JP2003193374A - ゴム補強用炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維およびその製造方法

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JP2003193374A JP2001387179A JP2001387179A JP2003193374A JP 2003193374 A JP2003193374 A JP 2003193374A JP 2001387179 A JP2001387179 A JP 2001387179A JP 2001387179 A JP2001387179 A JP 2001387179A JP 2003193374 A JP2003193374 A JP 2003193374A
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Mitsuo Kato
三雄 加藤
Hiromitsu Shoji
宏光 東海林
Takao Manabe
隆雄 眞鍋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ゴムとの接着性が良好で、かつゴム
中での耐疲労性に優れ、繊維・ゴム複合体製品の補強用
に好適なゴム補強用炭素繊維およびその製造方法を提供
せんとするものである。 【課題を解決するための手段】本発明のゴム補強用炭素
繊維は、炭素繊維の少なくとも表面に、ゴム組成物から
なる有機溶剤系接着処理剤が付与されたゴム補強用炭素
繊維であって、前記ゴム組成物が前記炭素繊維表面に固
形分換算で10〜45重量%付着しており、かつ前記炭
素繊維の各単糸表面が前記接着処理剤で被覆されている
ことを特徴とするものである。かかるゴム補強用炭素繊
維の製造方法は、無撚りの状態のマルチフィラメントか
らなる炭素繊維糸条束に、ゴム組成物の有機溶剤溶液か
らなる接着処理剤を付着せしめ、次いで乾燥熱処理した
後、前記炭素繊維糸条束に撚りを施すことを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムとの接着性が
良好で、かつゴム中での耐疲労性に優れ、タイヤやベル
トに代表される繊維・ゴム複合体製品の補強用に好適な
ゴム補強用炭素繊維およびこのゴム補強用炭素繊維を接
着処理工程での安定した操業性のもとに効率的に製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤやベルトなどの繊維・ゴム複合体
製品の補強材としては、ポリε−カプロラクタム繊維や
ポリヘキサメチレンアジパミド繊維に代表されるポリア
ミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維に代表され
るポリエステル繊維、および芳香族ポリアミド繊維など
の合成繊維が主として用いられている。
【0003】一方、炭素繊維は、高弾性率、高強度、寸
法安定性、耐熱性および耐薬品性などの性能のバランス
が、他の繊維に比較して優れていることから、炭素繊維
をゴム補強用の素材として用いる技術が、従来から検討
されており、たとえば米国特許第3648452号など
に開示されている。
【0004】また、特公昭53−30757号公報に
は、炭素繊維をエポキシ化合物一般、具体的には非水溶
性エポキシ化合物で処理し、さらにRFL付着量を5〜
50重量%、特に10〜20重量%となす接着処理方法
が開示されているが、この方法では、炭素繊維のゴムと
の接着性を向上させる点においては十分な効果を奏する
ことができるものの、その接着処理条件によっては、炭
素繊維がゴム中で十分な耐疲労性効果を奏することがで
きなかった。
【0005】さらに、特開昭60−181369号公報
には、炭素繊維糸条束にエポキシ/ゴムラテックスの第
1処理液を付与した後熱処理し、次いでレゾルシン・ホ
ルムアルデヒド縮合物・ゴムラテックスの第2処理液を
付与した後熱処理する方法が提案されているが、この方
法では、ゴムとの十分な接着性は得られるものの、ゴム
中での耐疲労性を十分に満足するものが得られていない
ばかりか、炭素繊維の処理加工において、第1処理液を
大量に付着させるために、第1処理液に含まれるゴムラ
テックスのエマルジョンの不安定さから、ディッピング
工程での生産性を低下させるガムアップ現象が生じると
いう問題があった。
【0006】このガムアップ現象は、熱処理ゾーンのロ
ーラー上に処理液中の単成分が界面活性剤から外れたも
のが塊状に付着する現象であり、このガムアップ現象を
いくらかでも軽減させるために、ローラー内部に水を通
してローラー表面を冷やしてガムアップの軽減を計るよ
うなことが行われているが、完全な改善効果は得られて
いない。そして、このガムアップがローラーに発生する
と、塊状のカスを取り除くために機械をしばしば休止し
なければならず、作業が煩雑になるばかりか、繊維への
接着処理剤の付着状態が不均一になって繊維長さ方向の
接着性や品位の低下をもたらし、ひいてはゴム補強炭素
繊維の耐疲労性の低下につながるという問題を生じてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、ゴムとの接着性が良好で、かつゴム
中での耐疲労性に優れ、タイヤやベルトに代表される繊
維・ゴム複合体製品の補強用に好適なゴム補強用炭素繊
維およびかかるゴム補強用炭素繊維を安定した操業性の
