JP4733783B2 - データ通信システム - Google Patents

データ通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP4733783B2
JP4733783B2 JP2010514465A JP2010514465A JP4733783B2 JP 4733783 B2 JP4733783 B2 JP 4733783B2 JP 2010514465 A JP2010514465 A JP 2010514465A JP 2010514465 A JP2010514465 A JP 2010514465A JP 4733783 B2 JP4733783 B2 JP 4733783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
communication
ground
human body
impedance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010514465A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009145142A1 (ja
Inventor
広行 蛇口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2010514465A priority Critical patent/JP4733783B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4733783B2 publication Critical patent/JP4733783B2/ja
Publication of JPWO2009145142A1 publication Critical patent/JPWO2009145142A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B13/00Transmission systems characterised by the medium used for transmission, not provided for in groups H04B3/00 - H04B11/00
    • H04B13/005Transmission systems in which the medium consists of the human body

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Near-Field Transmission Systems (AREA)

Description

本発明は、人体のような伝送媒体を介して送受信を行うデータ通信システムに関する。
近年の技術発達に伴い、全く新しい通信方法として人体などに誘導される電界を用いる通信方法が提案されている。このような通信システムとしては、特許文献1に開示されているものがある。この通信システムにおいては、情報信号を変調して得られた変調信号に対応した電界を送信機から伝送媒体である人体に付与して、人体を伝送した電界を受信機において検出し、その電界に対応する信号を復調する。
特表平11−509380号公報
しかしながら、特許文献1に開示された通信システムにおいては、送信機から人体に送られた信号の多くが人体からアースに漏れてしまうので、受信機における受信感度が悪いという問題があり、通信を実現させるためには、十分に高感度な受信機を用いるか、送信機の送信パワーを大きくする必要があり、実用化に適していない。
本出願人は、電界通信用送信機から人体に送られた信号が人体からアースに漏れることを抑制したデータ通信システムを特願2007−137580として特許出願済みである。この特許出願に係る発明は、人体の一部(主に足)が接する床のインピーダンスを、通信周波数に対して高インピーダンスとなるように設定している。これにより、人体に送られた信号がアースに漏れることを抑制して、送信パワーを大きくすることなく高感度な受信機を実現することができる。
ところが、通信対象者本人の近傍に電界通信用送信機を携帯した別の人が存在すると、通信対象本人と近傍の別人とが容量結合し、近傍の別人の電界通信用送信機からの信号が当該別人を介して通信対象者本人に伝わり、さらに他人からの信号を通信対象者本人から受信機が受ける現象(以下、クロストークという)が発生する可能性がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、電界通信用送信機から人体に送られた信号が人体からアースに漏れることを抑制して受信機の感度を改善できると共に、電界通信用送信機を携帯した別人が近傍に居てもクロストークの発生しないデータ通信システムを提供することを目的とする。
本発明のデータ通信システムは、ユーザに携帯された状態で当該ユーザの人体の一部と電気的に結合し人体を介した電界通信を行うユーザ側通信機器と、所定場所に設置され当該設置場所に接近したユーザの人体の一部と電気的に結合し当該ユーザの人体を伝送路として前記ユーザ側通信機器との間で情報信号を交換する固定側通信機器と、前記固定側通信機器に人体の一部を電気的に結合させたユーザの立ち位置を含む近傍領域に設置され前記電界通信に用いる通信周波数に対して高インピーダンスを有する第1の床部と、前記近傍領域の周辺領域に設けられ前記通信周波数に対して低インピーダンスを有する第2の床部とを具備したことを特徴とする。
