JP4539328B2 - ゴム補強用炭素繊維コード、その製造方法、及び繊維強化ゴム材料 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維コード、その製造方法、及び繊維強化ゴム材料 Download PDF

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本発明は、例えば伝動ベルト、タイヤなどのゴム製品の補強用として好適に用いられるゴム補強用炭素繊維コードに関する。また、その製造方法に関するものである。
ゴム補強用コードにより補強されてなる繊維強化ゴム材料は、タイヤ、ベルト、ホース等に幅広く活用されている。
一般に、これらのゴム材料は、撚りを付与した強化繊維束の表層部に、接着剤を塗布してなるコードにより、ゴムを含んでなる基材が補強されてなる。
炭素繊維は、高強度、高弾性率であり、耐熱性、耐水性に優れるが、伸長・圧縮変形、屈曲変形等の変形に対する耐疲労性が劣るという問題を有する。このため、炭素繊維が使用されたゴム補強用コードにより補強されてなる繊維強化ゴム材料は、一般に耐疲労性に乏しいとされてきた。
かかる問題を解決する試みとしては、エポキシ化合物とゴムラテックスとの混合物を炭素繊維束に付着させる手法が開示されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかしながら、これら手法によっても、タイヤ、ベルト、ホース等のゴム材料用途において要求される耐疲労性やタイヤコードの柔軟性は未だ不充分なレベルであった。
特開2003−117923号公報 特開2002−201569号公報 特開昭60−181369号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、優れた接着性と耐疲労性を発現する、ゴム補強用炭素繊維コード、及びその製造方法、さらには本ゴム補強用炭素繊維コードを用いた繊維強化ゴム材料を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明は、無撚りの炭素繊維束に5〜50mg/dの張力下でゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸させた後熱処理する工程A、樹脂組成物を含浸した炭素繊維束に20〜100回/mの片撚りを施す工程B、撚り合わされた炭素繊維束にレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスの混合物を付着させて0.1〜0.8g/dTexの張力下で熱処理を行う工程Cを含むゴム補強用炭素繊維コードの製造方法であって、該ゴム補強用炭素繊維コードの横断面の断面扁平度が1〜1.2であり、かつガーレー曲げ硬さが1000〜5000mgであることを特徴とするゴム補強用炭素繊維コードの製造方法である。
本発明によれば、ゴムとの接着性に優れ、ゴム中での耐疲労性に優れた優れたゴム補強用炭素繊維コード、及び繊維強化ゴム材料を提供することができる。
本発明のゴム補強用炭素繊維コード(以下コードと称す)は、ゴムラテックスを含む樹脂組成物が付着した炭素繊維束から構成されるものである。ゴム中でのコードの耐疲労性を更に向上させるべく鋭意検討した結果、コードの断面扁平度、コードの柔軟性、さらに好ましくは空隙率が一定範囲内にあることが必要である。
本発明に用いる炭素繊維束は、その製造方法が限定されるものではないが、紡糸工程により前駆体繊維を得て、その後、耐炎化(熱安定化、不融化)工程、炭化(炭素化)工程を経て炭素繊維束としたものを用いることができる。さらに熱処理を施した黒鉛繊維束も本発明でいうところの炭素繊維束に含むものである。なお、かかる炭素繊維束を得るに際しての各工程の処理温度、昇温速度、処理速度、延伸比、張力などの条件は目的とする炭素繊維束の特性によって適宜選択することができる。例えば前駆体繊維束を300℃未満の空気中で耐炎化処理し、かかる耐炎化繊維を300℃以上2000℃未満の不活性雰囲気中で炭化処理して炭素繊維束としたものを用いることができる。更に2000〜3000℃の不活性雰囲気中で熱処理して黒鉛繊維としたものを用いてもよい。
本発明に用いる炭素繊維束の前駆体繊維束としては、ポリアクリロニトリル、レーヨン、リグニン、ポリビニルアルコール、ポリアセチレン、ピッチなどを原料とする各種前駆体繊維束が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。高強度という点では、ポリアクリロニトリルを原料とした前駆体が好ましく用いられる。前駆体繊維束はフィラメント数1000〜24000、好ましくは6000以上、12000以下である。
前駆体繊維束を得るための紡糸方法としては、原料に応じて湿式紡糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸、溶融紡糸などが挙げられる。操業性の点からは、湿式紡糸、乾湿式紡糸が好ましく用いられ、乾湿式紡糸がより好ましい。
