように、第2の目標設定規則による目標駆動量の設定期間中にモータへ入力可能な最大限の操作量をモータへ与えることで、制御偏差をより迅速に縮めることができ、制御応答性をより一層向上させることが可能となる。
請求項14記載の発明は、請求項1〜13いずれかに記載のモータ制御装置と、モータにより駆動される駆動対象としての、被搬送媒体を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段とを備えた媒体搬送装置である。そして、検出手段は、搬送路における被搬送媒体の位置を検出し、目標設定手段は、目標駆動量として、搬送手段によって被搬送媒体を搬送路における所定の搬送開始位置から搬送停止位置まで搬送させるための該被搬送媒体の目標搬送位置を設定する。
このように、請求項1〜13いずれかに記載のモータ制御装置を、媒体搬送装置における批判層媒体の搬送制御に用いることで、被搬送媒体の搬送時に過負荷が発生して制御偏差(位置偏差)が大きくなっても、制御応答性が良好に維持されつつ、搬送時の振動発生が抑制され、被搬送媒体の良好な搬送が実現される。
請求項15記載の発明は、請求項1〜13いずれかに記載のモータ制御装置と、被記録媒体を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、モータにより駆動される駆動対象としてのキャリッジに搭載され、該モータにより該キャリッジと共に被記録媒体の搬送方向と直交する方向へ移動されつつ、該被記録媒体へインク滴を吐出して該被記録媒体上への画像形成を行う記録ヘッドとを備えた画像処理装置である。そして、検出手段は、キャリッジの位置を検出し、目標設定手段は、目標駆動量として、キャリッジを所定の移動開始位置から移動停止位置まで移動させるための目標移動位置を設定する。
このように、請求項1〜13いずれかに記載のモータ制御装置を、画像処理装置におけるキャリッジの駆動に用いることで、キャリッジの駆動中に過負荷が発生して制御偏差(速度偏差)が大きくなっても、制御応答性が良好に維持されつつ、キャリッジ駆動時の振動発生が抑制され、キャリッジの良好な駆動が実現される。またこれにより、被記録媒体に形成される画像の高品質化も実現される。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)多機能装置の構成
図1は、本実施形態の多機能装置(MFD:Multi Function Device)1の概略構成を表す断面図であり、図2は、多機能装置1における画像形成機構の概略構成を表す説明図であり、図3は、多機能装置1の電気的構成を表すブロック図である。この多機能装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を有したものである。
[第1実施形態]
(1)多機能装置の構成
図1は、本実施形態の多機能装置(MFD:Multi Function Device)1の概略構成を表す断面図であり、図2は、多機能装置1における画像形成機構の概略構成を表す説明図であり、図3は、多機能装置1の電気的構成を表すブロック図である。この多機能装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を有したものである。
図1に示すように、本実施形態の多機能装置1は、複数枚の用紙Pが積層された給紙トレイ3と、給紙トレイ3に収容された用紙Pを一枚ずつ分離して搬送路に送出する給紙ユニット10と、給紙ユニット10を構成する給紙ローラ11の回転により搬送路に送出された用紙Pを対向配置されたピンチローラ22と共に挟持し、回転動作によって用紙Pを記録ヘッド30下の記録位置に搬送する搬送ローラ21と、搬送ローラ21から搬送されてきた用紙Pを、対向配置されたピンチローラ42と共に挟持し、回転動作によって用紙Pを搬送路下流の排紙トレイ(図示略)に排出する排紙ローラ41と、用紙Pの搬送路を構成する土手部51及びUターンパス53及びプラテン55と、を備える。
給紙ユニット10は、直流モータで構成される給紙モータ13の駆動力を受けて給紙ローラ11を回転させる構成にされており、給紙ローラ11を、給紙トレイ3に載置された用紙Pの上面に当接し、給紙ローラ11の回転により、給紙トレイ3に載置された最上部の用紙Pを分離して、搬送路に送出する。
土手部51及びUターンパス53から構成される搬送路の上流部は、給紙ローラ11により送出される用紙Pの移動を規制して、用紙Pを、搬送路下流に位置する搬送ローラ21とピンチローラ22との接点SP1に誘導するためのものであり、Uターンパス53の下流側には、その下方に、用紙Pの下方向への移動を規制して、用紙Pを搬送ローラ21とピンチローラ22との接点SP1に誘導するための補助部53aが設けられている。
このように構成された搬送路により、給紙ローラ11を通じて給紙トレイ3から送出された用紙Pは、Uターンパス53及び補助部53aの搬送路下流側に位置する搬送ローラ21及びピンチローラ22の接点SP1に誘導される。
なお、接点SP1の搬送路上流側には、レジストセンサ60が設けられており、このレジストセンサ60により、用紙Pの先頭位置及び後端位置が検出される。
また、接点SP1に用紙Pの先端が到来すると、用紙Pは、搬送ローラ21の回転動作によって搬送ローラ21とピンチローラ22との間に引き込まれ、搬送ローラ21及びピンチローラ22に挟持される。その後、用紙Pは、搬送ローラ21の回転と共に、搬送ローラ21の回転量に相当する距離、搬送路下流に搬送される。
また、接点SP1に用紙Pの先端が到来すると、用紙Pは、搬送ローラ21の回転動作によって搬送ローラ21とピンチローラ22との間に引き込まれ、搬送ローラ21及びピンチローラ22に挟持される。その後、用紙Pは、搬送ローラ21の回転と共に、搬送ローラ21の回転量に相当する距離、搬送路下流に搬送される。
一方、プラテン55は、搬送ローラ21と排紙ローラ41とを結ぶ搬送路の下流部を構成するものである。このプラテン55は、搬送ローラ21から搬送される用紙Pを、記録ヘッド30によって画像が形成される記録位置に誘導すると共に、記録ヘッド30により画像が形成された用紙Pを、排紙ローラ41とピンチローラ42との接点SP2に誘導する。
用紙Pは、このプラテン55に沿って排紙ローラ41側へと搬送され、先端が排紙ローラ41とピンチローラ42との接点SP2に到達すると、排紙ローラ41の回転と共に、排紙ローラ41とピンチローラ42との間に引き込まれ、排紙ローラ41及びピンチローラ42により挟持される。その後、用紙Pは、排紙ローラ41の回転と共に、図示しない排紙トレイへと排出される。
搬送ローラ21及び排紙ローラ41は、ベルトにて連結されており、同一の駆動源により連動して回転するように構成されている。即ち、搬送ローラ21が、直流モータで構成されるLFモータ23の駆動力を受けて回転する構成にされており、搬送ローラ21がLFモータ23により回転されるとこれに連動して排紙ローラ41も回転する。
また、記録ヘッド30は、インク液滴を吐出するためのノズルが、プラテン55に対向する底面に複数配列された構成にされている。この記録ヘッド30は、ガイド軸61(図2参照。詳細は後述。)に沿って主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向。図2参照。)に移動可能なキャリッジ31に搭載されており、キャリッジ31は、直流モータで構成されるCR(キャリッジ)モータ33により駆動され、主走査方向に移動する。
また、多機能装置1には、原稿に記録された画像を読み取る画像読取装置45が搭載されており、この画像読取装置45により、多機能装置1におけるスキャナ機能(コピー機能及びファクシミリ機能における画像の読取機能を含む)が実現される。具体的には、当該多機能装置1における記録ヘッド30の上部に、原稿を載置するための載置用ガラス板(図示略)が設けられており、この載置用ガラス板の下側(キャリッジ31と干渉しない位置)に、原稿読み取り用の密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)が搭載されたCISユニット46が設けられている。
このCISユニット46は、直流モータにより構成される読取モータ47の駆動力によって、キャリッジ31の移動方向(主走査方向)と平行に配置されたガイド軸(図示略)に沿って往復移動されつつ、載置用ガラスに載置された原稿の画像を読み取る。
また、画像読取装置45では、載置用ガラスに載置された原稿に対してCISユニット46を走査させることによりその原稿の画像を読み取る機能だけでなく、CISユニット46は移動させずに原稿を搬送させつつその画像を読み取っていくための、読取ADF機能も備えている。この読取ADF機能は、直流モータにより構成されるADFモータ48と、このADFモータ48の駆動力によって原稿を搬送するための各種機構(図示略)を備えている。
その他、多機能装置1は、記録ヘッド30を駆動するための記録ヘッドドライバ32、CRモータ33を駆動するためのCRモータドライバ37、LFモータ23を駆動するためのLFモータドライバ27、給紙モータ13を駆動するための給紙モータドライバ17などの各種ドライバを備えると共に、これら各種ドライバに対して駆動信号(本実施形態ではPWMデューティ比を示す信号)を出力したり画像読取装置45との間で各種信号の送受を行うASIC5を備えている。
ここで、記録ヘッド30及びキャリッジ31等からなり、多機能装置1におけるプリンタ機能(コピー機能及びファクシミリ機能における画像の形成機能を含む)を実現するための、画像形成機構について、図2に基づいてより具体的に説明する。
図2に示すように、多機能装置1における画像形成機構は、ガイド軸61が、用紙Pの幅方向(即ち、用紙搬送方向と直交する主走査方向)に設置され、このガイド軸61に、記録ヘッド30を搭載したキャリッジ31が、主走査方向に移動可能に挿通されている。
キャリッジ31は、ガイド軸61に沿って設けられた無端ベルト62に連結され、その無端ベルト62は、ガイド軸61の一端側に設置されたCRモータ33の駆動プーリ63と、ガイド軸61の他端側に設置された従動プーリ64との間に掛け止められている。これにより、キャリッジ31は、無端ベルト62を介して伝達されるCRモータ33の駆動力により、ガイド軸61に沿って用紙P の幅方向(主走査方向)に往復駆動される。
