JP2951078B2 - 芳香族ポリアミド繊維の処理方法 - Google Patents

芳香族ポリアミド繊維の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリアミド繊維
を動力伝達ベルト補強用繊維として適用する場合の処理
方法に関するものである。特に、本発明は、タイミング
ベルト、ローエッジVベルトなど、ベルトの側面からベ
ルト補強用芳香族ポリアミド繊維が露出した形態を有す
るベルトにおいて、筒状で成形され、加硫された芳香族
ポリアミド繊維補強ゴム複合体から輪切り状にカットし
てベルトを成形する際、繊維軸方向にカットされたベル
ト端面に露出した芳香族ポリアミド繊維から単糸がホツ
レず、且つ、マトリックスゴムとの接着性が良好な芳香
族ポリアミド繊維の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド繊維は一般に優れた強
力、弾性率、寸法安定性、耐熱性等の特性を有するため
に、過酷な条件下で使用されるタイヤ、ベルト、ホース
等のゴム複合体の優れた補強用繊維として有用である。
特に、比強度、比弾性率が高いために、スチールやワイ
ヤ代替の軽量化補強繊維として、芳香族ポリアミド繊維
はますます期待されている。
【0003】一般に、芳香族ポリアミド繊維をタイミン
グベルトやローエッジVベルト用補強繊維として用いる
場合、予め筒状に成形され、加硫された芳香族ポリアミ
ド繊維補強ゴム複合体から輪切り状にカッターでカット
することによりベルトを成形するが、その際に、カット
面に露出した芳香族ポリアミド繊維から単糸がホツレ、
ベルトの側面から突出することがあり、ベルトとしての
品質が著しく低下する。そのまま、ベルトとしてプーリ
ーにかけて運転すると、この単糸ホツレ部分がプーリー
にこすられホツレた単糸が飛び散ったり、あるいは、こ
のホツレが原因となって、ベルトの耐久性が低下するこ
ともある。
【0004】これらの欠点は、ベルトを生産する行程に
おいて、前記のホツレた各単糸を機械的に取り除いた
り、切断する作業によって防止されているが、このよう
な作業が加わることによって、ベルトの生産性は著しく
低下し、芳香族ポリアミド繊維をこの分野に適応してい
くための大きな障害となっていた。一方、このような芳
香族ポリアミドの欠点を改良するために、芳香族ポリア
ミド繊維を処理剤で処理し、カット時の単糸のホツレを
防ぐことが試みられた(特開平1―207480号公
報)が、芳香族ポリアミド繊維の本来有する強力を低下
させたり、接着性や耐久性を損なうなど、別の欠点を生
じることもあり満足な結果が得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情を
背景としてなされたものであり、その目的は、従来の技
術における課題を解消した動力伝達ベルトを得るための
芳香族ポリアミド繊維の処理方法、すなわち、ベルト成
形時にベルト端面に露出した芳香族ポリアミド繊維の単
糸のホツレを防止し、且つ、マトリックスゴムとの接着
性を向上させ、疲労性を低下させない処理方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリア
ミド繊維の処理方法において、芳香族ポリアミド繊維を
両末端が水酸基である分子量500〜10,000の液
状ゴム(A)と両末端がイソシアネート基である分子量
500〜10,000の液状ゴム(B)及び酸化防止剤
を含む処理剤で処理し、100〜260℃で30〜21
0秒間熱処理し、次いで、1≦K≦5(K=(T×D
1/2)/2874、K;撚係数、D;デニール)の範囲
内で加撚処理した後、接着剤を付与することを特徴とす
る芳香族ポリアミド繊維の処理方法である。
【0007】本発明における芳香族ポリアミド繊維と
は、芳香族環を有する繰り返し単位が全体の少なくとも
80%以上を占める重合体からなる繊維を意味する。例
えば、下記の一般式で表される繰り返し単位のうちの1
種又は2種以上からなる重合体、または、共重合体から
なる繊維を挙げることができる。
【0008】
【化1】
【0009】ここで、R1 ,R2 は同一でも相異なって
もよく、水素原子、炭素数5以下のアルキル基から選ば
れる。炭素数5以下のアルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げら
れるが、好ましくは水素原子である。また、Arとして
は、下記一般式を例示することができる。
【0010】
【化2】
【0011】芳香族環としては例えば1,4―フェニレ
ン基、1,3―フェニレン基、4,4′―ビフェニレン
基、1,5―ナフチレン基、2,6―ナフチレン基、
2,5―ピリジレン基等を挙げることができるが、好ま
しくは1,4―フェニレン基が選ばれる。
【0012】芳香族環は、例えばハロゲン基(例えば塩
素、臭素、フッ素)、低級アルキル基(メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、n―プロピル基)、低級アルコ
