JP2005023480A - ゴム補強用炭素繊維コード、及び繊維強化ゴム材料 - Google Patents

ゴム補強用炭素繊維コード、及び繊維強化ゴム材料 Download PDF

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Koichi Sakajiri
浩一 坂尻
Isao Nishimura
功 西村
Toshitsugu Matsuki
寿嗣 松木
Masatsugu Furukawa
雅嗣 古川
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Toho Tenax Co Ltd
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Abstract

【課題】タイヤ、ベルト、ホース等の用途に適用でき、充分な耐疲労性を有するゴム補強用炭素繊維コード及びそれを用いて製造した繊維強化ゴム材料を提供する。
【解決手段】炭素繊維束100質量部に、少なくともポリウレタンを含む40℃で固体状態の樹脂組成物1〜50質量部を含浸させたゴム補強用炭素繊維コード。樹脂組成物の流動開始温度は50〜150℃である。樹脂組成物は、樹脂組成物100質量部に対して60質量部以下のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。更に、樹脂組成物が、樹脂組成物100質量部に対して50質量部以下の架橋剤を含むことが好ましい。炭素繊維束の撚り係数は2〜4である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム補強用炭素繊維コード及び繊維強化ゴム材料に関する。詳述すれば、本発明は、タイヤ、ベルト、ホース等の産業資材の補強用に好適に使用できるゴム補強用炭素繊維コード、及び該ゴム補強用炭素繊維コードを用いる繊維強化ゴム材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等と、ゴムとからなる繊維強化ゴム材料は、タイヤ、ベルト、ホース等の産業資材に、広く使用されている。これら繊維強化ゴム材料は、撚りが付与された強化繊維束の表層部分に接着剤が塗布されたゴム補強用コードにより、ゴムを主成分とする基材が補強されている。
【0003】
前記ゴム補強用コードに要求される特性としては、引張強度、引張弾性率、耐熱性、耐疲労性、及びゴムとの接着性等が良好であることが挙げられ、中でも、外力により繰り返し受ける変形に対する耐性の観点から、耐疲労性が重視される。
【0004】
炭素繊維束を使用したゴム補強用コードは、引張強度、引張弾性率、耐熱性に優れている。しかし、単に接着剤で表面処理した炭素繊維束からなるコード状材料は、屈曲変形等の応力変形を受けた際に、単繊維同士の擦過によりコードの破断を生じ易く、また耐疲労性に劣る。
【0005】
かかる問題を解決する試みとして、特許文献1には、ウレタン変性エポキシ樹脂及びイソシアネート化合物等の処理剤を炭素繊維に付着させた後、さらにRFL接着剤を上塗りする方法が開示されている。また、特許文献2には、結節強度が特定値以上の炭素繊維束を用い、ゴムラテックスを含有する樹脂によって単繊維を被覆する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、これらの炭素繊維処理方法や結節強度を指標として特定の結節強度以上の炭素繊維を用いることによっても、得られるゴム補強用炭素繊維コードは繊維強化ゴム材料の各種用途において要求される耐疲労性の点で劣っている。即ち、タイヤ、ベルト、ホース等の用途に問題なく適用できる、充分な耐疲労性を有する炭素繊維束を使用したゴム補強用炭素繊維コードは未だに得られていないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−149930号公報(第2頁右上欄第16行〜第2頁右下欄第2頁)
【特許文献2】
特開2002−201569号公報(請求項1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記問題を解決するために種々検討した結果、40℃で固体状態のポリウレタンを含む樹脂組成物を炭素繊維束に含浸させると、屈曲疲労性の高いゴム補強用炭素繊維コードを得ることができることを知得し、本発明を完成するに至った。従って、本発明の目的とするところは、屈曲疲労性に優れたゴム補強用炭素繊維コード、及び該ゴム補強用炭素繊維コードが使用されてなる、タイヤ、ベルト、ホース等の産業資材に好適に使用できる繊維強化ゴム材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載のものである。