さらに、製品目的によっては得られた炭素繊維束を仕上げ処理することが好ましい。かかる仕上げ処理には表面処理やサイジング剤の付与などが含まれる。かかる表面処理法としては、気相中での加熱、紫外線等による酸化、液相中で酸化剤を用いた化学的酸化又は水溶液中で電気化学的手法により酸化する方法などが挙げられる。かかる処理によりゴム補強用炭素繊維コードの強化繊維として用いる場合の樹脂との親和性、例えば接着性、濡れ性、分散性等の表面特性を高められる。さらに、サイジング剤を付与することにより集束性を増し、繊維の取り扱いが容易となる。炭素繊維束の形態としては、前駆体繊維の単糸を2本以上合わせて撚りをかけて熱処理をする有撚糸、単糸を2本以上合わせて撚りをかけて熱処理し、その後撚りを解く解撚糸、実質的に撚りをかけずに熱処理を行う無撚糸などがあるが、ゴム補強用炭素繊維コードの加工性と強度特性のバランスを考慮すると無撚り糸とすることが必要であり、解撚糸を用いることも好ましい。
本発明において用いる炭素繊維束は、その結節強度が通常500MPa以上であることが必要であり、好ましくは600MPa以上、より好ましくは700MPa以上であることが良い。500MPa未満であると、耐疲労性が不足しがちとなり、タイヤ、ベルト等の用途に使用できないことがある。特に、結節強度が750MPaあれば、本発明の効果を奏するに当たり、十分であることが多い。
さらに、本発明に用いる炭素繊維束は、その破断伸度が通常1.7%以上であり、好ましくは1.8%以上、より好ましくは1.9%以上であるのが良い。1.7%未満であると、過大な応力による変形を受けるとコードが破断し易くなり、タイヤ、ベルト等の用途に使用できないことがある。なお、本発明の目的には炭素繊維の破断伸度は2.5%あれば十分である。
本発明における炭素繊維束は、その表面に溶解度パラメータ(SP値)が9.0〜12.0(cal)1/2/(cm)3/2の範囲にあるサイジング剤を付与されたものであることが好ましい。該SP値が9.0未満の場合、ゴム配合物との接着性が充分に得られないことがある。また、SP値が12.0を越える場合、単繊維同士が凝集しやすく充分な耐疲労性が得られないことがある。
ここで、溶解性パラメータ(SP値)とは、相溶性の指標であり、Polym.Eng.Sci.,14(2),147−154(1974)に記載されたFedorsの方法により分子構造から求められる。
かかるサイジング剤の炭素繊維束に対する付着量は、好ましくは0.1〜1.5重量%、より好ましくは0.3重量%以上、1.3重量%以下の範囲内であるのがよい。これらサイジング剤を炭素繊維束に付与する方法としては、例えば、サイジング剤を溶解又は分散させたサイジング液中に炭素繊維を通過させることで炭素繊維表面に付着させ、その後加熱して溶媒を除去する方法がある。
本発明において溶解性パラメータ(SP値)が9.0〜12.0となるサイジング剤としてはいかなるものでも用いることが可能であるが、エポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。
本発明に用いられるゴムラテックスとしては、特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスおよびビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスなどが使用できる。これらは単独でも使用できるし、混合して使用することもできる。好ましくは繊維強化ゴム材料で用いられる被着ゴムと同種類のゴムラテックスを使用することが良い。被着ゴムが天然ゴムであれば、スチレンブタジエンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスなどが好ましく使用され、クロロプレンゴムであれば、クロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックスなどが好ましく使用され、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムであれば、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスなどが好ましく使用される。
また、本発明に用いられる樹脂組成物は、接着性を向上させる観点から、エポキシ樹脂が含まれていることが好ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、いかなる化合物を用いても差し支えない。