キシ基(メトキシ基、エトキシ基)、シアノ基、アセチ
ル基、ニトロ基等を置換基として含んでいてもよい。
【0013】これらの重合体、または、共重合体からな
る繊維の代表例として、ポリパラアミノベンズアミド、
ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラアミノベ
ンズヒドラジドテレフタラミド、ポリテレフタル酸ヒド
ラジド、ポリメタフェニレンイソフタラミド等、もしく
はこれらの共重合体からなる繊維を挙げることができ
る。
【0014】本発明で用いる液状ゴムは分子末端に官能
基をもつテレキーリック液状ゴムとよばれるものであ
り、両末端が水酸基である分子量が500から10,0
00の液状ゴムとしては1,2型、1,4型もしくは両
者の混合型のポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、ポリ―1,3―ペンタジエン、ポリシクロ
ペンタジエンなどを挙げることができる。また、両末端
がイソシアネート基である分子量が500〜10,00
0の液状ゴムも両末端が水酸基である液状ゴムと同種類
の基本化学構造を有するものを挙げることができる。水
酸基とイソシアネートとの反応触媒としてジブチルチン
ジラウレートを加えてもよい。
【0015】酸化防止剤の種類としては、ヒンダードフ
ェノール系、アミン系、リン系及び硫黄系化合物を挙げ
ることができる。代表的な例としては、ヒンダードフェ
ノール系化合物では、トリエチレングリコール―ビス
[3―(3―t―ブチル―6―メチル―4―ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,6―ヘキサンジオー
ル―ビス[3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、2,4―ビス―(n
―オクチルチオ)―6―(4―ヒドロキシ―3,5―ジ
―t―ブチルアニリノ)―1,3,5―トリアジン、ペ
ンタエリスリチル―テトラキス[3―(3,5―ジ―t
―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,2―チオ―ジエチレンビス[3―(3,5―
ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、オクタデシル―3―(3,5―ジ―t―ブチル
―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′
―ヘキサメチレンビス(3,5―ジ―t―ブチル―4―
ヒドロキシ―ヒドロシンナマミド)、1,3,5―トリ
メチル―2,4,6―トリス(3,5―ジ―t―ブチル
―4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン等を挙げることが
できる。また、分子中に硫黄や燐を含んだヒンダード系
フェノール化合物としては2,2―チオビス(4―メチ
ル―6―t―ブチルフェノール)や3,5―ジ―t―ブ
チル―4―ヒドロキシベンジルフォスフォネートジエチ
ルエステル等がある。
【0016】アミン系酸化防止剤の代表はN,N′―ジ
―sec―ブチル―p―フェニレンジアミン、アルキル
化ジフェニルアミン等がある。
【0017】リンを含むホスファイト系酸化防止剤とし
ては、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェ
ニルフォスファイト、トリス(2,4―ジ―t―ブチル
フェニル)フォスファイト等が挙げられる。また、硫黄
系酸化防止剤としては、ジブチル―3,3′―チオジプ
ロピオネート、ジミスチル―3,3′―チオジプロピオ
ネート、ジステアリル―3,3′―チオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリチル―テトラキス―(3―ラウリル
チオプロピオネート)、ジトリデシル―3,3′―チオ
ジプロピオネート等がある。
【0018】第3成分として、エポキシ化合物を混合し
て用いることもできる。エポキシ化合物としては、1分
子中に少なくとも、2個以上のエポキシ基を該化合物1
00g当り0.2g当量以上含有する化合物であり、エ
チレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペン
タエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価ア
ルコール類とエピクロルヒドリンの如きハロゲン含有エ
ポキシド類との反応生成物、レゾルシン・ビス(4―ヒ
ドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂
等の多価フェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類