また、ガイド軸61の近傍には、所定の間隔でエンコーダスリットが形成されたリニアスケール66が、ガイド軸61に沿って(即ちキャリッジ31の移動経路に沿って)設置されている。
また、キャリッジ31におけるリニアスケール66と対向する位置には、リニアスケール66を挟んで図示しない発光部および受光部が配置された検出部67が備えられており、上述のリニアスケール66と共にCRリニアエンコーダ35を構成している。このCRリニアエンコーダ35からのパルス信号に基づき、ASIC5内にてキャリッジ31の移動量(位置や速度)が検出される。
このように構成された画像形成機構によって用紙Pへの画像形成が行われる際は、待機領域に停止中のキャリッジ31が記録領域に向かって加速し始め、一定の目標到達速度Vcに到達する。そして、その一定の目標到達速度Vcで定速移動されている間、記録ヘッド30からのインク液滴吐出による用紙Pへの1パス分の画像形成が行われる。その後、キャリッジ31は減速し、調整領域内で停止する。停止後、キャリッジ31は、この調整領域から待機領域へ向かう方向へ再び加速、定速Vcで移動(1パス分の画像形成)、減速して、待機領域内で停止する。このように、キャリッジ31の主走査方向への往復移動によって1パスずつ画像形成が行われる。
続いて、多機能装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、本実施形態の多機能装置1は、CPU51と、CPU51が実行するプログラム等が記憶されたROM52と、CPU51によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM53と、各種設定情報が記憶されるEEPROM54と、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等に接続され、PC等から送信されてくる印刷指令や当該印刷指令と共に送信されてくる印刷対象データ等を受信するインタフェース55(例えば、USBインタフェース)と、ASIC5と、各種操作ボタンや液晶表示部等(いずれも図示略)を備えた操作部56とを備える。
この多機能装置1は、更に、図1及び図2で説明したように、記録ヘッド30及びキャリッジ31と、キャリッジ31を駆動し、キャリッジ31を主走査方向に移動させるCRモータ33と、キャリッジの移動中にキャリッジ31の位置に対応したパルス信号を発生するCRリニアエンコーダ35とを備えている。そして、ASIC5内のCRモータ制御部38によりCRモータ33を制御して、キャリッジ31を主走査方向に移動させる。
CRモータ制御部38は、CRリニアエンコーダ35からのパルス信号に基づいてキャリッジ31の速度や位置を検出し、その検出結果に基づいて、後述するようにCRモータ33に出力すべき操作量(ここでは電圧指令値)を演算する。そして、その演算した操作量に対応したPWM値(PWMデューティ比を示す信号)やCRモータ33の回転方向を示す信号等が、CRモータドライバ37へ入力される。
CRモータドライバ37は、CRモータ33へ電力を供給(電圧出力)してCRモータ33を回転させるための、例えばHブリッジ回路等からなるものであり、CRモータ制御部38から入力されたPWM値や回転方向信号等に従ってCRモータ33へ電力を供給し、CRモータ33を回転させる。
また、記録ヘッド30は、ASIC5内の記録制御部39により制御される。記録ヘッド30は、周知のピエゾ型インクジェットヘッドと同一構成にされており、記録ヘッドドライバ32が記録制御部39からの駆動指令に基づいて駆動電圧を印加し、インク室(図示略)に隣接する圧電部を変形させてインク室の容積を変化させることによって、インク室内のインクをノズルから用紙Pに向けて吐出する構成にされている。この記録ヘッド30は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインク液滴を吐出するための各ノズル(図示略)を備え、これら各ノズルから該当する色のインク液滴を吐出することにより、用紙Pにカラー画像を形成する。
記録制御部39は、CRリニアエンコーダ35からのパルス信号に基づいてキャリッジ31の速度や位置を検出し、その検出結果に基づいて生成された駆動指令を記録ヘッドドライバ32に出力する。
また、多機能装置1は、給紙モータ13、及び、給紙モータ13が所定量回転する度にパルス信号を出力する給紙ロータリエンコーダ15を備える。給紙ロータリエンコーダ15からのパルス信号は、ASIC5内の給紙モータ制御部18に入力される。
給紙モータ制御部18は、給紙ロータリエンコーダ15から入力されるパルス信号に基づき、給紙ローラ11の回転量、延いては用紙Pの搬送位置(実位置)を検出し、その検出結果に基づいて、給紙モータ13に出力すべき操作量(ここでは電流指令値)を演算する。そして、その演算した操作量に対応したPWM値や給紙モータ13の回転方向を示す信号等が、給紙モータドライバ17へ入力される。
給紙モータドライバ17は、CRモータドライバ37と同様、給紙モータ制御部18から入力されたPWM値や回転方向信号等に従って給紙モータ13へ電力を供給し、給紙モータ13を回転させる。これにより、給紙トレイ3から搬送ローラ21への用紙Pの搬送が実現される。
この他、多機能装置1は、LFモータ23、及び、LFモータ23が所定量回転する度にパルス信号を出力するLFロータリエンコーダ25を備える。LFロータリエンコーダ25からのパルス信号は、ASIC5内のLFモータ制御部28に入力される。
LFモータ制御部28は、LFロータリエンコーダ25から入力されるパルス信号に基づき、搬送ローラ21の回転量、更には用紙Pの搬送位置を検出し、その検出結果に基づいて、LFモータ23に出力すべき操作量(ここでは電流指令値)を演算する。そして、その演算した操作量に対応したPWM値やLFモータ23の回転方向を示す信号等が、LFモータドライバ27へ入力される。
LFモータドライバ27は、CRモータドライバ37と同様、LFモータ制御部28から入力されたPWM値や回転方向信号等に従ってLFモータ23へ電力を供給し、LFモータ23を回転させる。これにより、搬送ローラ21が取り込んだ用紙Pを排紙するまでの用紙搬送が実現される。
更に、多機能装置1は、上述したように画像読取装置45を備えており、この画像読取装置45内のCISユニット46、読取モータ47、ADFモータ48は読取制御部49により制御される。
読取モータ47には、この読取モータ47が所定量回転する度にパルス信号を出力する読取ロータリエンコーダ(図示略)が設けられている。読取制御部49は、この読取ロータリエンコーダからのパルス信号に基づき、読取モータ47の駆動(ひいてはCISユニット46の移動)を制御する。また、ADFモータ48にも、このADFモータ48が所定量回転する度にパルス信号を出力するADFロータリエンコーダ(図示略)が設けられている。読取制御部49は、このADFロータリエンコーダからのパルス信号に基づき、ADFモータ48の駆動(ひいては原稿の搬送)を制御する。
また、CISユニット46により読み取られた画像を示す画像信号は、読取制御部49に入力される。読取制御部49は、この入力された画像信号に基づいて各種画像処理を行う。
なお、ASIC5にはレジストセンサ60が接続されており、ASIC5では、このレジストセンサ60の出力信号と、上記各ロータリエンコーダ15,25の出力信号とに基づいて、搬送路における用紙Pの位置が検出され、その検出結果はCPU51にも出力される。ASIC5内の各制御部18,28,38,39,49は、CPU51からの指令を受けて、それぞれ指令に従った記録ヘッド30の制御、CRモータ33の制御、給紙モータ13の制御、LFモータ23の制御、画像読取装置45の制御を実行する構成にされている。
(2)給紙モータ制御部18の制御系構成
次に、ASIC5内の給紙モータ制御部18の動作について、図4を用いてより詳しく説明する。図4は、給紙モータ制御部18の制御系の構成を表すブロック図である。本実施形態の給紙モータ制御部18は、予め設定した時間間隔の演算タイミング毎に給紙モータ13への操作量を演算し、その操作量に応じたPWM値を給紙モータドライバ17へ出力するものである。
次に、ASIC5内の給紙モータ制御部18の動作について、図4を用いてより詳しく説明する。図4は、給紙モータ制御部18の制御系の構成を表すブロック図である。本実施形態の給紙モータ制御部18は、予め設定した時間間隔の演算タイミング毎に給紙モータ13への操作量を演算し、その操作量に応じたPWM値を給紙モータドライバ17へ出力するものである。
ASIC5内には、一定周期でクロックパルスを生成するクロックパルス生成回路(図示略)が設けられており、給紙モータ制御部18を含むASIC5内の各制御部は、このクロックパルスを基準に制御演算を行う。そのため、上記の演算タイミングはこのクロックパルスの発生タイミングである。
図4に示すように、給紙モータ制御部18は、用紙Pの目標位置を設定する位置プロファイル生成部71と、給紙ロータリエンコーダ15からのパルス信号に基づいて用紙Pの実位置を検出する位置検出部72と、目標位置と実位置との差である位置偏差を演算する位置偏差演算部73と、位置偏差に基づき、用紙Pの位置が目標位置と一致するように給紙モータ13を制御するための操作量を生成するフィードバック(FB)制御器74と、このFB制御器74により生成された操作量に応じたPWM値を生成して給紙モータドライバ17へ出力するPWM生成部80とを備えている。
位置プロファイル生成部71は、目標位置を設定するための位置プロファイルを生成する。位置プロファイルは、給紙モータ13の制御開始後(即ち用紙Pの給紙トレイ3からの送出開始後)からの経過時間に対する関数として演算タイミング毎に演算され、これにより目標位置が小刻みに更新されていくものであり、各演算タイミングにおける演算値が当該演算タイミングでの目標位置として位置偏差演算部73に入力される。
なお、本実施形態では、制御開始からの位置プロファイルとして、第1プロファイル(本発明の第1の目標設定規則に相当)が予め設定されており、位置プロファイル生成部71はこの第1プロファイルに従って目標位置を演算し、位置偏差演算部73へ出力する。
FB制御器74は、演算タイミング毎に、位置偏差に基づいて、例えばPID制御、或いはロバスト制御などの制御法によって操作量を演算する操作量演算部75と、この操作量演算部75により演算された操作量又は後述する操作量判定パラメータ格納部79に記憶された操作量上限値のいずれかを、最終的にPWM生成部80へ出力すべき操作量として設定する、操作量設定部76とを備えている。