【0010】
〔1〕 炭素繊維束100質量部に、少なくともポリウレタンを含む40℃で固体状態の樹脂組成物1〜50質量部を含浸させてなるゴム補強用炭素繊維コード。
【0011】
〔2〕 樹脂組成物の流動開始温度が50〜150℃である〔1〕に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
【0012】
〔3〕 樹脂組成物が、樹脂組成物100質量部に対して60質量部以下のエポキシ樹脂を含む〔1〕に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
【0013】
〔4〕 樹脂組成物が、樹脂組成物100質量部に対して50質量部以下の架橋剤を含む〔1〕に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
【0014】
〔5〕 炭素繊維束の撚り係数が2〜4である〔1〕に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
【0015】
〔6〕 炭素繊維束が、撚り係数が2〜4の炭素繊維束を複数引き揃えて撚糸したものである〔1〕に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
【0016】
〔7〕 炭素繊維束が、さらにRFL系接着剤を塗布してなる〔6〕に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
【0017】
〔8〕 〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維コードと、ゴムを主成分とする基材とからなる繊維強化ゴム材料。
【0018】
【作用】
本発明者は、屈曲疲労性の予測は、極端に屈曲した部分、即ち結び目を作り、その試料が破壊に到るまでの負荷量、言い換えれば、破壊歪エネルギーを求めることにより可能であると推定した。(以下、結節破壊歪エネルギーと表記)具体的には、結節破壊歪エネルギーが高ければ、耐屈曲疲労性に優れていることが期待できる。従って、ゴム補強用炭素繊維コードの屈曲疲労性を向上させる為には、屈曲負荷を吸収する柔軟な樹脂で繊維束を均一に、且つ十分に覆うことで、達成し得ると考えた。
【0019】
この考え方は、強化繊維としては炭素繊維に限定されるものではなく、産業資材で利用されている他の強化繊維、例えば、アラミド繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等にも同様に適用できると考えている。
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム補強用炭素繊維コードの製造に用いる炭素繊維束(以下、単に炭素繊維束と表記)は、特に制限が無く、公知の市販品が利用できる。炭素繊維束は、ピッチ系、セルロース系、ポリアクリロニトリル系等の炭素繊維を収束したものである。これらの中で、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維束が特に好ましい。
【0022】
炭素繊維の繊度は100〜20000dtexが好ましく、1000〜9000dtexがより好ましい。炭素繊維束を構成する炭素繊維の数は500〜50000本が好ましく、2000〜15000本がより好ましい。
【0023】
本発明においては、上記炭素繊維束に少なくともポリウレタンを含有する樹脂組成物を含浸させる。
【0024】
これにより、炭素繊維束に汎用樹脂とゴムの中間的な柔軟性を付与し、外力による負荷を吸収し、耐疲労性を向上させることができる。
【0025】
ポリウレタンを含む樹脂組成物は、室温40℃で固体状であり、流動することがない。この樹脂組成物は50℃以上、好ましくは50〜150℃に流動開始温度を有する。このような樹脂組成物の温度特性は、樹脂を均一に炭素繊維束に馴染ませて含浸させるため重要である。更に、含浸処理後の取扱性(特に撚糸時)を向上させること、及び繊維を摩擦から保護する観点からも重要である。この様な温度特性を持つ樹脂組成物を炭素繊維束に含浸させると、常温で固体の樹脂フィルムを炭素繊維表面に形成する。
【0026】
上記少なくともポリウレタンを含む樹脂組成物の炭素繊維束に対する含浸量は、炭素繊維束100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、3〜40質量部がより好ましい。含浸量が1質量部未満の場合は、炭素繊維単糸表面を樹脂で均一に覆うことができない為、外部応力負荷を樹脂で吸収することができず、結節破壊歪エネルギーが向上しない。また単繊維同士の擦過割合も増加し、ゴム補強用炭素繊維コードの耐疲労性が低下し易くなる。50質量部を越える場合は、ゴム補強用炭素繊維コードの耐熱性が不足することがある。
