JP5256619B2 - モータ駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、DCモータの回転力を、駆動対象に作用させて、駆動対象を所定方向に移動させる駆動機構が有する上記DCモータを駆動するためのモータ駆動装置に関する。
周知のように、一般的なインクジェット方式の画像形成装置は、インク液滴をノズルから吐出する記録ヘッドがキャリッジに搭載されてなり、このキャリッジをモータにより駆動することにより、記録ヘッドを主走査方向に移動させて、記録シート上に画像を形成する。即ち、従来の画像形成装置では、画像形成処理の実行時、キャリッジを主走査方向に移動させて、記録ヘッドを主走査方向に搬送し、これと共に記録ヘッドを制御して、対向する記録シートにインク液滴を吐出することにより、記録シート上に画像を形成している。このような画像形成処理の実行時には、記録シートに均一な画質の画像を形成するため、キャリッジを、主走査方向に一定速度で移動させるのが一般的である。
しかしながら、モータによりキャリッジを駆動する場合には、キャリッジが一定速度で移動するようにモータを制御しても、モータのコギングやプーリーの偏心等の様々な要因によって、キャリッジの移動速度(実速度)が変動する。このようなキャリッジの移動速度の変動は、インクの着弾地点のずれに影響を与え、その変動量の大小は、画質の良否を大きく左右する。このため、従来から、キャリッジの移動速度の変動によって発生する画質劣化の問題に対しては、様々な対策が採られている。
例えば、従来装置としては、キャリッジの移動速度の変動が大きい場合に、操作量の演算に係るパラメータ(係数)を補正して、変動幅を抑えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−218663号公報
しかしながら、操作量の演算に係るパラメータ(係数)を補正する従来の手法では、パラメータ(係数)の補正により、一律に移動速度の変動を抑えてしまうため、不規則な速度変動に十分対応することができないといった問題があった。また、従来手法では、速度制御の応答性が悪くなるといった問題もあった。
本発明は、こうした問題になされたものであり、従来よりも好適に、目標速度に対する実速度の誤差を抑えることが可能なモータ駆動装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明は、DCモータの回転力を、駆動対象に作用させて、駆動対象を所定方向に移動させる駆動機構が有する上記DCモータを駆動するためのモータ駆動装置であって、操作量決定手段と、補正量記憶手段と、補正手段と、モータ駆動手段と、速度検出手段と、誤差検出手段と、補正量更新手段と、を備える。
このモータ駆動装置では、操作量決定手段が、予め設定された目標速度に基づき、DCモータに対する操作量を決定する。一方で、補正量記憶手段は、操作量決定手段により決定された操作量に対して施すべき補正量を記憶し、補正手段は、補正量記憶手段の記憶内容に従って、操作量決定手段により決定された操作量を補正する。また、モータ駆動手段は、補正手段による補正後の操作量に対応した操作を、DCモータに加えて、DCモータを駆動する。
また、このモータ駆動装置では、補正量更新手段が、補正量記憶手段が記憶する各補正量を更新するが、この更新に先立って、速度検出手段が駆動対象の移動速度を検出し、誤差検出手段が、速度検出手段が検出した移動速度と、目標速度との誤差を検出する。即ち、補正量更新手段は、誤差検出手段により検出された誤差に基づき、駆動対象が目標速度で移動するように、補正量記憶手段が記憶する補正量を更新する。
具体的に、上記補正量記憶手段は、複数の補正量を記憶する構成にされ、補正手段は、駆動対象の移動に合わせて、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量を順次切り替えて用い、操作量決定手段により決定された操作量を補正する。
このように、本発明のモータ駆動装置では、駆動対象の実速度と目標速度との誤差に基づき、DCモータに対する操作量の補正量を決定し、これを次回のモータ制御の際に利用する。従って、操作量決定手段による制御では、駆動対象の移動速度を目標速度に維持することができないような、移動速度の変動が生じる場合でも、上記補正により、その変動を抑えることができ、駆動対象を目標速度で安定的に移動させることができる。従って、本発明のモータ駆動装置を用いれば、駆動対象の変動による諸々の問題を解決することができる。
特に、本発明のモータ駆動装置では、駆動対象の移動に合わせて、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量を順次切り替えて用い、操作量決定手段により決定された操作量を補正するので、空間的に不規則な移動速度の変動にも適切に対応して、駆動対象を目標速度で安定的に移動させることができる。
尚、具体的に、上述のモータ駆動装置における補正量記憶手段は、DCモータの駆動により駆動対象が移動する経路内における予め定められた複数の地点の各地点毎に、その地点に駆動対象が移動した際に施すべき補正量を記憶する構成にされ、補正手段は、補正量記憶手段が記憶する各補正量に対応する地点に、駆動対象が移動する度、補正量記憶手段が記憶する当該地点の補正量に基づき、操作量決定手段により決定された操作量を、補正する構成にされるとよ
キャリッジの搬送機構等では、目標速度に対する駆動対象の速度の変動パターンが、駆動対象の位置に依存しやすい。従って、駆動対象が移動する経路内における予め定められた地点毎に、その地点に駆動対象が移動した際に施すべき補正量を記憶しておき、この地点に駆動対象が到来したときに、この補正量に基づき、操作量を補正すれば、位置に依存した不規則な移動速度の変動を効果的に抑制することができる。
また、このようにモータ駆動装置を構成する場合には、補正手段を次のように構成するとよい。即ち、補正手段は、補正量記憶手段が記憶する各補正量に対応する地点以外の地点に、駆動対象が位置する場合、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、駆動対象の現在地点を挟む当該現在地点から最も近い二地点の補正量に基づき、駆動対象の現在地点に対応する補正量を算出し、当該算出した補正量に基づき、操作量決定手段により決定された操作量を、補正する構成にされるとよ
操作量に補正を加える各地点での補正量を全て補正量記憶手段に記憶させる場合には、データの総計が多くなって、容量の大きい記憶手段(メモリ等)を装置に搭載する必要がでてくる。一方、本発明のように、操作量に補正を加える各地点の補正量を全て補正量記憶手段に記憶させるのではなく、一部の地点の補正量を補正量記憶手段に記憶させ、これらの地点間では、隣接する地点の補正量に基づき、補正量を決定するように装置を構成すれば、補正量記憶手段に記憶させる補正量のデータ量を抑えることができて、安価に、本発明を適用した装置を構成することができる。
また、補正量記憶手段は、DCモータの駆動により駆動対象が始点から終点まで移動する期間内において予め定められた複数の時刻の各時刻毎に、その時点で操作量決定手段により決定された操作量に対して施すべき補正量を記憶する構成にされ、補正手段は、補正量記憶手段が記憶する各補正量に対応する時刻が到来する度に、補正量記憶手段が記憶する当該時刻の補正量に基づき、操作量決定手段により決定された操作量を、補正する構成にされてもよ
上述したように、キャリッジの搬送機構等では、目標速度に対する駆動対象の速度の変動パターンが、駆動対象の位置に依存しやすいが、速度の変動量が小さい場合には、時刻によって概ね駆動対象の位置を推定することができる。従って、時刻により、補正するタイミングを決定しても、地点により補正するタイミングを決定する上述のモータ駆動装置と同様に、位置に依存した不規則な移動速度の変動を効果的に抑制することができる。
また、補正手段は、補正量記憶手段が記憶する各補正量に対応する時刻以外の時間帯において、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、時間軸上で、現在時刻から過去方向及び未来方向の各方向において最も近い二点の時刻の補正量に基づき、現在時刻に対応する補正量を算出し、当該算出した補正量に基づき、操作量決定手段により決定された操作量を、補正する構成にされるとよ。このように補正手段を構成すれば、補正量記憶手段に記憶させるべきデータ量を抑えることができ、安価に本発明を適用したモータ駆動装置を構成することができる。
また、各補正量を整数値で記憶するように、モータ駆動装置を構成すれば、更に、記憶すべきデータ量を抑えることができる。具体的に、補正量記憶手段において各補正量を整数値で記憶するように、モータ駆動装置を構成する場合には、補正手段を、次のように構成すればよい。即ち、補正手段は、補正量記憶手段が記憶する整数値で表される補正量を、操作量に対応したスケールの値に変換し、変換後の補正量を、操作量決定手段により決定された操作量に加算することにより、操作量決定手段により決定された操作量を補正する構成にされるとよ
このように、補正量を整数値で記憶し、この補正量を、操作量に対応するスケールの値に変換して用いて、操作量を補正するようにすれば、当該スケール変換後の浮動小数の補正量を、補正量記憶手段に記憶させる場合よりも、補正量記憶手段に記憶させるべきデータ量を抑えることができる。
また、補正量更新手段は、具体的に、次のように構成されるのがよい。即ち、補正量更新手段は、補正量記憶手段が記憶する補正量の夫々を、その補正量を用いて求めた補正後の操作量に基づきDCモータを駆動した時期に誤差検出手段により検出された誤差に基づいて、更新する構成にされるのがよ。このようにして補正量記憶手段が記憶する各補正量を更新すれば、目標速度と実速度との誤差を縮める方向に、適切に、補正量を更新することができる。
その他、補正量更新手段は、誤差検出手段により検出された誤差が、許容範囲から外れると、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、更新する構成にされるとよ。補正量記憶手段が記憶する補正量は、常時更新されてもよいが、そうすると、補正量更新に係る処理量が多くなる。一方、誤差が許容範囲から外れた場合に限って、補正量を更新するようにモータ駆動装置を構成すれば、補正量更新に係る処理量を抑えて、効率的に、補正量を更新することができる。
具体的に、誤差が許容範囲から外れた場合には、次のようにして、補正量を更新すればよい。即ち、補正量更新手段は、速度検出手段により検出された駆動対象の移動速度が目標速度よりも高い場合、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、所定量減算した値に更新し、速度検出手段により検出された駆動対象の移動速度が目標速度よりも低い場合には、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、所定量加算した値に更新する構成にすればよ
また、補正量を整数値で記憶するモータ駆動装置においては、補正量更新手段を次のように構成するとよい。即ち、補正量更新手段は、補正量記憶手段が記憶する補正量の夫々を、その補正量を用いて求めた補正後の操作量に基づきDCモータを駆動した時期に誤差検出手段により検出された誤差が、許容範囲から外れた場合に限って、更新する構成にされ、速度検出手段により検出された駆動対象の移動速度が目標速度よりも高い場合には、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、1減算した値に更新し、速度検出手段により検出された駆動対象の移動速度が目標速度よりも低い場合には、補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、1加算した値に更新する構成にされるとよ。このようにして段階的に補正量を更新すれば、安定的に誤差が小さくなる方向に補正量を更新することができる。
また、操作量決定手段は、速度検出手段により検出された駆動対象の移動速度に基づき、逐次、駆動対象の移動速度が目標速度に一致するように、DCモータに対する操作量を決定して、フィードバック制御方式により、駆動対象の速度制御を実現する構成にされるとよ。このようにモータ駆動装置を構成すれば、効果的に、駆動対象の移動速度の変動を抑えることができ、駆動対象を目標速度で安定的に移動させることができる。
この他、上述したモータ駆動装置に係る各発明は、DCモータの回転力を、インク液滴をノズルから吐出する記録ヘッドを搭載したキャリッジに作用させて、キャリッジを主走査方向に移動させる搬送機構、を上記駆動機構として備える所謂インクジェットプリンタとして機能する画像形成装置に適用することができる。即ち、画像形成装置は、上述のモータ駆動装置を備え、このモータ駆動装置により、キャリッジが主走査方向に目標速度に応じた一定の速度で移動するように、DCモータを駆動する構成にされるとよ。このように、画像形成装置を構成すれば、キャリッジを主走査方向に、目標速度(一定速度)で安定的に移動させることができ、その結果、良好な画質で、記録シートに画像を形成することができる。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された印刷装置1の構成を表すブロック図である。また、図2は、ヘッド搬送機構40の構成を表す斜視図である。
図1に示すように、本実施例の印刷装置1は、CPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するROM13と、プログラム実行時に作業領域として使用されるRAM15と、各種設定情報を記憶するEEPROM17と、パーソナルコンピュータ(PC)3に接続され、PC3から送信されてくる印刷指令や当該印刷指令と共に送信されてくる印刷対象データを受信するためのインタフェース19(例えば、USBインタフェース)と、印字制御部21と、モータ制御部31と、を備える。
また、この印刷装置1は、インク液滴を吐出するためのノズルが複数配列された記録ヘッド23と、記録ヘッド23を駆動するためのヘッド駆動回路25と、記録ヘッド23を主走査方向に搬送するキャリッジ41やキャリッジ41を主走査方向に移動させるためのCRモータ43等で構成されるヘッド搬送機構40と、用紙Pをインク吐出領域に搬送するための搬送ローラ61や搬送ローラ61を回転させるためのLFモータ63等で構成される用紙搬送機構60と、を備える。尚、CRモータ43及びLFモータ63は、DCモータで構成されている。
その他、印刷装置1は、CRモータ43を駆動するためのCRモータ駆動回路51と、CRモータ43によって駆動されるキャリッジ41の位置に対応してパルス信号を出力するCRエンコーダ53と、LFモータ63を駆動するためのLFモータ駆動回路71と、LFモータ63が所定角度回転する度にパルス信号を出力するロータリーエンコーダからなるLFエンコーダ73と、を備える。
具体的に、ヘッド搬送機構40は、キャリッジ41がガイド軸42に沿って移動可能に設置され、キャリッジ41が、無端ベルト44に連結された構成にされている。無端ベルト44は、CRモータ43の回転軸に設けられたプーリー45と、図示しないアイドルプーリーとの間に掛けられ、CRモータ43の回転力をプーリー45を介して受けて、回転する構成にされている。即ち、ヘッド搬送機構40は、CRモータ43の回転力を受けて、無端ベルト44が回転することにより、キャリッジ41が、ガイド軸42に沿って主走査方向に移動する構成にされている。
また、この印刷装置1には、ガイド軸42に沿って、スリットが一定の微小間隔で形成されたタイミングスリット47が設けられ、タイミングスリット47に形成されたスリットの間隔を読み取ってキャリッジの位置に対応したパルス信号を出力するセンサ素子48が、キャリッジ41に設けられている。即ち、本実施例においては、タイミングスリット47とセンサ素子48とにより、リニアエンコーダとしてのCRエンコーダ53が構成されている。
また、記録ヘッド23は、周知のピエゾ型インクジェットヘッドと同一構成にされ、駆動電圧が印加されると、インク室に隣接する圧電部を変形させて、インク室の容積を変化させることにより、インク室内のインクをノズルから用紙に向けて吐出する構成にされている。この記録ヘッド23は、キャリッジ41に搭載されており、キャリッジ41に搬送されて、主走査方向に移動する。
また、印字制御部21は、CPU11の指令により動作を開始すると、CRエンコーダ53から入力されるパルス信号及びCPU11から入力される画像データに基づき、記録ヘッド23を、ヘッド駆動回路25を通じて制御し、CPU11から入力される画像データに応じた画像を、用紙Pに形成する構成にされている。具体的に、印字制御部21は、周知の印刷装置と同様、CRエンコーダ53から入力されるパルス信号に基づき、キャリッジ41の移動に同期して駆動電圧を記録ヘッド23に印加し、記録ヘッド23に、ノズルからインク液滴を吐出させる。
この他、モータ制御部31は、CRモータ制御部31a及びLFモータ制御部31bを備え、CPU11の指令により動作を開始すると、CRモータ制御部31aによりCRモータ43を制御し、LFモータ制御部31bによりLFモータ63を制御する構成にされている。
具体的に、CRモータ制御部31aは、CRエンコーダ53から入力されるパルス信号に基づき、キャリッジ41の移動速度(実速度)Vnを検出し、移動速度Vnと目標移動速度Vsが一致するように、キャリッジ41の移動速度を制御する。また、LFモータ制御部31bは、キャリッジ41が始点から主走査方向に一通り移動する度に、用紙Pが所定量送り出されるように、LFモータ63を制御する構成にされている。具体的に、LFモータ制御部31bは、LFエンコーダ73から入力されるパルス信号に基づき、LFモータ63に対する操作量を調整し、用紙Pが所定量送り出されるように、LFモータ63を制御する。
続いて、CRモータ制御部31aの構成について詳細説明する。図3は、CRモータ制御部31aの構成を表すブロック図である。図3に示すように、本実施例のCRモータ制御部31aは、計測部110と、レジスタ部120と、制御部130と、PWM生成部140と、を備える。
計測部110は、エッジ検出部111、位置カウント部113、及び、速度演算部115を備え、CRエンコーダ53から入力されるパルス信号の立ち上がりエッジを、エッジ検出部111で検出し、エッジ検出部111から出力される検出信号に基づき、CRエンコーダ53から入力されたパルス信号の入力回数を、位置カウント部113でカウントし、この動作によってキャリッジ41の位置Pnを検出する構成にされている。
また、計測部110は、エッジ検出部111から出力される検出信号に基づき、CRエンコーダ53から入力されるパルス信号の入力周期を、速度演算部115で検出し、この検出結果に基づいて、キャリッジ41の現在の移動速度Vnを算出する構成にされている。尚、速度演算部115により算出されたキャリッジ41の移動速度Vn、及び、位置カウント部113が保持するキャリッジ41の現在位置Pnの情報は、制御部130に入力される。
また、レジスタ部120は、CRモータ43の制御方法を決定付ける設定パラメータの入力を、CPU11又は後述する補正データ学習部139から受け付けて、当該設定パラメータを記憶する構成にされている。具体的に、本実施例のレジスタ部120は、キャリッジ41の目標停止位置、及び、キャリッジ41を始点から目標停止位置まで搬送する際のキャリッジ41の目標移動速度Vs、及び、後述する補正係数kの入力を、CPU11から受け付けて、これらを記憶すると共に、後述する基本補正量D[i]の入力を、補正データ学習部139から受け付けて、これらを補正データとして記憶する構成にされている。
続いて、制御部130の構成について、図4を用いて説明する。図4に示すように、CRモータ制御部31aが備える制御部130は、操作量演算部131と、補正データ学習部139と、を備える。
操作量演算部131は、フィードバック制御部133、トルクムラ補正部135、及び、加算器137からなり、フィードバック制御部133により、キャリッジ41の移動速度を、フィードバック制御する。
具体的に、フィードバック制御部133は、キャリッジ41を始点から主走査方向へ目標停止位置まで搬送する際、加速区間及び減速区間以外の区間においては、キャリッジ41の移動速度Vnが、レジスタ部120が記憶する目標移動速度Vsとなるように、逐次、CRモータ43に対する操作量uを決定する構成にされている。また、キャリッジ41を目標停止位置まで搬送した後には、キャリッジ41を始点まで戻す処理を実行する構成にされている。
尚、本実施例では、本発明に係る印刷装置1の構成を簡単にするため、画像形成処理の実行時において、キャリッジ41を始点から目標停止位置まで搬送する際には、記録ヘッド23を通じて、用紙Pに画像を形成するが、キャリッジ41を始点まで戻す際には、記録ヘッド23を駆動せず、用紙Pに対するインク吐出を行わないものとする。
このような構成のフィードバック制御部133の動作について、更に詳述すると、フィードバック制御部133は、キャリッジ41を始点から目標停止位置まで搬送する際、速度演算部115からキャリッジ41の移動速度Vnの情報を取得すると共に、位置カウント部113から現在位置Pnの情報を取得し、これらの情報に基づき、CR43モータ43に対する操作量uを決定する。
具体的に、キャリッジ41が始点から定速走行領域開始地点P0に到達するまでの区間においては、キャリッジ41が、目標移動速度Vsまで加速するように、操作量uを決定する。尚、定速走行領域開始地点P0は、設計段階で予め定められるものとする。また、本実施例では、操作量uとして、CRモータ43に対する入力電流量を決定するものとする。
また、フィードバック制御部133は、キャリッジ41が定速走行領域に到達すると、キャリッジ41の移動速度Vnと目標移動速度Vsとの誤差がなくなるように、CRモータ43に対する操作量uを決定する。
この他、フィードバック制御部133は、レジスタ部120が記憶する目標停止位置で、キャリッジ41が停止するように、目標停止位置より所定距離手前の位置から、キャリッジ41を減速・停止させるための操作量uを決定する。尚、このようにして、フィードバック制御部133により決定される操作量uは、加算器137に入力される。
また、加算器137に入力された操作量uは、当該加算器137で補正されて、操作量u’に置換される。具体的に、加算器137は、フィードバック制御部133から入力される操作量uに、トルクムラ補正部135にて設定された補正量cを加算して、操作量u’=u+cを算出する。また、加算器137により算出された操作量u’は、PWM生成部140に入力され、PWM生成部140は、入力された操作量u’に対応したデューティー比のPWM信号をCRモータ駆動回路51に出力し、CRモータ43を、電流量u’で駆動する。
一方、トルクムラ補正部135は、レジスタ部120が記憶する補正データ及び補正係数kに基づいて、補正量cを算出する構成にされている。具体的に、この補正データは、補正量cの算出の基礎となる基本補正量D[i]が、複数個配列された構成にされている。このレジスタ部120が記憶する各基本補正量D[i](i=1,2,…,N)は、印刷装置1の起動時に、補正データ学習部139の動作によって、更新される。尚、レジスタ部120に記憶される基本補正量の個数Nは、予め設計者により定められる。
図5は、レジスタ部120が記憶する補正データの構成を表す説明図である。レジスタ部120においては、基本補正量D[i]が整数値で記憶されており、レジスタ部120が記憶する補正係数kは、基本補正量D[i]を、操作量uに対応したスケールの補正量cに置換する際に、用いられる。
次に、トルクムラ補正部135が実行する処理の詳細について、図6を用いて説明する。図6は、トルクムラ補正部135が実行する補正処理を表すフローチャートである。トルクムラ補正部135は、キャリッジ41を始点から目標停止位置まで主走査方向へ搬送する際に、当該補正処理の実行を開始する。
図6に示す補正処理を開始すると、トルクムラ補正部135は、まずS110にて、補正量cをゼロ(c=0)に設定し、S120にて、パラメータiを初期値1に設定し(i=1)、更に、S130にて、基準位置P1を、第1主補正位置P[1]に設定する(S130)。
本実施例においては、図7に示すように、キャリッジ41が始点から終点(目標停止位置の最大値)まで移動する経路において、定速走行領域となる区間内に、N個の補正位置を、等間隔に定めている。具体的には、定速走行領域の開始地点P0から、終点より所定距離手前の定速走行領域の終了地点Peまでの距離をLとして、定速走行領域の開始地点P0から距離ΔL=L/(N+1)進んだ地点を、第1主補正位置P[1]とし、この第1主補正位置P[1]から主走査方向に距離(i−1)・ΔL離れた位置を、第i主補正位置P[i]と定めている。
S130において、トルクムラ補正部135は、このようにして予め定められた第1〜第N主補正位置の内、第1主補正位置P[1]を、基準位置P1に設定するのである。
S130での処理を終えると、トルクムラ補正部135は、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置Pnの情報を取得し、この情報に基づいて、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したか否かを判断する(S140)。そして、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達していないと判断すると(S140でNo)、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達するまで待機する。
一方、トルクムラ補正部135は、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したと判断すると(S140でYes)、S150に移行し、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置Pnの情報を取得して、キャリッジ41が基準位置P1に到達したか否かを判断する。
そして、キャリッジ41が基準位置P1に到達していないと判断すると(S150でNo)、S160に移行し、キャリッジ41の現在位置Pnに基づいて、基本補正量dを、次式に従って算出する(S160)。尚、(P1−P0)は、定速走行領域開始地点P0から基準位置P1までの距離であり、(Pn−P0)は、定速走行領域開始地点P0から現在位置Pnまでの距離である。
d=D[1]/(P1−P0)・(Pn−P0)
また、このようにして基本補正量dを算出すると、トルクムラ補正部135は、S160で算出した基本補正量d、及び、レジスタ部120が記憶する補正係数kに基づき、補正量cを、次のように設定する(S165)。
c=k・d
尚、本実施例では、第1主補正位置P[1]で、補正量をc=k・D[1]に設定する。従って、S160〜S165では、図8(a)に示すように、線形補間によって、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[1]から、キャリッジ41の現在位置Pnに対応した基本補正量dを求め、この基本補正量dに対応した補正量cを設定することとなる。
また、このようにしてS165での処理を終えると、トルクムラ補正部135は、S150に移行し、キャリッジ41が基準位置P1に到達するまで、繰返し、上述した手法で補正量cを設定する。
一方、キャリッジ41が基準位置P1に到達すると(S150でYes)、トルクムラ補正部135は、S170に移行し、補正量cを、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]及び補正係数kに基づいて、次のように設定する。
c=k・D[i]
また、この処理を終えると、トルクムラ補正部135は、基準位置P2を、現在設定されている基準位置P1に設定すると共に(S180)、パラメータiの値を1加算して(S190)、加算後のパラメータiの値に基づき、基準位置P1を、第i主補正位置P[i]に設定し(S200)、その後、S210に移行する。但し、i>Nのときには、基準位置P1を、上述したキャリッジ41の移動経路終点より所定距離手前の位置Peに設定すると共に、D[N+1]=0に設定して、後述する処理を実行する。
また、S210に移行すると、トルクムラ補正部135は、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置Pnの情報を取得し、この情報に基づき、キャリッジ41が基準位置P1に到達したか否かを判断する。
そして、キャリッジ41が基準位置P1に到達していないと判断すると(S210でNo)、基本補正量dを、次式に従って算出する(S220)。
d=a・(Pn−P2)+D[i−1]
a=(D[i]−D[i−1])/(P1−P2)
また、この処理を終えると、トルクムラ補正部135は、S220で算出した基本補正量d、及び、レジスタ部120が記憶する補正係数kに基づき、補正量cを、次のように設定する(S225)。
c=k・d
尚、本実施例では、キャリッジ41が第i主補正位置P[i]に位置するときに、補正量cを、c=k・D[i]に設定する。従って、S220〜S225では、図8(b)に示すように、線形補間によって、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i],D[i−1]から、キャリッジ41の現在位置Pnに対応した基本補正量dを求め、この基本補正量dに対応した補正量cを設定することになる。
また、このようにしてS225での処理を終えると、トルクムラ補正部135は、S230に移行し、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したか否かを判断する。即ち、S230では、キャリッジ41が、レジスタ部120が記憶する目標停止位置よりも所定距離手前の地点に到達したか否かを判断する。
そして、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したと判断すると(S230でYes)、補正量cを、ゼロに設定して(S260)、当該補正処理を終了する。一方、S230において、キャリッジ41が定速走行領域の終点地点に到達していないと判断すると(S230でNo)、トルクムラ補正部135は、S210に移行し、キャリッジ41が基準位置P1に到達するか、定速走行領域の終点地点に到達するまで、S210〜S230の処理を繰返し実行する。そして、キャリッジ41が基準位置P1に到達すると(S210でYes)、S240に移行して、補正量cを、c=k・D[i]に設定する。その後、S250に移行する。
また、S250に移行すると、トルクムラ補正部135は、S230での処理と同様、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したか否かを判断し、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達していないと判断すると(S250でNo)、S180に移行して、基準位置P2、パラメータi、基準位置P1の値を順に更新し(S180〜S200)、その後、更新した値を用いて、S210以降の処理を実行する。
また、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したと判断すると(S250でYes)、トルクムラ補正部135は、S260に移行し、補正量cをゼロに設定して、当該補正処理を終了する。
このようにして、トルクムラ補正部135は、キャリッジ41の主走査方向への移動に合わせて、補正データを構成する各基本補正量D[i]を順次切り替えて用い、補正量cを設定する。そして、当該CRモータ制御部31aでは、この補正量cに基づき、キャリッジ41の位置に対応した補正を、操作量uに施して、コギング等によるキャリッジ41の移動速度の変動を抑えるように、当該キャリッジ41の移動速度を、トルクムラ補正部135でフィードフォワード制御する。
続いて、制御部130が有する補正データ学習部139の動作について説明する。補正データ学習部139は、印刷装置1の起動時に、CPU11の指令に従って、図9に示す学習処理を実行し、レジスタ部120が記憶する各基本補正量D[1]〜D[N]の値を更新する。尚、図9は、補正データ学習部139が実行する学習処理を表すフローチャートである。
学習処理を開始すると、補正データ学習部139は、まず、レジスタ部120が記憶する補正データを初期化する。即ち、各基本補正量D[1]〜D[N]を、全て、ゼロにリセットする(S310)。また、この処理を終えると、S320に移行し、キャリッジ41の移動経路終点を、目標停止位置に設定して、操作量演算部131に、キャリッジ41を始点から主走査方向へ終点まで移動させるように指令入力し、操作量演算部131に、上述した手法で操作量u及び補正量cを演算させ、補正後の操作量u’に対応したCRモータ43の駆動制御を実行させる。
また、上述の指令入力の後には、パラメータjを初期値1に設定し(S330)、学習位置Plを、第1主補正位置P[1]から主走査方向に距離α進んだ位置(P[1]+α)に、設定する(S340)。
尚、距離αは、値ゼロを含む正の実数値で、設計者により設計段階で任意に定められるものとする。具体的に、距離αは、操作量演算部131で求められた操作量u’に基づくCRモータ43の操作がCRモータ43の実速度に反映されるまでの遅延時間、に基づき、定められる。
S340での処理を終えると、補正データ学習部139は、S350に移行する。また、S350に移行すると、補正データ学習部139は、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置Pnの情報を取得し、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したか否かを判断する(S350)。そして、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達していないと判断すると(S350でNo)、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達するまで待機する。
一方、補正データ学習部139は、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したと判断すると(S350でYes)、S360に移行する。そして、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置の情報を取得して、キャリッジ41が学習位置Plに到達したか否かを判断する。そして、キャリッジ41が学習位置Plに到達していないと判断すると(S360でNo)、キャリッジ41が学習位置Plに到達するまで待機する。
また、キャリッジ41が学習位置Plに到達したと判断すると(S360でYes)、補正データ学習部139は、S370に移行し、速度演算部115からキャリッジ41の現在の移動速度Vnの情報を取得して、レジスタ部120が記憶する目標移動速度Vsと、キャリッジ41の現在の移動速度Vnとの誤差εを算出する。尚、本実施例においては、印刷装置1の起動時に、CPU11の動作によりレジスタ部120に対して目標移動速度Vsが設定されるものとする。
ε=Vn−Vs
また、このようにして、S370での処理を終えると、補正データ学習部139は、S380に移行し、学習位置Plを、第(j+1)主補正位置P[j+1]+αに設定する(Pl=P[j+1]+α)。
その後、補正データ学習部139は、S390に移行し、誤差εの絶対値|ε|が、予め設計段階で正の値として定められた閾値Thよりも大きい値であるか否か判断する(S390)。そして、|ε|が閾値Th以下であると判断すると(S390でNo)、S430に移行する。
一方、|ε|が閾値Thよりも大きい値であると判断すると(S390でYes)、誤差ε>0であるか否かを判断する(S400)。そして、誤差ε>0であると判断すると(S400でYes)、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[j]の値を1減算した値に更新する(S410)。一方、誤差ε<0であると判断すると(S400でNo)、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[j]の値を1加算した値に更新する(S420)。そして、S410又はS420での処理を終えると、S430に移行する。
また、S430に移行すると、補正データ学習部139は、S360でYesと判断した時点でキャリッジ41が最終学習地点(P[N]+α)に到達しているか否かを判断し、キャリッジ41が最終学習地点に到達していないと判断すると(S430でNo)、パラメータjを1加算した値に更新し(S435)、その後、S360に移行して、キャリッジ41が上記更新後の学習位置Plに到達するまで待機する。そして、キャリッジ41が上記更新後の学習位置Plに到達すると、再び、S370以降の処理を実行する。
このようにして、当該学習処理では、キャリッジ41の移動経路において予め設定されたN個の主補正位置P[1]〜P[N]を、キャリッジ41が通過する際に使用される基本補正量D[1]〜D[N]を、基本補正量D[i]が使用された時期に検出された誤差εに基づき、順次更新する。
一方、補正データ学習部139は、S430において、キャリッジ41が最終学習地点に到達していると判断すると(S430でYes)、キャリッジ41が始点から終点に移動するまでの間に、S320〜S430の処理により、補正データが更新されたか否かを判断する(S440)。即ち、学習位置で、|ε|が閾値Thを超えたかを判断する。
そして、補正データが更新されたと判断すると(S440でYes)、キャリッジ41を始点まで移動させた後(S450)、S320に移行し、再び、操作量演算部131に対して、キャリッジ41を始点から主走査方向へ終点まで移動させるように指令入力する。そして、キャリッジ41の移動に合わせて、誤差|ε|が閾値Thを超えたか否かを逐次判断し、誤差|ε|が閾値Thを超えた場合には、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]を、上述した手法で更新する処理を行う。
例えば、S320からS450までのプロセスの1巡目では、キャリッジ41の移動速度Vnが、図10(a)に示すように検出されたとする。尚、図10(a)は、1巡目のプロセスでのキャリッジ41の移動速度Vnの変動を、横軸をキャリッジ41の位置、縦軸を、キャリッジ41の移動速度として表現したグラフである。図10では、学習位置でのキャリッジ41の移動速度Vnを、黒丸で示す。
図10(a)の場合、第1学習位置(第1主補正位置+α)では、キャリッジ41の移動速度Vnと目標移動速度Vsとの誤差|ε|が閾値Th以下であるため、基本補正量D[1]を更新しないまま値ゼロで保持するが、第2学習位置(第2主補正位置+α)では、誤差εが閾値Thより正方向に大きいため、基本補正量D[2]を1減算した値−1に更新する。また、第5学習位置(第5主補正位置+α)では、誤差εが閾値−Thより負方向に大きいため、基本補正量D[5]を1加算した値1に更新する。このようにして、1巡目のプロセスでは、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]を、必要に応じて、初期値ゼロから更新する。
一方、2巡目のプロセスでは、当該更新後の基本補正量D[i]を用いて、操作量演算部131が操作量u’を算出し、これに基づいて、CRモータ43を駆動するため、キャリッジ41の移動速度の変動εが、1巡目よりも小さくなる。尚、図10(b)は、2巡目のプロセスでのキャリッジ41の移動速度Vnの変動を表したグラフである。図10(b)に示す点線は、1巡目のプロセスにおいて検出されたキャリッジ41の移動速度Vnを表す。
しかしながら、1回のプロセスで更新する基本補正量D[i]の当該更新量は、微小であるため、2巡目のプロセスでは、1巡目のプロセスで更新した基本補正量D[i]を更に更新する。
例えば、図10(b)に示す例では、2巡目のプロセスにおいても、第2学習位置(第2主補正位置+α)において、誤差εが閾値Thより正方向に大きくなっているため、基本補正量D[2]を1減算した値−2に更新する。また、第5学習位置(第5主補正位置+α)では、誤差εが閾値−Thより負方向に大きくなっているため、基本補正量D[5]を1加算した値2に更新する。このようにして、2巡目のプロセスでは、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]を、1巡目での更新後の値から、更に更新する。
本実施例では、このようにして、キャリッジ41の移動速度の変動量|ε|が、学習位置で、全て閾値Th以下となるまで、補正データの更新を繰り返すのである。尚、図10(c)は、3巡目のプロセスでのキャリッジ41の移動速度の変動を表したグラフである。
既に2回更新した更新後の基本補正量D[i]を用いる3巡目のプロセスでは、操作量演算部131が、既に2回更新した更新後の基本補正量D[i]を用いて、操作量u’を算出し、これに基づいて、CRモータ43を駆動するため、キャリッジ41の移動速度の変動εは、2巡目よりも更に小さくなる。従って、基本補正量D[i]の更新は、未だ、誤差|ε|が閾値Thよりも大きい学習位置においてのみ実行することになる。例えば、図10(c)に示す例では、第2学習位置(第2主補正位置+α)において、未だ、誤差εが閾値Thより正方向に大きいため、基本補正量D[2]を1減算した値−3に更新する。一方、第5学習位置(第5主補正位置+α)では、誤差|ε|が閾値Th以下であるため、基本補正量D[5]を更新せずに、値2で保持する。このようにして、3巡目のプロセスでは、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]を、更新する。
補正データ学習部139は、このような手法で、基本補正量D[i]の更新を繰返し実行し、キャリッジ41の移動速度の変動量|ε|が、学習位置で、全て閾値Th以下となると、これ以上の補正データの更新が当該学習処理で行われることはないので、S440でNoと判断し、当該学習処理を終了する。
以上が、本実施例の印刷装置1の基本動作である。この印刷装置1では、起動時に、レジスタ部120に対して、パラメータを初期設定し、CPU11からの指令入力により補正データ学習部139を動作させて、キャリッジ41をテスト走行させ、キャリッジ41の実移動速度Vnと目標移動速度Vsとの誤差εに基づき、フィードバック制御部133が決定する操作量uに対する補正量D[i]を求める。
そして、インタフェース19を介して、印刷指令及び印刷対象データ(画像データ)をPC3から受信した際には、CPU11からの指令入力により、印字制御部21及びモータ制御部31を起動し、キャリッジ41を主走査方向に移動させると共に、用紙Pを副走査方向に移動させ、これと同時に、記録ヘッド23にインクを吐出させることにより、用紙Pに印刷対象データに基づく画像を形成する。
また、この画像形成処理の実行時には、印刷装置1の起動時に求めた補正量D[i]を、トルクムラ補正部135で用いることにより、キャリッジ41の移動速度Vnをフィードフォワード制御して、移動速度Vnの目標移動速度Vsに対する変動を抑える。具体的に、本実施例の印刷装置1では、キャリッジ41の移動に合わせて、レジスタ部120が記憶する補正量D[i]を順次切り替えて用い、フィードバック制御部133が決定した操作量uを補正することにより、移動速度Vnの目標移動速度Vsに対する変動を抑える。
従って、本実施例によれば、フィードバック制御だけでは、キャリッジ41の移動速度Vnを目標移動速度Vsに維持することができない場合でも、補正量cにより、その移動速度Vnの変動を抑えることができる。従って、本実施例によれば、従来あったキャリッジ41の移動速度Vnの変動を原因とする画質の劣化を抑えることができる。
また、本実施例では、キャリッジ41の移動経路における特定地点を、主補正位置に設定して、その主補正位置をキャリッジ41が通過する際に施すべき補正量D[i]をレジスタ部120に記憶し、主補正位置以外の地点にキャリッジ41が存在する場合には、キャリッジ41の現在地点Pnを挟む当該現在地点Pnから最も近い二地点の主補正位置P[i−1],P[i]の補正量D[i−1],D[i]に基づき、線形補間により、現在位置Pnの補正量dを求めるようにした。従って、本実施例によれば、操作量uに補正を加える地点の補正量を全てレジスタ部120に記憶させる場合よりも、補正データのデータ量を抑えることができ、結果として、安価に装置を構成することができる。
また、本実施例では、補正量D[i]を整数値で記憶し、操作量uを補正する際には、補正量D[i]を補正係数kによりスケール変更して、操作量uに対応した補正量cを求めるようにした。従って、本実施例によれば、浮動小数の補正量cを直接記憶する場合よりも、補正データのデータ量を抑えることができる。
また、ヘッド搬送機構40では、キャリッジ41の移動速度Vnの変動が、キャリッジ41の位置に依存しやすいので、上述のようにして、操作量uを補正する本実施例の印刷装置1によれば、補正量D[i]に基づき、位置に依存した不規則な移動速度の変動を効果的に抑制することができる。
この他、本実施例では、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]を、起動時に更新し、全学習位置での誤差εが閾値Th以下となった時点で、基本補正量D[i]の更新を止めて、基本補正量D[i]を確定するようにした。また、基本補正量D[i]の更新を、誤差|ε|が閾値Thを超えた場合に限って行うようにした。従って、本実施例によれば、常時、基本補正量D[i]を更新する場合よりも、補正量更新に係る処理量を抑えることができ、効率的に、移動速度Vnの変動を抑えることができる。
また、本実施例では、キャリッジ41の移動速度Vnが目標移動速度Vsよりも高い場合には、対応する基本補正量D[i]を1減算した値に更新し、キャリッジ41の移動速度Vnが目標移動速度Vsよりも低い場合には、対応する基本補正量D[i]を1加算した値に更新し、このようなプロセスを複数回実行することにより、段階的に、基本補正量D[i]を更新するようにした。従って、本実施例によれば、安定的に誤差εが小さくなる方向に補正量D[i]を更新することができ、結果として、効率的に、適切な基本補正量D[i]を求めることができる。
尚、本発明のDCモータは、本実施例のCRモータ43に相当し、駆動対象は、キャリッジ41に相当し、駆動機構は、ヘッド搬送機構40に相当する。また、補正量記憶手段は、レジスタ部120に相当し、操作量決定手段は、フィードバック制御部133に相当する。
その他、補正手段は、トルクムラ補正部135及び加算器137にて実現されている。また、モータ駆動手段は、PWM生成部140及びCRモータ駆動回路51にて実現され、速度検出手段は、速度演算部115にて実現され、誤差検出手段及び補正量更新手段は、補正データ学習部139が実行する学習処理にて実現されている。
また、上記実施例では、キャリッジ41が移動する経路において主補正位置P[i]を複数設定し、この主補正位置P[i]に対応する学習位置で検出された誤差εに基づき、キャリッジ41の移動速度Vnの変動が小さくなる方向に、主補正位置P[i]での補正量D[i]を更新するようにしたが、これとは別に、印刷装置1は、次のように構成されてもよい。
即ち、印刷装置1は、CRモータ43の駆動によりキャリッジ41が始点から終点まで移動する期間内において予め定められた時刻T[i]毎に、その時点で、操作量uに対して施すべき補正量D[i]を記憶し、時刻T[i]においては、補正量D[i]に基づき、操作量uを、操作量u’=u+k・D[i]に補正する構成にされてもよい(変形例)。
[変形例]
続いて、変形例の印刷装置1について説明する。変形例の印刷装置1は、基本的に、トルクムラ補正部135が実行する補正処理の内容、及び、補正データ学習部139が実行する学習処理の内容が、上記実施例と異なる程度であるので、以下では、変形例の説明として、図11及び図12を用いて、トルクムラ補正部135が実行する補正処理の内容、及び、補正データ学習部139が実行する学習処理の内容についてを選択的に説明する。尚、図11は、変形例においてトルクムラ補正部135が実行する補正処理を表すフローチャートであり、図12は、変形例において補正データ学習部139が実行する学習処理を表すフローチャートである。
トルクムラ補正部135は、図11に示す補正処理を開始すると、まずS510にて、補正量c=0に設定し、S520にて、パラメータi=1に設定し、更に、S530にて、基準時刻T1を、第1主補正時刻T[1]に設定する(S530)。
変形例においては、定速走行領域開始地点P0をキャリッジ41が通過した時刻を、t=0として、キャリッジ41が始点から終点(目標停止位置の最大値)まで移動する期間内で、N個の補正時刻を等間隔に定めている。具体的には、時間間隔をΔt=(L/Vs)/(N+1)で定めて、定速走行領域の開始地点P0の通過時刻t=0から時間(i・Δt)経過した時刻を、第i主補正時刻T[i]と定めている。即ち、T[i]は、i=1,2,…,Nの範囲で、値T[i]=i・Δtを採る。尚、Lは、定速走行領域の開始地点P0から、キャリッジ41の移動経路終点より所定距離手前の定速走行領域の終了地点Peまでの距離であり、Vsは、レジスタ部120に設定された目標移動速度である。
S530において、トルクムラ補正部135は、このようにして予め定められた第1〜第N主補正時刻の内、第1主補正時刻T[1]を、基準時刻T1に設定するのである。
また、このようにしてS530での処理を終えると、トルクムラ補正部135は、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置Pnの情報を取得し、この情報に基づいて、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したか否かを判断する(S540)。そして、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達していないと判断すると(S540でNo)、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達するまで待機する。
一方、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したと判断すると(S540でYes)、トルクムラ補正部135は、S545に移行し、この時点を、時刻t=0として、経過時間tの計測を開始する。
また、経過時間tの計測を開始した後には、この計測結果に基づき、定速走行領域開始地点P0の通過時を時刻t=0とした現在の時刻tが、基準時刻T1であるか否かを判断する(S550)。
そして、現在時刻tが基準時刻T1ではないと判断すると(S550でNo)、現在時刻tに基づき、基本補正量dを、次式に従って算出する(S560)。
d=D[1]/T1・t
また、S560で算出した基本補正量d、及び、レジスタ部120が記憶する補正係数kに基づき、補正量cを、次のように設定する(S565)。
c=k・d
尚、当該変形例では、第1主補正時刻T[1]において補正量をc=k・D[1]に設定する。従って、S560〜S565では、線形補間によって、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[1]から、現在時刻tに対応した基本補正量dを求めて、この基本補正量dに対応した補正量cを設定することとなる。
また、このようにしてS565での処理を終えると、トルクムラ補正部135は、S550に移行し、基準時刻T1が到来するまで、繰返し、上述したように、補正量cを設定する。
一方、基準時刻T1が到来した場合には、S550でYesと判断し、補正量cを、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]及び補正係数kに基づき、次のように設定する(S570)。
c=k・D[i]
また、この処理を終えると、トルクムラ補正部135は、基準時刻T2を、現在設定されている基準時刻T1に設定すると共に(S580)、パラメータiを1加算して(S590)、加算後のパラメータiの値に基づき、基準時刻T1を、第i主補正時刻T[i]に設定し(S600)、その後、S610に移行する。但し、i>Nのときには、基準時刻T1を、T1=T[N]+Δtに設定すると共に、D[N+1]=0に設定して、後述する処理を実行する。
また、S610に移行すると、トルクムラ補正部135は、現在時刻tが、基準時刻T1であるか否かを判断し、現在時刻tが基準時刻T1ではないと判断すると(S610でNo)、現在時刻tに基づき、基本補正量dを、次式に従って算出する(S620)。
d=a・(t−T2)+D[i−1]
a=(D[i]−D[i−1])/(T1−T2)
また、S620で算出した基本補正量d、及び、レジスタ部120が記憶する補正係数kに基づき、補正量cを、次のように設定する(S625)。
c=k・d
尚、変形例では、第i主補正時刻T[i]において、補正量cを、c=k・D[i]に設定する。従って、S620〜S625では、線形補間によって、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i],D[i−1]から、現在時刻tに対応した基本補正量dを求め、この基本補正量dに対応した補正量cを設定することになる。
また、このようにしてS625での処理を終えると、トルクムラ補正部135は、S630に移行し、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点(目標停止位置より所定距離手前の地点)に到達したか否かを判断する。そして、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したと判断すると(S630でYes)、補正量cを、ゼロに設定して(S660)、当該補正処理を終了する。尚、目標停止位置が、位置Peに設定されている場合には、時刻t=T[N]+Δtとなった時点で、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したとして、S660に移行する。
一方、S630において、キャリッジ41が定速走行領域の終点地点に到達していないと判断すると(S630でNo)、トルクムラ補正部135は、S610に移行して、基準時刻T1が到来するか、キャリッジ41が定速走行領域の終点地点に到達するまで、S610〜S630の処理を繰返し実行する。
また、基準時刻T1が到来して、S610でYesと判断すると、トルクムラ補正部135は、S640に移行して、補正量cを、c=k・D[i]に設定する。その後、S650に移行する。
また、S650に移行すると、トルクムラ補正部135は、S630での処理と同様、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点(目標停止位置より所定距離手前の地点)に到達したか否かを判断し、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達していないと判断すると(S650でNo)、S580に移行して、基準時刻T2、パラメータi、基準時刻T1の値を順に更新し(S580〜S600)、その後、更新した値を用いて、S610以降の処理を実行する。
一方、キャリッジ41が定速走行領域の終了地点に到達したと判断すると(S650でYes)、S660に移行し、補正量cをゼロに設定して、当該補正処理を終了する。
このようにして、トルクムラ補正部135では、キャリッジ41の主走査方向への移動に合わせて、基本補正量D[i]を順次切り替えて用い、補正量cを設定する。変形例では、このような動作により、キャリッジ41の移動速度Vnの変動を抑える。
続いて、変形例における補正データ学習部139の動作について説明する。補正データ学習部139は、印刷装置1の起動時に、CPU11の指令に従って、図12に示す学習処理を実行し、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[1]〜D[N]の値を更新する。
学習処理を開始すると、補正データ学習部139は、まず、レジスタ部120が記憶する補正データを初期化する。即ち、各基本補正量D[1]〜D[N]を、全て、ゼロにリセットする(S710)。また、この処理を終えると、S720に移行し、操作量演算部131に、キャリッジ41を始点から主走査方向へ終点まで移動させるように指令入力し、操作量演算部131に、上述した手法で操作量u及び補正量cを演算させ、補正後の操作量u’に対応したCRモータ43の駆動制御を実行させる。
また、この処理を終えると、補正データ学習部139は、パラメータj=1に設定し(S730)、学習時刻Tlを、第1主補正時刻T[1]から所定時間β進んだ時間(T[1]+β)に、設定する(S740)。但し、時間βは、値ゼロを含む正の実数値で、設計者により設計段階で任意に定められるものとする。具体的に、時間βは、操作量演算部131で求められた操作量u’に基づくCRモータ43の操作が、CRモータ43の実速度Vnに反映されるまでの遅延時間に基づき、定められる。
このようにして、S740での処理を終えると、補正データ学習部139は、S750に移行し、位置カウント部113からキャリッジ41の現在位置Pnの情報を取得して、この情報に基づき、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したか否かを判断し(S750)、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達していない場合には(S750でNo)、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達するまで待機する。
一方、補正データ学習部139は、キャリッジ41が定速走行領域開始地点P0に到達したと判断すると(S750でYes)、現在時刻をt=0として、経過時間tの計測を開始する(S755)。また、この処理を終えると、補正データ学習部139は、S760に移行し、現在時刻tが、学習時刻Tlであるか否かを判断する。
そして、現在時刻tが学習時刻Tlではないと判断すると(S760でNo)、学習時刻Tlが到来するまで待機する。一方、現在時刻tが学習時刻Tlであると判断すると(S760でYes)、S770に移行し、速度演算部115からキャリッジ41の移動速度Vnの情報を取得して、レジスタ部120が記憶する目標移動速度Vsと、キャリッジ41の現在の移動速度Vnとの誤差εを算出する。尚、変形例においては、印刷装置1の起動時に、CPU11によりレジスタ部120に対して目標移動速度Vsが設定されるものとする。
ε=Vn−Vs
また、このようにして、S770での処理を終えると、補正データ学習部139は、S780にて、学習時刻Tlを、現在設定されているパラメータjの値に基づき、第(j+1)主補正時刻T[j+1]+βに設定し(Tl=T[j+1]+β)、その後、誤差εの絶対値|ε|が、閾値Thよりも大きいか否か判断する(S790)。そして、|ε|が閾値Th以下であると判断すると(S790でNo)、S830に移行する。
一方、補正データ学習部139は、|ε|が閾値Thよりも大きいと判断すると(S790でYes)、誤差がε>0であるか否かを判断する(S800)。そして、誤差ε>0であると判断すると(S800でYes)、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[j]を1減算した値に更新し(S810)、誤差ε<0であると判断すると(S800でNo)、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[j]を1加算した値に更新する(S820)。
そして、S810又はS820での処理を終えると、補正データ学習部139は、S830に移行し、S760でYesと判断した時点で最終学習時刻(T[N]+β)が到来した状態にあるか否かを判断し、最終学習時刻(T[N]+β)が到来した状態にないと判断すると(S830でNo)、パラメータjを1加算した値に更新した後(S835)、S760に移行し、上記更新後の学習時刻Tlが到来するまで待機する。そして、上記更新後の学習時刻Tlが到来すると、再び、S770以降の処理を実行する。このようにして、当該学習処理では、誤差εに基づき、主補正時刻T[1]〜T[N]において用いる基本補正量D[1]〜D[N]の値を、順次更新する。
一方、補正データ学習部139は、S830において、最終学習時刻(T[N]+β)が到来した状態にあると判断すると(S830でYes)、キャリッジ41が始点から終点に移動するまでの間に、S720〜S830の処理により、補正データが更新されたか否かを判断する(S840)。即ち、学習時刻で、誤差|ε|が閾値Thを超えたときがあったか否かを判断する。
そして、補正データが更新されたと判断すると(S840)、キャリッジ41を始点まで移動させた後(S850)、S720に移行し、操作量演算部131に対して、再度、キャリッジ41を始点から主走査方向へ終点まで移動させるように指令入力する。そして、学習時刻Tlが到来する度に、誤差|ε|が閾値Thを超えたか否かを判断し、誤差|ε|が閾値Thを超えた場合には、レジスタ部120が記憶する基本補正量D[i]を、上述した手法で更新する処理を行う。
変形例では、このようにして、キャリッジ41の移動速度の変動量|ε|が、学習時刻で、全て閾値Th以下となるまで、補正データの更新を繰り返す。そして、キャリッジ41の移動速度の変動量|ε|が、学習時刻で、全て閾値Th以下となると、S840でNoと判断して、当該学習処理を終了する。
以上が、変形例の印刷装置1の基本的な動作である。上述したように、ヘッド搬送機構40では、目標移動速度Vsに対するキャリッジ41の移動速度Vnの変動パターンが、キャリッジ41の位置に依存しやすいが、キャリッジ41の移動速度Vnの変動量が小さい場合には、時刻によって概ねキャリッジ41の位置を推定することができる。従って、時刻により、補正するタイミングを決定しても、地点により補正するタイミングを決定する上記実施例と同様に、位置に依存した不規則な移動速度Vnの変動を効果的に抑制することができる。従って、変形例によっても、キャリッジ41の移動速度Vnの変動を効果的に抑えることができ、移動速度Vnの変動に起因する画質の劣化を、効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施例について述べたが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例では、画像形成処理の実行時に、補正データ学習部139を動作させないように、印刷装置1を構成したが、補正データ学習部139は、印刷装置1の起動時に加えて画像形成処理の実行時に動作させても良く、常時、補正量D[i]を更新するように、印刷装置1を構成しても構わない。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、モータを用いて、駆動対象を駆動する種々の装置に適用することができる。
印刷装置1の構成を表すブロック図である。 ヘッド搬送機構40の構成を表す斜視図である。 CRモータ制御部31aの詳細構成を表すブロック図である。 制御部130の詳細構成を表すブロック図である。 レジスタ部120が記憶する補正データの構成を表す説明図である。 トルクムラ補正部135が実行する補正処理を表すフローチャートである。 主補正位置P[1]〜P[N]を示した説明図である。 基本補正量dの設定方法を示した説明図である。 補正データ学習部139が実行する学習処理を表すフローチャートである。 補正データの更新方法を示した説明図である。 トルクムラ補正部135が実行する変形例の補正処理を表すフローチャートである。 補正データ学習部139が実行する変形例の学習処理を表すフローチャートである。
1…印刷装置、11…CPU、13…ROM、15…RAM、19…インタフェース、21…印字制御部、23…記録ヘッド、25…ヘッド駆動回路、31…モータ制御部、31a…CRモータ制御部、40…ヘッド搬送機構、41…キャリッジ、42…ガイド軸、43…CRモータ、44…無端ベルト、45…プーリー、47…タイミングスリット、48…センサ素子、51…CRモータ駆動回路、53…CRエンコーダ、110…計測部、111…エッジ検出部、113…位置カウント部、115…速度演算部、120…レジスタ部、130…制御部、131…操作量演算部、133…フィードバック制御部、135…トルクムラ補正部、137…加算器、139…補正データ学習部、140…PWM生成部

Claims (9)

  1. DCモータの回転力を、駆動対象に作用させて、前記駆動対象を所定方向に直線移動させる駆動機構
    が有する前記DCモータを駆動するためのモータ駆動装置であって、
    予め設定された目標速度に基づき、前記DCモータに対する操作量を決定する操作量決定手段と、
    前記操作量決定手段により決定された操作量に対して施すべき補正量を記憶する補正量記憶手段と、
    前記補正量記憶手段の記憶内容に従って、前記操作量決定手段により決定された操作量を補正する補正手段と、
    前記補正手段による補正後の操作量に対応した操作を、前記DCモータに加えて、前記DCモータを駆動するモータ駆動手段と、
    前記駆動対象の移動速度を検出する速度検出手段と、
    前記速度検出手段により検出された移動速度と、前記目標速度と、の誤差を検出する誤差検出手段と、
    前記誤差検出手段により検出された誤差に基づき、前記駆動対象が前記目標速度で移動するように、前記補正量記憶手段が記憶する補正量を更新する補正量更新手段と、
    を備え、
    前記補正量記憶手段は、前記DCモータの駆動により前記駆動対象が直線移動する経路内における予め定められた複数の地点の各地点毎に、その地点に前記駆動対象が移動した際に施すべき補正量を記憶し、
    前記補正手段は、前記駆動対象の移動に合わせて、前記補正量記憶手段が記憶する各補正量に対応する地点に、前記駆動対象が移動する度、前記補正量記憶手段が記憶する当該地点の補正量に基づき、前記操作量決定手段により決定された操作量を補正する構成にされていることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記補正手段は、前記補正量記憶手段が記憶する各補正量に対応する地点以外の地点に、前記駆動対象が位置する場合、前記補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、前記駆動対象の現在地点を挟む当該現在地点から最も近い二地点の補正量に基づき、前記駆動対象の現在地点に対応する補正量を算出し、当該算出した補正量に基づき、前記操作量決定手段により決定された操作量を、補正する構成にされていることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記補正量記憶手段は、前記各補正量を整数値で記憶し、
    前記補正手段は、前記補正量記憶手段が記憶する整数値で表される前記補正量を、前記操作量に対応したスケールの値に変換し、変換後の補正量を、前記操作量決定手段により決定された操作量に加算することにより、前記操作量決定手段により決定された操作量を補正する構成にされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記補正量更新手段は、前記補正量記憶手段が記憶する補正量の夫々を、その補正量を用いて求めた補正後の操作量に基づき前記DCモータを駆動した時期に前記誤差検出手段により検出された誤差に基づいて、更新する構成にされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  5. 前記補正量更新手段は、前記誤差検出手段により検出された誤差が、予め定められた許容範囲から外れると、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、更新する構成にされていることを特徴とする請求項4記載のモータ駆動装置。
  6. 前記補正量更新手段は、前記誤差検出手段により検出された誤差が前記許容範囲から外れた場合であって、前記速度検出手段により検出された前記駆動対象の移動速度が前記目標速度よりも高い場合には、前記補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、所定量減算した値に更新し、前記誤差検出手段により検出された誤差が前記許容範囲から外れた場合であって、前記速度検出手段により検出された前記駆動対象の移動速度が目標速度よりも低い場合には、前記補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、所定量加算した値に更新する構成にされていることを特徴とする請求項5記載のモータ駆動装置。
  7. 前記補正量更新手段は、前記補正量記憶手段が記憶する補正量の夫々を、その補正量を用いて求めた補正後の操作量に基づき前記DCモータを駆動した時期に前記誤差検出手段により検出された誤差が、予め定められた許容範囲から外れた場合に限って、更新する構成にされ、前記速度検出手段により検出された前記駆動対象の移動速度が前記目標速度よりも高い場合には、前記補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、1減算した値に更新し、前記速度検出手段により検出された前記駆動対象の移動速度が目標速度よりも低い場合には、前記補正量記憶手段が記憶する複数の補正量の内、当該誤差が検出された時期に用いられた補正量を、1加算した値に更新することを特徴とする請求項3記載のモータ駆動装置。
  8. 前記操作量決定手段は、前記速度検出手段により検出された前記駆動対象の移動速度に基づき、逐次、前記駆動対象の移動速度が前記目標速度に一致するように、前記DCモータに対する操作量を決定して、フィードバック制御方式により、駆動対象の速度制御を実現する構成にされていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のモータ駆動装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のモータ駆動装置を備えると共に、
    DCモータの回転力を、インク液滴をノズルから吐出する記録ヘッドを搭載した前記駆動対象であるキャリッジに作用させて、前記キャリッジを前記所定方向である主走査方向に直線移動させる搬送機構、を前記駆動機構として備え、
    前記モータ駆動装置は、前記キャリッジが主走査方向に目標速度に応じた一定の速度で直線移動するように、前記搬送機構が有するDCモータを駆動する構成にされていることを特徴とする画像形成装置。
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