JP2005330349A - 塗料用樹脂組成物、それを用いた塗料及び塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗料用樹脂組成物、それを用いた塗料及び塗装仕上げ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 貯蔵安定性、密着性、耐アルコール性、耐ガソリン性、耐アルカリ性に優れ、環境負荷が少ない低圧霧化ガンによるエアースプレー塗装でも優れた仕上がり外観が得られる塗料の調製に用いられる塗料用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 重量平均分子量が50,000〜150,000、分散度が2.0〜5.0、軟化温度が40℃以下、塩素含有率が20〜30重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と有機溶媒との存在下で、(b1)カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体及び(b2)不飽和二重結合を有する重合性単量体を必須成分として含む重合性単量体混合物(B)を重合して得られる塩素化ポリオレフィン系重合体(C)を含有してなる塗料用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、未処理の難塗装性ポリオレフィン素材であるポリプロピレン(以下、PPと略すことがある)樹脂に塗装可能な塗料用樹脂組成物に関する。また、本発明は、この塗料用樹脂組成物を用いた塗料、及び、これを用いた塗装仕上げ方法に関する。
近年、自動車、家庭電化製品、事務用機器、その他種々の産業分野において低コスト化、リサイクル化、その他の目的からポリオレフィン等の合成樹脂が使用されている。特に近年では、自動車分野を中心にPP素材等のポリオレフィン素材が多く使用されている。また、自動車、家庭電化製品、事務用機器等の分野では装飾仕上げのためにアルミニウム顔料やマイカ顔料等のメタリック顔料を含むメタリック塗料を塗装した部品が広く使用されている。
このように使用されているメタリック塗料は、メタリック顔料を規則正しく配向させて金属調の意匠性を発現させるために、通常、メタリック塗料を有機溶剤で多量に希釈し、エアースプレーによって高圧で塗装されるため、大気に排出される有機溶剤量が非常に多くなることや、被塗物に塗着しない廃塗料も多く発生し、環境負荷の原因の一つとされている。そのため近年では塗料の塗着効率を飛躍的に向上させ、有機溶剤の大気への排出量の削減と廃塗料削減を目的とした低圧霧化型のエアースプレーの使用が望まれている。しかし、従来の塩素化ポリオレフィン系樹脂を用いたメタリック塗料(例えば、特許文献1を参照。)では低圧霧化型のエアースプレーを使用した場合、メタリック顔料が不規則に配列して目的とする金属調の意匠性が得られない。また、形成される塗膜の耐久性を向上させる目的で、イソシアネート化合物を配合する二液硬化型塗料を用いることもある(例えば、特許文献2を参照)。しかし二液硬化型塗料ではコストが高くなることや、可使時間に制限があるなどの問題があるため、低コストで一液型の塗料が強く要求されている。
特許第1819079号明細書 特許第1645730号明細書
本発明は、貯蔵安定性、密着性、耐アルコール性、耐ガソリン性、耐アルカリ性に優れ、環境負荷が少ない低圧霧化ガンによるエアースプレー塗装でも優れた仕上がり外観が得られる塗料と、それに好適に用いられる塗料用樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、この塗料を用いる塗装仕上げ方法を提供することを目的とする。
本発明は、重量平均分子量が50,000〜150,000、分散度が2.0〜5.0、軟化温度が40℃以下、塩素含有率が20〜30重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)及び有機溶媒の存在下で、
(b1)カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体及び
(b2)不飽和二重結合を有する重合性単量体
を必須成分として含む重合性単量体混合物(B)を重合して得られる塩素化ポリオレフィン系重合体(C)を含有してなる塗料用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記の塗料用樹脂組成物と、メタリック顔料及び/又は着色顔料とを含有することを特徴とする塗料に関する。
また、本発明は、上記の塗料用樹脂組成物とメタリック顔料及び/又は着色顔料とを配合してなる塗料を1コート1ベーク仕上げ用の塗料として被塗布物に塗布し、乾燥することを特徴とする塗装仕上げ方法に関する。
本発明の塗料用樹脂組成物は、貯蔵安定性、密着性、耐アルコール性、耐ガソリン性、耐アルカリ性に優れ、環境負荷が少ない低圧霧化ガンによるエアースプレー塗装でも優れた仕上がり外観が得られるポリプロピレン素材に塗装可能な1コート1ベーク用塗料に好適である。
本発明の塗料用樹脂組成物に含有される塩素化ポリオレフィン系重合体(C)は、(b1)カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体及び(b2)不飽和二重結合を有する重合性単量体を必須成分として含む重合性単量体混合物(B)を、重量平均分子量が50,000〜150,000、分子量分布の分散度(重量平均分子量/数平均分子量、ただし、重量平均分子量及び数平均分子量は、各々、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値)が2.0〜5.0、軟化温度が40℃以下、塩素含有率が20〜30重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)及び有機溶媒の存在下で重合させることによって得られるものである。
本発明における重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値)が50,000〜150,000、分散度が2.0〜5.0、軟化温度が40℃以下、塩素含有率が20〜30重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)(以下、(A)成分と略することがある)としては、例えば、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン樹脂、ウレタン変性塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
(A)成分の重量平均分子量は50,000〜150,000であり、50,000〜130,000であることが好ましく、70,000〜130,000であることがより好ましい。(A)成分の重量平均分子量が50,000未満であると、得られる塗膜の耐溶剤性が低下する傾向にあり、150,000を超えると得られる塗膜の仕上がり外観が著しく低下する。
また、(A)成分の分子量分布の分散度は2.0〜5.0であり、2.5〜5.0であることが好ましい。分散度が2.0未満では、(A)成分を製造することが困難であり、分散度が5.0を超えると得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性と得られる塗膜の耐溶剤性が低下する傾向にある。
また、(A)成分の軟化温度は40℃以下であり、0〜40℃であることが好ましい。軟化温度が40℃を超えると、得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性と得られる塗膜の仕上がり外観が著しく低下する。
本明細書において、軟化温度は、「熱分析装置DSC」「Seiko Instrument Inc.製品」を用いて測定した値を指称するというものである。
また、(A)成分の塩素含有率は20〜30重量%であり、22〜27重量%であることが好ましい。塩素含有率が20重量%未満では得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にあり、30重量%を超えると得られる塗膜の耐溶剤性が低下する傾向にある。
塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)の塩素含有率は目的とする種々の塗膜性能を考慮して、上記範囲内で適宜定められる。なお、本明細書において、塩素含有率は燃焼法によって測定された値である。
本発明に用いられる重合性単量体混合物(B)は、(以下、(B)成分と略することがある。)、(b1)カルボキシル基と不飽和二重結を有する重合性単量体(以下、(b1)成分と略することがある。)、(b2)不飽和二重結合を有する重合性単量体(以下、(b2)成分と略することがある。)を必須成分として含有するものである。
(b1)成分は、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。重合性単量体混合物(B)中のカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)の配合割合は0.1〜4重量%であることが好ましく、0.1〜3.0重量%であることがより好ましく、0.5〜2.0重量%であることが更に好ましい。前記(b1)成分は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(b2)成分は、不飽和二重結合を有する重合性単量体であり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記(b2)成分の中では、得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性、塗膜の仕上がり外観、耐溶剤性等の点から、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸トリシクロアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸トリシクロアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類以上の重合性単量体を使用することが好ましい。
前記(b2)成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。これらの(b2)成分の使用量は重合性単量体混合物(B)中96.0〜99.9重量%とすることが好ましく、97.0〜99.5重量%とすることがより好ましく、98〜99.5重量%であることが更に好ましい。
本明細書において、ガラス転移温度は、「熱分析装置DSC」「Seiko Instrument Inc.製品」を用いて測定した値を指称するというものである。
本発明の塗料用樹脂組成物中の塩素化ポリオレフィン系重合体(C)は、前記したように、塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と有機溶媒との存在下で前記重合性単量体混合物(B)を重合させることにより、得られるものである。
塩素化ポリオレフィン系重合体(C)の製造にあたり、(A)成分の配合量比率は、得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性と得られる塗膜のポリオレフィン素材に対する密着性、仕上がり外観、耐溶剤性の点から、(A)成分と(B)成分の総量100重量%に対して比率で1〜20重量%とすることが好ましく、1〜15重量%とすることがより好ましく、1〜10重量%とすることが更に好ましい。(A)成分の配合量が1重量%未満であると得られる塗料用樹脂組成物のポリオレフィン素材に対する密着性が低下する傾向があり、20重量%を越えると、得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する傾向がある。
塩素化ポリオレフィン系重合体(C)の製造にあたり、(B)成分の配合量は、ポリオレフィン素材に対する仕上がり外観、耐溶剤性のバランスの点から、(A)成分と(B)成分の総量100重量%に対して80〜99重量%とすることが好ましく、85〜99重量%とすることがより好ましく、90〜99重量%とすることが更に好ましい。この配合量が80重量%未満であると、得られる塗料用樹脂組成物の耐溶剤性、塗装性が低下する傾向にあり、99重量%を越えると、得られる塗膜のポリオレフィン素材に対する密着性が低下する傾向にある。
本発明において、(A)成分と有機溶媒との存在下で(B)成分を重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
前記ラジカル重合方法において、有機溶媒としては、例えば、芳香族系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒等を使用することができる。芳香族系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル等が挙げられ、アルコール系溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独又は2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塩素化ポリオレフィン系重合体(C)の製造にあたり用いられる有機溶媒の使用量は、通常、得られる塩素化ポリオレフィン系重合体100重量部あたり、有機溶媒40〜70重量部とすることが好ましく、50〜60重量部とすることがより好ましい。
また、前記ラジカル重合法において、重合開始剤として、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
重合開始剤の使用量は、得られる塩素化ポリオレフィン系重合体の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、(B)成分の重合に使用される重合性単量体混合物(B)の総量に対し、0.1〜5重量%とすることが好ましい。また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる
反応温度は、70〜140℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。反応時間は、1〜10時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。反応圧力は、特に制限はなく、通常、常圧下で行われる。
塩素化ポリオレフィン系重合体(C)は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値)が10,000〜70,000であることが好ましく、20,000〜60,000であることがより好ましく、20,00〜50,000であることが更に好ましい。重量平均分子量が10,000未満では得られる塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性、ポリオレフィン素材に対する密着性が低下する傾向にあり、70,000を超えると得られる塗膜仕上がり外観が著しく低下する傾向がある。。
塩素化ポリオレフィン系重合体(C)は、ガラス転移温度が60℃〜120℃の範囲内であることが好ましく、80℃〜100℃の範囲内であることがより好ましい。60℃未満では乾燥性、耐溶剤性が著しく低下する傾向があり、120℃を超える場合は、ポリオレフィン素材に対する密着性が低下する傾向がある。
本発明の塗料用樹脂組成物は、塩素化ポリオレフィン系重合体(C)の製造に用いた有機溶媒をそのまま含有していてもよい。また、必要に応じて、さらに有機溶媒が添加されていてもよい。例えば、本発明の塗料用樹脂組成物が有機溶媒を含有している場合、そのまま、或いは、更に有機溶媒を添加して塗料用樹脂組成物の粘度を塗布に最適な粘度にすることにより、そのまま無色のクリヤー塗料として用いてもよい。
本発明の塗料用樹脂組成物は、必要に応じて、メタリック顔料、無機顔料や有機顔料の着色顔料を含有するものであってよい。メタリック顔料としては、例えばアルミ粉、マイカ粉等が挙げられ、無機顔料としては、例えば、チタン白、カーボンブラック等が挙げられ、有機顔料としては、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等が挙げられる。これらのメタリック顔料、無機顔料、有機顔料等を含有させる方法としては、例えば、通常の顔料分散方法を利用することができる。これらを用いる場合、本発明の塗料用樹脂組成物中、総量で0.5〜60重量%とすることが好ましく、5〜50重量%とすることがより好ましい。
また、本発明の塗料用樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤、例えば、可塑剤、塗膜強化用樹脂、顔料分散剤、顔料沈降防止剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、だれ止め剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、樹脂ビーズ等を塗料化の際又は塗料化後に添加することも可能である。これら各種添加剤を用いる場合、塗料用樹脂組成物中、総量で0.1〜5.0重量%とすることが好ましく、0.2〜3.0重量%とすることがより好ましい。
さらに、本発明に係る塗装仕上げ方法は、本発明の塗料用樹脂組成物とメタリック顔料及び/又は着色顔料を配合してなる塗料を、塗料を1コート1ベーク(1C−1B)方式で仕上げ用の塗料として被塗布物に塗布し、乾燥させて塗膜を形成せしめるというものである。
本発明に係る塗料用樹脂組成物又はそれを用いた塗料は、通常の塗装方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗装に際しては、例えば、エアスプレー塗装機、エアレススプレー塗装機、静電塗装機、ロールコーター塗装機、浸漬、ハケ等を用いて塗装することができる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、ポリオレフィン系の成型品、シート、フィルム等におけるポリオレフィン素材などに直接塗装するために供することができ、クリヤー塗料、エナメル塗料、メタリック塗料等としても使用することができる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、ポリオレフィン素材等の被塗布物に塗布後、室温〜150℃で1〜60分間加熱乾燥することが好ましい。加熱することで乾燥時間を短縮することができる。加熱乾燥条件は、基材の変形温度等を考慮して適宜選択される。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を示す。
[実施例1〜3]
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた四つ口フラスコには塩素化ポリプロピレン樹脂溶液(商品名、スーパークロン803LT、日本製紙ケミカル(株)製、塩素含有率27重量%、樹脂固形分30重量%のトルエン溶液、樹脂の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値57,000、分散度4.8、熱分析装置DSCによる軟化温度15℃)16.7重量部及びトルエン50重量部を仕込み、110℃に加熱した。その後、表1に示す配合割合で(b1)、(b2)成分とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5重量部を均一溶解した混合物を調整し、同温度で保温しながら2時間で滴下し、その後同温度で1時間保温した。さらに、トルエン10重量部にt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3重量部を均一に溶解し、その後同温度で保温しながら前記四つ口フラスコに30分かけて滴下し、その後同温度で1時間保温した。そして、前記四つ口フラスコを70℃まで冷却してトルエンで45重量%に調整して塗料用樹脂組成物(R−1)〜(R−3)を得た。各原料の使用量、塗料用樹脂組成物中の塩素化ポリオレフィン系重合体のガラス転移温度及び重量平均分子量を、表1に示す。
Figure 2005330349
※1):日本製紙ケミカル(株)製、商品名スーパークロン803LT(塩素含有率27%、樹脂固形分30重量%のトルエン溶液、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値57,000、分散度4.8、熱分析装置DSCによる軟化温度15℃)
[比較例]
比較例1〜3
各成分を表2に示す配合割合で配合した以外は、前記実施例1〜3に記載された方法に従い、樹脂組成物(R−4)〜(R−6)を得た。各原料の使用量、塗料用樹脂組成物中の塩素化ポリオレフィン系重合体のガラス転移温度及び重量平均分子量を、表2に示す。
Figure 2005330349
※1):日本製紙ケミカル(株)製、商品名スーパークロン803LT(塩素含有率27%、樹脂固形分30重量%のトルエン溶液、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値57,000、分散度4.8、熱分析装置DSCによる軟化温度15℃)
※2):日本製紙ケミカル(株)製、商品名スーパークロン832L(塩素含有率27%、樹脂固形分30重量%のトルエン溶液、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値49,000、分散度5.6、熱分析装置DSCによる軟化温度5.6℃と85.7℃)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた塗料用樹脂組成物(R−1)〜(R−6)を用いたメタリック塗料の作製
前記実施例1〜3で得られた塗料用樹脂組成物(R−1)〜(R−3)及び比較例1〜3で得られた塗料用樹脂組成物(R−4)〜(R−6)を用い、得られた塗料用樹脂組成物100重量部と、アルミペースト(商品名 MH8801、旭化成(株)製)7重量部及びダレ止め剤(商品名 ディスパロン6900−20X、楠本化成(株)製)2重量部を分散混合してシンナー(メチルエチルケトン/酢酸エチル/トルエン/キシレン/ソルベッソ100=10/15/25/20/30の重量比で混合した溶液)で、フォードカップ#4で12〜13秒/20℃になるように希釈してメタリック塗料とした。
(塗膜試料の作製)
前記実施例1〜3で得られた塗料用樹脂組成物(R−1)〜(R−3)及び比較例1〜3で得られた塗料用樹脂組成物(R−4)〜(R−6)を用いて調製された上記メタリック塗料を、表面処理が施されていないポリオレフィン成型板(PP成型板、パルテック(株)製)に乾燥膜厚が10〜15μmとなるように低圧霧化ガン(アネスト岩田(株)製 LHP−100−124LVG型)を用いてスプレー塗装し、その後室温で7分間放置した。その後、70℃で20分乾燥し、得られた塗膜試料の性能を評価した。
(評価)
下記方法に従い、得られたメタリック塗料の貯蔵安定性、塗膜試料の塗膜の密着性(初期密着及び温水処理後の密着性)、仕上がり外観、耐アルコール性、耐ガソリン性、耐アルカリ性の評価結果を表3、表4に示した。
Figure 2005330349
Figure 2005330349
(貯蔵安定性)
容量50mlのガラス容器にメタリック塗料を入れ、−5℃、室温及び50℃の雰囲気で1ヶ月間保存する。その後、メタリック塗料の状態を目視で観察した。
(仕上がり外観)
得られた塗膜試料を色差計(日本電色(株)製)により明度(L値)を測定し、下記基準で評価した。
L値85以上 :◎仕上がり外観が非常に良好
L値80〜84 :○仕上がり外観が良好
L値75〜79 :△仕上がり外観が劣る
L値74以下 :×仕上がり外観が著しく劣る
(密着性(初期密着性))
JIS K−5400のゴバン目試験方法に従った。塗膜上にナイフで2mm間隔で縦横各10本の線を引いて100個のゴバン目を作製し、その上にセロファンテープを接着させ、テープを剥がし、塗膜上に残存するゴバン目の数を測定し、下記基準で評価した。
100/100 :○密着性が良好
51〜99/100 :△密着性がやや劣る
50/100以下 :×密着性が著しく劣る
(耐水性(温水処理後の密着性))
得られた塗膜試料を40℃の温水に48時間浸漬させた後、前記初期密着性の評価方法に従って密着性を評価した。
100/100 :○密着性が良好
51〜99/100 :△密着性がやや劣る
50/100以下 :×密着性が著しく劣る
(耐水性(温水処理後の塗膜外観))
◎ :異状なし
○ : 僅かにブリスタあり
△ :ブリスタあり
× :白化及びブリスタあり
(耐アルコール性)
得られた塗膜試料の塗膜の上にエタノールを滴下し、直ぐに滴下したエタノールをガーゼで拭き取り、塗膜外観を下記基準で評価した。
◎:痕跡なし
○:僅かに痕跡あり
△:塗膜が膨潤する
×:塗膜が溶解する或いはクラックが発生する
(耐ガソリン性)
得られた塗膜試験片の塗膜の上に日石レギュラーガソリンを滴下し、直ぐに滴下したガソリンをガーゼで拭き取り、塗膜外観を下記基準で評価した。
◎:痕跡なし
○:僅かに痕跡あり
△:塗膜が膨潤する
×:塗膜が溶解する或いはクラックが発生する
(耐アルカリ性)
得られた塗膜試験片の塗膜の上に0.1N−NaOH水溶液を2ml滴下し、8h放置後滴下した0.1N−NaOH水溶液をガーゼで拭き取り、塗膜外観を下記基準で評価した。

◎:痕跡なし
○:僅かに痕跡あり
△:塗膜が白化する
×:塗膜が溶解する

Claims (3)

  1. 重量平均分子量が50,000〜150,000、分散度が2.0〜5.0、軟化温度が40℃以下、塩素含有率が20〜30重量%の塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)と有機溶媒との存在下で、
    (b1)カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体及び
    (b2)不飽和二重結合を有する重合性単量体
    を必須成分として含む重合性単量体混合物(B)を重合して得られる塩素化ポリオレフィン系重合体(C)を含有してなる塗料用樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の塗料用樹脂組成物と、メタリック顔料及び/又は着色顔料とを含有することを特徴とする塗料。
  3. 請求項2記載の塗料を1コート1ベーク仕上げ用の塗料として被塗布物に塗布し、乾燥することを特徴とする塗装仕上げ方法。
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