JPH0625978A - 芳香族ポリアミド繊維の処理方法 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維の処理方法

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JPH0625978A
JPH0625978A JP17421792A JP17421792A JPH0625978A JP H0625978 A JPH0625978 A JP H0625978A JP 17421792 A JP17421792 A JP 17421792A JP 17421792 A JP17421792 A JP 17421792A JP H0625978 A JPH0625978 A JP H0625978A
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aromatic polyamide
polyamide fiber
treating
fiber
rfl
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JP17421792A
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Tadahiko Takada
忠彦 高田
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Teijin Ltd
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、芳香族ポリアミド繊維を動
力伝達ベルト補強用繊維として適用する場合に、ベルト
成形時にベルト端面に露出した芳香族ポリアミド繊維の
単糸のホツレを防止し、且つ芳香族ポリアミド繊維とマ
トリックスとの接着性を向上させ、且つ耐疲労性を低下
させない芳香族ポリアミド繊維を提供することにある。 【構成】 本発明は、芳香族ポリアミド繊維を、実質的
に無撚の状態で、エポキシ基を2個以上含むポリエポキ
シド化合物を含む処理剤で処理し、150〜260℃で
30〜210秒間熱処理した後、レゾルシン・ホルマリ
ン・ゴムラテックス(RFL)を含む処理剤で処理し、
1≦K≦5(K=(T×D1/2 )2874,K;撚係
数、T;回/mで表される撚数、D;デニール)の範囲
内で加撚処理した後、更に、RFLで処理することを特
徴とする芳香族ポリアミドの接着改良方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリアミド繊維
を動力伝達ベルト補強用繊維として適用する場合の処理
方法に関するものである。特に、本発明は、タイミング
ベルト、ローエッジVベルトなど、ベルトの側面からベ
ルト補強用芳香族ポリアミド繊維が露出した形態を有す
るベルトにおいて、筒状で成形され、加硫された芳香族
ポリアミド繊維補強ゴム複合体から輪切り状にカットし
てベルトを成形する際、繊維軸方向にカットされたベル
ト端面に露出した芳香族ポリアミド繊維から単糸がホツ
レず、マトリックスゴムとの接着性が良好で、且つ、耐
疲労性が優れた芳香族ポリアミド繊維の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド繊維は一般に優れた強
力、弾性率、寸法安定性、耐熱性等の特性を有するため
に、苛酷な条件下で使用されるタイヤ、ベルト、ホース
等のゴム複合体の優れた補強用繊維として有用である。
特に、比強度、比弾性率が高いために、スチールやワイ
ヤ代替の軽量補強繊維として、芳香族ポリアミド繊維は
ますます期待されている。
【0003】一般に、芳香族ポリアミド繊維をタイミン
グベルトやローエッジVベルト用補強繊維として用いる
場合、予め筒状に成形され、加硫された芳香族ポリアミ
ド繊維補強ゴム複合体からカッターで輪切り状にカット
することによりベルトを成形するが、その際に、カット
面に露出した芳香族ポリアミド繊維から繊維を構成して
いる各単糸がホツレ、ベルトの側面から突出することが
あり、その場合、ベルトとしての品質が著しく低下す
る。そのまま、ベルトとしてプーリーにかけて運転する
と、この単糸ホツレ部分がプーリーにこすられホツレた
単糸が飛び散ったり、あるいは、このホツレが原因とな
って、ベルトの耐久性が低下することもある。
【0004】これらの欠点は、ベルトを生産する行程に
おいて、前記のホツレた各単糸を機械的に取り除いた
り、切断する作業によって防止されているが、このよう
な作業が加わることによって、ベルトの生産性は著しく
低下し、芳香族ポリアミド繊維をこの分野に適応してい