分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物は特に限定されないが、例えば、分子内に水酸基を有する化合物から得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、分子内にアミノ基を有する化合物から得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、分子内にカルボキシル基を有する化合物から得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、分子内に不飽和結合を有する化合物から得られる環式脂肪族エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートなどの複素環式エポキシ樹脂、あるいはこれらから選ばれる2種類以上のタイプが分子内に混在するエポキシ樹脂などを用いることができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンのようなハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニルと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビフェニル型エポキシ樹脂、レゾルシノールと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるレゾルシノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールSと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビスフェノールS型エポキシ樹脂、多価アルコール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物であるポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシドなどの不飽和結合部分を酸化して得られるエポキシ樹脂、その他ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびこれらのハロゲンあるいはアルキル置換体などを使用することができる。
中でも、ゴム補強用炭素繊維コードの柔軟性を発現するため、環状構造を有しない脂肪族系エポキシ樹脂が好ましく、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなど多価アルコール類とエピクロロヒドリンとの反応物を好ましく用いることができる。とりわけ、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルは、耐屈曲疲労性の向上に特に効果的であり、好ましく用いられる。
また本発明に用いられるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が50〜500が好ましく、より好ましくは100以上、300以下が良い。エポキシ当量が50未満であると、ゴム補強用炭素繊維コードの柔軟性が乏しくなり、結果として耐屈曲疲労性が不十分となることがある。500を越えると接着性が乏しくなることがある。
本発明に用いる樹脂組成物のエポキシ樹脂とゴムラテックスの乾燥重量比は30/70〜70/30が好ましく、より好ましくは40/60以上、60/40以下であるのがよい。30/70未満であるとコードとゴムの接着性が不十分になることがあり、70/30を越えると、コードが剛くなりすぎる傾向があり、屈曲変形による座屈が生じやすく、結果として耐疲労性が低下することがある。なお、エポキシ樹脂とゴムラテックスの乾燥重量比は、エポキシ樹脂の重量、及びゴムラテックスの固形分重量(ゴムラテックス由来のゴム成分)の計算値から処理液を調合することで、調整できる。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カーボンブラック、シリカ、充填剤、分散剤、乳化剤、安定化剤、増粘剤などの添加剤を適宜配合できる。水に溶けないものについては、水分散体として用いる。水分散体を作製するには常法によればよく、例えばボールミル、ホモジナイザーを用いればよい。安定剤、老化防止剤、界面活性剤、架橋剤などの添加剤を混合しても良い。添加剤の混合量は、接着剤組成物の全固形分に対して0.1〜20重量%が好ましい。
また、本発明のゴム補強用炭素繊維コードは、コードの最外層がレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスの混合物(RFL)層から構成されることが必要である。すなわち表層部にRFL層を付着させる。RFLの調整方法は特に限定されないが、レゾルシノールとホルマリンを初期縮合させたものを使用して調製することができる。特にアルカリ触媒下で初期縮合して得たレゾルシノール−ホルマリン初期縮合物を用いてRFLを好ましく調製することができる。例えば、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性化合物を含むアルカリ性水溶液内に、レゾルシノールとホルマリンを添加混合して、室温で数時間静置し、レゾルシノールとホルムアルデヒドを初期縮合させた後、ゴムラテックスを加えて混合エマルジョンとする方法により調製される。
