JP4538413B2 - 錠装置および建具 - Google Patents
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また、施錠状態において感知部が台座に係止されることで、クレセント錠の回動が規制されて解錠操作ができないようにする自動二重ロック機構が構成されている。
すなわち、通常の引違い窓に設けられたクレセント錠では、施錠状態において錠受けに係合した鎌錠が下側に位置しているため、この鎌錠近傍の感知部が押さえにくく、かつハンドルが鎌錠と反対の上側に位置しているため、感知部を押さえたままでハンドルを片手で操作することは非常に困難である。そして、施錠するたびに二重ロックが自動的に掛かってしまうことから、頻繁に開閉、施解錠する窓において、上述のような煩雑な解錠操作を繰り返し行わなければならず、利便性が著しく劣ってしまっていた。
このような構成によれば、第3位置に解錠規制部材をスライドした状態、すなわち鎌錠および操作部材の解錠操作を解錠規制部材で規制した二重ロック状態において、解錠規制部材のロック表示手段が視認可能になっていることで、二重ロックが掛かっていることが利用者に判別できる。換言すると、解錠規制部材が第3位置になく第2位置にあって、二重ロック状態ではない場合に、操作部材が解錠操作可能であることが利用者に判別できる。従って、二重ロック状態において無理に操作部材を解錠操作するような誤操作による部品の破損等が防止でき、製品寿命を長期化することができる。
この際、解錠規制部材には、ロック表示手段の他に、第1位置や第2位置にスライドされた状態で室内側から視認可能な表示手段として、施錠操作可能表示手段や解錠操作可能表示手段が設けられていてもよい。
ここで、見込み方向に直交しかつ障子の開閉方向に直交する方向とは、障子が左右にスライド開閉される建具においては、上下方向(鉛直方向)を意味し、障子が上下にスライド開閉される建具においては、左右方向(水平方向)を意味し、すなわち、錠受けが取り付けられる室外側召合せ部(召合せ框)の長手方向に沿った方向であればよい。
このような構成によれば、錠受けにおいて、錠受け本体から突出した突片で被検知部を構成したことで、この被検知部以外の錠受け本体に検知部材の検知部が当接する可能性がなくなり、障子が正常に閉じた状態を確実に検知することができる。このように被検知部のみに検知部を当接させる構造としては、被検知部を錠受け本体よりも見込み方向室内側に突出させた構成が考えられるが、この構成にすると被検知部の室内側への突出量分だけクレセント錠および室内側召合せ部が室内側に移動してしまい、建具の見込み寸法が大きくなってしまうという不都合が生じる。これに対して、見込み方向に直交して被検知部を突出させた本発明の構成によれば、建具の見込み寸法を必要最小寸法に抑えつつ、正確に障子の閉鎖状態が検知できる。
このような構成によれば、係合片と略同一見込み位置に被検知部を設けたことで、鎌錠を係合させて施錠するために必要とされる係合片の見込み位置よりも室内側に被検知部が突出することがなく、建具の見込み寸法の拡大をより確実に防止することができる。
このような構成によれば、障子を閉じた状態で室内側召合せ部に設けた台座に被検知部が隠蔽されるので、錠受け本体から突出させて設けた被検知部が室内側から目立たないようにでき、錠装置および建具の意匠性を向上させることができるとともに、被検知部に利用者の衣服等が引っ掛かることが防止できる。
このような本発明の建具によれば、前述した錠装置と同様に、施錠および解錠操作の操作性を向上させることができるとともに、二重ロック機構によって防犯性を向上させることができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である引違い窓1に用いられる錠装置10を示す側面図である。図2および図3は、錠装置10の施錠時の動作を示す側面図である。図4は、錠装置10の施錠時の動作を示す平面図である。図5は、錠装置10の錠受け12を示す正面図である。図6および図7は、それぞれ錠装置10の施錠状態を示す側面図である。
ここで、錠装置10における施錠操作とは、図1に示すように、クレセント錠11の鎌錠14およびノブ15が解錠位置にあり、鎌錠14が錠受け12に係合していない状態から、図2、図3に示すように、ノブ15を室内側(図の左側)上方に操作して鎌錠14を施錠方向に(施錠位置に向かって)回動させる操作である。
また、錠装置10における解錠操作とは、図6に示すように、クレセント錠11の鎌錠14およびノブ15が施錠位置にあり、鎌錠14が錠受け12に係合した状態から、ノブ15を室内側下方に操作して鎌錠14を解錠方向に(解錠位置に向かって)回動させる操作である。
図8は、錠装置10の空掛け時の動作を示す側面図である。図9(A),(B)は、錠装置10の空掛け時の動作を拡大して示す側面図である。図10は、錠装置10の空掛け時の動作を示す平面図である。
(1)すなわち、障子2,3が閉じていない非閉鎖状態(錠受け12が係合可能位置にない状態)で施錠操作をしてしまっても、所定量だけ検知部182が突出したトリガ18の係止部183で二重ロック部材19の第1被係止部197が係止され、鎌錠14およびノブ15の施錠操作が規制されるので、空掛けを防止することができる。そして、施錠操作を中止すれば、コイルばね17の付勢力で自動的に鎌錠14およびノブ15が解錠位置に戻されるため、空掛け状態であることが利用者から容易に判別できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図11〜図13に基づいて説明する。
図11(A),(B)は、本発明の第2実施形態の錠装置10Aを示す側面図である。図12(A),(B)および図13(A),(B)は、それぞれ錠装置10Aの施錠時の動作を示す側面図である。