【0027】
上記樹脂組成物に含むポリウレタンは、公知のものである。
【0028】
このポリウレタンは、公知のポリイソシアネートと公知の活性水素化合物(ポリオール等)を主成分とした組成物の反応生成物であれば何れも使用できる。このようなものとしては、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールの反応により得られるポリエーテル系ポリウレタン、またはポリイソシアネートとポリエステルポリオールの反応により得られるポリエステル系ポリウレタンがある。
【0029】
具体的にはポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェノルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を例示できる。
【0030】
活性水素化合物としては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、またこれらの変性体のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類を挙げることができる。
【0031】
樹脂組成物には、上記ポリウレタン以外にエポキシ樹脂を含んでいても良い。エポキシ樹脂を含むことによりゴム補強用炭素繊維コードとゴム基材との接着性が向上する。
【0032】
エポキシ樹脂の具体例としては、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも、グリセロールポリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテルは、接着性の向上に特に有効である。
【0033】
エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して、60質量部以下であり、好ましくは30質量部以下が好ましい。60質量部を超える場合は、耐疲労性向上を目的とするポリウレタンの添加効果を低減させ、また樹脂組成物が40℃で液状となって撚糸時の取扱性が悪くなる。
【0034】
前記樹脂組成物中には架橋剤を含んでいても良い。架橋剤を配合することにより補強用炭素繊維コードの製造中の取扱性を高めることができる。
【0035】
架橋剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として広く使用されている種々のアミン系硬化剤や酸系硬化剤等が使用できる。特に、加熱により活性水素化合物と反応してウレタン化するブロックドポリイソシアネートが好ましい。ブロックドポリイソシアネートは繊維強化ゴム材料の製造時の熱処理により、樹脂層が均一に形成され、外力による応力集中を避けることができる。
【0036】
ブロックドポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフエニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネートがある。
【0037】
あるいは、これらポリイソシアネートと活性水素原子を2個以上有する化合物、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等とをイソシアネート基(−NCO)とヒドロキシル基(−OH)の比が1を超えるモル比で反応させて得られる末端イソシアネート基含有のポリオールアダクトポリイソシアネート等が挙げられる。
【0038】
ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等のフェノール類;ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン類;フタル酸イミド類;カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類;アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム類;及び酸性亜硫酸ソーダ等が例示できる。
【0039】
架橋剤の含有量は、架橋剤自身の性質やポリウレタンとエポキシ樹脂の配合割合に左右される為一概には言えないが、樹脂組成物100質量部に対して、50質量部以下が好ましい。50質量部を超える場合は、得られる炭素繊維コードが脆くなり、柔軟性が損なわれ、耐屈曲疲労性が低下し易くなる。
【0040】
上記炭素繊維束への上記樹脂組成物の含浸方法はとくに制限がない。例えば、噴霧法、ローラーコート法、浸漬法など公知の方法を採用できる。なかでも、上記樹脂が炭素繊維束全体に均一に行き渡り易く、またその付着量を調整し易いことから、浸漬法が最も好ましい。