この構成によれば、固定側通信機器に人体の一部を結合させて自身の形態するユーザ側通信機器と固定側通信機器との間で通信を行うユーザは第1の床部上に居る一方、当該通信対象者に近接している他のユーザは近傍領域の周辺に設置された第2の床部上にいることとなる。したがって、固定側通信機器との間で通信を行うユーザは通信周波数に対して高インピーダンスの第1の床部上に居るので、人体からアース(床)に信号が漏れ出すのを抑制でき、情報信号が固定側通信機器に到達する伝送効率を向上することができる。しかも、従来はクロストークを生じていた隣人は通信周波数に対して低インピーダンスの第2の床部上に居るので、人体からアース(床)に信号が漏れ出して通信対象者への伝送効率が著しく下がり、クロストークの発生を抑えることができる。
本発明のデータ通信システムにおいては、前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床電極が抵抗を介してアースに接続されると共に容量を介してアースに接続され、前記抵抗と容量とが並列接続してなるローパスフィルタで構成されることが好ましい。この構成によれば、通信周波数より少なくとも低域側の雑音を抑制でき、人体が帯電している場合には電荷をグラウンドに逃がすことができる。静電気による不快感を解消でき、電子機器の誤動作を防止することもできる。
本発明のデータ通信システムにおいては、前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床電極がインダクタを介してアースに接続されると共に容量を介してアースに接続され、前記インダクタと容量とが並列接続されてなる並列共振回路で構成されることが好ましい。この構成によれば、通信周波数の低域側及び高域側の雑音を抑制でき、人体が帯電している場合には電荷をアースに逃がすことができる。静電気による不快感を解消でき、電子機器の誤動作を防止することもできる。
本発明のデータ通信システムにおいては、前記第1の床部は、前記床電極とアースとの間に設けられた空孔を含む材料又は空隙を含む構造体で前記容量が形成されていることが好ましい。この構成によれば、平均の誘電率が小さくなるので、誘電体の厚さを薄くできる効果がある。
本発明のデータ通信システムにおいては、前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床電極が直接アースに接続されていることが好ましい。この構成によれば、簡易な構成で低インピーダンス床を構成することができる。
本発明のデータ通信システムにおいては、前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床電極がインダクタと容量とからなる直列共振回路を介してアースに接続されていることを特徴とする。この構成によれば、直列共振回路の共振周波数を通信周波数に調節することで、前記周辺領域から前記近傍領域に漏れ込んでくる電界通信で用いる通信周波数の帯域の雑音を抑えることができる。一方、周辺領域に他の通信方式の通信機器が設置される場合、他の通信方式の通信機器との通信への影響を防止することができる。
本発明のデータ通信システムによれば、電界通信用送信機から人体に送られた信号が人体からアースに漏れ出ることを抑制して受信機の感度を改善できると共に、電界通信用送信機を携帯した別人からのクロストークを抑制することができる。
本発明のデータ通信システムをゲートシステムに応用した模式図である。 図1のゲートシステムにおいて通信対象者本人と周辺部との結合状況を示す図である。 (a)〜(c)は、高インピーダンス床部の構成例を示す図である。 図1に示す通信対象者本人及び隣人を含んだ状態の等価回路図である。 図4の等価回路に基づいたクロストーク電流及び本人電流のシミュレーション結果を示す図である。 図1に示す通信対象者本人だけを抜き出した等価回路図である。 (a)比較例に係るゲートシステムの模式図、(b)図7(a)の等価回路図である。 図7(b)の等価回路に基づいたクロストーク電流及び本人電流のシミュレーション結果を示す図である。 本発明のデータ通信システムを応用したゲートシステムの変形例の模式図である。 本発明のデータ通信システムを応用したATM装置の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るデータ通信システムを電子マネーシステムの一つであるゲートシステムに応用した例について説明する。ゲートシステムは、駅の改札ゲート、施設の入退出ゲートに適用することができ、複数人が連続して通過することが想定される。
図1は、本発明のデータ通信システムをゲートシステムに応用した場合の模式図である。携帯機器1aをユーザが胸のポケットなどに入れて携帯した状態で、データ読み取り器などの固定機器3に手をかざして、手からデータを読み取っている様子を示している。
図1に示すデータ通信システムは、電界を介して情報信号を伝送する伝送媒体である人体2と、キャリア周波数を情報信号で変調した電界を人体2に付与するユーザ側通信機器となる電界通信用送信機を搭載した携帯機器1aと、人体2を介して検出される電界を情報信号に復調する固定側通信機器となる電界通信用受信機を備えた固定機器3と、固定機器3との間でデータ送受信を行う際にユーザが通過するインピーダンス調整床4とから主に構成されている。