くための大きな障害となっていた。一方、このような芳
香族ポリアミド繊維の欠点を改良するために、芳香族ポ
リアミド繊維をゴムラテックスなどの処理剤で処理し、
カット時の単糸のホツレを防ぐ事が試みられたが(特開
平1―207480号公報、特開平4―29644号公
報)、芳香族ポリアミド繊維の撚糸性が不良となった
り、本来有する強力を低下させたり、接着性や耐久性を
損なうなど、別の欠点を生じることもあり満足な結果が
得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情を
背景としてなされたものであり、その目的は、従来の技
術における課題を解消した動力伝達ベルトを得るための
芳香族ポリアミド繊維の処理方法、すなわち、ベルト成
形時にベルト端面に露出した芳香族ポリアミド繊維の単
糸のホツレを防止し、且つ、マトリックスゴムとの接着
性を向上させ、疲労性を低下させない処理方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリア
ミド繊維の処理方法において、芳香族ポリアミド繊維
を、実質的に無撚の状態で、エポキシ基を2個以上含む
ポリエポキシド化合物を含む処理剤で処理し、150〜
260℃で30〜210秒間熱処理した後、レゾルシン
・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を含む処理剤
で処理し、1≦K≦5(K=(T×D1/2 )2874,
K;撚係数、T;回/mで表される撚数、D;デニー
ル)の範囲内で加撚処理し、更に、RFLで処理するこ
とを特徴とする芳香族ポリアミド繊維の処理方法であ
る。
【0007】本発明における芳香族ポリアミド繊維と
は、芳香族ポリアミドヒドラジド繊維を含む芳香族環を
有する繰り返し単位が全体の少なくとも80%以上を占
める重合体からなる繊維を意味する。例えば、下記の一
般式で表される繰り返し単位のうちの1種又は2種以上
からなる重合体、または、共重合体からなる繊維をあげ
ることができる。
【0008】
【化1】
【0009】ここで、R1 ,R2 は同一でも相異なって
もよく、水素原子、炭素数5以下のアルキル基から選ば
れる。炭素数5以下のアルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げら
れるが、好ましくは水素原子である。また、Arとして
は、下記一般式を例示することが出来る。
【0010】
【化2】
【0011】芳香族環としては例えば1,4―フェニレ
ン基、1,3―フェニレン基、4,4′―ビフェニレン
基、1,5―ナフチレン基、2,6―ナフチレン基、
2,5―ピリジレン基等を挙げることができるが、好ま
しくは1,4―フェニレン基が選ばれる。
【0012】芳香族環は、例えばハロゲン基(例えば塩
素、臭素、フッ素)、低級アルキル基(メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、n―プロピル基)、低級アルコ
キシ基(メトキ基、エトキシ基)、シアノ基、アセチル
基、ニトロ基などを置換基として含んでいても良い。
【0013】これらの重合体、または、共重合体からな
る繊維の代表例として、ポリパラアミノベンズアミド、
ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラアミノベ
ンズヒドラジドテレフタルアミド、ポリテレフタル酸ヒ
ドラジド、ポリメタフェニレンイソフタラミド等、もし
くはこれらの共重合体からなる繊維を挙げることができ
る。
【0014】先ず、芳香族ポリアミド繊維は無撚でエポ
キシ基を2個以上含むポリエポキシド化合物を含む第一
処理剤で処理される。ポリエポキシド化合物としては、
一分子中に少なくとも、2個以上のエポキシ基を該化合
物100gあたり0.2g当量以上含有する化合物であ
り、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトー
ル、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコールな
どの多価アルコール類とエピクロルヒドリンの如きハロ
ゲン含有エポキシ類との反応生成物、レゾルシン・ビス
(4―ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデ
ヒド樹脂などの多価フェノール類と前記ハロゲン含有エ
ポキシド類との反応生成物、過酢酸または過酸化水素な
どで不飽和化合物を酸化して得られるポリエポキシド化
合物、即ち、3,4―エポキシシクロヘキセンエポキシ
