JP4539551B2 - 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4539551B2
JP4539551B2 JP2005365910A JP2005365910A JP4539551B2 JP 4539551 B2 JP4539551 B2 JP 4539551B2 JP 2005365910 A JP2005365910 A JP 2005365910A JP 2005365910 A JP2005365910 A JP 2005365910A JP 4539551 B2 JP4539551 B2 JP 4539551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication terminal
electrode
communication
registered
ticket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005365910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007172103A (ja
Inventor
義人 石橋
文夫 久保野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2005365910A priority Critical patent/JP4539551B2/ja
Priority to US11/607,986 priority patent/US7922084B2/en
Priority to SG200608605-2A priority patent/SG133522A1/en
Priority to TW095147201A priority patent/TW200725483A/zh
Priority to CN2006101686146A priority patent/CN1988406B/zh
Priority to KR1020060130865A priority patent/KR20070065837A/ko
Publication of JP2007172103A publication Critical patent/JP2007172103A/ja
Priority to HK07109297.4A priority patent/HK1101460A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP4539551B2 publication Critical patent/JP4539551B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • H04B5/48
    • GPHYSICS
    • G07CHECKING-DEVICES
    • G07CTIME OR ATTENDANCE REGISTERS; REGISTERING OR INDICATING THE WORKING OF MACHINES; GENERATING RANDOM NUMBERS; VOTING OR LOTTERY APPARATUS; ARRANGEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS FOR CHECKING NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • G07C9/00Individual registration on entry or exit
    • G07C9/20Individual registration on entry or exit involving the use of a pass
    • G07C9/27Individual registration on entry or exit involving the use of a pass with central registration
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B13/00Transmission systems characterised by the medium used for transmission, not provided for in groups H04B3/00 - H04B11/00
    • GPHYSICS
    • G07CHECKING-DEVICES
    • G07CTIME OR ATTENDANCE REGISTERS; REGISTERING OR INDICATING THE WORKING OF MACHINES; GENERATING RANDOM NUMBERS; VOTING OR LOTTERY APPARATUS; ARRANGEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS FOR CHECKING NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • G07C9/00Individual registration on entry or exit
    • G07C9/00174Electronically operated locks; Circuits therefor; Nonmechanical keys therefor, e.g. passive or active electrical keys or other data carriers without mechanical keys
    • G07C2009/00753Electronically operated locks; Circuits therefor; Nonmechanical keys therefor, e.g. passive or active electrical keys or other data carriers without mechanical keys operated by active electrical keys
    • G07C2009/00809Electronically operated locks; Circuits therefor; Nonmechanical keys therefor, e.g. passive or active electrical keys or other data carriers without mechanical keys operated by active electrical keys with data transmission through the human body

Description

本発明は、情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、駅などの改札口における検札完了後に、コンテンツを提供することができるようにした情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
従来、送信装置と通信媒体及び受信装置から成る通信システムにおいて、通信信号を伝達するための物理的な通信信号伝達経路と、その通信信号の高低差を判定するための基準点を送信装置と受信装置の間で共有するための、通信信号伝達経路とは別の物理的な基準点経路を設けることで通信を成していた。
例えば、特許文献1や特許文献2では、人体を通信媒体とする通信技術に関して記述されており、いずれの方法においても、人体を第1の通信路とする以外に、大地や、空間における電極間同士の直接的静電結合を第2の通信路として設け、第1の通信路と第2の通信路からなる全体の通信経路が閉回路を形成するように成されている。
しかしながら、このような通信システムにおいては、送信装置と受信装置間で、通信信号伝達経路と基準点経路(第1の通信路と第2の通信路)の2つの通信路を、閉回路として設ける必要があるが、両経路は異なる経路であるため、これら2つの経路を安定的に両立しなければいけないことが、通信を行うための利用環境の制約となる恐れがあった。
例えば、基準点経路における送信装置と受信装置との静電結合の強さは、装置間の距離に依存するので、その距離によって経路の安定度も異なってくる。つまり、この場合、通信の安定度が送信装置と受信装置との間の距離に依存する恐れがあった。また、送信装置と受信装置との間の遮蔽物等の存在によっても、通信の安定度が変化する恐れがあった。
したがって、通信信号伝達経路と基準点経路の2つの経路を閉回路として形成する通信方法では、利用環境が大きく通信の安定度に影響するため、安定した通信を行うことが困難であった。
特開平10−229357号公報 特表平11−509380号公報
以上説明したように、人体を通信媒体とする通信技術は未確立ではあるものの、その利用方法について現在様々な分野への適用が検討されている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、今後実用化されるであろう人体を通信媒体とする通信技術を、検札を行う駅などの改札システムに適用して、検札後に、コンテンツの配信を速やかに実行できるようにするものである。
本発明の第1の側面の情報処理システムは、改札ゲートに設置される第1の電極を介して通信を行う第1の情報処理装置と、前記第1の電極と人の進退方向に並んで設置される第2の電極を介して通信を行う第2の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて、前記第1の情報処理装置および前記第2の情報処理装置は、前記改札ゲートを通過する人が装着している通信端末であり、人体を含む誘電体を通信媒体として通信する前記通信端末と通信し、認証処理を行う認証手段と、前記認証手段により認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行う検札処理手段と、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録する登録手段と前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のID登録されているか否かを判定するID判定手段と、前記ID判定手段により前記通信端末のID登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された定期購読情報に基づいて、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う配信手段とを備え、前記改札ゲートに前記第1の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
本発明の第1の側面の情報処理方法は、改札ゲートに設置される第1の電極を介して通信を行う第1の情報処理装置と、前記第1の電極と人の進退方向に並んで設置される第2の電極を介して通信を行う第2の情報処理装置からなる情報処理システムの情報処理方法において、前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のID登録されているか否かを判定し、前記通信端末のID登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
本発明の第2の側面の情報処理装置は、改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置において、前記改札ゲートを通過する人が装着している通信端末であり、人体を含む誘電体を通信媒体として通信する前記通信端末と通信し、認証処理を行う認証手段と、前記認証手段により認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行う検札処理手段と、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録する登録手段と、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが前記登録手段により登録されているか否かを判定するID判定手段と、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された定期購読情報に基づいて、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う配信手段とを備え、前記改札ゲートに前記第1の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
本発明の第2の側面の情報処理方法は、改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置の情報処理方法において、前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う。
本発明の第2の側面のプログラムは、改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う処理を行わせる。
本発明の第1の側面においては、改札ゲートに第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、第1の情報処理装置により、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信され、認証処理が行われ、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理が行われ、前記検札処理が行われた前記通信端末のID と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵が登録される。そして、第2の情報処理装置により、第2の電極を介して、前記通信端末と通信され、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かが判定され、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報が取得され、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理が行われる。また、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置により、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信され、認証処理が行われ、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理が行われ、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵が登録される。そして、前記第1の情報処理装置により、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信され、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かが判定され、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報が取得され、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理が行われる
本発明の第2の側面においては、改札ゲートに第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信され、認証処理が行われ、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理が行われ、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵が登録される。そして、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かが判定され、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報が取得され、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理が行われる。また、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信され、認証処理が行われ、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理が行われ、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵が登録される。そして、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かが判定され、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報が取得され、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理が行われる。
ネットワークとは、少なくとも2つの装置が接続され、ある装置から、他の装置に対して、情報の伝達をできるようにした仕組みをいう。ネットワークを介して通信する装置は、独立した装置どうしであってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックどうしであってもよい。
また、通信とは、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信、すなわち、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われるようなものであってもよい。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行われるようなものであってもよい。
本発明によれば、人体を通信媒体とする通信技術を、改札システムに適用し、検札完了後に、迅速にコンテンツを提供することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明の第1の側面の情報処理システム(例えば、図48の改札システム1500)は、改札ゲートに設置される第1の電極を介して通信を行う第1の情報処理装置(例えば、図48の信号処理装置1501)と、前記第1の電極と人の進退方向に並んで設置される第2の電極を介して通信を行う第2の情報処理装置(例えば、図48の信号処理装置1502)からなる情報処理システムにおいて、前記第1の情報処理装置および前記第2の情報処理装置は、前記改札ゲートを通過する人が装着している通信端末(例えば、図34のユーザデバイス1100)であり、人体を含む誘電体を通信媒体として通信する前記通信端末と通信し、認証処理を行う認証手段(例えば、図49の認証処理部1071)と、前記認証手段により認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行う検札処理手段(例えば、図49の入場情報設定部1074)と、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録する登録手段(例えば、図49のデバイスID登録部1525)と前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のID登録されているか否かを判定するID判定手段(例えば、図50のデバイスID検索部1543)と、前記ID判定手段により前記通信端末のID登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得する情報取得手段(例えば、図50の定期購読判定部1081)と、前記情報取得手段により取得された定期購読情報に基づいて、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う配信手段(例えば、図50のコンテンツ配信部1083)とを備え、前記改札ゲートに前記第1の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
本発明の第1の側面の情報処理方法は、改札ゲートに設置される第1の電極を介して通信を行う第1の情報処理装置と、前記第1の電極と人の進退方向に並んで設置される第2の電極を介して通信を行う第2の情報処理装置からなる情報処理システムの情報処理方法において、前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い(例えば、図40のステップS21)、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い(例えば、図40のステップS27)、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し(例えば、図51のステップS214)、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のID登録されているか否かを判定し(例えば、図52のステップS233)、前記通信端末のID登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し(例えば、図41のステップS41)、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い(例えば、図41のステップS46)、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
本発明の第2の側面の情報処理装置は、改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置(例えば、図35の信号処理装置1011)において、前記改札ゲートを通過する人が装着している通信端末(例えば、図34のユーザデバイス1100)であり、人体を含む誘電体を通信媒体として通信する前記通信端末と通信し、認証処理を行う認証手段(例えば、図37の認証処理部1071)と、前記認証手段により認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行う検札処理手段例えば、図37の入場情報設定部1074)と、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録する登録手段(例えば、図37のデバイスID登録部1056)と、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが前記登録手段により登録されているか否かを判定するID判定手段(例えば、図37のデバイスID検索部1054)と、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得する情報取得手段(例えば、図37の定期購読判定部1081)と、前記情報取得手段により取得された定期購読情報に基づいて、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う配信手段(例えば、図37のコンテンツ配信部1083)とを備え、前記改札ゲートに前記第1の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
本発明の第2の側面の情報処理方法またはプログラムは、改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置の情報処理方法またはプログラムにおいて、前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い(例えば、図40のステップS21)、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い(例えば、図40のステップS27)、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵をを登録し(例えば、図39のステップS15)、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し(例えば、図39のステップS13)、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し(例えば、図41のステップS41)、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い(例えば、図41のステップS46)、前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の基礎となる通信システムの構成例を示す図である。
図1において、通信システム100は、送信装置110、受信装置120、および通信媒体130により構成され、送信装置110と受信装置120が通信媒体130を介して信号を送受信するシステムである。つまり、通信システム100において、送信装置110より送信された信号は、通信媒体130を介して伝送され、受信装置120により受信される。
送信装置110は、送信信号電極111、送信基準電極112、および送信部113を有している。送信信号電極111は、通信媒体130を介して伝送させる信号を送信するための電極であり、信号の高低差を判定するための基準点を得るための電極である送信基準電極112よりも通信媒体130に対して静電結合が強くなるように設けられる。送信部113は、送信信号電極111と送信基準電極112との間に設けられ、これらの電極間に受信装置120へ伝達したい電気信号(電位差)を与える。
受信装置120は、受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123を有している。受信信号電極121は、通信媒体130を介して伝送される信号を受信するための電極であり、信号の高低差を判定するための基準点を得るための電極である受信基準電極122よりも通信媒体130に対して静電結合が強くなるように設けられる。受信部123は、受信信号電極121と受信基準電極122との間に設けられ、これらの電極間に生じた電気信号(電位差)を所望の電気信号に変換し、送信装置110の送信部113で生成された電気信号を復元する。
通信媒体130は、電気信号を伝達可能な物理的特性を有する物質、例えば、導電体や誘電体等により構成される。例えば、通信媒体130は、金属に代表される導電体(例えば、銅、鉄、またはアルミ等)により構成される。また例えば、通信媒体130は、純水、ゴム、ガラス、若しくは食塩水等の電解液、または、これらの複合体である人体等の誘電体により構成される。この通信媒体130はどのような形状であってもよく、例えば、線状、板状、球状、角柱、または円柱等、任意の形状であってもよい。
このような通信システム100において、最初に、各電極と、通信媒体または装置周辺空間との関係について説明する。なお、以下において、説明の便宜上、通信媒体130が完全導体であるものとする。また、送信信号電極111と通信媒体130との間、および、受信信号電極121と通信媒体130との間には空間が存在し、電気的な結合はないものとする。すなわち、送信信号電極111または受信信号電極121と、通信媒体130との間には、それぞれ、静電容量が形成される。
また、送信基準電極112は送信装置110周辺の空間に向くように設けられており、受信基準電極122は受信装置120周辺の空間に向くように設けられている。一般的に、導体が空間に存在する場合、その導体の表面近傍の空間に静電容量が形成される。例えば、導体の形状を半径r[m]の球としたとき、その静電容量Cは、以下の式(1)のように求められる。
Figure 0004539551
式(1)において、πは円周率を示す。また、εは当該導体を取り囲む空間の誘電率を示し、以下の式(2)のように求められる。
Figure 0004539551
ただし、式(2)において、ε0は、真空中の誘電率を示し、8.854×10-12[F/m]である。また、εrは比誘電率を示し、真空の誘電率ε0に対する比率を示す。
上述した式(1)に示されるように半径rが大きい程、静電容量Cは大きくなる。なお、球以外の複雑な形状の導体の静電容量Cの大きさは、上述した式(1)のように、簡単に表現することはできないが、その導体の表面積の大きさに応じて変化することは明らかである。
