JP2004100113A - ゴム補強用炭素繊維コードの製造方法 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維コードの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、炭素繊維と水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとの良好な接着性を発現し、かつ、柔軟性に優れ、ゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードの製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法は、炭素繊維束に、エポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸処理する工程A、ニトリル基含有ブタジエンゴムを含むゴム配合物と、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネートを含む接着剤組成物を付着処理する工程Bからなることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムとの接着性が良好で、かつゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ、ベルトなどの繊維・ゴム複合体製品(以下ゴム材料と呼ぶ)の補強用コードとしては、ポリε−カプロラクタム繊維やポリヘキサメチレンアジパミド繊維に代表されるポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維に代表されるポリエステル繊維、および芳香族ポリアミド繊維などの合成繊維が主として用いられている。
【0003】
そのような中、高弾性率、高強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性等の性能のバランスが他の繊維に比較し、優れた特性を有する炭素繊維は、ゴム補強用コードに好適に用いられる可能性があり、従来より検討が行われている。
【0004】
一方、ゴム材料のゴムとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム等が主として用いられている。
【0005】
そのような中、自動車エンジンルーム内のような耐熱性、耐油性が求められる過酷な条件下で用いられるゴム材料には、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムが好適に用いられている。
【0006】
水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムは、従来のアクリロニトリルブタジエンゴムの利点である耐油性を保持しつつ、耐熱性を改良したゴムであって、アクリロニトリルブタジエンゴムが含有する二重結合を水素添加することによって、熱老化におけるイオンの再結合反応を起こり難くし、かくして、イオウの再結合反応に基づくゴム弾性の低下を防止したものである。
【0007】
従来、繊維とゴムとの接着処理方法としては、RFL液とよばれるレゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物・ゴムラテックスの混合液で予め繊維を処理し、これを未加硫ゴムと密着加硫する方法が良く知られている。水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムと炭素繊維との接着に関しては、例えば、ポリイソシアネート等で繊維を処理した後、RFLを付着させ、さらにハロゲン含有重合体を含む接着剤組成物で処理する方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、かかる接着処理方法は、炭素繊維と水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとの接着性を向上させる点においては十分な効果を奏することができたが、ゴム中での耐屈曲疲労性が不十分であった。また、粘着付与剤を含むRFLを比較的多量に(実施例では固形分付着量18%)付着させる方法も知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法によれば、接着性は十分であるが、ゴム補強用コードの柔軟性が乏しくなり、結果としてゴム中での耐屈曲疲労性が不十分となった。
【0008】
つまり、従来公知の接着処理方法では、炭素繊維と水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムの接着性、及びゴム中での耐屈曲疲労性を同時に満たす処理方法が見出されていないのが現状である。
【0009】
【特許文献1】特開平2−18427号公報
【0010】
【特許文献2】特開平7−138885号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、炭素繊維と水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムとの良好な接着性を発現し、かつ、柔軟性に優れ、ゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードの製造方法を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法は、炭素繊維束に、エポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸処理する工程Aと、ニトリル基含有ブタジエンゴムを含むゴム配合物と、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネートを含む接着剤組成物を付着処理する工程Bとからなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまり炭素繊維と水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムとの良好な接着性を発現し、かつ、柔軟性に優れ、ゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードの製造方法について、鋭意検討した結果、ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含む樹脂組成物を炭素繊維束に含浸させた後、ニトリル基含有ブタジエンゴムを含む接着剤組成物を付着させてみたところ、意外にも、前記課題を一挙に解決することができることを究明したものである。
【0014】
本発明によるゴム補強用炭素繊維コードの製造方法は、炭素繊維束に、エポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸処理する工程A、ニトリル基含有ブタジエンゴムを含むゴム配合物と、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネートを含む接着剤組成物を付着処理する工程Bとを組み合わせた工程により処理することを特徴とするものである。
【0015】
本発明に用いる炭素繊維束は、その製造方法が限定されるものではないが、紡糸工程により前駆体繊維を得て、その後、耐炎化(熱安定化、不融化)工程、炭化(炭素化)工程を経て炭素繊維束としたものを用いることができる。さらに熱処理を施した黒鉛繊維束も本発明でいうところの炭素繊維束に含むものである。なお、かかる炭素繊維束を得るに際しての各工程の処理温度、昇温速度、処理速度、延伸比、張力などの条件は、目的とする炭素繊維束の特性によって適宜選択することができる。例えば前駆体繊維束を300℃未満の空気中で耐炎化処理し、かかる耐炎化繊維を300℃以上2000℃未満の不活性雰囲気中で炭化処理して炭素繊維束としたものを用いることができる。更に2000〜3000℃の不活性雰囲気中で熱処理してなる黒鉛繊維を用いることができる。
【0016】
本発明に用いる炭素繊維束の前駆体繊維束としては、ポリアクリロニトリル、レーヨン、リグニン、ポリビニルアルコール、ポリアセチレン、ピッチなどを原料とする各種前駆体繊維束が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。高強度という点では、ポリアクリロニトリルを原料とした前駆体が好ましく用いられる。
【0017】
前駆体繊維束を得るための紡糸方法としては、原料に応じて湿式紡糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸、溶融紡糸などが挙げられる。操業性の点からは、湿式紡糸、乾湿式紡糸が好ましく用いられ、乾湿式紡糸がより好ましい。
【0018】
さらに、製品目的によっては得られた炭素繊維束を仕上げ処理することが好ましい。かかる仕上げ処理には表面処理やサイジング剤の付与などが含まれる。かかる表面処理法としては、気相中での加熱、紫外線等による酸化、液相中で酸化剤を用いた化学的酸化又は水溶液中で電気化学的手法により酸化する方法などが挙げられる。かかる処理によりゴム補強用コードの強化繊維として用いる場合の樹脂との親和性、例えば接着性、濡れ性、分散性等の表面特性を高められる。さらに、サイジング剤を付与することにより集束性を増し、繊維の取り扱いが容易となる。炭素繊維束の形態としては、前駆体繊維の単糸を2本以上合わせて撚りをかけて熱処理をする有撚糸、単糸を2本以上合わせて撚りをかけて熱処理し、その後撚りを解く解撚糸、実質的に撚りをかけずに熱処理を行う無撚糸などいずれにも適用できるが、ゴム補強用コードの加工性と強度特性のバランスを考慮すると無撚り糸または解撚糸とするのが好ましく、さらに、ゴム製品の加工性の面からは無撚り糸とするのが好ましい。
【0019】
また、前記炭素繊維束は、その総繊度が2000〜10000dtex、より好ましくは3000〜9000dtex、特に好ましくは4000〜8000dtexであるのがよい。2000dtex未満であると、ゴム材料の補強効果が不足することがあり、10000dtexを越えると、コードに樹脂組成物が十分に含浸されず、ゴム補強用コードの耐疲労性が悪くなることがある。
【0020】
また、本発明に使用する炭素繊維束は、JIS−R7601に基づいて測定される引張強度が、好ましくは4000MPa以上であり、より好ましくは4400MPa以上、特に好ましくは4800MPa以上であるのがよい。4000MPa未満であると、ゴム材料が過大な応力を受けた際に、コードが破断し易くなり、高度の耐疲労性が要求されるゴム材料用途に使用できないことがある。なお、引張強度は高いほど好ましいが、少なくとも4500MPaあれば、本発明に用いる炭素繊維束としては十分である。
【0021】
本発明の工程Aの樹脂組成物に用いることができるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、いかなる化合物を用いても差し支えない。
【0022】
分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物は特に限定されないが、例えば、分子内に水酸基を有する化合物から得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、分子内にアミノ基を有する化合物から得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、分子内にカルボキシル基を有する化合物から得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、分子内に不飽和結合を有する化合物から得られる環式脂肪族エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートなどの複素環式エポキシ樹脂、あるいはこれらから選ばれる2種類以上のタイプが分子内に混在するエポキシ樹脂などを用いることができる。
【0023】
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンのようなハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニルと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビフェニル型エポキシ樹脂、レゾルシノールと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるレゾルシノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールSと前記ハロゲン含有エポキシド類との反応により得られるビスフェノールS型エポキシ樹脂、多価アルコール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物であるポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシドなどの不飽和結合部分を酸化して得られるエポキシ樹脂、その他ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびこれらのハロゲンあるいはアルキル置換体などを使用することができる。
【0024】
中でも、ゴム補強用コードの柔軟性の観点から、環状構造を有しない脂肪族系エポキシ樹脂が好ましく、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなど多価アルコール類とエピクロロヒドリンとの反応物が好ましく用いることができる。
【0025】
とりわけ、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルは、耐疲労性の向上に特に効果的であり、好ましく用いられる。
【0026】
また、本発明の工程Aで用いるニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスとしては、特に限定されるものではないが、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、カルボキシ変性アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、水素添加アクリロニトリルブタジエンメタクリル酸ラテックス等を使用することができる。これらのゴムラテックスは、単独または混合して使用することができる。
【0027】
本発明の樹脂組成物では、上記ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを必須成分とするが、必要に応じて、他のゴムラテックスを混合して用いることもできる。他のゴムラテックスとしては、ブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、及びビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス等が使用される。これらの中の一種類をニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスに混合して使用することもできるし、複数種を混合して使用することもできる。
【0028】
本発明の工程Aにおける、樹脂組成物の炭素繊維束への含浸処理は、炭素繊維束を樹脂組成物の水分散体(以後、処理液と呼ぶ)に浸漬した後、熱処理することによって行うことが好ましい。この熱処理は、炭素繊維束に含浸ないしは付着させた樹脂液を定着させるに足る温度であればよく、好ましくは100〜270℃にて数分間処理すればよい。
【0029】
炭素繊維束の撚り形態は、特に限定されないが、樹脂組成物の含浸性向上の観点から、無撚りの炭素繊維束を用いることが好ましい。
【0030】
本発明に用いられる前記処理液は、適度な濃度に調整し、炭素繊維束の処理に用いることができる。該処理液は、炭素繊維束への含浸性を高めるために、水を添加して、濃度を調整することができる。ここで用いる水としては、イオン交換水を用いるこのが、処理液の安定性の向上から好ましい。また、かかる処理液の濃度は、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%がよい。10重量%未満であると、炭素繊維束内部への樹脂組成物の含浸が不十分となり、耐屈曲疲労性が悪化することがある。60重量%を超えると、処理液の保存安定性が悪くなることがあり、固形分の凝集、沈降がおこるためディッピング処理が不可能になることがある。該処理液は、その保存安定性を向上させるため、界面活性剤を混合したものも好ましく用いられる。ここで、処理液の濃度とは、処理液に含まれる乾燥後の固形分の重量を、乾燥前の処理液の重量で除した値である。
【0031】
界面活性剤を処理液中に混合する場合の調整手順は、水、エポキシ化合物、界面活性剤を混合し、エポキシ化合物の均一分散液とし、これをゴムラテックスに添加、あるいはゴムラテックスに該均一分散液を混合することが好ましい。さらに、濃度を調整するため、これら混合液(水、エポキシ化合物、界面活性剤、ゴムラテックス)に水を混合してもよい。
【0032】
上記のような工程Aの処理を施すことにより、炭素繊維束内部まで樹脂組成物が含浸され、炭素繊維単糸同士の擦過が防止されることにより、伸張、圧縮等の動的な変形に対する耐屈曲疲労性が向上するものと考えられる。
【0033】
本発明の工程Bの接着剤組成物に含まれるゴム配合物とは、ゴムの他に加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤などの添加剤を含んだものを指す。ゴム配合物はニトリル基含有ブタジエンゴムを含むことが必須であるが、必要に応じてその他のゴムを配合してもよい。
【0034】
ニトリル基含有ブタジエンゴムとしては、特に限定されるものではないが、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロニトリルブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
【0035】
その他のゴムとしては、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン酢ビゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム等がある。
【0036】
また、加硫剤としては、硫黄、硫黄化合物および有機過酸化物があるが、硫黄化合物としては塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド等があるが、一般的には硫黄が使用される。
【0037】
また、本発明のゴム接着剤で使用する加硫剤の有機過酸化物としては、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキサイド)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、4,4−ジ−t−オキシパレリック酸−nブチル、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン等が挙げられる。
【0038】
加硫剤としては、架橋反応を引き起こすものであれば特に有機過酸化物と硫黄化合物に限定されるものではない。ただ、好ましくは加工時の温度で架橋反応が極度に進まない加硫剤がより好ましい。
【0039】
加硫剤の添加量(配合量)としてはゴム100重量部に対して0.5%以下であることが好ましい。特に好ましくは0.1%未満である。0.5%を越えるとゴム組成物の架橋が進み、接着剤で処理されたコードが硬くなり、ひいてはゴム中での耐屈曲疲労性が極度に低下するなどの問題が生じる。
【0040】
本発明の工程Bの接着剤組成物に含まれるポリイソシアネート化合物とは、特に限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等のポリイソシアネートが好ましく用いられる。また、かかるポリイソシアネートにトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のように分子内に活性水素を2以上有する化合物を反応させて得られる多過アルコール付加ポリイソシアネートや、前記ポリイソシアネートにフェノール類、第3級アルコール類、第2級アミン類等のブロック化剤を反応させて、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも、ポリイソシアネート化合物として好適に用いられる。
【0041】
上記接着剤組成物による繊維の処理は、ゴム配合物とポリイソシアネート化合物とを適宜の有機溶剤に溶解させて、溶液状の接着剤組成物とし、工程Aの処理を行った炭素繊維束をかかる接着剤組成物に浸漬し、熱処理する。熱処理は、有機溶剤を乾燥させるに足る温度にて行えばよく、通常、200℃以下の温度にて数分間加熱すればよい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、通常、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エーテル類、トリクロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、メチルエチルケトン等が好適に用いられる。
【0042】
本発明では、炭素繊維と水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとの接着性をさらに向上させるため、前記工程Aと工程Bの間に、レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物・ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含むゴムラテックス混合物(RFL)を付着させる工程Cを加えることもできる。つまり、エポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸処理する工程A、レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物・ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含むゴムラテックス混合物を付着処理する工程Bと、その後に、ニトリル基含有ブタジエンゴムを含むゴム配合物と、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネートを含む接着剤組成物を付着処理する工程Bからなることを特徴とする製造方法である。
【0043】
RFLの調整方法は特に限定されないが、レゾルシンとホルマリンを初期縮合させたものを使用して調製することができる。特にアルカリ触媒下で初期縮合して得たレゾルシン・ホルマリン初期縮合物を用いてRFLを好ましく調製することができる。例えば、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性化合物を含むアルカリ性水溶液内に、レゾルシンとホルマリンを添加混合して、室温で数時間静置し、レゾルシンとホルムアルデヒドを初期縮合させた後、ゴムラテックスを加えて混合エマルジョンとする方法により調製される。
【0044】
レゾルシン・ホルマリン初期縮合物は、レゾルシンとホルマリンのモル比が好ましくは1:0.3〜1:5、さらに好ましくは1:0.75〜1:2.0の範囲のものを用いることができる。この範囲をはずれると、接着性が不十分になることがある。
【0045】
RFL調製に用いるニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含むゴムラテックス混合物は、ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを必須成分とし、他のゴムラテックスを混合して使用しても良い。
【0046】
ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスとしては、特に限定されるものではないが、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、カルボキシ変性アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、水素添加アクリロニトリルブタジエンメタクリル酸ラテックス等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
【0047】
他のゴムラテックスとしては、ブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、及びビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス等が使用できる。これらのうち単独を混合して使用することもできるし、複数種を混合して使用することもできる。
【0048】
RFLにおけるレゾルシンホルマリン初期縮合物とゴムラテックスの配合比率は、固形分重量比で1:3〜1:8であることが好ましく、1:4〜1:6の範囲であることがさらに好ましい。この範囲を外れると接着性が不十分になることがある。
【0049】
なお、RFLには必要に応じてパラクロロフェノール及びレゾルシンをホルムアルデヒドと共縮合したクロロフェノール化合物や、ポリイソシアネート化合物とブロック化合物との付加物であるブロックドイソシアネート化合物等を添加することができる。
【0050】
RFL液の濃度は10〜40重量%が好ましく、さらには15〜30重量%が好ましい。10重量%未満であると、RFLの付着量が不十分となり、接着力が不十分となることがある。RFL液の濃度が40重量%を超えると、RFL液の保存安定性が悪くなることがあり、固形分が凝集してくるため濃度低下等がおこり均一にRFLを付着させることが困難となる。ここで、RFL液の濃度とは、RFL液に含まれる乾燥後の固形物質の重量を乾燥前のRFL液の重量で除した値である。
【0051】
本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法において、工程Aで付着せしめる樹脂組成物は炭素繊維束100重量部に対して、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは15〜55重量部、特に好ましくは20〜50重量部であるのがよい。10重量部未満であると、含浸不良部分が生じ、樹脂による炭素繊維単糸の擦過防止効果が不十分となり、結果としてゴム補強用炭素繊維コードの耐屈曲疲労性が悪くなることがある。60重量部を超えると、ゴム補強用コードが剛くなりすぎる傾向があり、屈曲変形による座屈が生じやすく、結果として耐屈曲疲労性が低下することがある。
【0052】
上記のごとく、比較的多量に樹脂組成物を含浸させるためには、できるだけ低張力下で処理することが好ましく、具体的には0.1g/d以下のディップ張力下で処理することが好ましく採用される。かかるディップ張力が、0.1g/dを超えると、樹脂組成物の含浸が不十分となり、ひいてはゴム中での耐屈曲疲労性の低下を招くことがある。
【0053】
本発明の製造方法における、樹脂組成物に含まれるエポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスの乾燥重量比は、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜80/20、特に好ましくは30/70〜70/30であるのがよい。10/90未満であると接着性が不十分になることがあり、90/10を越えると、ゴム補強用コードが剛くなりすぎる傾向があり、屈曲変形による座屈が生じやすく、結果として耐疲労性が低下することがある。なお、エポキシ化合物とニトリル基含有ゴムラテックスの乾燥重量比は、エポキシ樹脂の重量、及び該ゴムラテックスの固形分重量(ゴムラテックス由来のゴム成分)の計算値から処理液を調合することで、調整できる。
【0054】
本発明の製造方法における、RFLの付着量は、炭素繊維束100重量部に対して、乾燥後に好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、特に好ましくは3〜10重量部であるのがよい。1重量部未満であると、接着性が低下することがあり、20重量部を超えると、ゴム補強用コードの柔軟性が低下することやコード作製プロセスにおいてロールへの付着(ガムアップ)が生じ、品質安定性が損なわれることがある。
【0055】
なお、RFLを付与した後の付着量をコントロールする方法として、ローラーで絞る方法とノズルを通してエアーを吹き付ける方法があり、特に限定されるものではないが、接着剤組成物を均一に付着せしめる目的から、後者の方法が好ましい。
【0056】
本発明の製造方法における、接着剤組成物の付着量は、炭素繊維束100重量部に対して、乾燥後に好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、特に好ましくは3〜10重量部であるのがよい。1重量部未満であると、接着性が低下することがあり、20重量部を超えると、ゴム補強用コードの柔軟性が低下することやディッピングプロセスにおいてロールへの付着(ガムアップ)が生じ、品質安定性が損なわれることがある。
【0057】
なお、接着剤組成物を付与した後の付着量をコントロールする方法として、ローラーで絞る方法とノズルを通してエアーを吹き付ける方法があり、特に限定されるものではないが、接着剤組成物を均一に付着せしめる目的から、後者の方法が好ましい。
【0058】
本発明で使用するニトリル基含有ゴムラテックスの結合アクリロニトリル量は25〜42重量%であることが好ましく、さらに好ましくは31〜38重量%であるのがよい。25重量%未満であると接着性が不十分になることがあり、42重量%以上であるとゴム補強用コードの柔軟性が悪化することがある。
【0059】
本発明で使用するニトリル基含有ゴムラテックスは、JISK6235に規定される測定方法に従って測定されたヨウ素価が、0mg/100mg〜30mg/100mgであることが好ましく、さらに好ましくは10mg/100mg〜20mg/100mgであるのがよい。30mg/100mgを越えると、接着性が不十分になることがある。
【0060】
また本発明のゴム補強用コードは、撚りを掛けられていることが好ましい。その撚り数は、好ましくは100回/m以下、より好ましくは10回/m〜80回/m、特に好ましくは20回/m〜60回/mがよい。100回/mを超えると、キンクが発生しやすくなり、強力低下、操業性悪化につながることがある。なお、撚りの付与は、工程Aの前、工程Aの後、工程Bの後のいずれの工程でもよいが、処理液の炭素繊維束内部への含浸を促すため、工程Aの後、つまり開繊状態で処理液を含浸し、熱処理した後に撚りを付与することがより好ましい。
【0061】
また、撚り構造は、一本のコードに撚りを加えた片撚り構造でもよく、数本のコードにまず下撚りを加えた後、さらにそれら数本を合わせ、上撚りを加えるという所謂もろ撚り構造でもよい。
【0062】
本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法では、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとの接着性に優れ、かつ、柔軟性を有し、ゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードを製造することができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例により本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0064】
なお、実施例における接着処理剤、ゴム補強用コードの作製に当たり、以下に示す原材料を用いた。
<原材料>
(ゴムラテックス)
・アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス:LX517A(日本ゼオン(株)製)、固形分濃度40.0%
・ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス:ピラテックスFS(日本A&L(株)製)、固形分濃度40.5%
(エポキシ樹脂)
・ソルビトールポリグリシジルエーテル:”デナコール”EX−614(ナガセ化成工業(株)製)、エポキシ当量167
(炭素繊維束)
・”トレカ”T700G−12K−31E(東レ(株)製):繊度8000dTex、無撚糸
また、本発明において用いる炭素繊維束の評価方法は、以下に示すとおりである。
<ゴム補強用炭素繊維コードの評価方法>
(1)接着性評価方法(平剥離法)
25×100×4(mm)の未加硫ゴム配合物1(表4に示す組成)にゴム補強用炭素繊維コードを隙間無く敷き詰め、加圧下で160℃、30分間プレス加硫を行い、放冷後、ゴムからコードを剥離することにより測定した。剥離スピードは50mm/minで行い、その時の剥離力をN/25mmで表示した。
(2)柔軟性評価方法(曲げ剛さ測定)
ゴム補強用炭素繊維コードを長さ1mに切り出し、その一端に金属製フックを取り付け、他端に300gの重りを取り付け、そのまま72時間垂下して形状を固定化した。
【0065】
次に、このコードを長さ2cmに切り出して測定試料を作成し、この測定試料をスパン間隔1cmの治具に載せ、金属製フックをスパンの間の中央部に掛けた。
【0066】
次いで、温度25℃、相対湿度40%の環境下、20mm/分のスピードで金属製フックを降下させ、応力の最大値を読みり、cNで表示した。
(3)耐屈曲疲労性評価方法(FS法)
JIS L−1017の記載のファイヤストン法(FS法)に準じた方法で測定した。表4に記載の未加硫ゴムシートをドラムに捲回し、その上に55本/10cmの間隔でゴム補強用炭素繊維コードを捲回し、さらにその上に同一のゴムシートを捲回し、ゴム/コード/ゴムの三層体を準備した。この三層体の上に厚み調整のためのゴムシートを重ね、25×370×5(mm)のベルト状試験片を作製した。これを加圧下、160℃、30分間プレス加硫を行い、ベルト状試験片を得た。該試験片を1インチプーリーにかけ、190回/分の回転数で、室温下、24時間往復摩擦運動させた。疲労後の試験片からコードを取り出し、強力を測定した。疲労前と疲労後の強力の比(強力保持率、%で示す)を耐屈曲疲労性の指標とした。
<炭素繊維束のディップ処理>
[実施例1,3、比較例3,4,6,7]
コンピュートリーターシングルディッピングマシン(米リッツラー社製)を用いて、炭素繊維束を10m/分の速度で搬送し、表1に示す樹脂組成物の水溶液を付与し、200℃で280秒熱処理した。次いで、表3に示す接着剤組成物を付与し、エアーワイパー圧0.1kg/cm2 の条件で液きりを行い、100℃で100秒間熱処理した。得られたゴム補強用コードを下記に示す方法で評価した結果を表5に示す。
【0067】
[実施例2、比較例5]
コンピュートリーターシングルディッピングマシン(米リッツラー社製)を用いて、炭素繊維束を10m/分の速度で搬送し、表1に示す樹脂組成物の水溶液を付与し、200℃で280秒熱処理した。次いで、表2に示すRFLを付与し、エアーワイパー圧0.1kg/cm2ノ条件で液きりを行い、200℃で100秒間熱処理した。続いて、表3に示す接着剤組成物を付与し、エアーワイパー圧0.1kg/cm2ノ条件で液きりを行い、100℃で100秒間熱処理した。得られたゴム補強用コードを下記に示す方法で評価した結果を表5に示す。
【0068】
[比較例1]
コンピュートリーターシングルディッピングマシン(米リッツラー社製)を用いて、炭素繊維束を10m/分の速度で搬送し、表1に示す樹脂組成物の水溶液を付与し、200℃で280秒熱処理した。次いで、表2に示すRFLを付与し、エアーワイパー圧0.1kg/cm2ノ条件で液きりを行い、200℃で100秒間熱処理した。得られたゴム補強用コードを下記に示す方法で評価した結果を表5に示す。
【0069】
[比較例4]
コンピュートリーターシングルディッピングマシン(米リッツラー社製)を用いて、炭素繊維束を10m/分の速度で搬送し、表2に示すRFLを付与し、200℃で280秒間熱処理した。続いて、表3に示す接着剤組成物を付与し、エアーワイパー圧0.1kg/cm2ノ条件で液きりを行い、100℃で100秒間熱処理した。得られたゴム補強用コードを下記に示す方法で評価した結果を表5に示す。
【0070】
各実施例、比較例で用いた樹脂の組成、基材のゴムシート組成及び耐屈曲疲労性、ゴム接着性の評価結果については、下表1〜5に纏めて示した。表5に示す評価結果から判るように、本発明の製造方法によるゴム補強用炭素繊維コードは良好な接着性を発現し、かつ、柔軟性に優れ、ゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードを得ることができる。
【0071】
【表1】
Figure 2004100113
【0072】
【表2】
Figure 2004100113
【0073】
【表3】
Figure 2004100113
【0074】
【表4】
Figure 2004100113
【0075】
【表5】
Figure 2004100113
【0076】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、炭素繊維と水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとの良好な接着性を発現し、かつ、柔軟性に優れ、ゴム中での耐屈曲疲労性に優れるゴム補強用炭素繊維コードを得ることができる。

Claims (7)

  1. 炭素繊維束に、エポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスを含む樹脂組成物を含浸処理する工程Aと、ニトリル基含有ブタジエンゴムを含むゴム配合物と、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネートを含む接着剤組成物を付着処理する工程Bとからなることを特徴とするゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  2. 前記工程Aと工程Bの間に、レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合物と、ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスとを含むゴムラテックス混合物を付着処理する工程Cを挿入することを特徴とする請求項1記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  3. 前記エポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスとを含む樹脂組成物の付着量が、炭素繊維束100重量部に対し、10〜60重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  4. 前記樹脂組成物のエポキシ化合物とニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスの乾燥重量比が10/90〜90/10であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  5. 前記接着剤組成物の付着量が、炭素繊維束100重量部に対し、1〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  6. 前記ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスの結合アクリロニトリル量が、25〜42重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
  7. 前記ニトリル基含有ブタジエンゴムラテックスのヨウ素価が0mg/100mg〜30mg/100mgであることを特徴とする請求項1〜6に記載のゴム補強用炭素繊維コードの製造方法。
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