本発明に係るデータ通信システムにおいては、携帯機器1aとしては、電界通信用の通信モジュールを備えたICカードや携帯電話などを挙げることができる。また、固定機器3としては、電子マネー、各種ICカードなどのリーダライタなどを挙げることができる。また、固定機器3には、人体2が近づくことによりデータ通信を行うための通信用電極3aが設けられている。人体2と固定機器3との間は、直接接触または容量結合により電気的に結合されていれば良いので、通信用電極3aの表面は絶縁材料で被覆されていても良い。
このデータ通信システムにおいては、図2に示すように、電界通信用送信機を備えた携帯機器1aと伝送媒体である人体2との間、及び電界通信用受信機を備えた固定機器3と人体2との間は、電気的に容量結合しており、電界により情報信号を伝送するようになっている。この場合、人体2には、変位電流は流れるが定常電流は流れないので、電気的に導通している必要が無い。したがって、例えば携帯機器1aをポケットに入れたままでも、薄い布を介して携帯機器1aと人体2との間が容量結合するので、情報信号の伝送が可能である。なお、固定機器3から携帯機器1aへ情報信号を送信する場合は、固定機器3に送信機を、携帯機器1aに受信機を備えればよい。
上記データ通信システムにおいて、データ通信を行う場合は、携帯機器1aにおいて、人体2が導電性を示す周波数(数十kHz〜数十MHz)のキャリア周波数を情報信号で変調して変調信号を得る。この変調信号は、増幅されてから電圧変化に変換されることにより、変調信号に対応する電界となる。そして、この電界が人体2に付与される。なお、携帯機器1aにおける変調方式については特に制限はなく、変調をしないベースバンド伝送でもよい。
人体2に付与された電界は、固定機器3の通信用電極3aで受けられる。通信用電極3aで受けた電界は受信機の信号検出回路(図示せず)で検出され、復調回路(図示せず)に送られる。復調回路において携帯機器1aで使用したキャリア周波数を用いて復調して情報信号を取得する。このように、人体2を伝送媒体としてデータの送受信を行うことができる。
以下の説明では、図1において固定機器3の通信用電極3aに手をかざしてデータ送受信を行うユーザを通信対象者本人2と呼び、通信対象者本人2に近接して当該ゲートに入っているユーザおよびその携帯機器を、隣人10、携帯機器1bと呼んで、区別するものとする。
インピーダンス調整床4は、ユーザが通信用電極3aに手をかざして通過するユーザ通路の一部を構成しており、通信用電極3aに手をかざす際のユーザ立ち位置を含むユーザ一人当たりの領域R1に敷設された第1の床部となる高インピーダンス床部5と、領域R1に隣接する前後の領域R2,R3に敷設された第2の床部となる低インピーダンス床部6a、6bとを有する。すなわち、ユーザが通信用電極3aに手をかざしてデータ送受信を行う近傍領域となる領域R1と、近傍領域の周辺領域となる周辺領域R2,3とに分けられており、通信周波数に対するインピーダンスを異ならせている。
高インピーダンス床部5は、携帯機器1aと固定機器3との間でデータ通信する際の通信周波数に対して高インピーダンスであり、当該通信周波数帯域の信号がアースに漏れるのを阻止するように作用する。ただし、本発明は漏れ出しを完全に阻止する場合だけでなく、ある程度の抑制効果が得られれば良い。また、低インピーダンス床部6a、6bは、通信周波数に対して低インピーダンスであり、少なくとも通信周波数帯域の信号を床側(アース)に流すように作用する。高インピーダンス床部5の寸法は、通信対象者本人2が通信用電極3aに手をかざしている状態では当該高インピーダンス床部5を占有し、隣人10が同時にその高インピーダンス床部5を踏むことができない大きさとすることが望ましい。複数人が同時に高インピーダンス床部5を踏まないような面積又は立てないような構成としている。
また、インピーダンス調整床4に沿って通路壁7が設けられており、通路壁7の一部が固定機器3の組み込まれる支持体を兼ねている。通路壁7には、高インピーダンス床部5上のユーザが対向する側壁領域に高インピーダンス壁部8が設けられ、高インピーダンス壁部8の前後の側壁に低インピーダンス壁部9a,9bが設けられている。高インピーダンス壁部8は、通信周波数に対して高インピーダンスであり、低インピーダンス壁部9a,9bは通信周波数に対して低インピーダンスである。好ましくは、高インピーダンス壁部8は、通信周波数以外の帯域では低インピーダンスとなり、低インピーダンス壁部9a,9bは通信周波数以外の帯域では高インピーダンスとなるように設定する。
図2は高インピーダンス床部5上に立って固定機器3の通信用電極3aに手をかざしている通信対象者本人2だけに着目した状態の概念図である。高インピーダンス床部5とアースとの間のインピーダンスをZgfとする。電界通信用送信機としての携帯機器1aと通信対象者本人2との間の静電容量をCthとし、電界通信用受信機としての固定機器3と通信対象者本人2との間の静電容量をCrhとし、高インピーダンス床部5と通信対象者本人2との間の静電容量をCfhとし、携帯機器1aとアースとの間の静電容量をCtgとし、固定機器3とアースとの間の静電容量をCrgとしている。携帯機器1aは、例えば10MHzの通信周波数の交流信号源であり、通信対象者本人2を導電体として扱い、固定機器3が高インピーダンス床部5のアースに電気的に接続されているとしている。なお、固定機器3を送信機とし、携帯機器1aを受信機とした場合でも、等価回路は同様となることは当業者であれば容易に理解できる。