以上のように、送信基準電極112は、送信装置110周辺の空間に対して静電容量を形成し、受信基準電極122は、受信装置120周辺の空間に対して静電容量を形成する。すなわち、送信装置110および受信装置120の外部の仮想無限遠点からみたとき、送信基準電極112や受信基準電極122の電位は固定的であり、変動しにくいことを示している。
次に、通信システム100における通信の仕組みの原理について説明する。なお、以下において、説明の便宜上、または前後関係等から、コンデンサを単に静電容量と表現する場合もあるが、これらは同意である。
また、以下において、図1の送信装置110と受信装置120は、装置間が十分な距離を保つように配置されており、相互の影響を無視できるものとする。また、送信装置110において、送信信号電極111は通信媒体130とのみ静電結合し、送信基準電極112は送信信号電極111に対して十分な距離が置かれ、相互の影響は無視できる(静電結合しない)ものとする。同様に、受信装置120において、受信信号電極121は通信媒体130とのみ静電結合し、受信基準電極122は受信信号電極121に対して十分な距離が置かれ、相互の影響は無視できる(静電結合しない)ものとする。さらに、実際には、送信信号電極111、受信信号電極121、および通信媒体130も、空間内に配置されている以上、それぞれ空間に対する静電容量を有することになるが、ここでは、説明の便宜上、それらを無視できるものとする。
図2は、図1の通信システム100を等価回路で表した図である。通信システム200は、通信システム100を等価回路で表したものであり、実質的に通信システム100と等価である。
すなわち、通信システム200は、送信装置210、受信装置220、および接続線2230を有しているが、この送信装置210は図1に示される通信システム100の送信装置110に対応し、受信装置220は図1に示される通信システム100の受信装置120に対応し、接続線230は図1に示される通信システム100の送信媒体130に対応する。
図2の送信装置210において、信号源213−1および送信装置内基準点213−2は、図1の送信部113に対応する。信号源213−1は、送信用の信号として、特定周期ω×t[rad]の正弦波を生成する。ここで、t[s]は時間を示す。また、ω[rad/s]は角周波数を示し、以下の式(3)のように表すことができる。
Figure 0004539551
式(3)において、πは円周率、f[Hz]は信号源213−1が生成する信号の周波数を示す。送信装置内基準点213−2は、送信装置210内における回路のグランドに接続される点である。つまり信号源213の端子の一方は、送信装置210内における回路の、所定の基準電位に設定される。
Cte214は、コンデンサであり、図1の送信信号電極111と通信媒体130との間の静電容量を表すものである。つまり、Cte214は、信号源213−1の送信装置内基準点213−2と反対側の端子と、接続線230との間に設けられている。また、Ctg215は、コンデンサであり、図1の送信基準電極112の空間に対する静電容量を表すものである。Ctg215は、信号源213−1の送信装置内基準点213−2側の端子と、空間上の、送信装置110を基準とした無限遠点(仮想点)を示す基準点216との間に設けられている。
図2の受信装置220において、Rr223−1、検出器223−2、および受信装置内基準点223−3は、図1の受信部123に対応する。Rr223−1は、受信信号を取り出すための負荷抵抗(受信負荷)であり、増幅器により構成される検出器223−2は、このRr223−1の両側の端子間の電位差を検出して増幅する。受信装置内基準点223−3は、受信装置220内における回路のグランドに接続される点である。つまりRr223−1の端子の一方(検出器223−2の入力端子の一方)は、受信装置220内における回路の、所定の基準電位に設定される。
なお、検出器223−2が、さらに、例えば、検出した変調信号を復調したり、検出された信号に含まれる符号化された情報を復号したりする等、その他の機能を備えるようにしてもよい。
Cre224は、コンデンサであり、図1の受信信号電極121と通信媒体130との間の静電容量を表すものである。つまり、Cre224は、Rr223−1の受信装置内基準点223−3と反対側の端子と、接続線230との間に設けられている。また、Crg225は、コンデンサであり、図1の受信基準電極122の空間に対する静電容量を表すものである。Crg225は、Rr223−1の受信装置内基準点223−3側の端子と、空間上の、受信装置120を基準とした無限遠点(仮想点)を示す基準点226との間に設けられている。
接続線230は、完全導体である通信媒体130を表している。なお、図2の通信システム200において、Ctg215とCrg225は、等価回路上、基準点216と基準点226を介して、互いに電気的に接続されているように表現されているが、実際には、これらは互いに電気的に接続されている必要はなく、それぞれが、送信装置210または受信装置220周辺の空間に対して静電容量を形成していればよい。つまり、基準点216と基準点226が電気的に接続されている必要はなく、互いに独立であってもよい。
なお、導体があれば、周囲の空間に対して、必ずその表面積の大きさに比例した静電容量が形成される。つまり、例えば、送信装置210と受信装置220は、互いにどんなに離れていてもよい。例えば、図1の通信媒体130が完全導体である場合、接続線230の導電率は無限大とみなせるので、接続線230の長さは通信に影響しない。なお、通信媒体130が導電率の十分な導体であれば、実用上、送信装置と受信装置間との距離は通信の安定性に影響しない。
通信システム200において、信号源213−1、Rr223−1、Cte214、Ctg215、Creコンデンサ224、およびCrg225から成る回路が形成されている。直列接続された4つのコンデンサ(Cte214、Ctg215、Creコンデンサ224、およびCrg225)の合成容量Cxは以下の式(4)で表すことができる。
Figure 0004539551
また、信号源213−1が生成する正弦波vt(t)を、以下の式(5)のように表す。
Figure 0004539551
ここで、Vm[V]は信号源電圧の最大振幅電圧を表しており、θ[rad]は初期位相角を表している。つまり、信号源213−1による電圧の実効値Vtrms[V]は以下の式(6)のように求めることができる。
Figure 0004539551
回路全体での合成インピーダンスZは、次の式(7)のように求めることができる。
Figure 0004539551
つまり、Rr223−1の両端に生じる電圧の実効値Vrrmsは式(8)のように求めることができる。
Figure 0004539551
従って、式(8)に示されるように、Rr223−1の抵抗値が大きい程、また、静電容量Cxが大きく、信号源213−1の周波数f[Hz]が高い程、1/((2×π×f×Cx)2)の項が小さくなり、Rr223−1の両端に、より大きな信号を生じさせることができる。
例えば、送信装置210の信号源213−1による電圧の実効値Vtrmsを2[V]に固定し、信号源213−1が生成する信号の周波数fを1[MHz]、10[MHz]、または100[MHz]とし、Rr223−1の抵抗値を10K[Ω]、100K[Ω]、または1M[Ω]とし、回路全体の静電容量Cxを0.1[pF]、1[pF]、または10[pF]としたときの、Rr223−1の両端に生じる電圧の実効値Vrrmsの計算結果は図3に示される表250のようになる。
表250に示されるように、実効値Vrrmsの計算結果は、その他の条件が同じ場合、周波数fが1[MHz]のときよりも10[MHz]のときの方が大きくなり、受信負荷であるRr253−1の抵抗値が10K[Ω]のときよりも1M[Ω]の時のほうが大きくなり、静電容量Cxが0.1[pF]のときよりも10[pF]の時のほうが大きな値をとる。すなわち、周波数fの値、Rr253−1の抵抗値、および静電容量Cxが大きいほど、大きな実効値Vrrms得られる。
また、表250より、ピコファラド以下の静電容量でも、Rr223−1には電気信号が発生することが分かる。すなわち、伝送される信号の信号レベルが微小な場合、受信装置220の検出器223−2によって検出した信号を増幅する等すれば、通信が可能となる。
次に、以上に示した等価回路の通信システム200の各パラメータの算出例を、図4を参照して具体的に説明する。図4は、通信システム100の物理的な構成による影響も含めて演算例を説明するための図である。
図4に示される通信システム300は、図1の通信システム100に対応するシステムであり、図2の通信システム200に通信システム100の物理的な構成に関する情報を付加したものである。つまり、通信システム300は、送信装置310、受信装置320、および通信媒体330を有している。図1の通信システム100と対比して説明すると、送信装置310は送信装置110に対応し、受信装置320は受信装置120に対応し、通信媒体330は、通信媒体130に対応する。
送信装置310は、送信信号電極111に対応する送信信号電極311、送信基準電極112に対応する送信基準電極312、および送信部113に対応する信号源313−1を有している。つまり、信号源313−1の両側の端子の一方に送信信号電極311が接続され、他方に送信基準電極312が接続されている。送信信号電極311は、通信媒体330に近接するように設けられている。送信基準電極312は、通信媒体330に影響されない程度に通信媒体330から離されて設けられており、送信装置310の外部の空間に対して静電容量を有するように構成されている。なお、図2においては、送信部113には、信号源213−1および送信装置内基準点213−2が対応するように説明したが、図4の場合、説明の便宜上、この送信装置内基準点は省略している。
受信装置320も、送信装置310の場合と同様に、受信信号電極121に対応する受信信号電極321、受信基準電極122に対応する受信基準電極322、および受信部123に対応するRr323−1および検出器323−2を有している。つまり、Rr323−1の両側の端子の一方に受信信号電極321が接続され、他方に受信基準電極322が接続されている。受信信号電極321は、通信媒体330に近接するように設けられている。受信基準電極322は、通信媒体330に影響されない程度に通信媒体330から離されて設けられており、受信装置320の外部の空間に対して静電容量を有するように構成されている。なお、図2において受信部123には、Rr223−1、検出器223−2、および受信装置内基準点223−3が対応するように説明したが、図4の場合、説明の便宜上、この受信装置内基準点は省略している。
なお、通信媒体330は、図1や図2の場合と同様に完全導体であるものとする。送信装置310と受信装置320は、互いに十分な距離をおいて配置されており、相互の影響は無視できるものとする。また、送信信号電極311は通信媒体330とのみ静電結合している。また、送信基準電極312は送信信号電極311に対して十分な距離をおいて配置されており、相互の影響は無視できるものとする。同様に、受信信号電極321は通信媒体330とのみ静電結合している。また、受信基準電極322は受信信号電極321に対して十分な距離をおいて配置されており、相互の影響は無視できるものとする。なお厳密には、送信信号電極311、受信信号電極321、および通信媒体330は、空間に対する静電容量を有するが、ここでは、説明の便宜上、これらについて無視できるものとする。
図4に示されるように、通信システム300において、通信媒体330の一方の端に送信装置310が配置され、もう一方の端に受信装置320が配置されている。
送信信号電極311と通信媒体330の間には距離dte[m]の間隔があるものとする。また、送信信号電極311が、片面の表面積がSte[m2]である導体円板とすると、通信媒体330との間で形成される静電容量Cte314は次の式(9)のように求めることができる。
Figure 0004539551
式(9)は、平行平板の静電容量として一般に知られている算出式である。なお、式(9)は平行平板の面積が同じ場合に成立する算出式であるが、平行平板の面積が異なる場合において適用しても大きく結果を損ねることがないので、式(9)を用いることにする。上式で、εは誘電率を示すが、いま、通信システム300は空気中に置かれているものとすると、比誘電率εrはほぼ1とみなせるので、誘電率εは、真空における誘電率ε0と等価とみなすことができる。送信信号電極316の表面積Steを2×10-3[m2](直径約5[cm])とし、間隔dteを5×10-3[m](5[mm])として、静電容量Cte314を求めると、以下の式(10)のようになる。
Figure 0004539551
なお、実際の物理現象として上述した式(9)が厳密に成立するのは、Ste>>dteの関係を満足している場合であるが、ここでは、式(9)で近似できるものとする。
次に、送信基準電極312と空間から成る静電容量Ctg315について説明する。一般に、半径r[m]の円板が空間に置かれていた場合、その円板と空間との間に形成される静電容量C[F]は次の式(11)で求めることができる。
Figure 0004539551
送信基準電極312が半径rtg=2.5×10-2[m](半径2.5[cm])の導体円板であるとすると、送信基準電極317と空間から成る静電容量Ctg315は、上述した式(11)を用いて、次の式(12)のように求められる。なお、通信システム300は空気中に置かれ、その空間の誘電率は真空の誘電率ε0で近似できるものとする。
Figure 0004539551
受信信号電極321の大きさを送信信号電極311と同じとし、通信媒体330との間隔も同じとすれば、受信信号電極321と通信媒体330から成る静電容量Cre324は、送信側と同じく3.5[pF]となる。また、受信基準電極322の大きさを送信基準電極312と同じとすれば、受信基準電極322と空間から成る静電容量Crg325は、送信側と同じく1.8[pF]となる。以上から、Cte314、Ctg315、Cre324、およびCrg325の4つの静電容量から成る合成静電容量Cxは上述した式(4)を用いて次の式(13)のように求めることができる。
Figure 0004539551
なお、より厳密には、
Cx=0.525 [pF]
となる。
信号源313−1の周波数fを1[MHz]とし、電圧の実効値Vtrmsを2[V]とし、Rr323−1を100K[Ω]とすると、Rr323−1の両端に生じる電圧Vrrmsは、以下の式(14)のように求めることができる。
Figure 0004539551
以上の結果から、基本原理として、空間と成す静電容量を利用することによって、送信装置から受信装置への信号の受け渡しが可能である。
以上において説明した送信基準電極や受信基準電極の空間に対する静電容量は、各電極の位置に空間が存在すれば形成可能である。従って、上述した送信装置および受信装置は、通信媒体によって送信信号電極と受信信号電極が結合されていれば、互いの距離に依存せずに通信の安定性を得ることができる。
次に、実際に本通信システムを物理的に構成する場合について説明する。図5は、以上において説明した通信システムの、実際に物理的に構成する場合における、システム上に発生する各パラメータの演算用モデルの例を示す図である。
つまり、通信システム400は、送信装置410、受信装置420、および通信媒体430を有しており、上述した通信システム100(通信システム200および通信システム300)に対応するシステムであり、評価するパラメータが異なるだけで、その構成は、通信システム100乃至通信システム300と基本的に同様である。
つまり、通信システム300と対比して説明すると、送信装置410は送信装置310に対応し、送信装置410の送信信号電極411は送信信号電極311に対応し、送信基準電極412は送信基準電極312に対応し、信号源431−1は信号源331−1に対応する。また、受信装置420は受信装置320に対応し、受信装置420の受信信号電極421は受信信号電極321に対応し、受信基準電極422は受信基準電極322に対応し、Rr423−1はRr323−1に対応し、検出器423−2は検出器323−2に対応する。さらに、通信媒体430は通信媒体330に対応する。
また、パラメータについて説明すると、送信信号電極411と通信媒体430との間の静電容量Cte414は通信システム300のCte314に対応し、送信基準電極412の空間に対する静電容量Ctg415は通信システム300のCtg315に対応し、送信装置410からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点416−1は通信システム300の基準点316に対応する。また、送信信号電極411は、面積Ste[m2]の円盤状の電極であり、通信媒体430から微小距離dte[m]だけ離れた位置に設けられる。送信基準電極412も円盤状の電極であり、その半径は、rtg[m]である。
受信装置420側では、受信信号電極421と通信媒体430との間の静電容量Cre424は通信システム300のCre324に対応し、受信基準電極422の空間に対する静電容量Crg425は通信システム300のCrg325に対応し、受信装置420からの空間上の仮想的な無限遠点を示す基準点426−1は通信システム300の基準点326に対応する。また、受信信号電極421は、面積Sre[m2]の円盤状の電極であり、通信媒体430から微小距離dre[m]だけ離れた位置に設けられる。受信基準電極422も円盤状の電極であり、その半径は、rrg[m]である。
図5の通信システム400は、以上のパラメータに加えて、以下のような新たなパラメータが追加されたモデルである。
例えば、送信装置410については、送信信号電極411と送信基準電極412との間に形成される静電容量Ctb417−1、送信信号電極411と空間との間に形成される静電容量Cth417−2、および、送信基準電極412と通信媒体430との間に形成される静電容量Cti417−3が新たなパラメータとして追加されている。
また、受信装置420については、受信信号電極421と受信基準電極422との間に形成される静電容量Crb427−1、受信信号電極421と空間との間に形成される静電容量Crh427−2、および、受信基準電極422と通信媒体430との間に形成される静電容量Cri427−3が新たなパラメータとして追加されている。
さらに、通信媒体430については、通信媒体430と空間との間に形成される静電容量Cm432が新たなパラメータとして追加されている。また、実際には、通信媒体430は、その大きさや材質等によって電気抵抗を有するので、その抵抗成分として抵抗値Rm431およびRm433が新たなパラメータとして追加されている。
なお、図5の通信システム400においては省略されているが、通信媒体が導電性だけでなく、誘電性を有する場合には、その誘電率に従った静電容量も併せて形成される。また、通信媒体に導電性がなく、誘電性のみで形成される場合には、送信信号電極411と受信信号電極421の間に、誘電体の誘電率、距離、大きさ、配置で決まる静電容量で結合されることになる。
また、ここでは、送信装置410と受信装置420が、互いに静電結合的な要素が無視できる程度に距離が離れている場合(送信装置410と受信装置420との間の静電結合の影響を無視することができる場合)を想定している。仮に、距離が近い場合には、上述した考え方に従い、送信装置410内の各電極と受信装置420内の各電極の位置関係によっては、それら電極同士の静電容量も考慮する必要が生じることもある。
次に、図5の通信システム400の動作を、電気力線を用いて説明する。通信システム400の送信装置410の、電極同士、または電極と通信媒体430との関係を、電気力線を用いて表現した模式図を図6および図7に示す。
図6は、通信媒体430が存在しない場合の電気力線の分布の例を示す模式図である。いま、送信信号電極411は正の電荷を有し(正に帯電し)、送信基準電極412は負の電荷を有している(負に帯電している)ものとする。図中の矢印は電気力線を示し、その方向は、正の電荷から負の電荷へ向いている。電気力線は、途中で突然消滅することはなく、異符号の電荷を持つ物体に到達するか、仮想無限遠点に到達するかのいずれかの性質を持つ。
ここで、電気力線451は、送信信号電極411から放出された電気力線のうち無限遠点に到達しているものを示す。電気力線452は、送信基準電極412に向かっている電気力線のうち仮想無限遠点より到達しているものを示す。電気力線453は、送信信号電極411と送信基準電極412との間で生じている電気力線を示す。図6に示されるように、正または負に帯電した送信装置410の各電極には、それぞれ電気力線が入出力する。この電気力線の分布は、各電極の大きさや位置関係によって影響を受ける。
図7は、このような送信装置410に通信媒体430を近づけた場合の電気力線の分布の例を示す模式図である。送信信号電極411に通信媒体430が近づいたため、両者間の結合が強まり、図6で無限遠点に到達していた電気力線451の多くが、通信媒体430に到達する電気力線461となり、無限遠点への電気力線463(図6における電気力線451)は減少する。これに伴って、通信信号電極411からみたときの無限遠点に対する静電容量(図5のCth417−2)は弱まり、通信媒体430との間の静電容量(図5のCte414)が増す。なお、実際には、送信基準電極412と、通信媒体430間の静電結合(図5のCti417−3)も存在するが、ここでは無視できるものとする。
ガウスの法則によれば、任意の閉曲面Sを通って出て行く電気力線の数N[本]は、その閉曲面S内に含まれる全電荷を誘電率εで割ったものに等しく、閉曲面Sの外にある電荷には影響を受けない。いま閉曲面Sにn個の電荷が存在するとき、次式が成立する。
Figure 0004539551
ここで、iは整数とする。変数qiは各電極に蓄積される電荷の電荷量を示す。この式(15)は、送信信号電極411の閉曲面Sから湧き出す電気力線は、この閉曲面S内に存在する電荷から発せられる電気力線のみで決まり、送信基準電極412の外側から入ってくる電気力線の全ては、別の場所から出て行くことを示している。
この法則に従えば、図7において、通信媒体430が接地されていないものとすると、この通信媒体430近傍の閉曲面471には電荷の発生源は存在しないから、電気力線461近傍の通信媒体の領域472では、静電誘導により電荷Q3が誘起される。通信媒体430は接地されていないため、通信媒体430が持つ総電荷量は変わらないから、電荷Q3が誘起された領域472の外の領域473では、電荷Q3と等量で異符号の電荷Q4が誘起され、これによって生じる電気力線464が閉曲面471から出て行くことになる。電荷Q4は通信媒体が大きい程、より拡散することになり、電荷密度も減少するから、これに伴って単位面積当たりの電気力線の本数も減少する。
通信媒体430が完全導体である場合、完全導体の性質から、部位によらず電位が同一になる特性上、部位によらず電荷密度もほぼ等しくなる性質がある。通信媒体430が抵抗分を持った導電体である場合には、その抵抗分に応じ、距離に応じて電気力線の数も減少する。また通信媒体430が導電性を持たない誘電体である場合には、その分極作用により、電気力線は拡散され、伝播される。いま空間にn個の導電体が存在しているとき、各導電体の電荷Qiは、次式で求めることができる。
Figure 0004539551
ここで、i、jは整数であり、Cijは導電体iと導電体jから成る容量係数を示し、静電容量と同じ性質と考えてよい。容量係数は、導電体の形状とそれらの位置関係からのみ決まる。容量係数Ciiは、導電体i自身が空間に対して形成する静電容量となる。また、Cij=Cjiである。式(16)においては、複数の導電体から成る系が重ねの理に基づいて動作することが示されており、導電体間の静電容量と各導電体の電位との積の総和によって該当する導電体の電荷が定まることが示されている。
いま、図7と式(16)において互いに関連する各パラメータを以下のように定める。例えば、Q1は、送信信号電極411に誘起される電荷を示し、Q2は、送信基準電極412に誘起される電荷を示し、Q3は、送信信号電極411によって通信媒体430に誘起される電荷を示し、Q4は、通信媒体430上の、電荷Q3と異符号等量の電荷を示しているものとする。
また、V1が送信信号電極411の、無限遠点を基準としたときの電位を示し、V2が送信基準電極412の、無限遠点を基準としたときの電位を示し、V3が通信媒体430の、無限遠点を基準としたときの電位を示し、C12が送信信号電極411と送信基準電極412間の容量係数を示し、C13が送信信号電極411と通信媒体430間の容量係数を示し、C15が送信信号電極411と空間の容量係数を示し、C25が送信信号電極412と空間の容量係数を示し、さらにC35が通信媒体430と空間の容量係数を示しているものとする。
このとき電荷Q3は次式のように求めることができる。
Figure 0004539551
なお、厳密には式(17)は、次式(17’)であるが、右辺の第2項および第3項のC23×V2+C53×V5が微少であるので、式(17)を用いている。
Q3=C13×V1+C23×V2+C53×V5 …(17’)
通信媒体430により多くの電界を注入するためには、電荷Q3を大きくすればよいが、そのためには、送信信号電極411と通信媒体430間の容量係数C13を高め、且つ、十分な電位V1を与えればよい。容量係数C13は、形状と位置関係のみで決まるが、相互間の距離が近く、対向面積が大きい程、静電容量が高まる。次に、電位V1であるが、この電位は無限遠点からみたとき十分な電位が生じている必要がある。送信装置410からみると信号源によって、送信信号電極411と送信基準電極412の間に電位差が与えられているが、この電位差が無限遠点からみたときにも十分な電位差として生じるためには、送信基準電極412の振る舞いが重要になる。
仮に送信基準電極412が微小で、送信信号電極411が十分な大きさであるとすると、容量係数C12及びC25が小さくなる。一方で、容量係数C13、C15、C45は大きな静電容量を持つから、電気的により変動しにくくなり、信号源で発生させている電位差のほとんどは、送信基準電極Ab02の電位V2として現れ、送信信号電極411の電位V1は小さくなってしまう。
この様子を図8に示す。送信基準電極481は微小なため、どの導電体や無限遠点とも結合しない。送信信号電極411は、通信媒体430との間で静電容量Cteを形成するとともに、空間に対して静電容量Cth417−2を形成する。また、通信媒体430は空間に対して静電容量Cm432を形成する。送信信号電極411と送信基準電極412に電位が生じても、送信信号電極411に関わる静電容量Cte414、Cth417−2、およびCm432が圧倒的に大きいため、この電位を変動させるためには、大きなエネルギーが必要となるが、信号源413−1の対向側の送信基準電極481の静電容量が小さいため、送信信号電極411の電位はほとんど変化せず、信号源413−1の電位変動のほとんどは、送信基準電極481側に現れることになる。
逆に、送信信号電極411が微小で、送信基準電極481が十分な大きさであるとすると、送信基準電極481の空間に対する静電容量が高まって、電気的に変動しにくくなり、送信信号電極411に十分な電位V1は生じるが、通信媒体430との静電結合が弱まるため、十分な電界を注入できない。
従って、全体のバランスの中で、通信に必要な電界を送信信号電極から通信媒体に注入しながらも、十分な電位を与えることができるだけの送信基準電極を設ける必要がある。ここでは、送信側のみを考えたが、図5における受信装置420の電極と通信媒体430の間に関しても同様に考えることができる。
無限遠点は、物理的に遠距離でなければならないものではなく、実用上は装置周辺の空間を考えればよいが、より理想としては、システム全体の系の中で、より安定して電位変動が少ないことが望ましい。実際の利用環境下では、AC電源ラインや照明器具、その他電気機器等から発生するノイズが存在するが、少なくとも信号源が利用する周波数帯域にこれらのノイズが重ならないか、無視できるレベルであればよい。
図9は、図5に示されるモデル(通信システム400)を等価回路で示した図である。つまり、図2と図4の関係のように、図9に示される通信システム500は図5に示される通信システム400に対応し、通信システム500の送信装置510は通信システム400の送信装置410に対応し、通信システム500の受信装置520は通信システム400の受信装置420に対応し、通信システム500の接続線530は通信システム400の通信媒体430に対応する。
同様に、図9の送信装置510において、信号源513−1は信号源413−1に対応する。なお、図9の送信装置510においては、図5において省略された、図2の送信装置内基準点213−2に対応する、図1の送信部113内部の回路におけるグランドを示す送信装置内基準点513−2が示されている。