【0041】
浸漬法の具体的実施形態としては、樹脂組成物溶液満たした槽に炭素繊維束を連続的に供給して浸漬させ、通過させ、滴る過剰の樹脂溶液を取除く等の方法を挙げることができる。
【0042】
本発明で使用する樹脂組成物溶液の分散媒としては、アセトン等の有機溶剤、または乳化剤等を用いた水がある。また、炭素繊維束の取扱い性や、耐擦過性、耐毛羽性、含浸性を向上させるため、分散剤、界面活性剤等の補助成分を溶剤又は水に添加しても良い。
【0043】
上記樹脂組成物を含浸させた炭素繊維束には、次いで撚りをかけることが好ましい。その撚り係数は2〜4が好適である。撚り係数が2未満であると、繊維束が収束しがたく、一体性が不十分になり、耐屈曲疲労性等の性能が向上し難い。撚り係数が4を超えると、撚糸時にガイドとの摩擦等により炭素繊維束が損傷し易く、コードの耐疲労性が損なわれることがある。引っ張り強度と屈曲疲労性のバランスの点から、撚りが掛けられることにより、その一体性が高まり、それに起因して、コードは、屈曲疲労による性能劣化が起こり難くなる。
【0044】
撚りの方向は、Z撚り/S撚りを問わず同等に効果が得られる。さらに、特定方向の下撚りを加えた複数本の炭素繊維束に、さらに上撚りを加えてゴム補強用炭素繊維コードとすれば、強度や疲労性等の性能が一層向上するのでより好ましい。
【0045】
上記撚りを掛けたゴム補強用炭素繊維コードは、更に当業者に公知のレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス系接着剤(RFL接着剤)を塗布処理することが好ましい。この塗布処理により、ゴム補強用炭素繊維コードとマトリクスゴムとの接着性を高めることができる。
【0046】
RFL接着剤中のレゾルシンとホルムアルデヒドとのモル比は1:0.8〜1:5で、1:1.0〜1:3が好ましい。レゾルシンとホルマリンとは予め縮合したものを用いても良い。レゾルシンもしくは、あらかじめレゾルシンとホルマリンを縮合した初期縮合物とホルマリンとを、他の成分を添加する前に更に縮合したものがより好ましい。
【0047】
RFL系接着剤におけるレゾルシン・ホルマリンとゴムラテックスとの配合比率は、質量基準で1:1〜1:15が好ましく、1:2〜1:10がより好ましい。
【0048】
ゴムラテックスの比率が上記範囲よりも少ない場合は、処理して得られるゴム補強用炭素繊維コードが硬くなり、耐疲労性が低下しやすい。逆に多すぎる場合は、塗布処理時に、スカムが発生する等の工程上の取扱性が悪くなる。
【0049】
RFL系接着剤に使用するゴムラテックスとしては、アクリルゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、エチレン−プロピレンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックスブチルゴム、ネオブレンゴム、カルキシル化ブタジエン・スチレン共重合体またはクロルスルホン化ポリエチレン、ニトリルゴムラテックス等が挙げられる。中でも、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスは、接着性向上に有効である。
【0050】
ゴムラテックスは、上記の二種以上の混合物であってもよく、またレゾルシンとホルムアルデヒドを反応させる反応系に反応前から共存させてもよい。
【0051】
RFL系接着剤は、ブロックドポリイソシアネートを配合したものが好ましい。ブロックドポリイソシアネート化合物としては、炭素繊維束へ含浸させる樹脂の項で記したものが使用できる。添加量は0.5〜30質量%が好ましい。ブロックドポリイソシアネートを添加することにより、コードとゴムとの接着性を一層向上させることができる。
【0052】
さらに、RFL系接着剤の表面張力を下げるためにアルキレングリコール、シリコーンならびにその誘導体の添加も有効である。これらの添加により低濃度におけるRFL系接着剤の塗布処理を可能とする。
【0053】
RFL接着剤を調製する際には、適宜各成分の混合順や熟成時間を変えることも出来る。RFL系接着剤は、水で希釈して固形分濃度15〜30質量%とし、製造後数日間熟成させたものが好ましい。
【0054】