との反応生成物、過酢酸又は過酸化水素等で不飽和化合
物を酸化して得られるポリエポキシド化合物、即ち3,
4―エポキシシクロヘキセンエポキシド、3,4―エポ
キシシクロヘキシルメチル―3,4―エポキシシクロヘ
キセンカルボキシレート、ビス(3,4―エポキシ―6
―メチル―シクロヘキシルメチル)アジペート等を挙げ
ることができる。これらのうち、特に多価アルコールと
エピクロルヒドリンとの反応生成物、即ち多価アルコー
ルのポリグリシジルエーテル化合物が優れた性能を発現
するので好ましい。両末端が水酸基である液状ゴム
(A)と両末端がイソシアネート基である液状ゴム
(B)とゴム用老化防止剤(C)からなる処理剤の芳香
族ポリアミド繊維への付与は、実質的に無撚の状態で行
うのが好ましい。これは各単糸へ液状ゴムを均一に付着
させるためである。一旦、撚をかけて液状ゴムを付与さ
せると、コード内部への浸透性が不十分になり易く、単
糸に均一に付着せず、集束性も不良となりやすい。それ
故、芳香族ポリアミド繊維への液状ゴムの付与は実質的
に無撚で行うのが好ましい。
【0019】前記、両末端が水酸基である液状ゴム
(A)及び両末端がイソシアネート基である液状ゴムと
の混合比は0.5≦(A)/(B)≦4(重量比)の範
囲が好ましい。両末端が水酸基である液状ゴムが多いと
芳香族ポリアミド繊維の粘着性が増し、強力は十分に発
現するが、マトリックスゴムとの接着性が発現しない
し、ホツレ防止の効果も不十分である。逆に、両末端が
イソシアネート基である液状ゴムが多いと処理された芳
香族ポリアミド繊維が硬くなり、撚糸の際の強力利用率
が低くなるため、得られるコードは低強力となり好まし
くない。芳香族ポリアミド繊維に対する付着率は、1〜
25%が好ましい。更に、好ましくは5〜20%であ
る。1%より付着率が低いと芳香族ポリアミド繊維を動
力伝達ベルトの補強繊維として使用した場合にベルト端
面から露出した単糸がホツレてしまうことがあるし、逆
に25%より多いと、処理した芳香族ポリアミド繊維を
撚糸する際の強力利用率が低くなり十分に強力を発現し
ない。
【0020】また、ゴム用老化防止剤(C)は0.00
5≦(C)/[(A)+(B)]≦0.05になるよう
に添加される。好ましくは0.01≦(C)/[(A)
+(B)]≦0.03である。
【0021】エポキシ化合物(D)を添加する場合は、
0.01≦(D)/[(A)+(B)+(C)]≦0.
10に調整するのが好ましい。
【0022】前記の両末端が水酸基である液状ゴム
(A)と両末端がイソシアネートである液状ゴム(B)
及びゴム用老化防止剤(C)との混合物を芳香族ポリア
ミド繊維に付与し、引続き、150〜250℃で30〜
210秒間処理する。好ましくは60〜180秒間であ
る。処理温度が150℃未満で30秒間より短いと反応
が十分に進まず集束効果が乏しく、単糸がホツレる原因
となり、ゴムマトリックスとの接着性も低くなる。ま
た、処理温度が250℃を越えて、210秒間より長い
時間処理すると、反応が進み過ぎて、芳香族ポリアミド
繊維が著しく硬くなるため、撚糸後のコード強力が低下
する原因となり、動力伝達ベルト用補強繊維として好ま
しくない。
【0023】このようにして処理された芳香族ポリアミ
ド繊維は、引き続き≦K≦5(K=(T×D1/2 )/2
874、但し、Kは撚係数であり、Tは1mあたりの撚
数、Dはデニールを表す)を満足する条件で加撚処理さ
れる。撚係数が1より少ないと動力伝達ベルト用補強材
として使用した場合に、端面がホツレることがあり、逆
に、5より多いと撚糸による強力低下が大きく、伸度も
大きくなり、動力伝達ベルト用補強繊維として好ましく
ない。
【0024】加撚処理は実質的に無撚糸に下撚を施し、
次いで下撚と逆の方向に上撚を施すのが好ましいが、下
撚だけで上撚なしで補強用繊維として用いることもでき
る。次いで、加撚された芳香族ポリアミド繊維はRFL
を含む接着剤で処理される。RFLはレゾルシンとホル
ムアルデヒドとのモル比が1:0.1〜1:8が好まし
い。更に、好ましくは1:0.5〜1:5、特に好まし
くは1:1〜1:4の範囲で用いられる。
【0025】ゴムラテックスとしては、例えば天然ゴム
ラテックス、スチレン・ブタジエン・コポリマーラテッ
クス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン・ターポ
リマーラテックス、ニトリルゴムラテックス、水素添加
ニトリルゴムラテックス、クロロスルフォン化ポリエチ
レンラテックス、クロロプレンゴムラテックス等があ
り、これらを単独又は併用して使用される。ラテックス
の種類は使用されるゴムマトリックスに合わせて選択さ
れる。また、RFL中に特公昭57―53912号公報
に示されるように一般式
【0026】
【化3】
【0027】で表されるエチレン尿素化合物を加えて使
用してもよい。エチレン尿素化合物は、通常水分散液の
形で、RFLに対して0.5〜30重量%添加する。R