また、図9のCte514は、図5のCte414に対応する静電容量であり、Ctg515は、図5のCtg415に対応する静電容量であり、基準点516−1および基準点516−2は、それぞれ、基準点416−1および基準点416−2に対応する。さらにCtb517−1はCtb417−1に、Cth517−2はCth417−2に、Cti517−3はCti417−3にそれぞれ対応する静電容量である。
受信装置520の各部も同様であり、受信抵抗であるRr523−1および検出器523−2は、それぞれ、図5のRr423−1および検出器423−2に対応する。なお、図9の受信装置520においては、図5において省略された、図2の受信装置内基準点223−3に対応する、図1の受信部123内部の回路におけるグランドを示す受信装置内基準点523−3が示されている。
また、図9のCre524は、図5のCre424に対応する静電容量であり、Crg525は、図5のCrg425に対応する静電容量であり、基準点526−1および基準点526−2は、それぞれ、基準点426−1および基準点426−2に対応する。さらにCrb527−1はCrb427−1に、Crh527−2はCrh427−2に、Cri527−3はCri427−3にそれぞれ対応する静電容量である。
接続線530に接続される各部も同様であり、接続線の抵抗成分であるRm531とRm533は、それぞれ、Rm431とRm433に対応し、Cm532はCm432に対応し、基準点536は、基準点436に対応する。
このような通信システム500は、以下のような性質を有する。
例えば、送信装置510は、Cte514の値が大きい(容量が高い)程、通信媒体430に対応する接続線530へ大きな信号を印加することができる。また、送信装置510は、Ctg512の値が大きい(容量が高い)程、接続線530へ大きな信号を印加することができる。さらに、送信装置510は、Ctb517−1の値が小さい(容量が低い)程、接続線530へ大きな信号を印加することができる。また、送信装置510は、Cth517−2の値が小さい(容量が低い)程、接続線530へ大きな信号を印加することができる。さらに、送信装置510は、Cti517−3の値が小さい(容量が低い)程、接続線530へ大きな信号を印加することができる。
受信装置520は、Cre524の値が大きい(容量が高い)程、通信媒体430に対応する接続線530から大きな信号を取り出すことができる。また、受信装置520は、Crg525の値が大きい(容量が高い)程、接続線530から大きな信号を取り出すことができる。さらに、受信装置520は、Crb527−1の値が小さい(容量が低い)程、接続線530から大きな信号を取り出すことができる。また、受信装置520は、Crh527−2の値が小さい(容量が低い)程、接続線530から大きな信号を取り出すことができる。さらに、受信装置520は、Cri527−3の値が小さい(容量が低い)程、接続線530から大きな信号を取り出すことができる。また、受信装置520は、Rr523の値が低い(抵抗が高い)程、接続線530から大きな信号を取り出すことができる。
接続線530の抵抗成分であるRm531およびRm533の値が低い(抵抗が低い)程、送信装置510は、接続線530へ大きな信号を印加することができる。また、接続線530の空間に対する静電容量であるCm532の値が小さい(容量が低い)程、送信装置510は、接続線530へ大きな信号を印加することができる。
コンデンサ容量の大小は、電極の表面積の大きさに略比例するから、一般には各電極の大きさが大きい程よいが、単純に電極の大きさを大きくすると、電極同士の間の静電容量も増加してしまう恐れもある。また、電極の大きさ比が極端な場合も効率が低下する恐れがある。従って、電極の大きさやその配置場所等は、全体のバランスの中で決定する必要がある。
なお、上述した通信装置500の性質は、信号源513−1の周波数が高い周波数帯域では、インピーダンス・マッチングの考え方で本等価回路を捉え、各パラメータを決定することで効率的な通信が可能となる。周波数を高めることにより、小さい静電容量でもリアクタンスが確保できるため、各装置を容易に小型化することができる。
また、一般的にコンデンサのリアクタンスは周波数の減少とともに上昇する。これに対して、通信システム500は静電容量結合に基づく動作をするので、信号源513−1が生成する信号の周波数の下限は、これによって決定される。また、Rm531、Cm532、およびRm533は、その配置から低域通過フィルタを形成することになるので、この特性により周波数の上限が定まる。
つまり、通信システム500の周波数特性は、図10に示されるグラフの曲線551のようになる。図10において、横軸は周波数を、縦軸は系全体の利得を示している。
次に、図5の通信システム400、および図9の通信システム500の各パラメータの具体的な数値を検討する。なお、以下において、説明の便宜上、通信システム400(通信システム500)は空気中に設置されているものとする。また、通信システム400の送信信号電極411、送信基準電極412、受信信号電極421、および受信基準電極422は、いずれも、直径5cmの導体円板とする。
図5の通信システム400において、送信信号電極411と通信媒体430からなる静電容量Cte414(図9のCte514)は、互いの間隔dが5mmとすると、その値は、上述した式(9)を用いて、以下の式(18)ように求められる。
Figure 0004539551
電極間の静電容量であるCtb417−1(図9のCtb517−1)については、(式9)を適応することができるものとする。本来は上述したように電極の面積が間隔に比べて十分に大きい場合に成立する式であるが、ここでは、式(9)を適用することにより求められた、送信信号電極411と送信基準電極412の間の静電容量Ctb417−1の値が本来の正しい値に十分近似し、原理の説明において不都合を生じることがないので、式(9)を用いてCtb417−1の値を求めることができるものとする。電極間の間隔を5cmとすると、Ctb417−1(図9のCtb517−1)は以下の式(19)ようになる。
Figure 0004539551
ここでの想定は、送信信号電極411と通信媒体430の間隔が狭いとすれば、空間との結合は弱くなるので、Cth417−2(図9のCht517−2)の値は、Cte414(Cte514)の値よりも十分小さいので、式(20)のようにCte414(Cte514)の値の10分の1に設定する。
Figure 0004539551
送信基準電極412と空間で形成される静電容量を示すCtg415(図9のCtg515)は図4の場合(式(12))と同様であり、次式(21)のように求めることができる。
Figure 0004539551
Cti417−3(図9のCti517−3)の値は、以下のように、Ctb417−1(図9のCtb517−1)と同等と考える。
Cti=Ctb=0.35[pF]
受信装置420(図9の受信装置520)の各パラメータに関しても、各電極の構成(大きさや設置位置等)を送信装置410の場合と同様にすれば、以下のように、送信装置410の各パラメータと同様に設定される。
Cre=Cte=3.5[pF]
Crb=Ctb=0.35[pF]
Crh=Cth=0.35[pF]
Crg=Ctg=1.8[pF]
Cri=Cti=0.35[pF]
また、説明の便宜上、以下において、通信媒体430(図9の接続線530)は人体のサイズ程度の生体に近い特性を有する物体であるとする。そして、通信媒体430の送信信号電極411の位置から受信信号電極421の位置(図9の送信信号電極511の位置から受信信号電極521の位置)までの電気抵抗が1M[Ω]であるとし、Rm431およびRm433(図9のRm531およびRm533)の値をそれぞれ500K[Ω]とする。また、通信媒体430と空間との間で形成する静電容量Cm432(図9のCm532)の値を100[pF]とする。
さらに、信号源413−1(図9の信号源513−1)は、最大値1[V]で周波数が10M[Hz]の正弦波とする。
以上のパラメータを使ってシミュレーションを行うと、図11に示されるような波形の受信信号がシミュレーション結果として得られる。図11に示されるグラフは、縦軸が、受信装置420(図9の受信装置520)の受信負荷であるRr423−1(Rr523−1)の両端電圧を表し、横軸が時間を表している。図11の両矢印552により示されるように、受信信号の波形の最大値Aと最小値Bとの差(ピーク値の差)が約10[μV]程度で観測される。従って、これを十分なゲインを持つ増幅器(検出器423−2)で増幅することによって、送信側の信号(信号源413−1において生成された信号)を受信側で復元することができる。
このように、以上において説明した通信システムは、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、利用環境の制約を受けない通信環境を容易に提供することができる。
次に、各装置における各電極の配置について説明する。上述したように、各電極は、互いに異なる役目を担っており、通信媒体や空間等に対して静電容量を形成する。つまり、各電極はそれぞれ互いに異なる相手と静電結合し、その静電結合を用いて作用する。従って、各電極の配置方法は、そのように各電極を目的の対象物に有効に静電結合させるために非常に重要な要因となる。
例えば、図5の通信システム400において、送信装置410と受信装置420の間において効率よく通信を行うためには、以下の条件のように各電極を配置する必要がある。すなわち、各装置は、例えば、送信信号電極411と通信媒体430の間の静電容量、並びに、受信信号電極421と通信媒体430の間の静電容量の大きさがともに十分であること、送信基準電極412と空間の静電容量、並びに、受信基準電極422と空間の静電容量の大きさがともに十分であること、送信信号電極411と送信基準電極412の間、並びに、受信信号電極421と受信基準電極422の間の静電容量の大きさがより小さいこと、そして、送信信号電極411と空間の静電容量、並びに、受信信号電極421と空間の静電容量の大きさがより小さいことを満たす必要がある。
各電極の配置例を図12乃至図18に示す。なお、以下においては送信装置について説明する。図12において、送信信号電極554と送信基準電極555の2つの電極は、筐体553の同一平面上に配置されている。この構成によれば、2つの電極(送信信号電極554と送信基準電極555)が互いに対向するように配置された場合と比較して、電極間の静電容量を小さくすることができる。このような構成の送信装置を用いる場合、2つの電極のうち、一方の電極のみを通信媒体に近づけるようにする。例えば、筐体553が2つのユニットとヒンジ部により構成され、その2つのユニットの相対的な角度が可変となるように、ヒンジ部を介して接続され、筐体553の全体で見た場合、そのヒンジ部によって、筐体553がその長手方向中央付近において折りたたむことができるようになされた折り畳み型携帯型電話機であるとする。このような折り畳み型携帯型電話機に対して、図12に示されるような電極配置を応用することにより、一方の電極は操作ボタン側のユニット背面に配置し、他方の電極は表示部が設けられたユニットの背面に配置することができる。このように配置することにより、操作ボタン側のユニットに配置された電極はユーザの手によって覆われ、表示部背面に設けられた電極は空間に向いて配置されることになる。つまり、上述した条件を満たすように2つの電極を配置することができる。
図13は、筐体553において、2つの電極(送信信号電極554と送信基準電極555)を対向するように配置したものである。この場合、図12の配置と比較し、2電極間の静電結合は強まるものの、筐体553が比較的小さい場合に適する。この場合2つの電極は、筐体553内のできるだけ、距離が離れるような方向に配置されることが望ましい。
図14は、筐体553において、2つの電極(送信信号電極554と送信基準電極555)を直接対向しないように配置し、かつ、筐体553の、互いに対向する面に配置したものである。この構成の場合、2つの電極の静電結合は、図13より小さいものとなる。
図15は、筐体553において、2つの電極(送信信号電極554と送信基準電極555)を、互いに垂直となるように配置したものである。この構成によれば、送信信号電極554の面とその対向面が通信媒体に近づく用途において、側面(送信基準電極555が配置される面)は、空間との静電結合が残されるため、通信が可能となる。
図16は、図13に示される配置において、電極の一方である送信基準電極555を筐体553内部に配置したものである。つまり、図16Aに示されるように、送信基準電極555のみが筐体553の内部に設けられる。図16Bは、図16Aの面556より見た場合の電極位置の例を示す図である。図16Bに示されるように、送信信号電極554は、筐体553の表面に配置され、送信基準電極555のみが筐体553の内部に設置されている。この構成によれば、筐体553が通信媒体で広く覆れてしまっても、一方の電極周辺には筐体553の内部の空間があるため、通信が可能となる。
図17は、図12または図14に示される配置において、電極の一方である送信基準電極555を筐体553内部に配置したものである。つまり、図17Aに示されるように、送信基準電極555のみが筐体553の内部に設けられる。図17Bは、図17Aの面556より見た場合の電極位置の例を示す図である。図17Bに示されるように、送信信号電極554は、筐体553の表面に配置され、送信基準電極555のみが筐体553の内部に設置されている。この構成によれば、筐体553が通信媒体で広く覆れてしまっても、一方の電極周辺には筐体内部の空間余裕があるため、通信が可能となる。
図18は、図15に示される配置において、電極の一方を筐体内部に配置したものである。つまり、図18Aに示されるように、送信基準電極555のみが筐体553の内部に設けられる。図18Bは、図18Aの面556より見た場合の電極位置の例を示す図である。図18Bに示されるように、送信信号電極554は、筐体553の表面に配置され、送信基準電極555のみが筐体553の内部に設置されている。この構成によれば、筐体が通信媒体で広く覆れてしまっても、一方の電極である送信基準電極555を周辺には筐体内部の空間余裕があるため、通信が可能となる。
以上に説明したいずれの電極配置も、一方の電極よりも他方の電極の方が通信媒体に近く、他方はより空間との静電結合が強まるような配置となるように成されている。また、各配置においては、2つの電極間の静電的結合がより弱まるように配置することが望ましい。
送信装置あるいは受信装置は何らかの筐体に組み込まれるようにしてもよい。本発明の機器では、少なくとも2つの電極が存在し、それらは電気的に絶縁状態にあるので、筐体もある厚さを持った絶縁体で構成される。図19は、送信信号電極周辺の断面図を示したものである。送信基準電極、受信信号電極、および受信基準電極のいずれも、送信信号電極と同様の構成であるので、上述した説明を適用することができる。従って、それらについての説明は省略する。
図19Aは、送信信号電極561と通信媒体562がある程度の距離を保つように構成された場合の例を示している。つまり、送信信号電極561の周囲にはスペーサ563およびスペーサ564が設けられている。これにより、送信信号電極561を含む筐体が通信媒体562に接触させられたとしても、送信信号電極561と通信媒体562の間には、両矢印565により示されるような距離d[m]が保たれる。つまり、送信信号電極561と通信媒体562の間に、空間566が形成される。
この場合の送信信号電極561と通信媒体562の間の静電容量Cは式(9)によって求めらることができるので、次の式(22)のように表すことができる。ただし、上述したように式(9)は平行平板の面積が同じ場合に成立する算出式であるが、平行平板の面積が異なる場合において適用しても大きく結果を損ねることがないので、次式(22)が導出される。
Figure 0004539551
ここで、ε0は真空の誘電率で8.854×10-12[F/m]という固定値である。εrはその場所の比誘電率、Sは送信信号電極561の表面積である。送信信号電極561の上側に形成される空間566に、高い比誘電率を有する誘電体を配置することによって、静電容量を増加させ、性能の向上を図ることができる。
同様に、周囲の空間に対しても静電容量の増加を図ることができる。また、スペーサ563およびスペーサ564を筐体により構成されるようにしてもよい。
これに対して図19Bは、送信信号電極561を筐体567に埋め込んだ場合の例を示している。こうすることで、通信媒体562は、筐体567に接触すると同時に、送信信号電極561にも接触する。また、送信信号電極561の表面に絶縁層を形成することで、通信媒体562と送信信号電極561とが非接触となるようにすることもできる。
図19Cは、図19Bの場合に対し、筐体567を電極の表面積且つ厚さd’で凹状にえぐり、送信信号電極561を埋め込んだものである。筐体が一体成型の場合には、本手法により、製造コストや部品コストを抑え、簡単に静電容量を高めることができる。
次に、電極の大きさに関して説明する。少なくとも、送信基準電極及び受信基準電極は、通信媒体が十分な電位を得るために、十分な空間との静電容量を形成する必要があるが、送信信号電極及び受信信号電極は、通信媒体との静電的結合や通信媒体に流す信号の性質を踏まえたうえで、最適な大きさにすればよい。従って、通常、送信基準電極の大きさを送信信号電極の大きさより大きくするとともに、受信基準電極の大きさを受信信号電極の大きさより大きくする。しかしながら、通信を行うために十分な信号が得られれば、これ以外の関係であってももちろんよい。
特に、送信基準電極の大きさと送信信号電極の大きさを一致させ、かつ、受信基準電極の大きさと受信信号電極の大きさとを一致させた場合、無限遠点の基準点からみれば、これらの電極は互いに同等の特性にみえる。このため、どちらの電極を基準電極(信号電極)として使用するようにしても(基準電極と信号電極を入れ替えることができるようにしても)、同等の通信性能を得られる特徴がある。
換言すると、基準電極と信号電極の大きさが互いに異なるように設計された場合、一方の電極(信号電極として設定された電極)を通信媒体に近づけた場合にのみ通信可能とすることができる特徴を有する。
次に、回路のシールドについて説明する。以上においては、電極以外の送信部や受信部等は通信システムの物理的な構成を考える上で透明な存在として考えてきたが、実際にこの通信システムを実現するためには電子部品等から構成されるのが一般的である。電子部品は、その性質上、導電性、誘電性等の何らかの電気的な性質を有する物質から構成されるが、これらが電極周辺に存在する以上、動作に影響を与えることになる。本発明では、空間中の静電容量等が様々な影響を与えるため、基板上に実装されている電子回路自身もこの影響を授受ことになる。従って、より安定化した動作を期待する場合には、全体を導体でシールドすることが望ましい。
シールドした導体は、通常は、送受信装置の基準電位ともなっている送信基準電極または受信基準電極へ接続することが考えられるが、動作に問題がなければ、送信信号電極または受信信号電極へ接続してもよい。本シールドの導体自体も物理的な大きさを持つので、これまで説明してきた原理に従い、他の電極や、通信媒体、空間との相互関係で動作することを考慮する必要がある。
図20に、この実施例を示す。本例は、機器がバッテリーで動作することを想定しており、バッテリーを含めた電子部品がシールドケース571内に収められており、基準電極も兼ねている。電極572は信号電極である。
次に、伝送媒体について説明する。通信媒体に関しては、これまでの例では、導電体を主な例に挙げたが、導電性を持たない誘電体であっても通信が可能である。誘電体中では、送信信号電極から通信媒体へ注入された電界が、誘電体の分極作用によって伝播するためである。
具体的に、導電体としては電線等の金属物が、また誘電体としては純水等が考えられるが、両方の性質を併せ持った生体、整理食塩水等でも通信は可能である。また、真空中や空気中も誘電率を持つため、通信媒体として通信可能である。
次にノイズについて説明する。空間中は、AC電源からのノイズ、蛍光灯や各種家電機器、電気機器からのノイズ、空気中の帯電微粒子の影響等様々な要因によって電位が変動している。これまでは、これら電位変動を無視してきたが、これらのノイズは送信装置、通信媒体、受信装置の各部に重々することになる。
図21は、図1の通信システム100を、ノイズ成分を含めた等価回路により表した模式図である。すなわち、図21の通信システム600は、図9の通信システム500に対応し、通信システム600の送信装置610は、通信システム500の送信装置510に対応し、受信装置620は受信装置520に対応し、接続線630は接続線630に対応する。
送信装置610において、信号源613−1、送信装置内基準点613−2、Cte614、Ctg615、基準点616−1、基準点616−2、Ctb617−1、Cth617−2、およびCti617−3は、それぞれ、送信装置510の、信号源513−1、送信装置内基準点513−2、Cte514、Ctg515、基準点516−1、基準点516−2、Ctb517−1、Cth517−2、およびCti517−3に対応する。ただし、図9の場合と異なり、送信装置610には、ノイズ641およびノイズ642の2つの信号源が、それぞれ、Ctg615と基準点616−1との間、およびCth617−2と基準点616−2との間に設けられている。
受信装置620において、Rr623−1、検出器623−2、受信装置内基準点623−3、Cre624、Crg625、基準点626−1、基準点626−2、Crb627−1、Crh627−2、およびCri627−3は、それぞれ、受信装置520の、Rr523−1、検出器523−2、受信装置内基準点523−3、Cre524、Crg525、基準点526−1、基準点526−2、Crb527−1、Crh527−2、およびCri527−3に対応する。ただし、図9の場合と異なり、受信装置620には、ノイズ644およびノイズ645の2つの信号源が、それぞれ、Crh627−2と基準点626−2との間、およびCrg625と基準点626−1との間に設けられている。
接続線630において、Rm631、Cm632、Rm633、および基準点636は、それぞれ、接続線530の、Rm531、Cm532、Rm533、および基準点536に対応する。ただし、図9の場合と異なり、接続線630には、ノイズ643の信号源が、Cm632と基準点636との間に設けられている。
各装置は、自らが有するグランド電位である送信装置内基準点613−2、または623−3を基準に動作しているため、これらに重々するノイズが、送信装置、通信媒体、および受信装置に対して相対的に同成分であれば、動作上は影響しない。一方で、特に装置間の距離が離れている場合やノイズの多い環境下では、各装置間でノイズの相対的な差異を生じる可能性が高まる。つまり、ノイズ641乃至ノイズ645の動きが互いに異なる。この差異も、時間的な変動がない場合には、使用する信号レベルの相対差が伝達されればよいので問題ないが、ノイズの変動周期が使用する周波数帯に重なるような場合には、そのノイズ特性を考慮して、利用する周波数や信号レベルを定める必要があるが、換言すれば、ノイズ特性を考慮しながら利用する周波数や信号レベルを定めるだけで、通信システム600は、ノイズ成分に対する耐性も有し、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、容易に利用環境の制約を受けない通信環境を提供することができる。
次に、送信装置と受信装置の間の距離の大きさによる通信への影響について説明する。上述したように、本発明の原理によれば、送信基準電極と受信基準電極の空間に十分な静電容量を形成できていれば、送受信装置間近辺の大地による経路や、その他の電気的な経路を必要とせず、送信信号電極と受信信号電極の距離に依存しない。従って、例えば、図22に示される通信システム700のように、送信装置710と受信装置720を遠距離におき、十分な導電性あるいは誘電性を持った通信媒体730により送信信号電極711、受信信号電極721を静電的に結合することによって通信が可能である。このとき、送信基準電極712は送信装置710の外部の空間と静電結合し、受信基準電極722は受信装置720の外部の空間と静電結合する。従って、送信基準電極712と受信基準電極722は、互いに静電結合する必要がない。但し、通信媒体730がより長く、大きくなることによって空間に対する静電容量も増加するため、各パラメータを決定する際にこれらについて考慮する必要がある。
なお、図22の通信システム700は、図1の通信システム100に対応するシステムであり、送信装置710は送信装置110に対応し、受信装置720は受信装置120に対応し、通信媒体730は通信媒体130に対応する。
送信装置710において、送信信号電極711、送信基準電極712、および信号源713−1は、それぞれ、送信信号電極111、送信基準電極112、および送信部113(またはその一部)に対応する。同様に、受信装置720において、受信信号電極721、受信基準電極722、およびRr723−1は、それぞれ、受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123(またはその一部)に対応する。
従って、これらの各部についての説明は省略する。
以上のように通信システム700は、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、利用環境の制約を受けない通信環境を提供することができる。
なお、以上においては、送信信号電極および受信信号電極が通信媒体と非接触であるように説明したが、これに限らず、送信基準電極および受信基準電極がそれぞれの装置周辺空間との間で十分な静電容量が得られるのであれば、送信信号電極と受信信号電極の間を、導電性を有する通信媒体で接続するようにしてもよい。
図23は、送信基準電極および受信基準電極を、通信媒体を介して接続する場合の通信システムの例について説明する模式図である。
図23において、通信システム740は、図22の通信システム700に対応するシステムである。ただし、通信システム740の場合、送信装置710に送信信号電極711が存在せず、送信装置710と通信媒体730は、接点741において接続される。同様に、通信システム740における受信装置720には受信信号電極721が存在せず、受信装置720と通信媒体730は、接点742において接続される。
通常の有線通信システムでは、少なくとも2つの信号線があり、これらの信号レベルの相対差を利用して通信を行うように成されているが、本発明に従えば、1本の信号線で通信を行うことができる。
つまり、通信システム740も、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、利用環境の制約を受けない通信環境を提供することができる。
次に、以上のような通信システムの具体的な適用例について説明する。例えば、以上のような通信システムは、生体を通信媒体とすることもできる。図24は、人体を介して通信を行う場合の通信システムの例を示す模式図である。図24において、通信システム750は、人体の腕部に取り付けられた送信装置760から音楽データを送信し、人体の頭部に取り付けられた受信装置770によってその音楽データを受信して音声に変換し、出力してユーザに視聴させるシステムである。この通信システム750は、上述した通信システム(例えば、通信システム100)に対応したシステムであり、送信装置760や受信装置770は、それぞれ、送信装置110や受信装置120に対応する。また、通信システム750において人体780は、通信媒体であり、図1の通信媒体130に対応する。
つまり、送信装置760は、送信信号電極761、送信基準電極762、および送信部763を有しており、それぞれ、図1の送信信号電極111、送信基準電極112、および送信部113に対応する。また、受信装置770は、受信信号電極771、受信基準電極772、および受信部773を有しており、それぞれ、図1の受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123に対応する。
従って、通信媒体である人体780に、送信信号電極761および受信信号電極771が接触または近接されるように、送信装置760および受信装置770が設置される。送信基準電極762および受信基準電極772は、空間に接していればよいので、周辺に大地との結合や、送受信装置(または電極)同士の結合も不要である。