RFL系接着剤は、水分を含む水系接着剤である。繊維強化ゴム材料を製造する際に、水分を含んだ状態でコードとゴムとを接着すると、ゴム補強用炭素繊維コードの耐久性が不足する原因となるボイドが発生する。繊維強化ゴム材料を製造するに際しては、ボイドの発生を防ぐ観点から、RFL系接着剤をゴム補強用炭素繊維コードの表面に塗布した後、加熱して水分を乾燥除去しておくことが好ましい。ここで、乾燥状態におけるRFL系接着剤の付着量は、炭素繊維束100質量%に対して、1〜50質量%が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。塗布量が1質量%未満の場合は、接着性の改善効果が不足することがあり、50質量%を越えると、塗布処理時に、スカムが発生する等の工程上の取扱が困難になる。
【0055】
RFL系接着剤の塗布処理の具体例としては、ポリウレタンを含む樹脂組成物を含浸させ、撚る等の処理を施したコードをRFL系接着剤を含む処理液槽に通過させた後、加熱乾燥炉内を通過させ、水分を除去する方法がある。
【0056】
このようにして製造した本発明のゴム補強用炭素繊維コードは、後述する結節強度測定で得られる応力―歪曲線で囲まれた面積、即ち結節破壊歪エネルギーが6MJ/m以上のものである。
【0057】
なお、上記ゴム補強用炭素繊維コードはそのままの形態で使用しても良いが、更に高次加工して、例えば織編物等の種々の集合形態にすることもできる。
【0058】
本発明の繊維強化ゴム材料は、前記ゴム補強用炭素繊維コードをゴムを主成分とする基材中に埋入して一体化させたもので、前記基材がコードにより補強されている。 ここで「主成分」とは、基材中、ゴムが60質量%以上、好ましくは70質量%以上含まれていることをいう。
【0059】
ゴムの具体例としては、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
【0060】
なお、基材には、主成分であるゴムの他に、材料の改質のため、カーボンブラック、シリカ等の無機充填剤や、クマロン樹脂、フェノール樹脂等の有機充填剤、ナフテン系オイル等の軟化剤、老化防止剤、顔料等の各種添加剤が含まれていても良い。
【0061】
本発明の繊維強化ゴム材料は、例えば、次のような方法により製造することができる。即ち、同一方向に引き揃えられたゴム補強用炭素繊維コードを、両面から未架橋のゴムを主成分とする基材で挟み込んだ後、プレス機で加熱・加圧して成形する方法がある。繊維強化ゴム材料中のゴムが上記RFL系接着剤に含まれるゴムラテックスと同種の場合には、コードと基材との接着性がより高まり、好ましいものである。
【0062】
【実施例】
実施例及び比較例で作製した各ゴム補強用炭素繊維コード、及び繊維強化ゴム材料の諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0063】
<ゴム補強用炭素繊維コードの結節破壊歪エネルギー>
試料コードのつかみ間の中央に結節をつくり、応力―歪曲線を測定し、囲まれた面積を算出した。具体的には、測定する炭素繊維コードの両端をチャックに挟み込んで固定した。ここで、チャック間のサンプル長は250mmとし、結び目が、チャック間の中央部に位置するようにした。次に、速度30mm/分で、サンプルを引張り、図1に示す応力―歪曲線を得た。その後、曲線で囲まれた面積S(=応力×変位÷サンプル繊度)を算出し、その値をサンプル体積(=サンプル長×サンプル繊度/サンプル比重)で除した。尚、ここでは、右結びについてn=5の平均値を結節破壊歪エネルギー値とした。
【0064】
<屈曲疲労性>
ゴム補強用炭素繊維コードの屈曲疲労性は次の2種の方法により測定した。
【0065】
(第1の方法) 図2に示すように、炭素繊維コード2の一端に1.5kgの荷重4を取り付け、直径10mmのローラー6に掛渡し、他端8をコード長軸方向に振幅30mm、速度100回/分で振動させることにより、コードを繰り返し屈曲させ、破断するまでの回数を測定した。
【0066】
(第2の方法) ゴム補強用炭素繊維コードをゴム基材中に包埋させて一体化した繊維強化ゴム材料を得た。第1の方法と同様にして、振幅60mm、速度120回/分で繊維強化ゴム材料を20万回屈曲させた後、炭素繊維コードの引張強度を測定した。引張強度測定は上記結節破壊歪エネルギーの測定に準じた。但し、結び目を作らずに、最大荷重を測定した。試験片の(屈曲疲労後の引張強度)÷(屈曲疲労前の引張強度)=引張強度保持率とし、耐屈曲疲労性の指標とした(ここでは、引張試験機として、インストロン5565(インストロン・ジャパン社製)を用いた)。ここで、繊維強化ゴム材料は次のように作製した。コードを、幅20mm、厚さ4mm、長さ430mmのゴムシート上にコードとゴムの長軸方向を一致させて、20本等間隔にて同一方向に引き揃え、同ゴムシートにより、両面から挟み込んだ。その後、得られたコード/ゴム複合体をプレス機を用い、温度150℃、圧力5MPa、時間30分の条件下でゴムを加硫させ、繊維強化ゴム材料とした。屈曲疲労前後のコードは各々屈曲疲労性試験前後の繊維強化ゴム材料から取り出された。使用したゴムはスチレン−ブタジエンゴムであった。
【0067】
<樹脂組成物付着量>
一定長さあたりの炭素繊維束の質量を予め測定しておき、樹脂含浸後の同一炭素繊維束の質量を測定し、その差を算出した。
【0068】
<RFL組成と付着量>
水26.9gに水酸化ナトリウム0.1g、28%アンモニア水2.2gを加えてアルカリ水溶液を得た。レゾルシン:ホルマリン=1:0.6(モル比)で予め酸性条件下で縮合させた縮合物の65%水溶液を3.2gと37%ホルマリン水溶液2.2gを前記アルカリ水溶液に加え、20℃で6時間熟成を行って熟成混合液を得た。
【0069】
次に、この熟成混合液を、水120gにビニルピリジン・ブタジエン・スチレンの3元共重合ラテックス(3成分の組成モル比、15:70:15、固形分濃度40.5質量%)65gの混合液に添加した。更に、40%メチルエチルケトオキシムブロックドジフェニルメタンジイソシアネート水分散体を14g添加し、24時間熟成させた。
【0070】
RFL付着量については、RFL付着後の同一長さの質量と樹脂含浸後の同一長さの質量との差より計算した。
【0071】
実施例1〜6、比較例1〜6
炭素繊維束(東邦テナックス社製ベスファイト、6000フィラメント、繊度2050dtex)をポリウレタンを含む樹脂のアセトン溶液に浸漬させた。表1、2にポリウレタン(大日本インキ社製クリスボンAH―500)、エポキシ樹脂(ナガセ化成社製デナコールEX313)、メチルエチルケトオキシムブロックドジフェニルメタンジイソシアネート(BIと表記)の配合比を記した。その後、溶剤を乾燥除去(180℃、2分)した。その際、浴濃度を調整することにより、表1、2に挙げる炭素繊維束を得た。
【0072】
これらの炭素繊維ストランドに撚り係数2〜4の範囲でZ方向に撚りを掛けた後、さらに2本引き揃えてS方向に撚糸し、コードを得た。撚りを付与したコードにRFL系接着剤を塗布し、乾燥処理(230℃、2分)を行った。尚、RFL系接着剤の付着量はコード100質量%に対して、5質量%となるように調節した。但し、実施例6についてのみ、RFL処理を行っていない。これらのコードに対し、上記に挙げた各種評価試験を行った。その結果を表1、2にまとめて示した。
【0073】
【表1】
Figure 2005023480
【0074】
【表2】
Figure 2005023480
【0075】
【発明の効果】
本発明によるゴム補強用炭素繊維コードは、炭素繊維束に40℃で固体状態のポリウレタンを含む樹脂組成物を含浸したので、ゴム基材との接着性に優れ、得られる繊維強化ゴム材料はコードと基材との界面の剥離破壊が生じにくく、耐屈曲破断性に優れた耐久性の良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】結節破壊歪エネルギーの測定方法を示すグラフである。
【図2】屈曲疲労性試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
2 炭素繊維コード
4 荷重
6 ローラー
8 他端

Claims (8)

  1. 炭素繊維束100質量部に、少なくともポリウレタンを含む40℃で固体状態の樹脂組成物1〜50質量部を含浸させてなるゴム補強用炭素繊維コード。
  2. 樹脂組成物の流動開始温度が50〜150℃である請求項1に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
  3. 樹脂組成物が、樹脂組成物100質量部に対して60質量部以下のエポキシ樹脂を含む請求項1に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
  4. 樹脂組成物が、樹脂組成物100質量部に対して50質量部以下の架橋剤を含む請求項1に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
  5. 炭素繊維束の撚り係数が2〜4である請求項1に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
  6. 炭素繊維束が、撚り係数が2〜4の炭素繊維束を複数引き揃えて撚糸したものである請求項1に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
  7. 炭素繊維束が、さらにRFL系接着剤を塗布してなる請求項6に記載のゴム補強用炭素繊維コード。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のゴム補強用炭素繊維コードと、ゴムを主成分とする基材とからなる繊維強化ゴム材料。
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