FLで処理した後、更にゴム糊で処理してもよい。
【0028】RFL処理後、80〜150℃で、0.5
〜300秒間乾燥後、150〜260℃で、0.5〜5
分間熱処理し硬化させるのが望ましい。撚糸コードに対
するRFLの付着量は1〜10%に調整される。
【0029】このように芳香族ポリアミド繊維を、本発
明の処理方法で処理することにより、芳香族ポリアミド
繊維補強動力伝達ベルトの端面からの単糸ホツレを防止
することができ、且つ、マトリックスゴムとの接着力を
向上させることが可能となる。これは、両末端が水酸基
である液状ゴムと両末端がイソシアネート基である液状
ゴムとが反応することにより、凝集力の高いウレタン皮
膜が形成され、この皮膜が芳香族ポリアミド繊維の単糸
を強固に接着させるためにホツレ防止性が良好になるも
のと推定される。一方、接着性はウレタン結合もしくは
末端基にRFLが反応するか、ウレタンに含まれる二重
結合とRFLとの相互架橋、もしくはRFLとの濡れ性
が改良されるために良好な結果が得られるものと推定さ
れる。酸化防止剤の作用は、液状ゴムに含まれる二重結
合が熱処理を受けることにより酸化されたり、架橋し、
二重結合の数が低下し、コード硬さが増すのを防ぐこと
によって、加撚時の強力低下、疲労性低下を防ぎ、RF
Lとの相互作用を増し、接着性向上に寄与するものと考
えられる。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法により処理した芳香族ポリ
アミド繊維は、強力の低下が少なく、また、動力伝達ベ
ルトを成形後にベルト端面からの単糸のホツレを生じる
ことなく、接着性及び疲労性も良好である。
【0031】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【0032】なお、実施例において、ホツレ性、コード
剥離接着力、T接着力、疲労時強力保持率は次のように
して求めた値である。
【0033】(1)ホツレ性 厚さ約2mmのゴムシート2枚の間に本発明のホツレ処理
を施した芳香族ポリアミドコードを平行に並べて挟み、
150℃で30分間、50kg/cm2 のプレス圧力で加硫
し、ゴムシートを得た。このシートをカッターナイフを
用いてゴム中に配列したコードの長さ方向に切断し、切
断面にコード端面が現れるようにした。そして、端面か
らの芳香族ポリアミド繊維の単糸の飛び出し状態を目視
判定した。また、この端面をサンドペーパー(#AA―
150)で摩擦し、単糸のホツレ状態を観察した。評価
は(良好)◎→○→△→×(不良)で判定した。
【0034】(2)コード剥離接着力 処理コードとゴムとの剥離接着力を示すものである。ゴ
ムシート表層近くに7本のコードを埋め、150℃で3
0分間、50kg/cm2 のプレス圧力で加硫し次いで両端
の2本のコードを取り除き残りの5本のコードをゴムシ
ートから200mm/min の速度で剥離するのに要した力
をkg/5本で表示した。
【0035】(3)T接着力 処理コードとゴムとの剪断接着力を示すものである。コ
ードをゴムブロック中に埋め込み、150℃で30分
間、5kg/cm2 のプレス圧力で加硫し、次いでコードを
ゴムブロックから200mm/min の速度で引き抜き、引
き抜きに要した力をkg/cmで表示した。
【0036】(4)疲労時強力保持率 耐疲労性をあらわす尺度である。ベルト式疲労テスター
を用い、厚さ2mmのゴムシート2枚の間に、コードを挟
み、150℃で30分間、50kg/cm2 の圧力で加硫し
て得られたシートを50mm幅×500mm長のベルト形状
に切断したテストサンプルに荷重25kgをかけ、20mm
φのローラーに取り付け、120℃の雰囲気下で、12
0rpmで往復運動させ、50万回繰り返したのち、テ
ストサンプルからコードを取り出し残強力を測定し、疲
労時の強力保持率を求めた。
【0037】
【実施例1〜4、比較例1〜3】芳香族ポリアミド繊維
として帝人(株)製“テクノーラ”タイプT―200
(1500デニール/1000フィラメント)を用い
た。両末端が水酸基である液状ゴム(A)として、分子
量が3000の液状1,2型ポリブタジエングリコール
(日本曹達工業(株)製 G―3000)、両末端がイ
ソシアネート基である液状ゴム(B)として、液状1,
2型ポリブタジエンジイソシアネートのMEK50%溶
液(日本曹達工業(株)製 TP1001)の所定量を
秤量し、トルエンに溶解した。次いで、酸化防止剤とし
て1,3,5―トリメチル―2,4,6―トリス―
(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシベンジルベ
ンゼン(チバガイギー社製、イルガノックス1330)
を液状ゴム[(A)+(B)]の1%添加した。更に、
グリセリンジグリシジルエーテル(ナガセ化成(株)製
EX313)を同様に5%加えた。トルエン溶液とし
て濃度20%の表1に示す処理液を調整した後、テクノ