図25は、通信システム750を実現する他の例について説明する図である。図25において、受信装置770は、人体780に対して足裏部において接触(または近接)し、人体780の腕部に取り付けられた送信装置760との間で通信を行う。この場合も、通信媒体である人体780に接触(または近接)されるように、送信信号電極761と受信信号電極771が設けられ、空間に向けて送信基準電極762と受信基準電極772が設けられている。特に、大地を通信経路の1つとしていた従来技術では実現不可能な応用例である。
つまり、以上のような通信システム750は、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができるので、利用環境の制約を受けない通信環境を提供することができる。
以上のような通信システムにおいて、通信媒体に流す信号の変調方式としては、送信装置と受信装置の両方において対応可能であれば、特に制限はなく、通信システム全体の系の特性を踏まえた上で、最適な方式を選択することができる。具体的に変調方式としては、ベースバンド、または振幅変調、または周波数変調されたアナログ信号か、ベースバンド、または振幅変調、または周波数変調、または位相変調されたデジタル信号のうちのいずれか1つ、または複数の混合であってもよい。
さらに、以上のような通信システムにおいて、1つの通信媒体を利用して、複数の通信が成立させ、全二重通信や、単一の通信媒体による複数の装置同士による通信等を実行することができるようにしてもよい。
このような多重通信を実現する方法の例を説明する。1つ目は、スペクトラム拡散方式を適用させる方法である。この場合、送信装置と受信装置の間で互いに周波数帯域幅と特定の時系列コードを取り決めておく。そして送信装置は、この周波数帯域幅の中で、もとの信号を時系列コードによって周波数的に変化させ、周波数帯域全体に拡散させてから送信する。受信装置は、この拡散した成分を受信した後、その受信した信号を積分することで受信信号を復号する。
周波数の拡散によって得られる効果を説明する。シャノンとハートレーのチャネル容量の定理によれば、次の式が成り立つ。
Figure 0004539551
ここで、C[bps]はチャネル容量を示し、通信路に流すことのできる理論上の最大データレートを示す。B[Hz]はチャネル帯域幅を示す。S/Nは信号対ノイズ電力比(SN比)を示す。さらに、上式をマクローリン展開し、S/Nが低いものとすると、上述した式(23)は、次の式(24)のように近似することができる。
Figure 0004539551
これにより、例えばS/Nがノイズフロア以下のレベルであったとすると、S/N<<1となるが、チャネル帯域幅Bを広げることで、チャネル容量Cを所望のレベルに引き上げることができる。
時系列コードを通信路毎に異なるようし、周波数拡散の動きを異なるようにすれば、相互に干渉することなく周波数が拡散し、相互の混信がなくなることで、同時に複数の通信を行うことができる。
図26は、本発明の基礎となる通信システムの他の構成例を示す図である。図26に示される通信システム800においては、4つの送信装置810−1乃至810−4と、5つの受信装置820−1乃至820−5が、スペクトラム拡散方式を用いて、通信媒体830を介して多重通信を行う。
送信装置810−1は、図1の送信装置110に対応しており、送信信号電極811、送信基準電極812を有し、さらに、送信部113に対応する構成として、原信号供給部813、乗算器814、拡散信号供給部815、および増幅器816を有している。
原信号供給部813は、送信対象の信号である原信号を生成する等して、それを乗算器814に供給する。また、拡散信号供給部815は、伝送対象の信号を、所定の周波数帯域全体に拡散させる搬送波である拡散信号を生成する等して、それを乗算器814に供給する。なお、この拡散信号による拡散の方式には、代表的なものとして、ダイレクトシーケンス方式(以下、DS方式と称する)と周波数ホッピング方式(以下、FH方式と称する)の2種類の方法がある。DS方式は、少なくとも原信号よりも高い周波数成分を持った上記の時系列コードを乗算器814において乗算させる方式である。その乗算結果は、所定の搬送波に乗せられ、増幅器816において増幅された後出力される。
また、FH方式は、上記の時系列コードによって搬送波の周波数を変化させて拡散信号を生成する方式である。その拡散信号は、乗算器814において、原信号に乗算され、増幅器816において増幅された後出力される。増幅器816の一方の出力は、送信信号電極811に接続され、他方は、送信基準電極812に接続される。
送信装置810−2乃至送信装置810−4も同様の構成であり、上述した送信装置810−1に対する説明を適用可能であるのでその説明を省略する。
受信装置820−1は、図1の受信装置120に対応しており、受信信号電極821、受信基準電極822を有し、さらに、受信部123に対応する構成として、増幅器823、乗算器824、拡散信号供給部825、および原信号出力部826を有している。
受信装置820−1は、まず、本発明の方法に基づいて電気信号を復元した後、送信装置810−1と逆の信号処理によって元の原信号(原信号供給部813が供給する信号)を復元する。
この方式による周波数スペクトルを図27に示す。横軸は周波数を、縦軸はエネルギーを示している。スペクトル841は周波数を固定した方式のスペクトルであるが、特定の周波数にエネルギーが集中している。この方式では、ノイズフロア843以下にエネルギーが低下してしまうと信号を復元することはできない。一方、スペクトル842はスペクトラム拡散方式のスペクトルを示しているが、広い周波数帯域に渡ってエネルギーが分散している。図の長方形の面積が全体のエネルギーを示していると考えることができるので、スペクトル842の信号は、各周波数成分がノイズフロア843以下にも関わらず、周波数帯域全体に渡ってエネルギーを積分することで元の信号を復元でき、通信が可能となる。
以上のようなスペクトラム拡散方式を用いて通信を行うことにより、通信システム800は、図26に示されるように、同一の通信媒体830を利用して同時通信を行うことができる。図26において、経路831乃至経路835は通信媒体830上の通信経路を示している。また、スペクトラム拡散方式を用いることにより、通信システム800は、経路831と経路832に示されるような多対一通信や、多対多通信も行うことができる。
2つ目は、送信装置と受信装置の間で互いに周波数帯域幅を決め、それをさらに複数の領域に分割する周波数分割方式を適用させる方法である。この場合、送信装置(または受信装置)は、特定の周波数帯域割り振りの規則に従うか、通信開始時に空いている周波数帯域を検出し、その検出結果に基づいて周波数帯域の割り振りを行う。
図28は、本発明の基礎となる通信システムの他の構成例を示す図である。図28に示される通信システム850においては、4つの送信装置860−1乃至860−4と、5つの受信装置870−1乃至870−5が、周波数分割方式を用いて、通信媒体880を介した多重通信を行う。
送信装置860−1は、図1の送信装置110に対応しており、送信信号電極861、送信基準電極862を有し、さらに、送信部113に対応する構成として、原信号供給部863、乗算器864、周波数可変型発信源865、および増幅器866を有している。
周波数可変型発振源865によって生成された特定の周波数成分を持った発振信号は、乗算器864において原信号供給部863より供給された原信号と乗算され、増幅器866において増幅された後、出力される(適宜フィルタリングを行うものとする)。増幅器866の一方の出力は送信信号電極861に接続され、他方は送信基準電極862に接続される。
送信装置860−2乃至送信装置860−4も同様の構成であり、上述した送信装置860−1に対する説明を適用可能であるのでその説明を省略する。
受信装置870−1は、図1の受信装置120に対応しており、受信信号電極871、受信基準電極872を有し、さらに、受信部123に対応する構成として、増幅器873、乗算器874、周波数可変型発信源875、および原信号出力部876を有している。
受信装置870−1は、まず、本発明の方法に基づいて電気信号を復元した後、送信装置860−1と逆の信号処理によって元の原信号(原信号供給部863が供給する信号)を復元する。
この方式による周波数スペクトルの例を図29に示す。横軸は周波数を、縦軸はエネルギーを示している。なお、ここでは、説明の便宜上、図29に示されるように、全体の周波数帯域幅890(BW)を、5つの帯域幅891乃至895(FW)に分割した例を示している。このように分割された各周波数帯域は、互いに異なる通信経路の通信に利用される。つまり、通信システム850の送信装置860(受信装置870)は、通信経路毎に異なる周波数帯域を利用することにより、図28に示されるように、相互の混信を抑制し、1つの通信媒体880において、同時に複数の通信を行うことができる。図28において、経路881乃至経路885は通信媒体880上の通信経路を示している。また、周波数分割方式を用いることにより、通信システム850は、経路881と経路882に示されるような多対一通信や、多対多通信も行うことができる。
なお、ここでは、通信システム850(送信装置860または受信装置870)が、全帯域幅890を5つの帯域幅891乃至895に分割するように説明したが、分割数はいくつであってもよいし、各帯域幅の大きさが互いに異なるようにしてもよい。
3つ目は、送信装置と受信装置の間で互いに通信時間を複数に分割する時分割方式を適用させる方法である。この場合、送信装置(または受信装置)は、特定の時間分割規則に従うか、通信開始時に空いている時間領域を検出し、その検出結果に基づいて通信時間の分割を行う。
図30は、本発明の基礎となる通信システムの他の構成例を示す図である。図30に示される通信システム900においては、4つの送信装置910−1乃至910−4と、5つの受信装置920−1乃至920−5が、時分割方式を用いて、通信媒体930を介した多重通信を行う。
送信装置910−1は、図1の送信装置110に対応しており、送信信号電極911、送信基準電極912を有し、さらに、送信部113に対応する構成として、時間制御部913、乗算器914、発信源915、および増幅器916を有している。
時間制御部913によって所定時間に原信号が出力される。乗算器914は、原信号と、発振源915により供給される発振信号を乗算し、増幅器916から出力する(適宜フィルタリングを行うものとする)。増幅器916の一方の出力は、送信信号電極911に接続され、他方は、送信基準電極912に接続される。
送信装置910−2乃至送信装置910−4も同様の構成であり、上述した送信装置910−1に対する説明を適用可能であるのでその説明を省略する。
受信装置920−1は、図1の受信装置120に対応しており、受信信号電極921、受信基準電極922を有し、さらに、受信部123に対応する構成として、増幅器923、乗算器924、発信源925、および原信号出力部926を有している。
受信装置920−1は、まず、本発明の方法に基づいて電気信号を復元した後、送信装置920−1と逆の信号処理によって元の原信号(時間制御部913が供給する原信号)を復元する。
この方式による時間軸上のスペクトルの例を図31に示す。横軸は時間を、縦軸はエネルギーを示している。なお、ここでは、説明の便宜上、5つの時間帯域941乃至945を示しているが、実際には、時間帯域は、これ以降同様に継続する。このように分割された各時間帯域は、互いに異なる通信経路の通信に利用される。つまり、通信システム900の送信装置910(受信装置920)は、通信経路毎に異なる時間帯域において通信を行うことにより、図30に示されるように、相互の混信を抑制し、1つの通信媒体930において、同時に複数の通信を行うことができる。図30において、経路931乃至経路935は通信媒体930上の通信経路を示している。また、時分割方式を用いることにより、通信システム900は、経路931と経路932に示されるような多対一通信や、多対多通信も行うことができる。
なお、ここでは、通信システム900(送信装置910または受信装置920)が分割する各時間帯の時間幅の大きさが互いに異なるようにしてもよい。
さらに、上述した以外の方法として、1つ目から3つ目までの通信方式のうちの2つ以上を組み合わせるようにしてもよい。
送信装置および受信装置が、同時に複数の他の装置と通信を行うことができるということは、特定のアプリケーションにおいては、特に重要になる。例えば、交通機関のチケットへの応用を想定すると、定期券の情報を有する装置Aと電子マネー機能を有する装置Bの両方を所持した利用者が、自動改札機を利用する際、上記のような方式を使用することで、装置A及び装置Bと同時に通信することで、例えば、利用区間が定期券外の区間も含まれていた場合に、不足金額分を装置Bの電子マネーから差し引くといった便利な用途に利用することができる。
以上のような送信装置と受信装置との間の通信において実行される通信処理の流れについて、図1の通信システム100の送信装置110と受信装置120との通信の場合を例に、図32のフローチャートを参照して説明する。
送信装置110の送信部113は、ステップS11において、送信対象となる信号を発生し、ステップS12において、その発生した信号を、送信信号電極111を介して、通信媒体130上に送信する。信号を送信すると送信装置の送信部113は、通信処理を終了する。送信装置110より送信された信号は、通信媒体130を介して受信装置120に供給される。受信装置120の受信部123は、ステップS21において、受信信号電極121を介して、その信号を受信し、ステップS22において、その受信した信号を出力する。受信した信号を出力した受信部123は、通信処理を終了する。
以上のように、送信装置110および受信装置120は、通信媒体130を介して、複雑な処理を必要とせずに、単純な処理により、基本的な通信を行うことができる。つまり、送信装置110および受信装置120は、基準電極を用いて閉回路を構築する必要がないため、信号電極を介して送受信するのみで、環境に影響されずに安定した通信処理を容易に行うことができる。これにより送信装置110および受信装置120(通信システム100)は、環境に影響されずに安定した通信を行うための通信処理の負荷を軽減し、製造コストを削減することもできる。また、通信処理の構造が単純化されることにより、通信システム100は、変調、符号化、暗号化、または多重化など、多様な通信方式を容易に併用することができる。
なお、以上の通信システムにおいては、送信装置と受信装置を別体として構成するように説明したが、これに限らず、上述した送信装置と受信装置の両方の機能を有する送受信装置を用いて通信システムを構築するようにしてもよい。
図33は、本発明の基礎となる通信システムの他の構成例を示す図である。
図33において、通信システム950は、送受信装置961、送受信装置962、および通信媒体130を有する。通信システム950は、送受信装置961と送受信装置962が通信媒体130を介して双方向に信号を送受信するシステムである。
送受信装置961は、図1の送信装置110と同様の送信部110と、受信装置120と同様の、受信部120の両方の構成を有している。すなわち、送受信装置961は、送信信号電極111、送信基準電極112、送信部113、受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123を有している。
つまり送受信装置961は、送信部110を用いて通信媒体130を介して信号を送信し、受信部120を用いて通信媒体130を介して供給される信号を受信する。このとき、送受信装置961は、送信部110による通信と、受信部120による通信とが混信しないように構成されている。
送受信装置962は、送受信装置961と同様の構成を有し、同様に動作するのでその説明を省略する。つまり送受信装置961と送受信装置962は、互いに同様の方法で、通信媒体130を介して、双方向に通信を行う。
このようにすることにより、通信システム950(送受信装置961および送受信装置962)は、利用環境に制約を受けない双方向通信を容易に実現することができる。
なお、上述した構成例では、送受信で異なる電極を用いているが、信号電極、基準電極を一組だけ設け、送受信を切り替えるようにしてもよい。
次に、上述した通信システムを基盤とし、本発明を適用した改札システムの構成例について、図34および図35を参照して説明する。図34は、改札システム1000を改札ゲートの外側(改札内)から斜め方向に見た図であり、図35は、改札システム1000を上方から見た図である。
この改札システム1000は、例えば、駅や美術館など(図34の場合、駅)の改札口に設けられ、改札を通過しようとする利用者の腕等に装着されているユーザデバイス(UD)1100(図33の送受信装置962に相当する)から、定期乗車券等に相当する情報を読み出して、その情報に基づいて、検札処理を行い、改札ゲート1001−1および1001−2の扉1003を開閉するものである。
また、改札システム1000は、さらに、改札を通過しようとする利用者の腕等に装着されている、検札終了後のユーザデバイス1100から、予め記憶されている新聞や雑誌などのコンテンツの定期購読情報を読み出して、その情報に基づいて、コンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に配信するものである。
改札システム1000は、改札ゲート1001−1および1001−2、信号電極1002−1および1002−2、改札ゲート1001−1および1001−2間に設置される扉1003Lおよび1003R、信号処理装置1011、基準電極1012、ストレージ1013、並びに、ゲート駆動部1014Lおよび1014Rにより構成される。
信号電極1002−1および1002−2は、図33の送信信号電極111と受信信号電極121を一体化したものであり、人が改札を通過するときに歩行する、改札ゲート1001−1および1001−2の間の床面に設置されている。なお、信号電極1002−1および1002−2は、床面にむき出しで配置されていてもよいし、絶縁体などにより覆われた状態で床面に配置されていてもよい。また、信号電極1002−1および1002−2は、実際には、それぞれ、複数に分割されており、そのうちの1つが時分割で信号処理装置1011に切り替えられることで、通信を行うことができる。
信号処理装置1011は、図33の送信部113と受信部123を一体化したものであり、信号電極1002−1と1002−2と接続される改札ゲート1001−1および1001−2の間を通過する利用客の腕等に装着されている携帯デバイス1100と、図33の通信媒体130に相当する、利用客の人体を通信媒体として、図1乃至図33を参照して上述した無線通信を行うことが可能となるように構成されている。
基準電極1012は、図33の送信基準電極112と受信基準電極122を一体化したものであり、設置場所は、任意である。なお、図35の例においては、信号処理装置1011とともに、片方の改札ゲート1001−2内に内蔵されている。
ストレージ1013には、信号処理装置1011により、図示せぬコンテンツ配信サーバから定期的に取得されるコンテンツのデータが記憶されており、信号処理装置1011により、読み出される。また、ストレージ1013には、検札完了テーブルが記憶されており、検札完了テーブルには、信号処理装置1011により、検札処理済みのユーザデバイス1100のデバイスID(Identification)が、検札処理の認証時に共有されるセッション鍵とともに登録される。
ゲート駆動部1014Lは、信号処理装置1011からの制御のもと、扉1003Lを開放または閉鎖する。ゲート駆動部1014Rは、信号処理装置1011からの制御のもと、扉1003Rを開放または閉鎖する。
なお、図35の例においては、左側の扉1003Lが開放されており、右側の扉1003Rが閉鎖されている状態が示されている。
また、以下、改札ゲート1001−1および1001−2、信号電極1002−1および1002−2、扉1003Lおよび1003R、並びに、ゲート駆動部1014Lおよび1014Rを個々に区別する必要がない場合、それぞれ、単に、改札ゲート1001、信号電極1002、扉1003、並びに、ゲート駆動部1014とも適宜称する。
ここで、この改札システム1000は、利用客(人)が、実線矢印で示される信号電極1002−1側(図35の図中左側)から進入し、改札内に入ることと、点線矢印で示される信号電極1002−2側(図35の図中右側)から進入し、改札外へ退場することのどちらも可能に構成されている。すなわち、利用客は、改札システム1000を介して、改札内への進入と改札外への退場が可能である。
利用客の進入が、図35の図中左側(改札外側)からある場合、信号処理装置1011は、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信を行うことで、検札処理を行い、ゲート駆動部1014Rを制御し、扉1003Rを開閉させる。その後、信号処理装置1011は、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信結果に基づいて、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に配信(送信)する。
利用客の進入が、図35の図中右側(改札内側)からある場合、信号処理装置1011は、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信を行うことで、検札処理を行い、ゲート駆動部1014Lを制御し、扉1003Lを開閉させる。その後、信号処理装置1011は、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信結果に基づいて、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に配信(送信)する。
すなわち、信号処理装置1011は、信号電極1002−1および1002−2を時分割でどちらかに切り替えて通信を行っており、利用客の進入方向に応じた信号電極1002−1または信号電極1002−2を介してのユーザデバイス1100との通信により、検札処理を行い、その後、利用客の進入方向に応じた信号電極1002−1または信号電極1002−2を介してのユーザデバイス1100との通信により、コンテンツの配信処理を行う。
図36は、信号処理装置1011の内部構成例を示すブロック図である。
信号処理装置1011において、信号発生部1021は、例えば、ユーザデバイス1100などに対して情報を送信するとき、制御部1025の制御に基づいてその情報に対応する信号を発生する。信号復調部1022は、ユーザデバイス1100などから情報(情報に対応する信号)を受信したとき、信号を復調し、復調した信号を制御部1025に供給する。
送受信切替部1023は、例えば、制御部1025からの制御に基づいて、接続する信号電極1002を、信号電極1002−1または信号電極1002−2のいずれか一方に切り替えたり、また、信号電極1002との接続を、信号発生部1021または信号復調部1022のいずれか一方に切り替える。
制御部1025は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、各種のプログラムなどを実行することにより、信号発生部1021、信号復調部1022、通信インタフェース(I/F)1026、およびゲート駆動部1014の動作を制御する。
例えば、制御部1025は、信号発生部1021、または信号復調部1022を制御して、ユーザデバイス1100などとの間で送受信される信号の生成または復調を行わせる。また、制御部1025は、センサ1041Lまたはセンサ1041Rからのセンサ出力や、ユーザデバイス1100などとの通信結果に応じて、ゲート駆動部1014に、扉1003の開放や閉鎖を行わせる。さらに、制御部1025は、定期的に、通信インタフェース1026を制御し、インターネットなどの図示せぬネットワークを介して、図示せぬコンテンツ配信サーバにアクセスさせ、コンテンツのデータを取得させ、取得させたコンテンツのデータを、ストレージ1013に記憶させる。
メモリ1024は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などにより構成され、必要なデータが適宜記憶される。
通信インタフェース1026は、制御部1025の制御のもと、インターネットなどの図示せぬネットワークを介して、図示せぬコンテンツ配信サーバにアクセスし、コンテンツのデータを取得する。
また、制御部1025には、図35のストレージ1013、並びにゲート駆動部1014Lおよび1014Rが接続されるとともに、センサ1041Lおよび1041Rも接続されている。なお、以下、センサ1041Lおよび1041Rを個々に区別する必要がない場合、単にセンサ1041と適宜証する。
センサ1041は、レーザなどを用いて人を検出するセンサであり、例えば、改札ゲート1001の左端部および右端部にそれぞれ設けられ、改札ゲート1001−1および1001−2の間に人が入ろうとしていることに対応して変化するセンサ出力を、制御部1025に出力する。すなわち、センサ1041は、改札ゲート1001の少し手前を検出範囲としている。
なお、センサ1041は、レーザを用いるものに限らず、人の通過、存在を検知するようなセンサで構成することができる。例えば、センサ1041を、圧力センサや光学式センサで構成し、信号電極1002−1および1002−2に内蔵して設置することもできる。
図37は、信号処理装置1011の制御部1025の構成例を示している。
図37の例においては、制御部1025は、人検知部1051、デバイスID取得部1052、駆動制御部1053、デバイスID検索部1054、検札処理部1055、デバイスID登録部1056、および配信処理部1057により構成されている。
人検知部1051は、センサ1041Lまたは1041Rからのセンサ出力に基づき、人(利用客)を検知して、その検知結果を、デバイスID取得部1052および駆動制御部1053に供給する。
デバイスID取得部1052は、信号電極1002を介して、利用客のユーザデバイス1100に対して、通信の開始を通知するためのスタートコマンドを送信し、それに対応してユーザデバイス1100から送信されてくるデバイスIDを取得し、取得したデバイスIDを、デバイスID検索部1054に供給する。
駆動制御部1053は、人検知部1051からの検知結果および信号処理装置1011(検札処理部1055と配信処理部1057)の動作状態に基づいて、あるいは、検札処理部1055からの通知に応じて、ゲート駆動部1014Lまたは1014Rを制御し、対応する扉1003Lまたは1003Rを開放または閉鎖させる。
例えば、検札処理部1055と配信処理部1057のどちらも動作を行っておらず、センサ1041Lからの検知結果が供給された場合、駆動制御部1053は、図35の左側から人を進入させるために、ゲート駆動部1014Lを制御し、人が検知されたセンサ1041L側の扉1003Lを開放させる。同様に、検札処理部1055と配信処理部1057のどちらも動作を行っておらず、センサ1041Rからの検知結果が供給された場合、駆動制御部1053は、図35の右側から人を進入させるために、ゲート駆動部1014Rを制御し、人が検知されたセンサ1041R側の扉1003Rを開放させる。なお、このとき、逆側の扉を閉鎖させることも可能である。
また、駆動制御部1053は、例えば、図35の左側から人が進入している場合に、検札処理部1055から検札成功が通知されたときには、ゲート駆動部1014Rを制御し、進入側(左側)と反対側の扉1003Rを開放させ、一方、図35の右側から人が進入している場合に、検札処理部1055から検札成功が通知されたときには、ゲート駆動部1014Lを制御し、進入側(右側)と反対側の扉1003Lを開放させる。
さらに、駆動制御部1053は、例えば、図35の左側から人が進入している場合に、検札処理部1055から認証エラーや決済エラーにより検札失敗が通知されたときには、ゲート駆動部1014Rを制御し、進入側(左側)と反対側の扉1003Rを閉鎖させ、一方、図35の右側から人が進入している場合に、検札処理部1055から認証エラーや決済エラーにより検札失敗が通知されたときには、ゲート駆動部1014Lを制御し、進入側(右側)と反対側の扉1003Lを閉鎖させる。
図35を参照して上述したように、ストレージ1013には、信号処理装置1011における検札済みのユーザデバイス1100のデバイスIDが、検札処理の認証時に共有されるセッション鍵とともに登録される検札完了テーブルが記憶されている。なお、この検札完了テーブルは、ストレージ1013ではなく、信号処理装置1011内部のメモリ1024に記憶させることもできる。