本実施形態の錠装置10Aは、前記第1実施形態の錠装置10における台座13および二重ロック部材19に二重ロック状態を表示する表示機能を追加したもので、他の構成は錠装置10と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
(7)すなわち、二重ロック状態において、ロック表示部199Aが窓部133を介して視認可能に構成されているので、二重ロックが掛かっていることが利用者に容易に判別できるとともに、二重ロック部材19が第2位置にあればロック表示部199Aが視認されず、二重ロック状態ではなく解錠操作可能であることが利用者に判別できる。従って、二重ロック状態において無理に鎌錠14およびノブ15を解錠操作することが防止され、このような誤操作による部品の破損等が防止でき、製品寿命を長期化することができる。
例えば、前記各実施形態においては、引違い窓1に錠装置10,10Aを設けた例を示したが、本発明の建具はこのような引違い窓1に限られず、片引き窓や上げ下げ窓等であってもよい。また、錠装置は、引き違い形式の窓や戸以外にも適用可能であり、例えば、開き窓や縦辷り出し窓等のスイングタイプの窓や戸に設けてもよく、さらに窓や戸以外の開閉部材の施錠に本発明の錠装置を用いてもよい。
また、前記第2実施形態では、ロック表示部199A(ロック表示手段)が二重ロック部材19の延出片199に貼り付けた板材で構成されていたが、ロック表示部としては、これに限らず、塗装やシールでもよい。さらに、ロック表示手段を室内側から視認可能にする構成としては、台座に設けた窓部133に限らず、例えば、二重ロック部材19に突片を形成するとともに台座13に挿通孔を形成しておき、二重ロック部材19が第3位置にスライドされた場合に突片が挿通孔から突出するような構成でもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- スライド開閉可能な障子を備えた建具における室内外の召合せ部のうち、室内側召合せ部に固定されたクレセント錠と、室外側召合せ部に固定された錠受けとの係合により当該建具を施錠する錠装置であって、
前記クレセント錠は、前記室内側召合せ部に固定される台座と、この台座に支持されて前記錠受けに係合する施錠位置と係合しない解錠位置との間を回動自在に設けられた鎌錠と、この鎌錠に連結されて当該鎌錠を回動操作するための操作部材と、この操作部材の操作に連動して前記障子の閉鎖状態および非閉鎖状態を検知する検知部材と、前記鎌錠が施錠位置にある場合に当該鎌錠および操作部材の解錠方向への回動を規制する解錠規制部材とを備えて構成され、
前記検知部材には、前記台座から室外側に向かって突出する方向に付勢された検知部と、前記解錠規制部材の移動を規制する規制部とが設けられ、
前記解錠規制部材は、前記鎌錠の解錠位置に対応した第1位置と、この第1位置から所定距離だけ離れた第2位置と、この第2位置から所定距離だけ離れた第3位置との間をスライド移動可能に前記台座に設けられるとともに、これらの第2位置および第3位置にて前記台座に係止されて位置決め可能かつ室内側から操作可能に構成され、
前記障子の非閉鎖状態で前記操作部材を施錠操作した場合には、前記解錠規制部材の第1位置から第2位置側への移動に伴って、前記検知部材の検知部が前記室外側障子に向かって所定量だけ突出することで、前記解錠規制部材が前記検知部材の規制部に係止されて施錠操作が規制され、
前記障子の閉鎖状態で前記操作部材を操作した場合には、前記検知部材の検知部が前記錠受けに当接することで当該検知部が所定量まで突出せず、前記解錠規制部材が前記検知部材の規制部に係止されずに施錠操作が継続され、前記鎌錠が施錠位置まで回動されて前記錠受けに係合されるとともに、これらの鎌錠および操作部材に連動して前記解錠規制部材が第2位置にスライド移動して前記台座に係止され、
前記鎌錠が施錠位置まで回動された状態で、前記解錠規制部材を第2位置から第3位置にスライド操作した場合には、この解錠規制部材で当該鎌錠および操作部材の解錠操作が規制され、
前記解錠規制部材を第3位置から第2位置にスライド操作して規制を外して前記鎌錠および操作部材を解錠操作した場合には、これらの鎌錠および操作部材に連動して当該解錠規制部材が第2位置から第1位置にスライド移動される錠装置。 - 前記解錠規制部材には、前記台座を介して室内側から視認可能なロック表示手段が設けられており、
前記ロック表示手段は、前記解錠規制部材が第1位置および第2位置にスライドされた状態で視認不能、かつ当該解錠規制部材が第3位置にスライドされた状態で視認可能に構成されている請求項1に記載の錠装置。 - 前記錠受けは、前記鎌錠に係合される係合片を有した錠受け本体と、前記検知部材が当接する被検知部とを有して構成され、
前記被検知部は、見込み方向に直交しかつ前記障子の開閉方向に直交する方向に錠受け本体から突出した突片から形成されている請求項1または請求項2に記載の錠装置。 - 前記被検知部は、前記係合片と略同一見込み位置に設けられている請求項3に記載の錠装置。
- 前記被検知部は、前記障子を閉じた状態において、前記台座の室外側に重なって位置し、室内側から隠蔽される請求項3または請求項4に記載の錠装置。
- 左右または上下にスライド開閉可能な少なくとも1枚の障子を備え、この障子の召合せ框と、他の障子の召合せ框または他の召合せ部とが見込み方向に重なって閉じ、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の錠装置によって施錠可能に構成された建具。
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