ーラ繊維を浸漬処理した。処理液の繊維に対する付着率
は約10%になるように絞り圧を調節した。乾燥は15
0℃で2分間行い、次いで、250℃で1分間硬化させ
た。その後、処理されたテクノーラ原糸を2本合糸しな
がら撚係数2で加撚した。
【0038】次いで、該撚糸コードをRFL(R/F=
1/6モル比、RF/L=1/5重量比、L=ビニルピ
リジン―スチレン―ブタジエン共重合体ゴムラテック
ス)で処理し、撚糸コードに対する付着率が5%になる
ように調整し、130℃で2分間乾燥し、240℃で2
分間硬化加熱処理した。
【0039】得られた接着処理コードを厚さ約2mmのク
ロロプレン(CR)ゴムシート上に平行に並べ、更に該
コード上に同様のCRゴムシートを重ね合わせ、150
℃で30分間、50kg/cm2 のプレス圧力で加硫し、ゴ
ムシートを得た。このシートをカッターナイフを用いて
ゴム中に配列したコードの長さ方向に切断し、切断面に
コード端面が現れるようにした。そして、端面からの芳
香族ポリアミド繊維の単糸の飛び出し状態を目視判定し
た。また、この端面をサンドペーパー(#AA―15
0)で摩擦し、単糸のホツレ状態を観察した。評価は
(良好)◎→○→△→×(不良)で判定した。
【0040】次いで、前述の方法を用いて、剥離接着
力、T接着力およびベルト疲労テスターによる疲労時強
力を測定した。結果を表1に示す。
【0041】比較例1として、液状ゴムを含む処理剤で
処理せず、その他は実施例と全く同様にして得られたコ
ードの諸特性を測定した。併せて、その結果を表1に示
す。また、液状ポリブタジエン変性ウレタンゴム(A)
のみ(比較例2)、液状ゴム(B)のみ(比較例3)の
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、両末端が水酸基
である液状ゴム及び両末端がイソシアネート基である液
状ゴムからなる液状ポリブタジエン及び酸化防止剤を含
む処理液で処理した芳香族ポリアミド繊維のホツレ防止
性、接着性、耐疲労性は良好であることがわかる。
【0044】
【実施例5〜8、比較例4】実施例2の処理液を用い、
酸化防止剤の添加率を表2の条件に変更した以外は実施
例2と同様の方法で処理した。結果を表2に示す。ま
た、酸化防止剤を添加しない系(比較例4)の結果も表
2に示す。
【0045】
【表2】 表2からわかるように、酸化防止剤を添加することによ
り、無添加の場合に比較して、ホツレ性は良好であり、
接着性、疲労性も改良されることがわかる。
【0046】
【実施例9〜12、比較例5〜6】実施例2の処理液を
用い、熱処理条件を表3の条件に変更した以外は実施例
1と同様の方法で処理した。結果を表3に示す。
【0047】表3からわかるように、100〜260℃
の熱処理温度で処理することによりホツレ防止性、接着
性、耐疲労性が良好な芳香族ポリアミド繊維を得ること
ができる。
【0048】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // D06M 101:36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミド繊維を両末端が水酸基
    である分子量500〜10,000の液状ゴム(A)と
    両末端がイソシアネート基である分子量500〜10,
    000の液状ゴム(B)及び酸化防止剤を含む処理剤で
    処理し、100〜260℃で30〜210秒間熱処理
    し、次いで、1≦K≦5(K=(T×D1/2 )/287
    4、K;撚係数、D;デニール)の範囲内で加撚処理し
    た後、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)
    を含む接着剤を付与することを特徴とする芳香族ポリア
    ミド繊維の処理方法。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤がヒンダードフェノール系化
    合物であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の芳香族ポリアミド繊維の処理方法。
  3. 【請求項3】 酸化防止剤がアミン系化合物であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリア
    ミド繊維の処理方法。
  4. 【請求項4】 酸化防止剤がリン系化合物であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリアミ
    ド繊維の処理方法。
  5. 【請求項5】 酸化防止剤がイオウ系化合物であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリア
    ミド繊維の処理方法。
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