デバイスID検索部1054は、ストレージ1013の検札完了テーブルを参照し、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1052からのデバイスIDが登録されているか否かを判定し、デバイスIDが登録されていない場合、検札処理部1055にデバイスIDを供給する。デバイスIDが登録されている場合、デバイスID検索部1054は、ストレージ1013の検札完了テーブルから、そのデバイスIDに対応つけられて登録されているセッション鍵を読み出し、配信処理部1057に供給する。
検札処理部1055は、認証処理部1071、定期券判定部1072、電子マネー処理部1073、および入場情報設定部1074により構成され、デバイスID検索部1054からデバイスIDが供給されると、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100に対して検札処理を実行する。
認証処理部1071は、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と相互認証を行う。認証処理部1071は、デバイスIDを用いた認証を行い、認証が成功した場合、セッション鍵を生成し、生成したセッション鍵を、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100に送信して、セッション鍵をユーザデバイス1100と共有する。また、このとき、認証処理部1071は、デバイスIDとセッション鍵を、定期券判定部1072に供給する。
なお、認証が成功しなかった場合、認証処理部1071は、その認証エラーを、駆動制御部1053に通知する。
定期券判定部1072は、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、定期券情報を取得し、定期券の区間および期間が有効であるか否かを判定し、有効であると判定した場合、デバイスIDとセッション鍵とともにその判定結果を、入場情報設定部1074に通知する。また、定期券判定部1072は、有効ではないと判定した場合、電子マネー処理部1073にデバイスIDとセッション鍵を供給し、電子マネー処理部1073を制御し、ユーザデバイス1100の電子マネー残高を減額させる。
電子マネー処理部1073は、定期券判定部1072の制御のもと、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に記憶される電子マネー残高を減額させる。減額が成功した場合、電子マネー処理部1073は、デバイスIDとセッション鍵とともに、減額成功を、入場情報設定部1074に通知する。また、電子マネー処理部1073は、減額が成功しなかった場合、その減額エラーを駆動制御部1053に通知する。
入場情報設定部1074は、定期券判定部1072または電子マネー処理部1073からの通知に応じて、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100の入場情報を設定して、検札処理を行う。
すなわち、入場情報設定部1074は、利用者が改札内に入場する場合、ユーザデバイス1100の入場情報に、入場フラグを立て、さらに、入場時刻、入場した駅を設定させる。一方、利用者が改札内から外に出場する場合、入場情報設定部1074は、ユーザデバイス1100に設定されている入場情報をクリアさせる。
入場情報の設定後、入場情報設定部1074は、デバイスIDとセッション鍵とともに、検札完了を、デバイスID登録部1056および駆動制御部1053に通知する。
デバイスID登録部1056は、入場情報設定部1074からの通知に基づいて、検札完了したユーザデバイス1100のデバイスIDを、セッション鍵とともに、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録する。
配信処理部1057は、定期購読判定部1081、電子マネー処理部1082、およびコンテンツ配信部1083により構成され、デバイスID検索部1054からデバイスIDおよびセッション鍵が供給されると、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100に対してコンテンツ配信処理を実行する。すなわち、ユーザデバイス1100との通信は、信号電極1002を介し、相互認証により共有されているセッション鍵を用いて暗号化されて行われる。
定期購読判定部1081は、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に予め記憶されている新聞や雑誌などのコンテンツの定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの定期購読の有無、並びに、現在が定期購読の有効期間内であるか否かを判定し、コンテンツの定期購読があり、かつ、現在が定期購読の有効期間内であると判定した場合、さらに、その支払い方法が逐次払いであるか否かを判定する。
定期購読判定部1081は、コンテンツの定期購読支払い方法が逐次払いではない(すなわち、一括払いである)と判定した場合、予め定期購読情報が記憶されるときに、コンテンツの定期購読支払いは終了しているので、コンテンツ配信部1083に、そのコンテンツの配信を要求する。
また、定期購読判定部1081は、コンテンツの定期購読支払い方法が逐次払いであると判定した場合、電子マネー処理部1082を制御し、ユーザデバイス1100の電子マネー残高を、コンテンツの代金で減額させる。なお、コンテンツの定期購読がなく、あるいは、あったとしても、現在が定期購読の有効期間内ではないと判定された場合、その判定結果は、コンテンツ配信部1083に通知され、コンテンツの配信は行われない。
電子マネー処理部1082は、定期購読判定部1081の制御のもと、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に記憶される電子マネー残高を、コンテンツの代金で減額させ、減額が成功した場合、コンテンツ配信部1083に、そのコンテンツの配信を要求する。また、電子マネー処理部1082は、減額が成功しなかった場合、その減額エラーをコンテンツ配信部1083に通知する。
コンテンツ配信部1083は、定期購読判定部1081または電子マネー処理部1082から要求されたコンテンツのデータを、ストレージ1013から読み出し、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に配信する。なお、定期購読判定部1081または電子マネー処理部1082からエラーが通知された場合、コンテンツの配信は行われない。
図38は、ユーザデバイス1100の内部構成例を示すブロック図である。なお、図38の例において、信号発生部1251乃至送受信切替部1253は、図36の信号発生部1021乃至送受信切替部1023に対応する機能ブロックであり、それぞれ同様の機能を有しているので詳細な説明は省略する。
基準電極1202および信号電極1201は、図1乃至図33を参照して上述した無線通信に用いられる基準電極および信号電極であり、信号電極1201は、通信媒体(例えば、人体など)に近接するように設けられ、基準電極1202は、空間に向くように設けられる。例えば、基準電極1202は、図33の送信基準電極112、または受信基準電極122に対応し、信号電極1201は、図33の送信信号電極111、または受信信号電極121に対応することになる。なお、通信媒体は、単一の物体であってもよいし、複数の導電体や誘電体が組み合わせられたものであってもよい。
制御部1255は、例えばCPU、ROM、およびRAM等を含んで構成され、各種のプログラムなどを実行することにより、信号発生部1251、および信号復調部1252の動作を制御する。
例えば、制御部1255は、信号発生部1251、または信号復調部1252を制御して、信号処理装置1011などとの間で送受信される信号の生成または復調を行わせる。また、制御部1255は、不揮発性メモリ1254に記憶されている電子マネー残高情報から、改札ゲート1001を入場するための入場料を減額させたり、信号処理装置1011からの減額要求に基づいて、要求された金額を減額する処理を行う。
不揮発性メモリ1254は、例えば、耐タンパ性を備えた、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などのセキュアメモリで構成される。なお、不揮発性メモリ1254は、その耐タンパ性をより高めるため、制御部1255を構成するCPUと1チップ化されていることが好ましい。
不揮発性メモリ1254は、制御部1255の制御に基づいて、例えば、電子マネー残高情報、定期乗車券情報、改札の入場情報、および、新聞や雑誌などのコンテンツの定期購読情報を記憶する。また、不揮発性メモリ1254には、ユーザデバイス1100(個々の携帯デバイス)に固有のデバイスIDが予め記憶されており、さらに、信号処理装置1011との認証時に共有されるセッション鍵が記憶される。
電子マネー残高情報は、例えば、予めチャージされるプリペイド金額などである。なお、この電子マネー残高情報は、プリペイド金額の残高が0の場合、利用客の信用に応じて、所定の金額まではマイナス金額として記憶しておき、後で支払うように構成することもできる。
定期乗車券情報は、予め利用客により購入されている所定の駅の区間の所定の期間の乗車券情報であり、利用可能な駅の区間および利用可能な月日の期間などの情報により構成されている。改札の入場情報は、例えば、検札処理が完了した場合に、信号処理装置1011により設定される入場履歴を示す入場フラグや、入場時刻、入場した駅の情報などにより構成されている。
定期購読情報は、後述する販売装置1400(図45)やネットワークに接続される図示せぬコンテンツ配信サーバなどにアクセスすることで、予め利用客により購入済み、あるいは、購入が指定済みの新聞や雑誌などのコンテンツの種類(名前)と、そのコンテンツを購入する購入期間、購入時の支払い方法(逐次払いか予め一括払いか)などの情報で構成される。
データメモリ1256は、不揮発性メモリやハードディスク、あるいは、リムーバブルメモリなどで構成され、データメモリ1256には、信号処理装置1011から配信されたコンテンツのデータが記憶される。
なお、データメモリ1256を、CPUと1チップ化される不揮発性メモリ1254に含めるようにすることもできるが、この場合、コストが高くなってしまう。したがって、図38の例においては、データメモリ1256は、不揮発性メモリ1254とは別に構成されている。
制御部1255には、さらに、入力部1271、出力部1272、通信インタフェース1(I/F)1273、およびバッテリ1274が接続されている。
入力部1271は、ユーザデバイス1100に対する利用客の指令などを入力するための機能ブロックであり、例えば、操作キー、ボタン、スイッチなどにより構成される。あるいはまた、利用客がユーザデバイス1100を握る圧力を検出する圧力センサ、利用客がユーザデバイス1100を振ったときの加速度を検出する加速度センサ、受光していた光が遮られたか否かを検出する光センサ、指紋などの生体情報を検出するバイオメトリクスセンサなどにより入力部1271が構成されるようにしてもよい。
出力部1272は、ユーザデバイス1100から利用客に対して情報を提示するため、あるいは、データメモリ1256に記憶されるコンテンツを視聴するための機能ブロックであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成されるディスプレイを含んで構成される。出力部1272には、この他、音声を出力するスピーカ、所定の間隔で点滅するLED(Light Emitting Diode)、または利用客に振動を呈示するモータなどが含まれるようにしてもよい。
通信インタフェース(I/F)1273は、制御部1255の制御のもと、インターネットなどの図示せぬネットワークを介して、図示せぬサーバなどにアクセスし、通信を行う。バッテリ1274は、ユーザデバイス1100全体の電源を供給する。
次に、図39のフローチャートを参照して、図35の改札システム1000における信号処理装置1011の処理を説明する。
例えば、数分前に、改札内から出場したい利用客が、図35の図中右側から進入し、その利用客が装着しているユーザデバイス1100に対しての検札処理およびコンテンツ配信処理が終了してから、他の利用客の進入がなく、扉1003Rは開放されたままであり、扉1003Lは閉鎖されている。
このような状態において、新たな利用客が改札内に入場しようと、図35の図中左側から進入しようとする。このとき、改札ゲート1001の左端に設けられたセンサ1041Lは、改札ゲート1001−1および1001−2の間に人が入ろうとしていることに対応して変化するセンサ出力を、人検知部1051に出力する。人検知部1051は、センサ1041Lからのセンサ出力に基づき、人(利用客)を検知して、その検知結果を、デバイスID取得部1052および駆動制御部1053に通知する。
駆動制御部1053は、検札処理部1055と配信処理部1057のどちらも動作を行っていない状態のときに、センサ1041Lからの検知結果が供給されるので、ゲート駆動部1014Lを制御し、人が検知されたセンサ1041L側の扉1003Lを開放させる。これにより、利用客は、改札ゲート1001−1および1001−2の間に設けられた信号電極1002−1および1002−2上を順に通過することができる。
なお、このとき、同時に、反対側の扉1003Rをゲート駆動部1014Rに閉鎖させることもでき、この場合、他の利用者の図35の図中右側からの進入を抑制することができる。
人検知部1051からの検知結果が通知されると、デバイスID取得部1052は、ステップS11において、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100の検出処理を行う。すなわち、デバイスID取得部1052は、信号電極1002−1を介して、利用客のユーザデバイス1100に対して、通信の開始を通知するためのスタートコマンドを送信する。
なお、センサ1041や人検知部1051は、必須の構成ではなく、構成されない場合には、例えば、デバイスID取得部1052は、ユーザデバイス1100からの反応(デバイスID)が受信されるまで、スタートコマンドを送信する。
スタートコマンドに対応して、後述する図42のステップS62において、ユーザデバイス1100からデバイスIDが送信されてくるので、デバイスID取得部1052は、ステップS12において、ユーザデバイス1100からデバイスIDが取得されたと判定し、取得されたデバイスIDを、デバイスID検索部1054に供給し、処理は、ステップS13に進む。
ステップS12において、デバイスIDが取得できたと判定されなかった場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、ステップS12において、デバイスIDが取得できたと判定されるまで、ステップS11およびS12の処理が繰り返される。
ステップS13において、デバイスID検索部1054は、ストレージ1013の検札完了テーブルを参照し、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1052からのデバイスIDが登録されているか否かを判定する。
検札処理が終了していない場合、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1052からのデバイスIDは、登録されていない。したがって、この場合、デバイスID検索部1054は、検札処理は終了していないと判定し、検札処理部1055にデバイスIDを供給する。
これに対応して、検札処理部1055は、ステップS14において、ユーザデバイス1100に対しての検札処理を実行する。この検札処理の説明は、図40のフローチャートを参照して詳しく後述する。
ステップS14の検札処理により、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と通信が行われることで、相互認証が行われ、セッション鍵が共有され、セッション鍵を用いて、定期券情報が読み出され、定期券情報に基づいて、電子マネー残高の減額が行われ、入場情報が設定された後、検札完了が、デバイスID登録部1056および駆動制御部1053に通知され、進行方向側の扉1003Rが開放される。
検札処理部1055から検札完了が通知されると、ステップS15において、デバイスID登録部1056は、検札完了したユーザデバイス1100のデバイスIDを、ユーザデバイス1100との認証処理の結果、共有されたセッション鍵とともに、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録する。これにより信号処理装置1011の処理は終了する。
なお、この検札完了テーブルに登録されたデバイスIDとセッション鍵は、コンテンツの配信完了と同時、または所定時間経過したときに消去される。
一方、例えば、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と通信を行うことで、検札処理が終了した後、次に、信号処理装置1011は、通信する信号電極を切り替え、ステップS11において、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100の検出処理を行い、信号電極1002−2を介して、デバイスIDを取得する。
この場合、すでに、検札完了テーブルに、ユーザデバイス1100のデバイスIDが、セッション鍵とともに登録されているので、ステップS13において、デバイスID検索部1054により、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1052からのデバイスIDが登録されていると判定され、デバイスID検索部1054は、ストレージ1013の検札完了テーブルから、そのデバイスIDに対応つけられて登録されているセッション鍵を読み出し、配信処理部1057に供給し、処理は、ステップS16に進む。
ステップS16において、配信処理部1057は、コンテンツの配信処理を実行する。このコンテンツの配信処理の説明は、図41のフローチャートを参照して詳しく後述する。
ステップS16のコンテンツの配信処理により、検札処理時のユーザデバイス1100との相互認証により共有されたセッション鍵が用いられて、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100と通信が行われることで、定期購読情報が取得され、取得された定期購読情報に基づいて、ユーザデバイス1100に、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータが配信される。これにより信号処理装置1011の処理は終了する。
なお、ステップS13でNOの場合、ステップS14の検札処理内でユーザデバイス1100と共有されたセッション鍵がデバイスIDに基づいて検札完了テーブルから読み出され、配信処理部1057に供給されるので、ステップS16の配信処理時においては、再度、認証を行い、セキュアパスを構築する必要がない。
以上のように、ユーザデバイス1100を装着する利用者が、信号電極1002が埋め込まれている改札ゲート1001−1および1001−2の間の床面上を通過する間に、検札処理を行い、検札処理の完了後、定期購読が購入(あるいは予約)されているコンテンツを配信するようにしたので、利用者は、購入意思を逐次示さなくても、通勤途中に、改札ゲート1001を通過するだけで、迅速にコンテンツ配信サービスの提供を受けることができる。
なお、図39においては、図35の図中左側(改札外側)から利用客が進入する場合について説明したが、図35の図中右側(改札内側)から利用客が進入する場合も、接続する信号電極が入れ替わり、制御するゲート駆動部1014が左右で入れ替わるだけで、その他の処理は基本的に同じであり、その説明は、繰り返しになるので省略する。
次に、図40のフローチャートを参照して、図39のステップS14の検札処理について説明する。
検札処理部1055の認証処理部1071は、ステップS21において、デバイスID検索部1054から供給されたデバイスIDを用いて、ユーザデバイス1100と相互認証を行い、ステップS22において、認証が成功したか否かを判定する。
ここで、ステップS21における相互認証処理について具体的に説明する。例えば、この認証方式としては、ISO/IEC9798-2またはISO/IEC9798-3などの方式が用いられる。なお、以下、この相互認証処理に対応してユーザデバイス1100により実行される、後述する図42のステップS64における相互認証処理も同時に説明する。
すなわち、認証処理部1071は、デバイスIDからユーザデバイス固有の認証鍵を生成し、乱数を生成し、生成した乱数を、認証鍵で暗号化して、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100に送信する。
ユーザデバイス1100は、暗号化された乱数を受信すると、それを復号し、別の乱数を生成し、2つの乱数(生成した乱数と受信した乱数)を認証鍵で暗号化して、信号処理装置1011に返信してくる。
認証処理部1071は、返信された乱数を復号し、そのうちの1つが、自分が生成したものであるか(乱数の正当性を)検証し、自分が生成したものであれば、ステップS22において、認証が成功したと判定する。認証が成功した場合、認証処理部1071は、セッション鍵を生成し、ユーザデバイス1100が生成した乱数と組み合わせ、認証鍵で暗号化して、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100に送信し、処理は、ステップS23に進む。このとき、認証処理部1071は、デバイスIDとセッション鍵を、定期券判定部1072に供給する。
なお、これに対応して、ユーザデバイス1100は、暗号化されたセッション鍵および乱数を受信し、それを復号し、復号した乱数の正当性を検証して、自分が生成したものであれば、認証が成功したと判定する。そして、認証が成功した場合、ユーザデバイス1100は、信号処理装置1011とセッション鍵を共有する。
これにより、これ以降、信号処理装置1011とユーザデバイス1100の間では、セッション鍵を用いて(すなわち、セッション鍵を用いた暗号化により)通信が行われることで、相互認証により構築されたセキュアパスにより通信が行われることになる。
ステップS23において、定期券判定部1072は、認証処理部1071からのセッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、定期券情報を取得する。
ステップS24において、定期券判定部1072は、取得した定期券情報に基づいて、定期券が有効であるか否かを判定する。すなわち、定期券判定部1072は、定期券の乗車区間および定期券の有効期間(年月日)が有効であるか否かを判定する。なお、定期券情報がなかった場合には、ステップS24において定期券が有効ではないと判定される。
ステップS24において定期券が有効ではないと判定された場合、定期券判定部1072は、デバイスIDとセッション鍵を、電子マネー処理部1073に供給し、処理は、ステップS25に進む。すなわち、この場合、利用者が改札内に入場する時には、入場料の減額が必要となり、利用者が改札内から外に退場する時には、乗車料の清算が必要になるので、電子マネー残高の減額処理が行われる。
ステップS25において、定期券判定部1072は、電子マネー処理部1073を制御し、ユーザデバイス1100の電子マネー残高を減額させる。すなわち、電子マネー処理部1073は、定期券判定部1072からのセッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に記憶される電子マネー残高を減額させ、ステップS26において、その減額が成功したか否かを判定する。
例えば、後述する図43のステップS68において、電子マネー残高の減額が完了した場合、ユーザデバイス1100は、減額完了を、信号電極1201を介して、信号処理装置1011に送信してくる。この場合、ステップS26において、電子マネー処理部1073は、電子マネー残高の減額が成功したと判定し、デバイスIDとセッション鍵とともに、減額成功を、入場情報設定部1074に通知し、処理は、ステップS27に進む。
ステップS24において定期券が有効であると判定された場合、定期券判定部1072は、デバイスIDとセッション鍵とともにその判定結果を、入場情報設定部1074に通知し、ステップS25およびS26の処理はスキップされ、処理は、ステップS27に進む。
ステップS27において、入場情報設定部1074は、定期券判定部1072または電子マネー処理部1073からのデバイスIDとセッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100の入場情報を設定する。
すなわち、例えば、図35の左側から改札ゲート1001を通過する場合のように、利用者が改札内に入場する場合、入場情報設定部1074は、ユーザデバイス1100の入場情報に、入場フラグを立て、さらに、入場時刻、入場した駅を設定させる。一方、図35の右側から改札ゲート1001を通過する場合のように、利用者が改札内から外に出場する場合、入場情報設定部1074は、ユーザデバイス1100に設定されている入場情報をクリアさせることで、検札処理を行い、検札完了を、デバイスID登録部1056および駆動制御部1053に通知し、デバイスIDとセッション鍵をデバイスID登録部1056に供給する。
これに対応して、図39のステップS15において、デバイスID登録部1056により、検札完了したユーザデバイス1100のデバイスIDが、セッション鍵とともに、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録される。
ステップS28において、駆動制御部1053は、入場情報設定部1074からの検札完了の通知に応じて、ゲート駆動部1014Rを制御し、改札ゲート1001の扉1003Rを開放させる。なお、扉1003Rが、もともと開放した状態であった場合には、開放のままにしておく。
一方、相互認証時において、乱数が正当なものでないとされた場合、ステップS22において、認証が成功しなかった(認証失敗)と判定され、認証処理部1071は、その認証エラーを、駆動制御部1053に通知し、処理は、ステップS29に進む。また、ステップS26において、減額が成功しなかった場合、電子マネー処理部1073は、その減額エラーを駆動制御部1053に通知し、処理は、ステップS29に進む。
ステップS29において、駆動制御部1053は、検札処理部1055からの検札失敗(すなわち、認証処理部1071からの認証エラーまたは、電子マネー処理部1073からの減額エラー)の通知に応じて、ゲート駆動部1014Rを制御し、改札ゲート1001の扉1003Rを閉鎖させる。なお、扉1003Rが、もともと閉鎖した状態であった場合には、閉鎖のままにしておく。
以上のようにして、相互認証が行われ、セッション鍵が共有され、共有されたセッション鍵が用いられて、ユーザデバイス1100の定期券情報が取得されて、取得された定期券情報に基づいて決済(電子マネー残高の減額)処理が行われ、検札処理が行われる。
次に、図41のフローチャートを参照して、図39のステップS16のコンテンツの配信処理について説明する。この配信処理における通信では、デバイスID検索部1054から供給されたセッション鍵での暗号化を用いることで、検札処理の認証時に構築されたセキュアパスでの通信を行うことができる。
配信処理部1057の定期購読判定部1081は、ステップS41において、デバイスID検索部1054から供給されたセッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、ステップS42において、取得した定期購読情報に基づいて、コンテンツの定期購読があるか、かつ、その定期購読期間が有効期間内であるか否かを判定する。
コンテンツの定期購読があり、その定期購読期間が有効期間内であると判定された場合、処理は、ステップS43に進み、定期購読判定部1081は、さらに、定期購読時の支払い方法が逐次払いであるか否かを判定する。
ステップS43において、定期購読時の支払い方法が逐次払いであると判定された場合、定期購読判定部1081は、ステップS44において、電子マネー処理部1082を制御し、ユーザデバイス1100の電子マネー残高を、コンテンツの代金で減額させる。