図3(a)〜(c)は、高インピーダンス床部5の構成を示す図である。高インピーダンス床部5は、データ通信を行う際の通信周波数において高インピーダンスを有し、通信周波数よりも低い周波数において低いインピーダンスを有することが望ましい。このために、図3(a)〜(c)に示すように、床電極11とグランド電極12との間に誘電体で構成された誘電部材13を配設して、床電極11とグランド電極12との間に静電容量が形成される構成にすることが好ましい。高インピーダンス壁部8も高インピーダンス床部5と同様に構成する。
高インピーダンス床部5の容量は、床電極11とアースとの間に設けられた空孔を含む材料又は空隙を含む構造体で構成することができる。たとえば、誘電部材13を多孔質部材であることが好ましい。これにより、多孔質部材の平均の誘電率が小さくなるため、床電極11とグランド電極12との間の静電容量を所定の値にする際に、同じ面積であれば、多孔質部材の厚さを薄くすることができる。誘電部材13としては、例えば、テフロン(登録商標)樹脂やABS樹脂などの樹脂材料、あるいはセラミックス材料で構成された多孔体を用いることができる。
図3(a)に示すように、抵抗素子14を介して床電極11とグランド電極12とを接続すると共に誘電部材13による容量を介してグランド電極12と接続することにより、抵抗及び容量が並列接続されたローパスフィルタを構成することができる。ローパスフィルタの定数を調整して通信周波数(例えば10MHz)よりも低域側の信号を通過させるようにする。これにより、通信周波数では高インピーダンスであるが、通信周波数より低域側では低インピーダンスとなり、少なくとも通信周波数より低域側では通信対象者体2の表面電位を低くすることができ、電荷をアースに効率良く逃がすことができ、静電気対策を講じることができる。これ以外にも、ローパスフィルタの構成例として、インダクタと容量を組み合わせたπ(パイ)型やT型などのパッシブフィルタや、OPアンプを使ったアクティブフィルタなどでも同様の効果が得られる。
図3(b),(c)に示すように、インダクタ15を介して床電極11とグランド電極12とを接続すると共に誘電部材13による容量を介してグランド電極12と接続することにより、インダクタ及び容量が並列接続された共振回路を構成することができる。共振回路のパラメータを調整して通信周波数(例えば10MHz)に共振周波数を合わせることで、通信周波数で高インピーダンスになると共に、通信周波数よりも低域側及び高域側で低インピーダンスとなる。なお、図3(b)ではインダクタ15としてインダクタ素子を用いているが、図3(c)ではインダクタ15として床電極11の外周を囲むように形成したインダクタパターンを用いている。
このように、高インピーダンス床部5とアースとの間のインピーダンスZgfが、データ通信を行う際の通信周波数において高くなるように調整するので、通信周波数に対しては通信対象者本人2から高インピーダンス床部5を経由してアースへの信号の漏れが抑制され、通信対象者本人2の表面電位を高くすることができ、携帯機器1aからの信号を効率良く伝送することができる。また、通信周波数帯域よりも低い周波数及び又は高い周波数において低インピーダンスとなるように調整することにより、通信周波数以外では通信対象者本人2の表面電位を低くすることができ、電荷をアースに効率良く逃がすことができ、静電気対策を講じることができる。
次に、通信対象者本人2の近傍に、電界通信用の携帯機器を持った隣人10が存在する場合における本データ通信システムの動作について説明する。
図1に示すように、隣人10が通信対象者本人2との間で静電容量を介して通信可能な程度まで接近した場合、当該隣人10は高インピーダンス床部5に隣接して敷設した低インピーダンス床部6a又は6b(図1では低インピーダンス床部6a上に立っている状態を例示)上に存在する。
低インピーダンス床部6a又は6bは、最も簡易な方式として床電極をアースに直接接地した構成と採ることができる。低インピーダンス床部6a、6b上に立っている隣人10が所持している携帯機器1bから自身の人体に付与されるすべての通信周波数成分を積極的にアースへ流すことができる。
また、電界通信用の携帯機器1bで使用している通信周波数だけを、低インピーダンス床部6a、6bを使ってアースへ流し、当該電界通信用周波数以外は減衰させないようにすることも可能である。たとえば、携帯機器を他の通信方式(例えば、近距離通信方式)と併用する場合、併用される通信方式で用いる周波数でのインピーダンスは高いことが望まれる。そこで、低インピーダンス床部6a、6bをインダクタと容量の直列接続からなるLC直列共振回路で構成し、LC直列共振回路の共振周波数を電界通信用周波数に合わせる。このように、低インピーダンス床部6a、6bをLC直列共振回路で構成することにより、電界通信用周波数に対しては非常に低いインピーダンスとなるが、電界通信用周波数以外は高いインピーダンスを示すことができ、別方式の通信方式による通信を同時に実行することができる。
図4は、図1に示すように通信対象者本人2が高インピーダンス床部5上に立って固定機器3に手をかざしており、通信対象者本人2に近接した位置(周辺領域)にいる隣人10が低インピーダンス床部6bに立っている場合の等価回路図である。図4の等価回路では、隣人10の所持する携帯機器1bは図示しているが、通信対象者本人2の所持する携帯機器1aは図示していない。また、低インピーダンス床部6bは床電極を直接アースに接続する構造を想定している。