ド、3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3,4―
エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,
4―エポキシ―6―メチル―シクロヘキシルメチル)ア
ジペートなどをあげることが出来る。これらの中、特
に、多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応生成
物、即ち、多価アルコールのポリグリシジルエーテル化
合物が優れた性能を示すので好ましい。
【0015】かかるポリエポキシド化合物は、通常、溶
媒に溶解したものを公知の乳化剤、例えば、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸ソーダ、ジオクチルスルフォサクシ
ネートナトリウム塩などを用いて乳化液または溶液とし
て使用される。ポリエポキシド化合物はアミン系、イミ
ダゾール系硬化剤もしくはポリイソシアネートと公知の
オキシム、フェノール、カプロラクタムなどのブロック
化剤との付加化合物であるブロックドイソシアネートや
後述のエチレンイミンとの反応化合物であるエチレン尿
素などを混合使用することができる。
【0016】ポリエポシド化合物(A)及び硬化剤、ブ
ロックドイソシアネートもしくはエチレン尿素(B)と
の混合比は0.05≦(A)/[(A)+(B)]≦
0.9(重量比)の範囲が好ましい。ポリエポキシド化
合物の濃度は0.1〜5.0重量%が好ましい。総固形
分濃度は1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは3
〜20重量%である。
【0017】上記、ポリエポキシド化合物を含む処理剤
は、通常、芳香族ポリアミド繊維の製造時に油剤と混合
して付着させたり、あるいは芳香族ポリアミド繊維を製
糸後、独立に付着させる。芳香族ポリアミド繊維に対す
る固形分付着量は0.05〜0.5重量%コントロール
して付着させ、100〜150℃で60〜180秒間で
乾燥し、ついで、150〜250℃で30〜210秒間
処理する。好ましくは60〜180秒間である。
【0018】ポリエポキシ化合物で処理された芳香族ポ
リアミド繊維は、引続き、第2処理剤であるRFL(レ
ゾルシン・ホルマリン・ラテックス)を含む接着剤で処
理される。RFLはレゾルシンとホルムアルテヒドとの
モル比が1:0.1〜1:8が好ましく、更に好ましく
は1:0.5〜1:5、特に1:1〜1:4の範囲が好
ましい。レゾルシン・ホルマリンとゴムラテックスとの
配合比率は固形分重量比で1:1〜1:15、が好まし
く、更に好ましくは1:3〜1:12である。ゴムラテ
ックスの配合比率が高すぎると、著しく粘着性が高くな
り、凝集力も低くなり、撚糸性、接着性に悪影響を与え
る。逆に、ゴムラテックスの配合比率が低すぎると、コ
ードが硬くなる原因となり、強力や疲労性の低下を起こ
す。ゴムラテックスの種類としては、被着体のゴム種に
よって選択される。例えば、被着体のゴムがクロロプレ
ンゴム(CR)であればCRラテックスが、また、NB
RやH―NBRであれば、NBRラテックス及び/また
は水添NBRラテックスが使用される。クロロスルホン
化ポリエチレンゴム(CSM)であれば、CSMラテッ
クスが用いられることが多い。もちろん、これらのゴム
ラテックスを主体とする混合配合であっも構わない。R
FL処理後、80〜150℃、0.5〜5分間乾燥後、
150〜260℃、0.5〜5分間熱処理し硬化させ
る。芳香族ポリアミド繊維に対する第2処理剤であるR
FLの付着量は1〜25%に調節される。1%より付着
率が低いと芳香族ポリアミド繊維を動力伝達ベルトの補
強繊維として使用した場合にベルト端面から露出した単
糸がホツレてしまうことがあるし、逆に25%より多い
と、処理した芳香族ポリアミド繊維を撚糸する際の強力
利用率が低くなり十分に強力を発現しない。
【0019】このようにポリエポキシ化合物、ついで、
RFLで処理された芳香族ポリアミド繊維は、引き続
き、0.2≦K≦1(但し、K=(T×D1/2 )287
4,K;撚係数、T;1mあたりの撚数、D;デニール
を表す)を満足する条件で加撚処理され、次いで、この
下撚コードを複数本合わせて、下撚と同じ方向に上撚を
かける。加撚された芳香族ポリアミド繊維コードは、更
に、RFL(レゾルシン・ホルマリンラテックス)を含
む接着剤で処理される。RFLは第2処理剤であるRF
Lと同様に、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は
1:0.1〜1:8が好ましく更に好ましくは1:0.