レゾルシノール−ホルマリン初期縮合物は、レゾルシノールとホルマリンのモル比が好ましくは1:0.3〜1:5、さらに好ましくは1:0.75以上、1:2.0以下の範囲のものを用いることができる。この範囲をはずれると、コードと被着ゴムとの接着性が不十分になることがある。
RFL調製に用いるゴムラテックスとしては、ブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスおよびビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス等を挙げることができる。
ゴムラテックスの種類は、用いる被着ゴムとの相性により適宜選択することができる。例えば、被着ゴムが天然ゴムであれば、スチレンブタジエンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスなどが好ましく使用され、クロロプレンゴムであれば、クロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックスなどが好ましく使用され、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムであれば、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスなどが好ましく使用される。
RFLにおけるレゾルシノール−ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスの配合比率は、固形分重量比で1:3〜1:8であることが好ましく、1:4以上、1:6以下の範囲であることがさらに好ましい。この範囲を外れると接着性が不十分になることがある。
また、本発明のコードは、コードの横断面の断面扁平度が1.0〜1.2であることが必要であり、好ましくは1.0〜1.15、より好ましくは1.0〜1.1であるのがよい。ここで、断面扁平度とは、コード繊維方向に対して垂直方向に切断した際に現れるコード断面において、長径(R)/短径(r)で求められる値を言う。断面扁平度が1.2以上であると、伸張、圧縮の応力を受ける際に、応力が均一に分散されず、局所的に疲労が進行し、耐疲労性が不良となることがある。また、繊維強化ゴム材料を作製する工程において、コードを並行に並べる時に、コードに捩れが生じ、応力集中しやすくなることがあり、また、隣接するコードに重なることがあり、繊維強化ゴム材料の耐疲労性が不良となることがある。ここで、コードの断面扁平度は、樹脂組成物の付着量、熱処理条件、処理工程での張力にて調整することができる。
さらに、本発明のコードは、コードの横断面の断面空隙率が10%以下であることが望ましく、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下であるのが良い。ここで、コードの空隙率とは、コード繊維方向に対して垂直方向に切断した際に現れるコード断面において次式で求められる値を言う。
コード空隙率(%)=(全断面積−炭素繊維束断面積−樹脂組成物断面積)/(全断面積)×100。
コード断面積は、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡等で100〜200倍に拡大し、写真撮影して測定することができる。コード空隙率が10%を越えると、コード内部での応力伝達が不均一となることがあり、また、炭素繊維単糸同士の擦過が生じやすくなるため、結果として耐疲労性が不足することがある。
コードの空隙率は、樹脂組成物の付着量、熱処理条件、処理工程での張力で調整することができる。
また、本発明のコードはガーレー曲げ硬さ試験器で測定されるコードのガーレー曲げ硬さが1000〜5000mgであることが必要であり、好ましくは1200mg以上、より好ましくは1500mg以上、好ましくは4000mg以下、より好ましくは3000mg以下であるのがよい。1000mg未満であると、曲げ圧縮応力に弱く、耐疲労性が不足することがある。5000mgを越えると、コードが座屈しやすくなり、繰り返しの応力を受けた際に一点に疲労が蓄積し、結果として耐疲労性が不良になることがある。コードのガーレー曲げ剛さは、樹脂組成物の付着量、熱処理条件、処理工程での張力で調整することができる。
さらに本発明のコードは、結節強度が2〜6cN/dTexであることが好ましく、より好ましくは3cN/dTex以上、5cN/dTex以下であるのが良い。2cN/dTex未満であると、耐疲労性が不足することがあり、5cN/dTexを越えると、コードが硬く、耐疲労性が不足することがある。
また、本発明のコードは、直径が0.5〜1.2mmであることが好ましく、より好ましくは0.6mm以上、1.1mm以下であるのがよい。0.5mm未満であると、コードを作成する工程中の撚糸工程で外力が加わり、ケバ立ち、強力低下が起こりやすくなる。1.2mmを越えると、コード径が太く、耐疲労性が不足することがある。