図4に示す等価回路に基づいて固定機器3内の受信機に流れ込む電流をシミュレーションした。等価回路では、通信対象者本人2と隣人10との間の静電容量Chhを10pFとした。10pFの静電容量は高さ170cm、幅40cmの平行平板電極を60cmの距離で離して対向させた場合の容量に相当する。また、通信対象者本人2と固定機器3との間の静電容量Crhを10pFとし、通信対象者本人2及び隣人10の一部(足)が床と接する靴底がゴムなどであることを想定して、通信対象者本人2及び隣人10の一部(足)と床部5、6との間の静電容量Cfhを110pFとした。また、隣人10の携帯機器1bと隣人10との間の静電容量Cthを10pFとし、隣人10の携帯機器1bとアースとの間の静電容量Ctgを10fFとした。また、交流信号源となる携帯機器1bの通信周波数を10MHzと想定した。
高インピーダンス床部5を構成する共振回路は、図3(b)に示す構造又は図3(c)に示す構造を用いた。図3(b)に示す構造においては、高インピーダンス床部5の床電極11の電極面積を900cm2(30cm×30cm)とし、誘電部材13には多孔質部材(厚さ9cmで比誘電率1.3=11.5pF)を用い、インダクタ素子Lfには12.5μHのものを用いた。また、図3(c)に示す構造においては、高インピーダンス床部5の床電極11の電極面積を900cm2(30cm×30cm)とし、誘電部材13には多孔質部材(厚さ9cmで比誘電率1.3=11.5pF)を用い、インダクタパターンLfは、床電極11の周りに配設して12.5μHとした。
なお、高インピーダンス床部5をローパスフィルタで構成する場合は、図3(a)に示す構造において、床電極11の電極面積を900cm2(30cm×30cm)とし、誘電部材13には多孔質部材(厚さ10cmで比誘電率1.3=10pF)を用い、抵抗素子14には30kΩのものを用いる。
図5は図4の等価回路に基づいて固定機器3の受信機に流れ込む電流をシミュレーションした結果を示している。同図に示す特性曲線Aは隣人10から通信対象者本人2を介して受信機に流れ込むクロストーク電流であり、0.05μAに抑えられていることが分かる。特性曲線Bは、図6に示す等価回路に基づいて固定機器3の受信機に流れ込む電流をシミュレーションした結果であり、通信対象者本人2のみの信号となる本人信号である。本人信号は高インピーダンス床部5を構成する共振回路によってアースへの漏れ出しが抑制されているので、クロストーク電流に比べて十分に大きく安定した通信が可能な2.0μAを確保できている。
一方、比較例として、図7(a)に示すように高インピーダンス床部5上に二人のユーザが同時に存在し、一人のユーザが通信対象者本人2として固定機器3との間でデータ送受信を行う場合の受信機への流れ込み電流についてシミュレーションした。
図7(b)は図7(a)の比較例の等価回路である。図4に示す等価回路と異なる点は、隣人10が高インピーダンス床部5で構成される共振回路を介してアースに接続されていることである。隣人10も通信対象者本人2と同様に通信周波数では高インピーダンスの共振回路を介してアースに接地される。
図8は図7(b)の等価回路に基づいて固定機器3の受信機に流れ込む電流をシミュレーションした結果を示している。同図に示す特性曲線Aは隣人10から通信対象者本人2を介して受信機に流れ込むクロストーク電流であり、0.6μAである。図5のシミュレーション結果と比べて、多くの電流が隣人10側から流れ込んでいることが分かる。特性曲線Bは、図6に示す等価回路に基づいて固定機器3の受信機に流れ込む電流をシミュレーションした結果である。
なお、以上の説明では、通路壁7に設けた高インピーダンス壁部8及び低インピーダンス壁部9a,9bの動作について説明していないが、通信対象者2、隣人10の人体の一部が高インピーダンス壁部8又は低インピーダンス壁部9a,9bに接触した場合にも、高インピーダンス床部5及び低インピーダンス床部6a、6bと同様にクロストークを抑制する作用効果を奏することができる。
また、図9に示すように、通路壁7の上面21にもインピーダンス調整部を設けるようにしても良い。固定機器3の通信電極3aを囲む領域には通信周波数に対して高インピーダンスとなる高インピーダンス部22を設け、高インピーダンス部22の周辺となる前後に通信周波数に対して低インピーダンスの低インピーダンス部23a,23bを設ける。
通路壁7の上面21は通信対象者本人2が通信電極3aに対して手をかざす際に人体の一部(袖等の衣服の一部を含む)が接触する可能性がある。通路壁7の上面21が通信周波数について低インピーダンスであると、通路床と同様に電界が通路壁7側へ逃げてしまう。また、高インピーダンス部22に対して同時に隣人10までも接触するようであると、クロストークが発生する。そこで、通路壁7の上面21にも高インピーダンス部22及び低インピーダンス部23a,23bを設けることで、信号の漏れ出しを防止すると共に、クロストークの抑制を図ることができる。
以上の説明では、本発明のデータ通信システムをゲートシステムに適用した実施の形態を例示したが、その他の分野にも適用可能である。