5〜1:5、特に1:1〜1:4の範囲が好ましい。ま
た、レゾルシン・ホルマリンとゴムラテックスとの配合
比率は固形分重量比で1:1〜1:15が好ましく、更
に好ましくは1:3〜1:12である。ゴムラテックス
の種類は、第2処理剤であるRFLに使用するゴムラテ
ックスに合せて選択される。
【0020】このRFL中に特公昭57―21587号
公報に記載の一般式
【0021】
【化3】
【0022】(式中R′は芳香族または脂肪族の炭化水
素残基、nは0,1または2)で表されるエチレン尿素
化合物や芳香族もしくは脂肪族イソシアネートとオキシ
ム、フェノール、カプロラクタム等と反応させて得られ
るブロックドイソシアネートを加えて使用することもあ
る。エチレン尿素化合物は、通常水分散液の形で、RF
Lに対して0.5〜30重量%添加される。また、通常
の方法で調整されたカーボンブラックの水分散液をRF
Lに対して0.5〜5重量%添加されることもある。R
FLで処理された後、被着体のゴムマトリックスと同種
類のゴムを含むゴム糊で処理されることもある。
【0023】上記、RFL処理後、80〜150℃で
0.5〜5分間乾燥後、150〜260℃で0.5〜5
分間熱処理し硬化させる。撚糸コードに対するRFLの
付着量は1〜10%に調整される。
【0024】このように芳香族ポリアミド繊維を、2個
以上のエポキシ基を含むポリエポキシド化合物で処理し
た後、RFLで処理し、次いで所定の撚数に加撚し、さ
らにRFLで処理することにより、芳香族ポリアミド繊
維補強動力伝達ベルトの端面からの単糸のホツレを防止
することが出来、且つ、マトリックスゴムとの接着力が
向上させることが可能となる。これは、エポキシド化合
物とRFLとがそれぞ相互に反応し、凝集力の高い、比
較的柔軟な皮膜を形成すると同時に、芳香族ポリアミド
繊維の単糸を1本1本被覆し、強固に接着させるために
ホツレ性が良好になるものと推定される。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法により処理した芳香族ポリ
アミド繊維は、強力の低下が少なく、また、動力伝達ベ
ルトを成形後にベルト端面から単糸のホツレを生じるこ
とがなく、接着性及び耐疲労性も比較的良好である。
【0026】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【0027】なお、実施例において、ホツレ性、コード
剥離接着力、T接着力、疲労時強力保持率は次のように
して求めた値である。
【0028】・ホツレ性 厚さ約2mmのゴムシート2枚の間に前記のホツレ処理を
行い、次いでRFLを含む接着剤で処理した芳香族ポリ
アミドコードを平行に並べて挟み、150℃で30分
間、50kg/cm2 のプレス圧力で加硫し、ゴムシートを
得た。このシートをカッターナイフを用いてゴム中に配
列したコードの長さ方向に切断し、切断面にコード端面
が現れるようにした。そして、端面からの芳香族ポリア
ミド繊維の単糸の飛び出し状態を目視判定した。また、
この端面をサンドペーパー(#AA―150)で摩擦
し、単糸のホツレ状態を観察した。評価は良好◎→○→
△→×(不良)で判定した。
【0029】・コード剥離接着力 処理コートとゴムとの剥離接着力を示すものである。ゴ
ムシート表層近くに7本のコードを埋め、150℃、3
0分間、50kg/cm2 のプレス圧力で加硫し次いで両端
の2本のコードを取り除き残りの5本のコードをゴムシ
ートから200mm/min の速度で剥離するのに要した力
をkg/5本で表示したものである。
【0030】・T接着力 処理コードとゴムとのせん断接着力を示すものである。
コードをゴムブロック中に埋め込み、150℃、30分
間、50kg/cm2 のプレス圧力で加硫し、次いでコード
をゴムブロックから200mm/min の速度で引き抜き、
引抜きに要した力をkg/cmで表示したものである。
【0031】・疲労時強力保持率 耐疲労性をあらわす尺度である。ベルト式疲労テスター
を用い、厚さ2mmのゴムシート2枚の間に、コードを挟
み、150℃で30分間、50kg/cm2 のプレス圧力で
加硫して得られたシートを50mm幅×500mm長のベル
ト形状に切断し荷重25kgをかけ、20mmφのローラー
に取り付け、120℃の雰囲気下で、120rpm で往復
運動させ、50万回繰り返したのち、コードを取り出し
残強力を測定し、疲労時の強力保持率を求めた。
【0032】
【実施例1、比較例1〜3】まず、接着処理剤を次のよ
うに調整した。
【0033】即ち、デナコールEX―313(グリセリ
ンジグリシジルエーテル;ナガセ化成(株)製)17.
5gに界面活性剤としてネオコールSW―30(ジオク
チルスルフォサクシネートナトリウム塩;第―工業製薬
(株)製)14.5gを加えよくかき混ぜ、溶解させ
る。ついで、水656.2gを高速にかき混ぜながら加
え、上記エポキシ溶液をゆっくり加えて分散させる。得
られた配合液を第一処理剤とする。
【0034】また、134.8gの水に10%水酸化ナ
トリウム水溶液4.4g、28%アンモニア水溶液1
2.8gを加え、十分攪拌し、更に、酸性触媒で反応さ
せて得られたレゾルシン・ホルマリン初期縮合体物(4
0%アセトン溶液)26.9gを添加して十分に攪拌し
分散せる。次に、水416.7gにニッポールLX―1
562(アクリロニトリル―ブタジエン共重合体ゴムラ
テックス41%水乳化物;日本ゼオン(株)製)27
3.2gをゆっくり攪拌しながら混合する。この混合液
に上記のレゾルシン・ホルマリン初期縮合物分散液をゆ
っくり攪拌しながら混合し、更に、ホルマリン(37重
量%)11.2gを添加して混合する。得られた配合液
を第二処理剤とする。
【0035】芳香族ポリアミド繊維(テクノーラR 帝人
(株)製)1500デニール/1000フィラメントを
コンピュートリーター処理機(CAリッツラー(株)製
タイヤコード処理機)を用いて、前記第一処理剤中に浸
漬した後、130℃で2分間乾燥し、引続き235℃で
1分間熱処理をした。次に、第二処理剤に浸漬し、第一
処理剤と同様の条件で乾燥、熱処理を行った後、この処
理原糸を2本合糸しながら撚係数2(10.5回/10
cm)で加撚した。
【0036】ついで、該撚糸コードをRFL(R/F=
1/2.5モル比、RF/L=1/5重量比、L=アク
リロニトリル―ブタジエン共重合体ゴムラテックス;日
本ゼオン製、ニッポールLX1562)で処理し、撚糸
コードに対する付着率が5%になるように調整し、13
0℃で2分間乾燥し、240℃で2分間、緊張下で硬化
加熱処理した。
【0037】得られた接着処理コードを厚さ約2mmのC
Rゴムシート上に平行に並べ、更に該コード上に同様の
CRゴムシートを重ね合わせ、150℃で30分間、5
0kg/cm2 のプレス圧力で加硫し、ゴムシートを得た。
このシートをカッターナイフを用いてゴム中に配列した
コードの長さ方向に切断し、切断面にコード端面が現れ
るようにした。また、この端面をサンドペーパー(#A
A―150)で摩擦し、単糸のホツレ状態を観察した。
評価は(良好)◎→○→△→×(不良)で判定した。
【0038】次いで、前述の方法を用いて、剥離接着
力、T接着力及びベルト疲労テスターによる疲労時強力
を測定した。結果を表1に示す。
【0039】芳香族ポリアミド繊維をポリエポキシド化
合物で処理しない以外はすべて実施例と同様にして得ら
れたコードを比較例1、ポリエポキシド化合物だけで処
理し、第2処理剤であるRFLで処理しないで撚糸を
し、その他は実施例と全く同様にして得られたコードを
比較例2、また、ポリエポキシド化合物及び第2処理剤
のRFLとも処理しないでその他は実施例と同様にして
得られたコードを比較例3として、併せて、その結果を
表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、芳香族ポリアミ
ド繊維をポリエポキシド化合物及びRFL処理剤で処理
し、ついで撚糸を行い更にRFLで処理したコードはホ
ツレ性、接着性が良好であることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミド繊維を、実質的に無撚
    の状態で、エポキシ基を2個以上含むポリエポキシド化
    合物を含む処理剤で処理し、150〜260℃で30〜
    210秒間熱処理した後、レゾルシン・ホルマリン・ゴ
    ムラテックス(RFL)を含む処理剤で処理し、乾燥、
    硬化させ、ついで、1≦K≦5(K=(T×D1/2 )2
    874,K;撚係数、T;回/mで表される撚数、D;
    デニール)の範囲内で加撚処理し、更に、RFLで処理
    することを特徴とする芳香族ポリアミド繊維の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 RFL中のゴムラテックスがアクリロニ
    トリル―ブタジエン(NBR)及び/または水素添加ア
    クリロニトリル―ブタジエン(H―NBR、ニトリル基
    含有高飽和共重合体ゴム)である請求項1に記載の芳香
    族ポリアミド繊維の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6664325B1 (en) 1999-01-14 2003-12-16 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Fiber processing agent, reinforcing fiber processed by the fiber processing agent and rubber product reinforced by the reinforcing fiber
JP2010095814A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Teijin Techno Products Ltd 補強用芳香族ポリアミド繊維コードの製造方法
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