JP2002188043A - ラッカー型塗料組成物及び塗装物品 - Google Patents

ラッカー型塗料組成物及び塗装物品

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JP2002188043A
JP2002188043A JP2000387896A JP2000387896A JP2002188043A JP 2002188043 A JP2002188043 A JP 2002188043A JP 2000387896 A JP2000387896 A JP 2000387896A JP 2000387896 A JP2000387896 A JP 2000387896A JP 2002188043 A JP2002188043 A JP 2002188043A
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resin
weight
coating composition
acrylic
parts
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JP2000387896A
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English (en)
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Ryuichi Asamen
竜一 淺面
Akihiro Kitamura
明弘 北村
Toru Tanaka
徹 田中
Hideaki Yoshida
英昭 吉田
Tetsuko Isomura
哲子 磯村
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Nippon Bee Chemical Co Ltd
Toyota Auto Body Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nippon Bee Chemical Co Ltd
Toyota Auto Body Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 艶消し塗膜でありながら、ハイライト部で光
輝感が強調され、シェード部でマット感が残り、光輝感
及びマット感がグラデーション状態で発現される意匠性
の高い塗膜を形成することができるとともに、得られる
塗膜が耐油脂汚染性に優れた塗料組成物を提供する。 【解決手段】 アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂
(A)及び石油系変性樹脂(B)を含み、更に、艶消し
剤(C)、樹脂ビーズ(D)及び光輝材(E)を含む塗
料組成物であって、上記アクリル変性塩素化ポリプロピ
レン樹脂(A)中のアクリルは、ガラス転移温度が70
〜100℃であり、上記アクリル変性塩素化ポリプロピ
レン樹脂(A)において、アクリルと塩素化ポリプロピ
レン樹脂との重量比は、〔アクリルの重量〕/〔塩素化
ポリプロピレン樹脂の重量〕=87/13〜73/27
であり、上記石油系変性樹脂(B)は、上記塗料組成物
の固形分100重量部中に2〜15重量部含むものであ
ることを特徴とする塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インストルメント
パネル、センターコンソール、ドアトリム等の自動車内
装部品、ラジオカセットテープレコーダー、コンピュー
ター筐体等の弱電部品に好適に使用することができるラ
ッカー型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インストルメントパネル、センターコン
ソール、ドアトリム等の自動車内装部品は、重厚感、高
級感が求められることから、艶消しソリッドカラー、艶
消しメタリックカラー等のような艶消し塗料が塗装され
ている。ラジオカセットテープレコーダー、コンピュー
ター筐体等の弱電部品についても、艶消しソリッドカラ
ー、艶消しメタリックカラー等に塗装されたものがあ
る。
【0003】艶消し塗料としては、特開昭62−776
8号公報には、合成樹脂、微粉末シリカ及び合成マイカ
を含むものが開示されている。近年、ラジオカセットテ
ープレコーダー、コンピューター筐体等についてはスケ
ルトン等の新しい意匠も求められており、消費者のニー
ズがますます多様化してきている。
【0004】特開平5−65429号公報には、クリヤ
ー層を形成しうる造膜成分100重量部に対して、粒径
11〜70μmの一定の屈折率を有する樹脂ビーズを1
0〜150重量部含む塗料が開示されている。この塗料
をメタリック塗装のトップコートとして使用すると、光
沢の抑えられた表面にその奥からメタリック塗膜による
光輝性が発現された塗装品を得ることができる。また、
特開平9−302272号公報には、ソフトで意匠性の
高いサテン調の凹凸模様を形成することを目的として、
熱硬化性粉体塗料成分、及び、平均粒径が10〜200
μmの樹脂ビーズを含有する粉体塗料が開示されてい
る。特開平9−253577号公報には、プラスチック
部品の表面に、直径1〜10μmのアクリル樹脂ビーズ
を含有する2液型ウレタン塗料を塗装することにより、
表面を皮革調とする表面改質方法が開示されている。
【0005】更に、特開平7−292311号公報に
は、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂とから樹脂成
分を主成分とする塗料において、アクリルポリマービー
ズとアルミナ繊維を合計して塗膜形成成分中1〜30重
量%含有する金属板用塗料が開示されている。特開平7
−292316号公報には、ポリエステル樹脂又はシリ
コーンポリエステル樹脂を主たる樹脂成分とする塗料に
おいて、アクリルポリマービーズとアルミナ繊維を合計
して塗膜形成成分中1〜30重量%含有する金属板用塗
料が開示されている。これらは、耐磨耗性に優れ、成形
加工時に成形ロールを磨耗させることがない上に、暖か
みのあるソフトで意匠性に優れた仕上がり外観が得られ
るものである。
【0006】特開平8−281202号公報には、下塗
り塗料を塗装し、次いで粒径20〜360μmのカラー
粒子及び粒径250μm以下の透明粒子を含む上塗り塗
料を塗り重ねる無機質化粧板の製造方法が開示されてい
る。これは、塗膜中にカラー粒子を存在させることによ
り、意匠性に富み、耐久性にも優れた無機質化粧板を提
供することを目的とするものである。
【0007】特開平4−339649号公報には、表面
に凹凸を有する基材上に、基材の凹凸の深さに対して大
きい粒径を持つ樹脂ビーズ等の艶消し剤を有する塗料を
塗布し、基材の少なくとも凹部に艶消し剤を充填してな
る化粧材が開示されている。特開平10−85664号
公報には、多数の条痕状シボが形成された上に、熱可塑
性アクリル樹脂、平均粒径10〜15μmのアルミニウ
ム粉末及びオルガノシリカゾルと繊維素誘導体の複合反
応物を配合したアクリル塗料を塗膜段差10〜60μm
の範囲内で塗布されてなる合成樹脂成形品が開示されて
いる。これらは、塗料自体に加えて、塗装前の基材の表
面状態も考慮することによって、艶消しで高級感のある
意匠性のある塗膜を得ることができるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、艶消
し塗膜でありながら、ハイライト部で光輝感が強調さ
れ、シェード部でマット感が残り、光輝感及びマット感
がグラデーション状態で発現される意匠性の高い塗膜を
形成することができるとともに、得られる塗膜が耐油脂
汚染性に優れた塗料組成物、並びに、それにより得られ
る塗装物品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル変性
塩素化ポリプロピレン樹脂(A)及び石油系変性樹脂
(B)を含み、更に、艶消し剤(C)、樹脂ビーズ
(D)及び光輝材(E)を含む塗料組成物であって、上
記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)中のア
クリルは、ガラス転移温度が70〜100℃であり、上
記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)におい
て、アクリルと塩素化ポリプロピレン樹脂との重量比
は、〔アクリルの重量〕/〔塩素化ポリプロピレン樹脂
の重量〕=87/13〜73/27であり、上記石油系
変性樹脂(B)は、上記塗料組成物の固形分100重量
部中に2〜15重量部含むものであることを特徴とする
塗料組成物である。以下、本発明を詳述する。
【0010】本発明者らは、特定のアクリル変性塩素化
ポリプロピレン樹脂(A)を石油系変性樹脂(B)と組
み合わせることによって、得られる塗膜の耐油脂汚染性
を優れたものとすることができるとともに、更に、樹脂
ビーズ(D)の持つ透明性、光の反射性と拡散性、艶消
し剤(C)の持つ艶消し効果、及び、光輝材(E)が発
現する光輝感を組み合わせることにより、艶消し塗料で
ありながら、光輝材の光輝感や色相を生かすことがで
き、ハイライト部で光輝感が強調され、シェード部でマ
ット感が残り、光輝感及びマット感がグラデーション状
態で発現される塗膜を形成することができることを見い
だし、本発明を完成した。
【0011】本発明の塗料組成物は、アクリル変性塩素
化ポリプロピレン樹脂(A)及び石油系変性樹脂(B)
を含むものである。上記アクリル変性塩素化ポリプロピ
レン樹脂(A)は、塩素化ポリプロピレン樹脂を含むこ
とにより、本発明の塗料組成物が通常適用されるポリプ
ロピレン系等のプラスチック成形品に対する付着性を優
れたものとすることができる。更に、この塩素化ポリプ
ロピレン樹脂をアクリルで変性しているので、石油系変
性樹脂(B)との組み合わせにおいて、耐油脂汚染性が
発揮される。
【0012】上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹
脂(A)中のアクリルは、ガラス転移温度が70〜10
0℃である。70℃未満であると、得られる塗膜の耐油
脂汚染性、特に耐牛脂汚染性が低下する。100℃を超
えると、得られる塗膜が硬すぎるので、ワレや剥がれが
発生する。好ましくは、85〜100℃であり、より好
ましくは、90〜100℃である。本明細書中におい
て、上記ガラス転移温度とは、設計ガラス転移温度を意
味するものであり、アクリルを構成する単量体成分の種
類及び割合によって求めることができる。
【0013】上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹
脂(A)中のアクリルは、固形分酸価が1〜10mgK
OH/gであることが好ましい。1mgKOH/g未満
であると、塗膜の密着性に劣る場合があり、10mgK
OH/gを超えると、得られる塗膜の耐水性が低下す
る。より好ましくは、1〜5mgKOH/gである。
【0014】上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹
脂(A)は、例えば、塩素化ポリプロピレン樹脂の存在
下、アクリル系単量体を含む単量体成分を重合すること
により得ることができる。上記塩素化ポリプロピレン樹
脂は、塩素化度17〜40重量%であるものが好まし
い。17重量%未満であったり、40重量%を超える
と、アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂(A)の合
成が困難であったり、得られる塗膜の耐油脂汚染性が低
下することがある。より好ましくは、20〜30重量%
である。上記塩素化ポリプロピレン樹脂は、重量平均分
子量3万〜20万のものが好ましい。上記重量平均分子
量が3万未満であると、得られる塗膜の物性に劣る場合
がある。20万を超えると、塗料組成物の粘度が高く塗
装作業性に劣るばかりか、塗膜物性に劣る場合もある。
より好ましくは、5万〜10万である。
【0015】上記塩素化ポリプロピレン樹脂の存在下で
重合させる単量体成分は、アクリル系単量体を含むもの
である。上記アクリル系単量体としては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アク
リル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメ
チル、アリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチルとε−カプロラクトンとの付加物等の水酸基含
有(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、プロピルアクリル酸、イソプロピ
ルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸
等のカルボン酸含有アクリル系単量体;アクリルアミド
等の窒素含有アクリル系単量体等を挙げることができ
る。
【0016】上記アクリル系単量体は、他の単量体と共
重合させることも可能である。このような他の単量体と
しては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン等のスチレン系化合物;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル系化合物等が挙げられ
る。上記塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル系単量体
及びその他の単量体は、単独で、又は、2種以上を併用
して使用することができる。
【0017】上記アクリル系単量体を含む単量体成分を
塩素化ポリプロピレン樹脂の存在下で重合する方法とし
ては特に限定されず、公知の重合方法に従って行うこと
ができる。
【0018】本発明において、上記アクリル変性塩素化
ポリプロピレン樹脂(A)において、アクリルと塩素化
ポリプロピレン樹脂との重量比は、〔アクリルの重量〕
/〔塩素化ポリプロピレン樹脂の重量〕=87/13〜
73/27である。アクリルの重量が上記範囲を下回る
と、耐油脂汚染性、特に耐牛脂汚染性が低下する。アク
リルの重量が上記範囲を超えると、耐油脂汚染性が低下
するのみならず、本発明の塗料組成物が通常適用される
ポリプロピレン系等のプラスチック成形品に対する付着
性が低下する。好ましくは、83/17〜77/23で
ある。上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂
(A)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
【0019】上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹
脂(A)の配合量は、塗料組成物の固形分100重量部
中に、30〜70重量部であることが好ましい。30重
量部未満であると、得られる塗膜の物性が良好ではない
場合が多い。70重量%を超えると、石油系変性樹脂
(B)、艶消し剤(C)、樹脂ビーズ(D)及び光輝材
(E)の配合量が減少する結果、得られる塗膜の耐油脂
汚染性に劣り、高い意匠性も発現されない。より好まし
くは、40〜60重量部である。
【0020】上記石油系変性樹脂(B)は、通常、熱可
塑性樹脂であり、石油系不飽和炭化水素を原料とする樹
脂で変性、あるいは、石油系不飽和炭化水素を原料とす
る樹脂を変性した石油系変性樹脂を挙げることができ
る。上記石油系不飽和炭化水素は、コールタールナフサ
等の石油の熱分解油中に存在する不飽和炭化水素であ
り、例えば、クマロン、インデン等の炭素数10以下
で、酸素原子を有していてもよい芳香族系炭化水素;ブ
タジエン、ブチン、イソブチレン、イソプレン、ジシク
ロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロペンテ
ン、n−ペンテン、イソアミレン等の炭素数10以下
の、直鎖又は分岐状であって、二重結合及び/又は三重
結合を1つ以上有するオレフィン系不飽和炭化水素等を
挙げることができる。
【0021】上記石油系変性樹脂(B)としては、市販
品を利用することも可能であり、例えば、クマロン・イ
ンデン・スチレン共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂(荒川化学社製「タマノル353」等)、ロジン変性
マレイン酸樹脂(日立化成ポリマー社製「テスポール1
101」等)等を挙げることができる。上記石油系変性
樹脂(B)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0022】本発明において、上記石油系変性樹脂
(B)は、塗料組成物の固形分100重量部中に2〜1
5重量部含むものである。2重量部未満であると、得ら
れる塗膜の耐油脂汚染性が低下する。15重量部を超え
ると、塗膜の強靱性が低下する。好ましくは、3〜10
重量部である。
【0023】本発明の塗料組成物は、上記アクリル変性
塩素化ポリプロピレン樹脂(A)及び上記石油系変性樹
脂(B)に加えて、更に、艶消し剤(C)、樹脂ビーズ
(D)及び光輝材(E)を含むものである。塗料組成物
中に艶消し剤(C)、樹脂ビーズ(D)及び光輝材
(E)を含むことによって、ハイライト部で光輝感が強
調され、シェード部でマット感が残り、光輝感及びマッ
ト感がグラデーション状態で発現するという新規な意匠
性を発現する塗膜を得ることができる。
【0024】上記艶消し剤(C)は、得られる塗膜を艶
消しにし、シェード部で特にマット感を発現するもので
ある。
【0025】上記艶消し剤(C)としては、市販されて
いる不定形の艶消し剤を使用することができるが、上品
なマット感が得られる点から、尿素樹脂、シルクプロテ
イン(絹粉砕品)等の有機艶消し剤が好ましい。
【0026】上記艶消し剤(C)は、塗料組成物の固形
分100重量部中に、4〜35重量部含むことが好まし
い。4重量部未満であると、シェード部のマット感、陰
影感が減少したりなくなったりする。35重量部を超え
ると、マット感はあるが、光輝感が減少したりなくなっ
たりする。より好ましくは、6〜28重量部である。
【0027】本発明においては、樹脂ビーズ(D)を配
合することにより、ハイライト部で光輝感が強調され、
シェード部でマット感が残り、見る位置によって光輝感
及びマット感が連続的に変化する、いわゆるグラデーシ
ョン状態を発揮する。
【0028】上記樹脂ビーズ(D)は、平均粒径が5〜
20μmであることが好ましい。5μm未満であると、
光輝感が少なく見える。20μmを超えると、光輝感が
粗く見える。上記樹脂ビーズ(D)は、透明な樹脂ビー
ズであることが好ましい。不透明の着色された樹脂ビー
ズである場合、樹脂ビーズ(D)の特性を最大限に生か
すことができない。
【0029】上記樹脂ビーズ(D)としては、球形のも
のが好ましく、例えば、アクリル樹脂ビーズ、ウレタン
樹脂ビーズ、ポリエステル樹脂ビーズ、ポリアミド樹脂
ビーズ、ポリスチレン樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビ
ーズ、メラミン樹脂ビーズ、フッ素樹脂ビーズ、ポリア
クリロニトリル樹脂ビーズ等を挙げることができる。
【0030】上記樹脂ビーズ(D)は、塗料組成物の固
形分100重量部中に、4〜35重量部含むことが好ま
しい。4重量部未満であると、マット感はあるが、光輝
感が減少する。35重量部を超えると、光輝感はある
が、マット感が減少する。より好ましくは、6〜28重
量部である。
【0031】本発明においては、光輝材(E)は、ハイ
ライト部での光輝性を発現する。上記光輝材(E)とし
ては、通常メタリック塗料、パールマイカ塗料等の光輝
性塗料に使用されている光輝材を使用することができ、
例えば、酸化鉄コーティング、着色顔料コーティング等
が施された着色マイカ粉;アルミニウム箔;MIO(m
icaceous iron oxide)等を挙げる
ことができる。好ましくは、マイカ粉、アルミニウム箔
である。安定した光輝感、マット感及びグラデーション
を発現させるためには、着色マイカ粉を使用する方が、
更に好ましい。
【0032】上記光輝材(E)は、塗料組成物の固形分
100重量部中に、3〜15重量部含むことが好まし
い。3重量部未満であると、光輝感が減少し、15重量
部を超えても、光輝感の効果はあまり変わらず、経済的
でない。
【0033】本発明においては、上記艶消し剤(C)、
上記樹脂ビーズ(D)及び上記光輝材(E)の合計は、
塗料組成物の固形分100重量部中、20重量部以上で
あることが好ましい。20重量部未満であると、得られ
る塗膜のハイライト部での光輝感やシェード部でのマッ
ト感が小さく、光輝感及びマット感がグラデーション状
態で発現されない。上記艶消し剤(C)、上記樹脂ビー
ズ(D)及び上記光輝材(E)は、それぞれ、1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】本発明の塗料組成物は、更に、着色顔料及
び/又は体質顔料を含むことができる。上記着色顔料と
しては特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、
不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系
顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔
料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイン
ドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料;黄
鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化
チタン等の無機着色顔料等が挙げられる。上記体質顔料
としては、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、カオリ
ン、シリカ等を挙げることができる。上記顔料として
は、着色顔料及び体質顔料のなかから、1種又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0035】上記艶消し剤(C)、上記樹脂ビーズ
(D)及び上記光輝材(E)に、更に着色顔料、体質顔
料を加えた合計量としては、塗料組成物の固形分100
重量部中、37〜45重量部であることが好ましい。3
7重量部未満であると、塗膜の光沢が向上しすぎるの
で、隠蔽不良となり、マット感、陰影感が減少したりな
くなったりする。45重量部を超えると、塗膜の光沢が
減少し、光輝感がなく、また、耐傷つき性が低下する。
【0036】本発明の塗料組成物は、所望により表面調
整剤、粘性制御剤、ワキ防止剤、有機溶剤等の従来公知
の添加剤を含むことができる。上記粘性制御剤として
は、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、
長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系
のもの;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等の
ポリエチレン系のもの;有機酸スメクタイト粘土、モン
モリロナイト等の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸ア
ルミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘
性が発現する偏平顔料等が挙げられる。
【0037】本発明の塗料組成物の色相は、淡彩色、濃
彩色を問わない。
【0038】本発明の塗料組成物は、塗料形態に従っ
て、上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂
(A)、上記石油系変性樹脂(B)、上記艶消し剤
(C)、上記樹脂ビーズ(D)及び上記光輝材(E)、
並びに、体質顔料及び/又は着色顔料、その他の成分
を、サンドグラインダーミル、ディスパー等を用いて混
練、分散する等の当業者に周知の方法によって得ること
ができる。
【0039】本発明の塗料組成物は、種々の基材、例え
ば、プラスチック、金属、ガラス、発泡体及びこれらの
成形品等に用いることができるが、ポリプロピレン系等
のプラスチック成形品に好適に用いることができる。具
体的には、インストルメントパネル、センターコンソー
ル、ドアトリム等の自動車内装部品;ラジオカセットテ
ープレコーダー、コンピューター筐体等の弱電部品が挙
げられる。
【0040】本発明の塗料組成物は、上記基材上に直接
塗装し、乾燥、塗膜化することができるが、上記塗装す
る方法としては特に限定されず、例えば、スプレー塗
装、ロールコーター法等を挙げることができ、通常、乾
燥膜厚20〜30μmに塗装することができる。上記乾
燥、塗膜化する方法としては、例えば、60〜100℃
で2〜30分加熱することにより硬化させる方法を挙げ
ることができる。好ましくは、70℃程度で約10分間
である。
【0041】本発明の塗料組成物を塗装されてなる塗装
物品は、耐牛脂汚染性、耐ブラバス汚染性等の耐油脂汚
染性を発揮するものである。また、艶消し塗膜でありな
がら、ハイライト部で光輝感が強調され、シェード部で
マット感が残り、光輝感及びマット感がグラデーション
状態で発現される、新規な意匠性の高い塗膜を有するも
のである。特に、艶消し剤(C)を配合しているにもか
かわらず、樹脂ビーズ(D)及び光輝材(E)との組み
合わせにより、光輝材(E)の光輝性はハイライト部で
強調され、光輝感及びマット感がグラデーション状態で
発現される。本発明の塗料組成物によって、優れた耐油
脂汚染性とともに、全体的に重厚感及び高級感ある塗膜
が得られるため、自動車内装部品等に特に好適に使用す
ることができる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 調製例1 アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂ワニ
スa〜hの製造 攪拌下、塩素化ポリプロピレン〔スーパークロン803
LT(S−803LT);日本製紙社製;塩素化度26
重量%;重量平均分子量6万〕のトルエン20重量%溶
液100gを100℃に昇温後、表1に示したメチルメ
タクリレート、イソブチルメタクリレート及びメタクリ
ル酸並びにトルエン53g及びカドックスBS(化薬ア
クゾ社製)20重量%トルエン溶液4gを120分で滴
下した。100℃で60分間保温後、カドックスBS2
0重量%トルエン溶液2gを添加し、更に100℃で保
温しながら60分間攪拌を継続した。90℃に冷却後、
トルエン12.5gを添加、常温まで冷却して反応を終
了し、不揮発分40重量%のアクリル変性塩素化ポリプ
ロピレン樹脂ワニスa〜hを得た。酸価(AV)及びガ
ラス転移温度(Tg)は、表1に示すとおりである。A
Vはいずれも固形分酸価であり、また、アクリルのAV
及びアクリルのTgはいずれも設計値である。
【0043】
【表1】
【0044】調製例2 黒顔料ペーストの調製 着色顔料黒(ラーベン1255;コロンビアカーボン日
本社製)0.8g、調製例1で得られたアクリル変性塩
素化ポリプロピレン樹脂ワニスa〜hをそれぞれ5.0
g、及び、キシレン3.5gをサンドグラインダーミル
で分散し、8種の黒顔料ペーストを得た。
【0045】実施例1 表2に示す配合量の各原材料を用いて、以下の手順で塗
料液を作製した。まず、光輝材とトルエンをディスパー
で分散し、次いで黒顔料ペーストに使用した残りのアク
リル変性塩素化ポリプロピレン樹脂ワニスaを攪拌下添
加し、光輝材とアクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂
ワニスaを充分に分散させた。更に、石油系変性樹脂、
艶消し剤、樹脂ビーズ、黒顔料ペースト、体質顔料、表
面調整剤、ポリエチレンワックス及び残りのキシレンを
ディスパー攪拌の下、順次添加して塗料組成物を得た。
表2中、アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂ワニス
aの量は、作製した塗料液中の全量である。また、固形
分の欄は、固形分合計が100重量部となるように計算
したものである。
【0046】表2中、エスクロンV−120Sはクマロ
ン・インデン・スチレン共重合樹脂(新日鐵化学社製;
不揮発分100重量%)、艶消し剤はパーゴパックM−
3(ロンザジャパン;不揮発分100重量%)、透明樹
脂ビーズはアートパールU−600T(根上工業社製;
平均粒径10μm;不揮発分100重量%)、光輝材マ
イカ粉はエクステリアマリーンダイナカラーBG(エン
ゲルハードアジアパシフィック,Inc.)、体質顔料
はミクロエースP4(タルク;日本タルク社製;粒径
1.5μm)、添加剤である表面調整剤はBYK−31
0(ビッグケミージャパン社製;不揮発分25重量
%)、ポリエチレンワックスはスリップエイドSL−1
77(エレメンティスジャパン社製;不揮発分23重量
%)を使用した。
【0047】得られた塗料組成物をキシレン/ソルベッ
ソ100(エクソン化学社製;炭化水素系溶剤)=50
/50のシンナーで、20℃、#4フォードカップ粘度
計で14秒となるように希釈した塗料を、イソプロパノ
ールで洗浄脱脂したポリプロピレン素材にスプレー塗装
し、70℃10分間乾燥させて、乾燥膜厚25μmの塗
膜を得た。下記評価方法に従って、評価を行った。結果
を表2に示した。
【0048】評価方法 (1)耐湿密着性 50℃、相対湿度95%の雰囲気下に塗膜試験片を10
日間暴露し、取り出して60分後に、JIS K 54
00 8.5.2に準拠して付着性試験を行い、評価し
た。 ○:100/100 △:99〜95/100 ×:94以下/100 (2)耐牛脂汚染性 塗膜試験片の上に、牛脂(ナカライテスク社製)を均一
に塗り広げ、80℃の密閉容器中に7日間放置した。取
り出し、中性洗剤水で洗浄後、水をよく拭きさり、30
分後にJIS K 5400 8.5.2に準拠して付
着性試験を行い、評価した。 ○:100/100 △:99〜95/100 ×:94以下/100 (3)耐ブラバス汚染性 牛脂の代わりに、ブラバスヘアーリキッド(資生堂コス
メティー社製)を用いたこと以外は、上記耐牛脂汚染性
(2)と同様にして試験を行い、評価した。 (4)グラデーション意匠 塗膜試験片を少し曲げ、丸みを持たせた塗膜の光輝部か
らマット部への徐々に変化する程度を目視で判定し、×
(不良)から○(良)の2段階評価を行った。
【0049】
【表2】
【0050】実施例2〜8、比較例1〜5 表2、表3に示した配合による以外は、実施例1と同様
にして塗料を調製し、塗装、評価を行った。結果を表2
及び表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】表2及び表3の結果より、実施例1〜8
は、耐湿密着性、耐牛脂汚染性及び耐ブラバス汚染性に
優れていた。また、実施例1〜8の塗料組成物は、艶消
し剤(C)、樹脂ビーズ(D)及び光輝材(E)を含む
ものであるので、ハイライト部での光輝感及びシェード
部でのマット感が良好で、それらがグラデーション状態
で発現されていた。一方、アクリル変性塩素化ポリプロ
ピレン樹脂(A)中のアクリルのガラス転移温度が60
℃と低い比較例1は、耐牛脂汚染性及び耐ブラバス汚染
性に劣るものであった。また、アクリルと塩素化ポリプ
ロピレン樹脂との重量比が本発明の範囲を外れる比較例
2及び3は、良好な耐牛脂汚染性が得られず、更に比較
例3は耐湿密着性にも劣っていた。石油系変性樹脂
(B)の配合量が本発明の範囲を外れる比較例4及び5
は、耐牛脂汚染性に劣るものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、ラッカー型塗料
組成物でありながら、得られる塗膜が耐湿密着性等の基
本的な塗膜性能を満たすとともに、耐牛脂汚染性、耐ブ
ラバス汚染性等の耐油脂汚染性を発揮し、更に、艶消し
塗膜でありながら、ハイライト部で光輝感が強調され、
シェード部でマット感が残り、光輝感及びマット感がグ
ラデーション状態で発現される意匠性の高い塗膜を形成
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 淺面 竜一 大阪府枚方市招提大谷2丁目14番1号 日 本ビー・ケミカル株式会社内 (72)発明者 北村 明弘 大阪府枚方市招提大谷2丁目14番1号 日 本ビー・ケミカル株式会社内 (72)発明者 田中 徹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 吉田 英昭 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 磯村 哲子 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 Fターム(参考) 4J038 BA192 BA232 CB022 CC032 CD092 CG002 CG152 CM032 CP051 CR012 DA082 DA162 DD002 DG002 DG162 DH002 GA12 KA08 MA02 NA01 PB07 PB09 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル変性塩素化ポリプロピレン樹脂
    (A)及び石油系変性樹脂(B)を含み、更に、艶消し
    剤(C)、樹脂ビーズ(D)及び光輝材(E)を含む塗
    料組成物であって、前記アクリル変性塩素化ポリプロピ
    レン樹脂(A)中のアクリルは、ガラス転移温度が70
    〜100℃であり、前記アクリル変性塩素化ポリプロピ
    レン樹脂(A)において、アクリルと塩素化ポリプロピ
    レン樹脂との重量比は、〔アクリルの重量〕/〔塩素化
    ポリプロピレン樹脂の重量〕=87/13〜73/27
    であり、前記石油系変性樹脂(B)は、前記塗料組成物
    の固形分100重量部中に2〜15重量部含むものであ
    ることを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 石油系変性樹脂(B)は、塗料組成物の
    固形分100重量部中に3〜10重量部含むものである
    請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 更に、着色顔料及び/又は体質顔料を含
    むものであって、塗料組成物の固形分100重量部中
    に、艶消し剤(C)、樹脂ビーズ(D)、光輝材
    (E)、着色顔料及び体質顔料の合計が37〜45重量
    部である請求項1又は2記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の塗料組成物を
    塗装されてなる塗装物品。
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