図10は本発明のデータ通信システムをATM(現金自動預け払い機)に応用した場合の概念図である。ATM筺体31の操作画面近傍に固定機器3の通信用電極3aが設けられている。ATM筺体31の操作画面に向かった通信対象者本人2が立つ位置の床に、高インピーダンス床部32を設けている。高インピーダンス床部32の面積は、通信対象者本人2が占有する程度の大きさであり、同時には背後で待っている待人たる隣人10が踏むことがないように設計されている。通信対象者本人2の背後で待っている隣人10の足元には低インピーダンス床部33が設けられている。また、ATM筺体31の側壁であって通信対象者本人2と対向する領域には高インピーダンス壁34が設けられている。高インピーダンス床部32及び高インピーダンス壁34は、図3(a)(b)(c)と同様の構成とすることができ、低インピーダンス床部33は低インピーダンス床部6a、6bと同様に構成することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、携帯機器と固定機器に送信機/受信機をそれぞれ組み込むことにより、双方向通信ができるようにしても良い。上記実施の形態においては、誘電部材として多孔質部材を用いた場合について説明しているが、本発明においては、床材の下側に穴を設けてインピーダンスを調整するようにしても良い。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することができる。

Claims (6)

  1. ユーザに携帯された状態で当該ユーザの人体の一部と電気的に結合し人体を介した電界通信を行うユーザ側通信機器と、所定場所に設置され当該設置場所に接近したユーザの人体の一部と電気的に結合し当該ユーザの人体を伝送路として前記ユーザ側通信機器との間で情報信号を交換する固定側通信機器と、前記固定側通信機器に人体の一部を電気的に結合させたユーザの立ち位置を含む近傍領域に設置され前記電界通信に用いる通信周波数に対して高インピーダンスを有する第1の床部と、前記近傍領域の周辺領域に設けられ前記通信周波数に対して低インピーダンスを有する第2の床部と、を具備したことを特徴とするデータ通信システム。
  2. 前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床電極が抵抗を介してアースに接続されると共に容量を介してアースに接続され、前記抵抗と容量とが並列接続してなるローパスフィルタで構成されたことを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
  3. 前記第1の床部は、前記近傍領域に設けた床電極がインダクタを介してアースに接続されると共に容量を介してアースに接続され、前記インダクタと容量とが並列接続されてなる並列共振回路で構成されたことを特徴とする請求項1記載のデータ通信システム。
  4. 前記第1の床部は、前記床電極とアースとの間に設けられた空孔を含む材料又は空隙を含む構造体で前記容量が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のデータ通信システム。
  5. 前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床電極が直接アースに接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のデータ通信システム。
  6. 前記第2の床部は、前記周辺領域に設けた床電極がインダクタと容量とからなる直列共振回路を介してアースに接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のデータ通信システム。
JP2010514465A 2008-05-27 2009-05-25 データ通信システム Expired - Fee Related JP4733783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010514465A JP4733783B2 (ja) 2008-05-27 2009-05-25 データ通信システム

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138567 2008-05-27
JP2008138567 2008-05-27
PCT/JP2009/059526 WO2009145142A1 (ja) 2008-05-27 2009-05-25 データ通信システム
JP2010514465A JP4733783B2 (ja) 2008-05-27 2009-05-25 データ通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4733783B2 true JP4733783B2 (ja) 2011-07-27
JPWO2009145142A1 JPWO2009145142A1 (ja) 2011-10-13

Family

ID=41377017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010514465A Expired - Fee Related JP4733783B2 (ja) 2008-05-27 2009-05-25 データ通信システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4733783B2 (ja)
WO (1) WO2009145142A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5331040B2 (ja) * 2010-03-25 2013-10-30 日本電信電話株式会社 電界通信システム