すなわち、電子マネー処理部1082は、定期購読判定部1081の制御のもと、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に記憶される電子マネー残高を、コンテンツの代金で減額させる。
電子マネー処理部1082は、ステップS45において、電子マネー残高の減額が成功したか否かを判定する。例えば、後述する図43のステップS68において、電子マネー残高の減額が完了した場合、ユーザデバイス1100は、減額完了を、信号電極1201を介して、信号処理装置1011に送信してくる。この場合、ステップS45において、電子マネー処理部1082は、電子マネー残高の減額が成功したと判定し、コンテンツ配信部1083に、コンテンツの配信を要求し、処理は、ステップS46に進む。
ステップS43において、定期購読時の支払い方法が一括払いであると判定された場合、定期購読を設定したときにすでに代金は一括払いされているので、ステップS44およびS45の処理は、スキップされ、処理は、ステップS46に進む。
ステップS46において、コンテンツ配信部1083は、定期購読判定部1081または電子マネー処理部1082から要求されたコンテンツのデータを、ストレージ1013から読み出し、セッション鍵を用いて、信号電極1002を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に配信する。
ステップS42において、コンテンツの定期購読がないか、もしくは、コンテンツの定期購読があったとしても、その定期購読期間が有効期間内ではないと判定された場合、定期購読判定部1081は、コンテンツ配信部1083に、その判定結果を通知し、処理は、ステップS47に進む。
また、ステップS45において、電子マネー残高の減額が失敗したと判定された場合、電子マネー処理部1082は、その減額エラーをコンテンツ配信部1083に通知し、処理は、ステップS47に進む。
定期購読判定部1081または電子マネー処理部108から判定結果やエラーが通知されるので、ステップS47において、コンテンツ配信部1083は、コンテンツの配信を行わない。
以上のように、改札ゲート1001の間を通る間に、検札処理だけでなく、コンテンツ配信処理も行うようにしたので、利用客は、わざわざ売店などで見出しを見比べ、所望の新聞紙を購入する必要がなく、改札ゲート1001の間を通るだけで、簡単に、コンテンツのデータを得ることができる。
また、検札処理の後に、デバイスIDと、認証時に共有されたセッション鍵を登録しておき、その後、共有されたセッション鍵を用いて、コンテンツ配信処理を行うようにしたので、コンテンツの配信処理においては、検札処理の認証時に構築されたセキュアパスをそのまま用いることができ、再度の認証処理の手間を省くことができる。
次に、図42および図43のフローチャートを参照して、図39を参照して上述した信号処理装置1011の処理に対応して実行されるユーザデバイス1100の処理を説明する。なお、このユーザデバイス1100の処理は、1つの処理であるが、説明の便宜上、図42のステップS61乃至S66および図43のステップS67乃至S72に分けて示されている。
図42のステップS61において、ユーザデバイス1100の制御部1255は、信号処理装置1011が送信したスタートコマンドを、信号電極1201を介して受信するまで待機する。
例えば、信号処理装置1011は、図39のステップS11において、スタートコマンドをユーザデバイス1100に対して送信してくる。
スタートコマンドを受信した場合、処理はステップS62に進み、制御部1255は、当該ユーザデバイス1100に固有のデバイスIDを、不揮発性メモリ1254から読み出し、信号電極1201を介して信号処理装置1011に返信する。これにより、信号処理装置1011との通信が確立されたことになる。
ステップS63において、制御部1255は、不揮発性メモリ1254を参照して、信号処理装置1011との認証が完了しているか否かを判定する。すなわち、検札処理済み(または認証済み)でない場合、信号処理装置1011とのセッション鍵は不揮発性メモリ1254に記憶されていないので、ステップS63において、認証が完了していないと判定され、処理は、ステップS64に進む。
この場合、図40のステップS21において詳しく上述したように、信号処理装置1011から、認証鍵で生成された乱数が送信されてくるので、制御部1255は、ステップS64において、信号処理装置1011と相互認証を行い、認証成功後、得られたセッション鍵を不揮発性メモリ1254に記憶する。これにより、信号処理装置1011とセキュアパスが構築されたことになる。以降、このセッション鍵が用いられて、信号処理装置1011との通信が行われる。
一方、検札処理済み(または認証済み)である場合、信号処理装置1011とのセッション鍵は不揮発性メモリ1254に記憶されているので、ステップS63において、制御部1255は、認証が完了していると判定し、ステップS64をスキップし、処理は、ステップS65に進む。すなわち、この場合、信号処理装置1011とのセキュアパスがすでに構築されており、不揮発性メモリ1254のセッション鍵が用いられて、信号処理装置1011との通信が行われる。
ステップS65において、制御部1255は、信号処理装置1011から、情報が要求されたか否かを判定する。例えば、図40のステップS23において、信号処理装置1011から定期券情報が要求された場合、または図41のステップS41において、信号処理装置1011から定期購読情報が要求された場合、処理は、ステップS66に進み、制御部1255は、不揮発性メモリ1254から、対応する情報(定期券情報または定期購読情報など)を読み出し、信号電極1201を介して、信号処理装置1011に送信する。
信号処理装置1011から、情報が要求されない場合、ステップS66の処理はスキップされ、処理は、図43のステップS67に進む。
ステップS67において、制御部1255は、信号処理装置1011から、電子マネー残高の減額が要求されたか否かを判定する。例えば、図40のステップS25または図41のステップS44において、信号処理装置1011から電子マネー残高の減額が要求されてくる。信号処理装置1011から電子マネー残高の減額が要求された場合、処理は、ステップS68に進み、制御部1255は、不揮発性メモリ1254に記憶されている電子マネー残高を減額し、減額完了を、信号電極1201を介して、信号処理装置1011に送信する。
信号処理装置1011から、電子マネー残高の減額が要求されない場合、ステップS68の処理はスキップされ、処理は、ステップS69に進む。
ステップS69において、制御部1255は、信号処理装置1011から、情報の記録が要求されたか否かを判定する。例えば、図40のステップS27において、信号処理装置1011から、入場情報の設定や、設定クリアが要求された場合、または、後述する図47のステップS120において、定期購買情報などの記録が要求された場合、処理は、ステップS70に進み、制御部1255は、不揮発性メモリ1254に対応する情報を書き込む。
信号処理装置1011から、情報の記録が要求されない場合、ステップS70の処理はスキップされ、処理は、ステップS71に進む。
ステップS71において、制御部1255は、信号処理装置1011から、コンテンツのデータが受信されたか否かを判定する。例えば、図41のステップS46において、信号処理装置1011は、コンテンツを配信してくる。信号処理装置1011から、コンテンツのデータが受信された場合、処理は、ステップS72に進み、制御部1255は、データメモリ1256に、受信されたコンテンツのデータを書き込む。
信号処理装置1011から、情報の記録が要求されない場合、ステップS72の処理はスキップされ、処理は終了する。
以上のように、図35の改札システム1000においては、図1乃至図33を参照して上述した無線通信を用いることにより、ユーザデバイス1100を装着した利用者が信号電極1002上を通過するだけで、検札処理が完了するだけでなく、さらに、コンテンツの配信処理も完了する。
したがって、利用者は、購入意思を逐次示すことなく、通勤途中に、改札ゲート1001を通過するだけで、迅速にコンテンツ配信サービスの提供を受けることができる。
なお、上述した図35の例においては、改札システム1000が、信号電極1002−1および1002−2を時分割で切り替えて通信する1台の信号処理装置1011で構成される場合を説明したが、次に、図44を参照して、信号電極1002−1と通信する信号処理装置1011−1、および信号電極1002−2と通信する信号処理装置1011−2で構成される改札システム1300について説明する。
図44は、本発明を適用した改札システムの他の構成例を示している。
図44の改札システム1300は、信号処理装置1011が、信号処理装置1011−1および1011−2に入れ替わっている点、並びに、基準電極1012が、基準電極1012−1および1012−2に入れ替わっている点が、図35の改札システム1000と異なるだけであり、その他の構成である、改札ゲート1001−1および1001−2、信号電極1002−1および1002−2、扉1003Lおよび1003R、ストレージ1013、並びに、ゲート駆動部1014Lおよび1014Rが備えられている点は図35の改札システム1000と共通している。
なお、信号処理装置1011−1および1011−2の構成と処理は、上述した図35の信号処理装置1011と基本的に、同様の構成であり、それぞれ同様の処理を行うため、その説明は繰り返しになるので省略する。
すなわち、この改札システム1300は、基準電極1012−1に接続され、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と無線通信を行う信号処理装置1011−1と、基準電極1012−2に接続され、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100と無線通信を行う信号処理装置1011−2のどちらか一方が、検札処理を行い、他方がコンテンツの配信処理を行うように、処理が分担されて構成されている。
例えば、利用客の進入が、図44の図中左側(改札外側)からある場合、まず、利用客は、信号電極1002−1上を通過するので、信号処理装置1011−1は、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013の検札完了テーブルにデバイスIDがないので、信号処理装置1011−1は、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と認証処理を含めた検札処理を行い、ゲート駆動部1014Rを制御し、扉1003Rを開閉させる。そして、このとき、デバイスIDと認証時のセッション鍵を、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録させる。すなわち、この場合、信号電極1002−1は、検札処理に用いられる検札用の信号電極となる。
次に、利用客は、信号電極1002−2上を通過するので、信号処理装置1011−2は、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013の検札完了テーブルにデバイスIDがあるので、信号処理装置1011−2は、セッション鍵を読み出し、それを用いて、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの配信処理を行い、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に送信する。すなわち、この場合、信号電極1002−2は、配信処理に用いられる配信用の信号電極となる。
一方、利用客の進入が、図44の図中右側(改札内側)からある場合、まず、利用客は、信号電極1002−2上を通過するので、信号処理装置1011−2は、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013の検札完了テーブルにデバイスIDがないので、信号処理装置1011−2は、信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100と認証処理を含めた検札処理を行い、ゲート駆動部1014Lを制御し、扉1003Lを開閉させる。そして、このとき、デバイスIDと認証時のセッション鍵を、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録させる。すなわち、この場合、信号電極1002−2は、検札処理に用いられる検札用の信号電極となる。
次に、利用客は、信号電極1002−1上を通過するので、信号処理装置1011−1は、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013の検札完了テーブルにデバイスIDがあるので、信号処理装置1011−1は、セッション鍵を読み出し、それを用いて、信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの配信処理を行い、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に送信する。すなわち、この場合、信号電極1002−1は、配信処理に用いられる配信用の信号電極となる。
以上のように、図44の改札システム1300においては、検札処理と配信処理を行う信号処理装置を分けて構成することにより、処理にかかる負担が分担され、軽減されるため、処理速度が向上する。
次に、図45を参照して、ユーザデバイス1100の不揮発性メモリ1254に、定期購買情報を事前に登録させる販売装置1400について説明する。
販売装置1400は、例えば、切符などの券売機であり、販売装置1400の前面に設けられ、タッチパネルが積層されているLCD(Liquid Crystal Display)1400aには、切符を購入するための切符購入ボタンなどの他に、コンテンツの定期購買するための所定の情報(例えば、コンテンツの種類や購読期間など)を選択し、入力するための選択ボタンや、コンテンツの定期購買を決定するための決定ボタンなどが表示されている。
そして、LCD1400aにおいて、この決定ボタンが表示されている領域には、利用者に装着されているユーザデバイス1100と利用者の人体を介して無線通信を行うための信号電極1411(図46)が積層されている。
利用客は、LCD1400aに表示される選択ボタンを操作する(選択ボタンに指を接触させる)ことで、コンテンツの種類や購読期間、支払い方法などを販売装置1400に入力し、これらの情報に基づくコンテンツの定期購買を決定するために、指を決定ボタンに接触させる。
これに対応して、利用客の人体、および決定ボタンに積層される信号電極1411を介して、販売装置1400は、利用客に装着されるユーザデバイス1100と通信し、相互認証や電子マネー残高の減額などを行った後、コンテンツの定期購買情報を、ユーザデバイス1100の不揮発性メモリ1254に書き込む。
これにより、ユーザデバイス1100の不揮発性メモリ1254には、コンテンツの定期購買情報が書き込まれるので、利用者は、ユーザデバイス1100を装着して、改札ゲート1001の間の床面に設けられた信号電極1002上を通過するだけで、検札処理ともに、コンテンツの提供を受けることができる。
図46は、販売装置1400の内部構成例を示すブロック図である。なお、図46の例において、信号発生部1451乃至制御部1455は、図36の信号発生部1021乃至制御部1025に対応する機能ブロックであり、それぞれ同様の機能を有しているので詳細な説明は省略する。
基準電極1412および信号電極1411は、図1乃至図33を参照して上述した無線通信に用いられる基準電極および信号電極であり、信号電極1411は、通信媒体(例えば、利用客(人体)の指など)に近接するように、LCD1400aにおける決定ボタンが表示されている領域に積層されて設けられ、基準電極1412は、例えば、販売装置1400の筐体内に設けられている。例えば、基準電極1412は、図33の送信基準電極112、または受信基準電極122に対応し、信号電極1411は、図33の送信信号電極111、または受信信号電極121に対応することになる。なお、通信媒体は、単一の物体であってもよいし、複数の導電体や誘電体が組み合わせられたものであってもよい。
図46の制御部1455には、さらに、タッチパネル1456およびLCD1400aが接続されている。タッチパネル1456は、LCD1400aに積層され、利用客の操作に対応する操作信号を、制御部1455に入力する。
次に、図47のフローチャートを参照して、販売装置1400の事前処理を説明する。なお、この処理に対応するユーザデバイス1100の処理は、図42および図43を参照して説明した処理と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
例えば、利用者は、LCD1400aに表示される選択ボタン(すなわち、タッチパネル1456)を操作することで、コンテンツの種類や購読期間、支払い方法などを販売装置1400に入力する。これに対応して、ステップS111において、タッチパネル1456は、コンテンツの種類を、制御部1455に入力する。制御部1455は、コンテンツの種類の入力を受け付ける。
ステップS112において、タッチパネル1456は、購読期間を入力する。制御部1455は、タッチパネル1456からの購読期間の入力を受け付ける。ステップS113において、タッチパネル1456は、支払い方法を入力する。制御部1455は、タッチパネル1456からの支払い方法の入力を受け付ける。
ステップS114において、制御部1455は、ユーザデバイスと交信できたか否かを判定する。すなわち、制御部1455は、タッチパネル1456からのコンテンツを購読するのに必要な情報がすべて入力されると、信号電極1411を介して、スタートコマンドを送信する。
利用者は、コンテンツを購読するのに必要な情報をすべて入力すると、これらの情報に基づくコンテンツの定期購読を決定するために、指を、信号電極1411が積層されている領域に表示される決定ボタンに接触させる。これにより、利用者の人体、および信号電極1201を介して、ユーザデバイス1100にスタートコマンドが受信されるので、ユーザデバイス1100は、上述した図42のステップS62において、不揮発性メモリ1254からデバイスIDを読み出し、信号電極1201を介して送信してくる。
制御部1455は、ユーザデバイス1100からのデバイスIDを、信号電極1411を介して受信すると、ステップS114において、ユーザデバイスと交信できたと判定し、処理は、ステップS115に進む。
ステップS115において、制御部1455は、受信されたデバイスIDを用いて、ユーザデバイス1100と相互認証を行い、ステップS116において、認証が成功したか否かを判定する。なお、ステップS115の相互認証処理は、図40のステップS21の相互認証処理と同様の処理を行うので、その具体的な説明は繰り返しになるので省略する。
ステップS116において認証が成功したと判定された場合、処理は、ステップS117に進み、制御部1455は、タッチパネル1456(すなわち、利用客)より受け付けられた支払い方法が一括払いであるか否かを判定し、支払い方法が一括払いであると判定した場合、処理は、ステップS118に進む。
ステップS118において、制御部1455は、認証時に共有されたセッション鍵を用いて、信号電極1411を介して、ユーザデバイス1100と通信を行い、ユーザデバイス1100に記憶される電子マネー残高を、コンテンツの代金で減額させる。
制御部1455は、ステップS119において、電子マネー残高の減額が成功したか否かを判定する。例えば、上述した図43のステップS68において、電子マネー残高の減額が完了した場合、ユーザデバイス1100は、減額完了を、信号電極1201を介して、販売装置1400に送信してくる。この場合、ステップS119において、制御部1455は、電子マネー残高の減額が成功したと判定し、処理は、ステップS120に進む。
ステップS117において、支払い方法が一括払いではない(すなわち、逐次払いである)と判定された場合、ステップS118およびS119の処理はスキップされ、処理は、ステップS120に進む。
ステップS120において、制御部1455は、ステップS111乃至S113において受け付けられた情報(コンテンツの種類、購読期間、並びに支払い方法)を、定期購読情報として、セッション鍵を用いて、信号電極1411を介して、ユーザデバイス1100に書き込む。
一方、ステップS114において、ユーザデバイス1100と交信できなかったと判定された場合、ステップS116において、認証が失敗したと判定された場合、またはステップS119において、電子マネー残高の減額が失敗したと判定された場合、制御部1455は、ステップS121において、エラー処理を行う。すなわち、利用客により入力された情報は、消去され、例えば、LCD1400aに、再度操作を行うように指示を提示させるなどの処理が行われる。
以上により、ユーザデバイス1100の不揮発性メモリ1254には、ユーザにより販売装置1400において入力されたコンテンツの定期購読情報が登録される。
なお、上記説明においては、切符などの販売装置1400において、コンテンツの定期購読情報が不揮発性メモリ1254に登録されるように説明したが、販売装置1400に限らず、例えば、基準電極および信号電極、送受信部で構成されるリーダライタが接続されるパーソナルコンピュータなどで、図示せぬサーバなどにアクセスし、コンテンツの購読に関する情報を入力したあと、リーダライタと、ユーザデバイス1100とを通信させることで、定期購読情報を登録させることも可能である。
図48は、本発明を適用した改札システムのさらに他の構成例を示している。
図48の改札システム1500は、扉1300L、並びにゲート駆動部1014Lが除かれている点と、信号電極1002−1が検札用の信号電極であり、信号電極1002−2が配信用の信号電極であるというように、用途別に分けられている点、さらに、信号処理装置1011−1および1011−2が、検札用の信号処理装置1501および配信用の信号処理装置1502に入れ替わった点が、図44の改札システム1300と異なるだけであり、その他の構成である改札ゲート1001−1および1001−2、扉1003R、基準電極1012−1および1012−2、ストレージ1013、並びに、ゲート駆動部1014Rが備えられている点は図44の改札システム1300と共通している。
すなわち、この改札システム1500は、図35の改札システム1000および図44の改札システム1300と異なり、利用客が、片側(図48の例の場合、実線矢印で示される信号電極1002−1側(図48の図中左側、改札外側))からしか進入することができないように構成されている。
なお、図35の改札システム1000および図44の改札システム1300と同様に、両側から進入可能に構成されていても、片側からの進入しかできないように設定されている場合には、図48で除かれている扉1300L、並びにゲート駆動部1014Lは設けられるが、機能しないように設定されるので、基本的な構成は、図48の改札システム1500と同様であるため、その場合の説明は省略する。
したがって、図48の例においては、利用客の進入は、図中左側(改札外側)からとなり、利用客は、まず、検札用の信号電極1002−1上を通過するので、検札用の信号処理装置1501は、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。検札用の信号処理装置1501は、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と認証処理を含めた検札処理を行い、ゲート駆動部1014Rを制御し、扉1003Rを開閉させる。そして、このとき、検札用の信号処理装置1501は、デバイスIDと認証時のセッション鍵を、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録させる。
なお、図48の例の場合、検札完了テーブルは、配信用の信号処理装置1502に備えられるメモリに登録されるようにしてもよい。
次に、利用客は、配信用の信号電極1002−2上を通過するので、配信用の信号処理装置1502は、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013の検札完了テーブルにデバイスIDがあるので、配信用の信号処理装置1502は、セッション鍵を読み出し、それを用いて、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの配信処理を行い、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に送信する。
なお、信号処理装置1501および1502の内部構成例は、図36を参照して上述した信号処理装置1011の内部構成例と基本的に同様の構成であるため、繰り返しになるので、その説明を省略し、信号処理装置1011の場合とは異なる、信号処理装置1501および1502のそれぞれの制御部1025の構成例のみ、図49および図50を参照して、それぞれ説明する。
また、図48の例においては、一例として、図中左側(改札外側)からのみ進入する場合の構成例を説明したが、もちろん、図中右側(改札内側)からのみ進入する場合の改札システムもあるが、その構成は、左右が異なるだけであり、基本的に同様の構成であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
図49は、検札用の信号処理装置1501の制御部1025の構成例を示している。
図49の例において、制御部1025は、人検知部1521、デバイスID取得部1522、駆動制御部1523、検札処理部1524、およびデバイスID登録部1525により構成されている。
人検知部1521は、図37の人検知部1051と基本的に同様の構成であり、センサ1041Lまたは1041Rからのセンサ出力に基づき、人(利用客)を検知して、その検知結果を、デバイスID取得部1522および駆動制御部1523に通知する。
デバイスID取得部1522は、図37のデバイスID取得部1052と基本的に同様の構成であり、検札用の信号電極1002−1を介して、利用客のユーザデバイス1100に対して、通信の開始を通知するためのスタートコマンドを送信し、それに対応してユーザデバイス1100から送信されてくるデバイスIDを取得し、取得したデバイスIDを、検札処理部1524に供給する。
駆動制御部1523は、図37の駆動制御部1053と基本的に同様の構成であり、人検知部1521からの検知結果、あるいは、検札処理部1524からの通知に応じて、ゲート駆動部1014Rを制御し、対応する扉1003Rの開放または閉鎖させる。
検札処理部1524は、図37の検札処理部1055と同様に、認証処理部1071、定期券判定部1072、電子マネー処理部1073、および入場情報設定部1074により構成され、デバイスID取得部1522からデバイスIDが供給されると、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100に対して検札処理を実行する。
デバイスID登録部1525は、図37のデバイスID登録部1056と基本的に同様の構成であり、入場情報設定部1074からの通知に基づいて、検札完了したユーザデバイス1100のデバイスIDを、セッション鍵とともに、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録する。
図50は、配信用の信号処理装置1502の制御部1025の構成例を示している。
図50の例において、制御部1025は、人検知部1541、デバイスID取得部1542、デバイスID検索部1543、および配信処理部1544により構成されている。
人検知部1541は、図37の人検知部1051と基本的に同様の構成であり、センサ1041Lまたは1041Rからのセンサ出力に基づき、人(利用客)を検知して、その検知結果を、デバイスID取得部1542に通知する。
デバイスID取得部1542は、図37のデバイスID取得部1052と基本的に同様の構成であり、配信用の信号電極1002−2を介して、利用客のユーザデバイス1100に対して、通信の開始を通知するためのスタートコマンドを送信し、それに対応してユーザデバイス1100から送信されてくるデバイスIDを取得し、取得したデバイスIDを、デバイスID検索部1543に供給する。
