JP4541019B2 - 艶消し塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン素材の塗装に好適に用いられる艶消し塗料組成物に関する。
インストルメンツパネル、エアバックカバー、ダッシュボード等の自動車内装材には、ポリプロピレン系樹脂(以下、PP樹脂と記す)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、TPO樹脂と記す)等のポリオレフィン素材が用いられている。
そして、これら自動車内装材には、運転者の視認性を確保することが要求されるため低光沢化が必須であり、自動車内装材用の艶消し塗料を用いて艶消し処理が施されている。
自動車内装材用の艶消し塗料には、まず、難塗装性のポリオレフィン素材に対する付着性が求められる。そのため、ポリオレフィン素材用の艶消し塗料としては、ポリオレフィン素材に対するに対する付着性を有するアクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂をバインダー樹脂とし、これに無機系体質顔料(シリカ、タルク等)、アクリル樹脂粒子などの艶消し剤を配合したものが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、無機系体質顔料やアクリル樹脂粒子が配合された艶消し塗料から得られる塗膜は、無機系体質顔料やアクリル樹脂粒子によって硬質化しているため、指で触れた際に爪などによって塗膜表面に偏在する無機系体質顔料やアクリル樹脂粒子が削り取られた欠損部分が、凹んで傷となるばかりか、艶消し剤がなくなることで欠損部分の光沢が上昇し、結果として表面の白化が発生したり、光傷が残ったりすると言う問題があった。
また、塗膜を爪などで擦った際には、無機系体質顔料やアクリル樹脂粒子が削り取られなくても、塗膜自体が凹んで傷に成りやすい。しかしながら、塗膜に復元性がないため、擦った部分は凹んだままであり、結果、傷として残ってしまう。
特開平7−76646号公報
よって、本発明の目的は、ポリオレフィン素材に対する付着性に優れ、得られる塗膜が耐傷付き性に優れる艶消し塗料を提供することにある。
すなわち、本発明の艶消し塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)、ウレタン樹脂(b)および相溶化剤(c)を含むバインダー樹脂と、ウレタン樹脂粒子(d)と、有機溶剤とを含有し、前記ウレタン樹脂(b)が、前記有機溶剤に可溶であり、前記相溶化剤(c)が、ガラス転移温度が80〜100℃であり、枝に親水基モノマーからなるポリマー、幹に疎水基モノマーからなるポリマーを有する櫛形ポリマーであり、前記ウレタン樹脂粒子(d)が、前記有機溶剤に不溶であり、前記ウレタン樹脂粒子(d)の平均粒子径が、6〜12μmであり、前記ウレタン樹脂粒子(d)の硬度が、圧縮試験によって粒子の径が10%変形する時の荷重により求められる平均10%強度で0.25〜1.50kgf/mm2 であり、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計と、ウレタン樹脂(b)との比率が、アクリル樹脂(a1)、相溶化剤(c)およびウレタン樹脂(b)の合計(100質量%)中、アクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計50〜65質量%、ウレタン樹脂(b)35〜50質量%であり、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中の塩素化ポリプロピレン(a2)の量が、バインダー樹脂(100質量%)中、10〜25質量%であり、ウレタン樹脂粒子(d)の量が、バインダー樹脂100質量部に対して、25〜40質量部であることを特徴とするものである。
ここで、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)のガラス転移温度は、60〜100℃であることが望ましい
本発明の艶消し塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)、ウレタン樹脂(b)および相溶化剤(c)を含むバインダー樹脂と、ウレタン樹脂粒子(d)とを含有し、前記ウレタン樹脂粒子(d)の硬度が、圧縮試験によって粒子の径が10%変形する時の荷重により求められる平均10%強度が0.25〜1.5kgf/mm2 であり、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計と、ウレタン樹脂(b)との比率が、アクリル樹脂(a1)、相溶化剤(c)およびウレタン樹脂(b)の合計(100質量%)中、アクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計50〜65質量%、ウレタン樹脂(b)35〜50質量%であり、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中の塩素化ポリプロピレン(a2)の量が、バインダー樹脂(100質量%)中、10〜25質量%であり、ウレタン樹脂粒子(d)の量が、バインダー樹脂100質量部に対して、25〜40質量部であるものであるので、ポリオレフィン素材に対する付着性に優れ、得られる塗膜は耐傷つき性に優れる。
また、前記ウレタン樹脂粒子(d)の平均粒径が、6〜12μmであれば、得られる塗膜の耐傷つき性は、さらに向上し、塗装外観も良好となる。
また、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル成分(a1)のガラス転移温度が、60〜100℃であれば、得られる塗膜の耐油脂汚染性が向上する。
また、相溶化剤(c)が、ガラス転移温度が80〜100℃であり、枝に親水基モノマーからなるポリマー、幹に疎水基モノマーからなるポリマーを有する櫛形ポリマーであれば、塗料の安定性が向上しかつ、耐油脂汚染性が向上する。
以下、本発明について説明する。
<アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)>
本発明におけるアクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)は、塩素化ポリプロピレンにアクリル系単量体をグラフト重合させて得られる、グラフト共重合体である。なお、このようにして得られるアクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中には、グラフト共重合体を形成していない未変性の塩素化ポリプロピレン、および塩素化ポリプロピレンに結合していないアクリル樹脂も存在するが、本発明においては、グラフト共重合体を形成していない塩素化ポリプロピレンおよびアクリル樹脂も、それぞれ塩素化ポリプロピレン(a2)およびアクリル樹脂(a1)に含め、これらをまとめてアクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)とする。
アクリル樹脂(a1)を形成するアクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルコキシアルキルエステル;アリルアクリレート、アリルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルケニルエステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシエチルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルケニルオキシアルキルエステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
また、これらはアクリル系単量体とともに、他のビニル系単量体を併用しても構わない。他のビニル系単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のオレフィン系化合物;酢酸ビニル、アリルアルコール、マレイン酸などが挙げられる。
アクリル樹脂(a1)のガラス転移温度(Tg)は、60〜100℃であることが好ましい。Tgが60℃未満では、得られる塗膜の耐油脂汚染性が低下する恐れがあり、Tgが100℃を越えると、得られる塗膜が硬くなり、耐傷つき性が低下する恐れがある。ここで、アクリル樹脂(a1)のガラス転移温度(Tg)は、単量体a,b,c・・・からなる共重合体の場合は、以下の式で求められる。
1/Tg=ma/Tga+mb/Tgb+mc/Tgc+・・・
a :単量体aの質量分率、Tga :単量体aから得られる単独重合体のTg[K]、
b :単量体bの質量分率、Tgb :単量体bから得られる単独重合体のTg[K]、
c :単量体cの質量分率、Tgc :単量体cから得られる単独重合体のTg[K]。
塩素化ポリプロピレン(a2)は、塩素により変性が施されたポリプロピレンであり、塩素含有率は通常、20〜40質量%である。
アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)は、塩素化ポリプロピレン、アクリル系単量体および重合開始剤と、必要に応じて有機溶剤との混合物を加熱し、塩素化ポリプロピレンにアクリル系単量体をグラフト重合させて得ることができる。
重合開始剤としては、通常の有機溶剤中で行われるラジカル重合に用いられるものを使用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物:アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)は、例えば、スーパークロン240H、スーパークロン223M(日本製紙(株)製)、ハードレンB13(東洋化成(株)製)など、市販品として入手可能である。
<ウレタン樹脂(b)>
本発明におけるウレタン樹脂(b)は、バインダー樹脂として用いられるものであって、後述のウレタン樹脂粒子(d)とは異なり、有機溶剤に可溶なものである。
ウレタン樹脂(b)は、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させることによって得ることができる。
ポリオール化合物としては、破断伸度および破断強度が高いウレタン樹脂を得ることができることから、ポリエステル系ポリオール化合物、ポリエーテル系ポリオール化合物、ポリカーボネート系ポリオール化合物が好適に用いられる。
ポリエステル系ポリオール化合物としては、ポリカルボン酸と多価アルコールとのエステル反応で得られるものが挙げられる。ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、メタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併せて用いることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、N−アルキルジエタノールアミン、これらの多量体(2量体、3量体等)などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上併せて用いることができる。
ポリエーテル系ポリオール化合物としては、上記多価アルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合させることによって得られるものが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ−1,4−シクロヘキサンメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
また、これらポリオール化合物は単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ダイマー酸ジイソシアネート等の有機ジイソイアネート、これらの化合物と多価アルコールとの反応生成物が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
ウレタン樹脂(b)の破断強度は、得られる塗膜の耐傷つき性の点から、6MPa以上であることが好ましい。また、ウレタン樹脂(b)の破断伸度は、得られる塗膜の柔軟性の点から800%以上であることが好ましい。ここで、破断強度および破断伸度は、ウレタン樹脂単独から得られる膜厚100μm程度のフィルムを、引っ張り試験機により50mm/minの速度で破断するまで引っ張り続けたときの物性値である。
ポリオールがポリエステル系であるウレタン樹脂(b)は、例えば、KL494またはKL540B(荒川化学(株)製)、デスモラック4340(住友バイエル(株)製)などの市販品として入手可能である。
ポリオールがポリエーテル系であるウレタン樹脂(b)は、例えば、KL422(荒川化学(株)製)などの市販品として入手可能である。
ポリオールがポリカーボネート系であるウレタン樹脂(b)は、例えば、PU5715(荒川化学(株)製)などの市販品として入手可能である。
<相溶化剤(c)>
相溶化剤(c)は、枝に親水基モノマーからなるポリマー、幹に疎水基モノマーからなるポリマーを有するアクリル系の櫛形ポリマーであり、塗膜中において海島構造を構成し、塗料の安定性を向上させる。ここで、親水基モノマーは、上述のアクリル系単量体、ビニル系樹脂のうち、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸などの親水性を有する単量体を主成分とするものであり、疎水基モノマーは、上述のアクリル系単量体、ビニル系単量体のうち、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、スチレンなど疎水性を有する単量体を主成分とするものである。
また、相溶化剤(c)は、ガラス転移温度が80〜100℃であることが好ましい。相溶化剤(c)のガラス転移温度が80℃未満では、塗膜の耐油脂汚染性が低下する恐れがあり、100℃を超えると、得られる塗膜の破断伸度が低下する恐れがある。
相溶化剤(c)としては、例えば、レゼダGC360、レゼダGP310S(東亞合成(株)製)などが挙げられる。
<ウレタン樹脂粒子(d)>
ウレタン樹脂粒子(d)は、ウレタン樹脂を架橋したビーズ状のものであって、上述のウレタン樹脂(b)に比べ分子量が高く、有機溶剤に不溶のものである。
ウレタン樹脂粒子(d)の平均粒径は、6〜12μmであることが好ましい。平均粒径が6μm未満では、ウレタン樹脂粒子(d)が塗膜の中に沈み込み、艶消しの効果が低くなる恐れがあり、平均粒径が12μmを超えると、塗膜にざらつきが生じ、また、摩耗接点が大きくなることから、擦れなどによって塗膜から削り取られやすくなる。
ウレタン樹脂粒子(d)の硬度は、圧縮試験によって粒子の径が10%変形する時の加重により求められる10%平均強度で、0.25〜1.50kgf/mm2 であることが好ましい。10%平均強度が0.25kgf/mm2 未満では、弾性不足して擦れなどによってつぶれやすくなり、その部分の塗膜の光沢が上昇する恐れがあり、10%平均強度が1.50kgf/mm2 を超えると、塗膜が硬質化し、ウレタン樹脂粒子(d)が削り取られやすくなる。ここで、10%平均強度は、(株)島津製作所製、微小圧縮試験機MCTM−500を用いた微粒子の圧縮試験によって測定される、粒子の径が10%変形する時の加重から求められる数値であり、5回の測定の平均値で示される。
市販の架橋ウレタン樹脂粒子には、超軟質、軟質、硬質、軟質と硬質との中間(中硬度)のものがあり、10%平均強度が0.25〜1.50kgf/mm2 であるウレタン樹脂粒子としては、中硬度のものがおおよそ該当する。このようなウレタン樹脂粒子(d)としては、例えば、アートパールCT630T、アートパールU600T(根上工業(株)製)、バーノックCFB−101−40(大日本インキ化学工業(株)製)などの市販品が例示できる。
<艶消し塗料組成物>
本発明の艶消し塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)、ウレタン樹脂(b)および相溶化剤(c)を含むバインダー樹脂と、ウレタン樹脂粒子(d)とを含有するものである。
アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計と、ウレタン樹脂(b)との比率が、アクリル樹脂(a1)、相溶化剤(c)およびウレタン樹脂(b)の合計(100質量%)中、アクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計50〜65質量%、ウレタン樹脂(b)35〜50質量%である。アクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計が50%質量未満では(ウレタン樹脂(b)が50質量%を超えると)、得られる塗膜の耐油脂汚染性が低下し、アクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計が65質量%を超えると(ウレタン樹脂(b)が35質量%未満では)、得られる塗膜の破断強度、破断伸度が不十分となり、耐傷つき性が低下する。
アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中の塩素化ポリプロピレン(a2)の量は、バインダー樹脂(100質量%)中、10〜25質量%である。塩素化ポリプロピレン(a2)の量が10質量%未満では、ポリオレフィン素材への付着性が不十分となり、塩素化ポリプロピレン(a2)の量が25質量%を超えると、得られる塗膜の耐油脂汚染性が低下する。
ウレタン樹脂粒子(d)の量は、バインダー樹脂の合計100質量部に対して、25〜40質量部である。ウレタン樹脂粒子(d)の量が25質量部未満では、艶消し効果が不十分となり目的の艶に達せず、ウレタン樹脂粒子(d)の量が40質量部を超えると、バインダー樹脂との馴染みが低下し、塗膜の強度が低下する恐れがある。
相溶化剤(c)の量は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)とウレタン樹脂(b)と相溶化剤(c)との合計(100質量%)中、20〜40質量%であることが好ましい。
また、本発明の艶消し塗料組成物には、必要に応じて、塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料等を加えても良い。
本発明の艶消し塗料組成物は、所望の固形分濃度と成るように有機溶剤と混合して有機溶剤系塗料として用いられる。有機溶剤としては、通常の有機溶剤系塗料に用いられる、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;トルエン、キシレン、ナフサ等の炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<作用>
以上、説明した本発明の艶消し塗料組成物にあっては、以下の理由から得られる塗膜の耐傷つき性が優れている。
本発明の艶消し塗料組成物から得られる塗膜においては、図1に示すように塗膜1表面にウレタン樹脂粒子(d)2が偏在している。ここで、塗膜1は、バインダー樹脂として破断強度の高いウレタン樹脂(b)を含んでいるため、弾性を有している。よって、図2に示すように、擦れなどによって塗膜1に力が加わっても、その力が塗膜1およびウレタン樹脂粒子(d)2の弾性により吸収され、ウレタン樹脂粒子(d)2が削り取られにくく、また、塗膜1に傷が付きにくい。
また、ウレタン樹脂(b)とウレタン樹脂粒子(d)とは、同種の樹脂であり、親和力が高いため、塗膜とウレタン樹脂粒子(d)とは強く密着している。そして、ウレタン樹脂(b)は破断伸度が高いので、得られる塗膜は伸びやすい。よって、擦れなどによってウレタン樹脂粒子に横方向の力が加わっても、ウレタン樹脂粒子(d)と強く密着した塗膜が、ウレタン樹脂粒子(d)の動きに追随するように伸び、ウレタン樹脂粒子(d)が削り取られにくくなっている。
さらに、ウレタン樹脂(b)およびウレタン樹脂粒子(d)は、破断強度が高く、弾性を有しているので、図2に示すように、擦れなどによって加わる力によって塗膜1およびウレタン樹脂粒子(d)2が凹み、その部分が傷となっても、図3に示すように、弾性による復元力によってこれらの凹みが消え、傷が残りにくくなる。結果として、傷の付きにくい塗膜となる。
また、本発明の艶消し塗料組成物にあっては、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)を含んでいるので、ポリオレフィン素材への付着性に優れている。また、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)と相溶化剤(c)によって、アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)とウレタン樹脂(b)との相溶性が高くなっているので、ウレタン樹脂(b)の持つ高い破断強度および破断伸度を得られる塗膜に十分に反映させることができ、塗膜の耐傷つき性を十分に発揮させることが出来る。
以下、実施例を示して本発明を詳しく説明する。
本実施例で用いた各成分は以下の通りである。
(アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a))
スーパークロン240H(日本製紙(株)製、塩素含有率4.4質量%、固形分30質量%、質量平均分子量7〜9万、アクリル樹脂(a1)含有量80質量%、塩素化ポリプロピレン(a2)含有量20質量%、アクリル樹脂(a1)のTg100℃)。
ハードレンB13(東洋化成(株)製、塩素含有量16質量%、固形分30質量%、質量平均分子量7〜9万、アクリル樹脂(a1)含有量40質量%、塩素化ポリプロピレン(a2)含有量60質量%、アクリル樹脂(a1)のTg60℃)。
(ウレタン樹脂(b))
KL494(荒川化学(株)製、ポリオールがポリエステル系、破断強度14.7MPa、破断伸度800%、固形分30質量%、質量平均分子量3万、Tg−10℃)。
(相溶化剤(c))
レゼダGC360(東亞合成(株)製、アクリル系の櫛形ポリマー、固形分45質量%、質量平均分子量2.0〜2.5万)。
(ウレタン樹脂粒子(d))
アートパールCT630T(根上工業(株)製、平均粒径6〜8μm、平均10%強度0.55kgf/mm2 )。
[実施例1]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(20質量%)、KL494(35質量%)、レゼダGC360(20質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(I)を得た。
クリア塗料(I)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(I)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(I)を得た。
この艶消し塗料を炭化水素系溶剤で稀釈粘度14秒(フォードカップFC4で測定)になるように稀釈し、塗装グレードのポリプロピレン(PP)樹脂板(厚み30mm)の表面に、スプレーガン(アネストイワタW−61)を用いて、塗膜の厚さが20μmとなるように塗装し、熱風強制乾燥炉にて70℃で10分乾燥させ塗膜を形成した。
同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)板(厚み30mm)の表面に塗膜を形成させた。
これら塗膜について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(付着性)
塗装面にカッターで碁盤目(1mm間隔、100マス)状に切り込みを入れ、セロハンテープを密着させ真上に引きはがしたときの剥がれ等を確認した。
評価:○異常なし、△欠け、×剥がれ。
(屈曲性)
塗膜が形成されたTPO板を、直径10φの金属棒に、塗装面が内側になるように巻き付け、塗装面の割れを確認した。
評価:○異常なし、△わずかに割れ、×割れ(音を発する程)。
(耐傷つき性)
摺動摩耗試験機を用い、ある一定荷重(500g/cm2 )にてガーゼを付けた摩耗子を塗装面に押し付け、一定回数(50回)往復摩耗させ、塗装面の傷の外観(目立ちにくさ)と回復性を確認した。
外観評価:
○目立たない:初期設定グロス→摩耗試験後のグロス上昇率130%以下。
△多少目立つ:初期設定グロス→摩耗試験後のグロス上昇率160%以下。
×目立つ :初期設定グロス→摩耗試験後のグロス上昇率160%超える。
回復性評価:
○良好:初期設定グロス→回復後のグロス上昇率120%以下。
△普通:初期設定グロス→回復後のグロス上昇率150%以下。
×なし:初期設定グロス→回復性なし。
(耐油脂汚染性)
塗装面に油脂類(例えば牛脂など)を塗布後、恒温試験機にて一定温度、時間で加温したのちに、塗膜の各素材への付着性の優劣を確認した。
評価:○異常なし、△欠け、×剥がれ、
[比較例1]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(18質量%)、KL494(52質量%)、レゼダGC360(5質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(II)を得た。
クリア塗料(II)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、60/40であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(II)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(II)を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(20質量%)、KL494(29質量%)、レゼダGC360(26質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(III)を得た。
クリア塗料(III)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、30/70であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(III)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(III)を得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
スーパークロン240H(20質量%)、ハードレンB13(9質量%)、KL494(42質量%)、レゼダGC360(29質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(IV)を得た。
クリア塗料(IV)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、8質量%であった。
クリヤ塗料(IV)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(IV)を得た。結果を表1に示す。
[比較例4]
スーパークロン240H(5質量%)、ハードレンB13(50質量%)、KL494(30質量%)、レゼダGC360(15質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(V)を得た。
クリア塗料(V)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、30質量%であった。
クリヤ塗料(V)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(V)を得た。結果を表1に示す。
[比較例5]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(20質量%)、KL494(35質量%)、レゼダGC360(20質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(VI)を得た。
クリア塗料(VI)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(VI)の固形分(100質量部)に対し、軟質ウレタン樹脂粒子(アートパールC800、根上工業(株)製、ウレタン樹脂粒子、10%平均強度=0.024kgf/mm2 )を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(VI)を得た。結果を表1に示す。
[比較例6]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(20質量%)、KL494(35質量%)、レゼダGC360(20質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(VII)を得た。
クリア塗料(VII)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(VII)の固形分(100質量部)に対し、硬質アクリル樹脂粒子(アートパールG800、根上工業(株)製、アクリル樹脂粒子、10%平均強度=2.50kgf/mm2 )を30質量部(目標60°グロス1.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(VII)を得た。結果を表1に示す。
[比較例7]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(20質量%)、KL494(35質量%)、レゼダGC360(20質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(VIII)を得た。
クリア塗料(VIII)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(VIII)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を20質量部(目標60°グロス3.0)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(VIII)を得た。結果を表1に示す。
[比較例8]
スーパークロン240H(25質量%)、ハードレンB13(20質量%)、KL494(35質量%)、レゼダGC360(20質量%)をディスパーにより十分攪拌し、バインダー樹脂固形分が20%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料(IX)を得た。
クリア塗料(IX)において、ウレタン樹脂(b)/[アクリル樹脂(a1)+相溶化剤(c)](質量比)は、40/60であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
クリヤ塗料(IX)の固形分(100質量部)に対し、中硬度ウレタン樹脂粒子(アートパールCT630T)を45質量部(目標60°グロス0.5)配合し、ディスパーで十分攪拌し、艶消し塗料(IX)を得た。結果を表1に示す。
[比較例9]
市販のクリア塗料であるプラネットPP−7(オリジン電気(株)製)を用意した。
この塗料において、ウレタン樹脂/アクリル樹脂(質量比)は、0/100であり、塩素化ポリプロピレンは、バインダー樹脂固形分(100質量%)中、15質量%であった。
この塗料に、艶消し剤として樹脂粒子の代わりに体質顔料を配合し、ディスパーで十分攪拌した。目標60°グロス1.0に調整し、艶消し塗料(X)を得た。結果を表1に示す。
Figure 0004541019
本発明の艶消し塗料組成物は、ポリオレフィン素材に対する付着性に優れ、これから得られる塗膜が耐傷付き性に優れ、艶消し効果を長期間維持できるので、ポリオレフィン素材からなる自動車内装材の艶消し処理に好適に用いることができる
本発明の艶消し塗料組成物から得られる塗膜の一例を示す断面図である。 図1の塗膜に加わった圧力により凹みができた様子を示す断面図である。 図2の凹みが塗膜の復元力によって消えた様子を示す断面図である。
符号の説明
2 ウレタン樹脂粒子(d)

Claims (2)

  1. アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)、ウレタン樹脂(b)および相溶化剤(c)を含むバインダー樹脂と、
    ウレタン樹脂粒子(d)と
    有機溶剤とを含有し、
    前記ウレタン樹脂(b)が、前記有機溶剤に可溶であり、
    前記相溶化剤(c)が、ガラス転移温度が80〜100℃であり、枝に親水基モノマーからなるポリマー、幹に疎水基モノマーからなるポリマーを有する櫛形ポリマーであり、
    前記ウレタン樹脂粒子(d)が、前記有機溶剤に不溶であり、
    前記ウレタン樹脂粒子(d)の平均粒子径が、6〜12μmであり、
    前記ウレタン樹脂粒子(d)の硬度が、圧縮試験によって粒子の径が10%変形する時の荷重により求められる平均10%強度で0.25〜1.50kgf/mm2 であり、
    アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計と、ウレタン樹脂(b)との比率が、アクリル樹脂(a1)、相溶化剤(c)およびウレタン樹脂(b)の合計(100質量%)中、アクリル樹脂(a1)および相溶化剤(c)の合計50〜65質量%、ウレタン樹脂(b)35〜50質量%であり、
    アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中の塩素化ポリプロピレン(a2)の量が、バインダー樹脂(100質量%)中、10〜25質量%であり、
    ウレタン樹脂粒子(d)の量が、バインダー樹脂100質量部に対して、25〜40質量部であることを特徴とする艶消し塗料組成物。
  2. アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)中のアクリル樹脂(a1)のガラス転移温度が、60〜100℃であることを特徴とする請求項記載の艶消し塗料組成物。
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