もとに効率的に製造する方法を提供せんとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のゴム補強用炭素繊維は、炭素繊
維の少なくとも表面に、ゴム組成物からなる有機溶剤系
接着処理剤が付与されたゴム補強用炭素繊維であって、
前記ゴム組成物が前記炭素繊維表面に固形分換算で10
〜45重量%付着しており、かつ前記炭素繊維の各単糸
表面が前記接着処理剤で被覆されていることを特徴とす
るものである。
【0009】かかるゴム補強用炭素繊維の製造方法は、
無撚り状態のマルチフィラメントからなる炭素繊維糸条
束に、ゴム組成物の有機溶剤溶液からなる接着処理剤
を、炭素繊維重量に対して固形分換算で10〜45重量
%付着せしめ、次いで乾燥熱処理した後、前記炭素繊維
糸条束に撚りを施すことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまりゴム
との接着性が良好で、かつゴム中での耐疲労性に優れ、
タイヤやベルトに代表される繊維・ゴム複合体製品の補
強用に好適なゴム補強用炭素繊維について、鋭意検討
し、ゴム組成物を有機溶剤に溶解してなる溶液を接着処
理剤として、炭素繊維糸条束に付与してみたところ、か
かる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0011】本発明のゴム補強用炭素繊維は、その表面
に、ゴム組成物の有機溶剤溶液からなる接着処理剤が付
与されたものである、ここでいう接着処理剤とは、ゴム
と炭素繊維との接着および疲労性向上を目的とした有機
溶剤系の処理剤であり、ゴム材を主成分としたゴム組成
物で構成されたものである。
【0012】前記接着処理剤に使用されるゴム組成物と
は、ゴム材またはこれに加硫剤、加硫促進剤および老化
防止剤などの添加剤を含んだものである。なお、ここで
配合するゴム材および添加剤は、ゴム補強用炭素繊維の
被着ゴムの配合と同じ組成のものであることが、優れた
接着性などが得られる点で好ましいが、その他の添加剤
が炭素繊維の接着性や疲労性などを阻害させない範囲で
添加されてもよい。
【0013】上記ゴム材の具体例としては、例えば天然
ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン
ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(B
R)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム
(HNBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプ
ロピレンゴム(EPR、EPDM)、エチレン酢ビゴム
(EVA)、塩素化ポリエチレン(CM)、クロロスル
フォン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロス
ルフォン化ポリエチレン(ACSM)およびエピクロル
ヒドリンゴム(CHC、CHR)などが挙げられる。
【0014】また、加硫剤としては、硫黄、硫黄化合物
および有機過酸化物などが挙げられ、こでいう硫黄化合
物の具体例としては、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリ
ン・ジスルフイドおよびアルキル・フェノール・ジスル
フイドなどが例示されるが、一般的には硫黄が使用され
る。
【0015】本発明で加硫剤として使用する有機過酸化
物の具体例としては、例えばジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、2.5−ジメチル−2.5−ジ(t−ブチ
ルパーオキサイド)−ヘキサン、2.5−ジメチル−
2.5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,
1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、4,4−ジ−t
−オキシパレリック酸−nブチルおよび2,2−ジ−t
−ブチルパーオキシブタンが挙げられる。
【0016】上記加硫剤としては、架橋反応を引き起こ
すものであれば、特に有機過酸化物と硫黄化合物に限定
されるものではない。ただし、加工時の温度で架橋反応
が極度に進まない性能の加硫剤がより好ましい。
【0017】上記加硫剤の添加量(配合量)は、ゴム1
00重量部に対して0.5重量部以下であることが好ま
しく、特に0.1重量部以下であることが好ましい。
【0018】加硫剤の添加量が上記の範囲を越えると、
ゴム組成物の架橋が進みすぎて、接着処理剤で処理され
たコードが硬くなり、ひいてはゴム中での耐疲労性が極
度に低下するなどの好ましくない傾向が生じる。
【0019】また、本発明のゴム補強用炭素繊維の表面
に付与する接着処理剤中のゴム組成物を溶解する有機溶
剤の具体例としては、例えばトルエン、メチルエチルケ
トン、ベンゼン、キシレンおよび酢酸エチルなどが挙げ
られる。
【0020】また、炭素繊維に対する接着処理剤の付着
量は、固形分換算で10〜45重量%、好ましくは20
〜40重量%の範囲にする必要がある。接着処理剤の付
着量が上記の範囲を下まわると、炭素繊維を構成する単
糸表面を完全に接着処理剤で被覆することができなくな
り、耐疲労性低下につながるため好ましくない。一方、
接着処理剤の付着量が上記の範囲を越えると、ガムアッ
プ現象などの工程障害が発生して品質斑の原因になるた
め好ましくない。
【0021】本発明で使用する炭素繊維糸条束として
は、炭素化系でも黒鉛化系でもよく、単糸繊度が約1.
00デシテックス以下、トータル繊度が約5500デシ
テックス以上の糸条束であって、特にエポキシ化合物を
含む界面活性剤液でサイジングされた糸条束であること
が好ましい。また糸条束は無撚りであってもよく、必要
に応じて加燃(8t/10cm以下)されていてもよ
い。
【0022】本発明に供給される炭素繊維原糸は、あら
かじめエポキシ化合物が付与されたものであることが、
接着性および耐疲労性の改善効果の点でより好ましい。
ここで使用されるエポキシ化合物としては、例えば1分
子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するものであれ
ばいかなる化合物を用いてもよく、具体例としては、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類とエ
ピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシド類と
の反応生成物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂などの多価フ
ェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応性
生物、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシク
ロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシク
ロヘキセンエポキシドなどの不飽和結合部分を酸化して
得られるポリエポキシド化合物などが挙げられる。好ま
しくは、多価アルコール類とエピクロルヒドリンの反応
生成物(多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合
物)である。なお、エポキシ化合物は、上記の接着処理
剤を付与する接着加工工程で付与してもよく、特にエポ
キシ化合物の付与段階を限定するものではないが、好ま
しくは製糸工程で付与するのが、安定した品質を得る上
では効果的である。
【0023】そして、本発明のゴム補強用炭素繊維にお
いては、炭素繊維の各単糸表面が上記接着処理剤で完全
に被覆されていることが重要な要件であり、炭素繊維の
単糸表面に接着処理剤の不完全な被覆ないしは被覆され
ていない部分が存在する場合には、炭素繊維の単糸同士
が直接接触することになり、その部分から破壊現象が生
じて疲労性大きく低下することなるため好ましくない。
このことは炭素繊維を処理するに当たって最も留意する
点である。
【0024】本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法
は、無撚りの状態のマルチフィラメントからなる炭素繊
維糸条束に、加硫剤を含むゴム組成物を有機溶剤に溶解
した接着処理剤を、炭素繊維重量に対して固形分換算で
10〜45重量%付着せしめ、次いで乾燥熱処理した
後、前記炭素繊維糸条束に撚りを施することを特徴とす
る。
【0025】すなわち、上述した加硫剤を含むゴム組成
物を有機溶剤に溶解した接着処理剤を、無撚りの状態の
炭素繊維に付与し、次いで乾燥熱処理する。
【0026】上記の熱処理は、通常80〜200℃、好
ましくは100〜150℃の温度で、90〜350秒程
度の時間行うが、本発明のゴム補強用炭素繊維に使用す
る接着処理剤は、加硫剤を含む有機溶剤系の接着処理剤
であるため、架橋ができるだけ進まないように、比較的
低温で長時間熱処理することにより、ゴムとの接着性お
よび耐疲労性がより一層優れ、接着処理剤処理工程の安
定性も最も好ましいものとなる。
【0027】また、本発明のゴム補強用炭素繊維の製造
方法において、最も大切な要件は、接着処理剤の付着量
をコントロールすることにある。つまり、接着処理剤を
炭素繊維重量に対して10〜45重量%付着せしめさせ
ることが非常に重要である。そのために、固形分濃度が
15〜30重量%の高濃度の接着処理剤を使用して、で
きるだけ低張力下で接着処理剤を付与することが必要で
ある。
【0028】接着処理剤の固形分濃度が上記の範囲より
低くなると、耐疲労性が低下し易く、逆に固形分濃度が
高すぎると、炭素繊維の粘着性が大きくなってマイナス
要因に繋がることなる。
【0029】また、接着処理剤付与時の炭素繊維のディ
ップ張力としては0.1g/d以下が好ましく、ディッ
プ張力がこれ以上になると、目的とする接着処理剤の付
着量が得にくくなり、ひいてはゴム中での耐疲労性低下
の原因となる。
【0030】なお、接着処理剤を付与した後の付着量を
コントロールする方法としては、ローラで絞る方法とノ
ズルを通してエアー吹き付ける方法があり、特に限定す
るものではないが、接着処理剤を均一かつ多量に付与す
ることを目的とする場合は後者の方法が好ましい。
【0031】なお、必要に応じて、前記接着処理剤を付
与した後に、更に水系のレゾルシン・ホルマリン・ラテ
ックス系の接着処理剤で処理してもよい。
【0032】接着処理剤付与した炭素繊維の撚り形態
は、使用目的に応じて片撚り、または諸撚りを任意に設
定すれば良い。
【0033】本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法に
よれば、ゴム補強用炭素繊維を接着処理工程での安定し
た操業性のもとに効率的に製造することができ、得られ
るゴム補強用炭素は、ゴムとの接着性が良好で、かつゴ
ム中での耐疲労性に優れていることから、高強力高弾性
率などの炭素繊維の特性を生かしたゴム補強用途、たと
えばタイヤ、運搬ベルト、ゴム引布などとして有用であ
る。
【0034】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明は以下の実施例の限定されるもの
ではない。なお、以下に具体的に記載する実施例におい
て、各測定値は次の方法により求めたものである。 [接着処理剤付着量]次の算式により求めた。
【0035】接着処理剤付着量(%)=(W2−W1)
/W1×100 ここでW1:処理前の長さ100cmの炭素繊維の重量
(g) W2:処理後の長さ100cmの炭素繊維の重量(g) [品質バラツキ(接着処理剤付着量のバラツキ)]繊維
長さ1万mを500m毎に測定して付着量バラツキσを
測定算出した。[第1処理液のガムアップ現象(ローラ
ー汚れ)]コンピュートリーター処理機のターンローラ
ーに付着したカスを肉眼で判定し、下記の基準で判定し
た。
【0036】 ○:カス付着見られず、 ×:カス付着が多く見られる。 [T−接着力]JIS L−1017(1983年)の
接着力−A法に準じて、接着処理後の糸状束を、天然ゴ
ム:70重量部、スチレンブタジエンゴム:30重量
部、カーボンブラック(SRF):40重量部、ステア
リン酸:2重量部、亜鉛華:5重量部、ナフテン系プロ
セスオイル:3重量部、ジベンゾチアジルジサルファイ
ド (加硫促進剤):2.5重量部および硫黄:2重量部か
らなる天然ゴムを主成分とするカーカス配合用未加硫ゴ
ム組成物に埋め込み、加圧下で150℃、30分間プレ
ス加硫を行い、放冷後糸状束をゴムブロックから30c
m/minの速度で引き抜き、その引き抜き荷重をN/
cmで表示した。 [耐疲労性(万能GYチューブ疲労試験)] JIS
L−1017(1983年)のチューブ疲労強さA法
(グッドイヤー法)に準じてチューブを作成した。糸状
束の打ち込み本数は14本/インチとした。疲労試験は
ステップアップ方式で10°−10分、20°−20
分、30°以降30分毎に角度を変更して90°で破断
するまでの時間を示した。 [強力]テンシロンを使用し、JIS L−1017
(1983年)に準じて測定した。 [剛さ]コ−ドを真直ぐな状態にして2cmにカット
し、テンシロン引張り試験機のブリッジ(1cm間隔,
φ:0.6mm)上にのせ、コードと直角のフックバー
(φ:0.6mm)をコード中央に掛けて下降(2cm
/分)させた時の最大応力を求めた。
【0037】[実施例1〜5、比較例1〜3]表1の配
合組成からなるゴム配合物A〜Dを、それぞれバンバリ
ミキサーにて混練して得た後、この各ゴム配合物をメチ
ルエチルケトン中に溶解して表2および表3に示した濃
度の接着処理剤処理液を得た。
【0038】一方、炭素繊維として8000デシテック
ス、12000フィラメントで、表面サイジング処理さ
れた無撚りの炭素繊維糸状束”トレカT−700S”
(東レ(株)製)を準備した。
【0039】次いで、コンピュートリーターシングルデ
ィッピングマシン(米リッツラー社製)を用いて、上記
炭素繊維糸状束に対し、上記各接着処理剤処理液を付与
し、エアーワイパー圧0.3kg/cm2 の条件で液き
りを行い、引き続き120℃で280秒間乾燥熱処理し
た。
【0040】このようにして得られたゴム補強用炭素繊
維の特性評価結果を表におよび4に併せて示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】[比較例4]グリセロールポリグリシジル
エーテル(エポキシ化合物)に水を加えてホモジナイザ
ーを用いて乳化したもの50重量%、ビニルピリジン−