デバイスID検索部1543は、図37のデバイスID検索部1054と基本的に同様の構成であり、ストレージ1013の検札完了テーブルを参照し、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1542からのデバイスIDが登録されているか否かを判定し、デバイスIDが登録されていない場合、配信処理部1544にデバイスIDのみを供給する。デバイスIDが登録されている場合、デバイスID検索部1543は、ストレージ1013の検札完了テーブルから、そのデバイスIDに対応つけられて登録されているセッション鍵を読み出し、配信処理部1544に供給する。
配信処理部1544は、図37の配信処理部1057と同様に、定期購読判定部1081、電子マネー処理部1082、およびコンテンツ配信部1083により構成され、デバイスID検索部1543からデバイスIDおよびセッション鍵が供給されると、セッション鍵を用いて、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100に対してコンテンツ配信処理を実行する。
なお、デバイスID検索部1543からデバイスIDしか供給されない場合、コンテンツの配信は行われない。
次に、図51のフローチャートを参照して、図48の改札システム1500における、検札用の信号処理装置1501の処理について説明する。なお、図51のステップS211乃至S214の処理は、図39のステップS11,S12,S14,およびS15の処理と基本的に同様の処理であり、繰り返しになるので、その詳細な説明は適宜省略する。
例えば、新たな利用客が改札内に入場しようと、図48の図中左側から進入しようとする。このとき、改札ゲート1001の左端に設けられたセンサ1041Lは、改札ゲート1001−1および1001−2の間に人が入ろうとしていることに対応して変化するセンサ出力を、人検知部1521および人検知部1541に出力する。人検知部1521は、センサ1041Lからのセンサ出力に基づき、人(利用客)を検知して、その検知結果を、デバイスID取得部1522および駆動制御部1523に通知する。
駆動制御部1523は、センサ1041Lからの検知結果が供給されるので、人が検知されたセンサ1041Lと反対側の扉1003Rをゲート駆動部1014Rに閉鎖させる。
人検知部1521からの検知結果が通知されると、デバイスID取得部1522は、ステップS211において、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100の検出処理を行う。すなわち、デバイスID取得部1522は、検札用の信号電極1002−1を介して、利用客のユーザデバイス1100に対して、通信の開始を通知するためのスタートコマンドを送信する。
スタートコマンドに対応して、上述した図42のステップS62において、ユーザデバイス1100からデバイスIDが送信されてくるので、デバイスID取得部1522は、ステップS212において、ユーザデバイス1100からデバイスIDが取得されたと判定し、取得されたデバイスIDを、検札処理部1524に供給し、処理は、ステップS213に進む。
ステップS212において、デバイスIDが取得できたと判定されなかった場合、処理は、ステップS211に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、ステップS212において、デバイスIDが取得できたと判定されるまで、ステップS211およびS212の処理が繰り返される。
検札処理部1524は、デバイスIDが供給されると、ステップS213において、ユーザデバイス1100に対しての検札処理を実行する。この検札処理の説明は、図40を参照して上述した検札処理と同様の処理であり繰り返しになるので、その説明を省略する。
ステップS213の検札処理により、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と通信を行うことで、相互認証が行われ、セッション鍵が共有され、セッション鍵を用いて、定期券情報が読み出され、定期券情報に基づいて、電子マネー残高の減額が行われ、入場情報が設定された後、検札完了が、デバイスID登録部1525および駆動制御部1523に通知され、扉1003Rが開放される。
検札処理部1524から検札完了が通知されると、ステップS214において、デバイスID登録部1525は、検札完了したユーザデバイス1100のデバイスIDを、ユーザデバイス1100との認証処理で用いられたセッション鍵とともに、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録する。これにより検札用の信号処理装置1501の処理は、終了する。
次に、図52のフローチャートを参照して、図48の改札システム1500における、配信用の信号処理装置1502の処理について説明する。なお、図52のステップS231乃至S234の処理は、図39のステップS11乃至S13,およびS16の処理と基本的に同様の処理であり繰り返しになるので、その詳細な説明は適宜省略する。
センサ1041Lからのセンサ出力は、図51でも上述したように、人検知部1521および人検知部1541に出力される。人検知部1541は、センサ1041Lからのセンサ出力に基づき、人(利用客)を検知して、その検知結果を、デバイスID取得部1542に通知する。
デバイスID取得部1542は、ステップS231において、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100の検出処理を行う。すなわち、デバイスID取得部1542は、信号電極1002−2を介して、利用客のユーザデバイス1100に対して、通信の開始を通知するためのスタートコマンドを送信する。
スタートコマンドに対応して、上述した図42のステップS62において、ユーザデバイス1100からデバイスIDが送信されてくるので、デバイスID取得部1542は、ステップS232において、ユーザデバイス1100からデバイスIDが取得されたと判定し、取得されたデバイスIDを、デバイスID検索部1543に供給し、処理は、ステップS233に進む。
ステップS232において、デバイスIDが取得できたと判定されなかった場合、処理は、ステップS231に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、ステップS232において、デバイスIDが取得できたと判定されるまで、ステップS231およびS232の処理が繰り返される。
ステップS233において、デバイスID検索部1543は、ストレージ1013の検札完了テーブルを参照し、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1542からのデバイスIDが登録されているか否かを判定する。
ステップS233において、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1542からのデバイスIDが登録されていると判定された場合、デバイスID検索部1543は、ストレージ1013の検札完了テーブルから、そのデバイスIDに対応つけられて登録されているセッション鍵を読み出し、配信処理部1544に供給し、処理は、ステップS234に進む。
ステップS234において、配信処理部1544は、検札用の信号処理装置1501により検札処理時のユーザデバイス1100との相互認証により共有されたセッション鍵を用いて、コンテンツ配信処理を実行する。このコンテンツの配信処理は、図41を参照して上述したコンテンツの配信処理と同様の処理であり繰り返しになるので、その説明を省略する。
ステップS234のコンテンツ配信処理により、セッション鍵が用いられて、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100と通信を行うことで、定期購読情報が取得され、取得された定期購読情報に基づいて、ユーザデバイス1100に、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを配信する。これにより、配信用の信号処理装置1502の処理は、終了する。
一方、ステップS233において、検札完了テーブルに、デバイスID取得部1542からのデバイスIDが登録されていないと判定された場合、検札処理が終了していないとみなされ、処理は、ステップS235に進み、エラーとなり、コンテンツの配信は行われず、配信用の信号処理装置1502の処理は、終了する。
なお、この場合、検札処理が終了していないため、配信用の信号処理装置1502において、検札処理を代行して実行させることも可能である。配信用の信号処理装置1502において、検札処理が成功した場合、配信用の信号処理装置1502が直接、ゲート駆動部1014Rを制御するようにしてもよいし、あるいは、検札成功を、検札用の信号処理装置1501に通知し、検札用の信号処理装置1501に、ゲート駆動部1014Rを制御させるようにすることもできる。その後、配信用の信号処理装置1502において、処理時間が間に合うようであれば、引き続き、この配信処理を実行させることも可能である。
以上のように、改札ゲート1001間を片側からしか進入できないように構成されたり、片側からしか進入できないように設定されている改札システム1500においては、検札用の信号処理装置1501と配信用の信号処理装置1502として、処理ごとに信号処理装置を分けて構成することにより、各信号処理装置における処理負担が軽減され、処理速度が向上する。
なお、上述したように改札ゲート1001間を片側からしか進入できないように構成されたり、片側からしか進入できないように設定されている場合であっても、信号処理装置を1台で構成することもできる。
図53は、本発明を適用した改札システムのさらに他の構成例を示している。
図53の改札システム1600は、検札用の信号処理装置1501および配信用の信号処理装置1502が、信号処理装置1601にまとめられている点、並びに、基準電極1012−1および1012−2が基準電極1012に入れ替わっている点が、図48の改札システム1500と異なるだけであり、その他の構成である、改札ゲート1001−1および1001−2、検札用の信号電極1002−1および配信用の信号電極1002−2、扉1003R、ストレージ1013、並びに、ゲート駆動部1014Rが備えられている点は図48の改札システム1500と共通している。
なお、信号処理装置1601の構成と処理は、上述した図48の検札用の信号処理装置1501および配信用の信号処理装置1502を組み合わせたものと同様の構成であり、それらと同様の処理を行うため、その説明は繰り返しになるので省略する。
すなわち、改札システム1600においては、信号処理装置1601が、信号電極1002−1および1002−2を時分割で切り替えて通信することにより、検札処理と配信処理が行われる。
また、この改札システム1600も、図48の改札システム1500と同様に、利用客が、片側(図53の例の場合、実線矢印で示される信号電極1002−1側(図53の図中左側、改札外側))からしか進入することができないように構成されている。
したがって、図53の例においては、利用客の進入は、図中左側(改札外側)からとなり、利用客は、まず、検札用の信号電極1002−1上を通過するので、信号処理装置1601は、図49の制御部1025を機能させ、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。信号処理装置1601は、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と認証処理を含めた検札処理を行い、ゲート駆動部1014Rを制御し、扉1003Rを開閉させる。そして、このとき、信号処理装置1601は、デバイスIDと認証時のセッション鍵を、ストレージ1013の検札完了テーブルに登録させる。
次に、利用客は、配信用の信号電極1002−2上を通過するので、信号処理装置1601は、図50の制御部1025を機能させ、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013の検札完了テーブルにデバイスIDがあるので、信号処理装置1601は、セッション鍵を読み出し、それを用いて、配信用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの配信処理を行い、ストレージ1013に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に送信する。
以上のように、改札ゲート1001間を片側からしか進入できないように構成されたり、片側からしか進入できないように設定されている改札システム1600においても、1台の信号処理装置1601により、検札処理と配信処理が時分割に行われるようにすることもできる。この場合、信号処理装置を1台で構成すればよく、改札システムを構成するためのコストを低減させることができる。
図54は、本発明を適用した改札システムのさらに他の構成例を示している。
図54の改札システム1700は、信号処理装置1011−1および1011−2が、図48の検札用の信号処理装置1501−1および1501−2に入れ替わった点、図48の配信用の信号処理装置1502−1および1502−2が追加された点、改札ゲート1001の間に設けられている信号電極1002−1と信号電極1002−2が検札用の信号電極となり、さらに、配信用の信号電極1002−3および1002−4が改札ゲート1001の近傍の利用者が通過する床面に設けられた点、ストレージ1013が、ストレージ1013−1および1013−2に分けて構成された点、並びに、基準電極1012−1および1012−2に、さらに、基準電極1012−3および1012−4が追加された点が、図44の改札システム1300と異なるだけであり、その他の構成である、改札ゲート1001−1および1001−2、扉1003Lおよび1003R、並びに、ゲート駆動部1014Lおよび1014Rが備えられている点は図44の改札システム1300と共通している。
また、この改札システム1700は、図35の改札システム1000および図44の改札システム1300と同様に、利用客(人)が、実線矢印で示される信号電極1002−1側(図54の図中左側)から進入し、改札内に入ることと、点線矢印で示される信号電極1002−2側(図54の図中右側)から進入し、改札外へ退場することのどちらも可能に構成されている。すなわち、利用客は、改札システム1700を介して、改札内への進入と改札外への退場が可能である。
すなわち、この改札システム1700は、図54の左側から進入した利用客が装着するユーザデバイス1100と、基準電極1012−1に接続され、信号電極1002−1を介して、無線通信を行うことで、検札処理を行う検札用の信号処理装置1501−1、図54の右側から進入した利用客が装着するユーザデバイス1100と、基準電極1012−2に接続され、信号電極1002−2を介して、無線通信を行うことで、検札処理を行う検札用の信号処理装置1501−2、図54の左側から進入し、右側から出る利用客が装着するユーザデバイス1100と、基準電極1012−3に接続され、信号電極1002−3を介して、無線通信を行うことで、コンテンツの配信処理を行う配信用の信号処理装置1502−1、並びに、図54の右側から進入し、左側から出る利用客が装着するユーザデバイス1100と、基準電極1012−4に接続され、信号電極1002−4を介して、無線通信を行うことで、コンテンツの配信処理を行う配信用の信号処理装置1502−2により構成されている。
なお、信号処理装置1501−1および1501−2の構成と処理は、上述した図48の信号処理装置1501と基本的に、同様の構成であり、それぞれ同様の処理を行うため、その説明は省略する。同様に、信号処理装置1502−1および1502−2の構成と処理は、上述した図48の信号処理装置1502と基本的に、同様の構成であり、それぞれ同様の処理を行うため、その説明は繰り返しになるので省略する。
例えば、利用客の進入が、図54の図中左側(改札外側)からある場合、改札ゲート1001に進入する前に、利用客は、改札ゲート1001の手前の床面に設けられる配信用の信号電極1002−4上を通過するが、ストレージ1013−2の検札完了テーブルにデバイスIDがないので、信号処理装置1502−2は、コンテンツの配信を行わない。
次に、利用客が、図54の図中左側(改札外側)から改札ゲート1001間に進入すると、センサ1041Lがそれを検出し、センサ出力を、信号処理装置1501−1に出力する。これに対応して、信号処理装置1501−1は、スタートコマンドを送信始める。利用客が、検札用の信号電極1002−1上を通過するので、信号処理装置1501−1は、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。
信号処理装置1501−1は、検札用の信号電極1002−1を介して、ユーザデバイス1100と認証処理を含めた検札処理を行い、ゲート駆動部1014Rを制御し、扉1003Rを開閉させる。そして、このとき、信号処理装置1501−1は、デバイスIDと認証時のセッション鍵を、ストレージ1013−1の検札完了テーブルに登録させる。
その後、利用客は、検札用の信号電極1002−2上を通過するが、図54の図中右側のセンサ1041Rは、利用客を検出しないので、検札用の信号処理装置1501−2は、スタートコマンドを送信せず、デバイス1100との通信は行われないので、検札処理は実行されない。
次に、利用客は、改札ゲート1001間を出て、配信用の信号電極1002−3上を通過するので、信号処理装置1502−1は、配信用の信号電極1002−3を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013−1の検札完了テーブルにデバイスIDがあるので、信号処理装置1502−1は、セッション鍵を読み出し、それを用いて、配信用の信号電極1002−3を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの配信処理を行い、ストレージ1013−1に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に送信する。
一方、利用客の進入が、図54の図中右側(改札内側)からある場合、改札ゲート1001に進入する前に、利用客は、改札ゲート1001の手前の床面に設けられる配信用の信号電極1002−3上を通過するが、ストレージ1013−1の検札完了テーブルにデバイスIDがないので、信号処理装置1502−1は、コンテンツの配信を行わない。
次に、利用客が、図54の図中右側(改札外側)から改札ゲート1001間に進入すると、センサ1041Rがそれを検出し、センサ出力を、信号処理装置1501−2に出力する。これに対応して、信号処理装置1501−2は、スタートコマンドを送信始める。利用客が、検札用の信号電極1002−2上を通過するので、信号処理装置1501−2は、検札用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。
信号処理装置1501−2は、検札用の信号電極1002−2を介して、ユーザデバイス1100と認証処理を含めた検札処理を行い、ゲート駆動部1014Lを制御し、扉1003Lを開閉させる。そして、このとき、信号処理装置1501−2は、デバイスIDと認証時のセッション鍵を、ストレージ1013−2の検札完了テーブルに登録させる。
その後、利用客は、検札用の信号電極1002−1上を通過するが、図54の図中左側のセンサ1041Lは、利用客を検出しないので、検札用の信号処理装置1501−1は、スタートコマンドを送信せず、デバイス1100との通信は行われないので、検札処理は実行されない。
次に、利用客は、改札ゲート1001間を出て、配信用の信号電極1002−4上を通過するので、信号処理装置1502−2は、配信用の信号電極1002−4を介して、ユーザデバイス1100との通信を行い、デバイスIDを取得する。このとき、ストレージ1013−2の検札完了テーブルにデバイスIDがあるので、信号処理装置1502−2は、セッション鍵を読み出し、それを用いて、配信用の信号電極1002−4を介して、ユーザデバイス1100から、定期購読情報を取得し、定期購読情報に基づいて、コンテンツの配信処理を行い、ストレージ1013−2に記憶されているコンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に送信する。
なお、図54の例においては、配信用の信号電極1002−3および1002−4の領域が、検札用の信号電極1002−1および1002−2よりも狭く示されているが、大きさは、これに限らない。
また、図54の例においては、検札用の信号処理装置を2台設けるようにしたが、1台で構成するようにしてもよい。さらに、各信号処理装置は、2台に限らず、3台以上の複数台で構成することもできる。
以上の改札システム1700のように、改札ゲート1001の間には検札用の信号電極1002−1および1002−2を設け、改札ゲート1001の外の近傍で、かつ、改札ゲート1001を通過した利用者が必ず通過する床面に、配信用の信号電極1002−3および1002−4を設けるように改札システムを構成することも可能である。
すなわち、配信用の信号電極1002の設置場所は、改札ゲートの間に限らない。これにより、配信用の信号電極を設ける領域を広くして、例えば、配信速度に対して、コンテンツのデータ容量が重い場合などに、コンテンツを、配信しきれなくなってしまうことを抑制することができる。
なお、上記説明においては、改札の入場時および退場時の両方において検札および配信処理が可能として説明したが、両方での2重のコンテンツ配信を防ぐため、例えば、図35や図54などの図中右側(改札内側)から利用客が進入する場合、すなわち、利用客の退場時には、配信処理を行わないようにすることもできる。
または、ユーザデバイスに、登録済みのコンテンツがあり、それがこれから配信しようとしているコンテンツだった場合、配信を行わないとすることもできる。この場合には、コンテンツの類似性、またはコンテンツIDでコンテンツが検索される。
さらには、ユーザデバイスにコンテンツ受信完了のフラグを日付とともに記録しておき、これを確認することで配信を行わないようにすることもできる。この場合、配信時間も記録しておくことで、例えば、新聞のコンテンツであれば、朝刊時間、夕刊時間を識別可能であるので、フラグとその配信時間を確認することで、2重の配信を防ぐことができる。
以上のように、改札ゲート1001の近傍を通る間に、検札処理だけでなく、コンテンツ配信処理も行うようにしたので、利用客は、わざわざ売店などで見出しを見比べ、所望の新聞紙を購入する必要がなく、改札ゲート1001の近傍を通るだけで、簡単に、コンテンツのデータを得ることができる。
すなわち、従来の近接型非接触ICカードなどの場合には、そのアクセス可能エリアが約数十センチに限られていた。このため、利用者は、カードをアクセス可能エリアに近接させつつ改札口を通っていた。したがって、アクセス可能エリア内に留まっていられる時間は、数秒以下の短い時間に限られていた。そこで、図1乃至図33を参照して上述した通信を適用することで、改札通路の床面に埋め込まれた信号電極と、利用者がセキュアパスを構築したまま、従来より長い時間、通信を行うことができる。また、その際に、上述したように、入り口近辺で検札処理、出口近辺でコンテンツの配信処理などをすることができ、2つ以上の処理が順次行いやすくなっている。
これにより、ユーザが購入意思を逐次示す必要がなく、迅速にコンテンツ配信サービスを受けることができる。
また、検札処理の後に、デバイスIDと、認証時に共有されたセッション鍵を登録しておき、その後、登録されたセッション鍵を用いて、コンテンツ配信処理を行うようにしたので、コンテンツの配信処理においては、検札処理の認証時に構築されたセキュアパスをそのまま用いることができ、再度の認証処理の手間や時間を省くことができる。
なお、上述したコンテンツの配信処理においては、コンテンツのデータを、ユーザデバイス1100に配信する例を説明したが、配信処理においては、コンテンツのデータの暗号化を解除するための特定の鍵のみを配信し、利用者が必ず通過する他の領域(例えば、ホームの床面や、電車内の床面)に、特定の鍵で暗号化されたコンテンツのデータを配信するための信号電極や信号処理装置を別途設けることもできる。
また、上記説明において配信されるコンテンツが、新聞や雑誌であると説明したが、音楽や映像などのコンテンツを配信することも可能である。
本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。
本発明の基礎となる通信システムの一実施形態に係る構成例を示す図である。 理想状態における、図1の通信システムの等価回路の例を示す図である。 図2のモデルにおいて、受信負荷抵抗の両端に生じる電圧の実効値の計算結果の例を示す図である。 図1の通信システムの物理的な構成のモデルの例を示す図である。 図4のモデルにおいて発生する各パラメータのモデルの例を示す図である。 電極に対する電気力線の分布の例を示す模式図である。 電極に対する電気力線の分布の、他の例を示す模式図である。 送信装置における電極のモデルの、他の例を説明する図である。 図5のモデルの等価回路の例を示す図である。 図9の通信システムの周波数特性の例を示す図である。 受信装置において受信された信号の例を示す図である。 電極の配置場所の例を示す図である。 電極の配置場所の、他の例を示す図である。 電極の配置場所の、さらに他の例を示す図である。 電極の配置場所の、さらに他の例を示す図である。 電極の配置場所の、さらに他の例を示す図である。 電極の配置場所の、さらに他の例を示す図である。 電極の配置場所の、さらに他の例を示す図である。 電極の構成例を示す図である。 電極の、他の構成例を示す図である。 図5のモデルの等価回路の、他の例を示す図である。 図1の通信システムの配置例を示す図である。 本発明の基礎となる通信システムの、他の構成例を示す図である。 本発明の基礎となる通信システムの一実施形態に係る実際の利用例を示す図である。 本発明の基礎となる通信システムの一実施形態に係る他の利用例を示す図である。 本発明の基礎となる通信システムの、さらに他の構成例を示す図である。 周波数スペクトルの分布例を示す図である。 本発明の基礎となる通信システムの、さらに他の構成例を示す図である。 周波数スペクトルの分布例を示す図である。 本発明の基礎となる通信システムの、さらに他の構成例を示す図である。 信号の時間分布の例を示す図である。 通信処理の流れの例を示すフローチャートである。 本発明の基礎となる通信システムの、さらに他の構成例を示す図である。 本発明を適用した改札システムを説明する図である。 図34の改札システムを情報から見た図である。 図35の信号処理装置の内部構成例を示すブロック図である。 図35の制御部の構成例を示すブロック図である。 ユーザデバイスの構成例を示すブロック図である。 図35の改札システムにおける信号処理装置の処理を説明するフローチャートである。 図39のステップS14の検札処理を説明するフローチャートである。 図39のステップS16のコンテンツの配信処理を説明するフローチャートである。 ユーザデバイスの処理を説明するフローチャートである。 ユーザデバイスの処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用した改札システムの他の構成例を説明する図である。 ユーザデバイスに定期購買情報を登録させる販売装置を説明する図である。 図45の販売装置の構成例を示すブロック図である。 図45の販売装置の事前処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用した改札システムのさらに他の構成例を説明する図である。 図48の検札用の信号処理装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 図48の配信用の信号処理装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 図48の改札システムにおける検札用の信号処理装置の処理について説明するフローチャートである。 図48の改札システムにおける配信用の信号処理装置の処理について説明するフローチャートである。 本発明を適用した改札システムのさらに他の構成例を説明する図である。 本発明を適用した改札システムのさらに他の構成例を説明する図である。
符号の説明
1000 改札システム, 1001 改札ゲート,1002 信号電極, 1003 扉, 1011 信号処理装置, 1012 基準電極, 1013 ストレージ, 1014 ゲート駆動部, 1041 センサ, 1051 人検知部, 1052 デバイスID取得部, 1053 駆動制御部, 1054 デバイスID検索部, 1055 検札処理部, 1056 デバイスID登録部, 1057 配信処理部, 1071 認証処理部, 1072 定期券判定部, 1073 電子マネー処理部, 1074 入場情報設定部, 1081 定期購読判定部, 1082 電子マネー処理部, 1083 コンテンツ配信部,1100 ユーザデバイス, 1201 信号電極, 1202 基準電極, 1254 不揮発性メモリ, 1255 制御部, 1256 データメモリ, 1300 改札システム, 1400 販売装置, 1411 信号電極, 1412 基準電極, 1455 制御部, 1500 改札システム, 1501,1502 信号処理装置, 1600 改札システム, 1601 信号処理装置, 1700 改札システム

Claims (5)

  1. 改札ゲートに設置される第1の電極を介して通信を行う第1の情報処理装置と、前記第1の電極と人の進退方向に並んで設置される第2の電極を介して通信を行う第2の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて、
    前記第1の情報処理装置および前記第2の情報処理装置は、
    前記改札ゲートを通過する人が装着している通信端末であり、人体を含む誘電体を通信媒体として通信する前記通信端末と通信し、認証処理を行う認証手段と、
    前記認証手段により認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行う検札処理手段と、
    前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification)と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録する登録手段と
    前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のID登録されているか否かを判定するID判定手段と、
    前記ID判定手段により前記通信端末のID登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段により取得された定期購読情報に基づいて、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う配信手段とを備え
    前記改札ゲートに前記第1の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、
    前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
    情報処理システム。
  2. 改札ゲートに設置される第1の電極を介して通信を行う第1の情報処理装置と、前記第1の電極と人の進退方向に並んで設置される第2の電極を介して通信を行う第2の情報処理装置からなる情報処理システムの情報処理方法において、
    前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し、
    前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のID登録されているか否かを判定し、前記通信端末のID登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、
    前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の情報処理装置が、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第1の情報処理装置が、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
    情報処理方法。
  3. 改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置において、
    前記改札ゲートを通過する人が装着している通信端末であり、人体を含む誘電体を通信媒体として通信する前記通信端末と通信し、認証処理を行う認証手段と、
    前記認証手段により認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行う検札処理手段と、
    前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録する登録手段と、
    前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが前記登録手段により登録されているか否かを判定するID判定手段と、
    前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信
    端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段により取得された定期購読情報に基づいて、前記ID判定手段により前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う配信手段と
    を備え
    前記改札ゲートに前記第1の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、
    前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
    情報処理装置。
  4. 改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置の情報処理方法において、
    前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し、
    前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、
    前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
    情報処理方法。
  5. 改札ゲートに人の進退方向に並んで設置される第1の電極および第2の電極を介して通信を行う情報処理装置
    前記改札ゲートに前記第1の電極側から人体を含む誘電体を通信媒体として通信する通信端末を装着している人が進入した場合、前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のID(Identification) と、前記認証処理の結果、前記通信端末と共有されるセッション鍵を登録し、
    前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行い、
    前記改札ゲートに前記第2の電極側から前記通信端末を装着している人が進入した場合、前記第2の電極を介して、前記通信端末と通信し、認証処理を行い、認証された前記通信端末に対して、前記検札処理を行い、前記検札処理が行われた前記通信端末のIDと前記セッション鍵を登録し、
    前記第1の電極を介して、前記通信端末と通信して取得された前記通信端末のIDが登録されているか否かを判定し、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合、前記通信端末に記憶されているコンテンツの定期購読情報を取得し、取得された定期購読情報に基づいて、前記通信端末のIDが登録されていると判定された場合に読み出される前記セッション鍵で暗号化して、前記通信端末に対して、前記コンテンツの配信処理を行う
    処理を行わせるためのプログラム。
JP2005365910A 2005-12-20 2005-12-20 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム Expired - Fee Related JP4539551B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005365910A JP4539551B2 (ja) 2005-12-20 2005-12-20 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム
US11/607,986 US7922084B2 (en) 2005-12-20 2006-12-04 System, apparatus, method and computer program for processing information
SG200608605-2A SG133522A1 (en) 2005-12-20 2006-12-08 System, apparatus, method and computer program for processing information
TW095147201A TW200725483A (en) 2005-12-20 2006-12-15 System, apparatus, method and computer program for processing information
CN2006101686146A CN1988406B (zh) 2005-12-20 2006-12-20 用于处理信息的系统、设备、方法
KR1020060130865A KR20070065837A (ko) 2005-12-20 2006-12-20 정보 처리 시스템 및 방법, 정보 처리 장치 및 방법, 및프로그램
HK07109297.4A HK1101460A1 (en) 2005-12-20 2007-08-27 System, apparatus and method for processing information

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005365910A JP4539551B2 (ja) 2005-12-20 2005-12-20 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007172103A JP2007172103A (ja) 2007-07-05
JP4539551B2 true JP4539551B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=38185056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005365910A Expired - Fee Related JP4539551B2 (ja) 2005-12-20 2005-12-20 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7922084B2 (ja)
JP (1) JP4539551B2 (ja)
KR (1) KR20070065837A (ja)
CN (1) CN1988406B (ja)
HK (1) HK1101460A1 (ja)
SG (1) SG133522A1 (ja)
TW (1) TW200725483A (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2817361B1 (fr) * 2000-11-28 2003-01-24 St Microelectronics Sa Generateur de signal aleatoire
KR20090011152A (ko) * 2007-07-25 2009-02-02 삼성전자주식회사 콘텐츠 제공 방법 및 시스템
JP2009224891A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 照合システム、投薬照合システムおよび患者確認システム
JP2009224837A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> コンテンツ再生システム
JP2009224892A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 制御システム、エレベータ制御システム、展示物防犯システム
JP2009253478A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Sony Ericsson Mobilecommunications Japan Inc 情報通信装置、情報通信装置の制御方法
JP4733783B2 (ja) * 2008-05-27 2011-07-27 アルプス電気株式会社 データ通信システム
JP5166131B2 (ja) * 2008-06-13 2013-03-21 オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド 通信システム及びそれに用いられる受信装置
JP2010003271A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Fujitsu Ltd 改札装置および改札方法
US8126769B1 (en) 2008-08-07 2012-02-28 Sprint Communications Company L.P. Transit card state sequence self-help correction
JP2010119004A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 制御装置及び制御方法
US8225997B1 (en) 2008-12-22 2012-07-24 Sprint Communications Company L.P. Single transit card to multiple rider trip methods and architecture
US8181867B1 (en) * 2009-01-06 2012-05-22 Sprint Communications Company L.P. Transit card credit authorization
US8255159B1 (en) 2009-01-06 2012-08-28 Sprint Communications Company L.P. Transit payment and handset navigation integration
JP5156781B2 (ja) * 2010-03-17 2013-03-06 日本電信電話株式会社 設置用電界通信装置
JP5156780B2 (ja) * 2010-03-17 2013-03-06 日本電信電話株式会社 設置用電界通信装置
DE102012105368A1 (de) 2011-07-20 2013-01-24 Huf Hülsbeck & Fürst Gmbh & Co. Kg System zum Überwachen der Einhaltung der Hygienevorschriften
DE102012105365A1 (de) 2012-06-20 2013-12-24 Huf Hülsbeck & Fürst Gmbh & Co. Kg System und Verfahren zum Überwachen der Einhaltung der Hygienevorschriften
US9276910B2 (en) * 2013-11-19 2016-03-01 Wayne Fueling Systems Llc Systems and methods for convenient and secure mobile transactions
JP6271245B2 (ja) * 2013-12-25 2018-01-31 フェリカネットワークス株式会社 ゲート装置、通信装置、通信システム、およびゲート制御方法、並びにプログラム
KR20170029238A (ko) * 2015-09-07 2017-03-15 에스케이플래닛 주식회사 티켓 취소를 위한 서비스 제공 장치, 그를 포함하는 티켓 취소 안내 시스템, 그의 제어 방법 및 컴퓨터 프로그램이 기록된 기록매체
JP5935937B1 (ja) * 2015-11-02 2016-06-15 株式会社eNFC 伝送装置、伝送方法、および伝送システム
JP6047808B1 (ja) * 2015-12-02 2016-12-21 株式会社eNFC 伝送装置、伝送方法、および伝送システム
WO2018105304A1 (ja) * 2016-12-09 2018-06-14 フェリカネットワークス株式会社 情報処理装置、および情報処理方法
JP2021150769A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 東芝テック株式会社 無線タグ読取装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0628360A (ja) * 1992-07-10 1994-02-04 Tokimec Inc データキャリア利用情報を用いた情報処理装置
JPH1116013A (ja) * 1997-04-28 1999-01-22 Matsushita Electron Corp 情報伝達システム
JP2001134890A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Sony Corp 音声案内装置
JP2002288702A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Sony Corp 料金徴収装置、商品販売装置及び料金徴収方法
JP2003229821A (ja) * 2001-11-27 2003-08-15 Matsushita Electric Works Ltd データ通信装置
JP2004266388A (ja) * 2003-02-27 2004-09-24 Sony Corp 通信システム、通信方法及び通信装置
JP2004282733A (ja) * 2003-02-27 2004-10-07 Sony Corp 通信システム
JP2005301392A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Toppan Printing Co Ltd 定期購買促進システム
JP2005311456A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 通信装置および通信システム

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4074661B2 (ja) 1995-05-08 2008-04-09 マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー 信号伝送媒体として人体を用いた非接触検知及び信号システム
JP3425347B2 (ja) 1996-12-12 2003-07-14 日本電信電話株式会社 人体経由情報伝達装置
US6223018B1 (en) * 1996-12-12 2001-04-24 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Intra-body information transfer device
JP3869065B2 (ja) * 1997-03-03 2007-01-17 株式会社東芝 改札システム、検索装置、改札システムの通行管理方法
SE9803344L (sv) * 1998-10-01 2000-04-02 Biosys Ab Förfarande och anordning för att övervaka en sittande person
JP2001195368A (ja) * 1999-11-01 2001-07-19 Sony Corp 認証情報通信システムおよび認証情報通信方法、携帯情報処理装置、並びにプログラム提供媒体
JP2001144661A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Sony Corp データ送信装置およびデータ受信装置
JP3708007B2 (ja) * 1999-11-22 2005-10-19 株式会社東芝 情報交換装置
EP1168678B1 (en) * 2000-06-27 2003-09-03 Matsushita Electric Works, Ltd. Data transmission system using a human body as a signal transmission path
JP3819682B2 (ja) * 2000-07-19 2006-09-13 株式会社東芝 データ送受信方法および携帯通信端末
DE60102331T2 (de) * 2000-09-08 2005-03-17 Matsushita Electric Works, Ltd., Kadoma Datenübertragungssystem unter Verwendung eines menschlichen Körpers als Signalübertragungsweg
AU2001290286A1 (en) * 2000-10-19 2002-04-29 Omron Corporation Information distribution system, information distribution device, information distribution method, and information distribution program
JP4711039B2 (ja) * 2001-04-17 2011-06-29 株式会社モビリティ 複数の機能を有する多目的携帯端末の安全性確保の方法
JP3617491B2 (ja) * 2001-10-31 2005-02-02 ソニー株式会社 Icチップ及び情報処理端末
EP2290730B1 (en) * 2002-04-24 2013-08-21 SK Planet Co., Ltd. Battery pack for a mobile terminal
EP1598965A4 (en) 2003-02-27 2008-12-31 Kiyoaki Takicuchi COMMUNICATION SYSTEM

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0628360A (ja) * 1992-07-10 1994-02-04 Tokimec Inc データキャリア利用情報を用いた情報処理装置
JPH1116013A (ja) * 1997-04-28 1999-01-22 Matsushita Electron Corp 情報伝達システム
JP2001134890A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Sony Corp 音声案内装置
JP2002288702A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Sony Corp 料金徴収装置、商品販売装置及び料金徴収方法
JP2003229821A (ja) * 2001-11-27 2003-08-15 Matsushita Electric Works Ltd データ通信装置
JP2004266388A (ja) * 2003-02-27 2004-09-24 Sony Corp 通信システム、通信方法及び通信装置
JP2004282733A (ja) * 2003-02-27 2004-10-07 Sony Corp 通信システム
JP2005301392A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Toppan Printing Co Ltd 定期購買促進システム
JP2005311456A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 通信装置および通信システム

Also Published As

Publication number Publication date
SG133522A1 (en) 2007-07-30
KR20070065837A (ko) 2007-06-25
TW200725483A (en) 2007-07-01
HK1101460A1 (en) 2007-10-18
US7922084B2 (en) 2011-04-12
JP2007172103A (ja) 2007-07-05
CN1988406B (zh) 2010-10-13
TWI319551B (ja) 2010-01-11
US20070145127A1 (en) 2007-06-28
CN1988406A (zh) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4539551B2 (ja) 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム
JP4524647B2 (ja) 通信装置、通信方法、およびプログラム
JP2006350990A (ja) 情報処理システム、および情報処理方法
US7597250B2 (en) RFID reader with multiple interfaces
JP2006323498A (ja) 管理システム、管理方法、情報処理装置、および情報処理方法
JP2007060632A (ja) 通信システム、通信装置および方法、並びにプログラム
JP2006352700A (ja) 通信システム、通信装置および方法、並びにプログラム
US7748636B2 (en) Portable identity card reader system for physical and logical access
EP1994671B1 (en) A method and apparatus for a token
JP2008027219A (ja) 情報処理システム、受信装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
JP2006268614A (ja) 情報処理システム、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
JP2006350993A (ja) 販売装置、販売方法、およびプログラム
CN105519004A (zh) 用于生成用于促进设备之间的混合式通信的混合式通信电路的机制
JP4501073B2 (ja) 通信システム、送信装置、受信装置、並びに送受信装置
US20090267735A1 (en) Fingerprint authentication method in human body communication
JP2007058466A (ja) 情報処理システム、情報処理装置および方法、並びにプログラム
JP2006352699A (ja) 通信システム、通信装置および方法、並びにプログラム
JP4544077B2 (ja) 信号処理装置
JP4544080B2 (ja) 通信装置および方法、並びにプログラム
JP2006350517A (ja) ゲート制御装置、ゲート制御方法、およびプログラム
JP2007058446A (ja) 情報処理システムおよび方法
JP2007036501A (ja) 情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
JP2006350516A (ja) 情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体
Singaravelu et al. A Role of Wireless Communication in ATM
Chhotwani et al. RED TACTON (An avant-garde Human Area Networking technology)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100614

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees