JP2011236534A - ゴム補強用炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維とゴムとの接着において、ホルマリンを使用せずに優れた接着性を有するゴム補強用炭素繊維の製造方法を提供すること。
【解決手段】炭素繊維に、ポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂と、ブロックポリイソシアネートとを含有する処理液を付与し、熱処理することを特徴とするゴム補強用炭素繊維の製造方法。さらには、該処理液がゴムラテックスを含有することや、炭素繊維がエポキシ化合物を含有する前処理液を付与し熱処理したものであることが好ましい。また、炭素繊維があらかじめスチレン樹脂またはウレタン樹脂にて前処理されたものであることや、炭素繊維が撚糸されたものであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム補強用炭素繊維の製造方法に関し、さらに詳しくはタイヤ、ホース、ベルト等のゴム・繊維複合体に好適に用いられるノンホルマリンタイプのゴム補強用炭素繊維の製造方法に関する。
炭素繊維は高弾性率、高強度、寸法安定性、耐熱性および耐薬品性等の優れた特性を有しており、この特性を活かしタイヤ、ホース、ベルト等の用途のゴム補強用繊維として期待されている。しかし、炭素繊維はその表面が比較的不活性であることが多く、そのままではゴムや樹脂等のマトリックスとの接着性が不十分であり、炭素繊維の特性を十分に発揮することはできない。
このため、繊維の表面をレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)系接着剤で処理する方法が提案され実用化されている(特許文献1など)。しかし従来よく用いられてきたホルマリンに対し、環境面等から代替技術の開発が求められていた。
特開2006−214043号公報
本発明は炭素繊維とゴムとの接着において、ホルマリンを使用せずに優れた接着性を有するゴム補強用炭素繊維の製造方法を提供することにある。
本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法は、炭素繊維に、ポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂と、ブロックポリイソシアネートとを含有する処理液を付与し、熱処理することを特徴とする。
さらには、該処理液がゴムラテックスを含有することや、炭素繊維がエポキシ化合物を含有する前処理液を付与し熱処理したものであることが好ましい。また、炭素繊維があらかじめスチレン樹脂またはウレタン樹脂にて前処理されたものであることや、炭素繊維が撚糸されたものであることが好ましい。
本発明によれば、炭素繊維とゴムとの接着において、ホルマリンを使用せずに優れた接着性を有するゴム補強用炭素繊維の製造方法が提供される。
本発明の製造方法は、炭素繊維に、ポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂と、ブロックポリイソシアネートとを含有する処理液を付与し熱処理する製造方法である。
本発明の製造方法に用いられる炭素繊維としては、従来公知のものを用いることができるが、特には強度に優れたPAN系炭素繊維であることが好ましい。またゴム補強用として、繊維束であることが好ましく、総繊度としては2000dtex以上、さらには5000〜100万dtexの範囲であることが好ましい。またフィラメント数としては500フィラメント以上、特には1万〜50万フィラメントの範囲であることが好ましい。そしてこの本発明のゴム補強用炭素繊維としては、ヤーン、コード、不織布、織編物等種々の繊維集合形態を含むものである。
そして本発明のゴム補強用炭素繊維の製造方法では、このような炭素繊維にブロックポリイソシアネート及びポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂を含有する処理液を付与し熱処理することを必須とするものである。
本発明に用いられるブロックポリイソシアネートとしては、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加反応生成物であり、加熱によりブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物を生ぜしめるものである。このとき末端のイソシアネート基は3個以上であることが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート、あるいはこれらのポリイソシアネートと活性水素原子を1個以上有する化合物とをイソシアネート基(−NCO)と水酸基(−OH)との比が1を越えるモル比で反応させて得られる末端イソシアネート基含有のポリイソシアネートが優れた性能を発現するので好ましい。ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等のフェノール類、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第二級アミン類、フタル酸イミド類、カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類及び酸性亜硫酸ソーダ等が挙げられる。
ブロックポリイソシアネート化合物の処理液中の含有率としては、10〜60重量%の範囲であることが好ましい。含有率が少なすぎると、繊維表面に対する化学的な親和性が不十分となり、接着力が不足する傾向にある。逆に多すぎると接着剤層が硬くなり、コード強力が発現しなくなると共に、含浸ディップならびに加工工程中での接着剤層脱離などの問題が起こる傾向にある。
またもう一つの処理液の必須成分であるポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂としては、イソシアネートに反応する基を有するものであることが必要であり、具体的にはポリブタジエンとポリウレタンの共重合物であることが好ましい。イソシアネートに反応する基としては、好ましくはエラストマーのハードセグメントにフェノール性水酸基、ヒドロキシル基、アミノ基のいずれか一つの基を有するものが好ましい。またこの熱可塑性樹脂は、ソフトセグメントがブタジエン、イソプレンなどゴム成分と共加硫可能な成分を有するために、本発明の製造方法にて得られたゴム補強用炭素繊維コードをゴムとともに加硫し最終的な複合体を成形する際に、強い接着力を発揮するのである。また、熱可塑性エラストマーとブロックポリイソシアネートの比は100:15〜100:100であることが好ましい。
さらに本発明の製造方法では、この処理液にゴムラテックスが含有されているものであることが好ましい。ここで好ましく用いられるゴムラテックスとしては、例えば、天然ゴムラテックス、スチレン・ブタジエン・コポリマーラテックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーラテックス(以下Vpラテックスとする)、ニトリルゴムラテックス、クロロブレンゴムラテックス、エチレン・プロピレン・ジエンモノマーラテックス等があり、これらを単独、又は、併用して使用することが出来る。なかでも、Vpラテックスを単独、又は、他のものと併用使用するものが好ましい。併用使用の場合には、該Vpラテックスを全ラテックス重量の1/3量以上使用した場合に特に優れた性能のものが得られる。また、ゴムラテックスを含む場合の処理液における熱可塑性エラストマーとゴムラテックスとの比としては2:1〜1:2の範囲であることが、好ましい。
また、本発明ではあらかじめ炭素繊維が、エポキシ化合物を含有する前処理液を付与し熱処理したものであることが好ましい。その後のブロックポリイソシアネート及び熱可塑性樹脂を含有する処理液により処理と相まって接着力をより向上させることができる。さらにエポキシ化合物は水酸基を有するものであることが好ましく、そのエポキシ化合物の水酸基としては、脂肪族炭化水素の水素が水酸基に置換されたものであることが好ましい。脂肪族以外の、例えばフェノール性のOH基を有する化合物では、反応性の違いから有効な架橋構造が形成されにくい傾向にある。
この好ましくは処理されるエポキシ化合物は、炭素繊維束に対する含浸性の観点から、低分子であることが望ましい。具体例としては、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールポリソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも、グリセロールポリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテルは、接着性向上に特に有効である。
さらにこの前処理液には、ブロックポリイソシアネート、及びゴムラテックスが含有していることが好ましい。ラテックスを添加することにより、後の処理液との親和性をより増加させることとなる。またブロックイソシアネートを添加して熱処理を行うことにより、架橋構造がより形成しやすくなり、炭素繊維の周りに膜が生成し、2浴目の処理液をより均一に付着させることが可能となる。
好ましく用いられる前処理液の総固形分濃度としては、0.5〜30重量%、さらには0.5〜15重量%の範囲であることが好ましい。固形分濃度が低すぎると前処理液の粘度が低下や表面張力が増加し、繊維表面に対する均一付着性が低下すると共に、固形分付着量が低下することにより接着性が低下する傾向にある。また、一方、処理液濃度が高すぎると生産コスト的に不利になるだけでなく、固形分付着量が多くなりすぎるため硬くなり耐疲労性が低下する傾向にある。また、この前処理液の組成物を水分散物として用いる際の分散剤、すなわち、界面活性剤の適当な量は、前処理液の全固形分に対し、15重量%以下であり、好ましくは、10重量%以下で用いるものがよい。該界面活性剤の量が多すぎると接着性が低下する傾向にある。
前処理液を繊維に付着せしめるには、ローラーとの接触、若しくは、ノズルからの噴霧による塗布、又は、溶液への浸漬などにより行うことが出来る。繊維に対する前処理剤の固形分付着量は、0.1〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、さらには0.2〜7重量%の範囲、最も好ましくは、0.2〜5重量%の範囲で付着することが好ましい。繊維に対する固形分付着量を制御するためには、圧接ローラーによる絞り、スクレバー等によるかき落とし、空気吹きつけによる吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩き等の手段を採用することができる。また付着量を上げるため、もしくは均一性を確保するために複数回付着せしめてもよい。
本発明において好ましい処理条件は、ゴム補強用炭素繊維を、前処理剤で処理後、80〜180℃で0.5〜5分間、好ましくは1〜4分間乾燥し、ついで150〜260℃、好ましくは180〜230℃の温度で0.5〜5.0分間、好ましくは1〜3分間熱処理する条件である。
また本発明で必須とされる2浴目の処理液は、総固形分濃度が1〜30重量%の範囲にあるものが好適に使用され、さらに好ましくは、2〜25重量%の範囲となるようにして使用することが好ましい。2浴目の処理液の濃度が低すぎると接着剤の付着量低下を招き、接着性が低下する。逆に、処理液の濃度が高すぎると固形分付着量が多くなりすぎるため繊維が硬くなって耐疲労性も低下する傾向にある。
2浴目の処理液を繊維に付着せしめるには、ローラーとの接触、若しくは、ノズルからの噴霧による塗布、又は、溶液への浸漬などにより行うことが出来る。また、該後処理剤の繊維に対する固形分付着量は、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましく、さらには0.2〜7重量%の範囲、最も好ましくは、0.5〜6重量%の範囲で付着せしめることが好ましい。繊維に対する固形分付着量を制御するためには、前記の前処理剤と同様に、圧接ローラーによる絞り、スクレバー等によるかき落とし、空気吹きつけによる吹き飛ばし、吸引、ビーターの手段により行うことが出来る。
本発明において好ましい処理条件は、ゴム補強用炭素繊維を、2浴目の処理液を付着後、80〜180℃で0.5〜5分間、好ましくは1〜4分間乾燥し、ついで150〜260℃、好ましくは180〜230℃の温度で0.5〜5.0分間、さらに好ましくは1〜3分間熱処理する条件である。
また本発明に用いる炭素繊維は、あらかじめウレタン樹脂またはスチレン樹脂にて前処理されたものであることが好ましい。さらには、例えば紡糸段階等にて前処理された炭素繊維をさらに上記の前処理液にて処理し、引き続き本発明にて必須とされる2浴目の処理液にて処理することが好ましい。また、ポリウレタンを含む樹脂組成物またはスチレン系樹脂組成物を含浸させた炭素繊維を、1本以上撚り合わせた後、前記のような1浴目の前処理液や、2浴目の処理液にて処理することも好ましい。
好ましく用いられるウレタン樹脂としては特に限定はないものの、エステル系ポリウレタンがもっとも好ましい。エステル系などのポリウレタンを使用することにより、本発明の製造方法による炭素繊維とゴムとの接着性がより良好となり、また炭素繊維束の内部への浸透性が優れるためにこれらの樹脂がコードの中心部まで含浸し、アンカー効果により接着性が向上するのである。
好ましく用いられるスチレン樹脂としては、マレイン酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂であることがさらに好ましい。特にはエラストマーである樹脂の基本骨格が、スチレン末端エチレン−ブチレン共重合体樹脂であることが好ましい。また樹脂組成物が粘着性樹脂を含むものであることが好ましく、特には粘着性樹脂が、その成分として水添テルペン樹脂、βピネン樹脂、テルペン樹脂のいずれか1つ以上であることが好ましい。これらの樹脂は炭素繊維と親和性があるため、樹脂がコード中心部まで含浸しやすく、アンカー効果により高い接着性が発揮される。
炭素繊維は本発明の処理が行われる前に撚糸されてものであることも好ましい。さらには、前記のスチレン樹脂またはウレタン樹脂にて前処理されて後に撚糸され、その後にエポキシ化合物を含有する前処理液や、ブロックポリイソシアネエーと及びポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂を含有する処理液を付与し熱処理されることが好ましい。
このとき撚り数としては、下記式(1)で示される範囲の撚りをかけた下撚りコードが1本以上撚りあわされた炭素繊維コードであることが好ましい。
0.5≦TC≦3.5 式(1)
但し、TC=撚係数=(1/3031)×T(D)1/2
T:加えられた撚数(T/m)
D:1本または複数本の炭素繊維束の繊束(dtex)
撚係数が0.5未満であると炭素繊維コードの耐疲労性が悪くなる傾向にあり、3.5を越えると強力、弾性率が低下する傾向にある。
そしてこのような本発明の製造方法にて得られたゴム補強用炭素繊維は、高いゴム接着性を有し、この繊維を用いたタイヤ、ベルト及びホース等の繊維補強ゴム構造物は強度や耐久性に優れた製品となる。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明する。またコード剥離接着力は下記の方法により測定した。
(1)コード剥離接着力
処理コードとゴムとの接着力を示すものである。天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴムシート表層近くに16本のコードを埋め、150℃の温度で、30分間、50kg/cmのプレス圧力(初期値)、又は180℃の温度で40分間、50kg/cmのプレス圧力(耐熱値)で加硫し、次いで、16本のコードをゴムシート面に対し90度の方向へ200mm/分の速度で剥離するのに要した力をN/16本で示したものである。
[実施例1]
あらかじめ4官能ブロックポリイソシアネート、エチレンジアミンエチレンオキサイド4モル付加物(アミン誘導体)、Vpラテックスの固体成分を100:1.5:50:50で混合し、全体の固体成分濃度を10%とし、1浴処理剤用の処理液(1)とした。
また2浴処理剤として、ポリブタジエンとポリウレタンとの共重合物である熱可塑性エラストマー(第一工業製薬株式会社製、F2008D)、ブロックポリイソシアネート(明成化学工業製、DM6400)、Vpラテックスを固体成分比で50:15:50で混合し、全体の固体成分濃度を20%とした処理液(2)とした。
一方、炭素繊維束炭素繊維束(繊度8000dtex)“HTA−12K”(東邦テナックス株式会社製)フィラメント数:12000本、単繊維直径7.0μm、引張強度:3920MPa、引張弾性率:235GPa、伸度:1.7%を用い、60T/cmの撚りを施した未処理炭素繊維コードを得た。
この炭素繊維コードをコンビュートリーター処理機(CAリッツラー株式会社製、タイヤコード処理機)を用いて、前記の処理液(1)に浸漬した後、130℃の温度で3分間乾燥し、引き続き、200℃の温度で1分間の熱処理を行い、続いて、処理液(2)に浸漬した後に、130℃の温度で3分間乾燥し、引続いて、200℃の温度で1分間の熱処理を行った。得られた炭素繊維コードには、処理剤の固形分として、一浴処理剤が1.3重量%、2浴処理剤が2.1重量%付着していた。得られた処理コードを天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫ゴム中に埋め込み、150℃の温度で30分間、及び180℃ の温度で60 分間加硫し前記の方法により評価した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
1浴剤用に、ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、EX611)、εカプロラクタムブロックドジフェニルメタンジイソシアネート、Vpラテックスを固体成分比で1:5:30で混合し、全体の固体成分濃度を10%とし、1浴処理剤用の処理液(3)とした。
処理液(1)の代わりに処理液(3)を用いた以外は実施例1と同様の処理を行い、その結果を表1に併せて示した。
[実施例3]
炭素繊維に撚りを施す前に、あらかじめスチレン系処理剤(マレイン酸変性スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合樹脂:βピネン樹脂=5:5の水分散液)で処理し、乾燥させた後に、60T/cmの撚りを施したコードを得た。その後、実施例2と同様の処理を行い、その結果を表1に併せて示した。
[実施例4]
炭素繊維に撚りを施す前に、あらかじめ水分散型エステル系ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックスE−2000)、ブロックドイソシアネート、ソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、EX614B)を固型分重量比率10:0.4:1にて混合し、全体の固体成分濃度が10重量%である処理液で処理し、乾燥させた後に、60T/cmの撚りを施したコードを得た。その後、実施例2と同様の処理を行い、その結果を表1に併せて示した。
[比較例1]
接着剤として、レゾルシン/ホルマリン(R/F)のモル比が1/0.6、固形分濃度が65重量%である初期縮合物をアルカリ条件下で溶解し9重量%の水溶液とした。この水溶液109重量部を、Vpラテックス(40%水乳化液) 180重量部に添加した。この混合液に、ホルマリンを5重量部、33重量%のメチルエチルケトオキシムブロックドフェニルメタシジイソシアネート分散体を23重量部添加し、48時間熟成し、固形分濃度:18重量%の配合液を得て、接着用の処理液(4)とした。
1浴目の処理を行わず、2浴目の処理液(2)の代わりに処理液(4)を用いた以外は実施例1と同様の処理を行い、その結果を表1に併せて示した。
Figure 2011236534

Claims (5)

  1. 炭素繊維に、ポリブタジエンとポリウレタンとからなる熱可塑性樹脂と、ブロックポリイソシアネートとを含有する処理液を付与し、熱処理することを特徴とするゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  2. 該処理液がゴムラテックスを含有する請求項1記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  3. 炭素繊維がエポキシ化合物を含有する前処理液を付与し熱処理したものである請求項1または2記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  4. 炭素繊維があらかじめスチレン樹脂またはウレタン樹脂にて前処理されたものである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
  5. 炭素繊維が撚糸されたものである請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム補強用炭素繊維の製造方法。
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