スチレン−ブタジエンラテックス(VP)50重量%
を、濃度25重量%に調整した水系の混合液である第1
浴処理液を調製した。
【0045】また、レゾルシン1モルに対しホルマリン
を0.50モルを反応させて得られたRF初期縮合物
に、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンラテックス
を、RF初期縮合物/ゴムラテックス=1/3(固形分
比)の割合で混合して25重量%液とし、25℃で3日
間熟成させることにより、第2処理液を得た。
【0046】一方、炭素繊維として、8000デシテッ
クス、12000フィラメントで表面サイジング処理さ
れた無撚りの炭素繊維糸状束”トレカT−700S”
(R)(東レ(株)製)を準備した。
【0047】次いで、コンピュートリーターシングルデ
ィッピングマシン(米リッツラー社製)を用いて、上記
炭素繊維糸状束に対し、上記第1処理液を付与し、エア
ーワイパー圧0.3kg/cm2 の条件で液きりを行
い、引き続き200℃で280秒間熱処理した。
【0048】次いで、上記第2処理液を付与し、エアー
ワイパー圧0.10kg/cm2 の条件で液きりを行
い、120℃で100秒乾燥し、続いて200℃で10
0秒間熱処理した。
【0049】得られた処理糸状束の第1浴処理液の固形
分付着量は25重量%、第2処理液の固形分付着量は6
重量%であった。
【0050】このようにして得られた炭素繊維糸状束の
特性評価を行ったところ、ローラ汚れ:×、T−接着
力:198N/cm、耐疲労性:90−258(度−
分)、強力:1265N、剛さ:45cN/本であり、
実施例に皮革して劣る結果であった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ゴムとの接着性が良好
で、かつゴム中での耐疲労性に優れ、タイヤやベルトに
代表される繊維・ゴム複合体製品を好適に補強すること
ができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維の少なくとも表面に、ゴム組成
    物からなる有機溶剤系接着処理剤が付与されたゴム補強
    用炭素繊維であって、前記ゴム組成物が前記炭素繊維表
    面に固形分換算で10〜45重量%付着しており、かつ
    前記炭素繊維の各単糸表面が前記接着処理剤で被覆され
    ていることを特徴とするゴム補強用炭素繊維。
  2. 【請求項2】 前記ゴム組成物が、加硫剤を含むもので
    ある請求項1に記載のゴム補強用炭素繊維。
  3. 【請求項3】 前記加硫剤が、ゴム100重量部に対し
    て0.5重量部以下含まれるものである請求項2に記載
    のゴム補強用炭素繊維。
  4. 【請求項4】 前記加硫剤が、有機過酸化物、硫黄およ
    び硫黄化合物から選ばれた少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項2または3に記載のゴム補強用炭素繊
    維。
  5. 【請求項5】 前記炭素繊維が、あらかじめエポキシ化
    合物を含む処理剤で処理されているものである請求項1
    〜4のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維。
  6. 【請求項6】 無撚り状態のマルチフィラメントからな
    る炭素繊維糸条束に、ゴム組成物の有機溶剤溶液からな
    る接着処理剤を、炭素繊維重量に対して固形分換算で1
    0〜45重量%付着せしめ、次いで乾燥熱処理した後、
    前記炭素繊維糸条束に撚りを施すことを特徴とするゴム
    補強用炭素繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記接着処理剤が、加硫剤を含むもので
    ある請求項6に記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加硫剤が、ゴム100重量部に対し
    て0.5重量部以下含まれるものである請求項7に記載
    のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記乾燥熱処理が、60〜200℃の温
    度で行うものである請求項6〜8のいずれかに記載のゴ
    ム補強用炭素繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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