WO2012140943A1 (ja) * 2011-04-15 2012-10-18 アルプス電気株式会社 電界通信用電極構造
WO2012144252A1 (ja) * 2011-04-19 2012-10-26 アルプス電気株式会社 電界通信用電極構造
JP2012244516A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電界通信システム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005026784A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> データ通信システム
JP2007172103A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Sony Corp 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005026784A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> データ通信システム
JP2007172103A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Sony Corp 情報処理システムおよび方法、情報処理装置および方法、並びにプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2009145142A1 (ja) 2011-10-13
WO2009145142A1 (ja) 2009-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7509092B2 (en) Information processing system and information processing method
RU2302699C2 (ru) Система связи
US7612651B2 (en) Communication system, communication method and program
JP4733783B2 (ja) データ通信システム
KR100395863B1 (ko) 신호송신매질로서인체를사용한비접촉센싱및신호송신용시스템
US8532568B2 (en) Radio receiver and transmitter circuits and methods
JP4231546B2 (ja) データ通信システム
US20070050199A1 (en) Management system, management method, information processing apparatus, and information processing method
JP3470956B2 (ja) パーソナル・エリア・ネットワーク(pan)通信システム
Kado et al. AC electric field communication for human-area networking
US8429017B2 (en) Sales apparatus, sales method and program
JP4256468B2 (ja) 通信機器
JP4717143B2 (ja) 電界通信用電子機器
KR20080033895A (ko) 통신 시스템, 통신 장치 및 방법, 및 프로그램
CN105340200B (zh) 包括用于通过电感耦合和体内电流传送数据的装置的便携式设备
Wolling et al. Combining capacitive coupling with conductive clothes: towards resource-efficient wearable communication
JP5118249B2 (ja) 通信システム
JP5300913B2 (ja) 設置用電界通信装置
Kado Human-area networking technology as a universal interface
Trapezon et al. Basics of using connected me system in the transmission of information signals
JP2007036500A (ja) 通信システム、通信装置および方法、並びにプログラム
JP5462218B2 (ja) 電界通信装置
EP4318980A1 (en) Power transmitter, power transmitting/receiving device, human-body communication device, and power transmitting/receiving system
JP5580245B2 (ja) 電界通信システムおよび電界通信方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110422

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4733783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees