艷消し塗料組成物
技術分野
[0001] 本発明は、ポリオレフイン素材を塗装するのに好適に用いられる艷消し塗料組成物 に関する。
本願は、 2004年 4月 5日に出願された特願 2004— 110892号に基づき優先権を 主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002] インストルメンッパネル、エアバックカバー、ダッシュボード等の自動車内装材には 、ポリプロピレン系榭脂(以下、 PP榭脂と記す)、ポリオレフイン系熱可塑性エラストマ 一(以下、 TPO榭脂と記す)等のポリオレフイン素材が用いられて 、る。
そして、これら自動車内装材には、運転者の視認性を確保することが要求されるた め低光沢であることが必須であり、自動車内装材用の艷消し塗料を用いて艷消し処 理が施されている。
[0003] 自動車内装材用の艷消し塗料には、まず、難塗装性のポリオレフイン素材に対する 付着性が求められる。そのため、ポリオレフイン素材用の艷消し塗料としては、例えば 特開平 7— 76646号公報に開示されたような、ポリオレフイン素材に対する付着性を 有するアクリル変性塩素化ポリプロピレン榭脂をバインダー榭脂とし、これにシリカ、タ ルク等の無機系体質顔料、およびアクリル榭脂粒子などの艷消し剤を配合したもの が用いられる。
[0004] しかしながら、無機系体質顔料やアクリル榭脂粒子が配合された艷消し塗料力ゝら得 られる塗膜は、無機系体質顔料やアクリル榭脂粒子によって硬質化しているため、指 で触れた際に爪などによって塗膜表面に偏在する無機系体質顔料やアクリル榭脂 粒子が削り取られた場合、その欠損部分が凹んで傷となるばかりか、艷消し剤がなく なることで欠損部分の光沢が上昇し、結果として表面の白化が発生したり、光傷が残 つたりすると言う問題があった。
[0005] また、塗膜を爪などで擦った際には、無機系体質顔料やアクリル榭脂粒子が削り取
られなくても、塗膜自体が凹んで傷に成りやすい。し力しながら、塗膜に復元性がな いため、擦った部分は凹んだままであり、結果、傷として残ってしまう。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] よって、本発明の目的は、ポリオレフイン素材に対する付着性に優れ、得られる塗 膜が耐傷付き性に優れる艷消し塗料を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007] すなわち、本発明の艷消し塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)、 ウレタン榭脂 (b)、および相溶化剤 (c)を含むバインダー榭脂と、ウレタン榭脂粒子 (d )とを含有し、
前記ウレタン榭脂粒子(d)の平均 10%強度が、 0. 25-1. 50kgfZmm2であり、 上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)力 アクリル榭脂(al)と、塩素化ポリプロ ピレン (a2)とを含み、
上記アクリル榭脂 (al)と、相溶化剤 (c)と、ウレタン榭脂 (b)との合計質量を 100質 量%とした場合、アクリル榭脂 (al)および相溶化剤 (c)の合計質量が 50〜65質量
%であり、ウレタン榭脂(b)の質量が 35〜50質量0 /0であり、
上記バインダー榭脂の質量を 100質量%とした場合、塩素化ポリプロピレン (a2) の質量が 10〜25質量%であり、そしてウレタン榭脂粒子(d)の質量が 25〜40質量 部であることを特徴とするものである。
[0008] ここで、前記ウレタン榭脂粒子(d)の平均粒子径は、 6〜12 mであることが望まし い。
また、アクリル榭脂(al)のガラス転移温度は、 60〜100°Cであることが望ましい。 また、前記相溶化剤(c)は、ガラス転移温度が 80〜100°Cであり、枝に親水基モノ マー、幹に疎水基モノマーを有する櫛形ポリマーであることが望まし 、。
発明の効果
[0009] 本発明の艷消し塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)、ウレタン榭 脂 (b)、および相溶化剤 (c)を含むバインダー榭脂と、ウレタン榭脂粒子 (d)とを含有
し、前記ウレタン榭脂粒子(d)の平均 10%強度が、 0. 25-1. 50kgfZmm2であり、 上記アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)力 アクリル榭脂(al)と、塩素化ポリプロ ピレン (a2)とを含み、
上記アクリル榭脂 (al)と、相溶化剤 (c)と、ウレタン榭脂 (b)との合計質量を 100質 量%とした場合、アクリル榭脂 (al)および相溶化剤 (c)の合計質量が 50〜65質量 %であり、ウレタン榭脂 (b)の質量が 35〜50質量0 /0であり、上記バインダー榭脂の 質量を 100質量%とした場合、塩素化ポリプロピレン (a2)の質量が 10〜25質量% であり、そしてウレタン榭脂粒子 (d)の質量が 25〜40質量部であることを特徴とする ので、ポリオレフイン素材に対する付着性に優れ、得られる塗膜は耐傷つき性に優れ る。
[0010] また、前記ウレタン榭脂粒子 (d)の平均粒径が、 6〜12 mであれば、得られる塗 膜の耐傷つき性は、さらに向上し、塗装外観も良好となる。
また、アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)中のアクリル成分 (al)のガラス転移温 度力 60〜100°Cであれば、得られる塗膜の耐油脂汚染性が向上する。
また、相溶化剤(c)が、ガラス転移温度が 80〜: LOO°Cであり、枝に親水基モノマー 力もなるポリマー、幹に疎水基モノマー力もなるポリマーを有する櫛形ポリマーであれ ば、塗料の安定性が向上しかつ、耐油脂汚染性が向上する。
図面の簡単な説明
[0011] [図 1]本発明の艷消し塗料組成物カゝら得られる塗膜の一例を示す断面図である。
[図 2]図 1の塗膜に加わった圧力により凹みができた様子を示す断面図である。
[図 3]図 2の凹みが塗膜の復元力によって消えた様子を示す断面図である。
符号の説明
[0012] 2 ウレタン榭脂粒子 (d)
発明を実施するための最良の形態
[0013] 以下、本発明につ 、て説明する。
アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)
本発明におけるアクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)は、塩素化ポリプロピレンに アクリル系単量体をグラフト重合させて得られる、グラフト共重合体である。なお、この
ようにして得られるアクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)中には、グラフト共重合体を 形成して!/、な 、未変性の塩素化ポリプロピレン、および塩素化ポリプロピレンに結合 していないアクリル榭脂も存在するが、本発明においては、グラフト共重合体を形成 して ヽな 、塩素化ポリプロピレンおよびアクリル榭脂を、それぞれ塩素化ポリプロピレ ン (a2)およびアクリル榭脂(al)とし、これらを含めてアクリル変性塩素化ポリプロピレ ン (a)とする。
[0014] アクリル榭脂(al)を形成するアクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル 酸ェチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル 酸へキシル、アクリル酸ォクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸 ェチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタタリ ル酸へキシル、メタクリル酸オタチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸またはメタク リル酸のアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、ァ クリル酸メトキシェチル、メタクリル酸メトキシェチル、アクリル酸エトキシブチル、メタク リル酸エトキシブチル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルコキシアルキルエステ ル;ァリルアタリレート、ァリルメタタリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルケ -ルエステル;ヒドロキシェチルアタリレート、ヒドロキシェチルメタタリレート、ヒドロキシ ブチルアタリレート、ヒドロキシブチルメタタリレート、ヒドロキシプロピルアタリレート、ヒ ドロキシプロピルメタタリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキル エステル;ァリルォキシェチルアタリレート、ァリルォキシェチルメタタリレート等のァク リル酸またはメタクリル酸のァルケ-ルォキシアルキルエステル;アクリルアミド、アタリ 口-トリル、メタタリ口-トリル、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらは単独 で、または 2種以上を併せて用いることができる。
[0015] また、これらアクリル系単量体とともに、他のビニル系単量体を併用しても構わない 。他のビュル系単量体としてはスチレン、 α—メチルスチレン、ビュルトルエン、 ρ—ク 口ルスチレン等のビュル芳香族化合物;ブタジエン、イソプレン、クロ口プレン等のォ レフイン系化合物;酢酸ビュル、ァリルアルコール、マレイン酸などが挙げられる。
[0016] アクリル榭脂(al)のガラス転移温度 (Tg)は、 60〜100°Cであることが好まし!/、。 T gが 60°C未満では、得られる塗膜の耐油脂汚染性が低下する恐れがあり、 Tgが 100
°Cを越えると、得られる塗膜が硬くなり、耐傷つき性が低下する恐れがある。ここで、 アクリル榭脂(al)のガラス転移温度 (Tg)は、単量体 a, b, c…からなる共重合体の 場合は、以下の式で求められる。
m :単量体 aの質量分率、 Tg :単量体 aから得られる単独重合体の Tg [K]
a a
m :単量体 bの質量分率、 Tg :単量体 bカゝら得られる単独重合体の Tg [K]
b b
m :単量体 cの質量分率、 Tg :単量体 cから得られる単独重合体の Tg[K]
[0017] 塩素化ポリプロピレン (a2)は、塩素により変性が施されたポリプロピレンであり、塩 素含有率は通常、 20〜40質量%である。
アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)は、塩素化ポリプロピレン、アクリル系単量体 および重合開始剤と、必要に応じて有機溶剤との混合物を加熱し、塩素化ポリプロピ レンにアクリル系単量体をグラフト重合させて得ることができる。
重合開始剤としては、通常の有機溶剤中で行われるラジカル重合に用いられるも のを使用でき、例えば、過酸化べンゾィル、 t ブチルパーォキシ 2—ェチルへキ サノエート等の過酸化物:ァゾビスイソブチ口-トリル、ァゾビスジメチルバレ口-トリル 等のァゾィ匕合物等が挙げられる。
[0018] アクリル変性塩素化ポリプロピレン(a)は、例えば、スーパークロン 240H、スーパー クロン 223M (日本製紙 (株)製)、ハードレン B13 (東洋化成 (株)製)など、市販品と して入手可能である。
[0019] ウレタン榭脂 (b)
本発明におけるウレタン榭脂 (b)は、バインダー榭脂として用いられるものであって 、後述のウレタン榭脂粒子 (d)とは異なり、有機溶剤に可溶なものである。
[0020] ウレタン榭脂 (b)は、例えば、ポリオ一ルイ匕合物とポリイソシァネートイ匕合物とを反応 させること〖こよって得ることができる。
ポリオ一ルイ匕合物としては、破断伸度および破断強度が高!ヽウレタン榭脂を得るこ とができることから、ポリエステル系ポリオール化合物、ポリエーテル系ポリオ一ルイ匕 合物、ポリカーボネート系ポリオ一ルイ匕合物が好適に用いられる。
[0021] ポリエステル系ポリオール化合物としては、ポリカルボン酸と多価アルコールとのェ
ステル反応で得られるものが挙げられる。ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸 、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、メタコン酸、シトラコン酸
、ィタコン酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。これらは単独で、または 2種 以上を併せて用いることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコ ール、ジメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、 1, 6 へ キサジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロへキサ ンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、 N—アルキルジエタノールァミン、こ れらの多量体(2量体、 3量体等)などが挙げられる。これらは単独で、または 2種以上 併せて用いることができる。
[0022] ポリエーテル系ポリオール化合物としては、上記多価アルコールにエチレンォキシ ド、プロピレンォキシド、ブチレンォキシド、スチレンォキシド等のアルキレンォキシド を付加重合させることによって得られるものが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオ一ルイ匕合物としては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネ ートジオール、ポリへキサメチレンカーボネートジオール、ポリ 1, 4ーシクロへキサ ンメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
また、これらポリオ一ルイ匕合物は単独で、または 2種以上を併せて用いることができ る。
[0023] ポリイソシァネートイ匕合物としては、例えば、へキサメチレンジイソシァネート、メタキ シレンジイソシァネート、トリレンジイソシァネート、イソホロンジイソシァネート、 4, 4 メチレンビス(シクロへキシルイソシァネート)、ダイマー酸ジイソシァネート等の有機ジ イソィァネート、これらの化合物と多価アルコールとの反応生成物が挙げられる。これ らは単独で、または 2種以上を併せて用いることができる。
[0024] ウレタン榭脂 (b)の破断強度は、得られる塗膜の耐傷つき性の点から、 6MPa以上 であることが好ましい。また、ウレタン榭脂 (b)の破断伸度は、得られる塗膜の柔軟性 の点力も 800%以上であることが好ましい。ここで、破断強度および破断伸度は、ウレ タン榭脂単独力ら得られる膜厚 100 m程度のフィルムを、引っ張り試験機により 50 mm/minの速度で破断するまで引つ張り続けたときの物性値である。
[0025] ポリオールがポリエステル系であるウレタン榭脂(b)は、例えば、 KL494または KL
540B (荒 J 11化学 (株)製)、デスモラック 4340 (住友バイエル (株)製)などの市販品と して入手可能である。
ポリオールがポリエーテル系であるウレタン榭脂 (b)は、例えば、 KL422 (荒川化学 (株)製)などの市販品として入手可能である。
ポリオールがポリカーボネート系であるウレタン榭脂(b)は、例えば、 PU5715 (荒 川化学 (株)製)などの市販品として入手可能である。
[0026] 相溶化剤(c)
相溶化剤(c)は、枝に親水基モノマー力もなるポリマー、幹に疎水基モノマーから なるポリマーを有するアクリル系の櫛形ポリマーであり、塗膜中において海島構造を 構成し、塗料の安定性を向上させる。ここで、親水基モノマーは、上述のアクリル系単 量体、ビュル系榭脂のうち、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステ ル、アクリル酸、メタクリル酸などの親水性を有する単量体を主成分とするものであり、 疎水基モノマーは、上述のアクリル系単量体、ビュル系単量体のうち、アクリル酸また はメタクリル酸のアルキルエステル、スチレンなど疎水性を有する単量体を主成分と するものである。
また、相溶化剤(c)は、ガラス転移温度が 80〜: LOO°Cであることが好ましい。相溶 ィ匕剤 (c)のガラス転移温度が 80°C未満では、塗膜の耐油脂汚染性が低下する恐れ があり、 100°Cを超えると、得られる塗膜の破断伸度が低下する恐れがある。
相溶化剤(c)としては、例えば、レゼダ GC360、レゼダ GP310S (東亞合成 (株)製 )などが挙げられる。
[0027] ウレタン榭脂粒子 (d)
ウレタン榭脂粒子 (d)は、ウレタン榭脂を架橋したビーズ状のものであって、上述の ウレタン榭脂 (b)に比べ分子量が高ぐ有機溶剤に不溶のものである。
ウレタン榭脂粒子(d)の平均粒径は、 6〜 12 /z mであることが好ましい。平均粒径 力 m未満では、ウレタン榭脂粒子 (d)が塗膜の中に沈み込み、艷消しの効果が 低くなる恐れがあり、平均粒径が を超えると、塗膜にざらつきが生じ、また、摩 耗接点が大きくなることから、擦れなどによって塗膜から削り取られやすくなる。
[0028] ウレタン榭脂粒子(d)の 10%平均強度は、 0. 25-1. 50kgf/mm2であることが
好ましい。 10%平均強度が 0. 25kgfZmm2未満では、弾性不足して擦れなどによ つてつぶれやすくなり、その部分の塗膜の光沢が上昇する恐れがあり、 10%平均強 度が 1. 50kgfZmm2を超えると、塗膜が硬質化し、ウレタン榭脂粒子 (d)が削り取ら れやすくなる。
ここで、 10%平均強度とは、(株)島津製作所製、微小圧縮試験機 MCTM— 500 を用いた微粒子の圧縮試験によって測定される、粒子の径が 10%変形する時の加 重から求められる数値であり、 5回の測定の平均値で示される。
[0029] 市販の架橋ウレタン榭脂粒子には、超軟質、軟質、硬質、軟質と硬質との中間(中 硬度)のものがあり、 10%平均強度が 0. 25-1. 50kgfZmm2であるウレタン榭脂 粒子としては、中硬度のものがおおよそ該当する。このようなウレタン榭脂粒子 (d)と しては、例えば、アートパール CT630T、アートパール U600T (根上工業 (株)製)、 ノ ーノック CFB— 101—40 (大日本インキ化学工業 (株)製)などの市販品が例示で きる。
[0030] 艷消し塗料組成物
本発明の艷消し塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)、ウレタン榭 脂 (b)、および相溶化剤 (c)を含むバインダー榭脂と、ウレタン榭脂粒子 (d)とを含有 するものである。
[0031] 上記アクリル榭脂 (al)と、相溶化剤 (c)と、ウレタン榭脂 (b)との合計質量を 100質 量%とした場合、アクリル榭脂 (al)および相溶化剤 (c)の合計質量が 50〜65質量 %であり、ウレタン榭脂(b)の質量が 35〜50質量0 /0である。
アクリル榭脂 (al)および相溶化剤 (c)の合計が 50%質量未満では、つまり、ウレタ ン榭脂 (b)が 50質量%を超えると、得られる塗膜の耐油脂汚染性が低下する。アタリ ル榭脂 (al)および相溶化剤 (c)の合計が 65質量0 /0を超えると、つまりウレタン榭脂( b)が 35質量%未満では、得られる塗膜の破断強度、破断伸度が不十分となり、耐傷 つき性が低下する。
[0032] 上記ノインダー榭脂の質量を 100質量0 /0とした場合、塩素化ポリプロピレン (a2)の 質量が 10〜25質量%であり、そしてウレタン榭脂粒子(d)の質量が 25〜40質量部 である。
塩素化ポリプロピレン (a2)の量が 10質量0 /0未満では、ポリオレフイン素材への付着 性が不十分となり、塩素化ポリプロピレン (a2)の量が 25質量%を超えると、得られる 塗膜の耐油脂汚染性が低下する。
[0033] ウレタン榭脂粒子 (d)の量は、バインダー榭脂の合計 100質量部に対して、 25〜4 0質量部である。ウレタン榭脂粒子 (d)の量が 25質量部未満では、艷消し効果が不 十分となり目的の艷に達せず、ウレタン榭脂粒子 (d)の量が 40質量部を超えると、バ インダー榭脂との馴染みが低下し、塗膜の強度が低下する恐れがある。
相溶化剤 (c)の量は、アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)とウレタン榭脂 (b)と相 溶化剤(c)との合計(100質量%)中、 20〜40質量%であることが好ましい。
[0034] また、本発明の艷消し塗料組成物には、必要に応じて、塗面調整剤、流動性調整 剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料等を加え ても良い。
本発明の艷消し塗料組成物は、所望の固形分濃度と成るように有機溶剤と混合し て有機溶剤系塗料として用いられる。有機溶剤としては、通常の有機溶剤系塗料に 用いられる、アセトン、メチルェチルケトン、ジメチルェチルケトン等のケトン系溶剤; 酢酸ェチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;トルエン、キシレン、ナフサ等の炭化 水素系溶剤などが挙げられる。
[0035] 以上、説明した本発明の艷消し塗料組成物にあっては、以下の理由から得られる 塗膜の耐傷つき性が優れて 、る。
本発明の艷消し塗料組成物カゝら得られる塗膜においては、図 1に示すように塗膜 1 表面にウレタン榭脂粒子 (d) 2が偏在している。ここで、塗膜 1は、バインダー榭脂とし て破断強度の高いウレタン榭脂 (b)を含んでいるため、弾性を有している。よって、図 2に示すように、擦れなどによって塗膜 1に力が加わっても、その力が塗膜 1およびゥ レタン樹脂粒子 (d) 2の弾性により吸収され、ウレタン榭脂粒子 (d) 2が削り取られにく ぐまた、塗膜 1に傷が付きにくい。
[0036] また、ウレタン榭脂 (b)とウレタン榭脂粒子 (d)とは、同種の榭脂であり、親和力が高 いため、塗膜とウレタン榭脂粒子 (d)とは強く密着している。そして、ウレタン榭脂 (b) は破断伸度が高いので、得られる塗膜は伸びやすい。よって、擦れなどによってウレ
タン榭脂粒子に横方向の力が加わっても、ウレタン榭脂粒子 (d)と強く密着した塗膜 力 ウレタン榭脂粒子 (d)の動きに追随するように伸び、ウレタン榭脂粒子 (d)が削り 取られにくくなつている。
[0037] さらに、ウレタン榭脂 (b)およびウレタン榭脂粒子 (d)は、破断強度が高ぐ弾性を 有しているので、図 2に示すように、擦れなどによって加わる力によって塗膜 1および ウレタン榭脂粒子 (d) 2が凹み、その部分が傷となっても、図 3に示すように、弾性に よる復元力によってこれらの凹みが消え、傷が残りに《なる。結果として、傷の付きに くい塗膜となる。
[0038] また、本発明の艷消し塗料組成物にあっては、アクリル変性塩素化ポリプロピレン( a)を含んでいるので、ポリオレフイン素材への付着性に優れている。また、アクリル変 性塩素化ポリプロピレン (a)中のアクリル榭脂(al)と相溶化剤(c)によって、アクリル 変性塩素化ポリプロピレン (a)とウレタン榭脂 (b)との相溶性が高くなつて!/、るので、ゥ レタン樹脂 (b)の持つ高 ヽ破断強度および破断強度を得られる塗膜に十分に反映さ せることができ、塗膜の耐傷つき性を十分に発揮させることが出来る。
実施例 1
[0039] 以下、実施例を示して本発明を詳しく説明する。
本実施例で用いた各成分は以下の通りである。
[0040] アクリル変性塩素化ポリプロピレン (a)
スーパークロン 240H (日本製紙 (株)製、塩素含有率 4. 4質量%、固形分 30質量 %、質量平均分子量 7〜9万、アクリル榭脂 (al)含有量 80質量%、塩素化ポリプロピ レン (a2)含有量 20質量0 /0、アクリル榭脂 (al)の Tg 100°C)。
ハードレン B13 (東洋化成 (株)製、塩素含有量 16質量%、固形分 30質量%、質 量平均分子量 7〜9万、アクリル榭脂 (al)含有量 40質量%、塩素化ポリプロピレン( a2)含有量 60質量%、アクリル榭脂(al)の Tg60°C)。
[0041] ウレタン榭脂 (b)
KL494 (荒川化学 (株)製、ポリオールがポリエステル系、破断強度 14. 7MPa、破 断伸度 800%、固形分 30質量%、質量平均分子量 3万、 Tg- 10°C) o
相溶化剤 (c)
レゼダ GC360 (東亞合成 (株)製、アクリル系の櫛形ポリマー、固形分 45質量%、 質量平均分子量 2. 0〜2. 5万)。
ウレタン榭脂粒子 (d)
アートパール CT630T (根上工業 (株)製、平均粒径6〜8 111、平均 10%強度 0. 55kgfZ mm )。
[0042] 実施例 1
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (20質量0 /0)、 KL494 (35質量 %)、レゼダ GC360 (20質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (I)を得た。 クリア塗料 (I)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) +ゥ レタン樹脂(b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バイン ダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (I)の固形分(100質 量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 30質量部配合し 、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (I)を得た。
[0043] この艷消し塗料を炭化水素系溶剤で稀釈粘度 14秒 (フォードカップ FC4で測定) になるように稀釈し、塗装グレードのポリプロピレン (PP)榭脂板 (厚み 30mm)の表面 に、スプレーガン(ァネストイワタ W— 61)を用いて、塗膜の厚さが 20 mとなるように 塗装し、熱風強制乾燥炉にて 70°Cで 10分乾燥させ塗膜を形成した。
同様にして、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一(TPO)板(厚み 30mm)の表面に 塗膜を形成させた。
これら塗膜について、以下の評価を行った。結果を表 1に示す。
[0044] 60° グロス値
BYKマイクロトリグロス光沢計 (株式会社東洋精機製作所社製)を用いて、艷消し 塗膜表面の光沢 (60° ダロス)を測定した。なお、上述したように、艷消し塗膜の目標 光沢値を 1. 0とした。
塗膜外観
塗膜表面を目視にて観察し、以下の 2通りに評価した。
良好:塗膜表面にムラがなぐ艷消し感がある
ムラ:塗膜表面にムラがあり、艷消し感がない
付着性
塗装面にカッターで碁盤目(1mm間隔、 100マス)状に切り込みを入れ、セロハン テープを密着させ真上に引きはがしたときの剥がれ等を確認し、以下の 3通りに評価 した。なお、 PP素材に対する付着性と、 TPO素材に対する付着性とを評価した。 〇:欠け、剥がれが認められず
△:欠けが確認された
X:剥がれが確認された
[0045] 屈曲性
塗膜が形成された TPO板を、直径 10 φの金属棒に、塗装面が内側になるように卷 き付け、塗装面の割れを確認し、以下の 3通りに評価した。
〇:割れは認められず
△:わずかに割れが認められる
X:割れ (音を発する程)がはっきりと認められる
[0046] 耐傷つき性
摺動摩耗試験機を用いて、ガーゼを付けた摩耗子を塗装面にある一定荷重 (500 g/cm2 )にて押し付け、一定回数 (50回)往復摩耗させ、塗装面を目視し、その傷 の外観(目立ちにくさ)を以下の通り 3通りに評価した。また、試験前後とで塗装面の ダロスを測定し、試験前のダロスを 100%とした場合の試験後のグロスをグロス上昇 率として測定した。つまり、ダロス上昇率が高いほど傷つき、塗装表面が白くなつたこ とを意味する。
また、回復性も目視およびダロス上昇率で下記の通り評価した。
外観評価:
〇:傷は目立たず (ダロス上昇率: 130%以下)
△:傷は多少目立つ(ダロス上昇率: 160%以下)
X:傷が目立つ(ダロス上昇率: 160%超える)
回復性評価:
〇:塗膜には十分な弾性復元力があり、元に戻る
(ダロス上昇率: 120%以下)
△:塗膜には弾性復元力があり、元に戻る
(ダロス上昇率: 150%以下)
X:塗膜には弾性復元力がなぐ塗膜表面に凹状の傷が残る
(ダロス上昇率: 160%を越える)
[0047] 耐油脂汚染性
塗装面に油脂類 (例えば牛脂など)を塗布後、恒温試験機にて一定温度、時間で 加温したのちに、塗装表面を目視にて観察し、以下の通り 3通りに評価した。これによ り、油脂類に対する塗膜付着性の優劣を評価した。
〇:塗装面に異常はない
△:塗装面に欠けが発生した
X:塗装面に剥がれが発生した
[0048] 比較例 1
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (18質量0 /0)、 KL494 (52質量 %)、レゼダ GC360 (5質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固形 分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (II)を得た。 クリア塗料 (Π)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 60Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (II)の固形分(100質 量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 30質量部配合し 、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (Π)を得た。実施例 1と同様にして評価を行つ た。結果を表 1に示す。
[0049] 比較例 2
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (20質量0 /0)、 KL494 (29質量 %)、レゼダ GC360 (26質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (III)を得た。
クリア塗料 (ΠΙ)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 30Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (III)の固形分(100質 量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 30質量部配合し 、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (III)を得た。結果を表 1に示す。
[0050] 比較例 3
スーパークロン 240H (20質量0 /0)、ハードレン B13 (9質量0 /0)、 KL494 (42質量 %)、レゼダ GC360 (29質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (IV)を得た クリア塗料 (IV)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 8質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (IV)の固形分(100 質量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 30質量部配合 し、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (IV)を得た。結果を表 1に示す。
[0051] 比較例 4
スーパークロン 240H (5質量0 /0)、ハードレン B13 (50質量0 /0)、 KL494 (30質量 %)、レゼダ GC360 (15質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (V)を得た クリア塗料 (V)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 30質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (V)の固形分(100質 量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 30質量部配合し 、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (V)を得た。結果を表 1に示す。
[0052] 比較例 5
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (20質量0 /0)、 KL494 (35質量 %)、レゼダ GC360 (20質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (VI)を得た クリア塗料 (VI)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (VI)の固形分(100 質量部)に対し、軟質ウレタン榭脂粒子 (アートパール C800、根上工業 (株)製、ウレ タン榭脂粒子、 10%平均強度 =0. 024kgfZmm2)を 30質量部配合し、デイスパー で十分攪拌し、艷消し塗料 (VI)を得た。結果を表 1に示す。
[0053] 比較例 6
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (20質量0 /0)、 KL494 (35質量 %)、レゼダ GC360 (20質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (VII)を得た クリア塗料 (VII)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (VII)の固形分(100 質量部)に対し、硬質アクリル榭脂粒子 (アートパール G800、根上工業 (株)製、ァク リル榭脂粒子、 10%平均強度 = 2. 50kgfZmm2)を 30質量部配合し、デイスパー で十分攪拌し、艷消し塗料 (VII)を得た。結果を表 1に示す。
[0054] 比較例 7
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (20質量0 /0)、 KL494 (35質量 %)、レゼダ GC360 (20質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20質量%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (VIII)を得
た。
クリア塗料 (vm)において、ウレタン榭脂 (b)Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) +ウレタン榭脂(b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン(a2)は、バ インダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (VIII)の固形分(100 質量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 20質量部配合 し、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (vm)を得た。結果を表 1に示す。
[0055] 比較例 8
スーパークロン 240H (25質量0 /0)、ハードレン B13 (20質量0 /0)、 KL494 (35質量 %)、レゼダ GC360 (20質量0 /0)をデイスパーにより十分攪拌し、バインダー榭脂固 形分が 20%になるように、トルエンで稀釈調整を行ない、クリア塗料 (IX)を得た。 クリア塗料 (IX)において、ウレタン榭脂 (b) Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) + ウレタン榭脂 (b) ] (質量比)は、 40Z100であり、塩素化ポリプロピレン (a2)は、バイ ンダー榭脂固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、クリャ塗料 (IX)の固形分(100 質量部)に対し、中硬度ウレタン榭脂粒子 (アートパール CT630T)を 45質量部配合 し、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (IX)を得た。結果を表 1に示す。
[0056] 比較例 9
市販のクリア塗料であるブラネット PP— 7 (オリジン電気 (株)製)を用意した。
この塗料において、ウレタン榭脂 (b) Z [アクリル榭脂 (al) +相溶化剤 (c) +ウレタ ン榭脂 (b) ] (質量比)は、 0Z100であり、塩素化ポリプロピレンは、バインダー榭脂 固形分 (100質量%)中、 15質量%であった。
この塗料に、 60° ダロスの目標値である 1. 0を達成するように、艷消し剤として榭 脂粒子の代わりに体質顔料を配合し、デイスパーで十分攪拌し、艷消し塗料 (X)を 得た。結果を表 1に示す。
[表 1]
実施例 比較例
1 1 2 3 4 5 6 7 8 9
(al ) + (c) + (b)の合計(100質量 中
ウレタン樹脂 (b) (質量 %) 40 60 30 40 40 40 40 40 40 0 了クリル樹脂 (al) +相溶化剤(C) (質量 ¾) 60 40 70 60 60 60 60 60 60 100 バインダ一樹脂(loo質量!)中
塩素化ポリプロピレン(a2) (質量%) 15 15 15 8 30 15 15 15 15 15 バインダ一樹脂 100質量部に対して
中硬度ァクリル樹脂粒子(質量部) 30 30 30 30 30 20 45 軟質ァクリル樹脂粒子(質量部) 30
硬質ァクリル樹脂粒子(質量部) 30
60° グロスィ直 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 3. 0 0. 5 1. 0 塗膜外観 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 ムラ 良好 良好
PP素材 〇 X 〇 X 〇 〇 〇 〇 〇 〇 付着性
TPO素材 〇 〇 Δ X 〇 X 〇 〇 Δ X 屈曲性 〇 〇 X △ 〇 〇 Δ 〇 Δ X 外観 n 〇 Δ 〇 〇 Δ X A Δ X 耐傷つき性
回復性 〇 〇 厶 〇 〇 Δ X Δ 〇 X 耐油脂汚染性 PP素材 〇 X 〇 X X 〇 〇 '、ソ X 〇
産業上の利用可能性
本発明の艷消し塗料組成物は、ポリオレフイン素材に対する付着性に優れ、これか ら得られる塗膜が耐傷付き性に優れ、艷消し効果を長期間維持できるので、ポリオレ フィン素材力 なる自動車内装材の艷消し処理に好適に用いることができる