本発明のコードにおいて、炭素繊維束に付着した樹脂組成物の量は、炭素繊維束100重量部に対して15〜25重量部が好ましく、より好ましくは17重量部以上、さらに好ましくは18重量部以上、より好ましくは23重量部以下、さらに好ましくは22重量部以下であるのが良い。RFL層は、炭素繊維束100重量部に対して2〜10重量部が好ましく、より好ましくは3重量部以上、さらに好ましくは4重量部以上、より好ましくは8重量部以下、さらに好ましくは6重量部以下であるのが良い。樹脂組成物の付着量が15重量部未満であると、炭素繊維単糸同士の擦過が生じ、耐疲労性が不足することがある。25重量部を越えると、粘着性が増大し、取り扱い性が困難になることがある。また、RFL層の付着量が2重量部未満であると、ゴムとの接着性が不足することがあり、10重量部を越えると、、コードの柔軟性が不足し、耐疲労性が不良になることがある。
本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法は、無撚りの炭素繊維束に5〜50mg/dの張力下でゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸させた後熱処理する工程A、コードに20〜100回/mの片撚りを施す工程B、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスの混合物を付着させて0.1〜0.8g/dTexの張力下で熱処理を行う工程Cを含むものであり、すなわち、これらの工程を組み合わせた処理を特徴とするものである。
ゴムラテックスを含む樹脂組成物は水に分散された水分散体として用いることが、簡便な処理を行うにあたり好適である(この樹脂組成物の水分散体を第1処理液と呼ぶ)。第1処理液には、接着性を向上させる観点からエポキシ樹脂が含まれていることが好ましい。
また、第1処理液の固形分濃度は10〜30重量%が好ましく、より好ましくは15〜25重量%が良い。10重量%未満であると、繊維束への付着量が不十分となり、結果として耐屈曲疲労性が不十分となることがある。30重量%を越えると、樹脂組成物の安定性が不十分となることがある。
さらに、該第1処理液は、25℃における粘度が30〜150mPa・sが好ましく、より好ましくは40mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは120mPa・s以下が良い。30mPa・s未満であると、第1処理液の繊維束からの脱落が多く、固形分付着量が不十分になることがある。150mPa・sを越えると繊維束内部へ第1処理液を浸透させることが困難になることがあり、結果としてコードの耐屈曲疲労性が不十分になることがある。
次に本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法について詳述する。
炭素繊維束に第1処理液を付着させる方法は、特に限定されないが、例えばコンピュートリーターを用い、ディップタンクに処理液を満たし、ここに炭素繊維束を通過させる手法が挙げられる。この時、ディップタンク内の炭素繊維束の張力は5〜50mg/dであることが必要であり、好ましくは8mg/d以上、さらに好ましくは10mg/d以上であるのが良い。5mg/d未満であると、炭素繊維がディップタンク内のロールから外れやすくなり、プロセス性が悪化することがある。50mg/dを越えると、炭素繊維束内部への第1処理液の浸透性が悪くなることがあり、結果として耐疲労性が不足することがある。その後、水分の除去、樹脂組成物の炭素繊維束への定着を促すため熱処理を施す必要がある。熱処理条件は特に規程されないが、接着性の発現と処理の簡便性から、100〜240℃にて60〜300秒の1段階の処理を行うことが好ましい。ここで熱処理条件が不足していると、接着性が不良となることがあり、また過剰な熱処理を行うとコードの柔軟性が悪化し、かつ、コード内にボイドが残り、空隙率が高くなり、耐疲労性が悪くなることがある。ここで空隙率を低くすることと、コード表面のブリスター発生を抑え、表面品位を高める目的から、好ましくは、100〜150℃にて60〜180秒の処理を行った後、150〜240℃にて60〜240秒処理を行う2段階の熱処理を行うことが好ましい。
本発明の製造方法では、第1処理液を付着させた後に、20〜100回/mの片撚りを施すことが必要であり、好ましくは30回/m以上、より好ましくは40回/m以上であり、好ましくは80回/m以下、、より好ましくは60回/m以下であるのが良い。100回/mを超えると、キンクが発生しやすくなり、強力低下、操業性悪化につながることがある。20回/m未満であると、応力を分散できず、一点に集中することから、耐屈曲疲労性が不足することがある。また、コード径、強力を目的に応じて調整するため、前記下撚りしたコードを数本引き揃えて上撚りを施しても良い。この時、上撚り数は好ましくは10〜100回/m、より好ましくは15回/m以上、75回/m以下が良い。100回/mを超えると、キンクが発生しやすくなり、強力低下、操業性悪化につながることがある。10回/m以下であると、撚り数が十分でないため、耐屈曲疲労性が不足することがある。撚りの付与は通常用いられる撚糸方法を用いることができ、例えばリング撚糸機を使用することができる。また、コード表面の粘着性が高く、リング撚糸機での撚糸が困難な場合は、トラベラーを用いないフライヤー撚糸機が好適に使用される。下撚りしたコードを数本引き揃えて上撚りを施す場合は、撚糸工程の安定性を高める目的から、フライヤー撚糸機が好ましく使用される。
さらに本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法では、撚糸を行った後に更に、RFL処理を行うことが必要である。詳しくは、RFLを付着させ、一定張力をかけながら熱処理を行うことが必要である。
無撚りの炭素繊維束にゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸させた後熱処理する工程の後、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスの混合物を付着させて熱処理を行い、その後に撚糸を行う製造方法では、本発明のゴム補強用炭素繊維コードは得られない。撚糸工程を最後に行って得られるゴム補強用炭素繊維コードは、撚り戻りが発生し、取り扱い性が悪くなることや、被着ゴムにトッピングする際に、撚りが戻る部分が生じ、応力が均一に伝達されず、耐疲労性が悪くなることがある。さらには、コードの横断面の断面形状が楕円になり、被着ゴムに並行にトッピングする際、コード同士の重なりが生じることがあり、耐疲労性が悪くなることがある。
RFLの処理方法は、特に規程されないが、例えばコンピュートリーターを用いて、上記撚糸コード(第1処理液を付着、熱処理し、撚糸したコード)をRFL液(このRFLを第2処理液と呼ぶ)を貯留させたディップタンク内を通過させ、熱処理することによって得られる。ここで、RFL液の濃度は10〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは15重量%以上、30重量%以下が好ましい。10重量%未満であると、RFLの付着量が不十分となり、接着力が不十分となることがある。RFL液の濃度が40重量%を超えると、RFL液の保存安定性が悪くなることがあり、固形分が凝集してくるため濃度低下等がおこり均一にRFLを付着させることが困難となる。ここで、RFL液の濃度とは、RFL液に含まれる乾燥後の固形物質の重量を乾燥前のRFL液の重量で除した値である。
なお、RFL付着工程において、付着量をコントロールする方法として、ローラーで絞る方法とノズルを通してエアーを吹き付ける方法があり、特に限定されるものではないが、接着剤組成物を均一に付着せしめる目的から、後者の方法が好ましい。
RFL付着工程を経たコードは、熱処理することが必要であるが、この時、コード断面の真円性向上の目的から、0.1〜0.8g/dTexの張力をかけながら熱処理を施すことが必要である。張力を付与することで、コードの集束性が向上し、コード断面が真円化が促され、熱処理することでRFL被膜がコード全体を覆い、断面の形状が固定される。ここで、張力が0.1g/dTex未満であると、コードの集束力が悪くなり、断面扁平度が楕円状になることがある。0.8g/dTexを越えると、熱処理プロセス途中のガイドロール形状がコード形状を固定化し、楕円状になることがある。また、熱処理が不足すると、RFL被膜の凝集力が不足し、接着性が不足することがある。また、過剰な熱処理を行うとコードが硬くなり、耐疲労性が悪化することがある。
熱処理条件は特に規程されないが、接着性の発現と処理の簡便性から、100〜240℃にて60〜300秒の1段階の処理を行うことが好ましい。ここでコード表面のブリスター発生を抑え、表面品位を高める目的から、好ましくは、100〜150℃にて60〜180秒の処理を行った後、150〜240℃にて60〜240秒処理を行う2段階の熱処理を行うことが好ましい。
以上のように処理して得られるゴム補強用炭素繊維コードを被着ゴムと密着させ、通常の処理条件にて加硫接着することによつて、炭素繊維と被着ゴムとの間に強固な接着を達成することが可能となる。
本発明の繊維強化ゴム材料は、被着ゴムが、前記コードにより補強されてなるものである。
被着ゴムの具体例としては、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エピクロロヒドリンンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等を使用することができる。
なお、被着ゴムには、主成分であるゴム以外に、カーボンブラック、シリカ等の無機充填剤、クマロン樹脂、フェノール樹脂等の有機充填剤、ナフテン系オイル等の軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、加工助剤等を必要に応じて含ませてもよい。
本発明の繊維強化ゴム材料は、例えば、次の方法により製造することができる。すなわち、一方向に引き揃えたコードを、両面からシート状の被着ゴムで挟み込んだ後、かかるコード/ゴム複合体をプレス機内で加熱・加圧し、ゴムを加硫させ、成形する方法である。
本発明による繊維強化ゴム材料は、タイヤ、ベルト、ホースのいずれにも好適に使用できる。タイヤの場合、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムが特に好適である。また動力伝達ベルトの場合、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムの使用が特に好適である。
以下、実施例により本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
また、本発明においてゴム補強用コードのコード形状・特性要件および物性の測定方法、評価方法は、以下に示すとおりである。
<ゴム補強用コードの評価方法>
(1)被着ゴムとの接着剥離力(平剥離法)
20×150×6(mm)の被着ゴム上の長手方向に、ゴム補強用炭素繊維コードを平行に敷き詰め、3MPaの加圧下で160℃、30分間プレス加硫を行い、放冷後、被着ゴムからコードを剥離することにより測定した。剥離スピードは50mm/minで行い、その時の剥離力をN/20mmで表示した。
(2)ゴム中での耐屈曲疲労性(FS法)
JIS L−1017の記載のファイヤストン法(FS法)に準じた方法で測定した。未加硫ゴムシートをドラムに捲回し、その上にゴム補強用コードを15本/20mmの打ち込み本数で等間隔に捲回し、さらにその上に同一のゴムシートを捲回し、ゴム/コード/ゴムの三層体を準備した。この三層体の上に厚み調整のためのゴムシートを重ね、20×370×5(mm)のベルト状試験片を作製した。これを3MPaの加圧下、160℃、30分間プレス加硫を行い、ベルト状試験片を得た。該試験片を1インチプーリーにかけ、190回/分の回転数で、140℃雰囲気下、48時間往復摩擦運動させた。疲労後の試験片からコードを取り出し、強力を測定した。疲労前と疲労後の強力の比(強力保持率、%で示す)を耐屈曲疲労性の指標とした。
(3)ガーレー曲げ剛さ
試料を20℃、65%RTの温調室に24時間以上放置した後、コードを1.5インチ長に切断し、JIS L 1096(1995)のガーレー曲げ試験法に準拠し、コードゲージを幅と置き換え、コード1本の曲げ剛性を測定した。値が小さいほど柔らかいことをあらわす。
(4)断面扁平率
試料を液体窒素で冷却固化させ、ついで繊維軸と垂直な方向からカミソリにより切断し、その断面を光学顕微鏡により、倍率50倍で写真撮影した。
得られた断面写真に外接する円と内接する円をそれぞれ描き、外接円の半径(R)と内接円の半径(r)の比(=R/r)を、断面扁平度とした。
尚、ここでは、任意に選択した5本の試料について、断面扁平度を求め、n=5の平均値を用いた。
(5)断面空隙率
試料を液体窒素中で冷却固化させ、次いで繊維軸と垂直な方向からミクロトーム片刃により切断し、、走査型電子顕微鏡にて視野に約100個の繊維断面が入る倍率に設定して撮影し、次に前記撮影された100個の繊維断面の中から20個をランダムに抽出し、そ
れぞれの繊維断面について次式によって算出し、20個の平均値を該試料の空隙率とした。
コード空隙率(%)=(全断面積−炭素繊維束断面積−樹脂組成物断面積)/(全断面積)×100
なお、面積の測定方法としては、プラニメーターを用いて面積を測定する方法や重量比から算出する等の方法が一般的であるが、例えば、市販のパソコン上で使用可能なインタークエスト(株)製の画像解析ソフトImageHyperIIを用い、画像を白黒に変換することで空孔部分とそれ以外の部分とを明確にして測定できるため、より正確な値を得ることができる。本発明の実施例においては上記の画像解析ソフトを用いてコード断面の面積を測定した。
(6)結節強度
JIS L1013−1981に準じて試料のつかみ間の中央に結節をつくり、引張強度を測定した。測定する試料の両端をチャックに挟み込んで固定する。ここで、チャック間のサンプル長は250mmとし、試料の結び目が、チャック間の中央部に位置するようにする。次に、温度25℃、湿度40%の環境下、速度50mm/分で、試料を引張り、その最大荷重値を測定する。次いで、この最大荷重値を試料の繊度で除した値を結節強度とする。なお、ここでは、任意に選択した試料についてn=10(右結びと左結びについて各n=5)の平均値を結節強度値とした。
(7)直径
JIS L1017に準じて測定した。測定する炭素繊維コードを4本一組とし、たるまないように平行に並べ、ダイヤルゲージで5ヶ所を測定し、その平均値を直径とした。
(8)撚数
JIS R7601に記載の方法によって測定した。被測定コードの両端を掴み間隔が500mmになるようにして、検撚機のクランプに取り付けた。一方のクランプを固定し、他方のクランプを回転させ、撚りが完全に解舒されるまでの回転数を計り、それを2倍した値からコードの撚り数(回/10cm)とした。
実施例1〜6 、比較例1〜6
“コンピュートリーターシングルディッピングマシン”(米リッツラー社製)を用いて、下記に示す各炭素繊維束を10m/分の速度で搬送し、表1に示すゴムラテックスを含む樹脂組成物の水分散体1または2(各々固形分濃度28重量%、30重量%、第1処理液という)含浸させ、水分散体を一定張力下で付与し、引き続き熱処理した。
・炭素繊維”トレカ”(登録商標)T700S−12K−50C(東レ(株)製、8000dTex)
・炭素繊維”トレカ”(登録商標)T700S−6K−50C(東レ(株)製、4000dTex
Figure 0004539328
(*1)”デナコール”EX−313: ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、エポキシ当量173)
(*2)”PylatexFS”: ビニルピリジンスチレンブタジエンゴムラテックス:(日本A&L(株)製、固形分濃度40.5%の水分散体)。
フライヤー撚糸機を用いてZ方向に50t/mの撚りを加えた。実施例2では、撚りを加えた2本を引き揃え、S方向に25t/mの撚りを加えて、いわゆる諸撚り構造にした。続いて、表2に示すRFL(固形分濃度25重量%、第2処理液という)を付与し、エアーワイパー圧0.1kg/cmの条件で液きりを行い、続いて一定張力下で熱処理して、ゴム補強用炭素繊維コードを得た。
Figure 0004539328
(*3) “LX110”: スチレンブタジエンゴムラテックス“LX110”(日本ゼオン(株)製、固形分濃度40.5%の水分散体)。
第1処理液による樹脂付着量は炭素繊維束100重量部に対して20重量部、第2処理液によるRFL付着量は炭素繊維束100重量部に対して4重量部であった。
得られたゴム補強用炭素繊維コードを用い、表3に示す組成を有する被着ゴムの未加硫ゴムシートをドラムに捲回し、その上に各ゴム補強用炭素繊維コードを15本/20mmの打ち込み本数で等間隔に捲回し、さらにその上に同一のゴムシートを捲回し、ゴム/コード/ゴムの三層体を製造した。
Figure 0004539328
この三層体の上に厚み調整のためのゴムシートを重ねた。これを3MPaの加圧下、160℃、30分間プレス加硫を行い、繊維強化ゴム材料を作製した。また、別途、上記評価方法に使用する各試験片を作製し、評価を行った。結果を表4,5に示す。また同様にして炭素繊維の種類、処理液、処理条件を表4,5に示すように変更し、実施例2〜および比較例1、2とし、評価結果を同様に表4,5に示す。
Figure 0004539328
Figure 0004539328
表4、5に示す評価結果から判るように、本発明によるゴム補強用炭素繊維コードは、被着ゴムとの接着性に優れ、ゴム中での耐疲労性に優れることがわかる。

Claims (7)

  1. 無撚りの炭素繊維束に5〜50mg/dの張力下でゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸させた後熱処理する工程A、樹脂組成物を含浸した炭素繊維束に20〜100回/mの片撚りを施す工程B、撚り合わされた炭素繊維束にレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスの混合物を付着させて0.1〜0.8g/dTexの張力下で熱処理を行う工程Cを含むゴム補強用炭素繊維コードの製造方法であって、該ゴム補強用炭素繊維コードの横断面の断面扁平度が1〜1.2であり、かつガーレー曲げ硬さが1000〜5000mgであることを特徴とするゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  2. 前記工程Aの熱処理条件が100〜240℃で60〜300秒間でありかつ、前記工程Cの熱処理条件が100〜240℃で60〜300秒間であることを特徴とする請求項記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  3. 前記ゴム補強用炭素繊維コードの横断面の断面空隙率が10%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法
  4. 前記樹脂組成物がさらにエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法
  5. 前記ゴム補強用炭素繊維コードの結節強度が2〜6cN/dTexであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法
  6. 前記ゴム補強用炭素繊維コードの直径が0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法
  7. 前記ゴム補強用炭素繊維コードにおいて、炭素繊維束100重量部に対して前記樹脂組成物が15〜25重量部、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とゴムラテックスの混合物が2〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法
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