また、給紙モータ制御部18は、位置偏差判定パラメータ格納部77および位置偏差比較部78を備えている。位置偏差判定パラメータ格納部77には、位置偏差が過大になっているかどうかを判断するための判断基準としての更新停止判定値(本発明の第1偏差判定値に相当)と、位置偏差が一旦この更新停止判定値を超えた後に再び小さくなったかどうかを判断するための判断基準としての更新再開判定値(本発明の第2偏差判定値に相当)が記憶されている。
位置偏差比較部78は、給紙モータ13の制御開始後、後述する操作量比較部81で操作量が操作量上限値を超えていると判断された演算タイミングにおいて、位置偏差演算部73により演算された位置偏差が、位置偏差判定パラメータ格納部77に記憶されている更新停止判定値を超えているか否かを判断する。また、この判断によって位置偏差が更新停止判定値を超えていると判断されることによって後述するフラグ設定部82において目標位置更新停止フラグがONされた後の各演算タイミングにおいて、位置偏差が更新再開判定値以下になっているか否かを判断する。なお、更新停止判定値は更新再開判定値よりも大きい値に設定されている。
また、給紙モータ制御部18は、操作量判定パラメータ格納部79及び操作量比較部81を備えている。操作量判定パラメータ格納部79には、操作量演算部75により演算された操作量が過大になっているかどうかを判断するための判断基準としての操作量上限値(本発明の操作量判定値に相当)が記憶されている。この操作量上限値は、本実施形態では、給紙モータ13へ供給可能な電流の上限値(電流飽和値)に対応した操作量である。
操作量比較部81は、給紙モータ13の制御開始後、演算タイミング毎に、操作量演算部75により演算された操作量が、操作量判定パラメータ格納部79に記憶されている操作量上限値を超えているか否かを判断する。
更に、給紙モータ制御部18は、フラグ設定部82を備えている。フラグ設定部82には、演算タイミング毎に、操作量比較部81による判断結果が入力される。また、操作量比較部81によって操作量が操作量上限値を超えていると判断された場合は、既述の通り位置偏差比較部78において位置偏差が更新停止判定値を超えているか否かが判断され、この判断結果もフラグ設定部82に入力される。
そして、フラグ設定部82は、操作量比較部81によって操作量が操作量上限値を超えていると判断され、且つ、位置偏差比較部78によって位置偏差が更新停止判定値を超えていると判断された場合は、目標位置更新停止フラグ及び制御器演算停止フラグをONにする。
FB制御器74においては、フラグ設定部82によって制御器演算停止フラグがONにされている間の演算タイミングでは、操作量演算部75による操作量の演算が停止されると共に、操作量設定部76が、操作量判定パラメータ格納部79に記憶されている操作量上限値をPWM生成部80へ出力する。制御器演算停止フラグがOFFのときは、操作量演算部75により演算された操作量がそのまま、操作量設定部76を介してPWM生成部80へ出力される。
また、位置プロファイル生成部71は、フラグ設定部82によって目標位置更新停止フラグがONされている間の演算タイミングでは、上述の第1プロファイルに従った位置プロファイルの生成(目標位置の更新演算)を停止し、フラグ設定部82によって目標位置更新停止フラグがONされた演算タイミングにおける目標位置、即ち位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された演算タイミングにおいて位置プロファイル生成部71により設定された目標位置である、偏差超過時目標位置(本発明の偏差超過時目標駆動量に相当)が、そのまま、そのフラグON期間中の目標位置とされる。この、目標位置更新停止フラグのON期間中においてなされる、目標位置の偏差超過時目標位置への設定は、本発明の第2の目標設定規則に相当するものであり、本実施形態においても、以下「第2プロファイル」とも称す。
このように、本実施形態では、給紙モータ制御部18による給紙モータ13の制御開始後、演算タイミング毎に、操作量演算部75により演算された操作量が操作量上限値を超えているか否かが判断される。そして、操作量が操作量上限値を超えていた場合は、更に、位置偏差が更新停止判定値を超えているか否かが判断される。そして、操作量が操作量上限値を超えて且つ位置偏差が更新停止判定値を超えた場合は、目標位置更新停止フラグをONにして位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに従った目標位置の設定を停止させると共に、制御器演算停止フラグをONにすることにより、操作量演算部75による操作量の演算を停止させ、操作量設定部76からは操作量上限値をPWM生成部80へ出力させるようにする。
上記各フラグがONになっている間は、位置プロファイル生成部71は、第2プロファイルによる目標位置設定、即ち、フラグがONされた演算タイミングにおいて設定されていた目標位置である偏差超過時目標位置を、この期間の目標位置としてそのまま設定する。つまり、仮にそのまま第1プロファイルに従って目標位置の設定が継続されたならば設定されたであろう目標位置よりもより実位置に近い位置である、偏差超過時目標位置が、各フラグON期間中の目標位置とされるのである。
そして、位置偏差が更新再開判定値以下となった場合は、各フラグが共にOFFされる。これにより、操作量演算部75による操作量の演算が再開され、その演算された操作量が操作量設定部76を介して出力される。また、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに従った目標位置の設定も再開される。即ち、偏差超過時目標位置を起点として、再び第1プロファイルに従って目標速度を設定するのである。
PWM生成部80は、入力された操作量(電流指令値)に応じたPWM値を生成するものであるが、生成するPWM値には制限(デューティ比の上限)が設けられている。本実施形態では、操作量判定パラメータ格納部79に記憶された操作量上限値に相当する値のPWMデューティ比が上限として設定されている。そのため、仮に操作量演算部75にて演算された操作量が操作量上限値を超えるものであったとしても、PWM生成部80によって操作量上限値相当のPWM値に制限されて給紙モータドライバ17に出力される。
このように構成された本実施形態の給紙モータ制御部18によって給紙モータ13が制御される場合における、FB制御器74から出力される操作量および用紙Pの位置の変化の一例を、図6に基づいて説明する。
まず、比較のために、本実施形態のように位置偏差に基づく位置プロファイルの切り替えや操作量の制限を行わない場合の例を、図5に示す。図示の如く、駆動開始後、実位置が位置プロファイルにほぼ追随している間は、操作量も安定しているが、過負荷発生等によって実位置が位置プロファイルに追随できなくなって位置偏差が過大になっていくと、その位置偏差がそのまま操作量に反映されて、操作量が急増する。すると、その操作量の急増によって逆に必要以上の操作量が生成され、実位置が目標位置を超えてしまう。すると、実位置を再び目標位置に近づけるべく、操作量が急減する。これにより給紙モータ13は逆回転して実位置が逆行する。その結果、実位置が目標位置より小さくなり、再び操作量が急増する、という循環に陥る。このように、位置偏差が過大になることで操作量が急増・急減し、その結果振動が生じてしまうことになる。
これに対し、本実施形態においては、図6に示すように、過負荷発生等によって操作量が操作量上限値を超え、且つ、実位置と目標位置との位置偏差が大きくなって更新停止判定値を超えると(図6の時刻t1)、上記各フラグがONされて、以後、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算は停止され、第2プロファイルに従い、偏差超過時目標位置がそのまま目標位置として設定され続ける。また、操作量は操作量上限値(電流飽和値相当)に設定される。
これにより、実位置は目標位置(偏差超過時目標位置)に徐々に近付いていく。そして、位置偏差が更新再開判定値以下になると(図6の時刻t2)、上記各フラグがOFFされて、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算が再開されると共に操作量の演算も再開される。
そのため、図5と比較して明らかなように、本実施形態の給紙モータ13の制御によれば、過負荷が生じても実位置の変動が最小限に抑制され、給紙ローラ11の振動やそれに伴う用紙P及びその周辺の振動が抑制される。
ここで、位置偏差が更新停止判定値を超えて第1プロファイルに従った目標位置の更新演算が停止されて第2プロファイルに従った目標位置設定に切り替わった後、位置偏差が更新再開判定値以下となって再び第1プロファイルに従った目標位置の更新演算が再開されるまで(つまり各フラグがONされている間)の目標位置の設定について、図7に基づいてより具体的に説明する。
図7に示すように、本実施形態では、第1プロファイルとして関数Fa(t)を有しており、通常はこの第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の設定が行われ、用紙Pは最終的に目標到達位置(fa(tp))まで駆動される。
給紙モータ13の駆動開始後、位置偏差が更新停止判定値を超えない限りは、第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が行われる。そして、過負荷発生等によって位置偏差が広がり、更新停止判定値を超えると(時刻ta)、そのときの目標位置であるFa(ta)が、偏差超過時目標位置として、以後の演算タイミングにおける目標位置として設定される。
その後、位置偏差が小さくなって更新再開判定値以下になると(時刻tb)、そのときの目標位置(=偏差超過時目標位置)を起点として、その次の演算タイミングtb+1からは再び第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が再開される。即ち、仮に時刻ta以降も位置偏差が更新停止判定値を超えなければ引き続き演算タイミング毎に更新され続けたであろう目標位置が、この時刻tb以後から時間遅れ(tb−taの遅れ)で設定再開されるわけである。
この結果、目標到達位置に到達する時刻は、当初予定の時刻tpよりもtb−taだけ遅れた時刻tqとなる。
(3)CPU51による主制御処理
このように、給紙モータ13の制御は、直接的にはASIC5内の給紙モータ制御部18が主体となって行うのだが、多機能装置1では、用紙Pへの画像形成が行われる際、CPU51が、給紙処理、搬送処理、画像形成処理、排紙処理などの主制御を行う。図8は、このCPU51が実行する主制御処理を表すフローチャートである。CPU51は、多機能装置1に接続されたPCや操作部56等から画像形成指示が入力されると、図8に示す主制御処理を実行する。
(3)CPU51による主制御処理
このように、給紙モータ13の制御は、直接的にはASIC5内の給紙モータ制御部18が主体となって行うのだが、多機能装置1では、用紙Pへの画像形成が行われる際、CPU51が、給紙処理、搬送処理、画像形成処理、排紙処理などの主制御を行う。図8は、このCPU51が実行する主制御処理を表すフローチャートである。CPU51は、多機能装置1に接続されたPCや操作部56等から画像形成指示が入力されると、図8に示す主制御処理を実行する。
この主制御処理が開始されると、まず、給紙処理が実行される(S110)。この給紙処理は、ASIC5に対して用紙Pの給紙動作に必要な各種設定を行うことにより、ASIC5内の給紙モータ制御部18を動作させて給紙モータ13を駆動制御するものである。この給紙処理により、給紙モータ13の駆動力で給紙ローラ11が回転し、給紙トレイ3から1枚の用紙Pが分離されて、この用紙Pが搬送ローラ21とピンチローラ22との接点SP1まで搬送される。
この給紙処理が終了すると、次に初期搬送処理が実行される(S120)。この初期搬送処理は、ASIC5に対して各種設定を行うことにより、用紙Pの描画エリアの始点が所定の画像形成地点(記録ヘッド30のインク液滴吐出部の下部)に来るよう、ASIC5内のLFモータ制御部28を制御するものである。
この初期搬送処理が終了すると、1パス分の画像形成処理が実行される(S130)。即ち、キャリッジ31が主走査方向に移動し、その際に記録ヘッド30からインク液滴が吐出されて、用紙Pに1パス分の画像が形成される。
この1パス分の画像形成処理が終了すると、用紙Pの終点までの画像形成が終了したか否か(つまり1ページ分の画像形成が終了したか否か)が判断され(S140)、終了してないと判断されると(S140:NO)、搬送処理が実行されて(S150)、用紙Pが次パスの画像形成が行われるべき地点まで搬送される。この搬送処理も、初期搬送処理と同様、ASIC5内のLFモータ制御部28を制御して搬送ローラ21を駆動させることにより行われる。この搬送処理によって用紙Pが次パスの画像形成地点まで搬送されると、再びS130の画像形成処理が実行され、1パス分の画像形成が行われる。
一方、1ページ分の画像形成が終了したと判断されると(S140:YES)、排紙処理が実行され、ASIC5の制御に基づき、用紙Pが排紙トレイに排出される(S160)。
(4)ASIC5による給紙処理
図9は、ASIC5内の給紙モータ制御部18により実行される給紙処理を表すフローチャートである。給紙モータ制御部18による給紙モータ13の制御(ひいては用紙Pの搬送制御)は、既述の通りハードウェアであるASIC5の動作としてなされるものであるが、ここでは、ハードウェアの動作をフローチャートに置き換えて説明する。
図9は、ASIC5内の給紙モータ制御部18により実行される給紙処理を表すフローチャートである。給紙モータ制御部18による給紙モータ13の制御(ひいては用紙Pの搬送制御)は、既述の通りハードウェアであるASIC5の動作としてなされるものであるが、ここでは、ハードウェアの動作をフローチャートに置き換えて説明する。
CPU51による起動設定(詳細は省略)によってこの給紙処理が開始されると、給紙設定が行われる(S210)。この給紙設定は、給紙モータ13の制御(操作量の演算等)に必要な各種パラメータ等を設定するものであり、例えば、位置プロファイル生成部71に対する第1プロファイルの設定などの、目標位置の設定に必要な各種設定、FB制御器74において用いられる各種制御パラメータ等の設定、更新停止判定値、更新再開判定値、及び操作量上限値の設定などが行われる。
そして、S220に移行し、給紙制御が実行される。この給紙制御の詳細については後述する。S220の給紙制御の後、用紙Pが所定の停止位置に到達したか否かが判断され、停止位置に到達するまでは演算タイミング毎にS220の給紙駆動処理が繰り返される。そして、用紙Pが停止位置に到達したと判断された場合は(S230:YES)、停止処理が実行され、給紙モータ13が停止される(S240)。
次に、上述した図9の給紙処理におけるS220の給紙制御について、図10に基づいて説明する。図10は、ASIC5内の給紙モータ制御部18にて実行される給紙制御を表すフローチャートである。給紙モータ制御部18は、CPU51による起動設定の後、所定の演算タイミング毎にこの給紙制御を実行する。
この給紙制御が開始されると、まず、位置プロファイルによる第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止すべき旨の目標位置更新停止フラグ、及び、操作量演算部75による操作量の演算を停止すべき旨の制御器演算停止フラグがいずれもONになっているか否かが判断される(S310)。この判断は、フラグ設定部82により行われる。
ここで、各フラグがまだOFFの場合(初期値はいずれもOFF)は、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われる(S320)。続いて、位置検出部72による実位置の取得が行われ(S330)、位置偏差演算部73によって、その取得された実位置と目標位置とに基づいて位置偏差が演算される(S340)。そして、その位置偏差に基づき、操作量演算部75において操作量の演算が行われる(S350)。
そして、操作量比較部81においてその演算された操作量が操作量上限値を超えているか否かが判断される(S360)。このとき、操作量が操作量上限値以下であれば(S360:NO)、PWM生成部80によってその操作量がPWM値に変換される(S370)。そして、その変換後のPWM値が給紙モータドライバ17へ出力される(S380)。これにより、給紙モータ13には、給紙モータドライバ17からそのPWM値に応じた電流が供給され、給紙モータ13が回転し、延いては給紙ローラ11の回転、用紙Pの搬送が行われる。
一方、操作量演算部75によって演算された操作量が操作量上限値を超えていた場合は(S360:YES)、更に、位置偏差が更新停止判定値を超えているか否かが判断され(S390)、超えていなければそのままS370以降の処理に進むが、超えていた場合は(S390:YES)、フラグ設定部82により目標位置更新停止フラグ及び制御器演算停止が共にONされる(S400)。そして、操作量設定部76により操作量が操作量上限値に設定され(S410)、S370へ進む。これにより、以後、位置偏差が更新再開判定値以下となるまでは、現時点での演算タイミングにおいて更新演算された目標速度(偏差超過時目標位置)が設定され続ける。また、操作量演算部75による操作量の演算も停止される。
上記各フラグがONされると、S310の判断処理ではS420に進むことになる。S420では、操作量設定部76により操作量が操作量上限値に設定される。そして、用紙Pの実位置が取得され(S430)、それに基づいて位置偏差が演算される(S440)。 そして、演算された位置偏差が更新再開判定値以下であるか否かが判断される(S450)。
ここで、位置偏差がまだ更新再開判定値以下になっていない場合は(S450:NO)、そのままS370以降に進む。一方、位置偏差が更新再開判定値以下になった場合は(S450:YES)、目標位置更新停止フラグ及び制御器演算停止フラグが共に再びOFFされて(S460)、S370以降に進む。
(5)第1実施形態の効果
以上説明した本実施形態の多機能装置1によれば、給紙モータ制御部18が給紙モータ13を制御するにあたり、位置偏差が小さいレベル(更新停止判定値以下)である限りは第1プロファイルに従った目標位置が演算タイミング毎に更新演算されるが、操作量が操作量上限値を超えて且つ位置偏差が過大(更新停止判定値を超過)となると、位置偏差が更新再開判定値以下となるまでの間は、操作量演算部75による操作量の演算が停止されて操作量が操作量上限値に固定されると共に、第1プロファイルに従った目標速度の更新も停止され、目標速度は第2プロファイルに従って偏差超過時目標速度に固定して設定される。そして、位置偏差が更新再開判定値以下となった場合は、操作量演算部75による操作量の演算及び第1プロファイルに従った目標位置の更新演算が再開される。
以上説明した本実施形態の多機能装置1によれば、給紙モータ制御部18が給紙モータ13を制御するにあたり、位置偏差が小さいレベル(更新停止判定値以下)である限りは第1プロファイルに従った目標位置が演算タイミング毎に更新演算されるが、操作量が操作量上限値を超えて且つ位置偏差が過大(更新停止判定値を超過)となると、位置偏差が更新再開判定値以下となるまでの間は、操作量演算部75による操作量の演算が停止されて操作量が操作量上限値に固定されると共に、第1プロファイルに従った目標速度の更新も停止され、目標速度は第2プロファイルに従って偏差超過時目標速度に固定して設定される。そして、位置偏差が更新再開判定値以下となった場合は、操作量演算部75による操作量の演算及び第1プロファイルに従った目標位置の更新演算が再開される。
従って、給紙モータ13或いはその駆動対象(給紙ローラ11や用紙P等)に過負荷がかかっても、位置偏差が過大に膨れ上がることが防止され、位置偏差を迅速に小さくすることができる。そのため、制御応答性が良好に維持されつつ、給紙モータ13或いはその駆動対象の振動の発生が抑制され、用紙Pの搬送がスムーズに行われる。
しかも、仮に目標位置の更新演算停止後も操作量演算部75による操作量の演算を継続するようにすると、演算される操作量は、偏差分の蓄積等によって非常に大きくなるおそれがあり、そうなると、更新演算再開直後の給紙モータ13の制御が非常に不安定となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、目標位置の更新演算停止中は操作量演算部75による操作量の演算も停止され、且つ、操作量が操作量上限値に固定されてPWM生成部80へ出力されるため、位置偏差がより迅速に縮まって制御応答性が一層向上されつつ、更新演算再開後も安定して給紙モータ13の制御が行われるようになる。
また、本実施形態では、単に位置偏差が更新停止判定値を超えたことのみをもって第2プロファイルに切り替えるのではなく、操作量が操作量上限値を超え、且つ位置偏差が更新停止判定値を超えた場合に第2プロファイルに切り替えるため、給紙モータ13へ与えることができる操作量にまだ余裕があるにもかかわらず位置偏差が過大になったというだけで第1プロファイルに従った目標位置の更新演算が停止されてしまうといったことが防止され、給紙モータ13の性能を可能な限り発揮させて制御応答性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、位置偏差が更新停止判定値を超えた後、位置偏差がこの更新停止判定値よりも小さい更新再開判定値以下となるまでは、目標位置として偏差超過時目標位置が設定され続け、目標位置の更新演算の再開後は、再び第1プロファイルに従った目標位置の演算が行われるため、安定した給紙モータ13の制御が可能となる。
[第2実施形態]
本実施形態の給紙モータ制御部が上記第1実施形態の多機能装置1における給紙モータ制御部18と異なるのは、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであること、第2プロファイルへの切り替え後に位置偏差が更新再開判定値以下となった後は、第1プロファイルとは異なる第3プロファイル(本発明の第3の目標設定規則に相当)に従った目標位置の更新演算を行うこと、及び、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことである。そのため、本実施形態では、制御器演算停止フラグは存在しない。また、本実施形態の給紙モータ制御部は、第1実施形態の給紙モータ制御部18(図4参照)が備える操作量比較部81及び操作量判定パラメータ格納部79を有しておらず、操作量演算部75にて演算された操作量はそのまま操作量設定部76を介してPWM生成部80へ入力される。
本実施形態の給紙モータ制御部が上記第1実施形態の多機能装置1における給紙モータ制御部18と異なるのは、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであること、第2プロファイルへの切り替え後に位置偏差が更新再開判定値以下となった後は、第1プロファイルとは異なる第3プロファイル(本発明の第3の目標設定規則に相当)に従った目標位置の更新演算を行うこと、及び、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことである。そのため、本実施形態では、制御器演算停止フラグは存在しない。また、本実施形態の給紙モータ制御部は、第1実施形態の給紙モータ制御部18(図4参照)が備える操作量比較部81及び操作量判定パラメータ格納部79を有しておらず、操作量演算部75にて演算された操作量はそのまま操作量設定部76を介してPWM生成部80へ入力される。
これら以外は、上記第1実施形態の給紙モータ制御部18と同じ構成であるため、ここではその説明を省略する。そして、以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。
まず、本実施形態の目標速度の設定例について、図11に基づいて説明する。図11に示すように、本実施形態では、第1プロファイルとして第1実施形態と同様の関数Fa(t)を有しており、第1実施形態と同様、通常はこの第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の設定が行われる。
まず、本実施形態の目標速度の設定例について、図11に基づいて説明する。図11に示すように、本実施形態では、第1プロファイルとして第1実施形態と同様の関数Fa(t)を有しており、第1実施形態と同様、通常はこの第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の設定が行われる。
給紙モータ13の駆動開始後、位置偏差が更新停止判定値を超えない限りは、第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が行われるが、過負荷発生等によって位置偏差が広がり、更新停止判定値を超えると(時刻ta)、そのときの目標位置であるFa(ta)が、偏差超過時目標位置として、以後の演算タイミングにおける目標位置として設定される。つまり、第1実施形態と同様、第2プロファイルに従った目標位置の設定が行われるようになる。
その後、位置偏差が小さくなって更新再開判定値以下になると(時刻tb)、そのときの目標位置(=偏差超過時目標位置)を起点として、その次の演算タイミングtb+1からは、第3プロファイルFb(t)に従った目標位置の更新演算が再開される。この第3プロファイルは、第1プロファイルを時間軸方向に縮めたものである。即ち、第1実施形態の図7における時刻tb以降の位置プロファイルを時間軸方向に縮め、最終的に目標到達位置Fa(tp)に到達する時刻がtqではなくtpとなるように構成されたものである。
次に、本実施形態のモータ制御部により実行される給紙処理について、図12に基づいて説明する。
この給紙処理が開始されると、まず、位置プロファイルによる第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止すべき旨の目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される(S510)。ここで、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S510:NO)、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われ(S520)、S530に移行する。一方、目標位置更新停止フラグがONになっている場合は(S510:YES)、そのままS530に移行する。つまりこの場合は、第2プロファイルに従った目標位置設定、即ち偏差超過時目標速度が目標速度として設定されることになる。
この給紙処理が開始されると、まず、位置プロファイルによる第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止すべき旨の目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される(S510)。ここで、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S510:NO)、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われ(S520)、S530に移行する。一方、目標位置更新停止フラグがONになっている場合は(S510:YES)、そのままS530に移行する。つまりこの場合は、第2プロファイルに従った目標位置設定、即ち偏差超過時目標速度が目標速度として設定されることになる。
続いて、実位置の取得が行われ(S530)、その取得された実位置と目標位置とに基づいて位置偏差が演算される(S540)。そして、位置偏差が更新停止判定値を超えているか否かが判断される(S550)。ここで位置偏差が更新停止判定値を超えていなければ、S570にて、S510と同じように目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される。そして、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S570:NO)、操作量演算部による操作量の演算(S610)、その演算された操作量のPWM値への変換(S620)が行われ、そのPWM値が給紙モータドライバ17へ出力される(S630)。
一方、S550にて位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された場合は、目標位置更新停止フラグがONされる(S560)。
また、S570にて目標位置更新停止フラグがONと判断された場合は、更に、位置偏差が更新再開判定値以下となっているか否かが判断される(S580)。ここで更新再開判定値以下と判断されなかった場合は(S580:NO)、S610以降の処理に進むが、位置偏差が更新再開判定値以下と判断された場合は(S580:YES)、目標位置更新停止フラグがOFFされ(S590)、位置プロファイル生成部71による位置プロファイルの再構成が行われる(S600)。即ち、第3プロファイルを生成する処理が行われるのである。
また、S570にて目標位置更新停止フラグがONと判断された場合は、更に、位置偏差が更新再開判定値以下となっているか否かが判断される(S580)。ここで更新再開判定値以下と判断されなかった場合は(S580:NO)、S610以降の処理に進むが、位置偏差が更新再開判定値以下と判断された場合は(S580:YES)、目標位置更新停止フラグがOFFされ(S590)、位置プロファイル生成部71による位置プロファイルの再構成が行われる(S600)。即ち、第3プロファイルを生成する処理が行われるのである。
以上説明した本実施形態によれば、第3プロファイルが、最終的に目標到達位置に到達する時刻が、第1プロファイルのみに従って目標位置が更新演算され続けた場合における時刻と同時刻となるように構成されているため、第2プロファイルに従った目標位置設定期間により生じた遅れを取り戻すことができ、制御応答性をより向上させることができる。
なお、第3プロファイルに従った目標位置の更新演算が開始された後、再び位置偏差が更新停止判定値を超過した場合は、第3プロファイルに従った目標位置の更新演算が停止されて再び第2プロファイルに従った目標位置設定(その超過時における目標位置である偏差超過時目標位置への固定設定)が行われる。そして、その後位置偏差が再び更新再開判定値以下となった場合については、例えば、第1プロファイル或いは第3プロファイルに従った目標位置の更新演算を行っても良いし、目標到達位置に到達する時刻がtpとなるよう、また新たな位置プロファイルを再構成してそれに従った目標位置の更新演算を行うようにしてもよい。
[第3実施形態]
本実施形態の給紙モータ制御部が上記第1実施形態の多機能装置1における給紙モータ制御部18と異なるのは、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであること、第2プロファイルとして、第1実施形態のように単に偏差超過時目標位置に固定して設定するのではなく、偏差超過時目標位置よりも小さい所定の位置y1(=A*Fa(ta))に目標位置を固定するようにすること、第2プロファイルへの切り替え後に位置偏差が更新再開判定値以下となった後は、第1プロファイルとは異なる第3プロファイル(但し第2実施形態の第3プロファイルとは異なる)に従った目標位置の更新演算を行うこと、及び、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことである。そのため、本実施形態でも、制御器演算停止フラグは存在しない。また、本実施形態の給紙モータ制御部も、第1実施形態の給紙モータ制御部18(図4参照)が備える操作量比較部81及び操作量判定パラメータ格納部79を有しておらず、操作量演算部75にて演算された操作量はそのまま操作量設定部76を介してPWM生成部80へ入力される。
本実施形態の給紙モータ制御部が上記第1実施形態の多機能装置1における給紙モータ制御部18と異なるのは、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであること、第2プロファイルとして、第1実施形態のように単に偏差超過時目標位置に固定して設定するのではなく、偏差超過時目標位置よりも小さい所定の位置y1(=A*Fa(ta))に目標位置を固定するようにすること、第2プロファイルへの切り替え後に位置偏差が更新再開判定値以下となった後は、第1プロファイルとは異なる第3プロファイル(但し第2実施形態の第3プロファイルとは異なる)に従った目標位置の更新演算を行うこと、及び、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことである。そのため、本実施形態でも、制御器演算停止フラグは存在しない。また、本実施形態の給紙モータ制御部も、第1実施形態の給紙モータ制御部18(図4参照)が備える操作量比較部81及び操作量判定パラメータ格納部79を有しておらず、操作量演算部75にて演算された操作量はそのまま操作量設定部76を介してPWM生成部80へ入力される。
これら以外は、上記第1実施形態の給紙モータ制御部18と同じ構成であるため、ここではその説明を省略する。また、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであることと、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことについては、第2実施形態と同じである。よって、以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分について説明する。
まず、本実施形態の目標速度の設定例について、図13に基づいて説明する。図13に示すように、本実施形態では、第1プロファイルとして第1実施形態と同様の関数Fa(t)を有しており、第1実施形態と同様、通常はこの第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の設定が行われる。
給紙モータ13の駆動開始後、位置偏差が更新停止判定値を超えない限りは、第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が行われるが、過負荷発生等によって位置偏差が広がり、更新停止判定値を超えると(時刻ta)、そのときの目標位置(偏差超過時目標位置)であるFa(ta)に所定の係数Aを乗じたy1が、以後の演算タイミングにおける目標位置として設定される。つまり、一定の値が目標位置として設定されること自体は第1実施形態と同じであるが、本実施形態では、偏差超過時目標位置Fa(ta)をそのまま第2プロファイルとするのではなく、偏差超過時目標位置Fa(ta)よりもより実位置に近い位置が第2プロファイルとされる。
その後、位置偏差が小さくなって更新再開判定値以下になると(時刻tb)、そのときの目標位置y1を起点として、その次の演算タイミングtb+1からは、第3プロファイルFc(t)に従った目標位置の更新演算が再開される。この第3プロファイルFc(t)は、第1プロファイルにおけるy1から目標到達位置Fa(tp)に至る目標速度軌跡と同じものである。
次に、本実施形態のモータ制御部により実行される給紙処理について、図14に基づいて説明する。
この給紙処理が開始されると、まず、目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される(S710)。ここで、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S710:NO)、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われ(S720)、S730に移行する。一方、目標位置更新停止フラグがONになっている場合は(S710:YES)、目標位置近付設定フラグがONになっているか否かが判断される(S830)。この目標位置近付設定フラグは初期状態ではONにされている。そのため、制御開始後、初めてこのS830の判断がなされる時(即ち、位置偏差が更新停止判定値を超えた演算タイミングの次の演算タイミング)は、目標位置近付設定フラグはONにされているはずであるため、S840に移行し、目標位置として、前回演算された目標位置(偏差超過時目標位置)に係数A(0<A<1)を乗じることで、第2プロファイルとしての目標位置y1を生成する(S840)。そして、目標位置近付設定フラグがOFFにされ(S850)、S730に進む。
この給紙処理が開始されると、まず、目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される(S710)。ここで、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S710:NO)、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われ(S720)、S730に移行する。一方、目標位置更新停止フラグがONになっている場合は(S710:YES)、目標位置近付設定フラグがONになっているか否かが判断される(S830)。この目標位置近付設定フラグは初期状態ではONにされている。そのため、制御開始後、初めてこのS830の判断がなされる時(即ち、位置偏差が更新停止判定値を超えた演算タイミングの次の演算タイミング)は、目標位置近付設定フラグはONにされているはずであるため、S840に移行し、目標位置として、前回演算された目標位置(偏差超過時目標位置)に係数A(0<A<1)を乗じることで、第2プロファイルとしての目標位置y1を生成する(S840)。そして、目標位置近付設定フラグがOFFにされ(S850)、S730に進む。
S730〜S820の処理は、S760及びS800の処理を除き、第2実施形態の図12におけるS530〜S630の処理と同じである。
本実施形態では、S750にて位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された場合は、S760において、目標位置更新停止フラグがONされると共に、目標位置近付設定フラグもONされる。また、S800では、第3プロファイルの構成、即ち、y1を起点として第1プロファイルと同じ軌跡にて目標速度が更新されていくようなプロファイルの構成が行われる。
本実施形態では、S750にて位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された場合は、S760において、目標位置更新停止フラグがONされると共に、目標位置近付設定フラグもONされる。また、S800では、第3プロファイルの構成、即ち、y1を起点として第1プロファイルと同じ軌跡にて目標速度が更新されていくようなプロファイルの構成が行われる。
以上説明した本実施形態によれば、位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された場合に、次の演算タイミングから位置偏差が更新再開判定値以下となるまでの間の目標位置(第2プロファイル)として、偏差超過時目標位置よりも小さいy1に設定される。そのため、位置偏差を迅速に更新再開判定値以下にすることができ、制御応答性を向上させることができる。
[第4実施形態]
本実施形態の給紙モータ制御部が上記第1実施形態の多機能装置1における給紙モータ制御部18と異なるのは、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであること、第2プロファイルとして、第1実施形態のように単に偏差超過時目標位置に固定して設定するのではなく、演算タイミング毎に前回の目標位置よりも小さい値に設定していくこと、第2プロファイルへの切り替え後に位置偏差が更新再開判定値以下となった後は、第1プロファイルとは異なる第3プロファイル(但し第2,第3実施形態の第3プロファイルとは異なる)に従った目標位置の更新演算を行うこと、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことである。そのため、本実施形態でも、制御器演算停止フラグは存在せず、第1実施形態の給紙モータ制御部18(図4参照)が備える操作量比較部81及び操作量判定パラメータ格納部79も有しておらず、操作量演算部75にて演算された操作量はそのまま操作量設定部76を介してPWM生成部80へ入力される。
本実施形態の給紙モータ制御部が上記第1実施形態の多機能装置1における給紙モータ制御部18と異なるのは、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであること、第2プロファイルとして、第1実施形態のように単に偏差超過時目標位置に固定して設定するのではなく、演算タイミング毎に前回の目標位置よりも小さい値に設定していくこと、第2プロファイルへの切り替え後に位置偏差が更新再開判定値以下となった後は、第1プロファイルとは異なる第3プロファイル(但し第2,第3実施形態の第3プロファイルとは異なる)に従った目標位置の更新演算を行うこと、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことである。そのため、本実施形態でも、制御器演算停止フラグは存在せず、第1実施形態の給紙モータ制御部18(図4参照)が備える操作量比較部81及び操作量判定パラメータ格納部79も有しておらず、操作量演算部75にて演算された操作量はそのまま操作量設定部76を介してPWM生成部80へ入力される。
これら以外は、上記第1実施形態の給紙モータ制御部18と同じ構成であるため、ここではその説明を省略する。また、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件が、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみであることと、位置偏差の大小によらず操作量演算部75は操作量の演算を行うことについては、第2実施形態と同じである。よって、以下、第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分について説明する。
まず、本実施形態の目標速度の設定例について、図15に基づいて説明する。図15に示すように、本実施形態では、第1プロファイルとして第1実施形態と同様の関数Fa(t)を有しており、第1実施形態と同様、通常はこの第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の設定が行われる。
給紙モータ13の駆動開始後、位置偏差が更新停止判定値を超えない限りは、第1プロファイルFa(t)に従った目標位置の更新演算が行われるが、過負荷発生等によって位置偏差が広がり、更新停止判定値を超えると(時刻ta)、次の演算タイミング(時刻ta+1)では、前回の目標位置(偏差超過時目標位置)であるFa(ta)に所定の係数Aを乗じたy1が目標位置として設定される。ここまでは第3実施形態と同様である。一方、次の演算タイミングでは、前回の目標位置であるy1に対してさらに係数Aを乗じたy2が目標位置として設定される。更に、次の演算タイミングでは、前回の目標位置であるy2に対してさらに係数Aを乗じたy3が目標位置として設定される。このように、演算タイミング毎に前回の目標値に対して係数Aを乗じた値を目標位置とすることで、目標位置は時間経過に応じて徐々に小さくなっていく。
そして、位置偏差が更新再開判定値以下となった場合は(時刻tb)、以後、その時刻tbにおける目標位置ynを起点として目標到達位置Fa(tp)へ到達するまでの第3プロファイルが再構成され、その第3プロファイルに従った目標位置の設定が行われる。
次に、本実施形態のモータ制御部により実行される給紙処理について、図16に基づいて説明する。
この給紙処理が開始されると、まず、目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される(S910)。ここで、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S910:NO)、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われ(S920)、S940に移行する。一方、目標位置更新停止フラグがONになっている場合は(S910:YES)、目標位置として、前回演算された目標位置に係数A(0<A<1)を乗じることで、第2プロファイルとしての目標位置が生成され(S930)、S940に進む。
この給紙処理が開始されると、まず、目標位置更新停止フラグがONになっているか否かが判断される(S910)。ここで、目標位置更新停止フラグがまだOFFの場合は(S910:NO)、位置プロファイル生成部71による第1プロファイルに基づく目標位置の更新演算が行われ(S920)、S940に移行する。一方、目標位置更新停止フラグがONになっている場合は(S910:YES)、目標位置として、前回演算された目標位置に係数A(0<A<1)を乗じることで、第2プロファイルとしての目標位置が生成され(S930)、S940に進む。
S940〜S1040の処理は、第2実施形態の図12におけるS530〜S630の処理と同じであるため、その説明を省略する。
以上説明した本実施形態によれば、位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された場合に、次の演算タイミングから位置偏差が更新再開判定値以下となるまでの間の目標位置(第2プロファイル)として、演算タイミング毎に前回の演算タイミングにおける目標位置に係数Aを乗じることで、目標位置が時間経過に応じて順次小さくなっていく。そのため、位置偏差をより迅速に更新再開判定値以下にすることができ、制御応答性を向上させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、位置偏差が更新停止判定値を超えたと判断された場合に、次の演算タイミングから位置偏差が更新再開判定値以下となるまでの間の目標位置(第2プロファイル)として、演算タイミング毎に前回の演算タイミングにおける目標位置に係数Aを乗じることで、目標位置が時間経過に応じて順次小さくなっていく。そのため、位置偏差をより迅速に更新再開判定値以下にすることができ、制御応答性を向上させることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記第1実施形態における第3プロファイルとして第2実施形態の第3プロファイルと同様のもの(第1プロファイルを時間軸方向に短縮したもの)を用いてもよい。
また、第2〜第4実施形態は、いずれも、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)を、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみとしたが、これら第2〜第4実施形態についても、第1実施形態と同様、操作量演算部75により演算された操作量が操作量上限値を超えて、且つ、位置偏差が更新停止判定値を超過した場合に、第2プロファイルへの切替を行うようにしてもよい。またこの場合、第2プロファイルに従った目標位置の設定期間中においては、第1実施形態と同様、操作量演算部75による操作量の演算を停止させると共に、PWM生成部80へ出力する操作量は操作量上限値に固定するとよい。
また、第2〜第4実施形態は、いずれも、第1プロファイルに従った目標位置の更新演算を停止する条件(第2プロファイルへの切り替え条件)を、位置偏差が更新停止判定値を超えた場合のみとしたが、これら第2〜第4実施形態についても、第1実施形態と同様、操作量演算部75により演算された操作量が操作量上限値を超えて、且つ、位置偏差が更新停止判定値を超過した場合に、第2プロファイルへの切替を行うようにしてもよい。またこの場合、第2プロファイルに従った目標位置の設定期間中においては、第1実施形態と同様、操作量演算部75による操作量の演算を停止させると共に、PWM生成部80へ出力する操作量は操作量上限値に固定するとよい。
なお、第2プロファイルに従った目標位置の設定期間中において操作量を上記のように一定値に固定する場合、その一定値としては、必ずしも操作量上限値とする必要はなく、制御対象の特性等に応じて適宜設定することができる。また、第2プロファイルに従った目標位置の設定期間中において操作量演算部75による操作量の演算を停止させるか否かは適宜決めることができるが、安定した制御を実現するためには、操作量の演算を停止させる方が好ましい。
更に、第2プロファイルに従った目標位置として、第1実施形態及び第2実施形態のように一定値(偏差超過時目標位置)に固定し続けるか、第3実施形態のように偏差超過時目標位置よりも小さい値を演算してその値に固定し続けるか、或いは第4実施形態のように時間経過に応じて徐々に小さくなるようにするかについても、適宜決めることができる。位置偏差を小さくして偏差の累積値をできる限り小さくできるという点では、第3実施形態や第4実施形態のように目標位置を小さく設定する方が好ましいが、その反面、そのように目標位置を偏差超過時目標位置とは異なる値に設定すると、位置偏差が更新再開判定値以下となったときの位置プロファイルの再構成(第3プロファイルの構成)のための演算が複雑化する。よって、双方のトレードオフを考慮して第2プロファイルの構成を決めるとよい。
また、本発明のモータ制御装置は、上記実施形態のように給紙ローラ11を駆動する給紙モータ13の制御への適用に限らず、搬送ローラ21を駆動するLFモータ23の制御、キャリッジ31を駆動するCRモータ33の制御、画像読取装置45においてCISユニット46を駆動する読取モータ47の制御、読取対象の原稿を搬送するADFモータ48の制御に対しても適用できる。なお、LFモータ23の制御の場合、給紙モータ13の制御と同様、用紙Pの実位置と目標位置との位置偏差に基づいてFB制御器が位置フィードバック制御により操作量(電流指令値)を演算するのが一般的であるのに対し、CRモータ33の制御の場合、キャリッジ31の実速度と目標速度との速度偏差に基づいてFB制御器が速度フィードバック制御により操作量(電圧指令値)を演算するのが一般的である。もちろん、これらに限定されるわけではないことはいうまでもない。
更に、多機能装置1への適用に限らず、駆動対象をモータによって駆動するよう構成されたあらゆる駆動装置等に本発明のモータ制御装置を適用可能である。また、フィードバックされる駆動量が位置であるか速度であるか、或いは他の物理量であるかについても特に限定されない。
1…多機能装置、10…給紙ユニット、11…給紙ローラ、13…給紙モータ、15…給紙ロータリエンコーダ、17…給紙モータドライバ、18…給紙モータ制御部、21…搬送ローラ、23…LFモータ、25…LFロータリエンコーダ、27…LFモータドライバ、28…LFモータ制御部、30…記録ヘッド、31…キャリッジ、32…記録ヘッドドライバ、33…CRモータ、35…CRリニアエンコーダ、37…CRモータドライバ、38…CRモータ制御部、39…記録制御部、41…排紙ローラ、45…画像読取装置、46…CISユニット、47…読取モータ、48…ADFモータ、49…読取制御部、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…EEPROM、55…インタフェース、56…操作部、60…レジストセンサ、61…ガイド軸、62…無端ベルト、63…駆動プーリ、64…従動プーリ、66…リニアスケール、67…検出部、71…位置プロファイル生成部、72…位置検出部、73…位置偏差演算部、74…FB制御器、75…操作量演算部、76…操作量設定部、77…位置偏差判定パラメータ格納部、78…位置偏差比較部、79…操作量判定パラメータ格納部、80…PWM生成部、81…操作量比較部、82…フラグ設定部、P…用紙
Claims (15)
- モータにより駆動される駆動対象の駆動量を検出する検出手段と、
予め設定された第1の目標設定規則に従い、所定周期で前記駆動対象の目標駆動量を設定する目標設定手段と、
前記目標設定手段により設定された目標駆動量と前記検出手段により検出された駆動量との差である制御偏差を演算する制御偏差演算手段と、
前記制御偏差演算手段により演算された制御偏差に基づき、前記駆動対象の駆動量が前記目標駆動量と一致するように前記モータに対する操作量を演算する操作量演算手段と、
前記制御偏差演算手段により演算された制御偏差が予め設定した第1偏差判定値を超えたか否かを判断する偏差判断手段と、
を備え、
前記目標設定手段は、前記偏差判断手段により前記制御偏差が前記第1偏差判定値を超えたと判断された場合、該判断後の次の目標駆動量設定タイミングから所定の条件が成立するまでの期間は、前記第1の目標設定規則に代えて、該第1の目標設定規則にて設定される目標駆動量よりも小さい駆動量を目標駆動量に設定する第2の目標設定規則に従い、前記目標駆動量の設定を行う
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1記載のモータ制御装置であって、
前記操作量演算手段により演算された操作量が予め設定した操作量判定値を超えたか否かを判断する操作量判断手段を備え、
前記目標設定手段は、前記操作量判断手段により前記操作量が前記操作量判定値を超えたと判断され、且つ、前記偏差判断手段により前記制御偏差が前記第1偏差判定値を超えたと判断された場合に、該判断後の次の目標駆動量設定タイミングから所定の条件が成立するまでの期間、前記第2の目標設定規則に従った前記目標駆動量の設定を行う
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1又は2記載のモータ制御装置であって、
前記第2の目標設定規則は、前記偏差判断手段により前記制御偏差が前記第1偏差判定値を超えたと判断されたタイミングにおいて前記目標設定手段にて設定された目標駆動量を偏差超過時目標駆動量として、該偏差超過時目標駆動量以下の駆動量を、前記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項3記載のモータ制御装置であって、
前記第2の目標設定規則は、前記偏差超過時目標駆動量と同一の駆動量を、前記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項3記載のモータ制御装置であって、
前記第2の目標設定規則は、前記偏差超過時目標駆動量よりも小さい一定の駆動量を、前記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項3記載のモータ制御装置であって、
前記第2の目標設定規則は、前記目標駆動量の設定タイミング毎に、前回の設定タイミングにおいて設定した目標駆動量よりも小さい駆動量を、前記期間中の目標駆動量として設定するよう構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜6いずれかに記載のモータ制御装置であって、
前記偏差判断手段は、前記期間中、前記制御偏差が前記第1偏差判定値よりも小さい第2偏差判定値以下となったかを判断し、
前記所定の条件は、前記偏差判断手段によって前記制御偏差が前記第2偏差判定値以下と判断されることである
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜7いずれかに記載のモータ制御装置であって、
前記目標設定手段は、前記所定の条件が成立した後は、予め設定された第3の目標設定規則に従って前記目標駆動量の設定を行う
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項8記載のモータ制御装置であって、
前記第3の目標設定規則は、前記所定の条件の成立時に設定されていた目標駆動量を起点として再び前記第1の目標設定規則と同じ規則に従って前記目標駆動量の設定を行うよう構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項8記載のモータ制御装置であって、
前記第3の目標設定規則は、前記所定の条件の成立時に設定されていた目標駆動量を起点として、該目標駆動量から所定の目標到達駆動量まで到達するまでの時間が、前記第1の目標設定規則に従った場合よりも短くなるように、前記目標駆動量の設定を行うよう構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜10いずれかに記載のモータ制御装置であって、
前記操作量演算手段は、前記期間中は前記操作量の演算を停止する
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項11記載のモータ制御装置であって、
前記期間中の前記モータに対する前記操作量を予め設定した一定値に設定する操作量設定手段を備えている
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項12記載のモータ制御装置であって、
前記一定値は、前記モータへ入力可能な電圧又は電流の上限値に対応した値である
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜13いずれかに記載のモータ制御装置と、
前記モータにより駆動される前記駆動対象としての、被搬送媒体を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
を備え、
前記検出手段は、前記搬送路における前記被搬送媒体の位置を検出し、
前記目標設定手段は、前記目標駆動量として、前記搬送手段によって前記被搬送媒体を前記搬送路における所定の搬送開始位置から搬送停止位置まで搬送させるための該被搬送媒体の目標搬送位置を設定する
ことを特徴とする媒体搬送装置。 - 請求項1〜13いずれかに記載のモータ制御装置と、
被記録媒体を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記モータにより駆動される前記駆動対象としてのキャリッジに搭載され、該モータにより該キャリッジと共に前記被記録媒体の搬送方向と直交する方向へ移動されつつ、該被記録媒体へインク滴を吐出して該被記録媒体上への画像形成を行う記録ヘッドと、
を備え、
前記検出手段は、前記キャリッジの位置を検出し、
前記目標設定手段は、前記目標駆動量として、前記キャリッジを所定の移動開始位置から移動停止位置まで移動させるための目標移動位置を設定する
ことを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008022801A JP2009183132A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | モータ制御装置、媒体搬送装置、および画像処理装置 |
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JP2008022801A JP2009183132A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | モータ制御装置、媒体搬送装置、および画像処理装置 |
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---|---|
JP2009183132A true JP2009183132A (ja) | 2009-08-13 |
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ID=41036643
Family Applications (1)
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JP2008022801A Pending JP2009183132A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | モータ制御装置、媒体搬送装置、および画像処理装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009183132A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012076855A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Brother Industries Ltd | シート搬送装置 |
JP2012182948A (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-20 | Brother Ind Ltd | 駆動制御装置、シート搬送装置、及び、画像形成装置 |
US8649902B2 (en) | 2010-09-16 | 2014-02-11 | Ricoh Company, Limited | Transport medium driving device, transport medium driving method, program product, and image forming apparatus |
JP2015050629A (ja) * | 2013-09-02 | 2015-03-16 | セイコーエプソン株式会社 | 搬送装置およびスキャナー |
-
2008
- 2008-02-01 JP JP2008022801A patent/JP2009183132A/ja active Pending
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