JP4540873B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性、塗膜硬度、耐酸性に優れた2液ウレタン系塗料組成物に適したポリイソシアネート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車塗装に代表される高性能、高意匠性塗料系において、顔料を含む着色ベースコート上に塗装されるトップコートクリアー塗料はメラミン系硬化剤を含む焼き付けアクリル塗料が一般に使用されていた。
しかしながら、上記アクリルメラミン系塗料は耐酸性雨性に劣り、硬化温度が高く、そのため多くの提案がなされている。ポリオールとポリイソシアネートを含むウレタン系塗料に関する提案がある。例えば、特開昭60−13859号公報、特表平6−510087号公報では、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)及びIPDI(イソホロンジイソシアネート)から得られるポリイソシアネートを混合した硬化剤のウレタン系塗料が記載されている。これらの技術は塗膜硬度に優れ良好な耐酸性のある塗膜を形成するが、更なる硬化性の向上が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた硬化性と塗膜硬度が得られる硬化剤組成物およびそれを用いたウレタン系塗料組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み検討を進めた結果、特定のポリイソシアネートを硬化剤とするウレタン塗料組成物を用いることにより課題を解決しうることを見出し、本願発明に到った。
即ち、本発明は下記の通り。
1.下記成分1)、2)を含むことを特徴とする、ポリイソシアネート組成物。
1)脂肪族ジイソシアネートと3価ポリエステルポリオールから環状3量化反応によって誘導される下記(1)から(3)をすべて満足するポリイソシアネート
(1)イソシアネート基平均数が4.5〜20
(2)ジイソシアネートモノマー濃度 1wt%以下
(3)粘度 5000〜100000mPa・s/25℃
2)脂環族ジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート型ポリイソシアネート
【0005】
2.脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートと脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとの質量混合割合が、10/90〜90/10であることを特徴とする、1.記載のポリイソシアネート組成物。
3.ポリオールと1.又は2.に記載のポリイソシアネート組成物を含むことを特徴とする、塗料組成物。
【0006】
以下本発明を詳述する。
本発明に用いる脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4〜30のものが、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、HDI、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートとしては炭素数8〜30のものが好ましく、脂環族ジイソシアネートとしてはイソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることが出来る。なかでも、耐候性、工業的入手の容易さから、HDI、IPDIが好ましい。
【0007】
脂肪族ジイソシアネートはオリゴマー化されポリイソシアネートとなる。オリゴマー化の方法により、ポリイソシアネートはビウレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレタン結合、アロファネート結合、オキサジアジントリオン結合等を含むことができる。中でも、環状3量化により生成するイソシアヌレート結合は耐熱、耐候性に優れ好ましい。
脂肪族ジイソシアネートの環状3量化の前、或いは同時に脂肪族ジイソシアネートとアルコールを反応させることがイソシアネート基平均数(統計的数平均分子量1分子当たりのイソシアネート基の数)の高いポリイソシアネートを得るために好ましい。
そのアルコールとしては、低分子量ポリオールと高分子量ポリオールがある。低分子量ポリオールとしてはジオール類、トリオール類、テトラオール類などがある。
【0008】
ジオール類としては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどがあり、
【0009】
トリオール類としては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパンなどがあり、テトラオール類としては、例えばペンタエリトリトールなどがある。高分子量ポリオールとしてはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどがある。
【0010】
ポリエステルポリオールとしては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、低分子量ポリオールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール及び例えばε−カプロラクトンを低分子量ポリオールで開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。特にポリカプロラクトン類が耐候性などから好ましい。
【0011】
これらのポリエステルポリオールは芳香族ジイソシアネート、脂肪族、脂環族ジイソシアネートまたはこれらから得られるポリイソシアネートで変成することができる。この場合、特に脂肪族、脂環族ジイソシアネートまたはこれらから得られるポリイソシアネートを用いることが耐候性、耐黄変性などから好ましい。
【0012】
ポリエーテルポリオール類としては、低分子量ポリオールの単独または混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒、金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体などの複合金属シアン化合物錯体などを使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を低分子量ポリオールにランダムあるいはブロック付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン類等のポリアミン化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
【0013】
前記低分子量ポリオールとしては、前記に加え、
▲1▼ 例えばジクリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなど
▲2▼ 例えばエリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコール系化合物
▲3▼ 例えばアラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
▲4▼ 例えばトレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオースなどの二糖類、
▲5▼ 例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類
▲6▼ たとえはスタキオースなどの四糖類
などがある。
ポリオールの添加割合は脂肪族ジイソシアネートに対して1〜20wt%が好ましい。
【0014】
環状3量化反応は触媒を用いて行うことができる。そのための触媒として、一般に塩基性物質が好ましく、例えば下記がある。
1)トリメチルヒドロキシアンモニウム、トリエチルヒドロキシアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなどの4級アンモニウムやそれらの有機弱酸塩
2)酢酸、カプロン酸などのアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛などのアルキル金属塩
3)ナトリウム、カリウムなどの金属アルコラート
4)ヘキサメチルジサラザンなどのアミノシリル基含有化合物
触媒濃度は、通常、ジイソシアネートに対して10ppm〜5wt%の範囲から選択される。
【0015】
反応は溶媒を用いて行うこともできる。溶媒を用いる場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶媒を用いるべきである。
反応温度は通常20〜160℃、好ましくは40〜130℃である。反応終点は、後述するアルコールによりことなるが、収率は30%以上、75%以下となる。反応が目的の収率に達したならば、例えば、スルホン酸、リン酸、リン酸エステルなどの酸性物質により触媒を失活させ、反応を停止する。
未反応ジイソシアネートおよび溶媒を薄膜蒸発器、抽出などにより除去し、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートを得ることができる。
【0016】
得られたポリイソシアネート中の未反応ジイソシアネート濃度は1wt%以下であり、好ましくは0.5wt%が好ましい。低いジイソシアネート濃度は環境衛生的に好ましいばかりでなく、硬化性の点でも好ましい。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は5000〜100000mPa・sであり、好ましくは5000〜50000mPa・sである。イソシアネート基平均数は4.5〜20、好ましくは4.5〜15である。さらに好ましくは5.0〜12である。
イソシアネート基の反応性は同じであっても、このようなイソシアネート基平均数の範囲が高度な架橋性(硬化性)を実現できる。反応率が同じであっても、高いイソシアネート基平均数の架橋性は優れている。
【0017】
脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートは、ビウレット結合、ウレタン結合、イソシアヌレート結合を含むことができる。イソシアヌレート結合は耐熱性、耐候性に優れているので好ましい。前記ポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は 硬化性、粘度から2.5〜4.0が好ましい。
【0018】
本発明は、イソシアネート基平均数の高いことに由来する硬化性の優れた脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートと塗膜硬度を向上させるための脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを混合することにより、硬化性、硬度の優れたポリイソシアネート組成物を見出すことにより完成した。高いイソシアネート基平均数のポリイソシアネートは、ポリオールとの反応が進むに従い、イソシアネート基の運動性が低下し、加えて高硬度成分であるIPDI由来のポリイソシアネートとの混合は、さらに運動性を低下させ、反応性が劣ると予想されていたことを考えると、本発明の組成物が硬化性、塗膜硬度に優れていることは、驚くべきことである。
【0019】
前記脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートと脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートの質量混合割合は10/90〜90/10、好ましくは25/75〜75/25である。この範囲が、硬化性と塗膜硬度のバランスが優れている。
ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤により常温不活性化し、熱硬化性硬化剤としても使用できる。この場合のブロック剤としては、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物等があり、2種以上を併用しても良い。
【0020】
この様に調整された硬化剤組成物とポリオールを配合し、塗料組成物となる。このポリオールとしては例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどがある。ポリエステルポリオールとしては前記の高分子量ポリエステルポリオールなどがあり、アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つアクリル酸エステル、またはグリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステルの群から選ばれた単独または混合物とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つメタクリル酸エステル、またはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステルの群から選ばれた単独または混合物とを必須成分とし、
【0021】
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のその他重合性モノマーの群から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存在下において重合させて得られるアクリルポリオールが挙げられる。
【0022】
これらポリオールの物性は目的に応じ種々選択しうるが、好ましくは数平均分子量700〜50,000の有機溶剤溶解性または水溶性のものが使用でき、高固形分濃度達成のためには数平均分子量700〜10,000がより好ましく、高固形分を優先する場合は、数平均分子量700〜5、000のものが更に好ましい。
また、上記平均分子量にこだわることなく、水酸基を含有する被膜形成性樹脂の非水溶媒系分散体(いわゆるノンアクアスディスパージョン、NAD)やカルボキシル基のアミン塩等の親水基を有する水溶体、水分散体(いわゆる水溶解型、エマルジョン、またはラテックス)も好適に用いられる。
【0023】
これら主剤ポリオールの水酸基価は10〜500mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は−50℃〜+80℃程度の範囲から選択されるのが好ましい。また、必要に応じて酸価を持つことができる。
本発明のポリイソシアネート組成物とポリオールの混合は、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基とポリオールの水酸基の当量比率で決定される。前記イソシアネート基と水酸基の当量比率は5/1〜1/5が好ましく、より好ましくは5/3〜3/5、更に好ましくは5/4〜4/5である。
【0024】
上記の主剤ポリオール成分と硬化剤ポリイソシアネート成分に加え、必要に応じて有機溶剤等の媒体で希釈され2液型または1液型のウレタン系塗料組成物となる。これら塗料組成物は通常の、溶剤、塗料添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化促進剤、粘性制御剤等を添加可能である。
【0025】
溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどのエステル類、ブタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサなどの炭化水素類などの群から目的及び用途に応じて適宜選択して使用することができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。酸化防止剤、例えばヒンダードフェノール、ホスファイト等、紫外線吸収剤、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、光安定剤例えばヒンダードアミン等、硬化促進剤、例えば錫、亜鉛、鉛等のカルボン酸等の有機金属化合物、アミン化合物、粘性制御剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物等を添加してもよい。
【0026】
これらの塗料組成物は顔料を含むベースコート塗膜上に塗装される、特に新車トップコートクリアとして有効である。このベースコート塗膜を形成するベースコート塗料組成物は酸化チタン、カーボンブラック等の無機またはインジゴ、キナクリドン等の有機着色顔料やアルミ、マイカ等の光輝顔料を含有し、被膜形成樹脂としては例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の単独または混合物から構成され、硬化剤としては例えばメラミン系硬化剤、(ブロック)ポリイソシアネート系硬化剤等を含有する。近年、環境保護の観点からこのベースコート層の水系化が進行しているが、本発明の塗料組成物はこの水性ベースコート上への塗装にも、硬化性、硬度に優れるため、好適に対応可能であり優れた実施態様といえる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。部はすべて質量部である。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−802A
カラム:東ソー(株)G1000HXL×1本
G2000HXL×1本
G3000HXL×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
【0028】
(未反応モノマー濃度)
前記GPC測定で得られる未反応ジイソシアネート相当の分子量(例えばHDIであれば168)のピークの濃度をその面積%で表した。
(粘度の測定)
E型粘度計(トキメック社製VISCONIC ED型)を用いて、25℃で測定した。
(塗膜硬度測定)
ケーニッヒ硬度をBYK Chemie社Pendulum Hardness Testerを用いて20℃で測定した。50未満を×、50以上70未満をを○、70以上を◎として表した。
【0029】
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトン中に20℃、24時間浸漬後、未溶解部分質量の浸漬前質量に対する値を計算し、80%未満の場合は×、80%以上90%未満の場合は○、90%以上の場合は◎で表した。
【0030】
【製造例1】
(本発明実施例に用いる脂肪族ポリイソシアネートの製造)攪拌機、温度計、環流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、3価アルコールであるポリエステルポリオール(ダイセル化学の商品名「プラクセル303」数平均分子量300)60部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃で1時間保持した。その後反応器内反応液温度60℃に保持し、環状3量体化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを0.03部添加した。収率が63wt%になった時点で、リン酸添加し反応を停止した。反応液を濾過した後、薄膜蒸留器で未反応ジイソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネート25℃における粘度は31000mPa・s、イソシアネート基濃度は17.5wt%、、未反応モノマー濃度0.3wt%であった。数平均分子量は1820であり、イソシアネート基平均数は7.6であった。
【0031】
【製造例2】
(比較例に用いる脂肪族ポリイソシアネートの製造)
攪拌機、温度計、環流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部を仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持し、環状3量体化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを0.06部添加した。収率が20wt%になった時点で、リン酸添加し反応を停止した。反応液を濾過した後、薄膜蒸留器で未反応ジイソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネート25℃における粘度は1350mPa・s、イソシアネート基濃度は23.2wt%、、未反応モノマー濃度0.3wt%であった。数平均分子量は580であり、イソシアネート基平均数は3.2であった。
【0032】
【実施例1】
製造例1のポリイソシアネート21部とIPDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート(クレアノバ社の商品名 VESTANATE T1890E、樹脂分濃度70wt%、樹脂分イソシアネート基濃度17.1wt%、イソシアネート基平均数3.2)30部を混合した。更にアクリルポリオール(AKZONOBEL社のSetalux1767、樹脂分濃度65wt%、樹脂分水酸基価150KOHmg/g)100部、溶剤ソルベッソ100(エクソン化学の商品名)63部を添加し、樹脂濃度50wt%した。
アプリケーターによりポリプロピレン板およびガラス板状に乾燥膜厚50μmになるように塗装した。室温で20分セッティング後、オーブン中で80℃、30分間焼き付けた。
ゲル分率は○、硬度は◎であった。結果を表1に示す。
【0033】
【実施例2〜3】
表1に示す以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1〜3】
表1に示す以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明により、優れた硬化性、塗膜硬度、耐酸性を実現しうる硬化剤組成物およびこれを用いた塗料組成物を提供できる。
Claims (3)
- 下記成分1)、2)を含むことを特徴とする、ポリイソシアネート組成物。
1)脂肪族ジイソシアネートと3価ポリエステルポリオールから環状3量化反応によって誘導される下記(1)から(3)をすべて満足するポリイソシアネート
(1)イソシアネート基平均数が4.5〜20
(2)ジイソシアネートモノマー濃度 1wt%以下
(3)粘度 5000〜100000mPa・s/25℃
2)脂環族ジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート型ポリイソシアネート - 脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートと脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとの質量混合割合が、10/90〜90/10であることを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
- ポリオールと請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物を含むことを特徴とする、塗料組成物。
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